JP2007052974A - 静電容量式スイッチ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 柔軟性を有する透明検知電極２と回路基板７を接続し、外部からは目立ちにくい配線を備えた静電容量式スイッチ装置を提供する。
【解決手段】 透明絶縁基板１の上に、人体などの近接による静電容量の変化を検知する透明検知電極２と、透明検知電極２と互いの一部が重なるように導電性ペーストからなる配線３を配し、透明検知電極２及び外部配線部３ａを除く配線３を固定接合するように絶縁保護シート４で覆う。また、外部配線部３ａは、異方性導電膜６を介して、電子基板７が有する静電容量検知回路５の構成素子の入力端子５ａに電気的に接合されている。
【選択図】 図１

Description

本発明は、家電用機器、産業用機械、輸送機械、建造物等に使用される静電容量式スイッチ装置に関する。

従来より、静電容量の変化を検出する静電容量式スイッチとして、例えば特許文献１に開示されたものが知られている。この特許文献１に開示されたものは、透明保護膜の下に静電容量検知用透明電極及び表示素子を設け、透明電極での静電容量を検出手段で検出し、その検出結果に基づいて制御手段が表示素子を駆動するようにしたものである。また、この特許文献１には、表示素子の表示面にマスクを設け、文字や絵を表示する点も開示されている。これにより、機械的駆動部分がないタッチスイッチを実現するだけでなく、スイッチがＯＮしたことを表示機能により操作者に報知することが可能になる。
特開平５−２９８９７９号公報、段落００１２〜００１３、００１９、図１

しかしながら、従来の静電容量式スイッチ装置では、透明電極に人体の一部を近づけると表示素子が表示されるだけで、たとえば暗所などにおけるスイッチの操作性を考慮したものではない。これを解決するために本出願人は特願２００４−３１７５３８「静電容量式スイッチ装置」を提案している（未公知）。この装置は、静電容量式の透明検知電極の裏に光源を配置し、該透明検知電極で検知された静電容量を静電容量検知回路で検出値に変換し、検出値があるしきい値に達すると、透明電極の裏に設置されている光源の点灯制御を行うものである。また、該透明検知電極は、光透過性を有する意匠板により覆われているため、光源の非点灯時には、外部からスイッチ装置の位置がわかりにくく、セキュリティ性・デザイン性が高い。

本発明は、このスイッチ装置の透明検知電極と静電容量検知回路を接続する配線を改良したもので、厚み方向に薄く、透明検知電極と静電容量検知回路を容易に接続することができる配線を備えた静電容量式スイッチ装置を提供することを目的とする。

本発明による静電容量式スイッチ装置は、透明絶縁基板と、前記透明絶縁基板上に形成された透明検知電極と、前記透明検知電極に一部が重なり合うように前記透明絶縁基板上に形成された導電性ペーストからなる配線と、前記透明検知電極と接地との間の静電容量を検出して検出値を出力する静電容量検知回路と、前記静電容量式検知回路が設置された回路基板と、前記透明検知電極及び前記配線を保護する透明保護部材とを備えたことを特徴とする。

本発明によれば、検知電極と静電容量検知回路を接合する配線材として導電性ペーストを用いているため、線配線と比較して厚み方向に薄い。また、柔軟性を有し配線しにくい透明電極に、配線材として導電性ペーストを介することで、静電容量検知回路への接続部と接続しやすくなる。

以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。

図１は、本発明の実施形態に係る静電容量式スイッチ装置の平面図である。図２は、図１のＡ―Ａ’断面図である。

ＰＥＴ等からなる透明絶縁基板１の上には、ＬＴＯ等からなる静電容量式の透明検知電極２が配置され、互いの一部分が重なり合うように、導電性ペーストからなる配線３が透明検知電極２上に設置され透明検知電極２と電気的に接合している。更に、配線３の外部配線部３ａを除いた部分及び検知電極２の上には、粘着剤付きのＰＥＴ等からなる電極保護用透明絶縁シート４が貼り合わされ、透明検知電極２及び透明検知電極２と配線３との接合部分を保護すると共に接着固定している。

また、電極保護用透明絶縁シート４に覆われていない外部配線部３ａは、ＡＣＦ（異方性導電膜）等の接続部材３を介して、電子基板７に接続されており、電子基板７が有する静電容量検知回路５の構成素子の入力端子５ａと電気的に接合している。

図３は、同装置の検知電極２と配線３との接続部の製造過程を示した図１のＡ−Ａ’の一部断面図である。

はじめに、（ａ）透明絶縁基板１の上にＬＴＯ等の透明電極２を形成し、次に、（ｂ）透明電極２と互いの一部分が重なり合うように銀ペースト３を印刷によって形成し、最後に、（ｃ）外部配線部３ａを除いた配線３及び検知電極２を覆うように透明絶縁膜シート４を貼り合わせる。これにより、検知電極２と配線３の接続部を形成することができる。

このように構成されたスイッチ装置の動作について説明する。

図４は、同装置の電気的構成を示すブロック図である。

スイッチ装置の操作者がスイッチ装置に近接すると、透明検知電極２と接地との間の静電容量Ｃｘが変化する。電子基板７が有する静電容量検知回路５は、配線３を介してこの静電容量Ｃｘの変化を入力し、電圧などの測定値に変換する。コンパレータ１１は、一方に検出値を入力し、他方に判定電圧１０を入力し、検出値が判定電圧１０を超えると、検出信号を外部に出力して図示しないバックライトの点灯制御やスイッチ出力を行う。

このように構成されたスイッチ装置の効果について説明する。

扁平で柔軟性のある透明検知電極２は、そのままでは外部の電気素子と接続しにくいが、導電性ペーストからなる配線３を介することで、外部の素子と接続しやすくなる。また、透明検知電極２は無色透明であるため外部から見えにくく、配線３も線配線と比較して目立たないため、操作者が近接するまではスイッチ装置の存在がわかりにくくデザイン性・セキュリティ性が高い。

本実施例では、配線３と電子基板７は、ＡＣＦ（異方性導電膜）等の接続部材３を介して接続しているが、図５及び図５のＢ−Ｂ’断面図である図６に示すように、電子基板７が有するコネクタ９に配線３を接続することでも本発明を実施することができる。

本実施例では、透明検知電極２と配線３の接続部分は、はじめに透明絶縁基板１の上に透明検知電極２を形成し、次に透明検知電極２と重なるように配線３を配しているが、図７に示すように接続部を製造してもよい。ここでは、はじめに（ａ）透明絶縁基板１上に銀ペーストからなる配線３を印刷によって形成し、次に（ｂ）配線３と互いの一部分が重なり合うように透明検知電極２を配し、最後に（ｃ）外部配線部３ａを除いた配線３及び検知電極２を覆うように透明絶縁膜シート４を貼り合わせ接続部を形成する。

本実施例では、透明絶縁膜シート４を用いて透明検知電極２及び透明検知電極２と配線３との接合部分を保護すると共に接着固定しているが、透明絶縁膜シート４の代わりにレジストを塗布することでも本発明を実施することができる。

また、図８に示すように、複数の透明検知電極２を設置する場合も本発明を実施することができる。ここでは、透明絶縁基板１に複数の透明検知電極２を配し、それぞれの透明検知電極２に配線３を接合し、図示しない電子基板７に接続している。

本発明の実施形態に係る静電容量式スイッチ装置の上面図である。 図１のＡ−Ａ’断面図である。 同装置の一部断面図である。 同装置の電気的構成を示すブロック図である。 他の実施形態に係る静電容量式スイッチ装置の上面図である。 図５のＢ−Ｂ’断面図である。 更に、他の実施形態に係る静電容量式スイッチ装置の一部断面図である。 更に、他の実施形態に係る静電容量式スイッチ装置の上面図である。

符号の説明

１…透明絶縁膜基板、２…透明検知電極、３…導電性ペースト、４…透明絶縁膜シート、５…電子基板、６…コネクタ、７…電子基板、９…コネクタ、１０…判定電圧、１１…コンパレータ。

Claims (7)

1. 透明絶縁基板と、
   前記透明絶縁基板上に形成された透明検知電極と、
   前記透明検知電極に一部が重なり合うように前記透明絶縁基板上に形成された導電性ペーストからなる配線と、
   前記透明検知電極と接地との間の静電容量を検出して検出値を出力する静電容量検知回路と、
   前記静電容量式検知回路が設置された回路基板と、
   前記透明検知電極及び前記配線を保護する透明保護部材と
   を備えたことを特徴とする静電容量式スイッチ装置。
2. 前記導電性ペーストは、銀ペーストであることを特徴とする請求項１記載の静電容量式スイッチ装置。
3. 前記透明保護部材は、透明絶縁シートであることを特徴とする請求項１記載の静電容量式スイッチ装置。
4. 前記透明保護部材は、レジストからなることを特徴とする請求項１記載の静電容量式スイッチ装置。
5. 前記回路基板は、フレキシブルプリント基板であることを特徴とする請求項１記載の静電容量式スイッチ装置。
6. 前記配線は、前記回路基板が有するコネクタを介して前記回路基板に接続されていることを特徴とする請求項１記載の静電容量式スイッチ装置。
7. 前記配線は、異方性導電膜を介して前記回路基板に接続されていることを特徴とする請求項１記載の静電容量式スイッチ装置。

Images