JP2007051578A - 二段過給システム - Google Patents
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Abstract
【課題】高回転数域を維持した状態での運転が多いエンジンに適した二段過給システムを提供する。
【解決手段】エンジン1から直に送出される排気Gによって大径タービン8を作動させ且つ大径コンプレッサ9で吸気Aを圧縮する第1のターボチャージャ17と、大径タービン8から送出される排気Gによって小径タービン3を作動させ且つ大径コンプレッサ9から送出される吸気Aを小径コンプレッサ4で圧縮してエンジン1へ送給する第2のターボチャージャ18と、小径タービン3の排気流入口の上流側から排気送出口の下流側へ至るバイパス通路19とを備え、バイパス通路19にバイパスバルブ20を組み込んだ構成を採り、エンジン1から直に送出される排気Gを大径タービン8に導き、高回転数域における排気Gのエネルギを有効に利用する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン1から直に送出される排気Gによって大径タービン8を作動させ且つ大径コンプレッサ9で吸気Aを圧縮する第1のターボチャージャ17と、大径タービン8から送出される排気Gによって小径タービン3を作動させ且つ大径コンプレッサ9から送出される吸気Aを小径コンプレッサ4で圧縮してエンジン1へ送給する第2のターボチャージャ18と、小径タービン3の排気流入口の上流側から排気送出口の下流側へ至るバイパス通路19とを備え、バイパス通路19にバイパスバルブ20を組み込んだ構成を採り、エンジン1から直に送出される排気Gを大径タービン8に導き、高回転数域における排気Gのエネルギを有効に利用する。
【選択図】図1
Description
本発明はエンジンの出力増大に用いる二段過給システムに関するものである。
排気量を変えずにエンジンの出力を高めるためには、シリンダに送給すべき吸気流量を増やし、1サイクルあたりの燃料噴射量を多くする必要がある。
また、エンジン排気経路から分流した排気を水冷式の管形熱交換器であるEGRクーラ(EGR:Exhaust Gas Recirculation)より冷却したうえエンジン吸気経路へ戻し、燃焼温度を下げてNOxの発生を低減させる排気再循環も一般的に行なわれている。
そこで近年、シリンダに送給すべき吸気流量を増やす手段として、エンジンに二段過給システムを採用することが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
図2は従来の二段過給システムの一例であり、車載のエンジン1の排気マニホールド2から直に送出される排気Gによって小径タービン3を作動させ且つ小径コンプレッサ4で圧縮した吸気Aをエンジン1の吸気マニホールド5へ送給するターボチャージャ6と、小径タービン3から送出される排気G、あるいは当該小径タービン3の排気流入口の上流側から排気送出口の下流側へ至る小径タービン3用のバイパス通路7を経た排気Gによって大径タービン8を作動させ且つ大径コンプレッサ9で圧縮した吸気Aを前記小径コンプレッサ4へ送給するターボチャージャ10とを備え、前記バイパス通路7には、小径タービン3に対応するバイパスバルブ11が組み込んである。
更に、大径コンプレッサ9の空気吐出口と小径コンプレッサ4の空気吸入口の間には、低圧段インタクーラ12が介装してあり、小径コンプレッサ4の空気吐出口とエンジン1の吸気マニホールド5の間には、高圧段インタクーラ13が介装してある。
この他に、エンジン排気経路の小径タービン3よりも上流側(具体的には排気マニホールド2)からエンジン吸気経路の高圧段インタクーラ13よりも下流側(具体的には吸気マニホールド5)へ至るEGR管路14を設け、当該EGR管路14に、分流した排気Gを冷却するEGRクーラ15と、エンジン吸気経路へ還流すべき排気Gの流量を調整するEGRバルブ16を組み込んでいる。
エンジン1が稼働状態であるとき、排気マニホールド2から送出される排気Gの大部分は小径タービン3へ流入して小径コンプレッサ4を駆動した後、大径タービン8へ流入して大径コンプレッサ9を駆動する。
大径コンプレッサ9に流入し且つ圧縮された吸気Aは、低圧段インタクーラ12を経て小径コンプレッサ4に送給され、当該小径コンプレッサ4で再び圧縮されたうえ、高圧段インタクーラ13を経て吸気マニホールド5へ送給される。
よって、シリンダに送給すべき吸気流量が増え、1サイクルあたりの燃料噴射量を多くすれば、エンジン1の出力を高めることができる。
また、排気Gの一部が排気マニホールド2からEGR管路14へ流入し、EGRクーラ15で冷却され且つEGRバルブ16で流量調整が行なわれた排気Gが、吸気Aとともに吸気マニホールド5へ送給される。
これにより、気筒内の燃焼温度の低下が図られ、NOxの発生が低減することになる。
また、エンジン1が高回転数域に達した際には、小径タービン3の能力を上回るような高エネルギ(大流量で高圧力)の排気Gが当該小径タービン3に流れ込むことがないように(タービン内の圧力過上昇抑制と過回転防止のため)バイパスバルブ11を開き、排気Gの一部をバイパス通路7から大径タービン8に導くようにしている。
エフ・ミロ(F. Millo)、エフ・マラモ(F. Mallamo)、ジー・ジャニオ・メゴ(G. Ganio Mego) ザ・ポテンシャル・オブ・デュアル・ステージ・ターボチャージング・アンド・ミラー・サイクル・フォー・エッチディー・ディーゼル・エンジン(The Potential of Dual Stage Turbocharging and Miller Cycle for HD Diesel Engines) エスエーイー・ペーパー(SAE Paper)2005-01-0221
エフ・ミロ(F. Millo)、エフ・マラモ(F. Mallamo)、ジー・ジャニオ・メゴ(G. Ganio Mego) ザ・ポテンシャル・オブ・デュアル・ステージ・ターボチャージング・アンド・ミラー・サイクル・フォー・エッチディー・ディーゼル・エンジン(The Potential of Dual Stage Turbocharging and Miller Cycle for HD Diesel Engines) エスエーイー・ペーパー(SAE Paper)2005-01-0221
しかしながら、図2に示す二段過給システムでは、エンジンが高回転数域に達した際にバイパスバルブ11を開くと、小径タービン3の排気送出口の背圧が上昇してターボチャージャ6の効率低下を招く。
このため、排気再循環が良好に行なわれなくなるとともにポンプ損失も増え、エンジン性能が損なわれる。
本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、高回転数域を維持した状態での運転が多いエンジンに適した二段過給システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため本発明は、エンジンから直に送出される排気によって大径タービンを作動させ且つ大径コンプレッサで吸気を圧縮する第1のターボチャージャと、前記大径タービンから送出される排気によって小径タービンを作動させ且つ大径コンプレッサから送出される吸気を小径コンプレッサで圧縮してエンジンへ送給する第2のターボチャージャと、小径タービンの排気流入口の上流側から排気送出口の下流側へ至る小径タービン用バイパス通路とを備え、当該バイパス通路に、小径タービン用バイパスバルブを組み込んだ構成を採る。
また、エンジン排気経路の大径タービンよりも上流側からエンジン吸気経路の小径コンプレッサよりも下流側へ至るEGR管路を設け、当該EGR管路にEGRクーラとEGRバルブを組み込んだ構成を採るようにする。
すなわち、エンジン高回転数域における高エネルギの排気を大径タービンに導き、大径コンプレッサの駆動力に変換して吸気を圧縮する。
エンジンが高回転数上限域を維持し続け、大径コンプレッサから送出される吸気流量が小径コンプレッサの能力を上回りそうな場合にはバイパスバルブを開き、大径タービンが送出する排気の一部をバイパス通路によって小径タービンの下流側へ導く。
また、エンジン低回転数域ではバイパスバルブを閉じ、大径タービンが送出する排気の全てを小径タービンに導く。
本発明の二段過給システムによれば、下記のような優れた効果を奏し得る。
(1)エンジンから直に送出される排気を大径タービンに導くので、エンジン高回転数域における排気エネルギを有効に利用することができる。
(2)また、エンジンが低回転数域を維持し続けている場合にはバイパスバルブを閉じ、大径タービンが送出する排気の全てを小径タービンに導くようにすれば、当該小径タービンの能力を最大限活かすことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の二段過給システムの一例であり、図中、図2と同一の符号を付した部分は同一物を表している。
この二段過給システムは、車載のエンジン1の排気マニホールド2から直に送出される排気Gによって大径タービン8を作動させ且つ大径コンプレッサ9で吸気Aを圧縮するターボチャージャ17と、大径タービン8から送出される排気Gによって小径タービン3を作動させ且つ大径コンプレッサ9から送出される吸気Aを小径コンプレッサ4で圧縮してエンジン1の吸気マニホールド5へ送給するターボチャージャ18と、小径タービン3の排気流入口の上流側から排気送出口の下流側へ至る小径タービン3用のバイパス通路19とを備え、当該バイパス通路19には、小径タービン3に対応するバイパスバルブ20が組み込んである。
更に、大径コンプレッサ9の空気吐出口と小径コンプレッサ4の空気吸入口の間には、低圧段インタクーラ12が介装してあり、小径コンプレッサ4の空気吐出口とエンジン1の吸気マニホールド5の間には、高圧段インタクーラ13が介装してある。
この他に、エンジン排気経路の大径タービン8よりも上流側(具体的には排気マニホールド2)からエンジン吸気経路の高圧段インタクーラ13よりも下流側(具体的には吸気マニホールド5)へ至るEGR管路14を設け、当該EGR管路14に、分流した排気Gを冷却するEGRクーラ15と、エンジン吸気経路へ還流すべき排気Gの流量を調整するEGRバルブ16を組み込んでいる。
エンジン1が稼働状態であるとき、排気マニホールド2から送出される排気Gの大部分は大径タービン8へ流入して大径コンプレッサ9を駆動した後、小径タービン3へ流入して小径コンプレッサ4を駆動する。
大径コンプレッサ9に流入し且つ圧縮された吸気Aは、低圧段インタクーラ12を経て小径コンプレッサ4に送給され、当該小径コンプレッサ4で再び圧縮されたうえ、高圧段インタクーラ13を経て吸気マニホールド5へ送給される。
よって、シリンダに送給すべき吸気流量が増え、1サイクルあたりの燃料噴射量を多くすれば、エンジンの出力を高めることができる。
また、排気Gの一部が排気マニホールド2からEGR管路14へ流入し、EGRクーラ15で冷却され且つEGRバルブ16で流量調整が行なわれた排気Gが、吸気Aとともに吸気マニホールド5へ送給される。
これにより、気筒内の燃焼温度の低下が図られ、NOxの発生が低減することになる。
エンジン1が高回転数上限域を維持し続け、大径コンプレッサ9から送出される吸気Aの流量が小径コンプレッサ4の能力を上回りそうな際にはバイパスバルブ20を開き、大径タービン8が送出する排気Gの一部をバイパス通路19によって小径タービン3の下流側へ導くようにし(小径コンプレッサ4の回転が大径コンプレッサ9で圧縮された吸気Aの流れを阻害しない程度に)、小径タービン3内の圧力過上昇抑制と過回転防止を図る。
また、エンジン1が低回転数域を維持し続けている場合にはバイパスバルブ20を閉じ、大径タービン8が送出する排気Gの全てを小径タービン3に導くようにして、当該小径タービン3の能力を最大限活かし、大径コンプレッサ9と小径コンプレッサ4により吸気Aを逐次圧縮する。
なお、本発明の二段過給システムは、上述の実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更を加え得ることは勿論である。
本発明の二段過給システムは、様々な内燃機関に適用できる。
1 エンジン
2 排気マニホールド(排気経路)
3 小径タービン
4 小径コンプレッサ
5 吸気マニホールド(吸気経路)
8 大径タービン
9 大径コンプレッサ
17 ターボチャージャ(第1のターボチャージャ)
18 ターボチャージャ(第2のターボチャージャ)
19 バイパス通路
20 バイパスバルブ
2 排気マニホールド(排気経路)
3 小径タービン
4 小径コンプレッサ
5 吸気マニホールド(吸気経路)
8 大径タービン
9 大径コンプレッサ
17 ターボチャージャ(第1のターボチャージャ)
18 ターボチャージャ(第2のターボチャージャ)
19 バイパス通路
20 バイパスバルブ
Claims (2)
- エンジンから直に送出される排気によって大径タービンを作動させ且つ大径コンプレッサで吸気を圧縮する第1のターボチャージャと、前記大径タービンから送出される排気によって小径タービンを作動させ且つ大径コンプレッサから送出される吸気を小径コンプレッサで圧縮してエンジンへ送給する第2のターボチャージャと、小径タービンの排気流入口の上流側から排気送出口の下流側へ至る小径タービン用バイパス通路とを備え、当該バイパス通路に、小径タービン用バイパスバルブを組み込んだことを特徴とする二段過給システム。
- エンジン排気経路の大径タービンよりも上流側からエンジン吸気経路の小径コンプレッサよりも下流側へ至るEGR管路を設け、当該EGR管路にEGRクーラとEGRバルブを組み込んだ請求項1に記載の二段過給システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005236710A JP2007051578A (ja) | 2005-08-17 | 2005-08-17 | 二段過給システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005236710A JP2007051578A (ja) | 2005-08-17 | 2005-08-17 | 二段過給システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007051578A true JP2007051578A (ja) | 2007-03-01 |
Family
ID=37916190
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005236710A Pending JP2007051578A (ja) | 2005-08-17 | 2005-08-17 | 二段過給システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007051578A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102007017843A1 (de) * | 2007-04-16 | 2008-11-06 | Siemens Ag | Turboladeranordnung |
JP2012132370A (ja) * | 2010-12-22 | 2012-07-12 | Mazda Motor Corp | ターボ過給機付きディーゼルエンジン |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50145713A (ja) * | 1974-05-16 | 1975-11-22 | ||
JPH03290028A (ja) * | 1990-04-06 | 1991-12-19 | Toyota Motor Corp | 直列2段過給ディーゼルエンジンの燃料噴射装置 |
-
2005
- 2005-08-17 JP JP2005236710A patent/JP2007051578A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS50145713A (ja) * | 1974-05-16 | 1975-11-22 | ||
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2012132370A (ja) * | 2010-12-22 | 2012-07-12 | Mazda Motor Corp | ターボ過給機付きディーゼルエンジン |
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Legal Events
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