JP2007048508A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】エジェクタに関連するガスの圧力変動を抑制し、燃料電池への供給流量および供給圧力を安定化させることができる燃料電池システムを課題とする。
【解決手段】燃料電池2に供給する新たな反応ガスと燃料電池2から排出された反応ガスのオフガスとを合流して燃料電池2に反応ガスを供給するエジェクタ24を備える。エジェクタ24は、例えばオフガスの圧力が導入通路25を介して信号圧として導かれる圧力室65を有していて、この信号圧の作用により燃料電池2への反応ガスの供給流量を可変する。導入通路25にバッファ35を設け、オフガスを一時的に貯留するようにした。また、エジェクタ24よりも上流側の供給流路22aにバッファ33を設け、新たな反応ガスを一時的に貯留するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池2に供給する新たな反応ガスと燃料電池2から排出された反応ガスのオフガスとを合流して燃料電池2に反応ガスを供給するエジェクタ24を備える。エジェクタ24は、例えばオフガスの圧力が導入通路25を介して信号圧として導かれる圧力室65を有していて、この信号圧の作用により燃料電池2への反応ガスの供給流量を可変する。導入通路25にバッファ35を設け、オフガスを一時的に貯留するようにした。また、エジェクタ24よりも上流側の供給流路22aにバッファ33を設け、新たな反応ガスを一時的に貯留するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、流量可変式のエジェクタを備えた燃料電池システムに関するものである。
反応ガス(燃料ガス、酸化ガス)の供給を受けて発電する燃料電池を備えた燃料電池システムにおいては、燃料電池から排出されるオフガス中に、発電に寄与しなかった反応ガスが含まれ得る。従来の燃料電池システムでは、この未反応の反応ガスを再利用すべく、流量可変式のエジェクタにより燃料電池に循環供給させることがある(例えば、特許文献1および2参照。)。
例えば特許文献1に記載の燃料電池システムでは、圧力制御弁で調圧された燃料ガスがエジェクタに供給され、エジェクタは、燃料ガスを噴射することにより燃料オフガスを吸引し、両者を混合して燃料電池に供給する。このエジェクタは、同心配置した二つのノズルの一方をステップモータにより軸線方向に可動することで、そのノズルと他方のノズルとの間隙から噴射する燃料ガスの流量を可変する。
特開2002−56869号公報
特表2002−231278号公報
特表2003−508667号公報
特開2004−79490号公報
特開2004−178898号公報
特開2002−373682号公報
しかし、特許文献1に記載の燃料電池システムでは、圧力制御弁によって圧力に脈動が生じた燃料ガスがエジェクタに供給されるおそれがあった。このため、エジェクタの流量制御性が低下し、ひいてはエジェクタから燃料電池に供給される燃料ガスに圧力変動が起きて、燃料電池の耐久性や発電性能を低下させるおそれがあった。
また、このエジェクタでは、流量可変の際のステップモータの駆動時に振動が発生するため、この振動が圧力制御弁の調圧時の振動その他の周辺機器の振動と共振した場合には、燃料ガスの圧力変動が大きくなるおそれがあった。
また、このエジェクタでは、流量可変の際のステップモータの駆動時に振動が発生するため、この振動が圧力制御弁の調圧時の振動その他の周辺機器の振動と共振した場合には、燃料ガスの圧力変動が大きくなるおそれがあった。
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、エジェクタに関連するガスの圧力変動を抑制し、燃料電池への供給流量および供給圧力を安定化させることができる燃料電池システムを提供することである。
上記課題を解決するべく、本発明の燃料電池システムは、燃料電池に供給する新たな反応ガスと燃料電池から排出された反応ガスのオフガスとを合流して燃料電池に反応ガスを供給するエジェクタであって、所定のガスの圧力が信号圧として導かれる圧力室を有し且つ信号圧の作用により燃料電池への反応ガスの供給流量を可変するエジェクタと、所定のガスの圧力を圧力室に導く導入通路と、導入通路に設けられ、所定のガスを一時的に貯留するバッファと、を備えたものである。
この構成によれば、導入通路内の所定のガスの圧力変動をバッファによって吸収または低減することができ、安定化された所定のガスの圧力が圧力室に信号圧として導入される。これにより、信号圧の作用による反応ガスの供給流量の可変を安定して行うことができ、燃料電池への供給流量および供給圧力を安定化させることができる。
ここで、「反応ガス」とは、燃料電池での発電反応に供されるガスをいい、具体的には、水素を含む燃料ガスまたは酸素を含む酸化ガスをいう。
ここで、「燃料電池への反応ガスの供給流量を可変する」とは、新たな反応ガスにオフガスを合流させた合流後の反応ガスの流量が、最終的に可変できていれば足りることを意味する。つまり、「燃料電池への反応ガスの供給流量を可変する」には、新たな反応ガスおよびオフガスの一方の流量を制御することのみならず、新たな反応ガスおよびオフガスの両方の流量を制御することが含まれ得る。
本発明の燃料電池システムの一態様によれば、バッファは、可変バッファであることが、好ましい。
この構成によれば、所定のガスの流量に合わせた振動抑制が可能となるため、より一層、安定化された所定のガスの圧力を圧力室に導入することができる。
本発明の燃料電池システムの一態様によれば、導入通路は、燃料電池システムの燃料ガス配管系または酸化ガス配管系に接続され、所定のガスは、燃料ガス配管系または酸化ガス配管系を流れるガスであることが、好ましい。
この構成によれば、燃料電池システムの燃料ガス配管系または酸化ガス配管系を流れるガスを有効に利用することができる。また、エジェクタにより、燃料電池の負荷に応じた供給流量および供給圧力の反応ガスを燃料電池に供給することが可能となる。
本発明の燃料電池システムの一態様によれば、所定のガスは、エジェクタが供給流量を可変する反応ガスと同種のガスであることが、好ましい。
この場合、所定のガスはオフガスであることが、好ましい。
この構成によれば、燃料電池での反応ガスの消費量の変動による圧力変化応答性の高い燃料電池の出口圧力がエジェクタの圧力室に作用する。これにより、エジェクタは、消費量が変動した場合に応答性良く反応ガスを供給することができる。
本発明の燃料電池システムの一態様によれば、エジェクタは、燃料電池に新たな反応ガスを供給する供給流路とオフガスを供給流路に循環させる循環流路との接続部分に設けられており、エジェクタよりも上流側の供給流路には、新たな反応ガスを一時的に貯留する第2のバッファが設けられていることが、好ましい。
この構成によれば、供給流路からエジェクタに供給される新たな反応ガスの圧力変動を第2のバッファによって吸収または低減することができる。これにより、エジェクタでの流量制御性を損なうことなく、燃料電池への供給流量および供給圧力を安定化し得る。
本発明の燃料電池システムの一態様によれば、第2のバッファの上流側および下流側の少なくとも一方には、調圧弁が設けられていることが、好ましい。
この構成によれば、調圧弁により圧力に脈動が生じても、またエジェクタと調圧弁との間で共振が起きても、これらを第2のバッファで緩和することができる。また、エジェクタに供給する新たな反応ガスを調圧弁によって調圧することができる。
本発明の燃料電池システムの一態様によれば、燃料電池に新たな反応ガスを供給する供給流路と、オフガスを供給流路に循環させる循環流路と、を備え、エジェクタは、供給流路と循環流路との接続部分に設けられ、供給流路および循環流路の少なくとも一方には、調圧弁が設けられていることが、好ましい。
例えば、反応ガスが燃料ガスである場合には、調圧弁を供給流路に設ければよく、一方、反応ガスが酸化ガスである場合には、調圧弁を循環流路に設ければよい。
上記課題を解決する本発明の他の燃料電池システムは、燃料電池に新たな反応ガスを供給する供給流路と、燃料電池から排出された反応ガスのオフガスを供給流路に循環させる循環流路と、供給流路と循環流路との接続部分に設けられ、燃料電池への反応ガスの供給流量を可変可能に構成されたエジェクタと、エジェクタよりも上流側の供給流路に設けられ、新たな反応ガスを一時的に且つその容量を可変可能に貯留する可変バッファと、を備えたものである。
この構成によれば、供給流路を介してエジェクタに供給される新たな反応ガスの圧力変動を可変バッファによって吸収または低減することができる。また、可変バッファを用いているため、新たな反応ガスの流量に合わせた振動抑制が可能となり、燃料電池への供給流量および供給圧力を安定化させることができる。
なお、この場合のエジェクタは、供給流量を可変するための駆動方式が、例えば、上記の圧力室を設けて燃料電池システムの系内のガスの差圧を利用するものであってもよいし、アクチュエータを利用するものであってもよい。
なお、この場合のエジェクタは、供給流量を可変するための駆動方式が、例えば、上記の圧力室を設けて燃料電池システムの系内のガスの差圧を利用するものであってもよいし、アクチュエータを利用するものであってもよい。
本発明の他の燃料電池システムの一態様によれば、可変バッファは、供給流路に連通して、新たな反応ガスが導入される第1室と、所定のガスが導入される第2室と、第1室と第2室との間を仕切ると共に、新たな反応ガスと所定のガスとの差圧に応じて可動して第1室の容積および第2室の容積を可変可能な仕切り部材と、を備えたことが、好ましい。
この構成によれば、仕切り部材が新たな反応ガスと所定のガスとの差圧に応じて可動し、第2室の容積が可変されると共に、新たな反応ガスが導入される第1室の容積が可変される。
本発明の他の燃料電池システムの一態様によれば、第2室は循環流路に連通しており、所定のガスはオフガスであることが、好ましい。
この構成によれば、燃料電池での反応ガスの消費量の変動による圧力変化応答性の高い燃料電池の出口圧力が可変バッファの第2室に作用する。
本発明の他の燃料電池システムの一態様によれば、可変バッファの上流側および下流側の少なくとも一方の供給流路には、調圧弁が設けられていることが、好ましい。
この構成によれば、調圧弁により圧力に脈動が生じても、またエジェクタと調圧弁との間で共振が起きても、これらを可変バッファで緩和することができる。また、エジェクタに供給する新たな反応ガスを調圧弁によって調圧することができる。
本発明の他の燃料電池システムの一態様によれば、エジェクタは、第2の所定のガスの圧力が信号圧として導かれる圧力室を有し、且つ該信号圧の作用により燃料電池への反応ガスの供給流量を可変可能に構成されていることが、好ましい。
上記課題を解決する本発明の別の燃料電池システムの一態様は、燃料電池に新たな反応ガスを供給する供給流路と、燃料電池から排出された反応ガスのオフガスを供給流路に循環させる循環流路と、供給流路と循環流路との接続部分に設けられ、燃料電池への反応ガスの供給流量を可変可能に構成されたエジェクタと、エジェクタよりも上流側の供給流路に設けられたブリード弁付き調圧弁と、ブリード弁の二次側に設けられたバッファと、を備えものである。
この構成によれば、新たな反応ガスをブリード弁付き調圧弁で調圧してエジェクタに供給することができる。また、ブリード弁を開いた際の圧力変動をバッファで抑制することができる。これにより、ブリード弁付き調圧弁とエジェクタとの共振を低減することが可能となり、流量可変式のエジェクタによる燃料電池への供給流量および供給圧力を安定化させることができる。
本発明の別の燃料電池システムの一態様によれば、ブリード弁の二次側であってバッファの上流側または下流側に設けられた第2の調圧弁を、更に備えたことが、好ましい。
この構成によれば、ブリード弁を開いた際の圧力変動をより一層抑制し得る。
以上説明した本発明の燃料電池システムによれば、エジェクタに関連するガスの圧力変動を抑制し、燃料電池への供給流量および供給圧力を安定化させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。この燃料電池システムは、オフガスを循環供給させるエジェクタに関連するガスの圧力変動を抑制して、燃料電池への反応ガスの供給流量および供給圧力を安定化させたものである。以下では、燃料ガスの配管系にエジェクタを配した例について説明する。また、燃料電池システムとしては、これを搭載した機器として代表される燃料電池車両を例に説明する。
<第1実施形態>
図1は、燃料電池システムの主要部を示す図である。
燃料電池システム1は、酸化ガス(空気)および燃料ガス(水素)の供給を受けて電力を発生する燃料電池2を備えている。燃料電池2は、例えば固体高分子電解質型からなり、多数のセルを積層したスタック構造として構成されている。燃料電池システム1は、燃料電池2に反応ガスとしての酸化ガスを供給する酸化ガス配管系3と、燃料電池2に反応ガスとしての水素ガスを供給する水素ガス配管系4(燃料ガス配管系)と、を具備している。
図1は、燃料電池システムの主要部を示す図である。
燃料電池システム1は、酸化ガス(空気)および燃料ガス(水素)の供給を受けて電力を発生する燃料電池2を備えている。燃料電池2は、例えば固体高分子電解質型からなり、多数のセルを積層したスタック構造として構成されている。燃料電池システム1は、燃料電池2に反応ガスとしての酸化ガスを供給する酸化ガス配管系3と、燃料電池2に反応ガスとしての水素ガスを供給する水素ガス配管系4(燃料ガス配管系)と、を具備している。
酸化ガス配管系3は、加湿器11により加湿された酸化ガスを燃料電池2に供給する供給流路12と、燃料電池2から排出された酸化オフガスを加湿器11に導く排出流路13と、加湿器11から燃焼器に酸化オフガスを導くための排気流路14と、が設けられている。供給流路12には、大気中の酸素ガスを取り込んで加湿器11に圧送するコンプレッサ15が設けられている。排出流路13には、燃料電池2に供給される酸化ガスの圧力(酸化ガス供給圧)を調整する調圧弁16が設けられている。
水素ガス配管系4は、高圧の水素ガスを貯留した水素供給源である水素タンク21と、水素タンク21の水素ガスを燃料電池2に供給する供給流路22と、燃料電池2から排出された水素ガスのオフガス(以下、水素オフガスという。)を供給流路22に戻すための循環流路23と、供給流路22と循環流路23との接続部分に設けられ、循環流路23の水素オフガスを供給流路22に還流させるエジェクタ24と、エジェクタ24に水素オフガスの圧力を信号圧として導入する導入通路25と、を具備している。
エジェクタ24によって、水素タンク21からの水素ガス(以下、新たな水素ガスという。)に燃料電池2の水素ガス出口からの水素オフガスが合流され、この合流後の水素ガス(以下、混合水素ガスという場合がある。)が燃料電池2に供給される。なお、燃料電池2のアノードに供給するガスは、水素を含む燃料ガスであればよい。
供給流路22は、エジェクタ24の上流側に位置して新たな水素ガスをエジェクタ24に導く流路である主流流路22aと、エジェクタ24の下流側に位置して混合水素ガスを燃料電池2に導く流路である混合流路22bと、で構成されている。主流流路22aには、その上流側から順に、これを開閉するシャットバルブ31と、水素ガスの圧力を調整する調圧弁32と、水素ガスを一時的に貯留するバッファ33と、が介設されている。調圧弁32は、例えばダイアフラム式の直動式レギュレータからなり、新たな水素ガスを所定の圧力(例えば300kPa)に減圧する。
循環流路23には、逆止弁34が介設されていると共に、逆止弁34の上流側において導入通路25が分岐配管されている。循環流路23の水素オフガスは、逆止弁34を通じてエジェクタ24に吸引される。また、循環流路23の水素オフガスの圧力は、導入通路25上のバッファ35を経てエジェクタ24に信号圧として導入される。導入通路25の流路断面積は、信号圧を迅速にエジェクタ24に伝播できるように、循環流路23の流路断面積よりも小さく設定されている。
また、循環流路23には、水素オフガス中に含まれる不純物を水素オフガスと共にシステム外に排気する排気流路26が分岐配管されている。排気流路26には、定期的に開弁されるパージバルブ27が設けられている。パージバルブ27が開弁されることで、水素オフガスが排気流路26を通ってガス処理装置28に導かれ、ガス処理装置28にて水素オフガスの水素濃度が低減される。
なお、図示省略したが、燃料電池2の水素ガス入口に近い主流流路22aには、燃料電池2への水素供給圧(入口圧)を検出する圧力センサが設けられている。燃料電池2の水素ガス出口に近い循環流路23には、燃料電池2からの水素排出圧(出口圧)を検出する圧力センサが設けられている。
図2は、エジェクタ24の構成を示す図である。
エジェクタ24は、燃料電池2へ供給する水素ガス(混合水素ガス)の供給流量を可変可能に構成されている。エジェクタ24は、その外郭を構成する筐体41を有している。筐体41には、主流流路22aの下流側に接続された1次側の供給口42と、混合流路22bの上流側に接続された2次側の排出口43と、循環流路23の下流側に接続された負圧作用側の吸込み口44と、導入通路25の下流側に接続された圧導入口45と、が形成されている。
エジェクタ24は、燃料電池2へ供給する水素ガス(混合水素ガス)の供給流量を可変可能に構成されている。エジェクタ24は、その外郭を構成する筐体41を有している。筐体41には、主流流路22aの下流側に接続された1次側の供給口42と、混合流路22bの上流側に接続された2次側の排出口43と、循環流路23の下流側に接続された負圧作用側の吸込み口44と、導入通路25の下流側に接続された圧導入口45と、が形成されている。
筐体41の内部には、供給口42からの新たな水素ガスを下流側に向かって噴射するノズル46と、ノズル46の下流側に設けられ、ノズル46を通過した新たな水素ガスと水素オフガス(副流)とを合流させるディフューザ47と、ノズル46の内部を進退移動して燃料電池2への水素ガスの供給流量を調整するニードル48(流量調整部材)と、ニードル48をその軸線方向に進退移動させる駆動部49と、を有している。
ノズル46は、いわゆる先細ノズルからなり、水素ガスの流れ方向に向かって全体として先細りとなるように形成されている。ノズル46のその拡開した上流側は供給口42に連なり、ノズル46の下流側とディフューザ47との間は吸込み口44に連なっている。なお、ノズル46を筐体41の構成材と一体に形成したが、もちろんこれらを別体としてもよい。
ディフューザ47は、ノズル46と同軸に形成されており、その下流側が排出口43に連なっている。ノズル46からディフューザ47に向けて新たな水素ガスが噴射されると、水素オフガスを吸引するための負圧が発生し、循環流路23の水素オフガスがディフューザ47に吸い込まれる。これにより、ディフューザ47において新たな水素ガスと水素オフガスとが合流・混合され、この混合水素ガスが、排出口43から混合流路22bへと排出される。
ニードル48は、円錐または角錐の錐体からなり、先端側に向かって先細りに形成されており、例えば先端部が放物面で形成されている。ニードル48の軸方向の進退位置に応じて、ニードル48とノズル46の内周壁との間の間隙の開口面積(以下、ノズル46の開口面積という。)が可変される。これにより、ノズル46を通過する新たな水素ガスの流量が制御され、燃料電池2への水素ガスの供給流量が制御される。
駆動部49は、ニードル48に進退移動用の作動力を印加して、ニードル48を進退させるものである。駆動部49は、ニードル48の基端側を表面62aの中央部に接続したピストン62と、一端がピストン62の裏面62bに接続されたバネ63(付勢部材)と、を有している。ニードル48、ピストン62およびバネ63は、ノズル46と同軸に配設されている。なお、ニードル48およびピストン62は、一体に形成されているが、もちろん別体で形成されてもよい。
バネ63は、所定のばね定数を有し、ピストン62の裏面62bをニードル48の先端側に向かって付勢する。バネ63の他端は、筐体41の内壁面の底部に接続されている。また、バネ63は、筐体41の内壁面とピストン62の裏面62bとによって構成され圧力室65の内部に収容されている。圧力室65には、圧導入口45が連通しており、循環流路23の水素オフガスが導入通路25および圧導入口45を介して信号圧として導かれる。
ピストン62は、その外周面を筐体41の内壁面に沿って摺動可能に構成されており、その軸線方向に摺動する。ピストン62の表面62aには、主流流路22aからの新たな水素ガスの圧力P1が直接作用する。一方、ピストン62の裏面62bには、バネ63からの付勢力が作用すると共に、循環流路23からの水素オフガスの圧力P2が直接作用する。
このような構成により、ピストン62は、圧力P1と圧力P2との差圧を進退移動用の作動力としてニードル48に印加(伝達)する。この水素ガスの差圧とバネ63の付勢力とのバランスに基づいて、ニードル48がピストン62と共に軸線方向に進退する。これにより、ノズル46の開口面積が可変され、燃料電池2への水素ガスの供給流量が可変される。
なお、ピストン62に代えて、可動部材としてダイアフラムを用いてもよい。この場合、ダイアフラムの周縁部を筐体41の内壁に固着させればよい。こうすることで、ダイアフラムの表裏の両面に作用する水素ガスの差圧によって、ダイアフラムが撓むように変位し(振動し)、それによりニードル48がダイアフラムと共に進退移動するようになる。
ここで、上記したバッファ33およびバッファ35について説明する。
バッファ33(アキュムレータ)は、主流流路22aにおいて、エジェクタ24と調圧弁32との間に設けられている。バッファ33は、新たな水素ガスを一時的に貯留可能に、所定の容積からなるタンク形状を有している。バッファ33によって、調圧弁32で減圧された水素ガス圧が安定化される。
バッファ33(アキュムレータ)は、主流流路22aにおいて、エジェクタ24と調圧弁32との間に設けられている。バッファ33は、新たな水素ガスを一時的に貯留可能に、所定の容積からなるタンク形状を有している。バッファ33によって、調圧弁32で減圧された水素ガス圧が安定化される。
特に、調圧弁32の図示省略したダイアフラムによる調圧時に、水素ガス圧に脈動が生じたり、あるいはダイアフラムとエジェクタ24のバネ63とが共振したりしても、この圧力変動をバッファ33によって吸収または低減することができる。これにより、エジェクタ24には、安定化された供給圧の新たな水素ガスがバッファ33から供給される。なお、バッファ33を調圧弁32の上流側に設けてもよい。
バッファ35(アキュムレータ)は、導入通路25に設けられている。バッファ35の位置は、導入通路25上であればよく、例えば圧導入口45の近傍であってもよい。バッファ35は、バッファ33と同様に構成され、信号圧として圧力室65に導かれる水素オフガスを一時的に貯留可能に、所定の容積からなるタンク形状を有している。もっとも、圧力室65には小量の水素オフガスが導かれれば足りるため、バッファ35の容積は、バッファ33の容積よりも小さくすることができる。
バッファ35によって、圧力室65に導入される水素オフガスの圧力変動が吸収または低減され、安定化された水素オフガスの圧力が圧力室65に信号圧として導入される。これにより、ピストン62の進退移動を安定化することができる。また特に、バッファ35によって、例えばバネ63とパージバルブ27との間の共振を抑制することができる。
ここで、エジェクタ24の供給流量の制御について、燃料電池2の負荷との関係で説明する。
一般に、燃料電池車両の加速時等で燃料電池2の発電量が増加すると、燃料電池2で消費される水素ガスの消費量が増加する。この消費量が増えて混合流路22bの流量が増加すると、燃料電池2での圧力損失が大きくなり、水素オフガスの圧力P2が低下する(混合流路22bの混合水素ガスの圧力P3も低下する。)。
すると、ピストン62およびニードル48が、P1、P2およびバネ63の付勢力のバランスによって、平衡状態からバネ63に抗して退避する。ニードル48が退避すると、ノズル46の開口面積が大きくなり、ノズル46を通過する新たな水素ガスの流量が増加する。このとき、バッファ33およびバッファ35によって、ピストン62に作用するP2およびP3は安定している。
したがって、燃料電池2の負荷が大きくなった場合に、エジェクタ24は自律的に且つ圧力変動を生じさせることなく駆動して、燃料電池2への供給流量を増加方向に可変することができる。そして、新たな水素ガスの流量の増加によって圧力P3が上昇するため、燃料電池2への水素供給圧が適正な値に確保されると共に、水素オフガスの流量が増加して新たな水素ガスの流量との関係において適正な値に確保されることになる。
一方、燃料電池車両の減速時等で燃料電池2の発電量が減少すると、燃料電池2で消費される水素ガスの消費量が減少する。この消費量が減って混合流路22bの流量が減少すると、燃料電池2での圧力損失が小さくなり、水素オフガスの圧力P2が上昇する(混合水素ガスの圧力P3も上昇する。)。
すると、ピストン62およびニードル48が、P1、P2およびバネ63の付勢力のバランスによって、平衡状態から進出する。ニードル48が進出すると、ノズル46の開口面積が小さくなり、ノズル46を通過する新たな水素ガスの流量が減少する。このとき、バッファ33およびバッファ35によって、ピストン62に作用するP2およびP3は安定している。
したがって、燃料電池2の負荷が小さくなった場合に、エジェクタ24は自律的に且つ圧力変動を生じさせることなく駆動して、燃料電池2への供給流量を減少方向に可変することができる。そして、新たな水素ガスの流量の減少によって圧力P3が低下するため、燃料電池2への水素供給圧が適正な値に確保されると共に、水素オフガスの流量が減少して新たな水素ガスの流量との関係において適正な値に確保されることになる。
以上のように、本実施形態の燃料電池システム1によれば、エジェクタ24の流量可変に関連するガス(新たな水素ガスおよび水素オフガス)の圧力変動をバッファ33およびバッファ35によって抑制することができる。したがって、エジェクタ24による燃料電池2への水素ガスの供給流量および供給圧力を安定化させることができ、燃料電池2の耐久性の低下や発電性能の低下を適切に抑制することができる。
なお、バッファ33およびバッファ35の一方については、省略してもよい。例えば、エジェクタ24の流量可変のための駆動方式について差圧を利用するものに代えて、モータなどのアクチュエータを用いた電気的な駆動方式を用いた場合には、エジェクタ24に水素オフガスの圧力を導圧する必要がなくなる。例えば、駆動部49が、ピストン62およびこれを進退移動させるアクチュエータで構成される場合には、導入通路25およびバッファ35が省略される。
なお、変形例として、混合水素ガスの圧力P3を圧力室65に導入してもよい。また、酸化ガス配管系3の酸化ガスの圧力を圧力室65に導入してもよく、その場合には供給流路12内の新たな酸化ガスであってよいし、排出流路13内や排気流路14内の酸化オフガスであってもよい。さらに、圧力室65に導くガスは、燃料電池システム1のガス配管系(3,4)に関与しないガスであってもよく、圧力室65に導く専用のガスであってもよい。
以下、他の実施形態について説明するが、上記した各種の変形例は本発明を逸脱しない範囲で他の実施形態においても適用することができる。ただし、ここではその詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と共通する構成についても、詳細な説明を省略する。
<第2実施形態>
次に、図3を参照して、第2実施形態に係る燃料電池システム1について相違点を中心に説明する。第1実施形態との相違点は、バッファ33を可変バッファ(71)とし、バッファ35については省略したことである。
次に、図3を参照して、第2実施形態に係る燃料電池システム1について相違点を中心に説明する。第1実施形態との相違点は、バッファ33を可変バッファ(71)とし、バッファ35については省略したことである。
可変バッファ71は、エジェクタ24と調圧弁32との間の主流流路22aに設けられている。可変バッファ71は、タンク形状からなる筐体72と、筐体72の内部を二つの空間に仕切る可動可能なピストン73(仕切り部材)と、ピストン73を可動方向に付勢するばね74(付勢部材)と、を有している。二つの空間の一方は、主流流路22aに連通した主流室75(第1室)である。二つの空間の他方は、導入通路25と循環流路23との分岐部に接続された導圧路76に連通した圧力室77(第2室)である。
主流室75には、調圧弁32からの新たな水素ガスが導入されて、一時的に貯留される。一時的に貯留された新たな水素ガスは、主流室75から導出されてエジェクタ24へと供給される。一方、圧力室77には、循環流路23からの水素オフガスの圧力が導圧路76を介して導入される。したがって、ピストン73の表面には、新たな水素ガスの圧力が作用し、ピストン73の裏面には、水素オフガスの圧力(P3)が作用する。
ばね74は、主流室75に収容され、一端がピストン73の表面に接続され且つ他端が筐体72の内壁に接続される。ばね74は、例えば引張りコイルバネで構成される。もっとも、ばね74を圧縮コイルバネで構成した場合には、ばね74を圧力室77に収容するとよい。
ピストン73によって、主流室75と圧力室77とが例えば上下に区画された場合には、ピストン73は、筐体72の内壁に沿って上下方向に可動可能に構成される。ピストン73に作用する水素ガスの差圧とばね74の付勢力とのバランスに基づいて、ピストン73が上下方向に可動して、主流室75の容積および圧力室77の容積を同時に可変する。これにより、主流室75に貯留される新たな水素ガスの容量が可変されるようになっている。
例えば、燃料電池2の発電量が増加した場合には、上記のように、水素オフガスの圧力P2が低下するが、これに伴ってピストン73が圧力室77側に移動して、主流室75の容積が拡大される。一方、燃料電池2の発電量が減少した場合には、上記のように、水素オフガスの圧力P2が上昇するが、これに伴ってピストン73が主流室75側に移動して、主流室75の容積が減少される。
本実施形態が上記実施形態と比べて有用となる点は、可変バッファ71としているため、新たな水素ガスの流量(主流流量)に合わせた振動抑制が可能となることである。これにより、燃料電池への供給流量および供給圧力をより一層安定化させることができる。また、可変バッファ71によって、循環流路23や導入通路25を流れる水素オフガスの圧力の変動も抑制し得る。さらに、ばね73の定数の調整により主流室75と圧力室77との容積のバランスも調整することができる。
なお、変形例として、可変バッファ71の下流側に調圧弁32を設けてもよいし、二つの調圧弁の間の主流流路22aに可変バッファ71を設けてもよい。また、可変バッファ71のピストン73に代えて、仕切り部材としてダイアフラムを用いてもよい。この場合、ダイアフラムの周縁部を筐体72の内壁に固着させればよい。
また、圧力室77に導入する圧力は、水素オフガス以外の他のガスであってもよい。例えば、混合水素ガス、酸化ガス、酸化オフガス、またはガス配管系(3,4)に関与しないガスであってもよい。もっとも、本実施形態のように、燃料電池2での水素ガスの消費量の変動による圧力変化応答性の高い水素排出圧(P3)を、可変バッファ71の圧力室77に作用させることが好ましい。
さらに、可変バッファ71を差圧によって容積可変する構成としたが、モータなどのアクチュエータを用いて、可変バッファ71の容積(主流室75の容積)を可変するようにしてもよい。その場合、ガス配管系(3,4)の図示省略した圧力センサの検出結果や、燃料電池2の発電量などに基づいて、アクチュエータを駆動するフィードバック制御を実行すればよい。
なお、本実施形態においても、エジェクタ24による流量可変構成を差圧式によるものでなく、アクチュエータを用いた電気式を利用してもよいことは言うまでもない。
<第3実施形態>
次に、図4を参照して、第3実施形態に係る燃料電池システム1について相違点を中心に説明する。第1実施形態との相違点は、バッファ33およびバッファ35の少なくとも一方の内部にオリフィスを設けたことである。
次に、図4を参照して、第3実施形態に係る燃料電池システム1について相違点を中心に説明する。第1実施形態との相違点は、バッファ33およびバッファ35の少なくとも一方の内部にオリフィスを設けたことである。
バッファ33(35)は、タンク形状の筐体81の内部に1以上のオリフィス82などの圧損部を有している。複数の場合のオリフィス82は、新たな水素ガス(または水素オフガス)の流れ方向に沿って並置され、新たな水素ガス(または水素オフガス)を絞る。これにより、バッファ33(35)は、新たな水素ガス(または水素オフガス)の圧力変動をより一層抑制し得る。
<第4実施形態>
次に、図5を参照して、第4実施形態に係る燃料電池システム1について相違点を中心に説明する。第2実施形態との相違点は、圧力室77を循環流路23の途中に設けたことである。なお、第2位実施形態と同一の構造については、同一の符号を付している。
次に、図5を参照して、第4実施形態に係る燃料電池システム1について相違点を中心に説明する。第2実施形態との相違点は、圧力室77を循環流路23の途中に設けたことである。なお、第2位実施形態と同一の構造については、同一の符号を付している。
圧力室77には、燃料電池2からの水素オフガスが導入されて、一時的に貯留される。一時的に貯留された水素オフガスは、圧力室77から導出され、主として循環流路23の下流側を通ってエジェクタ24へと吸引される。圧力室77から導出された一部の水素オフガスの圧力が、導入通路25を通ってエジェクタ24の上記した圧力室65に信号圧として導入される。本実施形態の構成によっても、上記同様に、新たな水素ガスの流量(主流流量)に合わせた振動抑制が可能となることである。
なお、変形例として、可変バッファ71の下流側に調圧弁32を設けてもよいし、二つの調圧弁の間の主流流路22aに可変バッファ71を設けてもよい。また、可変バッファ71の仕切り部材としてダイアフラムを用いてもよい。さらに、エジェクタ24による流量可変構成を差圧式によるものでなく、アクチュエータを用いた電気式によるものとしてもよい。
<第5実施形態>
次に、図6及び図7を参照して、第5実施形態に係る燃料電池システム1について相違点を中心に説明する。第1実施形態との相違点は、調圧弁32をブリード弁101付きの構成とし、ブリード弁101の二次側にバッファ102および調圧弁103を設けたことである。なお、供給流路23上のバッファ33および導入通路25上のバッファ35を省略したが、もちろんこれらを設けてもよい。
次に、図6及び図7を参照して、第5実施形態に係る燃料電池システム1について相違点を中心に説明する。第1実施形態との相違点は、調圧弁32をブリード弁101付きの構成とし、ブリード弁101の二次側にバッファ102および調圧弁103を設けたことである。なお、供給流路23上のバッファ33および導入通路25上のバッファ35を省略したが、もちろんこれらを設けてもよい。
ブリード弁101の二次側は、下流端が大気開放されたブリード通路105に連通している。ブリード弁101は、調圧弁32内の二次側流路の圧力が設定圧以上になった場合に例えば機械的に開作動し、新たな水素ガスをブリード通路105から大気中に逃がす。ブリード通路105は、ブリード弁101側である上流側にバッファ102を設け、バッファ102の下流側に調圧弁103を設けている。バッファ102および調圧弁103が配されるブリード弁101の二次側は、例えば、大気圧(101.3kPa)よりも高い200kPaに設定される。
バッファ102(アキュムレータ)は、ブリード通路105からの新たな水素ガスを一時的に貯留可能に、所定の容積からなるタンク形状を有している。バッファ102によって、ブリード弁101から放出される水素ガスの圧力の脈動が抑制される。
特に、バッファ102は、ブリード弁101とエジェクタ24のバネ63との共振による圧力変動を抑制したり、ブリード弁101と調圧弁32との共振による圧力変動を抑制したりすることができる。これにより、エジェクタ24には、安定化された供給圧の新たな水素ガスが供給される。なお、ブリード弁101からみて、バッファ102を調圧弁103の下流側に設定してもよい。
調圧弁103は、バッファ102から導出される水素ガスの圧力を調圧する。調圧弁103は、例えばダイアフラム式の直動式レギュレータからなり、水素ガスのブリード量を絞り且つ水素ガスを所定の圧力に減圧する。
図7は、ブリード弁101を開いた時のエジェクタ24の一次圧について、時間との関係を示す図である。同図に示す実線は、バッファ102および調圧弁103を具備する本実施形態の特性であり、同図に示す二点差線は、調圧弁102およびバッファ103を具備しない比較例の特性(二点鎖線で示す。)である。
ここでは、上記に例示したように、調圧弁32の二次側圧力を300kPa(エジェクタ24の一次圧の目標値)に設定し、ブリード弁101の二次側圧力を200kPaに設定した。つまり、ブリード弁101の開弁時に、比較例では差圧がほぼ200kPa(≒300kPa−101.3kPa)で水素ガスを大気に放出する構成であるのに対し、本実施形態では差圧がほぼ100kPa(≒200kPa−101.3kPa)となる。
図7から理解されるように、本実施形態によれば、エジェクタ24の一次圧について平均圧力をブリード弁101で目標値に維持しながら、エジェクタ24の一次圧の振動を小さく且つ長周期にすることができる。これにより、ブリード弁101が開いた際のエジェクタ24との共振を抑制することができる。したがって、上記同様に、流量可変式のエジェクタ24による燃料電池2への供給流量および供給圧力を安定化させることができる。
なお、本実施形態の構成と上記第1〜4実施形態の構成とを組み合わせてもよい。また、本実施形態のブリード弁101付き調圧弁32の構成は、燃料電池2の発電性能を評価する評価装置に設けると好適である。
<変形例>
次に、本実施形態の燃料電池システム1の各種の変形例について述べる。
上記では、エジェクタ24の主流ガス(噴射ガス)を新たな水素ガスとし、副流ガス(吸引ガス)を水素オフガスとしたが、この逆の構成であってもよい。すなわち、エジェクタ24は、ノズル46から水素オフガスを噴射する際に、水素タンク21からの新たな水素ガスを吸引するようにしてもよい。
次に、本実施形態の燃料電池システム1の各種の変形例について述べる。
上記では、エジェクタ24の主流ガス(噴射ガス)を新たな水素ガスとし、副流ガス(吸引ガス)を水素オフガスとしたが、この逆の構成であってもよい。すなわち、エジェクタ24は、ノズル46から水素オフガスを噴射する際に、水素タンク21からの新たな水素ガスを吸引するようにしてもよい。
また、エジェクタ24を酸化ガス配管系3に配設してもよい。例えば、エジェクタ24によって、コンプレッサ15からの新たな酸化ガスに、排出流路13の酸化オフガスを合流させ、この合流後の混合酸化ガスを燃料電池2に供給してもよい。この場合には、例えば調圧弁16とエジェクタ24との間で共振が起きても、適宜設けられるバッファ(33,35,71,102などが相当する。)によって振動を抑制することができるため、安定した供給流量及び供給圧力で酸化ガスを燃料電池2に供給することができる。
上記した本発明の燃料電池システム1は、二輪または四輪の自動車以外の電車、航空機、船舶、ロボットその他の移動体に搭載することができる。また、燃料電池システム1は、定置用ともすることができ、コージェネレーションシステムに組み込むことができる。
また、本発明の燃料電池システム1に搭載したエジェクタ24は、燃料電池システム1のみならず、流体を合流して供給する必要がある他のシステムにも適用することができる。特に、エジェクタ24による流体の供給先となる供給先装置が、流体を消費する流体消費装置(ガスであればガス消費装置)であり、流体消費装置での流体の消費量が変化するシステムに好適である。さらに好適のシステムは、流体消費装置の排出した流体がエジェクタ24によって再び流体消費装置に循環させられるシステムである。
1:燃料電池システム、2:燃料電池、3:酸化ガス配管系、4:水素ガス配管系、22:供給流路、22a:主流流路、22b:混合流路、23:循環流路、24:エジェクタ、25:導入通路、33:バッファ、35:バッファ、65:圧力室、71:可変バッファ、73:ピストン(仕切り部材)、75:主流室(第1室)、77:圧力室(第2室)、101:ブリード弁、102:バッファ、103:調圧弁
Claims (15)
- 燃料電池に供給する新たな反応ガスと燃料電池から排出された反応ガスのオフガスとを合流して燃料電池に反応ガスを供給するエジェクタであって、所定のガスの圧力が信号圧として導かれる圧力室を有し且つ当該信号圧の作用により燃料電池への反応ガスの供給流量を可変するエジェクタと、
前記所定のガスの圧力を前記圧力室に導く導入通路と、
前記導入通路に設けられ、前記所定のガスを一時的に貯留するバッファと、
を備えた燃料電池システム。 - 前記バッファは、可変バッファである請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記導入通路は、当該燃料電池システムの燃料ガス配管系または酸化ガス配管系に接続され、
前記所定のガスは、前記燃料ガス配管系または前記酸化ガス配管系を流れるガスである請求項1または2に記載の燃料電池システム。 - 前記所定のガスは、前記エジェクタが供給流量を可変する前記反応ガスと同種のガスである請求項3に記載の燃料電池システム。
- 前記所定のガスは、前記オフガスである請求項4に記載の燃料電池システム。
- 前記エジェクタは、前記燃料電池に前記新たな反応ガスを供給する供給流路と前記オフガスを前記供給流路に循環させる循環流路との接続部分に設けられており、
前記エジェクタよりも上流側の前記供給流路には、前記新たな反応ガスを一時的に貯留する第2のバッファが設けられている請求項1ないし5のいずれか一項に記載の燃料電池システム。 - 前記第2のバッファの上流側および下流側の少なくとも一方には、調圧弁が設けられている請求項6に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池に前記新たな反応ガスを供給する供給流路と、
前記オフガスを前記供給流路に循環させる循環流路と、を備え、
前記エジェクタは、前記供給流路と前記循環流路との接続部分に設けられ、
前記供給流路および前記循環流路の少なくとも一方には、調圧弁が設けられている請求項1ないし5のいずれか一項に記載の燃料電池システム。 - 燃料電池に新たな反応ガスを供給する供給流路と、
前記燃料電池から排出された反応ガスのオフガスを前記供給流路に循環させる循環流路と、
前記供給流路と前記循環流路との接続部分に設けられ、前記燃料電池への反応ガスの供給流量を可変可能に構成されたエジェクタと、
前記エジェクタよりも上流側の前記供給流路に設けられ、前記新たな反応ガスを一時的に且つその容量を可変可能に貯留する可変バッファと、
を備えた燃料電池システム。 - 前記可変バッファは、
前記供給流路に連通して、前記新たな反応ガスが導入される第1室と、
所定のガスが導入される第2室と、
前記第1室と前記第2室との間を仕切ると共に、前記新たな反応ガスと前記所定のガスとの差圧に応じて可動して前記第1室の容積および前記第2室の容積を可変可能な仕切り部材と、
を備えた請求項9に記載の燃料電池システム。 - 前記第2室は、前記循環流路に連通しており、
前記所定のガスは、前記オフガスである請求項10に記載の燃料電池システム。 - 前記可変バッファの上流側および下流側の少なくとも一方の前記供給流路には、調圧弁が設けられている請求項9ないし11のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
- 前記エジェクタは、第2の所定のガスの圧力が信号圧として導かれる圧力室を有し、且つ該信号圧の作用により前記燃料電池への反応ガスの供給流量を可変可能に構成されている請求項9ないし12のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
- 燃料電池に新たな反応ガスを供給する供給流路と、
前記燃料電池から排出された反応ガスのオフガスを前記供給流路に循環させる循環流路と、
前記供給流路と前記循環流路との接続部分に設けられ、前記燃料電池への反応ガスの供給流量を可変可能に構成されたエジェクタと、
前記エジェクタよりも上流側の前記供給流路に設けられたブリード弁付き調圧弁と、
前記ブリード弁の二次側に設けられたバッファと、
を備えた燃料電池システム。 - 前記ブリード弁の二次側であって、前記バッファの上流側または下流側に設けられた第2の調圧弁を、更に備えた請求項14に記載の燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005229303A JP2007048508A (ja) | 2005-08-08 | 2005-08-08 | 燃料電池システム |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008130492A (ja) * | 2006-11-24 | 2008-06-05 | Toyota Motor Corp | 燃料電池システムおよび燃料電池車両 |
WO2008077445A1 (en) * | 2006-12-22 | 2008-07-03 | Daimler Ag | Device for reducing pressure variations in a system through which gas flows |
JP2015172404A (ja) * | 2014-03-12 | 2015-10-01 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料ガス供給装置 |
-
2005
- 2005-08-08 JP JP2005229303A patent/JP2007048508A/ja active Pending
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