以下、本発明に係る照明装置及びこの照明装置を用いた画像表示装置の構成について詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明に係る画像表示装置の第1の実施の形態における構成を示す平面図である。
この画像表示装置は、図1に示すように、複数の空間光変調素子1R,1G,1Bを備え、これら空間光変調素子1R,1G,1Bをこれら空間光変調素子1R,1G,1Bに対応された照明装置により照明し、各空間光変調素子1R,1G,1Bを経た変調光を色合成して結像させ、画像表示を行う画像表示装置である。
各空間光変調素子1R,1G,1Bは、表示画像の赤色成分、緑色成分及び青色成分をそれぞれ表示し、これら画像に応じて照明光を偏光変調させる。この実施の形態においては、各空間光変調素子1R,1G,1Bは、透過型のものであり、入射された照明光を変調して透過させる。
各照明装置は、赤色成分の画像の表示する空間光変調素子1Rを赤色の照明光で照明し、緑色成分の画像の表示する空間光変調素子1Gを緑色の照明光で照明し、青色成分の画像の表示する空間光変調素子1Bを青色の照明光で照明する。
この画像表示装置の照明装置は、光源として、赤色光、緑色光及び青色光を発する固体発光素子2R,2G1,2G2,2Bを用いている。固体発光素子とは、発光ダイオード(LED)、半導体レーザーダイオード(LD)、電界発光素子(EL)などである。固体発光素子2R,2G1,2G2,2Bが発光ダイオードである場合、これら固体発光素子2R,2G1,2G2,2Bをなす材料は、赤色用がAlGaAs、AlGaInP、または、GaAsP、緑色用がInGaN、または、AlGaInP、青色用がInGaNなどである。
これら照明装置のうち、緑色用の空間光変調素子1Gを照明する緑色用の照明装置は、光源として第1及び第2の固体発光素子2G1,2G2を備えており、この照明装置が本発明に係る照明装置の実施形態となる。これら第1及び第2の固体発光素子2G1,2G2は、同一の波長の照明光を発する。
この画像表示装置においては、赤色用、緑色用及び青色用の各固体発光素子2R,2G1,2G2,2Bは、それぞれが独立した駆動回路3R,3G1,3G2,3Bにより制御されて発光する。これら駆動回路3R,3G1,3G2,3Bは、制御手段となる同期コントローラ4によって制御されている。
赤色用の固体発光素子2Rから発せられた照明光は、リレーレンズ5R、フィールドレンズ6R及び偏光子7Rを経て、赤色用の透過型空間光変調素子1Rに入射される。赤色の照明光は、透過型空間光変調素子1Rによって赤色成分の画像信号に応じて偏光変調され、検光子8Rを経て、赤色の画像光として、色合成プリズム9に入射される。
また、青色用の固体発光素子2Bから発せられた照明光は、リレーレンズ5B、フィールドレンズ6B及び偏光子7Bを経て、青色用の透過型空間光変調素子1Bに入射される。青色の照明光は、透過型空間光変調素子1Bによって青色成分の画像信号に応じて偏光変調され、検光子8Bを経て、青色の画像光として、色合成プリズム9に入射される。
そして、第1の緑色用の固体発光素子2G1から発せられた照明光は、リレーレンズ5G1及びフィールドレンズ6G1を経て、光路変換手段となる回転ホイール10の表面側に入射される。また、第2の緑色用の固体発光素子2G2から発せられた照明光は、リレーレンズ5G2及びフィールドレンズ6G2を経て、回転ホイール10の裏面側に入射される。これら第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光軸は、互いに直交する方向となっている。
回転ホイール10は、円盤状に構成され、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光軸が交差する位置において、これら各光軸に対して主面部を45°の角度として配置されている。
図2は、回転ホイール10の構成を示す正面図である。
この回転ホイール10は、図2に示すように、それぞれが扇形の透過部10aと反射部(反射板)10bとによって、円盤状に形成されている。これら透過部10a及び反射部10bは、図2中の(a)に示すように、それぞれを中心角180°の扇形として各1面によって円盤状を構成するものとしてもよく、または、図2中の(b)に示すように、それぞれを中心角90°の扇形として各2面によって円盤状を構成するものとしてもよく、あるいは、それぞれを中心角〔360/2n〕°(∵n:自然数)の扇形として各n面によって円盤状を構成するものとしてもよい。
なお、反射部10bとしては、アルミニウムや銀などの金属膜に増反射膜を施したものなどを使用することができ、また、誘電体膜によるローパス、ハイパス、または、バンドパスフィルタ(ダイクロイックミラー)を用いてもよい。
この回転ホイール10は、図1に示すように、モータ11によって回転操作される。このモータ11は、同期コントローラ4によって制御されるモータ駆動回路12によって回転駆動される。回転ホイール10は、回転操作されることにより、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光路を時分割的に変換(偏向)させる。
すなわち、回転ホイール10が回転操作され、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光軸が交差する位置に透過部10aが位置するときには、第1の緑色用の固体発光素子2G1から発せられた照明光がこの透過部10aを透過する。そして、回転ホイール10が回転操作され、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光軸が交差する位置に反射部10bが位置するときには、第2の緑色用の固体発光素子2G2から発せられた照明光がこの反射部10bによって反射されて光路を変換される。
第1の緑色用の固体発光素子2G1から発せられ回転ホイール10の透過部10aを透過した照明光、または、第2の緑色用の固体発光素子2G2から発せられ回転ホイール10の反射部10bにより反射された照明光は、偏光子7Gを経て、緑色用の透過型空間光変調素子1Gに入射される。緑色の照明光は、透過型空間光変調素子1Gによって緑色成分の画像信号に応じて偏光変調され、検光子8Gを経て、緑色の画像光として、色合成プリズム9に入射される。
色合成プリズム9に入射された赤色、緑色及び青色の画像光は、色合成されて、結像手段となる投射レンズ13に入射される。この投射レンズ13は、各色の画像光を図示しないスクリーン上に投射し、拡大して結像させて、画像表示を行う。
図3は、この画像表示装置における各光源の点灯状態を示すタイミングチャートである。
この画像表示装置においては、同期コントローラ4は、図3に示すように、赤色用及び青色用の固体発光素子2R,2Bをそれぞれ連続駆動させるとともに、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を、順次時分割的に駆動させる。同期コントローラ4は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を時分割的に点灯させる。この実施の形態においては、同期コントローラ4は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を交互に点灯させ、常に、少なくともいずれか一方の固体発光素子2G1,2G2が点灯しているように制御する。また、この同期コントローラ4は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を、互いに等しい点灯周期及び点灯時間で点灯させる。
そして、回転ホイール10の反射部10bは、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2からの照明光の光路に対して移動され、第2の緑色用固体発光素子2G2の点灯期間に同期して進入され、第1の緑色用固体発光素子2G1の点灯期間に同期して退出される。
このようにして、緑色用の透過型空間光変調素子1Gには、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2からの照明光のうちのいずれか一方が常に入射され、また、赤色用の透過型空間光変調素子1Rには、赤色用の固体発光素子2Rからの照明光が常に入射され、青色用の透過型空間光変調素子1Bには、青色用の固体発光素子2Bからの照明光が常に入射されて、カラー画像の表示が行われる。
この画像表示装置の照明装置においては、同一波長の光を発する複数の固体発光素子2G1,2G2が時分割的に交互に点灯され、常に、少なくともいずれか一の光源が点灯しているように制御される。したがって、各固体発光素子2G1,2G2は、休止期間を設けて駆動され、ジャンクション温度の上昇が抑えられるので、連続駆動よりも高い電力投入が可能となり、照明光の輝度を向上させることができる。各固体発光素子2G1,2G2は、互いに等しい点灯周期及び点灯時間で点灯されるので、ジャンクション温度の上昇が効果的に抑えられる。
したがって、この画像表示装置においては、発光効率の低い緑色用の固体発光素子2G1,2G2について、ジャンクション温度の上昇を抑えつつ、照明光の輝度を向上させることができ、他の色(赤色及び青色)の照明光の輝度を低下させることなく、表示画像のホワイトバラスを良好に維持することができる。
また、この画像表示装置においては、各照明装置の光源は、常に、少なくともいずれか一の光源が点灯しているように制御されるので、発光期間が連続しており、最大限の照明光の輝度を維持することができる。そして、この画像表示装置において、光源を連続駆動する場合と同等の電力を投入するようにした場合には、余分な発熱を抑制し、光源の寿命を長くすることができるとともに、総合的に消費電力を低下させることができる。
さらに、この画像表示装置においては、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2が同一波長を発するので、これら固体発光素子2G1,2G2により照明される空間光変調素子1Gは、一の色成分に対応する画像信号を表示するので、画像表示装置における信号処理が困難化されることがない。
〔第2の実施の形態〕
図4は、本発明に係る画像表示装置の第2の実施の形態における構成を示す平面図である。
本発明に係る画像表示装置は、前述の実施の形態のように光変調素子として透過型光変調素子を用いた構成に限定されず、光変調素子として反射型光変調素子(いわゆる「LCOS」や「DMD」など)を用いた構成としてもよい。
この画像表示装置は、図4に示すように、複数の空間光変調素子21R,21G,21Bを備え、これら空間光変調素子21R,21G,21Bをこれら空間光変調素子21R,21G,21Bに対応された照明装置により照明し、各空間光変調素子21R,21G,21Bを経た変調光を色合成して結像させ、画像表示を行う。各空間光変調素子21R,21G,21Bは、表示画像の赤色成分、緑色成分及び青色成分をそれぞれ表示し、これら画像に応じて照明光を偏光変調させる。この実施の形態においては、各空間光変調素子21R,21G,21Bは、反射型のものであり、入射された照明光を変調して反射させる。
各照明装置は、赤色成分の画像の表示する空間光変調素子21Rを赤色の照明光で照明し、緑色成分の画像の表示する空間光変調素子21Gを緑色の照明光で照明し、青色成分の画像の表示する空間光変調素子21Bを青色の照明光で照明する。
この画像表示装置の照明装置は、光源として、赤色光、緑色光及び青色光を発する固体発光素子2R,2G1,2G2,2Bを用いている。これら照明装置のうち、緑色用の空間光変調素子21Gを照明する緑色用の照明装置は、光源として第1及び第2の固体発光素子2G1,2G2を備えており、この照明装置が本発明に係る照明装置の実施形態となる。これら第1及び第2の固体発光素子2G1,2G2は、同一の波長の照明光を発する。
この画像表示装置においては、赤色用、緑色用及び青色用の各固体発光素子2R,2G1,2G2,2Bは、それぞれが独立した駆動回路3R,3G1,3G2,3Bにより制御されて発光する。これら駆動回路3R,3G1,3G2,3Bは、制御手段となる同期コントローラ4によって制御されている。
赤色用の固体発光素子2Rから発せられた照明光は、コリメータレンズ14Rを経て、第1及び第2のフライアイレンズアレイ15R,16Rを経て照度分布を均一化され、偏光変換素子17Rにより、偏光方向を一定方向に揃えられる。そして、この照明光は、フィールドレンズ18R及び偏光子19Rを経て、偏光ビームスプリッタ20Rに入射される。
この偏光ビームスプリッタ20Rに入射した照明光は、この照明光の光軸に対して45°の傾斜となされた偏光反射膜によって反射され、偏光ビームスプリッタ20Rより出射されて、赤色用の透過型空間光変調素子21Rに入射される。赤色の照明光は、透過型空間光変調素子21Rによって赤色成分の画像信号に応じて偏光変調され、赤色の画像光として反射され、偏光ビームスプリッタ20Rに再入射する。偏光ビームスプリッタ20Rに再入射した画像光は、偏光反射膜を透過し、この偏光ビームスプリッタ20Rより出射されて、検光子22Rを経て、色合成プリズム9に入射される。
また、青色用の固体発光素子2Bから発せられた照明光は、コリメータレンズ14Bを経て、第1及び第2のフライアイレンズアレイ15B,16Bを経て照度分布を均一化され、偏光変換素子17Bにより、偏光方向を一定方向に揃えられる。そして、この照明光は、フィールドレンズ18B及び偏光子19Bを経て、偏光ビームスプリッタ20Bに入射される。
この偏光ビームスプリッタ20Bに入射した照明光は、この照明光の光軸に対して45°の傾斜となされた偏光反射膜によって反射され、偏光ビームスプリッタ20Bより出射されて、青色用の透過型空間光変調素子21Bに入射される。青色の照明光は、透過型空間光変調素子21Bによって青色成分の画像信号に応じて偏光変調され、青色の画像光として反射され、偏光ビームスプリッタ20Bに再入射する。偏光ビームスプリッタ20Bに再入射した画像光は、偏光反射膜を透過し、この偏光ビームスプリッタ20Bより出射されて、検光子22Bを経て、色合成プリズム9に入射される。
そして、第1の緑色用の固体発光素子2G1から発せられた照明光は、コリメータレンズ14G1を経て、第1及び第2のフライアイレンズアレイ15G1,16G1を経て照度分布を均一化され、偏光変換素子17G1により、偏光方向を一定方向に揃えられる。そして、この照明光は、フィールドレンズ18G1を経て、光路変換手段となる回転ホイール10の表面側に入射される。また、第2の緑色用の固体発光素子2G2から発せられた照明光は、コリメータレンズ14G2を経て、第1及び第2のフライアイレンズアレイ15G2,16G2を経て照度分布を均一化され、偏光変換素子17G2により、偏光方向を一定方向に揃えられる。そして、この照明光は、フィールドレンズ18G2を経て、光路変換手段となる回転ホイール10の裏面側に入射される。これら第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光軸は、互いに直交する方向となっている。
回転ホイール10は、前述の第1の実施の形態におけるものと同様に、それぞれが扇形の透過部10a及び反射部10bを有して円盤状に構成され、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光軸が交差する位置において、これら各光軸に対して主面部を45°の角度として配置されている。
この回転ホイール10は、モータ11によって回転操作される。このモータ11は、同期コントローラ4によって制御されるモータ駆動回路12によって回転駆動される。回転ホイール10は、回転操作されることにより、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光路を時分割的に変換させる。
すなわち、回転ホイール10が回転操作され、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光軸が交差する位置に透過部10aが位置するときには、第1の緑色用の固体発光素子2G1から発せられた照明光がこの透過部10aを透過する。そして、回転ホイール10が回転操作され、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光軸が交差する位置に反射部10bが位置するときには、第2の緑色用の固体発光素子2G2から発せられた照明光がこの反射部10bによって反射されて光路を変換される。
第1の緑色用の固体発光素子2G1から発せられ回転ホイール10の透過部10aを透過した照明光、または、第2の緑色用の固体発光素子2G2から発せられ回転ホイール10の反射部10bにより反射された照明光は、偏光子19Gを経て、偏光ビームスプリッタ20Gに入射される。
この偏光ビームスプリッタ20Gに入射した照明光は、この照明光の光軸に対して45°の傾斜となされた偏光反射膜によって反射され、偏光ビームスプリッタ20Gより出射されて、緑色用の透過型空間光変調素子21Gに入射される。緑色の照明光は、透過型空間光変調素子21Gによって緑色成分の画像信号に応じて偏光変調され、緑色の画像光として反射され、偏光ビームスプリッタ20Gに再入射する。偏光ビームスプリッタ20Gに再入射した画像光は、偏光反射膜を透過し、この偏光ビームスプリッタ20Gより出射されて、検光子22Gを経て、色合成プリズム9に入射される。
色合成プリズム9に入射された赤色、緑色及び青色の画像光は、色合成されて、結像手段となる投射レンズ13に入射される。この投射レンズ13は、各色の画像光を図示しないスクリーン上に投射し、拡大して結像させて、画像表示を行う。
この画像表示装置においても、同期コントローラ4は、赤色用及び青色用の固体発光素子2R,2Bをそれぞれ連続駆動させるとともに、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を、順次時分割的に駆動させる。同期コントローラ4は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を時分割的に点灯させる。この実施の形態においては、同期コントローラ4は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を交互に点灯させ、常に、少なくともいずれか一方の固体発光素子2G1,2G2が点灯しているように制御する。また、この同期コントローラ4は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を、互いに等しい点灯周期及び点灯時間で点灯させる。
そして、回転ホイール10の反射部10bは、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2からの照明光の光路に対して移動され、第2の緑色用固体発光素子2G2の点灯期間に同期して進入され、第1の緑色用固体発光素子2G1の点灯期間に同期して退出される。
このようにして、緑色用の透過型空間光変調素子21Gには、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2からの照明光のうちのいずれか一方が常に入射され、また、赤色用の透過型空間光変調素子21Rには、赤色用の固体発光素子2Rからの照明光が常に入射され、青色用の透過型空間光変調素子21Bには、青色用の固体発光素子2Bからの照明光が常に入射されて、カラー画像の表示が行われる。
なお、この画像表示装置において、各照明装置においては、第1及び第2のフライアイイレンズアレイに代えて、ロッドインテグレータ、ライトトンネル(ライトパイプ)インテグレータを用いてもよい。
この画像表示装置の照明装置においても、同一波長の光を発する複数の固体発光素子2G1,2G2が時分割的に交互に点灯され、常に、少なくともいずれか一の光源が点灯しているように制御される。したがって、各固体発光素子2G1,2G2は、休止期間を設けて駆動され、ジャンクション温度の上昇が抑えられるので、連続駆動よりも高い電力投入が可能となり、照明光の輝度を向上させることができる。各固体発光素子2G1,2G2は、互いに等しい点灯周期及び点灯時間で点灯されるので、ジャンクション温度の上昇が効果的に抑えられる。
したがって、この画像表示装置においては、発光効率の低い緑色用の固体発光素子2G1,2G2について、ジャンクション温度の上昇を抑えつつ、照明光の輝度を向上させることができ、他の色(赤色及び青色)の照明光の輝度を低下させることなく、表示画像のホワイトバラスを良好に維持することができる。
また、この画像表示装置においては、各照明装置の光源は、常に、少なくともいずれか一の光源が点灯しているように制御されるので、発光期間が連続しており、最大限の照明光の輝度を維持することができる。そして、この画像表示装置において、光源を連続駆動する場合と同等の電力を投入するようにした場合には、余分な発熱を抑制し、光源の寿命を長くすることができるとともに、総合的に消費電力を低下させることができる。
さらに、この画像表示装置においては、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2が同一波長を発するので、これら固体発光素子2G1,2G2により照明される空間光変調素子21Gは、一の色成分に対応する画像信号を表示するので、画像表示装置における信号処理が困難化されることがない。
〔第3の実施の形態〕
前述の各実施の形態においては、本発明に係る照明装置における光路変換手段として、それぞれが扇形の透過部10a及び反射部10bを有して円盤状に構成された回転ホイール10を用いているが、本発明における光路変換手段は、回転ホイール10に限定されない。
図5は、本発明に係る画像表示装置の第3の実施の形態における構成を示す平面図である。
すなわち、この画像表示装置は、図5に示すように、前述の第1、または、第2の実施の形態と同様に構成し、光路変換手段として、回転ホイール10に代えて、回動操作される反射板23を用いて構成してもよい。
図6は、この画像表示装置における光路変換手段となる反射板23の構成を示す正面図である。
この反射板23は、図6に示すように、平板状に形成され、一側部に沿った支軸24を中心に回動操作可能に支持されている。この支軸24には、回転モータ25が取付けられている。この反射板23は、支軸24を介して、回転モータ25により、支軸24を中心として回動操作される。回転モータ25は、前述の実施の形態と同様に、同期コントローラ4によって制御されるモータ駆動回路12によって回転駆動される。反射板23は、回動操作されることにより、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光路を時分割的に変換させる。
すなわち、反射板23が回動操作され、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光軸が交差する位置においてこれら各光軸に対して主面部を45°の角度とする状態となされたときには、第2の緑色用の固体発光素子2G2から発せられた照明光が、この反射板23によって反射されて光路を変換される。そして、反射板23が回動操作され、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光軸が交差する位置より退出されたときには、第1の緑色用の固体発光素子2G1から発せられた照明光がこの位置を通過する。
第1の緑色用の固体発光素子2G1から発せられた照明光、または、第2の緑色用の固体発光素子2G2から発せられ反射板23により反射された照明光は、緑色用の空間光変調素子1G,21Gを経て、色合成プリズム9に入射される。
この画像表示装置においても、同期コントローラ4は、赤色用及び青色用の固体発光素子2R,2Bをそれぞれ連続駆動させるとともに、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を、順次時分割的に駆動させる。同期コントローラ4は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を時分割的に点灯させる。この実施の形態においては、同期コントローラ4は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を交互に点灯させ、常に、少なくともいずれか一方の固体発光素子2G1,2G2が点灯しているように制御する。また、この同期コントローラ4は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を、互いに等しい点灯周期及び点灯時間で点灯させる。
そして、反射板23は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2からの照明光の光路に対して移動され、第2の緑色用固体発光素子2G2の点灯期間に同期して進入され、第1の緑色用固体発光素子2G1の点灯期間に同期して退出される。
このようにして、緑色用の空間光変調素子1G,21Gには、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2からの照明光のうちのいずれか一方が常に入射され、また、赤色用の透過型空間光変調素子21Rには、赤色用の固体発光素子2Rからの照明光が常に入射され、青色用の透過型空間光変調素子21Bには、青色用の固体発光素子2Bからの照明光が常に入射されて、カラー画像の表示が行われる。
図7は、この画像表示装置における光路変換手段の他の構成例(回転モータを用いたもの)を示す正面図である。
さらに、反射板23は、図7に示すように、平板状に形成され、主面部に垂直な支軸26を側縁部に有するものとしてもよい。この支軸26には、回転モータ25が取付けられている。この反射板23は、支軸26を介して、回転モータ25により、支軸26を中心として、主面部に沿う平面内で回動操作される。回転モータ25は、前述の実施の形態と同様に、同期コントローラ4によって制御されるモータ駆動回路12によって回転駆動される。反射板23は、回動操作されることにより、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光路を時分割的に変換させる。
すなわち、反射板23が回動操作され、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光軸が交差する位置においてこれら各光軸に対して主面部を45°の角度とする状態となされたときには、第2の緑色用の固体発光素子2G2から発せられた照明光が、この反射板23によって反射されて光路を変換される。そして、反射板23が回動操作され、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光軸が交差する位置より退出されたときには、第1の緑色用の固体発光素子2G1から発せられた照明光がこの位置を通過する。
第1の緑色用の固体発光素子2G1から発せられた照明光、または、第2の緑色用の固体発光素子2G2から発せられ反射板23により反射された照明光は、緑色用の空間光変調素子1G,21Gを経て、色合成プリズム9に入射される。
この場合にも、同期コントローラ4は、赤色用及び青色用の固体発光素子2R,2Bをそれぞれ連続駆動させるとともに、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を、順次時分割的に駆動させる。同期コントローラ4は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を時分割的に交互に点灯させ、常に、少なくともいずれか一方の固体発光素子2G1,2G2が点灯しているように制御する。また、この同期コントローラ4は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を、互いに等しい点灯周期及び点灯時間で点灯させる。
そして、反射板23は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2からの照明光の光路に対して移動され、第2の緑色用固体発光素子2G2の点灯期間に同期して進入され、第1の緑色用固体発光素子2G1の点灯期間に同期して退出される。
このようにして、緑色用の空間光変調素子1G,21Gには、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2からの照明光のうちのいずれか一方が常に入射され、また、赤色用の透過型空間光変調素子21Rには、赤色用の固体発光素子2Rからの照明光が常に入射され、青色用の透過型空間光変調素子21Bには、青色用の固体発光素子2Bからの照明光が常に入射されて、カラー画像の表示が行われる。
図8は、この画像表示装置における光路変換手段のさらに他の構成例(リニアモータを用いたもの)を示す正面図である。
さらに、反射板23は、図8に示すように、平板状に形成され、側縁部にリニアモータ27が取付けられたものとしてもよい。この反射板23は、リニアモータ27により、側縁部に沿って、主面部に沿う平面内で移動操作(スライド操作)される。リニアモータ27は、前述の実施の形態と同様に、同期コントローラ4によって制御されるモータ駆動回路12によって回転駆動される。反射板23は、移動操作されることにより、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光路を時分割的に変換させる。
すなわち、反射板23が移動操作され、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光軸が交差する位置においてこれら各光軸に対して主面部を45°の角度とする状態となされたときには、第2の緑色用の固体発光素子2G2から発せられた照明光が、この反射板23によって反射されて光路を変換される。そして、反射板23が移動操作され、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2から発せられた照明光の光軸が交差する位置より退出されたときには、第1の緑色用の固体発光素子2G1から発せられた照明光がこの位置を通過する。
第1の緑色用の固体発光素子2G1から発せられた照明光、または、第2の緑色用の固体発光素子2G2から発せられ反射板23により反射された照明光は、緑色用の空間光変調素子1G,21Gを経て、色合成プリズム9に入射される。
この場合にも、同期コントローラ4は、赤色用及び青色用の固体発光素子2R,2Bをそれぞれ連続駆動させるとともに、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を、順次時分割的に駆動させる。同期コントローラ4は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を時分割的に交互に点灯させ、常に、少なくともいずれか一方の固体発光素子2G1,2G2が点灯しているように制御する。また、この同期コントローラ4は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2を、互いに等しい点灯周期及び点灯時間で点灯させる。
そして、反射板23は、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2からの照明光の光路に対して移動され、第2の緑色用固体発光素子2G2の点灯期間に同期して進入され、第1の緑色用固体発光素子2G1の点灯期間に同期して退出される。
このようにして、緑色用の空間光変調素子1G,21Gには、各緑色用の固体発光素子2G1,2G2からの照明光のうちのいずれか一方が常に入射され、また、赤色用の透過型空間光変調素子21Rには、赤色用の固体発光素子2Rからの照明光が常に入射され、青色用の透過型空間光変調素子21Bには、青色用の固体発光素子2Bからの照明光が常に入射されて、カラー画像の表示が行われる。
なお、本発明に係る照明装置において、光路変換手段としては、前述の各実施の形態に示したように、反射部(反射板)を有するものに限定されず、偏光膜を用いるようにしてもよい。この場合には、例えば、第1の緑色用の固体発光素子2G1から発せられた照明光を偏光膜に対するP偏光状態としておき、第2の緑色用の固体発光素子2G2から発せられた照明光を偏光膜に対するS偏光状態としておく。すると、第1の緑色用の固体発光素子2G1から発せられた照明光は偏光膜を透過し、第2の緑色用の固体発光素子2G2から発せられた照明光は偏光膜により反射されて、これら各緑色用の固体発光素子2G1,2G2からの照明光の光路が合成されて、同一の緑色用の空間光変調素子1G,21Gを照明する。
〔第4の実施の形態〕
本発明に係る照明装置は、前述の各実施の形態のように、複数の光源として第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2を有する構成に限定されず、複数の光源として、複数の赤色用の固体発光素子、または、複数の青色用の固体発光素子を有するものとして構成してもよい。
また、本発明に係る画像表示装置は、前述の各実施の形態のように、緑色用の照明装置のみが複数の光源を有するものとなっている構成に限定されず、赤色用の照明装置のみが複数の光源を有するものとなっている構成としてもよく、または、青色用の照明装置のみが複数の光源を有するものとなっている構成としてもよい。さらに、本発明に係る画像表示装置は、緑色用及び赤色用の照明装置が複数の光源を有するものとなっている構成、赤色用及び青色用の照明装置が複数の光源を有するものとなっている構成、または、青色用及び緑色用の照明装置が複数の光源を有するものとなっている構成、あるいは、赤、緑、青の各色用照明装置が全て複数の光源を有するものとなっている構成としてもよい。
また、本発明に係る照明装置においては、光源として固体発光素子を有する構成に限定されず、光源として、放電ランプ等の発光手段を有する構成としてもよい。
さらに、本発明に係る照明装置は、前述の各実施の形態におけるように、複数の光源として2個の光源を有する構成に限定されず、3個以上の光源を有する構成としてもよい。
図9は、3個以上の光源を有する本発明に係る照明装置の構成を示す平面図である。
本発明に係る照明装置を3個以上の光源を有する構成とする場合には、図9に示すように、これら光源L1,L2,L3・・・Lmの数をmとした場合に、〔m−1〕個の光路変換手段M1,M2,M3・・・L(m-1)を設け、これら光源のうちのいずれか一から出射された照明光が同一の空間光変調素子Pを照明するようにする。これら各光源L1,L2,L3・・・Lmから発せられた照明光の光軸は、一の光源Lmから発せられた照明光の光軸に対し、他の全ての光源L1,L2,L3・・・L(m-1)から発せられた照明光の光軸が直交する方向となっている。
これら各光路変換手段M1,M2,M3・・・L(m-1)を、前述の実施の形態と同様に、回転ホイールとして構成する場合には、各回転ホイールにおける反射部は、中心角〔360/(m・n)〕°(∵n:自然数)の扇形として均等(等角度間隔)にn箇所に設けたものとなる。そして、各回転ホイールは、反射部を互いに〔360/(m・n)〕°ずつずらした状態を維持しつつ、同一速度で回転操作される。各回転ホイールをこのように回転操作することにより、各回転ホイールのうちのいずれか一のみが反射部を光路に進入させている状態と、全ての回転ホイールが反射部を光路から退出させている状態とが繰り返されることになる。
各回転ホイールのうちのいずれか一のみが反射部を光路に進入させているときには、反射部を光路に進入させている回転ホイールに対応する光源のみを点灯させ、全ての回転ホイールが反射部を光路から退出させているときには、対応する回転ホイールのない光源Lmのみを点灯させる。このように、回転ホイールの回転と各光源の点灯とを同期させることにより、各光源のうちのいずれか一のみから発せられた照明光が空間光変調素子Pに到達することとなる。
〔第5の実施の形態〕
本発明に係る照明装置は、前述の各実施の形態において、環境温度を検出する温度検出手段を設け、この温度検出手段により検出された環境温度に基づいて、複数の光源の点灯周波数が制御されるように構成することができる。
図10は、本発明に係る画像表示装置の第5の実施の形態における構成を示す平面図である。
すなわち、この照明装置は、図10に示すように、温度検出手段となる外気温度モニタ30を有している。この外気温度モニタ30は、環境温度(外気温)を検出する。外気温度モニタ30による検出結果は、演算機31を介して、制御手段となる同期コントローラ4に送られる。他の構成は、前述の第1の実施の形態における構成と同様である。
なお、図10においては、前述の第1の実施の形態における照明装置に外気温度モニタ30を追加した構成を示しているが、前述の第2乃至第4の実施の形態における照明装置についても、同様に外気温度モニタ30を追加することができる。
同期コントローラ4は、外気温度モニタ30により検出された環境温度に基づいて、複数の光源(例えば、第1及び第2の緑色用の固体発光素子2G1,2G2)の点灯周波数を制御する。同期コントローラ4は、この制御により、複数の光源の発光部温度(ジャンクション温度)を所定の温度以下に抑える。
図11は、固体発光素子(LED)の点灯時間と熱抵抗値との関係を示すグラフ(特性曲線)である。
例えば、発光ダイオード(LED)については、図11に示すように、点灯時間が1.0×10−3秒を超えると熱抵抗値が急激に上昇し、点灯時間が1.0×10−1秒を超えると、熱抵抗値は、1.25(°C/W)程度で飽和する。そして、発光ダイオードのジャンクション温度は、環境温度(外気温)にも影響を受け、以下の式によって示すことができる。
〔ジャンクション温度〕=〔環境温度〕+〔平均点灯温度〕+〔点灯温度〕
2個の発光ダイオードを互いに等しい周期で交互に点灯させ、常にいずれか一方が点灯しているように制御した場合には、デューティ比は50%となり、点灯周波数を100Hz、駆動電力を100W、環境温度を25°Cとした場合には、ジャンクション温度は、以下のように算出される。
25(°C)+50(W)×1.25(°C/W)+100(W)×0.5(°C/W)=25+62.5+50≒137.5(°C)
この場合に、同期コントローラ4が点灯周波数を制御することによって、ジャンクション温度が100°C以下となるようにするには、点灯温度が12.5°C以下となるようにすればよく、点灯周波数を約1.7kHz以上とすればよい。
また、前述の条件において、環境温度が35°Cである場合には、ジャンクション温度が100°C以下となるようにするには、点灯温度を2.5°C以下とする必要があり、点灯周波数を100kHz以上とする必要がある。
このように、この照明装置においては、同期コントローラ4が、環境温度に基づいて複数の光源の点灯周波数を制御することによって、固体発光素子のジャンクション温度が所定温度以下に抑えられ、照明光の高輝度化と光源の長寿命化とを両立させることができる。