JP2007037482A - 新規なナフタレンメタノール脱水素酵素、およびこれを利用した2−ナフトエ酸の製造方法 - Google Patents

新規なナフタレンメタノール脱水素酵素、およびこれを利用した2−ナフトエ酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 2−ナフトエ酸を効率よく与えることができる酵素およびそれを用いる製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明に係るナフタレンメタノール脱水素酵素は、次の(1)および(2)に示す理化学的性状を有する;
(1)作用
酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを補酵素として、アルコールを酸化し、アルデヒドを生成し、および、アルデヒドを酸化してカルボン酸を生成する。
(2)基質特異性
(a)酸化反応の補酵素として酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを利用する。
(b)2−ナフタレンメタノールを酸化して、2−ナフトアルデヒドを生成する。
(c)2−ナフトアルデヒドを酸化して、2−ナフトエ酸を生成する。
【選択図】なし

Description

本発明は新規なナフタレンメタノール脱水素酵素、並びに該酵素を利用した2−ナフトエ酸の製造方法に関する。
ナフトエ酸誘導体は染料・顔料の原料及びその中間体、高機能性樹脂及び繊維の原料となる有用な化合物である。従来、工業的な製造方法としてはナフトールを原料にした製法があるが、不純物が生成するなどの問題があった。
ナフトエ酸誘導体を生産する方法として、生物学的な反応によって2−メチルナフタレンから、2−ナフチルメタノール、2−ナフトアルデヒド、2−ナフトエ酸を生成する方法は、
(1)2−メチルナフタレンから2−ナフチルメタノールの生成
(2)2−ナフチルメタノールから2−ナフトアルデヒドの生成
(3)2−ナフトアルデヒドから2−ナフトエ酸の生成
という3つの酸化反応の単独、或いは組み合わせが考えられる。
従来、2−メチルナフタレンから、2−ナフチルメタノール、2−ナフトアルデヒド、2−ナフトエ酸を生成する方法(特許文献1)としては、微生物反応によるもので、アルトロバクター、バシルス、ブレビバクテリウム、コリネバクテリウム、カセオバクター、ゴルドナ、マイクロコッカス、ミコバクテリウム、ノカルデイア、プラノコッカス、プロアクチノマイセス、ロドコッカス、スタフイロコッカス、セラテイア、ツカムレラ属の微生物による方法の報告があるが、酵素を用いる方法に関してはこれまで報告はない。
また、生物学的な反応によって2−メチルナフタレンから2−ナフトエ酸を生成する方法も報告がある(特許文献2〜5)。特許文献2、3では、新属の微生物(それぞれ、FERM P−11753、FERM P−11754)が記載され、特許文献4では、ウスティラゴ属のシュードザイマ ルグローサPB−12が記載され、特許文献5には、ナフタレンオキシゲナーゼ(シュードモナス)が記載されているが、酵素に関しては報告がない。また、2−ナフタレンメタノールから2−ナフチルアルデヒド、2−ナフチルアルデヒドから2−ナフトエ酸をそれぞれ酸化する酵素、あるいは両者をともに酸化する酵素は、これまで知られていない。
特表平8−512205号公報 特開平5−15365号公報 特開平5−103659号公報 特開平7−184669号公報 米国特許5030568号
本発明は、2−ナフトエ酸を効率よく与えることができる酵素およびそれを用いる製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、経済的に優れ、且つ、簡便な方法で2−ナフトエ酸を得る方法として、微生物が生産する酵素を2−ナフタレンメタノールに作用させると、2−ナフトエ酸を効率的に生産できるのではないかと考え、鋭意研究を行った。本発明者らは2−ナフタレンメタノールを2−ナフタレンアルデヒドに酸化する酵素を有する微生物をさまざまな微生物からスクリーニングし、その微生物から該活性を有する酵素を単離、精製することに成功した。さらに該酵素が、2−ナフタレンメタノールを2−ナフチルアルデヒドに酸化するのみならず、2−ナフチルアルデヒドから2−ナフトエ酸まで同時に酸化する特性を有することを見出した。すなわち、該酵素が、2−ナフタレンメタノールから2−ナフトエ酸を生産するために有用な酵素であることを見出し、本発明に至った。
本発明はより具体的には下記の通りである。
〔1〕次の(1)および(2)に示す理化学的性状を有するナフタレンメタノール脱水素酵素;
(1)作用
酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを補酵素として、アルコールを酸化し、アルデヒドを生成し、および、アルデヒドを酸化してカルボン酸を生成する。
(2)基質特異性
(a)酸化反応の補酵素として酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを利用する。
(b)2−ナフタレンメタノールを酸化して、2−ナフトアルデヒドを生成する。
(c)2−ナフトアルデヒドを酸化して、2−ナフトエ酸を生成する。
〔2〕 更に次の(3)および(4)に示す理化学的性状を有する〔1〕に記載のナフタレンメタノール脱水素酵素;
(3)至適pH(酸化反応)
pH7.5−8。
(4)至適温度
15−20℃。
(5)分子量
ドデシル硫酸ナトリウム −ポリアクリルアミドゲル電気泳動により約33,000、ゲル濾過により約130,000。
〔3〕配列番号:1記載のアミノ酸配列をN末端アミノ酸配列として有する前記〔1〕または〔2〕に記載のナフタレンメタノール脱水素酵素。
〔4〕配列番号:2〜4のいずれかに記載のアミノ酸配列をアミノ酸内部配列として有する、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のナフタレンメタノール脱水素酵素。
〔5〕クラビバクター属に属する微生物によって産生される、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のナフタレンメタノール脱水素酵素。
〔6〕クラビバクター属に属する微生物が、クラビバクター・ミシガネンシス(Clavibacter michiganensis )である、上記〔5〕に記載のナフタレンメタノール脱水素酵素。
〔7〕2−ナフタレンメタノールに上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のナフタレンメタノール脱水素酵素、該ナフタレンメタノール脱水素酵素を生産する微生物、または該微生物の処理物を作用させ、2−ナフトエ酸を製造する、2−ナフトエ酸の製造方法。
1.酵素
本発明のナフタレンメタノール脱水素酵素は、下記理化学的性質を有する。
(1)作用
酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを補酵素として、アルコールを酸化し、アルデヒドを生成し、または、アルデヒドを酸化してカルボン酸を生成する。
(2)基質特異性
(a)酸化反応の補酵素として酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを利用する。
(b)2−ナフタレンメタノールを酸化して、2−ナフトアルデヒドを生成する。
(c)2−ナフトアルデヒドを酸化して、2−ナフトエ酸を生成する。
本発明の酵素は前記の基質特異性を有し、2−ナフタレンメタノールを酸化し、本酵素を用いることにより、2−ナフトエ酸を高い収率で、且つ容易に得ることが可能になる。
本発明の酵素は、上記(1)、(2)の特性に加え、さらに下記理化学的性質を有していてもよい。
(3)至適pH(酸化反応)
pH7.5−8。
(4)至適温度
15−20℃。
(5)分子量
ドデシル硫酸ナトリウム −ポリアクリルアミドゲル電気泳動により約33,000、ゲル濾過により約130,000。
かかる酵素を生産する微生物として、たとえばクラビバクター属の微生物などが挙げられる。そのなかで好ましくはクラビバクター・ミシガネンシス(Clavibacter michiganensis)が挙げられる。
クラビバクター・ミシガネンシスは、下記の寄託機関から細胞株として入手することができる。
(1)寄託機関
名称:独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)生物遺伝資源部門(NBRC)(http://www.nbrc.nite.go.jp/)
住所:〒292−0818
日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8
(2)寄託番号:Clavibacter michiganensis NBRC 13762
前記クラビバクター・ミシガネンシスに含まれる本発明の酵素は、たとえば以下のようにして微生物を培養し、精製して得ることができる。
まず上記微生物を、発酵学の分野で公知の方法に従って培養する。培地としては炭素源、窒素源、無機物およびその他の栄養素を適量含有する培地ならば、合成培地または天然培地のいずれでも使用可能である。培地は、液体培地または固体培地を使用することができる。
具体的には、炭素源として、次に示すような一般的な炭素源より、使用する微生物の資化性を考慮して、適宜一種または二種以上選択して使用することができる。
糖類:グルコース、フルクトース、マルトース、ガラクトースなど
天然炭水化物:澱粉、澱粉加水分解物、糖蜜、廃糖蜜、麦、とうもろこしなど
アルコール類:グリセロール、メタノール、エタノールなど
脂肪酸類:酢酸、グルコン酸、ピルビン酸、クエン酸など
アミノ酸:グリシン、グルタミン、アスパラギンなど
炭水化物類:ノルマルパラフィンなど
脂肪類:パーム核油、大豆油、オリーブ油など
窒素源としては、次に示すような一般的な窒素源の中から、使用する微生物の資化性を考慮して、適宜一種または二種以上選択して使用することができる。
有機窒素化合物:肉エキス、ペプトン、酵母エキス、大豆加水分解物、ミルクカゼイン、カザミノ酸、各種アミノ酸、コーンスティープリカー、その他の動物、植物、微生物の加水分解物など
無機窒素化合物:アンモニア、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウムなどのアンモニウム塩、硝酸ナトリウムなどの硝酸塩、尿素など
また、微生物の光学活性ヒドロキシカルボン酸誘導体への変換能力を高めるために、誘導物質を用いることができる。誘導物質としては、目的とする光学活性なヒドロキシカルボン酸誘導体、もしくはケトカルボン酸誘導体を、使用する微生物に応じて使用することができる。
さらに、無機塩として微量のマグネシウム、マンガン、カリウム、カルシウム、ナトリウム、銅、亜鉛などのリン酸塩、塩酸塩、硝酸塩、酢酸塩等より適宜一種または二種以上を選択して使用することができる。また、必要に応じて植物油、界面活性剤、シリコンなどの消泡剤を培養液中に添加してもよい。
培養は前記培地成分を含有する液体培地中で振とう培養、通気攪拌培養、連続培養、流加培養などの通常の培養方法を用いて行うことができる。
培養条件は、微生物の種類、培養の種類、培養方法により適宜選択すればよく、該菌株が増殖し、2−ナフタレンメタノールから2−ナフトエ酸への変換能力を有しうる条件であれば特に制限はない。
通常は、培養開始時のpHを4から10、好ましくは6から8に調節し、15から70℃、好ましくは20から40℃の温度条件下で培養することが望ましい。培養時間は2−ナフタレンメタノールから2−ナフトエ酸への変換能力を有する菌体が得ることができれば特に制限はなく、通常は1日から7日、このましくは1日から3日培養する。
本発明の酵素は、前記微生物菌体を処理、精製することにより得ることができる。菌体の処理は常法により行うことができる。たとえば、上記微生物菌体を培養した後、遠心分離により菌体を遠沈する。遠沈した菌体をライシスバッファー等に溶解し、当量のビーズを加えてビーズショッカー等で菌体を破砕し、必要に応じ酵素処理して所望の酵素が含まれる菌体破砕液を得ることができる。これを精製することにより精製された酵素を得ることができる。精製は、カラムクロマトグラフィー、電気泳動等を単独であるいは複数を組み合わせて用いて行うことができる。
本発明におけるナフタレンメタノール脱水素酵素の活性測定法は例えば以下に示すとおりである。
クラビバクター・ミシガネンシス(Clavibacter michiganensis)を培養した後、遠心分離により菌体を遠沈する。遠沈した菌体を、ライシスバッファー等に溶解し、等量のビーズを加え、ビーズショッカー等で菌体を破砕する。破砕液を遠心し、上清を更に遠心する。その上清を回収し、DNase、RNase処理し、さらに遠心する。上清を回収し、フィルターカートリッジ等で不溶物を取り除き、菌体破砕液を得ることができる。
活性測定の至適方法としては、DMSOに予め溶解した基質NMEを、50mM PKB pH8.75に、最終濃度5mMになるように加え、更に、補酵素としてNADを最終濃度1mMになるようにし、20℃でプレインキュベートした後、酵素溶液を添加して測定する方法が挙げられる。
上記のような精製酵素において、慣用の技術により、そのN末端アミノ酸配列の情報を得ることができる。前記のように得られる酵素としては、例えば、配列番号:1記載のアミノ酸配列をN末端アミノ酸配列として有する酵素などが挙げられる。かかる酵素も本発明に含まれる。
また上記のような精製酵素において、慣用の技術により、そのアミノ酸内部配列の情報を得ることができる。前記のように得られる酵素としては、例えば、配列番号:2、3、4のいずれかに記載のアミノ酸配列をアミノ酸内部配列として有する酵素などが挙げられる。かかる酵素も本発明に含まれる。
2.2−ナフトエ酸の製造方法
本発明は、ナフタレンメタノール脱水素酵素を利用した2−ナフトエ酸の製造方法に関する。具体的には、本発明の酵素、または酵素に代えて該酵素を生産する微生物又は該微生物の処理物を原料化合物に作用させ、所望の生産物を製造することができる。
好ましくは、本発明に係る2−ナフトエ酸の製造方法は、前記ナフタレンメタノール脱水素酵素、該ナフタレンメタノール脱水素酵素を生産する微生物、または該微生物の処理物を、2−ナフタレンメタノールに作用させ、2−ナフトエ酸を製造する方法である。
本発明における酵素のナフタレンメタノール脱水素酵素の酸化反応を利用した方法であり、反応基質として2−ナフタレンメタノールを利用した場合には2−ナフトエ酸を製造することができる。
発明の酵素は、精製および粗精製されたたんぱく質および酵素が含まれる。たとえば、粗精製された該たんぱく質または酵素は、該酵素を生産する微生物の処理物が挙げられる。
一方、本発明の2−ナフトエ酸の製造方法において使用する、これらを生産する微生物又は細胞としては、ナフタレンメタノール脱水素酵素生産能を有するものであればよく、天然において該酵素を生産する微生物、及び遺伝子操作技術の利用により作製された酵素生産能を獲得した形質転換株が含まれる。
このうち、本発明の酵素は、好ましくは単離又は精製した酵素である。
このような酵素を生産する微生物としてたとえば、前記クラビバクター属に属する微生物が挙げられる。
微生物の処理物は、具体的には界面活性剤またはトルエン等による有機溶媒処理によって細胞膜の透過性を変化させた微生物、ガラスビーズ若しくは酵素処理によって菌体を破砕した無細胞抽出液、およびそれを部分精製したもの(たとえば培養上澄等を含む)等が含まれる。
必要に応じ、本発明の酵素または該酵素を生産する細胞はその活性を妨げない固相に固定化し、バイオリアクターとして利用してもよい。
この場合、触媒となるたんぱく質、酵素又は細胞を不溶性の担体に結合することにより、生産物の分離が容易となる。物理的吸着法、イオン結合法、共有結合法、及び生化学的特異結合法を含む単体結合法、架橋法、又は包括法(格子型、マイクロカプセル型等)等の固定化法により、本発明のたんぱく質、酵素又は細胞等を固定化することができる。
担体結合法における担体としては、これらに限定されるわけではないが、多糖(セルロース、アガロース等)、無機物質(多孔質ガラス、金属酸化物等)、合成高分子(ポリアクリルアミド、ポリスチレン樹脂等)を例示することができる。架橋法における架橋剤としては、例えばグルタルアルデヒド等が挙げられる。包括法における包括剤としては、例えば、多糖(アルギン酸、カラギーナン等)、ポリアクリルアミド、光架橋性樹脂であるENT、ポリウレタン,ナイロン等が公知であり、本発明において利用可能である。このような方法により固定化された酵素等は、必要に応じカラム等につめて用いることもできる。
これら酵素、又は酵素を産生する微生物、若しくはその処理物・培養物等を原料化合物と接触させ、目的とする酵素反応を行わせることによって、2−ナフトエ酸の製造を行うことができる。
本発明の反応は、水中、水に溶解しにくい有機溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、クロロホルム、n−ヘキサン、メチルイソブチルケトン、メチルターシャリーブチルエステル、ブタノール等)、もしくは該有機溶媒と水性媒体との2相系、水と水に溶解する有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、アセトン、ジメチルスルホキシド等)との混合系、または超臨界流体(例えば超臨界炭酸ガス)中で行うことができる。
本発明の反応は、pHは好ましくはpH6.0〜9.5、さらに好ましくは7.5〜8.0であり、温度は好ましくは10〜30℃、さらに好ましくは15〜20℃であり、反応時間は、好ましくは4時間〜3日間程度である。反応系には必要に応じて補酵素として、酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下NADと省略)を添加することができる。添加量は、好ましくは0.001mM〜100mM、さらに好ましくは0.01〜10mMである。原料化合物は反応開始時に一括して添加することも可能であるが、反応液中の原料濃度が高くなり過ぎないように連続的、又は非連続的に添加することが望ましい。
本発明では、2−ナフタレンメタノールから2−ナフトエ酸への酸化反応が進行するが、このような酸化反応により、補酵素が還元され、還元型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以下NADHと省略)を生成する。生成したNADHは、微生物の含有するNADHからNADを再生する能力によりNADを再生することができる。また、グルタミン酸脱水素酵素、グルコース脱水素酵素、NADH脱水素酵素、NADHオキシダーゼなどのNADHをNADに酸化する活性を有する酵素もしくは、これら酵素を含有する微生物、もしくは、その処理物を反応系に添加することにより、NADを再生することもできる。
本発明の方法により製造された2−ナフトエ酸は、必要に応じ、菌体(細胞)及び・またはタンパク質の遠心分離、膜処理等による分離、さらに溶媒抽出、蒸留等を適当に組み合わせることにより精製することができる。
例えば2−ナフトエ酸を微生物菌体を含む反応液を遠心分離し、微生物菌体を除いた後、pHを酸性にして酢酸メチル、酢酸ブチル、トルエン、クロロホルム、n−ヘキサン、メチルイソブチルケトン、メチルターシャリーブチル、ブタノール等で抽出する。その後、抽出液を減圧濃縮することにより採取することができる。さらに反応生成物の純度を上げるには、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等を行ってもよい。
本明細書において用いた略号は、下記のとおりである。
NAD:酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
DMSO:Dimethyl Sulfoxide
NME:2-Naphthalenemethanol
PKB:pottasium phosphate buffer
PMSF:phenylmethane sulfonyl fluoride
EDTA:Ethylenediamine-N,N,N’,N’-tetraacetic acid
2−ME:2-Mercaptoethanol
PVDF:Polyvinylidene difluoride
CAPS:3-(Cyclohexylamino)-1-propane-sulfonic acid
CBB: Coomasie Brilliant Blue
CHAPS:3-[(3-Cholamidopropyl)dimethylammonio]propanesulfonic Acid
BPB:Bromophenol Blue
SDS:ドデシル硫酸ナトリウム
SDS‐PAGE:ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
本発明の酵素は2−ナフタレンメタノールを2−ナフチルアルデヒドとし、さらに2−ナフチルアルデヒドを2−ナフトエ酸に酸化する特性を有する、2−ナフタレンメタノールから2−ナフトエ酸を生産するために有用な酵素である。ナフトエ酸誘導体は染料・顔料の原料及びその中間体、高機能性樹脂及び繊維の原料となる有用な化合物である。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
実施例中、%について、Glycerol、Triton X-100、Methanolの場合はV/Vの値(%)、BPB、SDSの場合はW/Vの値(%)である。
〔実施例1〕
クラビバクター・ミシガネンシス(Clavibacter michiganensis)が産生するナフタレンメタノール脱水素酵素の精製
2−ナフタレンメタノールを2−ナフタレンアルデヒドに酸化する酵素を有する微生物をトルエン存在下でスクリーニングした。スクリーニングにおいて、100mM トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(pH8.5),2.5mM NAD 又は2.5mM NADP溶液にトルエンを混合し、分離するまで放置した。その後、水溶液部分に、菌体粗抽出液を加え、25℃2分間インキュベートしたのち、最終濃度0.5mM になるようにNMEを添加した。その結果、340nmの吸光度の増加の大きな2−ナフタレンメタノールを酸化する酵素がクラビバクター・ミシガネンシス(NBRC 13762)の菌体中に見出された。
クラビバクター・ミシガネンシス(NBRC 13762)の菌体から目的の酵素を精製し、さらにその性状を解析した。
1.活性測定法の確立
クラビバクター・ミシガネンシス(NBRC 13762)を桐完培地で、30℃で一昼夜培養した後、6000rpm 10分間、4℃で菌体を遠沈した。桐完培地の組成は下記のとおりである。
桐完培地:グルコース 0.5%、酵母エキス 1.0%、ペプトン 1.0%、カツオ肉エキス 0.3%、NaCl 0.5%、pH7.0
遠沈した菌体を、ライシスバッファー(Lysis buffer)(20mM PKB pH6.0/ 0.4M NaCl/ 5mM MgCl2/ 0.5mM PMSF/ EDTA-free protease inhibitor cocktail/ 20% Glycerol) に溶解し、等量のビーズを加え、ビーズショッカーで菌体を破砕した(60秒間隔で20秒間の振動、4℃を45回繰り返す)。
破砕液を6000 rpm, 4℃で10分間遠心し、上清を更に、10000 rpm 4℃で20分間遠心した。その上清を回収し、4℃で30分間DNase、RNase処理し、15000 rpm 4℃で40分間遠心した。上清を回収し、0.2μのフィルターカートリッジで不溶物を取り除き、菌体粗抽出液を得た。
その菌体粗抽出液を用いて、活性測定の至適条件を検討した結果、DMSOに予め溶解した基質NMEを、50mM PKB pH8.75に、最終濃度5mMになるように加え、更に、補酵素としてNADを最終濃度1mM になるようにし、20℃でプレインキュベートした後、菌体粗抽出液を添加して酵素活性を測定する方法が至適条件であることがわかった。
2.酵素の安定性試験
ナフタレンメタノール脱水素酵素が失活しやすいとの懸念があったため、4℃における様々なpHのバッファーに菌体粗抽出液を加え、36時間放置した結果、pH6.0のバッファーで残存活性が70%と一番高かった。また、この失活の原因は、電気泳動から、蛋白質分解酵素による影響と推測されたので、あわせてプロテアーゼインヒビターを加え、更に20%グリセロールを加えたリン酸バッファーを、精製過程及び保存中の溶液として使用した。
3.ナフタレンメタノール脱水素酵素の精製
(i)クラビバクター・ミシガネンシス(NBRC 13762)の菌体粗抽出液を、sample dilution buffer(20 mM PKB pH 6.0/ 0.5 mM 2-ME/ 0.5 mM PMSF/ 20% Glycerol)で、希釈し、陽イオン交換体であるHiLoad SP sepharose HP カラム(53ml)(Amersham)と陰イオン交換体であるHiLoad Q sepharose HP(53ml)(Amersham)カラムを接続したタンデムカラムにかけた。((i)〜(vi)は精製ステップを示す。)
Sol. A(50 mM PKB pH 6.0/ 50 mM NaCl/ 0.5 mM 2-ME/ 0.5 mM PMSF/ 20% Glycerol) でカラムを洗い、SPセファロース(SP sepharose)カラムをQセファロース(Q sepharose)カラムから取り外した。Sol. AとSol. B(50 mM PKB pH 6.0/ 1M NaCl/ 0.5 mM 2-ME/ 0.5 mM PMSF/ 20% Glycerol)とのグラジエントにより、たんぱく質を溶出し、得られたフラクションの活性測定を行った。
(ii)NME活性の高いフラクションを一つにまとめ、電気伝導度を合わせて、次の疎水クロマトであるハイロードフェニル(HiLoad Phenyl)HPカラム(53ml)(Amersham)にかけた。Sol. D(100 mM PKB pH 6.0/ 1.5 M (NH4)2SO4/ 0.5 mM 2-ME/ 0.5 mM PMSF/ 10% Glycerol)でカラムを洗い、Sol. C( 100 mM PKB pH 6.0/ 0.5 mM 2-ME/ 0.5 mM PMSF/ 10% Glycerol) とSol. Dとのグラジエントにより、蛋白質を溶出した。得られたフラクションの活性測定を行い、NME活性の高いフラクションを一つにまとめ、次のクロマトに使用する平衡化バッファーの電気伝導度と等しくなるよう希釈した。
(iii)一つにまとめたNME活性の高いフラクションをSol. Aで平衡化したハイロードQセファロース(HiLoad Q sepharose)HP(53ml)(Amersham)カラムにロードし、Sol. Aで洗う。Sol. AとSol. Bのグラジエントにより、蛋白質を溶出し、得られたフラクションの活性測定を行った。
(iv)NME活性の高いフラクションを一つにまとめ、次のクロマト平衡化バッファーの電気伝導度に合わせ、(iv)Bio-Scale CHT2-I Hydroxyapatite カラム(2ml)(BIO-RAD)にかけた。Sol. E(10 mM PKB pH 6.0/ 0.5 mM PMSF/ 0.5 mM 2-ME/ 20% Glycerol) でカラムを洗った後、Sol. E とSol. F(500 mM PKB pH 6.0/ 0.5 mM PMSF/ 0.5 mM 2-ME/ 20% Glycerol)のグラジエントにより蛋白質を溶出した。
(v)得られたフラクションで、NME活性の高いフラクションを一つにまとめ、電気伝導度を合わせた後、次のMonoQ 16/10カラム (20ml)(Amersham)にサンプルをロードした。Sol. A でカラムを洗った後、Sol. AとSol. Bとのグラジエントにより、蛋白質を溶出させ、得られたNME活性の高いフラクションをプールした。プールしたフラクションをYM-10メンブレン(分子量10000カット)を使用して、4℃で濃縮した。
(vi)最後にゲルろ過カラムであるSuperdex200pg(120ml)(Amersham)をSol. G( 50 mM PKB pH 6.0/ 0.4 M NaCl/ 0.5 mM 2-ME/ 0.5 mM PMSF/ 20% Glycerol)を用いて精製を行い、電気泳動的にシングルバンドの最終精製物を得た。
4.ナフタレンメタノール脱水素酵素のN末端アミノ酸配列及び内部アミノ酸配列解析
最終精製物の12.5% SDS-PAGEを行った後、PVDFメンブレン(BIO-RAD)に、陽極を60 mM Tris/ 40 mM CAPS/ 0.1% SDS pH 9.6, 陰極を60 mM Tris/ 40 mM CAPS/ 15% Methanol pH 9.6の条件で、ゲルをブロッティングし、CBBでメンブレンを染色後、バンドを切り取ってN末端アミノ酸配列解析を行った。また、内部配列分析のために、SDS-PAGEを行った後、CBBで染色したゲルを切り取り、その後トリプシン消化して、アミノ酸配列解析を行った。
5.精製品のゲルろ過による分子量推定
標準分子量マーカーとして、Glutamate dehydrogenase(290kDa)、Lactate dehydrogenase(142kDa)、Enolase(67kDa)、Myokinase(32kDa)、Cytochrome c(12.4kDa)の5種類の混合物をSuperdex200pgに同じ条件で流し、目的の酵素の分子量を推定した。その結果、ゲルろ過による分子量推定により、この酵素は33kDaが四量体を形成して、130kDaであることがわかった。
6. 精製品の二次元電気泳動
濃縮したサンプル溶液を、9倍量のサンプル溶解液(60 mM Tris pH 9/ 5 M 尿素/ 1M チオ尿素/ プロテアーゼ インヒビター/ 1% CHAPS/ 1% Triton X-100)に溶解し、1/10量の1 M ヨードアセトアミド溶液を加え、室温で10分間放置し、蛋白質のチオール基の修飾を行った。一次元目のアガロース等電点ゲルにサンプルをアプライし、その上に10μlの重層液(2 M 尿素)を載せた。
この重層液の上に上部電極液(0.2 M 水酸化ナトリウム)をのせ、泳動槽にセットした。上部電極液と下部電極液(40 mM DL‐アスパラギン酸)に入れたまま、300V、150分間泳動する。泳動終了後、アガロースを取り出し、固定液(2.5% トリクロロ酢酸)に3分間、蒸留水に1分間を3回、蒸留水に2時間、SDS平衡化液(0.5 M Tris-HCl pH 6.8/ 2% SDS/ 0.001% BPB)に10分間浸した後、アガロースを2次元目のSDS-PAGEにかけて、銀染色を行った。二次元電気泳動の結果から、この酵素の等電点は約5.3と酸性蛋白質であり、又、NMEに対する酵素活性は亜鉛などの金属には依存しなかった。
7. 精製過程の蛋白量、活性、回収率
精製過程の蛋白量、活性、回収率を表1に示す。
酵素活性測定は、スペクトロフォトメーター(PharmaspecUV-1700、 島津製作所製)を用い、生成するNADHを20℃で340nmの吸光度の増加を測定することによって行った。酵素活性1単位(U)は、1分間に1μmole量のNADの酸化を触媒する酵素の量と定義した。NADHの分子吸光係数はpH8.0において6.22とした。標準反応溶液(1mL)は、10mM PKB(pH8.0)、1mM 2−ME、1mM NAD、5mM NMEと5〜20μLの酵素溶液を含んでいる。比較対照用として上記反応溶液に基質のみを含まないものを用いた。
Figure 2007037482
8.基質特異性
基質特異性を検討するために、様々な基質(メタノール、エタノール、プロパノール、ソルビトール、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、1−メチルナフタレン、2−ナフトール、2−ナフタレンメタノール、2−ナフタレンアルデヒド)を用いて酵素活性を測定した。酵素活性の測定方法は上記と同様である。結果を表2に示す。
Figure 2007037482
9.アミノ酸配列
精製した酵素のN末端、及び内部アミノ酸配列の決定を行い、以下の結果が得られた。
N末端配列:MKALRWHDQK(配列番号1)
内部配列1:AKELGAIIVDPS(配列番号2)
内部配列2:IKLDDVIEDGFH(配列番号3)
内部配列3:VVVEPIFATHGH(配列番号4)
〔実施例2〕
ナフタレンメタノール脱水素酵素の至適pH
10mM PKB(pH6.5-9.0), 1mM 2-ME, 1mM NAD, 5mM NMEのアッセイバッファーに菌体粗抽出液を加え、室温で活性を測定した。表3に示すとおりpH7.0〜9.0で相対活性が高く、7.5〜8.0で相対活性が極めて高かった。
Figure 2007037482
〔実施例3〕
ナフタレンメタノール脱水素酵素の至適温度
10mM PKB (pH7.5), 1mM 2-ME, 1mM NAD, 5mM NMEのアッセイバッファーに菌体粗抽出液を加え、15℃〜30℃でそれぞれ活性測定を行った。表4に示すとおり、好ましくは15〜20℃であり、20℃付近の活性が高かった。
Figure 2007037482
〔実施例4〕
ナフタレンメタノール脱水素酵素のpH安定性試験
4℃における様々なpHのバッファー(20mM PKB, 1mM 2-ME)に菌体粗抽出液を加え、36時間放置した後、20mM PKB、pH7.5、1mM 2-ME、1mM NAD、5mM NME)のバッファーで20℃でアッセイした結果、表5に示すようにpH5.5から6.0のバッファーで残存活性が約70%と一番高かった。
Figure 2007037482
〔実施例5〕
2−ナフトエ酸の生成
前記酵素10mg、2−ナフタレンメタノール、100mg、NAD100mg、50mM リン酸カリウム緩衝液(pH8.75)を10ml調製して試験管に入れ、20℃で24時間、振盪した。反応終了液中に2−ナフトアルデヒド10mg、ナフトエ酸が55mg得られた。
また、この結果から、クラビバクター・ミシガネンシスが生産する酵素は酸化反応の補酵素として酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを利用し、アルコールを酸化してアルデヒドを生成し、およびアルデヒドを酸化してカルボン酸を生成することがわかる。
たとえば、Sorbitol dehydrogenase はソルビトール以外には殆ど活性を有しないことが知られている(Hexitol Dehydrogenase of Bacillus subtilis, Horwits, S.B., and Kaplan, N.O. (1964) J.Biol.Chem. 239, 830-838、Sorbitol Dehydrogenase from Bacillus subtilis, Ng, K, Ye, R, Wu, X.-C., and Wong, S.-L. (1992) J.Biol.Chem. 267, 24989-24994)。
具体的には、本願発明者らは、ソルビトール脱水素酵素微生物製(和光純薬製)(754.9μg/ml)を5μL使用して、以下の基質をそれぞれ用い、本発明の酵素と同様の条件で活性測定を行った。その結果、ソルビトールの活性を100%とすると、比活性は、エタノールの2.2%以外は全て0%であった。
<基質>
20mM メタノール
20mM エタノール
20mM 2−プロパノール
5mM ソルビトール
20mM ベンジルアルコール
5mM ベンズアルデヒド
5mM 1−メチルナフタレン
5mM ナフトール
5mM ナフタレンメタノール
5mM ナフタレンアルデヒド
上記結果から、本酵素はアルデヒド及びアルコールどちらに対しても酸化活性を有し、基質特異性が低く広範囲に対応しうる酵素であることがわかった。また本酵素は四量体を形成して、はじめて活性を有するものであり、補酵素NADには依存するが、亜鉛などの金属に依存しないことがわかった。この点において、分子量が近く、アミノ酸配列が60%相同するSorbitol dehydrogenaseとは機能の全く異なる酵素であることが判明した。

Claims (7)

  1. 次の(1)および(2)に示す理化学的性状を有する、ナフタレンメタノール脱水素酵素;
    (1)作用
    酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを補酵素として、アルコールを酸化し、アルデヒドを生成し、および、アルデヒドを酸化してカルボン酸を生成する;
    (2)基質特異性
    (a)酸化反応の補酵素として酸化型β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを利用する;
    (b)2−ナフタレンメタノールを酸化して、2−ナフトアルデヒドを生成する;
    (c)2−ナフトアルデヒドを酸化して、2−ナフトエ酸を生成する。
  2. 更に、次の(3)および(4)に示す理化学的性状を有する、請求項1に記載のナフタレンメタノール脱水素酵素;
    (3)至適pH(酸化反応)
    pH7.5〜8;
    (4)至適温度
    15〜20℃;
    (5)分子量
    ドデシル硫酸ナトリウム −ポリアクリルアミドゲル電気泳動により約33,000、ゲル濾過により約130,000。
  3. 配列番号:1に記載のアミノ酸配列をN末端アミノ酸配列として有する、請求項1または2に記載のナフタレンメタノール脱水素酵素。
  4. 配列番号:2〜4記載のいずれかのアミノ酸配列をアミノ酸内部配列として有する、請求項1〜3のいずれかに記載のナフタレンメタノール脱水素酵素。
  5. クラビバクター属に属する微生物によって産生される、請求項1〜4のいずれかに記載のナフタレンメタノール脱水素酵素。
  6. 前記クラビバクター属に属する微生物がクラビバクター・ミシガネンシス(Clavibacter michiganensis )である、請求項5に記載のナフタレンメタノール脱水素酵素。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載のナフタレンメタノール脱水素酵素、該ナフタレンメタノール脱水素酵素を生産する微生物、または該微生物の処理物を、2−ナフタレンメタノールに作用させ、2−ナフトエ酸を製造する、2−ナフトエ酸の製造方法。
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