JP2007035328A - マイクロマシンスイッチ及び電子機器 - Google Patents

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文一朗 安部
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Abstract

【課題】 複数の信号経路を通過する各高周波信号に対して良好な通過特性及び良好な阻止特性を得ることができ、さらに、小型化及び構造の簡略化を実現することができるマイクロマシンスイッチ及び電子機器を提供する。
【解決手段】 第1の基板2上に設けられた第1の高周波信号線3と、第1の高周波信号線3上に設けられた第1の絶縁体5と、第1の基板2上の第1の高周波信号線3が設けられた面に対向させて設けられた第2の基板6と、第2の基板6上に第1の基板2上の第1の高周波信号線3が設けられた面に対向させて設けられた第2の高周波信号線7と、第2の高周波信号線7上に設けられた第2の絶縁体9と、第1の絶縁体5と第2の絶縁体9との間に設けられ、第1の高周波信号線3との間への電圧V1の印加により第1の絶縁体5に接触し、第2の高周波信号線7との間への電圧V2の印加により第2の絶縁体9に接触する可動片10とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロマシンスイッチ及び電子機器に関し、特に高周波信号の切り替えに使用されるマイクロマシンスイッチ及びそれを実装した電子機器に関する。
マイクロ波及びミリ波等も含む高周波帯を使用する電子機器(例えば通信機器等)は広い分野において用いられている。このため、それら電子機器を構成する高周波用の電子部品の製造も活発化している。この高周波用の電子部品としては、例えば高周波信号の切り替え用として高周波スイッチが用いられる。この高周波スイッチを構成する素子としては、pin−diodeやGaAs−FETを用いたものが一般的であるが、近年、マイクロマシン技術を応用したマイクロマシンスイッチが用いられるようになってきている。マイクロマシンスイッチとしては、大きくレジスティブスイッチとキャパシティブスイッチとに分類されるが、構造がシンプルなことや製作の容易さ等の面から、一般的にキャパシティブスイッチ(シャントスイッチ)が用いられることが多い。
高周波用のキャパシティブスイッチとしてのマイクロマシンスイッチ101は、一般的に、図13及び図14に示すように、絶縁基板102、その絶縁基板102の上面(図14中)に設けられた高周波信号線103、その高周波信号線103に接触させずに絶縁基板102の上面に高周波信号線103の両側に位置付けて設けられた接地導体104、高周波信号線103上に設けられた絶縁体膜105、その絶縁体膜105に対して所定の間隔(ギャップ)を設けて配置された可動片106、絶縁基板102の下面(図14中)に設けられた接地導体107、及び絶縁基板102の上面の接地導体104と絶縁基板102の下面の接地導体107とを電気的に接続するビアホール配線108等を備えている(例えば特許文献1参照)。なお、可動片106の両端は接地導体104に接続して固定されている。この可動片106は、通常、金属導体等により形成されている。ここで、高周波信号線103、絶縁体膜105及び可動片106は、図15の等価回路図に示すように、高周波信号線103と接地導体104との間に電気的に並列に挿入された可変キャパシタC101を構築する。
このようなマイクロマシンスイッチ101では、可動片106は、その可動片106と高周波信号線103との間への電圧印加により発生する静電力によって、高周波信号線103上の絶縁体膜105に接触する。これにより、可変キャパシタC101のキャパシタンスCが増大し、高周波信号線103を通過する所定の周波数帯の高周波信号を阻止することができる。なお、可動片106が絶縁体膜105に密着している状態がオン状態であり、逆に可動片106が絶縁体膜105から離間している状態がオフ状態である。
次に、マイクロマシンスイッチ101の動作特性について、図15の等価回路モデルに基づいて計算した周波数特性の一例を図16及び図17に示す。なお、図16はマイクロマシンスイッチ101がオフ状態である場合の周波数特性を示し、図17はマイクロマシンスイッチ101がオン状態である場合の周波数特性を示す。
マイクロマシンスイッチ101がオフ状態である場合には、図16に示すように、周波数6〜24GHzの周波数帯で挿入損が1.0dB以下になっている。したがって、このオフ状態では、マイクロマシンスイッチ101は所望の周波数帯で良好な通過特性を有している。一方、マイクロマシンスイッチ101がオン状態である場合には、図17に示すように、周波数6〜24GHzの周波数帯でアイソレーションが10dB以上になっている。また、図15の等価回路モデルに示した可変キャパシタC101のキャパシタンスCとインダクタンスLとの共振周波数Fr[Fr=1/(2π(LC)1/2)]が周波数10GHz帯である場合に38dBの最大のアイソレーションが得られる。したがって、マイクロマシンスイッチ101は良好な阻止特性を有している。ここで、所望の周波数で最大のアイソレーション特性(最大の阻止特性)を得るためには、共振周波数Frと所望の周波数とを一致させる必要がある。
特開2003−217421号公報
ところが、前述したようなマイクロマシンスイッチ101においては、通常、1つの高周波信号線103、すなわち高周波信号が通過する1つの信号経路に対して1つのマイクロマシンスイッチ101を設けることによって、所望の周波数帯の高周波信号の通過を制御(オン/オフ)している。このため、2つの信号経路が設けられた場合には、マイクロマシンスイッチ101を別途用意し、2つの信号経路に対してそれぞれマイクロマシンスイッチ101を設ける必要がある。これにより、全体としてマイクロマシンスイッチ101やそのマイクロマシンスイッチ101を備える電子機器のサイズは大きくなり、それらの構造も複雑になってしまう。
本発明の目的は、複数の信号経路を通過する各高周波信号に対して良好な通過特性及び良好な阻止特性を得ることができ、さらに、小型化及び構造の簡略化を実現することができるマイクロマシンスイッチ及び電子機器を提供することである。
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、マイクロマシンスイッチにおいて、第1の基板と、第1の基板上に設けられた第1の高周波信号線と、第1の基板上に第1の高周波信号線に接触させず第1の高周波信号線の両側に位置付けて設けられた第1の接地導体と、第1の高周波信号線上に設けられた第1の絶縁体と、第1の基板上の第1の高周波信号線が設けられた面に対向させて設けられた第2の基板と、第2の基板上に第1の基板上の第1の高周波信号線が設けられた面に対向させて設けられた第2の高周波信号線と、第2の基板上に第2の高周波信号線に接触させず第2の高周波信号線の両側に位置付けて設けられた第2の接地導体と、第2の高周波信号線上に設けられた第2の絶縁体と、第1の絶縁体と第2の絶縁体との間に第1の絶縁体及び第2の絶縁体に接触させずに位置付けて第1の接地導体上又は第2の接地導体上に設けられ、第1の高周波信号線との間への電圧印加により第1の絶縁体に接触し、第2の高周波信号線との間への電圧印加により第2の絶縁体に接触する可動片とを備えることである。
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、電子機器において、実装用基板と、実装用基板上に実装された前述の第1の特徴に係るマイクロマシンスイッチと、マイクロマシンスイッチに接続された増幅器とを備えることである。
本発明によれば、複数の信号経路を通過する各高周波信号に対して良好な通過特性及び良好な阻止特性を得ることができ、さらに、小型化及び構造の簡略化を実現することができるマイクロマシンスイッチ及び電子機器を提供することができる。
(第1の実施の形態)
[マイクロマシンスイッチの構成]
本発明の第1の実施の形態について図1ないし図11を参照して説明する。
第1の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1は、図1ないし図4に示すように、第1の基板2と、第1の基板2の上面(図1中)の中央部分を横切る領域(図3参照)に設けられた第1の高周波信号線3と、第1の基板2上の第1の高周波信号線3が設けられた上面に第1の高周波信号線3に接触させず第1の高周波信号線3の両側に位置付けて設けられた第1の接地導体4と、第1の高周波信号線3上に設けられた第1の絶縁体5と、第1の基板2の上面に対向させて設けられた第2の基板6と、第1の基板2の上面に対向させて第2の基板6の下面(図1中)の中央部分を横切る領域(図4参照)に設けられた第2の高周波信号線7と、第2の基板6の下面に第2の高周波信号線7に接触させずに第2の高周波信号線7の両側に位置付けて設けられた第2の接地導体8と、第2の高周波信号線7上に設けられた第2の絶縁体9と、第1の絶縁体5と第2の絶縁体9との間に第1の絶縁体5及び第2の絶縁体9に接触させずに位置付けて第1の接地導体4上に設けられ、第1の高周波信号線3との間への電圧V1の印加により第1の絶縁体5に接触し、第2の高周波信号線7との間への電圧V2の印加により第2の絶縁体9に接触する可動片10とを備えている。
さらに、マイクロマシンスイッチ1は、第1の基板2の上面と反対面の下面(図1中)に全面に渡って設けられた第3の接地導体11と、第1の基板2の上面の第1の接地導体4と第1の基板2の下面の第3の接地導体11とを電気的に接続する第1のビアホール配線12と、第2の基板6の下面と反対側の上面(図1中)に設けられた第3の高周波信号線13と(図2参照)、第2の基板6の下面の第2の高周波信号線7と第2の基板6の上面の第3の高周波信号線13とを電気的に接続する第2のビアホール配線14と、第2の基板6の上面に第3の高周波信号線13に接触させずに第3の高周波信号線13の両側に位置付けて設けられた第4の接地導体15と、第2の基板6の下面の第2の接地導体8と第2の基板6の上面の第4の接地導体15とを電気的に接続する第3のビアホール配線16と、導電性を有し第1の接地導体4と第2の接地導体8とを接着して第1の基板2と第2の基板6とを接合する接合材17とを備えている。
第1の基板2及び第2の基板6は、絶縁性を有する基板、例えば高抵抗を有するシリコン基板や半絶縁性GaAs基板等により形成されている。なお、シリコン基板の表面には、例えばシリコン酸化膜等の絶縁膜(図示せず)が設けられる。
第1の高周波信号線3と第2の高周波信号線7とは互いに対向させて平行に設けられている。また、第1の高周波信号線3と第3の高周波信号線13とは互いに交差させて設けられている。第1の高周波信号線3は、図3に示すように、第1の基板2の上面の一辺から対向する他の一辺(図3中の左辺から右辺)に渡って配設されている。また、第2の高周波信号線7は、図4に示すように、第2の基板6の下面の一辺から対向する他の一辺(図4中の右辺から左辺)に渡って配設されている。第3の高周波信号線13は、図2に示すように、第2の基板6の上面の一辺から対向しない他の一辺(図2中の上辺から右辺及び左辺から下辺)に渡って配設されている。なお、第1の高周波信号線3、第2の高周波信号線7及び第3の高周波信号線13は、例えばTi/Au膜やTi/Au/Ti膜等により形成されている。
ここで、第1の高周波信号線3は、高周波信号が通過する第1の信号経路P1を構成する信号線である。また、第2の高周波信号線7と第3の高周波信号線13とは第2のビアホール配線14により電気的に接続されており、高周波信号が通過する第2の信号経路P2を構成する信号線である。
第1の接地導体4は、図1及び図3に示すように、第1の高周波信号線3から所定の距離だけ離反させて第1の高周波信号線3を挟むように第1の高周波信号線3の両側に設けられている。この第1の接地導体4は、第1の高周波信号線3と共にコプレナ線路を構成している。また、第2の接地導体8は、図1及び図4に示すように、第2の高周波信号線7から所定の距離だけ離反させて第2の高周波信号線7を挟むように第2の高周波信号線7の両側に設けられている。この第2の接地導体8は、第2の高周波信号線7と共にコプレナ線路を構成している。さらに、第4の接地導体15は、図2に示すように、第3の高周波信号線13から所定の距離だけ離反させて第3の高周波信号線13を挟むように第3の高周波信号線13の両側に設けられている。この第4の接地導体15は、第3の高周波信号線13と共にコプレナ線路を構成している。一方、第3の接地導体11は、マイクロマシンスイッチ1を実装基板等に実装した場合に実装基板側からグランド電位を供給するための電極として使用される。なお、第1の接地導体4、第2の接地導体8、第3の接地導体11及び第4の接地導体15は、例えばTi/Au膜やTi/Au/Ti膜等により形成されている。
ここで、各接地導体4,8、15と各高周波信号線3,7,13との間の各離反距離を変化させることにより、第1の基板2及び第2の基板6の各インピーダンスを調整することができる。
第1の絶縁体5は、図1及び図3に示すように、可動片10に対向させて第1の高周波信号線3上に薄膜状に設けられている。また、第2の絶縁体9も、図1及び図4に示すように、可動片10に対向させて第2の高周波信号線7上に薄膜状に設けられている。なお、第1の絶縁体5及び第2の絶縁体9は、例えば、シリコン酸化(SiO)膜、シリコン窒化(Si)膜の単層膜、もしくはそれらを積層した複合膜等により形成されている。なお、第1の実施の形態においては、誘電率が高く、製造上安定して各絶縁体5,9を形成することができるシリコン窒化膜が用いられる。
可動片10は、図1に示すように、第1の絶縁体5及び第2の絶縁体9の各表面から数μmの間隔(ギャップ)を設けて配設されている。可動片10と第1の絶縁体5との間隔は、可動片10と第2の絶縁体9との間隔と同じである。可動片10は、両持梁構造により第1の接地導体4及び第2の接地導体8に固定されており、可動片10の両端は、第1の接地導体4及び第2の接地導体8によりそれぞれ挟持されている。したがって、可動片10は、第1の接地導体4及び第2の接地導体8に電気的に接続されている。また、可動片10は、可撓性を有する板状に、例えばTi/Au膜やTi/Au/Ti膜等により形成されている。このような可動片10は、第1の高周波信号線3との間に電圧V1が印加された場合、第1の高周波信号線3側に撓んで第1の絶縁体5に密着し、第2の高周波信号線7との間に電圧V2が印加された場合、第2の高周波信号線7側に撓んで第2の絶縁体9に密着する。
ここで、可動片10は、第1の高周波信号線3上及び第2の高周波信号線7上においてキャパシタの一方の電極として使用される。第1の高周波信号線3、第1の絶縁体5及び可動片10は、図5の等価回路図に示すように、第1の高周波信号線3と第1の接地導体4との間に電気的に並列に挿入された1つの可変キャパシタC1を構築する。第2の高周波信号線7、第2の絶縁体9及び可動片10は、図5の等価回路図に示すように、第2の高周波信号線7と第2の接地導体8との間に電気的に並列に挿入された他の1つの可変キャパシタC2を構築する。
[マイクロマシンスイッチの動作]
このような構成のマイクロマシンスイッチ1の動作について説明する。マイクロマシンスイッチ1は、可動片10の形状変化により、ノーマル状態、第1モードのオン状態(第1の信号経路P1がオン状態で、第2の信号経路P2がオフ状態である)及び第2モードのオン状態(第1の信号経路P1がオフ状態で、第2の信号経路P2がオン状態である)のいずれか1つに切り替わり、第1の信号経路P1及び第2の信号経路P2を通過する所定の周波数帯の高周波信号を阻止する。
マイクロマシンスイッチ1のノーマル状態は、第1の高周波信号線3と可動片10との間に電圧V1が印加されておらず、さらに、第2の高周波信号線7と可動片10との間に電圧V2が印加されていない状態である。すなわち、ノーマル状態は、図1に示すように、可動片10が形状変化せずに第1の高周波信号線3上の第1の絶縁体5及び第2の高周波信号線7上の第2の絶縁体9に対して所定の間隔を維持して接触していない状態である。このノーマル状態において、マイクロマシンスイッチ1は、第1の信号経路P1及び第2の信号経路P2を通過する高周波信号に対して良好な通過特性を有する。
マイクロマシンスイッチ1の第1モードのオン状態は、図6に示すように、可動片10が第1の高周波信号線3上の第1の絶縁体5に密着した状態である。すなわち、第1モードのオン状態では、可動片10と第1の高周波信号線3との間に電圧V1を印加することにより発生する静電力によって、可動片10が第1の高周波信号線3側に引き寄せられ、第1の高周波信号線3上の第1の絶縁体5に密着する。これにより、所望のキャパシタンスが育成され、第1の信号経路P1を通過する所定の周波数帯の高周波信号が阻止される。
このとき、可動片10と第2の絶縁体9との間隔は、ノーマル状態の場合と比べて略2倍になるので、この部位でのフリージング容量が低減される。これにより、マイクロマシンスイッチ1は、第2の信号経路P2を通過する高周波信号に対し、ノーマル状態の場合に比べてより良好な通過特性を有することになる。
マイクロマシンスイッチ1の第2モードのオン状態は、図7に示すように、可動片10が第2の高周波信号線7上の第2の絶縁体9に密着した状態である。すなわち、第2モードのオン状態では、可動片10と第2の高周波信号線7との間に電圧V2を印加することにより発生する静電力によって、可動片10が第2の高周波信号線7側に引き寄せられ、第2の高周波信号線7上の第2の絶縁体9に密着する。これにより、所望のキャパシタンスが育成され、第2の信号経路P2を通過する所定の周波数帯の高周波信号が阻止される。
このとき、可動片10と第1の絶縁体5との間隔は、ノーマル状態の場合と比べて略2倍になるので、この部位でのフリージング容量が低減される。これにより、マイクロマシンスイッチ1は、第1の信号経路P1を通過する高周波信号に対し、ノーマル状態の場合に比べてより良好な通過特性を有することになる。
このようなマイクロマシンスイッチ1において、図5の等価回路モデルに基づいて計算した周波数特性の一例を図8ないし図11に示す。
マイクロマシンスイッチ1がノーマル状態である場合には、図8に示すような第1の信号経路P1及び第2の信号経路P2の挿入損の周波数特性が得られる。図8に示すように、マイクロマシンスイッチ1のノーマル状態における第1の信号経路P1及び第2の信号経路P2の挿入損は、周波数6〜24GHz帯において1.0dB以下になっている。したがって、マイクロマシンスイッチ1は良好な通過特性を有している。
マイクロマシンスイッチ1が第1モードのオン状態である場合には、図9に示すような第1の信号経路P1のアイソレーション及び第2の信号経路P2の挿入損の周波数特性が得られる。図9に示すように、第2の信号経路P2を通過する高周波信号の損失は、周波数6〜24GHzにおいて0.4dB以下になっている。したがって、マイクロマシンスイッチ1の第2の信号経路P2は良好な通過特性を有している。一方、第1の信号経路P1を通過する高周波信号の損失は、周波数6〜24GHzにおいて10dB以上になっている。また、共振周波数Frは、Fr=1/(2π(LC)1/2)となり、10GHz帯で38dBの最大のアイソレーションが得られる。したがって、マイクロマシンスイッチ1の第1の信号経路P1は良好な阻止特性を有している。
マイクロマシンスイッチ1が第2モードのオン状態である場合には、図10に示すような第1の信号経路P1の挿入損及び第2の信号経路P2のアイソレーションの周波数特性が得られる。図10に示すように、第1の信号経路P1を通過する高周波信号の損失は、周波数6〜24GHz帯において0.4dB以下になっている。したがって、マイクロマシンスイッチ1の第1の信号経路P1は良好な通過特性を有している。一方、第2の信号経路P2を通過する高周波信号の損失は、周波数6〜24GHz帯において10dB以上になっている。また、共振周波数Frは、Fr=1/(2π(LC)1/2)となり、10GHz帯で38dBの最大のアイソレーションが得られる。したがって、マイクロマシンスイッチ1の第2の信号経路P2は良好な阻止特性を有している。
ここで、マイクロマシンスイッチ1のノーマル状態における第1の信号経路P1及び第2の信号経路P2の挿入損の周波数特性(図8参照)と、第1モードのオン状態における第2の信号経路P2の挿入損の周波数特性(図9参照)と、第2モードのオン状態における第1の信号経路P1の挿入損の周波数特性(図10参照)とを比較する。
図8に示すように、マイクロマシンスイッチ1のノーマル状態における第1の信号経路P1及び第2の信号経路P2の挿入損は、周波数6〜24GHz帯において1.0dB以下になっている。一方、図9及び図10に示すように、マイクロマシンスイッチ1の第1モードのオン状態における第2の信号経路P2の挿入損及び第2モードのオン状態における第1の信号経路P1の挿入損は、周波数6〜24GHz帯において0.4dB以下になっている。したがって、第1モードのオン状態における第2の信号経路P2の挿入損及び第2モードのオン状態における第1の信号経路P1の挿入損は、ノーマル状態における第1の信号経路P1及び第2の信号経路P2の挿入損に比べ、周波数6〜24GHz帯において最大0.6dB低減されているので、マイクロマシンスイッチ1はノーマル状態に比べより良好な通過特性を有している。
このように第1の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1によれば、1つの可動片10により第1の信号経路P1及び第2の信号経路P2を通過する所定の周波数帯の高周波信号を阻止することによって、2つの信号経路P1,P2が設けられた場合でもそれに対応させてマイクロマシンスイッチ1を2つ設ける必要が無く、所定の周波数帯において良好な通過特性及び良好な阻止特性を得ることができる。したがって、2つの信号経路P1,P2を通過する高周波信号に対して良好な通過特性及び良好な阻止特性を得ることができ、さらに、小型化及び構造の簡略化を実現することができるマイクロマシンスイッチ1を提供することができる。特に、第1の高周波信号線3と第2の高周波信号線7との間にそれぞれ絶縁体5,9を介して可動片10を設けるという簡単な構造により、マイクロマシンスイッチ1を構築することができる。
さらに、第1の高周波信号線3、第2の高周波信号線7及び第3の高周波信号線13の各信号線と、第1の接地導体4、第2の接地導体8及び第4の接地導体15の各接地導体との間の離反距離を変更することによって、第1の基板2のインピーダンス及び第2の基板6のインピーダンスを容易に調整することが可能になるので、それらのインピーダンスを簡単に整合させることができる。
また、第2の基板6上の第2の高周波信号線7が設けられた面と反対側の面に第3の高周波信号線13を設け、第2の高周波信号線7と第3の高周波信号線13とを電気的に接続する第2のビアホール配線14を設けることによって、マイクロマシンスイッチ1の内部に位置する第2の高周波信号線7が、第2の基板6上の上面(図1中)に露出している第3の高周波信号線13に電気的に接続されるので、例えば他の電子部品を第2の高周波信号線7に電気的に接続する場合等、露出している第3の高周波信号線13に接続すればよく、第2の高周波信号線7に対する接続配線を容易に行うことができる。
また、第3の高周波信号線13は第1の高周波信号線3に交差させて設けられていることから、マイクロマシンスイッチ1に対する高周波信号の入力方向又は出力方向、あるいは入力方向及び出力方向が2つの信号経路P1,P2毎に異なるので、電子機器等にマイクロマシンスイッチ1を搭載する場合やマイクロマシンスイッチ1の周囲に他の電子部品を搭載する場合等、部品配置の自由度を向上させることができる。
なお、第1の実施の形態においては、可動片10を両持梁構造により形成しているが、これに限るものではなく、例えば片持梁構造により形成するようにしてもよい。また、第1の実施の形態では、可動片10と第1の絶縁体5との間隔と、可動片10と第2の絶縁体9との間隔とを等間隔にしているが(図1参照)、これに限るものではなく、例えば可動片10と第1の絶縁体5との間隔と、可動片10と第2の絶縁体9との間隔とを不等間隔にするようにしてもよい。これにより、第1の信号経路P1及び第2の信号経路P2の各信号経路を通過する高周波信号の通過特性に差異を持たせることができる。
ここで、図11では、可動片10と第1の絶縁体5との間隔と、可動片10と第2の絶縁体9との間隔とが等間隔である場合の第1の信号経路P1及び第2の信号経路P2の挿入損の周波数特性(図11中のA曲線)を示す。さらに、可動片10と第1の絶縁体5との間隔と、可動片10と第2の絶縁体9との間隔とが不等間隔である場合の第1の信号経路P1の挿入損の周波数特性(図11中のB曲線)及び第2の信号経路P2の挿入損の周波数特性(図11中のC曲線)を示す。なお、図11では、可動片10と第1の絶縁体5との間隔が、可動片10と第2の絶縁体9との間隔より大きい場合の周波数特性である。
図11に示すように、可動片10と第1の絶縁体5との間隔と、可動片10と第2の絶縁体9との間隔とが等間隔である場合には、第1の信号経路P1及び第2の信号経路P2の挿入損が6〜24GHzの周波数帯において1.0dB以下になっており、マイクロマシンスイッチ1は良好な通過特性を有している。また、可動片10と第1の絶縁体5との間隔と、可動片10と第2の絶縁体9との間隔とが不等間隔である場合には、第1の信号経路P1及び第2の信号経路P2の挿入損失が6〜24GHzの周波数帯においてそれぞれ0.5dB以下(図11中のB曲線)及び5.2dB以下(図11中のC曲線)となり、一方の第1の信号経路P1の挿入損が大幅に小さく、他方の第2の信号経路P2の挿入損が大きくなっている。このように可動片10と第1の絶縁体5との間隔と、可動片10と第2の絶縁体9との間隔とを不等間隔にすることにより、第1の信号経路P1及び第2の信号経路P2の各信号経路を通過する高周波信号の通過特性に差異を持たせることができる。
また、本実施の形態においては、第1の高周波信号線3と第2の高周波信号線7とを互いに対向させて平行に設けており、また、第1の高周波信号線3と第3の高周波信号線13とを互いに交差させて設けているが、これに限るものではない。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態について図12を参照して説明する。なお、第2の実施の形態では、前述の第1の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1をレーダ装置、無線通信機、携帯電話機、又はそれらの組み立て部品等の電子機器に内蔵した一例について説明する。
図12に示すように、第2の実施の形態に係る電子機器51は、実装用基板52と、実装用基板52上に実装された第1の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ(SW)1と、マイクロマシンスイッチ1に接続された増幅器(AMP)53a,53bとを備えている。
マイクロマシンスイッチ1は信号送信経路(信号出力経路)及び信号受信経路(信号入力経路)の両経路中に配設されている。また、増幅器53aは送信用として信号送信経路に配設されており、増幅器53bは受信用として信号受信経路に配設されている。なお、マイクロマシンスイッチ1には、送信用アンテナ54a及び受信用アンテナ54bが接続されている。
このような構成の第2の実施の形態に係る電子機器51によれば、1つのマイクロマシンスイッチ1により送信及び受信の切り替えを行うことが可能になるので、電子機器51全体を小型にすることができる。したがって、2つの信号経路P1,P2を通過する高周波信号に対して良好な通過特性及び良好な阻止特性を得ることができ、さらに、小型化及び構造の簡略化を実現することができる電子機器51を提供することができる。
なお、本発明は、前述の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更し得ることは勿論である。
本発明の第1の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチの概略構成を示す側面図である。 図1に示すマイクロマシンスイッチの概略構成を示す平面図である。 図1及び図2に示すマイクロマシンスイッチが備える第1の基板における第2基板に対する対向面を示す平面図である。 図1及び図2に示すマイクロマシンスイッチが備える第2の基板における第1基板に対する対向面を示す平面図である。 図1及び図2に示すマイクロマシンスイッチの等価回路を示す回路図である。 図1及び図2に示すマイクロマシンスイッチの第1モードのオン状態を示す側面図である。 図1及び図2に示すマイクロマシンスイッチの第2モードのオン状態を示す側面図である。 図1及び図2に示すマイクロマシンスイッチのノーマル状態の周波数特性を示す説明図である。 図1及び図2に示すマイクロマシンスイッチの第1モードのオン状態の周波数特性を示す説明図である。 図1及び図2に示すマイクロマシンスイッチの第2モードのオン状態の周波数特性を示す説明図である。 図1及び図2に示すマイクロマシンスイッチにおける可動片と各絶縁体とのそれぞれの間隔に依存するノーマル状態の周波数特性を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電子機器の概略構成を示すブロック図である。 本発明の先行技術に係るマイクロマシンスイッチの概略構成を示す平面図である。 図13に示すマイクロマシンスイッチを示す側面図である。 図13に示すマイクロマシンスイッチの等価回路を示す回路図である。 図13に示すマイクロマシンスイッチのオフ状態の周波数特性を示す説明図である。 図13に示すマイクロマシンスイッチのオン状態の周波数特性を示す説明図である。
符号の説明
1…マイクロマシンスイッチ、2…第1の基板、3…第1の高周波信号線、4…第1の接地導体、5…第1の絶縁体、6…第2の基板、7…第2の高周波信号線、8…第2の接地導体、9…第2の絶縁体、10…可動片、13…第3の高周波信号線、14…ビアホール配線、51…電子機器、52…実装用基板、53a,53b…増幅器

Claims (4)

  1. 第1の基板と、
    前記第1の基板上に設けられた第1の高周波信号線と、
    前記第1の基板上に前記第1の高周波信号線に接触させず前記第1の高周波信号線の両側に位置付けて設けられた第1の接地導体と、
    前記第1の高周波信号線上に設けられた第1の絶縁体と、
    前記第1の基板上の前記第1の高周波信号線が設けられた面に対向させて設けられた第2の基板と、
    前記第2の基板上に前記第1の基板上の前記第1の高周波信号線が設けられた面に対向させて設けられた第2の高周波信号線と、
    前記第2の基板上に前記第2の高周波信号線に接触させず前記第2の高周波信号線の両側に位置付けて設けられた第2の接地導体と、
    前記第2の高周波信号線上に設けられた第2の絶縁体と、
    前記第1の絶縁体と前記第2の絶縁体との間に前記第1の絶縁体及び前記第2の絶縁体に接触させずに位置付けて前記第1の接地導体上又は前記第2の接地導体上に設けられ、前記第1の高周波信号線との間への電圧印加により前記第1の絶縁体に接触し、前記第2の高周波信号線との間への電圧印加により前記第2の絶縁体に接触する可動片と、
    を備えることを特徴とするマイクロマシンスイッチ。
  2. 前記第2の基板上の前記第2の高周波信号線が設けられた面と反対側の面に設けられた第3の高周波信号線と、
    前記第2の高周波信号線と前記第3の高周波信号線とを電気的に接続するビアホール配線と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のマイクロマシンスイッチ。
  3. 前記第3の高周波信号線は前記第1の高周波信号線に交差させて設けられていることを特徴とする請求項2に記載のマイクロマシンスイッチ。
  4. 実装用基板と、
    前記実装用基板上に実装された前記請求項1記載のマイクロマシンスイッチと、
    前記マイクロマシンスイッチに接続された増幅器と、
    を備えることを特徴とする電子機器。


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