JP2007033669A - 空間光変調光学装置とこれを用いた虚像表示装置及び投射型画像表示装置 - Google Patents
空間光変調光学装置とこれを用いた虚像表示装置及び投射型画像表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】光源10と、光源10から射出した照明光が入射するプリズム40と、このプリズム40より射出した照明光が照明する反射型空間光変調部50とより成り、プリズム40は、入射した照明光を反射する複数の反射面41及び42と、これらの反射面で反射された照明光を偏光成分に応じて分離する偏光分離部43とを有し、反射型空間光変調部50にて反射された照明光は、プリズム40に再入射し、偏光分離部43にてその偏光状態に応じて分離される構成とする。
【選択図】図1
Description
反射型液晶パネルは、透過型液晶パネルと比べて光利用効率に優れているという利点を有する。その反面、この反射型液晶パネルに光源からの光を導き、また反射型液晶パネルによって変調された光を投影レンズや瞳などに導く照明光学系によって画質の良し悪しが左右されるため、これらの光学系の構成に工夫が必要となる。
反射型空間光変調部を用いた空間光変調光学装置としては、例えばキューブ型の偏光ビームスプリッタを用いる方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
前記特許文献1に記載されている光学系においては、図16にその概略構成図を示すように、キューブ型の偏光ビームスプリッタ(PBS)125の光学面125A及び125Bに近接させて、それぞれ平面型の光源、または点光源に近い光源を面状に拡大した面状照明用光源装置121と反射型空間光変調部122を配置した構成としている。
これについて説明すると、図16に示す空間光変調光学装置では、面状照明用光源装置121の各点から射出する照明光の開口数を小さく制御することが困難なため、光利用効率が低下してしまう。たとえば、虚像光学系の瞳径Dを6mm、凹面鏡である反射ミラー127の焦点距離fを20mmとすると、この場合、反射型空間光変調部122から射出する光束のうち、有効に瞳131に届く光束の開口数NAは、
NA・f=D/2
より、
NA=0.15
であり、放射立体角θは8.6度となる。
このような空間光変調光学装置を各種の表示装置、特に投射型画像表示装置に用いる場合は、光の利用効率を高めることが重要な課題となっており、光利用効率の悪化は大きな問題となる。
W1h=Wd+2Ls×tan(θd)
となる。
光源10から射出する照明光は、90度以上の放射角をもっており、従って、ライトパイプ20の側面の傾斜角θhが小さいほど反射回数を多くすることができる。いま、ライトパイプ20の入射面21の幅W2hは、光源10の幅と略同一であることから、輝度の均一性を保つため、側面22の傾斜角θhを一定値(θh)に抑えるとすると、次式にて示すようにライトパイプ20の長さLhは射出面の幅W1hにて決まることになる。
Lh=(W1h−W2h)/(2×tan(θh))
以上説明した例においては、照明条件をテレセントリックとしたが、反射型空間光変調部50の周辺に入射する照明光の主光線が傾いている場合には、その傾斜方向によってライトパイプ20の長さLhは影響を受ける。
このように、ライトパイプのみを利用して反射型空間光変調部を用いる光学装置において光利用効率を高めようとすると、小型化に不利となることがわかる。
また以上の空間光変調光学装置において、反射型空間光変調部に入射する光の開口数、主光線角度を制御する場合には、例えば拡散板やフレネルレンズを設けることが考えられるが、その場合は光利用効率を高く保持することが難しいという問題がある。
すなわち本発明は、空間光変調光学装置と、この空間光変調光学装置の表示画像を観察者の瞳に導く虚像結像光学系とを有する虚像表示装置において、空間光変調光学装置は、光源と、光源から射出した照明光が入射するプリズムと、プリズムより射出した照明光が照明する反射型空間光変調部とを有する空間光変調光学装置であって、プリズムは、入射した照明光を反射する複数の反射面とこれら複数の反射面で反射された照明光をその偏光成分に応じて分離する偏光分離部とを有し、反射型空間光変調部にて反射された照明光は、プリズムにその射出面と同一面より再入射し前記偏光分離部によって分離されたのち、虚像光学系に入射する構成とする。
したがって、このように主光線入射角及び開口数の制御が可能であり、かつ偏光分離機能を有するプリズムを配置することによって、反射型空間光変調部を用いて、高い光利用効率でかつ比較的装置構成が簡易な空間光変調光学装置を提供することができる。
又、本発明による虚像表示装置及び投射型画像表示装置によれば、光利用効率が高く、装置構成の簡易化を図ることができる。
図1を参照して、本発明による空間光変調光学装置の第1の実施形態例を説明する。本例の空間光変調光学装置100は、LEDや半導体レーザ等より成る光源10、ライトパイプ20、反射型偏光板30、複数の反射面、この例においては2面の反射面41及び42と偏光分離部43を有するプリズム40、反射型液晶パネル等より成る反射型空間光変調部50によって構成した例を示す。
このように、ライトパイプ20を設ける場合は、開口数低減部として機能させることができる。更に、光源10が複数のLED、特に赤、緑及び青などの各色のLED等より成る場合は、光の混色を効率よく行うことができる。また、複数の単色のLED等の光源を用いる場合は、これらの光の混合を効率よく行うことができ、照明光の均一性を保持することができる。
したがって、このようにプリズム40の入射面側に、吸収型ではなく反射型偏光板30を設ける場合は、より光利用効率を高めることができるという利点を有する。
本実施例においては、この2つの反射面41及び42は、反射型空間光変調部50の表示面における一の方向とこれとは異なる方向、すなわち例えば長辺方向と短辺方向に対応する矢印xで示す長辺方向(x方向)及び矢印yで示す短辺方向(y方向)では、曲率の異なるトーリック面となっている。
なお、偏光分離部43としては、例えば多層構造の高分子フィルムを延伸した構成の偏光分離フィルムや、またはワイヤーグリッドタイプの偏光分離素子などを用いることができる。
また、この例においては、LEDやレーザなど比較的小面積の発光部もつ光源から射出する照明光を、ライトパイプ20を通すことによって開口数低減とRGBの混色などを行なうことができる。
そしてこの場合、このプリズム40内の上述したトーリック面より成る反射面41及び42を有するプリズム40において、反射型空間光変調部50の各画素に対応する主光線入射角、開口数を制御し、プリズム40の内部に存在する偏光分離部43によって単一偏光状態に検波してから、反射型空間光変調部50を照明することができる。
更に、この例においては、プリズム40の偏光分離部43を、複数の反射面のうち、この偏光分離部43に入射する直前の2枚、すなわちこの場合反射面41及び42の間の照明光の進行方向に沿う傾き方向に配置した例を示す。すなわち、このように偏光分離部43の傾き方向を、第1の反射面41から第2の反射面42に向かう照明光の進行方向に沿う方向とすることによって、この照明光の進路を妨げることなくプリズム43を構成することができるという利点を有する。
以上説明したように、この実施形態例においては、ライトパイプとプリズムを設けるのみの比較的簡易な装置構成をもって、高い光利用効率をもって、所望の開口数、主光線角度の照明条件をもって、反射型空間光変調部への照明が可能な空間光変調光学装置を提供することができる。
次に、図2A及びBを参照して本発明による空間光変調光学装置の第2の実施形態例を説明する。図2Aにおいては、本実施形態例による空間光変調光学装置100の概略上面構成図、図2Bにおいては、概略側面構成図を示す。この場合においても、空間光変調光学装置100は、LED等の光源10、ライトパイプ20、拡散部35、2つのトーリック面より成る反射面41及び42と偏光分離部43を有するプリズム40、反射型空間光変調部50によって構成される。図2A及びBにおいて、図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
またこの例においては、光源10とプリズム40の反射面との間、図示の例ではライトパイプ20と第1の反射面41との間に拡散部35を設けることによって、拡散部35により照明光の主光線角度や開口数の制御を行うことによって、上述の第1の実施形態例における場合と比較して、照明光の面内及び放射角内での均一性をより高めることができる。
またこの実施形態例においても、上述の第1の実施形態例と同様に、高い光利用効率をもって、また装置の大型化を伴うことなく、プリズム40を配置するのみの比較的簡易な構成をもって、良好に所望の照明条件をもって反射型空間光変調部50を照明することが可能な空間光変調光学装置を提供することができる。
次に、図3を参照して、本発明による空間光変調光学装置の第3の実施形態例を説明する。この例においても、空間光変調光学装置100は、LED等の光源10、ライトパイプ20、2つの反射面41及び42と偏光分離部43を有するプリズム40、反射型空間光変調部50によって構成されている。この例においては、ライトパイプ20の射出面22及び側面23が外側に凸の曲面状とした例を示し、また、偏光分離部43の入射側に拡散部35を設けた例を示す。図3において、図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
更にこの場合、偏光分離部43の入射側に拡散部35を設けることから、この拡散部35においても、照明光の開口数及び主光線角度の制御を行うことができる。特にこの場合、偏光分離部43の入射側に拡散部35を設けることから、反射型空間光変調部50において変調された表示光は、再びプリズム40に入射した後偏光分離部50を透過せずにここにおいて反射され、射出部45から外部に射出される構成となる。このため、変調後の表示光が拡散による影響を受けることなく、したがって、画像の品質を損なうことなく上述したような照明光の開口数及び主光線角度の制御を行う機能を拡散部35にもたせることができ、これにより反射面41及び42の設計自由度を高めることができるという利点を有する。
そしてこの実施形態例においても、上述の第1及び第2の実施形態例と同様に、高い光利用効率をもって、またプリズム40を配置するのみの比較的簡易な構成をもって、良好に所望の照明条件をもって反射型空間光変調部50を照明する空間光変調光学装置を提供することができる。
次に、図4を参照して、本発明による反射型空間光変調光学装置の第4の実施形態例を説明する。この空間光変調光学装置100は、LED等の光源10、ライトパイプ領域420と反射面41及び42、偏光分離部43を有するプリズム40、反射型空間光変調部50によって構成されている。すなわちこの例においては、プリズム40とは別体のライトパイプを設けることなく、光束の開口数低減機能と、混色若しくは混合作用を有するライトパイプ領域420をプリズム40に一体的に設ける例を示す。
本実施形態例においては、この2つの反射面41及び42は、その面内に対称軸をもたないいわゆる自由曲面反射面となっている。自由曲面反射面は、トーリック面に比べてより面形状の自由度が高くきめ細かい照明光のより幅広い制御が可能になる。
またこの実施形態例においても、上述の第1の実施形態例と同様に、高い光利用効率をもって、また装置の大型化を伴うことなく、プリズム40を配置するのみの比較的簡易な構成をもって、良好に反射型空間光変調部50を照明する空間光変調光学装置を提供することができる。
次に、図5を参照して本発明による空間光変調光学装置の第5の実施形態例を説明する。この空間光変調光学装置100は、LED等の光源10と、ライトパイプ領域420と反射面41及び42、偏光分離部43を有するプリズム40、反射型空間光変調部50によって構成される。この例においては、反射型空間光変調部50により変調された画像表示光は、プリズム40内の偏光分離部43を透過して再びプリズム40の射出面45から射出される例を示す。
偏光分離部43の種類によっては、反射時に散乱が生じる場合があるが、このように、反射型空間光変調部50により変調された光が、偏光分離部43を透過する構成とする場合には、この散乱による影響を回避して、良好な画質をもって画像表示光を射出することができるという利点を有する。
またこの実施形態例においても、上述の第1の実施形態例と同様に、高い光利用効率をもって、またプリズム40を配置するのみの比較的簡易な構成をもって、良好に所望の照明条件をもって反射型空間光変調部50を照明する空間光変調光学装置を提供することができる。
次に、図6A及びBを参照して本発明による空間光変調光学装置の第6の実施形態例を説明する。この空間光変調光学装置100は、LED等の光源10と、ライトパイプ領域420と反射面41及び42、偏光分離部43を有するプリズム40、反射型空間光変調部50によって構成される。
この例においても、上述の第5の実施形態例と同様に、反射型空間光変調部50により変調された画像表示光は、プリズム40内の偏光分離部43を透過して再びプリズム40の射出面45から射出される例を示す。なおこの例において偏光分離部43は、プリズム40内を進行する照明光の進行方向にほぼ沿う平面に対して直交する方向、すなわち図6の紙面と直交する方向に照明光を分離する配置とされ、反射型空間光変調部50により変調された光が、偏光分離部43を透過してプリズム40から射出される例を示す。
このような構成とすることによって、この実施形態例においても、偏光分離部43の反射時の散乱による影響を回避して、良好な画質をもって画像表示光を射出することができるという利点を有する。
またこの実施形態例においても、上述の第1〜第5の実施形態例と同様に、高い光利用効率をもって、また装置の大型化を伴うことなく、プリズム40を配置するのみの比較的簡易な構成をもって、良好に反射型空間光変調部50を照明する空間光変調光学装置を提供することができる。
次に、図7及び図8を参照して本発明による空間光変調光学装置を使用した虚像表示装置の一実施形態例を説明する。この例においては、ビデオカメラのビューファインダ、頭部装着型ディスプレイ等に適用して好適な虚像表示装置の一実施形態例を示す。図7は、この虚像表示装置200の概略側面構成図、図8Aは概略上面構成図、図8Bは、観察者の瞳側からみた概略側面構成図を示す。図7と図8A及びBにおいては共通するxyz座標系を示し、観察者の瞳80に対して左右(水平)方向をx方向、上下(縦)方向をy方向、奥行き方向をz方向として示す。
図7に示すように、この虚像表示装置200は、LED等の光源10、ライトパイプ領域420と反射面41及び42と偏光分離部43を有するプリズム40、反射型空間光変調部50、ファインダーレンズ等のコリメーター光学系70、ホログラム導波路等より成る導光板90によって構成されている。
上述したように、この例では左右(水平)方向をx方向、上下(縦)方向をy方向とするものであり、すなわちこの場合、観察者の瞳80に対して、横方向から映像や各種情報等を表示する画像表示光が導光されて瞳80に入射される構成とするものである。
なお、この虚像表示装置を頭部装着型ディスプレイ(HMD)に適用する場合、照明光学装置や空間光変調部、虚像表示光学系を瞳に対して上方に配置せず、このように横方向に配置する場合は、瞳80に近接した例えば上方向に配置する場合と比べると、上下の視野内に光学系が設けられないので、良好な外界の観察が可能となる。一方この場合は、導光板90の内部を導光する距離が比較的長くなるため、以下に述べる工夫が必要となる。
本実施形態例においては、導光板90が薄く、また上述したように導光板90を進行する光路が比較的長いため、図8Aに示すように、各画角によって第2の反射型体積ホログラムグレーティング94に至るまでの全反射回数は異なっている。
第2の反射型体積ホログラムグレーティング94に入射した各画角の平行光は、回折反射により全反射条件からはずれ、導光板90から射出し観察者の瞳80に入射する。
この様子を図8Bの概略側面構成図に示す。図8Bに示すように、コリメート光学系70から射出された光は、xy平面においては収束されて入射部91Aから導光板90内をx方向に進行する。このxy平面において導光板90内を伝播する画角の異なる代表的な入射光をL1、L2及びL3で示す。これらの光はy方向に収束されて導光板90の光学面91及び92をz方向には反射しながら、y方向には反射しないでx方向に進行し、第2の反射型体積ホログラムグレーティング94により反射回折されて射出部91Bから射出されて観察者の瞳に入射される。
この場合、上述したように、これらの光はy方向には収束されるので、第1の反射型体積ホログラムグレーティング93のy方向の長さに対し、第2の反射型体積ホログラムグレーティング94の反射回折面は比較的短い構成としてもよい。
この虚像表示装置の実施形態例においては、ホログラムを設けた導光板90を用いているため、観察者の瞳を射出瞳と考えた場合、反射型空間光変調部50からの映像光の射出角及び開口数NAは、反射型等の空間光変調部の画像表示エリアの例えば長辺(x)方向と短辺(y)方向によって、また、画像表示エリアの中心からの距離によって異なっている。
すなわち、図9に示すように、反射型空間光変調部50の長辺方向に対応するx方向では、各画素から射出される光は、その主光線をそれぞれ一点鎖線で示すように、反射型空間光変調部50の表示面に対し略垂直でテレセントリックな状態に近く、かつ開口数NAが後述する理由により比較的大きく設定される。
一方、図10に示すように、短辺方向に対応するy方向では、各画素から射出される光は、反射型空間光変調部50の表示面の中心から離れるほど射出角がテレセントリックな状態、すなわち空間光変調部50の表示面と画像表示光の一点鎖線で示す主光線とのなす角が垂直な状態から離れていき、しかも開口数NAは比較的小さくされる。
つまりこの場合、反射型空間光変調部の一の方向と他の方向、すなわちx方向及びy方向において、射出光の開口数及び主光線の射出角がそれぞれ互いに異なっていることがわかる。
図7及び図8Aにおいて説明したように、反射型空間光変調部の長辺方向(x方向)と対応する進行方向においては、各画角によって導光板90内を反射する回数が違い、すなわち光路長が異なるが、図11Aに示すように、伝播する光束が全て平行光束であるため、いわば折りたたまれるように光束群が進行して各画角の光束の光路長が変わっても、導光板より射出する画角は不変のため画像を乱すことはない。この場合、コリメート光学系70でのx方向の口径は比較的小さくできる。
先ず、y方向の開口数NAyは、観察者の瞳径をDとし、コリメート光学系70の焦点距離をfとすると、
NAy=D/(2f)
となる。
すなわち、図12に示す構成図において逆光線追跡を行うと明らかなように、第1の反射型体積ホログラムグレーティング93の縁部と光学面92とに跨る位置で折り返して反射する光束が存在する。逆光線追跡を行うと、この光束の一部(すなわち光学面92で反射される部分)は反射を繰り返して第1の反射型体積ホログラムグレーティング93の異なる位置で回折され、コリメート光学系70に到達する。一方、残りの光束は、第1の反射型体積ホログラムグレーティング93の端部で回折されそのままコリメート光学系70に到達する。つまり、この光束は、同一の画素から射出される同一画角の平行光束であるが、第1の反射型体積ホログラムグレーティング93の異なる部分で回折反射して導光板90内で合波されて伝播する光束が存在することとなる。
瞳80の全領域に光を到達させるためには、このようないわば分岐する光束を含め照明することが望ましいが、1画素から射出する光を2つの発散光に分岐して照明することは難しい。したがって、図12に示すように、照明光の見かけのNAxは大きくすることが必要となる。図12において、図7、図8A及びBと対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
したがって、この光学系においては、x方向の見かけの開口数NAxは比較的大きく、y方向の開口数NAyは比較的小さくなることがわかる。
またこの場合、ライトパイプ20と偏光ビームスプリッタ240との間にフレネルレンズ220及び拡散版230を設けて、反射型空間光変調部50の画素に対応して入射する光の主光線角度を調整する構成としており、各光学部品の位置合わせなど装置の組み立て工程が煩雑となり、また部品点数も増えるという不都合がある。
これに対し、本発明によれば、上述したように、光源とライトパイプとプリズム、または光源とプリズムのみの簡易な構成でこのような反射型空間光変調部の長辺方向と短辺方向とにアシンメトリーを有する照明条件をもって照明することが可能であり、装置全体の構成の簡易化、小型化、また組み立て作業の簡易化を図ることも可能である。
なお、このようにライトパイプのみで上述の照明条件による照明を行った場合、その光利用効率は35%程度と低いものであった。
これに対し、本発明における空間光変調光学装置においては、例えば上述の第1の実施形態例における装置構成とする場合に、50%以上の光利用効率が得られ、ライトパイプのみを用いる場合と比較して、ほぼ1.5倍程度以上の光利用効率の向上を図ることができる。
次に、図14を参照して本発明による空間光変調光学装置を使用した投射型画像表示装置の一実施形態例を説明する。本例の投射型画像表示装置300は、前述の第1の実施形態例において説明した構成の空間光変調光学装置を用いるものであり、LED等の光源10、ライトパイプ20、反射面41及び42と偏光分離部43を有するプリズム40、反射型空間光変調部50、投射光学系310、スクリーン320によって構成されている。図14において、図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この例においては、これら射出面44及び45を曲面とした場合を示す。このように、プリズム40の射出面44及び45を曲面とすることによって、この面において光学的に作用させることができ、例えば反射面41及び42に加えてこれらの射出面44及び45においても出射角の制御を行うことができて、反射面41及び42の設計自由度をもたせることもできる。また、例えば射出面45に収束機能を持たせることにより、投射光学系310の入射瞳の口径を小さくし、装置の小型化を図ることもできる。
この例においても、空間光変調光学装置において、高い光利用効率を保持してその構成の簡易化、小型化を図ることができるため、光利用効率にすぐれ、比較的簡易な装置構成の投射型画像表示装置を提供することができる。
次に、図15を参照して本発明による空間光変調光学装置を使用した投射型画像表示装置の一実施形態例を説明する。本例の投射型画像表示装置300は、前述の第6の実施形態例において説明した構成の空間光変調光学装置を用いるものであり、LED等の光源10、ライトパイプ20、反射面41及び42と偏光分離部43を有するプリズム40、反射型空間光変調部50、投射光学系310、スクリーン320によって構成されている。図15において、図6Aと対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この例においても、空間光変調光学装置において、高い光利用効率を保持してその構成の簡易化、小型化を図ることができるため、光利用効率にすぐれ、かつ比較的簡易な装置構成の投射型画像表示装置を提供することができる。
なお、本発明による空間光変調光学装置、虚像表示装置及び投射型画像表示装置は、以上説明した各実施形態例に限定されるものではなく、その他光源や空間光変調部、ライトパイプなどの種類や配置構成など、本発明構成を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
Claims (20)
- 光源と、前記光源から射出した照明光が入射するプリズムと、前記プリズムより射出した照明光が照明する反射型空間光変調部とを有する空間光変調光学装置であって、
前記プリズムは、入射した照明光を反射する複数の反射面と、前記複数の反射面で反射された照明光をその偏光成分に応じて分離する偏光分離部とを有し、
前記反射型空間光変調部にて反射された照明光は、再び前記プリズムにその射出面と同一面より入射し、前記偏光分離部にてその偏光状態に応じて分離される
ことを特徴とする空間光変調光学装置。 - 前記光源と前記プリズムとの間に、前記光源から射出する光束の開口数低減部が設けられる
ことを特徴とする請求項1記載の空間光変調光学装置。 - 前記開口数低減部は、ライトパイプである
ことを特徴とする請求項2記載の空間光変調光学装置。 - 前記開口数低減部と前記プリズムとの間に、反射型偏光板が設けられる
ことを特徴とする請求項2記載の空間光変調光学装置。 - 前記光源は複数の光源から成り、前記光源と前記プリズムとの間に、前記複数の光源から射出する光束を混色又は混合する混合部が設けられる
ことを特徴とする請求項1記載の空間光変調光学装置。 - 前記混合部が、ライトパイプである
ことを特徴とする請求項5記載の空間光変調光学装置。 - 前記混合部と前記プリズムとの間に、反射型偏光板が設けられる
ことを特徴とする請求項5記載の空間光変調光学装置。 - 前記ライトパイプが、前記プリズムに一体的に形成されて成る
ことを特徴とする請求項3又は6記載の空間光変調光学装置。 - 前記ライトパイプと前記プリズムの第1反射面との間に、反射型偏光板が設けられる
ことを特徴とする請求項8記載の空間光変調光学装置。 - 前記プリズムの反射面のうち少なくとも1つは面内に対称軸をもたない非軸対称反射面又は自由曲面反射面とされる
ことを特徴とする請求項1記載の空間光変調光学装置。 - 前記偏光分離部は、前記複数の反射面のうち、前記偏光分離部に入射する直前の2枚の反射面間の照明光の進行方向に沿う傾き方向に配置される
ことを特徴とする請求項1記載の空間光変調光学装置。 - 前記偏光分離部は、前記プリズム内を進行する照明光の進行方向にほぼ沿う平面に対して、直交する方向に前記照明光を分離する配置とされ、
前記反射型空間光変調部により変調された光が、前記偏光分離部を透過して前記プリズムから射出される
ことを特徴とする請求項1記載の空間光変調光学装置。 - 前記光源と、前記プリズムの反射面との間に、拡散部が設けられる
ことを特徴とする請求項1記載の空間光変調光学装置。 - 前記偏光分離部は、その入射側に拡散部を有する
ことを特徴とする請求項1記載の空間光変調光学装置。 - 前記プリズムの前記照明光の射出面は、曲面である
ことを特徴とする請求項1記載の空間光変調光学装置。 - 前記プリズムの、前記反射型空間光変調部により反射され、再び前記プリズムに入射した照明光が射出する面は、曲面である
ことを特徴とする請求項1記載の空間光変調光学装置。 - 空間光変調光学装置と、前記空間光変調光学装置の表示画像を観察者の瞳に導く虚像結像光学系とを有する虚像表示装置において、
前記空間光変調光学装置は、光源と、前記光源から射出した照明光が入射するプリズムと、前記プリズムより射出した照明光が照明する反射型空間光変調部とを有する空間光変調光学装置であって、
前記プリズムは、入射した照明光を反射する複数の反射面と前記複数の反射面で反射された照明光をその偏光成分に応じて分離する偏光分離部とを有し、
前記反射型空間光変調部にて反射された照明光は、前記プリズムにその射出面と同一面より再入射し前記偏光分離部によって分離されたのち、前記虚像光学系に入射する
ことを特徴とする虚像表示装置。 - 前記虚像結像光学系は、前記反射型空間光変調部からの射出光の開口数及び/又は主光線の射出角が、前記反射型空間光変調部の面内の1つの方向とこれとは異なる方向とで互いに異なる
ことを特徴とする請求項17記載の虚像表示装置。 - 前記虚像結像光学系は、前記反射型空間光変調部の各画素から射出した光束を互いに進行方位の異なる平行光束群にするコリメート光学系と、前記平行光束群が入射し内部を全反射により伝播した後観察者の瞳に向けて射出するよう構成された導光板とから構成され、
前記導光板は、前記平行光束群の入射領域にて前記平行光束群を平行光束群のまま前記導光板内で内部全反射条件を満たすよう回折反射する第1の反射型体積ホログラムグレーティングと、前記平行光束群の射出領域にて前記平行光束群を平行光束群のまま前記導光板より射出するよう回折反射する第2の反射型体積ホログラムグレーティングを有する
ことを特徴とする請求項17記載の虚像表示装置。 - 空間光変調光学装置と、前記空間光変調光学装置の表示画像を投射する投射光学系とを有する投射型画像表示装置において、
前記空間光変調光学装置は、光源と、前記光源から射出した照明光が入射するプリズムと、前記プリズムより射出した照明光が照明する反射型空間光変調部とを有し、
前記プリズムは、入射した照明光を反射する複数の反射面と、前記複数の反射面で反射された照明光をその偏光成分に応じて分離する偏光分離部とを有し、
前記反射型空間光変調部にて反射された照明光は、前記プリズムにその射出面と同一面より再入射し前記偏光分離部によって分離されたのち、前記投射光学系に入射する
ことを特徴とする投射型画像表示装置。
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