JP2007016308A - アルミニウム合金ならびにそれを用いた包装材および電気電子構造部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッド材の形態に加工することなく孔食および全面腐食を防止することができ、かつ強度、成形性および加工性に優れたアルミニウム合金と、そのアルミニウム合金を用いた包装材および電気電子構造部材を提供することである。
【解決手段】アルミニウム合金は、0.1質量%以上6質量%以下のマンガンと、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄と、0.0005質量%以上0.02質量%以下のシリコンと、0.0001質量%以上0.03質量%以下の銅とを含み、残部がアルミニウムと不可避不純物とを含む。
【選択図】なし

Description

この発明は、耐食性に優れたアルミニウム合金ならびにそれを用いた包装材および電気電子構造部材に関し、特に、高い強度と成形性を良好にする十分な伸びとを有し、さらに優れた圧延性を示す、飲料・食品や薬品等の包装材用、電池包材や電池電極等の電気電子構造部材用、建材用、機械部品用、家庭用および装飾用のアルミニウム合金に関するものである。
アルミニウム合金のうち、特に醤油や食塩を含有する弱酸性食品の包装材用や、電解液と接触する電子材用には、その耐食性と強度、また、成形性を高めるための十分な伸びを有することが要求されるため、通常厚さ6〜200μm程度のJIS(日本工業規格)呼称3003、3004、5052、1N30、8021および8079等のアルミニウム合金が用いられる。これらの合金の代表的な組成を表1に示す。
Figure 2007016308
これらの合金では、一般に、孔食と呼ばれる腐食現象が発生しやすい。
この孔食を防止するために、たとえば、特開平3−261549号公報(特許文献1)には、表面に皮材として高純度のアルミニウム膜を形成したクラッド材が開示されている。また、特開昭60−221546号公報(特許文献2)には、アルミニウム合金に亜鉛を添加することにより、孔食を防止する技術が開示されている。さらに、特開平10−183283号公報(特許文献3)には、皮材として錫を含むアルミニウム合金を用いた、耐食性に優れたアルミニウム合金クラッド材が開示されている。
しかしながら、皮材として高純度アルミニウムを用いる場合には、高純度アルミニウムが軟らかすぎるため、成形時に微粉が発生しやすく、汚れの問題が起きる。
また、亜鉛や錫を添加すると、孔食を防止することはできるが、材料が全面腐食する。そのため、腐食される量が多く、食品等の包装材には適してない。
さらに、食品包装材としてクラッド材を使用することは、薄箔圧延が困難となるなどコスト面から採算が合わない場合が多い。
また、飲料・食品や薬品等の包装材として用いるアルミニウム合金には、強度と成形性が必要とされるが、上述の公報に記載されたものでは、これらの特性を十分に満たすものは得られなかった。
包装材用以外の、すなわち厚さ10μm以下で使用される分野、たとえば、断熱材として使用される建材用、機械部品用、電池包材や電池電極等の電子材用、家庭用および装飾用のアルミニウム合金箔にも、高い耐食性と高い強度が要求される。しかし、上記のJIS呼称3003、3004および5052等のアルミニウム合金では、圧延時の加工硬化が大きく、厚さ10μm以下の箔に圧延することは困難であった。特に、3004および5052アルミニウム合金においては20μm以下のアルミニウム合金箔を得ることは事実上不可能であった。
これらの薄箔には、表1に示す通常、JIS呼称8021、8079のようなアルミニウム−鉄合金が用いられる。しかし、これらの合金は、アルミニウム−鉄系の金属間化合物の存在が耐食性の低下をもたらすとともに、十分な強度を得るための結晶粒の微細化を抑制する。したがって、これらのアルミニウム合金は、強度が不十分であり、決して満足のいくものではなかった。
また、国際公開第WO01/004369号パンフレット(特許文献4)には、0.0001質量%以上0.03質量%以下の銅と、0.0005質量%以上0.2質量%以下のシリコンと、0.5質量%以上4質量%以下のマンガンと、0.5質量%以上3質量%以下の鉄とを含み、残部がアルミニウムと不可避不純物とを含む、アルミニウム合金が開示されている。しかしながら、この合金においても、従来のアルミニウム合金よりは強度、成形性および加工性に優れているものの、孔食および全面腐食の防止は充分でなく、たとえば、電解液中や醤油原液中でも良好な耐食性を維持できるものではなかった。
特開平3−261549号公報 特開昭60−221546号公報 特開平10−183283号公報 国際公開第WO01/004369号パンフレット
そこで、本発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、クラッド材の形態に加工することなく孔食および全面腐食を防止することができ、かつ強度、成形性および加工性に優れたアルミニウム合金と、そのアルミニウム合金を用いた包装材および電気電子構造部材を提供することである。
上述の課題を解決するために、本発明者らは種々検討した結果、マンガンとともに鉄が存在すると、金属間化合物AlMnの他に金属間化合物Al(Fe、Mn)等が形成され、酸性〜強酸性の環境では、この金属間化合物Al(Fe、Mn)等がアルミニウム合金の耐食性を極端に低下させることが判明した。
また、マンガンはアルミニウム合金の耐食性を損なうことなく強度を高め、また適切な含有率と加工方法を選択することにより、成形性を良好にするための十分な伸びと、薄い箔を得るための高い圧延性を付与できる元素であることも判明した。
さらに、少量のクロム、チタン、ジルコニウムの添加はアルミニウム合金の耐食性を損なうことなく、結晶粒を微細化による強度を高め、また適切な加工方法を選択することにより、成形性を良好にするための十分な伸びと、薄い箔を得るための高い圧延性を付与できる元素であることも判明した。
これらの知見によって、耐食性、強度、成形性および圧延性に優れたアルミニウム合金の開発に成功した。
これらの知見によりなされた、この発明の一つの局面に従ったアルミニウム合金は、0.1質量%以上6質量%以下のマンガンと、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄と、0.0005質量%以上0.02質量%以下のシリコンと、0.0001質量%以上0.03質量%以下の銅とを含み、残部がアルミニウムと不可避不純物とを含む。
好ましくは、この発明のアルミニウム合金は、0.0001質量%以上0.01質量%以下の銅と、0.001質量%以上0.02質量%以下の亜鉛と、0.001質量%以上0.02質量%以下のガリウムとを含む。
また、この発明のもう一つの局面に従ったアルミニウム合金は、上述のいずれかのアルミニウム合金に、0.01質量%以上0.5質量%以下のクロム、0.01質量%以上0.5質量%以下のチタンおよび0.01質量%以上0.5質量%以下のジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。
この発明に従った包装材は、上述のいずれかの組成を有するアルミニウム合金からなり、厚みが6μm以上200μm以下である。
この発明に従った電気電子構造部材は、上述のいずれかの組成を有するアルミニウム合金からなり、厚みが4μm以上1mm以下である。
以上のようにこの発明によれば、強度、成形性および圧延性とともに耐食性に優れたアルミニウム合金を得ることができ、また、そのアルミニウム合金からなる包装材と電気電子構造部材を得ることができる。
以下、それぞれの元素を添加した理由、その添加量の範囲、その製造方法の条件等について詳細に説明する。
(1)マンガン(Mn):0.1質量%以上6質量%以下
マンガンは、アルミニウム合金の耐食性を大きく低下させることなく、強度を向上させる元素である。マンガンの含有率が0.1質量%未満であると十分な強度が得られない。また、マンガンの含有率が6質量%を超えると、伸び、成形性が低下する。そのため、マンガンの含有率を0.1質量%以上6質量%以下にする必要がある。アルミニウム合金の耐食性、強度、成形性および圧延性を兼ね備えるためには、マンガンの含有率を1.0質量%以上4.0質量%以下とするのがさらに好ましい。
(2)鉄(Fe):0.001質量%以上0.02質量%以下
鉄は、上述のマンガンと共にアルミニウム−鉄−マンガンの金属間化合物を形成する。アルミニウム−鉄−マンガン系の金属間化合物は、Al(Fe、Mn)等で表され、アルミニウム−マンガン系の金属間化合物AlMnとは異なり、たとえば、電解液や醤油原液等の酸性〜強酸性の環境では、アルミニウム合金の耐食性を極端に低下させ、孔食および全面腐食の原因となる。
言い換えれば、鉄が0.001質量%以上存在する場合には、マンガンを6質量%以下に限定しなければ、孔食および全面腐食の原因となる。
鉄の含有率が0.02質量%を超えると、耐食性が著しく低下する。鉄の含有量の下限値は特に限定されないが、通常0.001質量%程度である。鉄の含有率を0.001質量%未満としても、上述の耐食性向上の効果が飽和する一方、コスト高になるからである。好ましくは、鉄の含有率は0.01質量%以下である。
なお、この発明において、鉄の含有率を0.02質量%以下とする方法としては、たとえば、高品位の1次電解地金や偏析法、三層電解法による高純度アルミニウム地金を適宜使用すればよい。
(3)シリコン(Si):0.0005質量%以上0.02質量%以下
シリコンがアルミニウム合金中に存在すると、酸性の環境ではアルミニウム合金の耐食性を大幅に低下させ、特に孔食の原因となる。また、シリコンの含有率を小さくすると、アルミニウム合金の結晶粒径が小さくなる。これにより、アルミニウム合金の耐力、すなわち強度が大きくなるとともに、アルミニウム合金の伸び、すなわち成形性をも向上させることができる。これらの特性を発揮させるためには、シリコンの含有率を0.0005質量%以上0.02質量%以下とする必要がある。シリコンの含有率を0.0005質量%以上としたのは、シリコンの含有率を0.0005質量%未満としても、上述の耐孔食性向上の効果や、成形性および強度の上昇の効果が飽和する一方、コスト高になるからである。好ましくは、シリコンの含有率は0.1質量%以下である。
(4)銅(Cu):0.0001質量%以上0.03質量%以下
銅はアルミニウム合金内に微量に存在してもアルミニウム合金の耐食性を低下させる。そのため、銅の含有率は0.03質量%以下とする。銅の含有率を0.0001質量%以上としたのは、銅の含有率を0.0001質量%未満としても、耐孔食性向上の効果は飽和する一方、コスト高になるためである。好ましくは、銅の含有率は0.02質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下である。
また、不可避不純物として、0.001質量%以上0.02質量%以下の亜鉛と、0.001質量%以上0.02質量%以下のガリウムが含まれる場合には、好ましくは、銅の含有率は0.01質量%以下であり、さらに好ましくは0.003質量%以下である。
(5)クロム(Cr):0.01質量%以上0.5質量%以下
クロムは、アルミニウム合金の耐食性を大きく低下させることなく、アルミニウム合金の強度を向上させる。クロムの含有率が0.01質量%未満では、強度を向上させる効果が十分に得られない。クロムの含有率が0.5質量%を超えると、成形性が低下する。そのため、クロムの含有率を0.01質量%以上0.5質量%以下とする必要がある。優れた成形性を実現するためには、クロムの含有率を0.25質量%以下とすることが好ましい。
(6)チタン(Ti):0.01質量%以上0.5質量%以下
チタンは、アルミニウム合金の耐食性を大きく低下させることなく、アルミニウム合金の強度を向上させる。特に、チタンを添加すると、成形の欠陥となる、粗大なアルミニウム−鉄−マンガンの金属間化合物を微細化する。また、これにより、アルミニウム合金に靭性を与えることができる。チタンの含有率が0.01質量%未満では、強度の向上や靭性の付与等の効果が十分に得られない。チタンの含有率が0.5質量%を超えると、成形性が低下する。そのため、チタンの含有率を0.01質量%以上0.5質量%以下とする必要がある。また、上述の効果をさらに発揮させるためには、チタンの含有率を0.25質量%以下とすることが好ましい。
(7)ジルコニウム(Zr):0.01質量%以上0.5質量%以下
ジルコニウムもアルミニウム合金の耐食性を大きく低下させることなく、強度を向上させるが、この効果はクロムやチタンよりも顕著である。これは、ジルコニウムの添加が再結晶粒の微細化に非常に有効であるためであり、その結果、強度の向上と伸びの確保が両立できるとともに圧延性も低下しない。ジルコニウムの含有率が0.01質量%未満であれば、上記の効果を発揮できず、0.5質量%を超えると伸びが低下し、成形性が悪くなる。優れた強度、伸びおよび圧延性を実現するためには、ジルコニウムの含有率を0.35質量%以下とすることが好ましい。
以上のようにこの発明に従えば、アルミニウム内に上述のような添加元素を最適量添加するため、アルミニウム合金の再結晶組織が超微細化する。これにより、アルミニウム合金の強度と成形性を同時に改善することができるとともに、マンガンと鉄の含有量を最適化することによって孔食および全面腐食を防止することができるだけの耐食性に優れていることが、この発明に従ったアルミニウム合金の特徴である。
なお、本発明のアルミニウム合金は、上記の特性や効果に影響を与えない程度の含有率で、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)等の遷移元素、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)等の元素を含んでいてもよい。
(8)包装材用アルミニウム合金の厚み:6μm以上200μm以下
アルミニウム合金の厚みが6μm未満であれば、食品等の包装材としての強度を保てなくなる。また、厚みが200μmを超えると、包装材として成形が困難になるとともに、重量およびコストがかさむ。そのため、アルミニウム合金の厚みを6μm以上200μm以下とする必要がある。さらに好ましくは、アルミニウム合金の厚みは6μm以上100μm以下である。
(9)電気電子構造部材用アルミニウム合金の厚み:4μm以上1mm以下
アルミニウム合金の厚みが4μm未満であれば、電極等の電気電子構造部材としての強度を保てなくなる。また、厚みが1mmを超えると、電気電子構造部材として成形が困難になるとともに、重量およびコストがかさむ。そのため、アルミニウム合金の厚みを4μm以上1mm以下とする必要がある。さらに好ましくは、アルミニウム合金の厚みは10μm以上500μm以下である。
アルミニウム合金の厚みを上記範囲とするには、通常の方法に従って、鋳造、圧延を行えばよい。また、適宜熱処理を行ってもよい。
以上のようにこの発明によれば、孔食および全面腐食のいずれも起こりにくく、かつ強度と伸びを同時に改善することができるアルミニウム合金を提供することができる。このアルミニウム合金をクラッド材の形態に加工しなくても、このままアルミニウム合金箔に加工し、包装材および電気電子構造部材に用いることにより、耐食性に優れ、かつ成形性および強度の高い包装材および電気電子構造部材を低コストで提供することができる。
また、本発明で開発されたアルミニウム合金からなる箔は、包装材用および電気電子構造部材としてのみならず、耐食性が要求される薄い箔のすべての分野、すなわち、断熱材としての建材用、機械部品用、食品や薬品の劣化防止を目的とした包材用、電池用、フィン材用、家庭用および装飾用の分野にも十分な効果を発揮することができる。
なお、上記の食品としては、醤油、味噌、ソース、ケチャップ、マヨネーズ、塩、バター、マーガリン、チーズ等の調味料も含み、液体から固体までのいずれの形態も含むものとする。
さらに、このアルミニウム合金の組成は、箔地や箔の分野での使用に限らず、耐食性が要求されるさらに厚い板材の組成としても、あるいは粉末冶金用の組成としても十分な効果を発揮するものである。
以下、この発明の実施例について説明する。
まず、さまざまな組成のアルミニウム合金(組成No.1〜27)を約10℃/秒の冷却速度を有する連続鋳造法で溶解鋳造することによって厚み6mmのアルミニウム合金の板を準備した。なお、組成No.28〜33は、それぞれJIS呼称の3003、3004、5052、1N30、8021、8079の組成を有する。これらの組成を表2に示す。
Figure 2007016308
これらのアルミニウム合金の板を温度400℃で5時間熱処理し、炉から板を取出した後、圧延により厚み85μmの箔とし、さらに温度350℃で10時間熱処理した。
得られたアルミニウム合金箔の機械的性質(耐力[N/mm]およびエリクセン値[mm])を測定した。エリクセン値は、成形性評価の一つとして変形能(張り出し性)を評価するJIS Z 2247に準拠したエリクセン試験にて測定した。
また、以下の試験A〜Dにて、得られたアルミニウム合金箔を4種の液体(食品・工業材料)に720時間、浸漬して、または、接触させて、腐食状態を観察した。
試験A:温度50℃に保持された3質量%食塩水に上記のアルミニウム合金箔を720時間、浸漬または接触させた。
試験B:温度50℃に保持された醤油(キッコーマン株式会社製 商品名キッコーマンしょうゆ濃口)に上記のアルミニウム合金箔を720時間、浸漬または接触させた。
試験C:温度40℃に保持された1モルLiPF電解液(溶媒はエチレンカーボネート1重量部およびジエチレンカーボネート1重量部)に上記のアルミニウム合金箔を720時間、浸漬または接触させた。
試験D:チーズ(六甲バター株式会社製 商品名QBBナチュラルチーズ)を温度50℃で溶解することにより作製した液体中に上記のアルミニウム合金箔を浸漬して温度30℃に戻してチーズを再固化させた後、温度30℃で720時間保持した。
その測定結果を耐食性の良好なものから順に3段階(○、△、×)で評価した。
以上の測定結果を表3に示す。
Figure 2007016308
表2、表3より、この発明に従った組成No.1〜19のアルミニウム合金箔は、従来のJIS呼称3003、3004、5052、1N30、8021および8079のアルミニウム合金(組成No.28〜33)より、耐力、エリクセン値および耐食性のすべてにおいて優れていることがわかる。
また、本発明の範囲外の組成を有する組成No.20〜27のアルミニウム合金箔に対しても、本発明に従った組成No.1〜19のアルミニウム合金箔は、耐力、エリクセン値および耐食性の総合評価において優れていることがわかる。
また、従来、包装材料用薄箔として用いられてきた、JIS呼称8021、8079のアルミニウム合金の耐力は、厚み10μmでそれぞれ、55N/mm、35N/mm程度であり、しかも本発明のアルミニウム合金のような耐食性を全く示さないことから、本発明で開示されたアルミニウム合金は薄箔用としても非常に有効であることがわかる。
今回開示された実施の形態や実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態や実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものであることが意図される。
この発明に従ったアルミニウム合金は、耐食性に優れ、かつ成形性および強度が高いので、包装材用、電気電子構造部材としてのみならず、耐食性が要求される薄い箔のすべての分野、すなわち、断熱材としての建材用、機械部品用、食品や薬品の劣化防止を目的とした包材用、フィン材用、家庭用および装飾用の分野に利用することができ、さらに、箔地や箔の分野での使用に限らず、耐食性が要求されるさらに厚い板材用としても、あるいは粉末冶金用としても十分に利用され得る。

Claims (5)

  1. 0.1質量%以上6質量%以下のマンガンと、0.001質量%以上0.02質量%以下の鉄と、0.0005質量%以上0.02質量%以下のシリコンと、0.0001質量%以上0.03質量%以下の銅とを含み、残部がアルミニウムと不可避不純物とを含む、アルミニウム合金。
  2. 0.0001質量%以上0.01質量%以下の銅と、0.001質量%以上0.02質量%以下の亜鉛と、0.001質量%以上0.02質量%以下のガリウムとを含む、請求項1に記載のアルミニウム合金。
  3. 0.01質量%以上0.5質量%以下のクロム、0.01質量%以上0.5質量%以下のチタンおよび0.01質量%以上0.5質量%以下のジルコニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1または請求項2に記載のアルミニウム合金。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のアルミニウム合金からなり、厚みが6μm以上200μm以下の包装材。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のアルミニウム合金からなり、厚みが4μm以上1mm以下の電気電子構造部材。
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