JP5276476B2 - アルミニウム合金クラッド材 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用の熱交換器等に使用されるブレージングシートとするアルミニウム合金クラッド材に関する。
自動車に搭載されるラジエータ、コンデンサー、エバポレーター等の熱交換器は、軽量で熱伝導性に優れるアルミニウム合金の板材を成形、組み立て、ろう付けして製造されることが多い。このようなアルミニウム合金板は、例えばラジエータ等のチューブとした場合、外面は大気に曝され、内面は冷却水に曝される。これらの腐食環境に曝されると、局所的に腐食(孔食)が進行して、貫通孔形成に至る虞がある。チューブ外面の防食対策としては、チューブを形成するアルミニウム合金よりも電位の卑なAl−Zn合金等で形成したフィン材を接触させる、いわゆる陰極防食法(電気防食法)が一般的であり、効果的であることが知られている。チューブ内面の防食対策としても陰極防食法が適用される場合が多く、具体的には、基材(心材)のアルミニウム合金に対して電位の卑なAl−Zn合金等を犠牲陽極材として内面側(腐食環境側)に積層したクラッド材でチューブを形成することが一般的であり、さらに冷却水に腐食抑制剤(インヒビター:inhibitor)を添加することも併用されている。また、前記ろう付けのため、さらに片面または両面にAl−Si合金からなるろう材がクラッドされたクラッド材(ブレージングシート)とされることも多い。一方、機器の軽量化と小型化の観点から熱交換器材料の薄肉化が要求されており、例えば板厚0.4mmから0.2mmの薄肉材が使用されている。
このような薄肉材としても熱交換器に必要な強度および耐食性を備える熱交換器用アルミニウム合金材料として、例えば、特許文献1には、Si,Fe,Cu,Mn,Mgを適量添加して、所定条件で最終焼鈍して強度を向上させ、さらに適量のZnと前記Mnにより耐食性を向上させたアルミニウム合金管材が開示されている。また、特許文献2には、心材および犠牲陽極材に、強度を向上させるMnに加え、Si,Feを多量に添加して、Al−Mn−Fe−Si系化合物を多量に析出させ、成形性を向上させて成形時の犠牲陽極材の偏肉を抑え、また前記化合物を腐食の起点として分散させることで孔食を防止するアルミニウム合金クラッド材が開示されている。また、特許文献3には、Al−Mn合金からなる心材の一方の面にAl−Mg−Zn合金からなる犠牲陽極材を、他方の面にAl−Si(−Zn)合金からなるろう材を積層させ、所定条件の2回の中間焼鈍を行うことで、冷間圧延による犠牲陽極材の層厚のばらつきを低減して、薄肉化しても心材が露出しないようにしたアルミニウム合金クラッド材が開示されている。
特開2005−89788号公報 特開2004−217982号公報 特開2004−68122号公報
前記従来技術は、現行の薄肉化に対応し得るものではあるが、さらに板厚0.2mmを下回る薄肉材とした場合には、強度や耐食性が不十分である。特に、強度を得るために心材はある程度の厚さを確保する必要があるため、犠牲陽極材はさらに薄くなる。通常、前記したアルミニウム合金クラッド材では、表面(犠牲陽極材)と内部(心材)との電位差によって表面全体を優先的に溶解させることで局部腐食を抑制する。したがって、従来の犠牲陽極材を薄くすると早期に消耗されてしまい、このような薄肉化されたアルミニウム合金クラッド材で耐食性を維持することは困難である。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、薄肉化した場合にも、高耐食性、高強度を維持する熱交換器用アルミニウム合金クラッド材を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明者らは、熱交換器内面の腐食挙動を調査した結果、冷却水や結露水等の水分による内面腐食は、水中の塩化物イオンによるアルミニウム酸化皮膜(不働態皮膜)の破壊に伴う局部腐食と、水中の溶存酸素の還元反応による全面腐食との2形態に類別されることを見出した。そして本発明者らは、犠牲陽極材について、さらなる耐食性向上について検討した結果、Al−Zn合金にMoやWを添加することによって、溶解時に生成するモリブデン酸塩またはタングステン酸塩が、内部の心材との電位差を拡大して犠牲防食効果を高めて局部腐食を抑制し、また、酸素拡散障壁となって水中の溶存酸素の還元反応を抑制して全面腐食を抑制することを見出した。
また、犠牲防食のためには心材と犠牲陽極材との電位差が必要であるが、過度に電位差が大きいと、犠牲防食に伴う犠牲陽極材の消耗を促進して早期に心材の腐食に至る。そこで、本発明者らは、全面腐食と局部腐食の両者を低減することが可能な、心材と犠牲陽極材のそれぞれを構成するアルミニウム合金の組み合わせを研究した。
すなわち、本発明に係るアルミニウム合金クラッド材は、心材と、この心材の一面側にクラッド率25%以下でクラッドされ、かつ前記クラッド率が5%以上または厚さが10μm以上の少なくとも一方を満足する犠牲陽極材と、前記心材の他面側にクラッド率10%以上25%以下でクラッドされたろう材とを備え、前記心材は、Si:0.2〜2.0質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cu:0.3〜2.0質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、前記犠牲陽極材は、Zn:1.0〜12質量%を含有し、さらにMo:0.01〜5.0質量%およびW:0.01〜5.0質量%の1種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、前記ろう材は、Si:6〜15質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなることを特徴とする。
このように、心材に、強度を向上させるSi,Mnと電位を貴にするCuとを適量添加し、犠牲陽極材に、電位を卑にするZnに加え、Mo,Wの少なくとも1種を適量添加することによって、犠牲防食効果を高めて局部腐食を抑制し、かつ全面腐食を抑制するため、犠牲陽極材の薄肉化、さらにアルミニウム合金クラッド材の薄肉化が可能である。また、犠牲陽極材およびろう材のそれぞれのクラッド率または厚さを制限することで、アルミニウム合金クラッド材の強度および耐食性を保持することができる。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材は、前記心材が、さらにMg:0.1〜1.0質量%およびZn:0.1〜1.0質量%の1種以上を含有してもよい。これらの元素を添加することによって、アルミニウム合金クラッド材の強度や耐局部腐食性をさらに向上させることができる。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材は、前記犠牲陽極材が、さらにSi:0.2〜2.0質量%およびMn:0.2〜2.0質量%の1種以上を含有してもよい。これらの元素を添加することによって、犠牲陽極材の、すなわちアルミニウム合金クラッド材の強度をさらに向上させることができる。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材は、前記心材および前記犠牲陽極材が、それぞれ、さらにTi:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、およびNb:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有してもよい。これらの元素を添加することによって、アルミニウム合金クラッド材の耐局部腐食性および耐全面腐食性をさらに向上させることができる。
また、本発明に係るアルミニウム合金クラッド材は、前記心材と前記ろう材の間に、厚さが10μm以上かつ当該心材の厚さ以下の中間材をさらに備えてもよい。前記中間材は、Si:0.2〜2.0質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cu:0.3〜2.0質量%、さらにTi:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、およびNb:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物として、Mg:0.05質量%以下、Zn:0.05質量%以下に制限されることを特徴とする。
中間材を備えることで、心材に含有されるMgがろう付け時にろう材に拡散してろう付け性を低下させることを防止することができる。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材は、自動車の熱交換器、特に自動車のろう付け型ラジエータチューブ材に使用されることが好ましい。このような熱交換器に使用すると、内面の冷却水に対する耐食性が向上する。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材によれば、犠牲陽極材が薄肉化しても、全面腐食と局部腐食の両方を抑制できるため、アルミニウム合金クラッド材も薄肉化できて、熱交換器の軽量化、小型化、さらに長寿命化に有効である。本発明に係るアルミニウム合金クラッド材によれば、優れた耐食性の自動車の熱交換器が得られ、特に冷却水による内面腐食が問題となるラジエータチューブ材に最も好適である。
以下、本発明に係るアルミニウム合金クラッド材を実現するための実施の形態について説明する。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材においては、アルミニウム合金からなる心材の一方の面に犠牲陽極材がクラッドされ、他方の面にろう材がクラッドされている。アルミニウム合金クラッド材の厚さは特に限定されないが、好ましくは0.1〜0.4mmである。なお、本発明に係る熱交換器用アルミニウム合金クラッド材で熱交換器を作製する際は、犠牲陽極材が腐食環境側となる。以下に、本発明に係るアルミニウム合金クラッド材を構成する各要素について説明する。
〔心材〕
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の心材は、Si:0.2〜2.0質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cu:0.3〜2.0質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなる。
(心材Si:0.2〜2.0質量%)
Siはアルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、特にMnと共存することでAl−Mn−Si系金属間化合物を形成して、これによりさらに強度を高めることができる。アルミニウム合金クラッド材の強度を十分なものとするため、心材におけるSi含有量は0.2質量%以上とし、0.25質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。一方、Siはアルミニウム合金の融点を降下させるため、過剰に添加されるとろう付け時に心材の溶融が生じる。したがって、心材におけるSi含有量は2.0質量%以下とし、1.9質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がさらに好ましい。
(心材Mn:0.2〜2.0質量%)
MnはSiと同様にアルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、特にSiと共存することでAl−Mn−Si系金属間化合物を形成して、これによりさらに強度を高めることができる。アルミニウム合金クラッド材の強度を十分なものとするため、心材におけるMn含有量は0.2質量%以上とし、0.25質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。一方、Mnが過剰に添加されると粗大な晶出物が析出して、アルミニウム合金クラッド材の加工性が低下する。したがって、心材におけるMn含有量は2.0質量%以下とし、1.9質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がさらに好ましい。
(心材Cu:0.3〜2.0質量%)
Cuはアルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、また、アルミニウム合金の電位を貴にする作用があるため、犠牲陽極材に対する電位を貴にして犠牲陽極材の犠牲防食効果を高める。これらの効果を十分なものとするため、心材におけるCu含有量は0.3質量%以上とし、0.35質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がさらに好ましい。一方、Cuが過剰に添加されると、粒界にCu化合物が多く析出して、粒界腐食を生じ易くなる。したがって、心材におけるCu含有量は2.0質量%以下とし、1.9質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がさらに好ましい。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の心材は、さらに、Mg:0.1〜1.0質量%、Zn:0.1〜1.0質量%、Ti:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、およびNb:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有してもよい。
(心材Mg,Zn:各0.1〜1.0質量%)
Mg,Znは、いずれもアルミニウム合金の電位を卑にする作用があるが、腐食生成物として塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化亜鉛(ZnCl2)を生成して、これらの塩化物がアルミニウム合金クラッド材表面の酸化皮膜を腐食環境から遮断する保護皮膜として作用するため、耐局部腐食性向上に有効である。また、MgはSiと共存することでMg2Si等の化合物を析出させて、アルミニウム合金の強度をさらに高めることができる。これらの効果を得るために、心材におけるMg,Znの各含有量は0.1質量%以上が好ましく、0.12質量%以上がより好ましく、0.14質量%以上がさらに好ましい。しかし前記したように、Mg,Znはアルミニウム合金の電位を卑にする作用があるため、過剰に添加されると、犠牲陽極材との電位差が不十分となって犠牲防食効果が低下する。さらにMgはろう付け性を低下させる作用があるため、過剰に添加されると、ろう付け時にろう材までMgが拡散してろう付け性が低下する。したがって、心材におけるMg,Znの各含有量は1.0質量%以下とし、0.95質量%以下が好ましく、0.9質量%以下がさらに好ましい。
(心材Ti,Zr,Nb:各0.01〜0.5質量%)
Ti,Zr,Nbは、いずれもアルミニウム合金クラッド材の腐食環境側表面に堆積したアルミニウム合金の腐食生成物を微細化して、当該腐食生成物による保護性を高めて耐局部腐食性および耐全面腐食性を向上する効果を有する。この効果を得るために、心材におけるTi,Zr,Nbの各含有量は0.01質量%以上が好ましい。一方、Ti,Zr,Nbはアルミニウム合金の加工性を低下させるため、心材におけるTi,Zr,Nbの各含有量は0.5質量%以下とする。
なお、心材におけるMg,Zn,Ti,Zr,Nbの各元素は、クラッドやろう付けの際に犠牲陽極材に拡散して、アルミニウム合金クラッド材の腐食環境側表面で、前記それぞれの作用を発現するものである。
〔犠牲陽極材〕
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の犠牲陽極材は、当該アルミニウム合金クラッド材においてクラッド率25%以下でクラッドされ、かつクラッド率が5%以上または厚さが10μm以上の少なくとも一方を満足するようにする。クラッド率が5%未満かつ厚さが10μm未満では、犠牲陽極材に含有されるZnの絶対量が不足するため、心材に対して電位が十分に卑とならずに犠牲防食効果が低下する。また、アルミニウム合金クラッド材の犠牲陽極材側の面をろう付けする場合には、心材から拡散するMgが犠牲陽極材側表面に到達してろう付け性が低下する。一方、犠牲陽極材は心材よりも強度が劣るため、クラッド率が25%を超えると、心材の絶対厚さが薄くなってアルミニウム合金クラッド材の強度が低下する。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の犠牲陽極材は、Zn:1.0〜12質量%を含有し、さらにMo:0.01〜5.0質量%およびW:0.01〜5.0質量%の1種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなる。
(犠牲陽極材Zn:1.0〜12質量%)
Znはアルミニウム合金の電位を卑にする作用があり、心材との電位差を十分なものとして、犠牲防食効果を付与する。この効果を十分なものとするため、犠牲陽極材におけるZn含有量は1.0質量%以上とし、1.2質量%以上が好ましく、1.4質量%以上がさらに好ましい。一方、Znが過剰に添加されると、犠牲陽極材自体の耐食性が劣化して腐食速度が速くなるため犠牲防食効果の持続期間が短くなる。したがって、犠牲陽極材におけるZn含有量は12質量%以下とし、11.5質量%以下が好ましく、11質量%以下がさらに好ましい。
(犠牲陽極材Mo,W:各0.01〜5.0質量%を少なくとも1種)
Mo,Wは、水(冷却水、結露水等)に溶解することによって、モリブデン酸塩およびタングステン酸塩を形成する。これらの塩は、アルミニウム合金クラッド材の内部すなわち心材との電位差を拡大して犠牲防食効果を高めて局部腐食をさらに抑制し、また、酸素拡散障壁となって水中の溶存酸素の還元反応を抑制して全面腐食を抑制する。これらの効果を十分なものとするため、犠牲陽極材において、Mo,Wの各含有量は0.01質量%以上として少なくとも1種を含有する。一方、Mo,Wはいずれも過剰に添加されると、アルミニウム合金を脆化させて加工性を劣化させるため、犠牲陽極材において、Mo,Wの各含有量は5.0質量%以下とする。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の犠牲陽極材は、さらに、Si:0.2〜2.0質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Ti:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、およびNb:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有してもよい。
(犠牲陽極材Si,Mn:各0.2〜2.0質量%)
Si,Mnはいずれもアルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、特に両者を共存させた場合、Al−Mn−Si系金属間化合物の形成により、さらに強度を高めることができる。この効果を得るために、犠牲陽極材におけるSi,Mnの各含有量は0.2質量%以上が好ましく、0.25質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。一方、Siはアルミニウム合金の融点を降下させるため、過剰に添加されるとろう付け時に犠牲陽極材の溶融が生じる。また、Mnが過剰に添加されると粗大な晶出物が析出して、アルミニウム合金クラッド材の加工性が低下する。したがって、犠牲陽極材におけるSi,Mnの各含有量は2.0質量%以下とし、1.9質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がさらに好ましい。
(犠牲陽極材Ti,Zr,Nb:各0.01〜0.5質量%)
Ti,Zr,Nbは、いずれもアルミニウム合金クラッド材の表面すなわち犠牲陽極材の表面に堆積したアルミニウム合金の腐食生成物を微細化して、当該腐食生成物による保護性を高めて耐局部腐食性および耐全面腐食性を向上する効果を有する。この効果を得るために、犠牲陽極材におけるTi,Zr,Nbの各含有量は0.01質量%以上が好ましい。一方、Ti,Zr,Nbはアルミニウム合金の加工性を低下させるため、犠牲陽極材におけるTi,Zr,Nbの各含有量は0.5質量%以下とする。
犠牲陽極材における不可避的不純物として、Mg,Cuを各0.1質量%以下含有してもよい。Mgはろう付け性を低下させる作用があるため、0.1質量%を超えて含有すると、アルミニウム合金クラッド材の犠牲陽極材側の面をろう付けする場合に、ろう付け性が低下する虞がある。Cuはアルミニウム合金の電位を貴にする作用があり、0.1質量%を超えて含有すると、心材との電位差が不十分となって犠牲防食効果が不足する虞がある。
〔ろう材〕
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材のろう材は、当該アルミニウム合金クラッド材においてクラッド率10%以上25%以下でクラッドされる。クラッド率が10%未満では、ろうの量が不足してろう付け性が低下する。また、ろう付け時に心材から拡散するMgにより、ろう付け性が低下する。一方、クラッド率が25%を超えると、ろうの流動量が過剰となり、また心材の絶対厚さが薄くなってアルミニウム合金クラッド材の強度が低下する。また、本発明に係るアルミニウム合金クラッド材のろう材は、Si:6〜15質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金であって、アルミニウム合金材のろう付けにおいて通常用いられるAl−Si系合金、例えばJIS4045相当のAl−Si合金等が適用できる。
(ろう材Si:6〜15質量%)
Siは、アルミニウム合金の融点を降下させる作用があり、さらに含有量を増加させると流動性を高くする。この高い流動性によるろう付け性を十分なものとするため、ろう材におけるSi含有量は6質量%以上とし、8質量%以上が好ましい。一方、Siが過剰に添加されると加工性が低下するため、ろう材におけるSi含有量は15質量%以下とし、12質量%以下が好ましい。
ろう材における不可避的不純物として、Mgを0.1質量%以下含有してもよい。Mgはろう付け性を低下させる作用があるため、0.1質量%を超えると、ろう付け性が低下する虞がある。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材は、さらに心材とろう材との間に中間材がクラッドされていてもよい。特に心材にMgを含有する場合には、ろう付け時にこのMgがろう材へ拡散することを中間材が防止して、ろう付け性の低下を抑制する作用を有する。
〔中間材〕
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の中間材は、当該アルミニウム合金クラッド材において厚さが10μm以上かつ当該心材の厚さ以下となるようにクラッドされる。厚さが10μm未満では、ろう付け時に心材から拡散するMgが中間材を経由してさらにろう材に到達して、ろう付け性の低下の抑制効果が不十分となる。一方、心材の厚さを超えると、心材の絶対厚さが薄くなってアルミニウム合金クラッド材の強度が低下する。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の中間材は、Si:0.2〜2.0質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cu:0.3〜2.0質量%を含有し、さらにTi:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、およびNb:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物として、Mg,Znが各0.05質量%以下に制限される。
(中間材Si,Mn:各0.2〜2.0質量%)
Si,Mnはいずれもアルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、特に両者を共存させた場合、Al−Mn−Si系金属間化合物の形成により、さらに強度を高めることができる。この効果を十分なものとするため、中間材におけるSi,Mnの各含有量は0.2質量%以上とし、0.25質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。一方、Siはアルミニウム合金の融点を降下させるため、過剰に添加されるとろう付け時に中間材の溶融が生じる。また、Mnが過剰に添加されると粗大な晶出物が析出して、アルミニウム合金クラッド材の加工性が低下する。したがって、中間材におけるSi,Mnの各含有量は2.0質量%以下とし、1.9質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がさらに好ましい。
(中間材Cu:0.3〜2.0質量%)
Cuは、前記したように、アルミニウム合金の強度を向上させる効果があり、また、アルミニウム合金の電位を貴にする作用がある。中間材にCuを添加することにより、心材のCuがクラッドやろう付けの際にろう材側へ拡散して、心材と犠牲陽極材との電位差が減少することを防止する。これらの効果を十分なものとするため、中間材におけるCu含有量は、0.3質量%以上とし、0.35質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がさらに好ましい。一方、Cuが過剰に添加されると、粒界にCu化合物が多く析出して、粒界腐食を生じ易くなる。したがって、中間材におけるCu含有量は2.0質量%以下とし、1.9質量%以下が好ましく、1.8質量%以下がさらに好ましい。
(中間材Ti,Zr,Nb:各0.01〜0.5質量%を少なくとも1種)
Ti,Zr,Nbは、前記したように、いずれもアルミニウム合金クラッド材の腐食環境側表面に堆積したアルミニウム合金の腐食生成物を微細化して、当該腐食生成物による保護性を高めて耐局部腐食性および耐全面腐食性を向上する効果を有する。中間材にこれらの元素を添加することにより、心材、さらに犠牲陽極材に添加した同元素がクラッドやろう付けの際にろう材側へ拡散して犠牲陽極材側で減少することを防止する。この効果を十分なものとするため、中間材におけるTi,Zr,Nbの各含有量は0.01質量%以上として少なくとも1種を含有する。一方、Ti,Zr,Nbはアルミニウム合金の加工性を低下させるため、中間材におけるTi,Zr,Nbの各含有量は0.5質量%以下とする。
中間材における不可避的不純物として、Mg,Znを各0.05質量%以下含有してもよい。Mgはろう付け性を低下させる作用があり、中間材は特に心材に含有されるMgがろう材へ拡散することを防止するために積層されるため、Mgを0.05質量%を超えて含有すると、ろう付け性の低下の抑制効果が不十分となる。Znはアルミニウム合金の電位を卑にする作用があるため、0.05質量%を超えて含有すると、Znが心材に拡散して、犠牲陽極材との電位差が不十分となって犠牲防食効果が低下する虞がある。
本発明に係るアルミニウム合金クラッド材の製造方法は特に限定されず、例えば公知のクラッド材の製造方法により製造される。以下にその一例を説明する。
まず、心材、犠牲陽極材、ろう材、そして必要に応じて中間材のそれぞれの成分組成のアルミニウム合金を、溶解、鋳造し、さらに必要に応じて均質化熱処理して、それぞれの鋳塊を得る。鋳塊は、圧延(熱間圧延、冷間圧延)または切断により、それぞれ所定厚さの板材とする。次に、それぞれの板材を、犠牲陽極材/心材/ろう材、または犠牲陽極材/心材/中間材/ろう材の順に、所定のクラッド率になるように重ね合わせ、熱間圧延により圧着して一体の板材とし、さらに所定の最終板厚となるまで冷間圧延を行い、アルミニウム合金クラッド材とする(クラッド圧延)。前記冷間圧延において、必要に応じて中間焼鈍を行ってもよい。
なお、犠牲陽極材用の鋳塊の製造において、MoおよびWのそれぞれの単体での融点は、2623℃および3422℃と非常に高いため、これらの単体金属を溶解工程で添加することは困難である。したがって、MoまたはW、あるいはこれらの両方を含有する適切な低融点合金を作製して、この合金を溶解工程で添加することで本発明の犠牲陽極材の組成のアルミニウム合金鋳塊を作製することが容易となる。具体的には、Al8Mo3の金属間化合物(融点:1570℃)、Si−10%Mo合金(融点:約1410℃)、Zr−30%Mo(融点:約1520℃)等が挙げられ、これらはMo単体より溶解し易いため、Mo添加原料として用いることができる。また、W添加原料としては、Si−10%W合金(融点:約1500℃)、Zr−20%W(融点:約1660℃)等を用いることができる。また、MoとWの複合添加原料には、Mo−Wを含む3元系合金(Si−Mo−W等)を用いることができる。
以上、本発明を実施するための形態について述べてきたが、以下に、本発明の効果を確認した実施例を、本発明の要件を満たさない比較例と比較して具体的に説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(供試材作製)
表1に示す組成を有するアルミニウム合金(合金No.C1〜C15)を溶解、鋳造して、それぞれ10〜20kgの鋳塊を作製した。鋳造温度は700℃とした。得られた鋳塊を500〜550℃で1時間の均質化熱処理を施した後、熱間圧延および冷間圧延を行い、厚さ15〜28mmの心材用の板材を得た。また、表2に示す組成を有するアルミニウム合金(合金No.S1〜S29)を溶解・鋳造して、それぞれ10kg程度の鋳塊を作製した。鋳造温度は700〜750℃とした。得られた鋳塊を460〜560℃で1時間の均質化熱処理を施した後、熱間圧延および冷間圧延を行い、厚さ2〜8mmの犠牲陽極材用の板材を得た。また、表3に示す組成を有するアルミニウム合金(合金No.M1,M2)を溶解・鋳造し、それぞれ10kg程度の鋳塊を作製した。鋳造温度は700℃とした。得られた鋳塊を500〜550℃で1時間の均質化熱処理を施した後、熱間圧延および冷間圧延を行い、厚さ4mmの中間材用の板材を得た。また、ろう材として、JIS4045相当のAl−10%Si合金を溶解・鋳造して、得られた10kg程度の鋳塊を500℃で3時間の均質化熱処理を施した後、熱間圧延および冷間圧延を行い、厚さ6〜8mmのろう材用の板材を得た。
心材用、犠牲陽極材用、中間材用、およびろう材用のそれぞれの板材を100mm×100mmに切断した。これらの板材を、表面調整として、70℃の10%水酸化ナトリウム水溶液中に15秒間浸漬した後、室温の30%硝酸中に30秒間浸漬し、純水にて水洗し、空気吹きつけ乾燥を行った。次に、犠牲陽極材用、心材用、およびろう材用のそれぞれの板材、さらに一部については中間材用の板材を表4に示す組み合わせで重ね合わせて、400〜450℃で熱間圧延を行い、さらに冷間圧延を行って厚さ0.2mmのアルミニウム合金クラッド材の供試材No.1〜46を作製した。得られた供試材に、ろう付け条件に相当する600℃で5分間の加熱処理を施した。なお、熱間圧延前のそれぞれの板材の厚さ(10点の実測値の平均)の比の百分率をクラッド率として表4に示す。加熱後の供試材について、以下の腐食試験を行った。
(腐食試験)
ラジエータ内面環境での腐食特性を評価するため、腐食試験として、前記加熱後の供試材(試験片)を冷却水を模擬した試験溶液に浸漬して、1ヶ月間温度サイクルを与えた。加熱後の供試材を60mm×50mmの試験片に切り出し、アセトンで洗浄した後、犠牲陽極材側の表面の中央の50mm×40mmを試験面として、試験面以外の表面、すなわち犠牲陽極材側の表面における端から5mmの領域、ならびにろう材側の表面および端面をシリコンシーラントで被覆した。なお、試験片は供試材の仕様毎に5枚作製した。試験溶液としては、OY水(Cl-:195質量ppm、SO4 2-:60質量ppm、Cu2+:1質量ppm、Fe3+:30質量ppm、pH:3.0)を使用した。温度サイクルは、試験溶液を、室温から1時間で88℃まで加熱し、この88℃で7時間保持した後、室温まで1時間で冷却し、この室温にて15時間保持する1日1サイクルとした。
腐食試験後、試験片を硝酸に浸漬して表面の腐食生成物を除去し、最大腐食深さおよび腐食損失量を測定した。最大腐食深さは、光学顕微鏡を用いて焦点深度法により試験面(犠牲陽極材側の表面)の腐食深さを測定し、試験面における最も深い腐食深さの、さらに5枚の試験片の最大値とした。また、腐食損失量は、腐食試験前後の試験片の重量の差分の、5枚の試験片の平均値とした。Al−Zn合金を犠牲陽極材とした比較例(従来例)の供試材No.1の最大腐食深さおよび腐食損失量をそれぞれ100として換算した値を、局部腐食深さDLCおよび全面腐食量DGNとして表4に示す。局部腐食深さDLCは局部腐食性の、全面腐食量DGNは全面腐食性の、それぞれ評価指標である。耐食性の合格基準は、局部腐食深さDLCが60以下、かつ全面腐食量DGNが90以下であることとした。
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(犠牲陽極材のZn,Mo,W、および心材のCuによる評価)
供試材No.7〜9は、犠牲陽極材のアルミニウム合金に本発明の範囲のMo,Woの1種以上を含有している実施例であるため、Znのみ含有する従来例である供試材No.1に対して局部腐食深さが約半分に低減され、全面腐食量も約80%に低減されて良好な耐食性を示した。これに対して、供試材No.2,3は犠牲陽極材のMo,Wの含有量がいずれも不足している比較例であり、これらの元素の効果が不十分なため、供試材No.1と同程度の腐食を生じた。また、供試材No.4は犠牲陽極材のZn含有量が不足している比較例であるため、犠牲陽極材−心材間の電位差が不十分で局部腐食深さが増大した。同様に、供試材No.6は心材のCu含有量が不足している比較例であるため、犠牲陽極材−心材間の電位差が不十分で局部腐食深さが増大した。また、供試材No.5は犠牲陽極材のクラッド率が少なく、8.8μmと厚さが不足している比較例であるため、全面腐食量は減少したが、局部腐食深さが増大した。
(犠牲陽極材のSi,Mnの添加による評価)
供試材No.10〜18は、本発明の犠牲陽極材のアルミニウム合金に、さらにSi,Mnの1種以上を添加して強度を向上させた実施例であるが、犠牲陽極材にクラックが発生し難くなった結果、耐全面腐食性がさらに向上した。
(心材のMg,Znの添加による評価)
供試材No.19〜21は、本発明の心材のアルミニウム合金に、さらにMg,Znの1種以上を添加した実施例であり、これらの元素の作用により耐局部腐食性がさらに向上した。また、供試材No.20は、犠牲陽極材のクラッド率が5.2%、厚さにして10.4μmと、本発明の範囲内の下限近傍であるが、供試材No.19,21と同等の耐食性を有し、アルミニウム合金クラッド材の薄肉化に対応できることを示した。さらに供試材No.22〜27は、心材のMg,Zn添加に加え、犠牲陽極材にSi,Mnが添加された実施例であり、耐局部腐食性および耐全面腐食性が共に向上した。
(Ti,Zr,Nbの添加による評価)
供試材No.28,29は、本発明の犠牲陽極材のアルミニウム合金に、さらにTi,Zr,Nbの1種以上を添加した実施例であり、これらの元素の作用により耐局部腐食性および耐全面腐食性がさらに向上した。供試材No.30〜33は、犠牲陽極材にさらにSi,Mnが添加された実施例であり、耐局部腐食性および耐全面腐食性が共に向上した。また、供試材No.34は本発明の心材のアルミニウム合金にさらにTiを添加した実施例であり、供試材No.35〜37は本発明の心材のアルミニウム合金にさらにTi,Zr,Nbの1種以上およびMg,Znの1種以上を添加した実施例であり、これらの元素の作用により耐局部腐食性および耐全面腐食性が共に向上した。また、供試材No.37は、心材とろう材の間に中間材を備えたアルミニウム合金クラッド材であるが、供試材No.35,36と同等の耐食性を示した。
供試材No.38〜40は、本発明の心材および犠牲陽極材のそれぞれのアルミニウム合金に、さらにTi,Zr,Nbの1種以上を添加し、そのうち供試材No.39,40はさらに犠牲陽極材にSiを添加した実施例であり、これらの元素の作用により耐局部腐食性および耐全面腐食性がさらに向上した。特に、供試材No.40は心材のCu含有量と犠牲陽極材のZn含有量との組み合わせ上、電位差が大きすぎず、犠牲陽極材の腐食速度が低減されて特に優れた耐全面腐食性を示した。また、供試材No.41〜46は、本発明の心材のアルミニウム合金にさらにTi,Zr,Nbの1種以上およびMg,Znの1種以上を添加し、かつ犠牲陽極材のアルミニウム合金にさらにTi,Zr,Nbの1種以上およびSi,Mnの1種以上を添加した実施例であり、これらの元素の作用により耐局部腐食性および耐全面腐食性の両方が極めて優れたものとなった。また、供試材No.46は、心材とろう材の間に中間材を備えたアルミニウム合金クラッド材であるが、供試材No.41〜45と同等の耐食性を示した。

Claims (8)

  1. 心材と、この心材の一面側にクラッド率25%以下でクラッドされ、かつ前記クラッド率が5%以上または厚さが10μm以上の少なくとも一方を満足する犠牲陽極材と、前記心材の他面側にクラッド率10%以上25%以下でクラッドされたろう材と、を備えたアルミニウム合金クラッド材であって、
    前記心材は、Si:0.2〜2.0質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cu:0.3〜2.0質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、
    前記犠牲陽極材は、Zn:1.0〜12質量%を含有し、さらにMo:0.01〜5.0質量%およびW:0.01〜5.0質量%の1種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、
    前記ろう材は、Si:6〜15質量%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなることを特徴とするアルミニウム合金クラッド材。
  2. 前記心材は、さらに、Mg:0.1〜1.0質量%およびZn:0.1〜1.0質量%の1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金クラッド材。
  3. 前記心材は、さらに、Ti:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、およびNb:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアルミニウム合金クラッド材。
  4. 前記犠牲陽極材は、さらに、Si:0.2〜2.0質量%およびMn:0.2〜2.0質量%の1種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のアルミニウム合金クラッド材。
  5. 前記犠牲陽極材は、さらに、Ti:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、およびNb:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のアルミニウム合金クラッド材。
  6. 前記心材と前記ろう材の間に、厚さが10μm以上かつ当該心材の厚さ以下の中間材をさらに備え、
    前記中間材は、Si:0.2〜2.0質量%、Mn:0.2〜2.0質量%、Cu:0.3〜2.0質量%を含有し、さらにTi:0.01〜0.5質量%、Zr:0.01〜0.5質量%、およびNb:0.01〜0.5質量%の1種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、前記不可避的不純物として、Mg:0.05質量%以下、Zn:0.05質量%以下に制限されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のアルミニウム合金クラッド材。
  7. 自動車の熱交換器に使用される請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のアルミニウム合金クラッド材。
  8. 自動車のろう付け型ラジエータチューブ材に使用される請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のアルミニウム合金クラッド材。
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