JP2007016216A - ブロックポリマーを含有する組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】被記録媒体上で高い発色性と堅牢性を示す画像を形成することができ、特に記録物の堅牢性向上の為に好適なインク組成物を提供する。
【解決手段】疎水ブロックセグメント、イオン性親水ブロックセグメントおよびアミノ基を備えた親水性アミノブロックセグメントを含有するブロックポリマーと、表面pHが6以上である顔料及び水または水性溶媒を少なくとも含有するインク組成物。ブロックポリマーのブロックセグメント構造が、末端から、イオン性親水ブロックセグメント、親水性アミンブロックセグメント、疎水性ブロックセグメントの順に結合しているトリブロックポリマー構造である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ブロックポリマーを含有する組成物およびインク組成物に関する。
近年、非常な勢いでデジタル印刷技術は進歩している。その中でも水溶性の染料インクを用いた印刷方法は、高画質印刷が可能となっている。しかしながら、仮に被記録媒体上で乾燥した染料であっても、染料インクは、紙上に印字した場合、色の重ね合わせ時ににじみを生じたり、吐出直後に毛細管現象によりインクが被記録媒体上の繊維方向に染み出す現象(フェザリング)が観測される等、印字物の保存性に大きな問題があった。
これらの問題を解決する手段として、染料分散体に代え顔料分散体、特に顔料を水溶性樹脂で分散させた顔料分散体を用いることが提案されている(特許文献1参照)。顔料は印字後も粒子状で存在するため、例えば紙上に印字する場合、にじみやフェザリングが軽減され、保存性に優れた色材として利用することができるものの、我々の鋭意検討の結果、普通紙と呼ばれるポアサイズが比較的大きなメディアを用いた印刷においては顔料粒子であったとしても、顔料粒子がメディア上に十分に残存できず十分な発色性が得られない場合があった。このような問題を解決する手段としては単純に顔料濃度を上昇させる事や、前記水溶性樹脂の親水性を低下させる事(特許文献2参照)や前記水溶性樹脂量を低下させる試み(特許文献3参照)が行なわれている。
しかしながら、本発明者らの鋭意検討の結果、単純に顔料濃度を上げることは同時に濃度を上昇させることであるためインク吐出等に問題を生じる場合があることから組成物として不適切な場合がある。また、前記水溶性樹脂の水溶性を低下させることや、前記水溶性樹脂自身を低下させることで、普通紙上での発色性は得られるものの、コート原紙の上にカオリン等を塗布した被記録媒体、いわゆるコート紙へ印刷を行なった場合に、印刷画像上の問題を生じることがあった。すなわち、前記顔料分散体を用いた印刷画像は、印字後も顔料がメディアの内面に浸透しにくく、コート紙上に顔料が積層した形となり十分な堅牢性が得られず、爪による引っ掻きや、紙、布等の物理的な外力に対し不十分な場合があった。
従って、現在まで発色性が向上し十分な堅牢性が得られ、またこれら効果が被記録媒体に依存する事のない組成物を得ることは困難であった。
米国特許第5,085,698号明細書 特開2000−273373号公報 特開2000−290554号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、にじみやフェザリングが軽減され、印刷画像の保存といった顔料インクに特徴的な効果だけではなく、発色性が向上し十分な堅牢性が得られ、またこれら効果が被記録媒体に依存する事のない組成物を提供するものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、下記に示す本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の第一は、疎水ブロックセグメント、イオン性親水ブロックセグメントおよびアミノ基を備えた親水性アミノブロックセグメントを含有するブロックポリマーと、表面pHが6以上である顔料及び水または水性溶媒を少なくとも含有する事を特徴とする組成物である。
本発明の第二は、前記親水性アミノブロックセグメントに下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を含有する事を特徴とする組成物である。
Figure 2007016216
(式中、X1は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルカントリイル基を表し、アルカントリイル基中の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換しても良い。Aは炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、アルキレン基中の炭素原子を酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環に置換してもよく、アルキレン基中の水素原子をアミン、エステル、アミド、芳香環、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に直接置換してもよい。R1及びR2はそれぞれ水素原子、及び炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、アルキル基中の炭素原子を酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環で置換することができる。また、アルキル基中の水素原子をアミン、エステル、アミド、芳香環、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換してもよい。)
本発明の第三は、前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位が、下記一般式(2)で表される構造単位であることを特徴とする組成物である。
Figure 2007016216
(式中、X1は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルカントリイル基を表し、アルカントリイル基中の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換しても良い。R1及びR2はそれぞれ水素原子、及び炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、アルキル基中の炭素原子を酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環で置換することができる。また、アルキル基中の水素原子をアミン、エステル、アミド、芳香環、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換してもよい。nは1から22までの整数を表す。)
本発明の第四は、前記一般式(1)の主鎖構造であるX1が少なくとも−CH2CH−の構造であることを特徴とする組成物である。
本発明の第五は、少なくとも疎水性ブロックセグメントに下記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を含有し、イオン性親水ブロックセグメントに下記一般式(4)で表される繰り返し構造単位を含有することを特徴とする組成物である。
Figure 2007016216
(式中、X2は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルカントリイル基を表し、アルカントリイル基中の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換しても良い。R3は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキレン基、Ph、Ph−Ph、Np、Ant、−CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2、−(CH(R4)−CH(R5)−O)m−R6、−(CH2p−OR6および−(CH2p−R6から選ばれる。但し前記−Phはフェニル基、−Ph−Phはビフェニル基、−Npはナフチル基、および−Antはアントラニル基を表す。R4、R5はそれぞれ独立に水素原子もしくはCH3である。R6は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、Ph、Ph−Ph、Np、Ant、−CHO、−CO−CH=CH2または−CO−C(CH3)=CH2である。また、Ph、Ph−Ph、Np、Antの水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子と置換することができ、芳香族環中の炭素原子は窒素原子と置換していてもよい。mは1から18の整数、pは1から36の整数である。)
Figure 2007016216
(式中、X3は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルカントリイル基を表し、アルカントリイル基中の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換しても良い。Gは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、アルキレン基中のメチレン部分は、エーテル、エステル、アミド、芳香環を含んでも良く、アルキレン基中の炭素原子に、アミン、エステル、アミド、芳香族環、及びフッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子を置換してもよい。Jはカルボン酸またはスルホン酸またはそれらの塩を表す。)
本発明の第六は、前記ブロックポリマーのブロックセグメント構造が、末端から、イオン性親水ブロックセグメント、親水性アミンブロックセグメント、疎水性ブロックセグメントの順に結合しているトリブロックポリマー構造であることを特徴とする組成物である。
本発明の第七は、前記ブロックポリマーはさらにノニオン性親水ブロックセグメントを含有し、該ブロックポリマーのブロックセグメント構造が、末端から親水性アミンブロックセグメント、イオン性親水ブロックセグメント、ノニオン性親水ブロックセグメント、疎水性ブロックセグメントの順に結合しているテトラブロックポリマー構造であることを特徴とする組成物である。
本発明の第八は、前記ノニオン性親水ブロックセグメントは、下記一般式(5)で表される繰り返し構造単位を含有する事を特徴とする組成物である。
Figure 2007016216
(式中、X4はポリアルケニル基を表す。Kは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていても良いアルキレン基を表す。qは1から50までの整数を表す。R7は水素原子、−CH3または−C25を表す。)
本発明の第九は、ブロックセグメント構造が、末端から、イオン性親水ブロックセグメント、ノニオン性親水ブロックセグメント、疎水性ブロックセグメントの順に結合している構造を有するとともに、該イオン性親水ブロックセグメントの主鎖の末端に下記一般式(6)で表される主鎖末端置換基を有しているブロックポリマーと、表面pHが6以上である顔料及び水または水性溶媒を少なくとも含有する事を特徴とする組成物である。
Figure 2007016216
(式中、Pは前記ブロックポリマーPを意味し、式中のAは炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、アルキレン基中の炭素原子を酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環に置換してもよく、アルキレン基中の水素原子をアミン、エステル基、アミド基、アリーレン基、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換してもよい。R1及びR2はそれぞれ水素原子、または、炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、アルキル基中の炭素原子は酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環で置換することができる。また、アルキル基中の水素原子をアミン、エステル、アミド、アリーレン、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に直接置換してもよい。)
本発明の組成物、特にインク組成物においては、被記録媒体上で高い発色性と堅牢性を示す画像を形成することができるので、記録物の堅牢性向上の為に好適なブロックポリマー、インク組成物を提供することができる。
また、本発明によると、光沢紙や普通紙等の被記録媒体に比較的依存せずに効果を発現することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、疎水ブロックセグメント、イオン性親水ブロックセグメント、アミノ基を備えた親水性アミノブロックセグメントを含有するブロックポリマーと、表面pHが6以上である顔料及び水または水性溶媒を少なくとも含有する事を特徴とする組成物である。
なお、本発明におけるブロックポリマーとは、3つ以上の異なるブロックセグメントによって構成されるポリマーを意味し、また本発明におけるブロックセグメントとは、一つ以上の単一または複数のモノマーによる繰り返し単位で構成される構造を意味し、ブロックポリマー構造の特徴である機能分離を際立たせるためには、ブロックセグメントは単一のモノマーにより構成されるほうが好ましい。なお、本発明における疎水性ブロックセグメントとは水分子との間に結合を作り難いブロックセグメントを意味し、親水性ブロックセグメントとは水分子との間に結合を作り易いブロックセグメントを意味する。
また、本発明における顔料とは水及び有機溶剤に対し、不溶または難溶な有機又は無機材料を意味する。また本発明に使用される顔料は、色材として好ましく使用される。
具体的な無機顔料の例としては、コバルトブルー、セルシアンブルー、コバルトバイオレット、コバルトグリーン、ジンクホワイト、チタニウムホワイト、ライトレッド、クロムオキサイドグリーン、マルスブラック等の酸化物顔料、ビリジャン、イェローオーカー、アルミナホワイト等の水酸化物顔料、ウルトラマリーン、タルク、ホワイトカーボン等のケイ酸塩顔料、金粉、銀粉、ブロンズ粉等の金属粉、カーボンブラック等が挙げられる。
有機顔料の具体例としては、βナフトール系アゾ顔料、ナフトールAS系アゾ顔料、モノアゾ型あるいはジスアゾ型アセト酢酸アリリド系アゾ顔料、ピラゾン系アゾ顔料、縮合系アゾ顔料等のアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、サブフタロシアニン系顔料、ポルフィリン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ぺリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ジオキサジン顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、あるいは新規に合成した顔料が挙げられる。本発明に使用される顔料は上記に限定されるものではない。
以下に、黒、シアン、マゼンタ、イエローにおいて、市販されている顔料を例示する。
黒色の顔料としては、Raven1060、Raven1080、Raven1170、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500、Raven2000、Raven3500、Raven5250、Raven5750、Raven7000、Raven5000 ULTRAII、Raven1190 ULTRAII(以上、コロンビアン・カーボン社製)、Black Pearls L、MOGUL−L、Regal400R、Regal660R、Regal330R、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1300、Monarch 1400(以上、キャボット社製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW200、Color Black 18、Color Black S160、Color Black S170、Special Black 4、Special Black 4A、Special Black 6、Printex35、PrintexU、Printex140U、PrintexV、Printex140V(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学社製)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
シアン色の顔料としては、C.I.Pigment Blue−1、C.I.Pigment Blue−2、C.I.Pigment Blue−3、C.I.Pigment Blue−15、C.I.Pigment Blue−15:2、C.I.Pigment Blue−15:3、C.I.Pigment Blue−15:4、C.I.Pigment Blue−16、C.I.Pigment Blue−22、C.I.Pigment Blue−60等が挙げられるが、これらに限定されない。
マゼンタ色の顔料としては、C.I.Pigment Red−5、C.I.Pigment Red−7、C.I.Pigment Red−12、C.I.Pigment Red−48、C.I.Pigment Red−48:1、C.I.Pigment Red−57、C.I.Pigment Red−112、C.I.Pigment Red−122、C.I.Pigment Red−123、C.I.Pigment Red−146、C.I.Pigment Red−168、C.I.Pigment Red−184、C.I.Pigment Red−202、C.I.Pigment Red−207等が挙げられるが、これらに限定されない。
イエローの顔料としては、C.I.Pigment Yellow−12、C.I.Pigment Yellow−13、C.I.Pigment Yellow−14、C.I.Pigment Yellow−16、C.I.Pigment Yellow−17、C.I.Pigment Yellow−74、C.I.Pigment Yellow−83、C.I.Pigment Yellow−93、C.I.Pigment Yellow−95、C.I.Pigment Yellow−97、C.I.Pigment Yellow−98、C.I.Pigment Yellow−114、C.I.Pigment Yellow−128、C.I.Pigment Yellow−129、C.I.Pigment Yellow−151、C.I.Pigment Yellow−154等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のインク組成物に用いられる顔料の含有量は、インク組成物の重量に対して、0.1質量%以上50質量%以下が好ましい。顔料の含有量が、0.1質量%以上であれば、好ましい画像濃度が得られ、50質量%以下であれば、好ましい定着性が得られる。さらに好ましい範囲としては0.5質量%から30質量%の範囲である。
本発明のインク組成物に含有される一般式で表される繰り返し単位構造を有するブロックポリマーの含有量は、0.1質量%以上90質量%以下の範囲で用いられる。好ましくは1質量%以上80質量%以下である。インクジェットプリンタ用としては、好ましくは1質量%以上30質量%以下で用いられる。また本発明における表面pHは、顔料の10質量%水分散体を攪拌下硝子電極メーターで測定した値を用いている。なお、表面pHが6.0以上の場合、親水性アミノブロックセグメントに付与したアミノ基とカーボンブラックとで水素結合を形成しないことは赤外吸収スペクトルより確認される。
また本発明における水溶性溶媒とは、1質量%以上水に溶解する有機溶媒を意味し、具体的には水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられるが、本発明における水溶性溶媒とは上記溶媒に限定されるものではない。
また、本発明に用いられる親水性アミノブロックセグメントとしては、下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を含有するブロックセグメントが好ましく用いられる。
Figure 2007016216
なお、式中、X1は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルカントリイル基を表し、アルカントリイル基中の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換しても良い。式中のAは炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、アルキレン基中の炭素原子を酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環に置換してもよく、アルキレン基中の水素原子をアミン、エステル、アミド、芳香環、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に直接置換しても良い。R1及びR2はそれぞれ水素原子、及び炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキル基を示しており、アルキル基中の炭素原子を酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環で置換することができる。また、アルキル基中の水素原子をアミン、エステル、アミド、芳香環、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換してもよい。
また、合成上あるいは画像堅牢性の観点から好ましいAの構造としては、−OCH2CH−の構造が挙げられ、具体的な構造は一般式(2)で示される。
Figure 2007016216
なお、式中、X1は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルカントリイル基を表し、アルカントリイル基中の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換しても良い。R1及びR2はそれぞれ水素原子、及び炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキル基を示しており、アルキル基中の炭素原子を酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環で置換することができる。また、アルキル基中の水素原子をアミン、エステル、アミド、芳香環、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換してもよい。nは1から22までの整数を表す。
また、本発明における主鎖構造とは、高分子構造を形成する鎖状化合物の炭素骨格のうち幹になる部分を意味する。一般式(1)で表されるX1の具体例としては、−CH2CH−、−CH2CH2CH−、−CH2CH2CH2CH−、−CH2CH2CH2CH2CH−、−CH2C(CH3)−、−CH2CCl−、−CH2CF−等が挙げられ、合成上の観点からより好ましい構造としては−CH2CH−の構造である下記一般式(1’)、(2’)が挙げられるが、本発明の主鎖構造は一般式(1’)または(2’)に限定されるものではない。
Figure 2007016216
Figure 2007016216
なお、式中のAは炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、アルキレン基中の炭素原子を酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環に置換しても良いものとし、アルキレン基中の水素原子をアミン、エステル、アミド、芳香環、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に直接置換しても良い物とする。R1及びR2はそれぞれ水素原子、及び炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキル基を示しており、アルキル基中の炭素原子を酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環で置換することができる。また、アルキル基中の水素原子をアミン、エステル、アミド、芳香環、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換しても良い物とする。
なお、本発明に記載されるアミンブロックセグメントの好ましい具体例を下記に挙げるが、本発明のアミンブロックセグメントは下記構造に限定されるものではない。
Figure 2007016216
本発明は、少なくとも一般式(3)で表される繰り返し構造単位を含有する疎水性ブロックセグメントと、一般式(4)で表される繰り返し構造単位を含有するイオン性親水ブロックセグメントのいずれも含有することを特徴とする前記ブロックポリマーである。
Figure 2007016216
(式中、X2は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルカントリイル基を表し、アルカントリイル基中の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換しても良い。R3は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキレン基、Ph、Ph−Ph、Np、Ant、−CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2、−(CH(R4)−CH(R5)−O)m−R6、−(CH2p−OR6および−(CH2p−R6から選ばれる。但し前記−Phはフェニル基、−Ph−Phはビフェニル基、−Npはナフチル基、および−Antはアントラニル基を表す。R4、R5はそれぞれ独立に水素原子もしくはCH3である。R6は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、Ph、Ph−Ph、Np、Ant、−CHO、−CO−CH=CH2または−CO−C(CH3)=CH2である。また、Ph、Ph−Ph、Np、Antの水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子と置換することができ、芳香族環中の炭素原子は窒素原子と置換していてもよい。mは1から18の整数、pは1から36の整数である。)
Figure 2007016216
(式中、X3は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルカントリイル基を表し、アルカントリイル基中の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換しても良い。Gは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、アルキレン基中のメチレン部分は、エーテル、エステル、アミド、芳香環を含んでも良く、アルキレン基中の炭素原子に、アミン、エステル、アミド、芳香族環、及びフッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子を置換してもよい。Jはカルボン酸またはスルホン酸またはそれらの塩を表す。)
なお、本発明における疎水性構造とは水分子との間に結合を作り難い構造を意味する。具体的な構造としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の直鎖または環状の飽和炭化水素基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、アズレニル基等の芳香族置換基を置換基が挙げられるが、本発明は上記具体例に限定されるものではない。また、イオン性親水性構造とは、イオン性置換基を有し水分子との間に結合を作り易い化学構造を意味し、具体的にはアニオン性またはカチオン性の、スルホン酸、カルボン酸、水酸基、アンモニア、アミン、イミン、エーテル結合等を含有する置換基が挙げられる、いずれの場合もカウンターイオンは原子や化合物であればよく、カウンターカチオンの具体的にはリチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、カルシウムカチオン等が、カウンターアニオンの例としては、塩酸アニオン、硫酸アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン等が挙げられるが、本発明においては、カウンターイオンは特定の原子や化合物に限定されるものではない。
また一般式(3)の具体例としては、下記の構造が示される。
Figure 2007016216
一般式(4)の具体例としては、下記に示す構造が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2007016216
なお、上記に示す構造のカウンターカチオンは原子や化合物であればよく、具体的にはリチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、カルシウムカチオン等が挙げられるが、本発明においては、カウンターカチオンは特定の原子や化合物に限定されるものではない。
本発明では、前記ブロックポリマーのブロックセグメント構造を、末端から、前記イオン性親水ブロックセグメント、前記親水性アミンブロックセグメント、前記疎水性ブロックセグメントの順に結合しているトリブロックポリマー構造とすることができる。そして、前記一般式(4)の構造単位を含有するイオン性親水ブロックセグメント(C’)、前記一般式(1)の構造単位を含有する親水性アミンブロックセグメント(D’)、前記一般式(3)に疎水性ブロックセグメント(A’)の順に結合しているADC型トリブロックポリマー構造であることが好ましい。
このようなブロックポリマーの具体例を下記に挙げるが、本発明のブロックポリマーは下記構造に限定されるものではない。
Figure 2007016216
本発明は、前記ブロックポリマーに関し、少なくとも前記一般式(5)で表される繰り返し構造単位を含有するノニオン性親水ブロックセグメントを含有するブロックポリマーである。
Figure 2007016216
(式中、X4はポリアルケニル基を表す。Kは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていても良いアルキレン基を表す。qは1から50までの整数を表す。R7は水素原子、−CH3または−C25を表す。)
一般式(5)の具体例としては、下記で表される構造が挙げられるが本発明のブロックポリマーは下記構造に限定されるものではない(Phはフェニレン基をあらわす)。
Figure 2007016216
また、本発明のブロックポリマーは、さらにノニオン性親水ブロックセグメントを含有し、当該ブロックポリマーのブロックセグメント構造が、末端から親水性アミンブロックセグメント、イオン性親水ブロックセグメント、ノニオン性親水ブロックセグメント、疎水性ブロックセグメントの順に結合しているテトラブロックポリマー構造であってもよい。
好ましくは、前記ブロックポリマーのブロックセグメント構造が、末端から前記アミン含有ブロックセグメント(D’)、前記イオン性親水ブロックセグメント(C’)、前記ノニオン性親水ブロックセグメント(B’)、前記疎水性ブロックセグメント(A’)の順に結合しているA’B’C’D’型テトラブロックポリマー構造である。以下、このようなブロックポリマーの具体例を下記に挙げるが、本発明のブロックポリマーは下記構造に限定されるものではない。
Figure 2007016216
上述の説明ではアミノ基を有する部分は、繰返し単位構造を有するブロックセグメント中に設けられる構成で説明してきたが、ブロックポリマーの主鎖末端にアミノ基を有する構造であってもよいものである。
すなわち、本発明のブロックセグメント構造が末端から、イオン性親水ブロックセグメント、ノニオン性親水ブロックセグメント、疎水性ブロックセグメントの順に結合している構造を有するとともに、該イオン性親水ブロックセグメントの主鎖の末端に一般式(6)で表される主鎖末端置換基を有しているものである。
Figure 2007016216
(式中、Pは前記ブロックポリマーPを意味し、式中のAは炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、アルキレン基中の炭素原子を酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環に置換してもよく、アルキレン基中の水素原子をアミン、エステル基、アミド基、アリーレン基、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換してもよい。R1及びR2はそれぞれ水素原子、または、炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、アルキル基中の炭素原子は酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環で置換することができる。また、アルキル基中の水素原子をアミン、エステル、アミド、アリーレン、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に直接置換してもよい。)
このようなブロックポリマーの具体例を下記に挙げるが、本発明のブロックポリマーは下記構造に限定されるものではない。
Figure 2007016216
また、本発明で用いられる前記ブロックポリマーの重合方法は3つ以上のブロックセグメントを形成できればよいが、ブロックポリマー分散体の分散度指数が0.15以下、好ましくは0.10以下となるためには、リビング重合法で合成されたブロックポリマーを用いる事が好ましい。次に本発明に好ましく製造されるポリアルケニルエーテル構造を含むブロックポリマーのリビング重合方法について説明する。ポリビニルエーテル構造を含むポリマーの合成法は多数報告されているが(例えば特開平11−080221号公報)、青島らによる方法(Polymer Bulletin、15、417から423(1986)、特開平11−322942号公報、特開平11−322866号公報)が代表的である。青島らの方法により高分子化合物の合成を行うことにより、ホモポリマーや2成分以上のモノマーからなる共重合体、さらにはブロックポリマー、グラフトポリマー等の様々なポリマーを、長さ(分子量)を正確に揃えて合成することができる。
また本発明の組成中に含有される前記一般式で表される繰り返し単位構造を有するブロックポリマーは、本発明の組成物の重量に対して、0.5質量%以上98質量%以下が好ましい。本発明に使用するブロックポリマーの平均分子量(Mn)として好ましくは1,000から1,000,000の範囲、粘度等を考慮するとより好ましくは3,000から500,000の範囲である。
なお、一般に、ポリマーの膜としての機械強度を向上させようとすれば、分子量の大きなポリマーを用いポリマー同士の絡み合いを大きくする方法が考えられるが、同時に溶液が高粘度になることが予測され、微小量単位で画像を形成する場合、取り扱いが困難になる。
そこで、本発明のように、アミノ基と一般的なメディアの主成分であるセルロースに付与した水酸基の水素結合を利用して、機械強度を向上させる方法は、低分子量のポリマーであっても十分な機械強度を発現することが期待でき、かつ低粘度化が実現できるため、インク組成物の物性を設計する際に非常に有益となる。
次に、本発明のインク組成物に含有さるブロックポリマー、機能性材料以外の他の成分について詳しく説明する。他の成分には、有機溶剤、水、水性溶媒、添加剤等が含まれる。
[有機溶剤]
炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミド系溶剤等が挙げられる。
[水]
本発明に含まれる水としては、金属イオン等を除去したイオン交換水、純水、超純水が好ましい。
[水性溶媒]
水性溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロビレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、置換ピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒等を用いることができる。また、水性分散物の記録媒体上での乾燥を速めることを目的として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の一価アルコール類を用いることもできる。
本発明のインク組成物において、上記有機溶剤、水および水性溶媒の含有量は、インク組成物の全重量に対して、20質量%以上95質量%以下の範囲で用いるのが好ましい。さらに好ましくは30質量%以上90質量%以下の範囲である。
[添加剤]
本発明の組成物には、必要に応じて、種々の添加剤、助剤等を添加することができる。添加剤の一つとして、顔料を溶媒中で安定に分散させる分散安定剤がある。本発明の組成物は、ポリビニルエーテル構造を含むポリマーにより、顔料のような粒状固体を分散させる機能を有しているが、分散が不十分である場合には、他の分散安定剤を添加してもよい。
他の分散安定剤として、親水性疎水性両部を持つ樹脂あるいは界面活性剤を使用することが可能である。親水性疎水性両部を持つ樹脂としては、例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーの共重合体が挙げられる。
親水性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、または前記カルボン酸モノエステル類、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート等、疎水性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等が挙げられる。共重合体は、ランダム、ブロック、およびグラフト共重合体等の様々な構成のものが使用できる。もちろん、親水性、疎水性モノマーとも、前記に示したものに限定されない。
界面活性剤としては、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両イオン性活性剤を用いることができる。アニオン性活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等が挙げられる。非イオン性活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコン系等が挙げられる。カチオン性活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。両イオン性活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が挙げられる。なお、界面活性剤についても同様、前記に限定されるものではない。
さらに、本発明の組成物には、必要に応じて水性溶剤を添加することができる。特にインクジェット用インクに用いる場合、水性溶剤は、インクのノズル部分での乾燥、インクの固化を防止するために用いられ、単独または混合して用いることができる。水性溶剤は、上述のものがそのまま当てはまる。その含有量としては、インクの場合、インクの全重量の0.1質量%以上60質量%以下、好ましくは1質量%以上40質量%以下の範囲である。
その他の添加剤としては、例えばインクとしての用途の場合、インクの安定化と記録装置中のインクの配管との安定性を得るためのpH調整剤、記録媒体へのインクの浸透を早め、見掛けの乾燥を早くする浸透剤、インク内での黴の発生を防止する防黴剤、インク中の金属イオンを封鎖し、ノズル部での金属の析出やインク中で不溶解性物の析出等を防止するキレート化剤、記録液の循環、移動、あるいは記録液製造時の泡の発生を防止する消泡剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤等も添加することができる。
本発明のインク組成物を調製するには、上記構成成分を混合し、均一に溶解又は分散することにより調製することができる。たとえば、構成成分の複数を混合し、サンドミルやボールミル、ホモジナイザー、ナノマイザー等により破砕、分散しインク母液を作成し、これに溶媒や添加剤を加え物性を調整することにより調整することができる。
次に、インク組成物のインクジェット記録方法について説明する。
[画像記録方法、インク組成物付与方法および装置]
本発明のインク組成物は、各種印刷法、インクジェット法、電子写真法等の様々な画像記録方法および装置に使用でき、この装置を用いた画像記録方法により描画することができる。また、液体組成物を用いる場合、インクジェット法等では微細パターンを形成したり、薬物の投与を行ったりするための液体付与方法に使用することができる。
本発明の画像記録方法は、本発明の組成物により優れた画像形成を行う方法である。本発明の画像記録方法は、好ましくは、インク吐出部から本発明のインク組成物を吐出して被記録媒体上に付与することで記録を行う画像記録方法である。画像形成はインクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出するインクジェット法を用いる方法が好ましく用いられる。
本発明のインクジェット用インク組成物を用いるインクジェットプリンタとしては、圧電素子を用いたピエゾインクジェット方式や、熱エネルギーを作用させて発泡し記録を行うバブルジェット(登録商標)方式等、様々なインクジェット記録装置に適用できる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
合成例1
窒素雰囲気下、モノマー1(0.10mol)、IBEA(イソブチルエチルアセテート、0.00020mol)を0.10M酢酸エチルを含むトルエン溶液(300mL)に溶解し、0℃でエチルアルミニウムダイクロライド(0.0010mol)を加えた。20℃に30分かけて昇温後、さらに17時間攪拌した。モノマー2(0.020mol)を加えて、さらに5時間攪拌した。30分かけて0℃に下げた後、モノマー3(0.020mol)を加え、20時間攪拌した後。0.1Mアンモニアメタノール溶液(30mL)加えて、反応を停止した。0.60M塩酸で洗浄後、有機層を減圧除去し、残滓をテトラヒドロフラン(300mL)に溶解した。ヒドラジン(0.10mol)を加えて、60度で3時間攪拌後、0.1M塩酸50mLを加えて、さらに30分攪拌した。10質量%炭酸ナトリウム水溶液に沈殿し、析出した固体を水で洗浄した。固体をN,N−ジメチルホルムアミド1Lに溶解し、12M水酸化ナトリウム水溶液(15mL)を加えて、40℃で5時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、残滓を水に溶解し、メタノール透析、水透析を繰り返して精製した。溶媒を減圧除去し、40℃で残滓を減圧乾燥後、ブロックポリマー4を得た。
1HNMRスペクトル、IRスペクトルより同定をおこなった。各ブロックの組成は、A:B:C=50:10:10であった。GPC(ポリスチレン標準 THF)より数平均分子量は10000、多分散度は1.18で、5質量%水溶液でのpHは9.5であった。
Figure 2007016216
合成例2
モノマー1に代えてモノマー5とした以外は、合成例1と同様の方法で、ブロックポリマー6を合成した。
1HNMRスペクトル、IRスペクトルより同定をおこなった。各ブロックの組成は、A:B:C=50:10:10であった。GPC(ポリスチレン標準 THF)より数平均分子量は12000、多分散度は1.15であり、5質量%水溶液でのpHは9.7であった。
Figure 2007016216
合成例3
窒素雰囲気下、モノマー1(0.10mol)、IBEA(イソブチルエチルアセテート、0.00020mol)を0.10M酢酸エチルを含むトルエン溶液(300mL)に溶解し、0℃でエチルアルミニウムダイクロライド(0.0010mol)を加えた。20℃に30分かけて昇温後、さらに17時間攪拌した。モノマー2(0.014mol)とモノマー7(0.0060mol)を加えて、さらに5時間攪拌した。30分かけて0℃に降温した後、モノマー3(0.020mol)を加え、20時間攪拌した。0.1Mアンモニアメタノール溶液(30mL)加えて、反応を停止した。0.60M塩酸で洗浄後、有機層を減圧除去し、残滓をTHF(300mL)に溶解した。ヒドラジン(0.10mol)を加えて、60度で3時間攪拌後、0.1M塩酸50mLを加えて、さらに30分攪拌した。10%炭酸ナトリウム水溶液に沈殿し、析出した固体を水で洗浄した。固体をDMF1Lに溶解し、12M水酸化ナトリウム水溶液(15mL)を加えて、40℃で5時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、残滓を水に溶解し、メタノール透析、水透析(SPECTRUM Laboratories社製、molecular porous membrane tubing(MWCO:3500))を繰り返して精製した。溶媒を減圧除去し、40℃で残滓を減圧乾燥後、ブロックポリマー8を得た。
1HNMRスペクトル、IRスペクトルより同定をおこなった。各ブロックの組成は、A:B:C=50:10:10で、Bブロック中の組成はモノマー2:モノマー7=7:3であった。GPC(ポリスチレン標準 THF)より数平均分子量は10000、多分散度は1.12でり、5質量%水溶液でのpHは9.4であった。
Figure 2007016216
合成例4
窒素雰囲気下、モノマー1(0.10mol)、IBEA(イソブチルエチルアセテート、0.00020mol)を0.10M酢酸エチルを含むトルエン溶液(300mL)に溶解し、0℃でエチルアルミニウムダイクロライド(0.0010mol)を加えた。20℃に30分かけて昇温後、さらに17時間攪拌した。0℃に30分かけて降温後、モノマー7(0.014mol)を加えて、2時間攪拌した。モノマー3(0.020mol)を加え、20時間攪拌した後、モノマー2(0.0060mol)を加えて5時間攪拌した。0.1Mアンモニアメタノール溶液(30mL)加えて、反応を停止した。0.60M塩酸で洗浄後、有機層を減圧除去し、残滓をTHF(300mL)に溶解した。ヒドラジン(0.10mol)を加えて、60度で3時間攪拌後、0.1M塩酸50mLを加えて、さらに30分攪拌した。10%炭酸ナトリウム水溶液に沈殿し、析出した固体を水で洗浄した。固体をDMF1Lに溶解し、12M水酸化ナトリウム水溶液(15mL)を加えて、40℃で5時間攪拌した。溶媒を減圧除去後、残滓を水に溶解し、メタノール透析、水透析(SPECTRUM Laboratories社製、molecular porous membrane tubing(MWCO:3500))を繰り返して精製した。溶媒を減圧除去し、40℃で残滓を減圧乾燥後、ブロックポリマー9を得た。
1HNMRスペクトル、IRスペクトルより同定をおこなった。各ブロックの組成は、A:B:C:D=50:10:10:3であった。GPC(ポリスチレン標準 THF)より数平均分子量は11000、多分散度は1.20であり、5質量%水溶液でのpHは9.5であった。
Figure 2007016216
合成例5
窒素雰囲気下、モノマー1(0.10mol)、IBEA(イソブチルエチルアセテート、0.00020mol)を0.10M酢酸エチルを含むトルエン溶液(300mL)に溶解し、0℃でエチルアルミニウムダイクロライド(0.0010mol)を加えた。20℃に30分かけて昇温後、さらに17時間攪拌した。0℃に30分かけて降温後、モノマー7(0.014mol)を加えて、2時間攪拌した。モノマー3(0.020mol)を加え、20時間攪拌した後、モノマー2(0.0060mol)を加えて5時間攪拌した。分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、重合終了後に重合停止剤である2−アミノエタノールを用いて反応を停止した。反応停止後、反応液のpHが6以上となるように水で洗浄を行い、次いで減圧下溶媒を除去し個体を得た。得られた固体をDMF1Lに溶解し、12M水酸化ナトリウム水溶液(15mL)を加えて、40℃で5時間攪拌した。次に、溶媒を減圧除去後、残滓を水に溶解し、メタノール透析、水透析(SPECTRUM Laboratories社製、molecular porous membrane tubing(MWCO:3500))を繰り返して精製した。溶媒を減圧除去し、40℃で残滓を減圧乾燥後、末端置換基としてアミノ基を有するブロックポリマーを得た。化合物の同定はGPC及びNMRにより行った。ブロックポリマーの重合比は、A:B:C=50:10:10、数平均分子量は11000、Mw/Mn=1.23で、5質量%水溶液でのpHは9.7であった。
実施例1
カーボンブラック(#2600(pH6.5)、三菱化学社製)6質量部と合成例1のブロックポリマー3質量部をイオン交換水95.5質量部に加え、超音波ホモジナイザーを用いて分散させた。その後、各分散液を1μmのフィルターを通して加圧濾過し、顔料分散体を調製した。
実施例2
合成例1のブロックポリマーの代わりに合成例2のブロックポリマーを用いた以外は実施例1と同様な方法で目的とする顔料分散体を調製した。
実施例3
合成例1のブロックポリマーの代わりに合成例3のブロックポリマーを用いた以外は実施例1と同様な方法で目的とする顔料分散体を調製した。
実施例4
合成例1のブロックポリマーの代わりに合成例4のブロックポリマーを用いた以外は実施例1と同様な方法で目的とする顔料分散体を調製した。
実施例5
合成例1のブロックポリマーの代わりに合成例5のブロックポリマーを用いた以外は実施例1と同様な方法で目的とする顔料分散体を調製した。
実施例1から5で調整した顔料分散体を目視によって観察し沈殿状態を確認することにより分散安定性を評価したところ、いずれのインクにおいても沈殿や混濁は見受けられず、顔料の分散安定性は良好であった。
比較例1
実施例3のカーボンブラックに代え、カーボンブラック(pH4,商品名 FW18、Degussa Corp.製)を用いた以外は実施例3と同様な方法で目的とする顔料分散体調製した。
比較例2
合成例1のブロックポリマーの代わりに、スチレン−アクリル酸ナトリウムブロックポリマー(P447−SANa PolymerSouce社製:スチレンブロックセグメントのMn:3700、アクリル酸ナトリウムブロックセグメントのMn:11500)を用いた以外は実施例1と同様な方法で目的とする顔料分散体を調製した。
(普通紙における画像濃度)
ROD No.2のメイヤーバー(R.D.Specialties,U.S.A.社製)を用いて、普通紙(EW−500、キヤノン製)上にウエット膜厚が2.23μmとなるように実施例1から5及び比較例1、2で得られたインク組成物を塗布する事で、本発明のインク組成物により形成される画像の印刷濃度の比較を行なった。この結果、これら実施例のインク組成物により得られた画像は、比較例のインク組成物により得られた画像に比べて十分印刷濃度が濃厚であった。また、印刷画像の評価と反射濃度をRD−19I(グレタグマクベス社製)を用いて求めたところ、以下の結果となった。
実施例及び比較例の各ODは以下の表1のとおりであった。
Figure 2007016216
上記から明らかなように、本発明の実施例では普通紙において十分な画像濃度が得られた。これに対して、顔料の酸性基が高い比較例1や、アミンを含まない一般的なスチレン−アクリル系高分子である比較例2は、実施例に比べ画像濃度が数段低いものであった。
(インクジェット特性)
インクジェットプリンタにおける吐出特性およびコート紙における耐擦過性を確認する目的で、以下の実施例6から10、比較例3から5のインク組成物を調整した。
実施例6
実施例1で作成した顔料分散体66.5部に7部のグリセリン、5部のジエチレングリコール、7部のトリメチロールプロパン、0.5部のアセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)、13.5部のイオン交換水を用いて、目的とするインク組成物を調製した。
実施例7
合成例1のブロックポリマーの代わりに合成例2のブロックポリマーを用いた以外は実施例6と同様な方法で目的とするインク組成物を調製した。
実施例8
合成例1のブロックポリマーの代わりに合成例3のブロックポリマーを用いた以外は実施例6と同様な方法で目的とするインク組成物を調製した。
実施例9
合成例1のブロックポリマーの代わりに合成例4のブロックポリマーを用いた以外は実施例6と同様な方法で目的とするインク組成物を調製した。
実施例10
合成例1のブロックポリマーの代わりに合成例5のブロックポリマーを用いた以外は実施例6と同様な方法で目的とするインク組成物を調製した。
比較例3
スチレン−アクリル酸(P1361−SAA PolymerSouce社製:スチレンブロックセグメントのMn:2200、アクリル酸ブロックセグメントのMn:11500)の仕込み量を1.6質量部、カーボンブラックを6質量部として比較例2と同様な方法で分散を行った後、実施例6と同様な方法で目的とするインク組成物を調整した。
比較例4
合成例1のブロックポリマーに代え、比較的親水性が小さなスチレン−アクリル酸ナトリウム(P568−SANa PolymerSouce社製:スチレンブロックセグメントのMn:11000、アクリル酸ナトリウムブロックセグメントのMn:1240)を用いた以外は、実施例6と同様な方法でインク組成物を作成した。
次いで、実施例6から10、比較例3で得られたインク組成物を、セイコーエプソン(株)インクジェットプリンタ(商品名 PX―G900)のインクタンクに充填し、前記インクジェットプリンタを用いて5cm×5cmのベタ画像をコート紙(PR−101、キヤノン製)に記録すると、きれいに印刷ができた。次いで得られた印刷物を室温で1時間静置した後、各画像の光学濃度を光学反射濃度計(GRETAG−MACBETH AG)を用いて測定した結果は以下の表2のとおりであった。
Figure 2007016216
また、引掻き球0.5mmとしてアクリル球、荷重500g、引っ張り速度10mm/秒の条件で堅牢性試験を行った。ところ実施例においては、引っ掻きに対して、光沢紙部分である白地がほとんど発生しなかったのに対し、比較例3、4は実施例と比較して、光沢紙部分である白地が多く見られた。
従って、本発明のポリマーはいずれもインクジェットでの印字が可能であった。また、上記普通紙の評価で高い光学濃度を示した本発明のインク組成物はコート紙における耐擦過性でも優れていることがわかった。これは、コート紙上でアミンの水素結合がインク層の膜の形成に働いたためと考えられる。一方、普通紙での光学濃度を上げるために単純にインク中のポリマー量を減らした比較例では、画像の堅牢性が著しく悪くなっている。
以上の評価から、本発明のインク組成物は、コート紙上の耐擦過性を保てるだけのポリマーを含んでいても、普通紙上で高い光学濃度が実現可能なことを明らかにした。
本発明の組成物は、被記録媒体上で高い発色性と堅牢性を同時に示す画像を形成することができるので、記録物の堅牢性が向上したインクジェット記録用インク組成物に利用することができる。
インクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
20 インクジェット装置
50 CPU
52 Xモータ駆動回路
54 Yモータ駆動回路
56 X方向駆動モータ
58 Y方向駆動モータ
60 ヘッド駆動回路
62 Xエンコーダ
64 Yエンコーダ
66 プログラムメモリ
70 ヘッド

Claims (9)

  1. 疎水ブロックセグメント、イオン性親水ブロックセグメントおよびアミノ基を備えた親水性アミノブロックセグメントを含有するブロックポリマーと、表面pHが6以上である顔料及び水または水性溶媒を少なくとも含有する事を特徴とする組成物。
  2. 前記親水性アミノブロックセグメントに下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を含有する事を特徴とする請求項1記載の組成物。
    Figure 2007016216
    (式中、X1は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルカントリイル基を表し、アルカントリイル基中の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換しても良い。Aは炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、アルキレン基中の炭素原子を酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環に置換してもよく、アルキレン基中の水素原子をアミン、エステル、アミド、芳香環、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に直接置換してもよい。R1及びR2はそれぞれ水素原子、及び炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、アルキル基中の炭素原子を酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環で置換することができる。また、アルキル基中の水素原子をアミン、エステル、アミド、芳香環、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換してもよい。)
  3. 前記一般式(1)で表される繰り返し構造単位が、下記一般式(2)で表される構造単位であることを特徴とする請求項2記載の組成物。
    Figure 2007016216
    (式中、X1は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルカントリイル基を表し、アルカントリイル基中の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換しても良い。R1及びR2はそれぞれ水素原子、及び炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、アルキル基中の炭素原子を酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環で置換することができる。また、アルキル基中の水素原子をアミン、エステル、アミド、芳香環、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換してもよい。nは1から22までの整数を表す。)
  4. 前記一般式(1)の主鎖構造であるX1が少なくとも−CH2CH−の構造であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の組成物。
  5. 少なくとも疎水性ブロックセグメントに下記一般式(3)で表される繰り返し構造単位を含有し、イオン性親水ブロックセグメントに下記一般式(4)で表される繰り返し構造単位を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の組成物。
    Figure 2007016216
    (式中、X2は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルカントリイル基を表し、アルカントリイル基中の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換しても良い。R3は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキレン基、Ph、Ph−Ph、Np、Ant、−CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2、−(CH(R4)−CH(R5)−O)m−R6、−(CH2p−OR6および−(CH2p−R6から選ばれる。但し前記−Phはフェニル基、−Ph−Phはビフェニル基、−Npはナフチル基、および−Antはアントラニル基を表す。R4、R5はそれぞれ独立に水素原子もしくはCH3である。R6は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、Ph、Ph−Ph、Np、Ant、−CHO、−CO−CH=CH2または−CO−C(CH3)=CH2である。また、Ph、Ph−Ph、Np、Antの水素原子は炭素数1から4の直鎖状または分岐状のアルキル基またはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子と置換することができ、芳香族環中の炭素原子は窒素原子と置換していてもよい。mは1から18の整数、pは1から36の整数である。)
    Figure 2007016216
    (式中、X3は炭素数1から18までの直鎖状、分岐状または環状のアルカントリイル基を表し、アルカントリイル基中の水素原子はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換しても良い。Gは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、アルキレン基中のメチレン部分は、エーテル、エステル、アミド、芳香環を含んでも良く、アルキレン基中の炭素原子に、アミン、エステル、アミド、芳香族環、及びフッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子を置換してもよい。Jはカルボン酸またはスルホン酸またはそれらの塩を表す。)
  6. 前記ブロックポリマーのブロックセグメント構造が、末端から、イオン性親水ブロックセグメント、親水性アミンブロックセグメント、疎水性ブロックセグメントの順に結合しているトリブロックポリマー構造であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の組成物。
  7. 前記ブロックポリマーはさらにノニオン性親水ブロックセグメントを含有し、該ブロックポリマーのブロックセグメント構造が、末端から親水性アミンブロックセグメント、イオン性親水ブロックセグメント、ノニオン性親水ブロックセグメント、疎水性ブロックセグメントの順に結合しているテトラブロックポリマー構造であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の組成物。
  8. 前記ノニオン性親水ブロックセグメントは、下記一般式(5)で表される繰り返し構造単位を含有する事を特徴とする請求項7記載の組成物。
    Figure 2007016216
    (式中、X4はポリアルケニル基を表す。Kは炭素原子数1から15までの直鎖状または分岐状の置換されていても良いアルキレン基を表す。qは1から50までの整数を表す。R7は水素原子、−CH3または−C25を表す。)
  9. ブロックセグメント構造が、末端から、イオン性親水ブロックセグメント、ノニオン性親水ブロックセグメント、疎水性ブロックセグメントの順に結合している構造を有するとともに、該イオン性親水ブロックセグメントの主鎖の末端に下記一般式(6)で表される主鎖末端置換基を有しているブロックポリマーと、表面pHが6以上である顔料及び水または水性溶媒を少なくとも含有する事を特徴とする組成物。
    Figure 2007016216
    (式中、Pは前記ブロックポリマーPを意味し、式中のAは炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、アルキレン基中の炭素原子を酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環に置換してもよく、アルキレン基中の水素原子をアミン、エステル基、アミド基、アリーレン基、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に置換してもよい。R1及びR2はそれぞれ水素原子、または、炭素原子数1から45までの直鎖状または分岐状のアルキル基を示し、アルキル基中の炭素原子は酸素原子、硫黄原子、アミン、エステル、アミド、芳香族環で置換することができる。また、アルキル基中の水素原子をアミン、エステル、アミド、アリーレン、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子に直接置換してもよい。)
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