JP2007014428A - 金属製針 - Google Patents

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勝蔵 岡田
Masamori Shiozawa
全司 塩沢
Kazuyoshi Ishida
和義 石田
Masaaki Sano
正明 佐野
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Abstract

【課題】 針を体の内部に刺し入れる時の刺入抵抗力を小さくすることで、痛みを和らげることができる金属製針を提供する。
【解決手段】 ステンレス鋼もしくはタングステンあるいはタングステン合金からなる針本体2の表面に、表面粗さRa=0.2〜2.2μmの範囲内、好ましくはRa=1.73μm付近となるように粗面3が形成されてなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、皮膚から針を刺し入れた時の刺入抵抗力を従来の針より小さくして、痛みを和らげるようにした金属製針に関する。
従来から医療用の針としては金属製のものが広く使われており、これら金属製針を皮膚から体の内部に刺し入れた時の痛みをできるだけ和らげるために、針の表面をできるだけ平滑に加工してあるものが多い。
ところで、針が体の内部に刺し込まれる時に感じる痛みは、針の先端で皮膚を突き破って体内に突き進むときの刺入抵抗力の大きさに依存すると考えられる。そして、刺入抵抗力は、一つの要因として注射針の表面の凹凸、即ち針の表面粗さに因るところが大きく、表面粗さが大きくなると皮膚を切り裂いていくときの摩擦力が大きくなって刺入抵抗力も増大することになる。しかし、他の要因として針を体内に刺し入れる際に、針表面の凹みに吸着される体内の水分があり、この水分によって針を刺し入れる際の摩擦によって生じる凝着力を低下させるものと考えられる。このように、刺入抵抗力は、針表面の凹凸によって生じる摩擦力と凝着力との複合的効果として現われるものと推測される。そのため、従来の針のように、針の表面を極力平滑になるよう加工した場合は、摩擦力を低減できるものの、針表面への水分の吸着が少なくなって凝着力が増大してしまうためにトータルとしては刺入抵抗力が大きくなってしまい、期待したほど痛みを低減することができなかった。
従来、針の表面に凹凸を設けたものとして、例えば表面粗さをRa=1.5μm以下としたセラミック被覆針が知られている(特許文献1)。しかしながら、ここに開示されたセラミック被覆針は、ステンレス鋼や高張力鋼などの鉄系金属の表面に所定の表面粗さを有するセラミックを被覆したものであるため、セラミックの性質上、針表面に形成された凹凸の角部が鋭角になり易い。そのために、針を刺し入れる際の摩擦力が非常に大きくなってしまし、針表面の凹部に吸着された水分によって凝着力をある程度低減できることの効果を考慮しても、刺入抵抗力が大きなものとなっていた。
特開2004―194516号公報
そこで、本発明は、針を皮膚から体の内部に刺し入れる時の刺入抵抗力を小さくすることで、痛みを和らげることができる金属製針を提供することを目的とする。
本発明者らは、金属製針の表面を平滑にして表面粗さが非常に小さい場合よりも多少大きめの所定の範囲内にある時の方が刺入抵抗力が小さくなることを見出して本発明に至ったものである。
本発明の金属製針は、針本体の表面が、表面粗さRa=0.2〜2.2μmの範囲となるように粗面加工されてなることを特徴としており、特に前記表面粗さRa=1.73μm付近にあることが好ましい。
また、前記粗面形成は、ステンレス鋼もしくはタングステンあるいはタングステン合金からなる金属針の表面に粗面加工、一例では放電加工を施すことによって所定の表面粗さとすることを特徴とする。
本発明に係る金属製針によれば、表面を適度な表面粗さとすることによって刺入抵抗力を大幅に低減させることができ、これを医療用針として使用した場合に刺入時の痛みを和らげることができる。
以下、本発明に係る金属製針の実施形態を、図面を参照しながら以下説明する。
図1に示されるように、本発明に係る金属製針1は、ステンレス鋼やタングステンあるいはタングステン合金などからなる金属製の針本体2の表面に凹凸状の粗面3を形成したものである。図1に例示した金属製針1は薬液を注入するための中空部4が設けられた注射針であるが、本発明の金属製針は注射針の他に、鍼術に用いられる鍼など広く医療用針に適用されるものである。また、金属製針の形状は、図1に示したように円筒形の先端を斜めにカットしたもの、鍼術に用いられる鍼のように先端が平らになっているもの、縫い針やビーズ針のように先端が鋭く尖っているものなどにも適用される。
針本体2の表面に形成される粗面3の大きさは、表面粗さがRa=0.2〜2.2μmの範囲が好ましい。これは、Ra=0.2μm未満では針表面の凹凸が小さいため体内の水分を針表面の凹部に十分に吸着させることができず、一方、Ra=2.2μmより大きくなると刺入時の摩擦力が大きくなりすぎるからである。特に好ましいのはRa=2.17μm付近である。
刺入抵抗力と針の表面粗さとの関係は図2に示すような概念図によって説明することができる。曲線(1)は針表面の凹凸と刺入時の摩擦力との関係を示したもので、凹凸が大きくなるのに伴って摩擦力も一緒に増大するものと考えられる。曲線(2)は針表面の凹凸と刺入時の凝着力との関係を示したもので、凹凸が大きくなり凹部に吸着される水分量が次第に増えるのとは逆に凝着力が次第に低下するものと考えられる。凝着力は、主に針を皮膚に刺して体内に押し込んで行く時に針表面に生じるものである。実測される刺入抵抗力は、前記曲線(1)の摩擦力と曲線(2)の凝着力とをプラスしたものと考えられ、曲線(1)+(2)のようなカーブで示される。この時の最小刺入抵抗力がRa=1.73μm付近に存在するものと推測される。
針本体2の表面に形成される粗面3は、放電加工法によって形成することができる。この放電加工法は、一般的な放電加工機を用いて行うことができ、絶縁性を有する液体中で電極と工作物である針本体2との間にアーク放電を発生させ、その熱を利用して針本体2の表面を溶融する熱加工である。この放電加工法は、取り扱いが比較的容易であると共に粗面3の制御もし易いので、針のような細くて表面積の小さい工作物の表面加工法としては好ましい。なお、放電加工法の他、化学エッチング法、その他の加工法などによっても粗面3を形成することができる。
(1)試料の作製
長さ20mm、直径2.0mmのステンレス製のビーズ針を針本体として用いる。放電加工する前にビーズ針の表面の凹凸を表面粗さ計で測定したところ、Ra=0.03μmであった。このビーズ針を所定の条件で放電加工(ドレッシング法)し、表面粗さの異なる複数の試料を作製した。作製した各試料の表面粗さは、それぞれRa=0.19μm、0.26μm、0.45μm、1.10μm、1.73μm、2.17μm、2.40μmの7種類である。ビーズ針を放電加工した前記7種類の試料と、既製品のビーズ針をそのまま試料として加えた計8種類の試料(試料番号1〜8)を表1に示す。図3及び図4は本実験で用いたビーズ針(試料8)と、放電加工済み針(試料6)のそれぞれの形状および表面状態を示す顕微鏡写真である。(a)の図は針の全体形状、(b)の図は針の先端形状、そして(c)の図は針の最大直径部を拡大したものである。これらの図からも明らかのように、両者の表面状態は明らかに異なるものである。
(2)実験方法
上記各試料を食用ガエルの筋肉に刺し入れ、そのときの刺入抵抗力を検討した。筋肉は食用ガエルから摘出して6時間後のものを用いた。また、刺入抵抗力はそれぞれの試料について、筋肉に1.0mm刺し入れた時、2.0mm刺し入れた時、3.0mm刺し入れた時のデータをそれぞれ求めた。
図5は、刺込抵抗力を測定するための装置の概略図である。この測定装置10は荷重計11と変位計12とを備え、荷重計11の先端に試料針13を取り付け、測定台14の上にセットされた食用ガエルの筋肉15に前記荷重計11を下ろして試料針13の先端を刺し入れ、そのときの刺入深さと刺入抵抗値とを測定するものである。
<実験例>
以下、表面粗さの異なる8種類の金属製針(試料1〜8)ついて、針の表面粗さによる刺入抵抗力の相違を検討した。
(1)針の表面粗さに対する刺入抵抗力の特性実験
針の表面粗さの違いが刺入抵抗力にどのように影響するかを刺入深さ1.0mm、2.0mm、3.0mmのそれぞれについて検討した。
図6は表面粗さの異なる各試料1〜8について刺入抵抗力を測定した結果を示したグラフであり、刺入深さ1.0mm、2.0mm、3.0mmの3点について測定したものである。なお、各折れ線の上下の細い破線は、測定データの最大値と最小値を示すものである。このグラフから、いずれの刺入深さにおいても表面粗さRa=1.73μm付近に刺入抵抗力の最小値があり、この最小値は刺入深さが増加するのに伴って顕著な低下が確認できた。また、表面粗さが0.26〜2.17μm(試料3〜7)の間では、既製品のビーズ針を含む試料1,2,8に対して、いずれの刺入深さにおいても刺入抵抗力が小さいことが確認された。
(2)刺入深さに対する刺入抵抗力の特性実験
試料1(表面粗さRa=0.03μm)と試料6(表面粗さRa=1.73μm)とを用いて、刺入深さが次第に増加していく時の刺入抵抗力の変化について検討した。
図7は表面粗さの異なる2種類の試料1,6について、刺入深さ0〜4mmの間で刺入抵抗力を測定した結果を示したグラフである。このグラフから刺入深さが1mm付近から刺入抵抗力に相違が見られるようになり、刺入深さが3mmあるいは4mm付近まで増加するとその違いが顕著となる。一般に、注射針を体の内部に刺し入れる場合、痛みとして感じるのは針先が3〜4mmに達するまでと考えられている。したがって、この距離付近で刺入抵抗力が大幅に低下することは、痛みを和らげるのに非常に効果的となる。
本発明は、医療現場や健康診断の時などに使用される注射針や鍼術に使用される鍼などに利用できる点において産業上の利用可能性を有する。
本発明に係る金属製針の一実施形態を示す断面図である。 刺入抵抗力と針の表面粗さとの関係を示す概念図である。 試料1の形状及び表面状態を示す顕微鏡写真である。 試料6の形状及び表面状態を示す顕微鏡写真である。 刺入抵抗力を測定する装置の概略図である。 針の表面粗さに対する刺入抵抗力の特性を示すグラフである。 刺入深さに対する刺入抵抗力の特性を示すグラフである。
符号の説明
1 金属製針
2 針本体
3 粗面
4 中空部

Claims (4)

  1. 針本体の表面が、表面粗さRa=0.2〜2.2μmの範囲となるように粗面加工されてなることを特徴とする金属製針。
  2. 前記表面粗さが好ましくはRa=1.73μm付近であることを特徴とする請求項1記載の金属製針。
  3. 前記針本体がステンレス鋼もしくはタングステンあるいはタングステン合金からなることを特徴とする請求項1記載の金属製針。
  4. 前記針本体の表面が放電加工により所定の表面粗さとなることを特徴とする請求項1記載の金属製針。
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