JP2007012898A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 漏れ電流が小さい固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】 この固体電解コンデンサでは、ニオブ粒子の多孔質焼結体からなる直方体状の基体1aと陽極リード1bとからなる陽極1上に、基体1aの周囲を覆うように形成された、酸化ニオブからなる酸化物層2と窒化ニオブからなる窒化物層3とが積層されている。窒化物層3上には、窒化物層3の周囲を覆うようにポリピロールからなる導電性高分子層4と、カーボン粒子を含む第1導電層5aおよび第1導電層5aの周囲を覆うように形成された銀粒子を含む第2導電層5bが積層された陰極5とが順次形成されている。陰極5の上面には、導電性接着剤層6を介して陰極端子7が形成され、陽極リード1b上には、陽極端子8が接続されている。そして、陰極端子7および陽極端子8の端部が外部に引き出されるように、陰極5、陰極端子7および陽極端子8の周囲には、モールド外装樹脂9が形成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
近年、固体電解コンデンサの小型化および高容量化が要求されており、従来の酸化アルミニウムや酸化タンタルを誘電体として用いる代わりに、誘電率が大きい酸化ニオブや酸化チタンを用いる固体電解コンデンサが提案されている。これらの酸化ニオブや酸化チタンを用いる固体電解コンデンサでは、リフロー工程などの熱処理によって、静電容量などの特性が変化しやすいので、これを改善するためにいくつかの素子構造を有する固体電解コンデンサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図6は、従来の固体電解コンデンサの構造を説明するための断面図である。図6を参照して、従来の固体電解コンデンサの構造について説明する。
従来の固体電解コンデンサでは、図6に示すように、陽極101は、ニオブ粒子の多孔質焼結体からなる直方体状の基体101aと、基体101aに一部が埋め込まれた陽極リード101bとから構成されている。基体101a上には、基体101aの周囲を覆うように形成された、酸化ニオブからなる酸化物層102が形成されている。そして、酸化物層102内には、窒化ニオブからなる窒化物領域103が形成されている。ここで、酸化物層102は、いわゆる誘電体層として機能する。
酸化物層102上には、酸化物層102の周囲を覆うようにポリピロールなどからなる導電性高分子層104が形成されている。ここで、導電性高分子層104は、いわゆる電解質層として機能する。導電性高分子層104上には、導電性高分子層104の周囲を覆うように形成されたカーボン粒子を含む第1導電層105aと、第1導電層105aの周囲を覆うように形成された銀粒子を含む第2導電層105bとが積層された陰極105が形成されている。
陰極105の周囲のうち上面には、導電性接着剤層106が形成され、さらに導電性接着剤層106上には、陰極端子107が形成されている。基体101aから露出した陽極リード101b上には、陽極端子108が接続されている。また、陰極端子107および陽極端子108の端部が外部に引き出されるように、陰極105、陰極端子107および陽極端子108の周囲には、モールド外装樹脂109が形成されている。これにより、従来の固体電解コンデンサが構成されている。
図7〜図9は、従来の固体電解コンデンサの形成プロセスを説明するための断面図である。図7〜図9を参照して、次に、上記のような構造を有する従来の固体電解コンデンサの形成プロセスについて説明する。
まず、図7に示すように、ニオブ粒子の多孔質焼結体からなる直方体状の基体101aと陽極リード101bとを備える陽極1を形成する。多孔質焼結体の形成は、陽極リード101bの一部を埋め込んだニオブ粒子からなる成形体真空中で熱処理することにより行う。次に、基体101aを窒素雰囲気中で約300℃、約5分間熱処理することにより基体101a上に窒化ニオブからなる窒化物層103を形成する。
次に、陽極101を水溶液中において陽極酸化を行うことにより、図8に示すように、基体101aの周囲を覆うように、基体101a上に酸化ニオブからなる酸化物層102を形成する。このとき、基体101a上に形成されていた窒化物層103は、酸化物層102の内部に取り込まれ、酸化物層102内部には、窒化物領域が形成される。
次に、図9に示すように、重合などにより酸化物層102の周囲を覆うように、酸化物層102上にポリピロールなどからなる導電性高分子層104を形成する。また、導電性高分子層104の周囲を覆うように、導電性高分子層104上に、カーボンペーストを塗布し、乾燥することによりカーボン粒子を含む第1導電層105aを形成した後、第1導電層105aの周囲を覆うように、第1導電層105a上に銀ペーストを塗布し、乾燥することにより銀粒子を含む第2導電層105bを形成する。これにより、導電性高分子層104の周囲を覆うように第1導電層105aおよび第2導電層105bが積層された陰極105を形成する。
次に、陰極端子107上に導電性接着剤を塗布した後、この導電性接着剤を介して陰極105の周囲のうち上面に陰極端子107とを接着する。さらに、導電性接着剤を乾燥を行うことにより、陰極105と陰極端子107とを接続する導電性接着剤層106を形成する。また、陽極端子108を基体101aから露出している陽極リード101b上に溶接する。さらに、陰極端子107および陽極端子108の端部が外部に引き出されるように、陰極105、陰極端子107および陽極端子108の周囲にモールド外装樹脂109を形成する。このようにして、図6に示すように、従来の固体電解コンデンサが作製される。
従来の固体電解コンデンサでは、誘電体層として機能する酸化物層102内部に窒化物領域を形成することにより、静電容量の変動を抑えることができる。
特開平11−329902号公報
しかしながら、上記した従来の固体電解コンデンサにおいても、リフロー工程などの熱処理の際に増加する漏れ電流を抑制することができないという問題点があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、
この発明の1つの目的は、漏れ電流が小さい固体電解コンデンサを提供することである。
この発明のもう1つの目的は、漏れ電流が小さい固体電解コンデンサの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による固体電解コンデンサは、陽極上に形成された金属の酸化物層と、酸化物層上に形成された金属の窒化物層と、窒化物層上に形成された導電性高分子層と、導電性高分子層上に形成された陰極とを備える。
この第1の局面による固体電解コンデンサでは、上記のように、誘電体層として機能する金属の酸化物層と電解質層として機能する導電性高分子層との間に、化学的に安定で、かつ、硬くて熱膨張しにくい、金属の窒化物層が形成されているので、リフロー工程などの熱処理の際に導電性高分子層の熱膨張によって酸化物層に作用する応力を緩和することができる。これにより、酸化物層中にクラックが発生しにくいので、漏れ電流の増加を抑制することができる。したがって、この第1の局面においては、漏れ電流の小さい固体電解コンデンサを容易に得ることができる。
上記第1の局面による固体電解コンデンサにおいて、好ましくは、窒化物層は、タンタル、ニオブ、チタンおよびタングステンからなるグループより選択される少なくとも1種の金属の窒化物を含む。このように構成すれば、窒化物層はさらに熱膨張しにくいので、熱処理の際に酸化物層に作用する応力をより一層緩和することができる。これにより、酸化物層中のクラックの発生をさらに抑制することができる。
また、この発明の第2の局面による固体電解コンデンサの製造方法は、陽極上に金属の酸化物層を形成する工程と、酸化物層上に金属の窒化物層を形成する工程と、窒化物層上に導電性高分子層を形成する工程と、導電性高分子層上に陰極を形成する工程とを備え、窒化物層を形成する工程は、金属錯体を含む溶液を酸化物層の表面に付着させる第1工程と、第1工程の後、酸化物層を窒素雰囲気中で熱処理する第2工程とを含む。
この第2の局面による固体電解コンデンサの製造方法では、上記のように、酸化物層表面に金属錯体を含む溶液を付着させ、さらに、この酸化物層を窒素雰囲気中で熱処理しているので、この金属錯体を容易に分解し、錯体中の金属を窒化することができる。これにより、誘電体層として機能する金属の酸化物層と電解質層として機能する導電性高分子層との間に、化学的に安定で、かつ、硬くて熱膨張しにくい、金属の窒化物層を容易に形成することができる。その結果、リフロー工程などの熱処理の際に導電性高分子層の熱膨張によって酸化物層に作用する応力を緩和することができるので、酸化物層中にクラックが発生しにくく、漏れ電流の増加を抑制することができる。したがって、この第2の局面においては、漏れ電流の小さい固体電解コンデンサを容易に製造することができる。
上記第2の局面による固体電解コンデンサの製造方法において、好ましくは、第2工程における熱処理温度は、200℃〜600℃の範囲である。このように構成すれば、緻密で均一な窒化物層を酸化物層上に形成することができるので、酸化物層中にクラックがさらに発生しにくく、漏れ電流の増加をより一層抑制することができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例1による固体電解コンデンサの構造を説明するための断面図である。
本発明の実施例1による直方体状の固体電解コンデンサでは、図1に示すように、陽極1は、約2μmの平均粒径を有するニオブ粒子の多孔質焼結体からなる直方体状の基体1aと、基体1aに一部が埋め込まれた陽極リード1bとから構成されている。基体1a上には、基体1aの周囲を覆うように形成された、酸化ニオブからなる酸化物層2と、酸化物層2の周囲を覆うように形成された窒化ニオブからなる窒化物層3とが積層されている。窒化物層3上には、窒化物層3の周囲を覆うようにポリピロールからなる導電性高分子層4が形成されている。ここで、酸化物層2は、いわゆる誘電体層として機能する。また、窒化物層3および導電性高分子層4は、いわゆる電解質層として機能する。
導電性高分子層4上には、導電性高分子層4の周囲を覆うように形成されたカーボン粒子を含む第1導電層5aと、第1導電層5aの周囲を覆うように形成された銀粒子を含む第2導電層5bとが積層された陰極5が形成されている。
陰極5の周囲のうち上面には、導電性接着剤層6が形成され、さらに導電性接着剤層6上には、陰極端子7が形成されている。基体1a、酸化物層2および窒化物層3から露出した陽極リード1b上には、陽極端子8が接続されている。また、陰極端子7および陽極端子8の端部が外部に引き出されるように、陰極5、陰極端子7および陽極端子8の周囲には、モールド外装樹脂9が形成されている。これにより、本発明の実施例1による固体電解コンデンサが構成されている。
図2〜図4は、本発明の実施例1による固体電解コンデンサの形成プロセスを説明するための断面図である。図2〜図4を参照して、次に、上記のような構造を有する本発明の実施例1による固体電解コンデンサの形成プロセスについて説明する。
まず、図2に示すように、約2μmの平均粒径を有するニオブ粒子の多孔質焼結体からなる約3.3mm×約2.7mm×約1.7mmの直方体状の基体1aと陽極リード1bとを備える陽極1を形成した。多孔質焼結体の形成は、陽極リード1bの一部を埋め込んだニオブ粒子からなる成形体真空中で熱処理することにより行った。次に、陽極1を約60℃に保持した約0.5wt%のリン酸水溶液中において約10Vの定電圧で約8時間陽極酸化を行うことにより、基体1aの周囲を覆うように、酸化ニオブからなる酸化物層2を形成した。
次に、酸化物層2が形成された陽極1をヘキサフルオロニオブ酸アンモニウム溶液に浸漬した後、この陽極1を窒素雰囲気中で約300℃、約30分間熱処理することにより、図3に示すように、酸化物層2の周囲を覆うように、窒化ニオブからなる窒化物層3を形成した。
次に、図4に示すように、重合などにより窒化物層3の周囲を覆うように、窒化物層3上にポリピロールからなる導電性高分子層4を形成した。また、導電性高分子層4の周囲を覆うように、導電性高分子層4上に、カーボンペーストを塗布し、約80℃で約30分間乾燥することによりカーボン粒子を含む第1導電層5aを形成した後、第1導電層5aの周囲を覆うように、第1導電層5a上に銀ペーストを塗布し、約170℃で約30分間乾燥することにより銀粒子を含む第2導電層5bを形成した。これにより、導電性高分子層4の周囲を覆うように第1導電層5aおよび第2導電層5bが積層された陰極5を形成した。
次に、表面をニッケルめっきした約0.1mmの厚さを有する鉄箔からなる陰極端子7上に導電性接着剤を約2mg塗布した後、この導電性接着剤を介して陰極5の周囲のうち上面に陰極端子7とを接着した。さらに、陰極5と陰極端子7とで導電性接着剤を押圧しながら約60℃の温度で約30分間乾燥を行うことにより、陰極5と陰極端子7とを接続する導電性接着剤層6を形成した。また、表面をニッケルめっきした約0.1mmの厚さを有する鉄箔からなる陽極端子8を基体1a、酸化物層2および窒化物層3から露出している陽極リード1b上に溶接した。さらに、陰極端子7および陽極端子8の端部が外部に引き出されるように、陰極5、陰極端子7および陽極端子8の周囲にモールド外装樹脂9を形成した。このようにして、図1に示すように、実施例1による固体電解コンデンサを作製した。
図5は、本発明の実施例1の固体電解コンデンサについて、X線光電子分光法(ESCA)による測定結果を示す図である。なお、本測定は、窒化物層3を形成した後、導電性高分子層4を形成する前に行った。図5において、縦軸は、元素の含有量(原子%)を示し、横軸は、窒化物層3の表面からの深さを示している。
図5に示すように、本発明の実施例1の固体電解コンデンサでは、表面から約10nmの領域には、ニオブおよび窒素を主成分とし、酸素をほとんど含んでいない窒化ニオブからなる窒化物層3が形成されている。窒化物層3の内側には、約30nmの厚みを有し、ニオブおよび酸素を主成分とする酸化ニオブからなる酸化物層2が形成されており、この酸化物層2には、窒素はほとんど含まれていない。そして、酸化物層2の内側である表面から約40nm以上の深さの領域は、主にニオブから構成されており、酸素および窒素を含んでいないことから、基体1aと考えられる。このように、本発明の実施例1による固体電解コンデンサでは、基体1aの表面に、約30nmの膜厚を有する酸化ニオブからなる酸化物層2と酸化物層2上に形成された約10nmの膜厚を有する窒化ニオブからなる窒化物層3が積層されていることがわかった。
(実施例2)
実施例2では、実施例1のニオブ粒子の多孔質焼結体からなる基体1aに代えて、アルミニウムを約0.5wt%含むニオブ合金粒子の多孔質焼結体からなる基体1aとする以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。
(実施例3)
実施例3では、実施例1の窒化ニオブからなる窒化物層3に代えて、窒化タンタルからなる窒化物層3とする以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。ここで、窒化タンタルからなる窒化物層3は、実施例1において、陽極1をヘキサフルオロニオブ酸アンモニウム溶液に浸漬した後、熱処理して形成したことに代えて、ヘプタフルオロタンタル酸カリウム溶液に浸漬した後、実施例1と同様に、窒素雰囲気中で約300℃、約30分間熱処理することにより形成した。
(実施例4)
実施例4では、実施例1の窒化ニオブからなる窒化物層3に代えて、窒化チタンからなる窒化物層3とする以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。ここで、窒化チタンからなる窒化物層3は、実施例1において、陽極1をヘキサフルオロニオブ酸アンモニウム溶液に浸漬した後、熱処理して形成したことに代えて、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム溶液に浸漬した後、実施例1と同様に、窒素雰囲気中で約300℃、約30分間熱処理することにより形成した。
(実施例5)
実施例5では、実施例1の窒化ニオブからなる窒化物層3に代えて、窒化タングステンチタンからなる窒化物層3とする以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。ここで、窒化タングステンからなる窒化物層3は、実施例1において、陽極1をヘキサフルオロニオブ酸アンモニウム溶液に浸漬した後、熱処理して形成したことに代えて、トリアミンタングステン酸トリカルボニル溶液に浸漬した後、実施例1と同様に、窒素雰囲気中で約300℃、約30分間熱処理することにより形成した。
(比較例1)
比較例1では、上記従来の固体電解コンデンサを作製した。即ち、まず、約2μmの平均粒径を有するニオブ粒子の多孔質焼結体からなる基体101aを窒素雰囲気中で約600℃、約5分間熱処理することにより基体101a上に窒化ニオブからなる窒化物層103を形成した。次に、この陽極101を約60℃に保持した約0.5wt%のリン酸水溶液中において約10Vの定電圧で約8時間陽極酸化を行うことにより、基体101aの周囲を覆うように、基体101a上に酸化ニオブからなる酸化物層102を形成した。このとき、基体101a上に形成されていた窒化物層103は、酸化物層102の内部に取り込まれ、酸化物層102内部には、窒化物領域が形成される。そして、導電性高分子層104や陰極105などのその他の構成については、実施例1と同様に形成することにより、比較例1による固体電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
比較例2では、実施例1の窒化ニオブからなる窒化物層を形成せずに、酸化物層2上に直接導電性高分子層を形成する以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。
(評価1)
次に、上記実施例1〜5および比較例1、2による固体電解コンデンサに対して、漏れ電流の測定を行った。漏れ電流の測定は、作製した各固体電解コンデンサを約300℃、約5分間熱処理した後、陰極端子および陽極端子の間に約4Vの定電圧を印加し、約20秒後に観察される電流値をそれぞれ測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2007012898
表1に示すように、比較例1、2の固体電解コンデンサでは、約500μA以上の漏れ電流が観察されるのに対して、いずれの実施例の固体電解コンデンサにおいても、比較例1の半分以下にまで漏れ電流が低減していることがわかった。
(実施例6)
実施例6では、実施例1の窒化物層3を形成する際の熱処理温度が約300℃であったのに代えて、約100℃〜約700℃の範囲でそれぞれ熱処理する以外は、実施例1と同様に固体電解コンデンサを作製した。
次に、評価1と同様に、作製した各固体電解コンデンサを約300℃、約5分間熱処理した後、陰極端子および陽極端子の間に約4Vの定電圧を印加し、約20秒後に観察される電流値をそれぞれ測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2007012898
表2に示すように、いずれの固体電解コンデンサにおいても、上記比較例1よりも漏れ電流が小さくなっていた。特に、窒化物層3を形成する際の熱処理温度が約200℃〜約600℃の範囲では、漏れ電流は比較例1の半分以下にまで低減していることがわかった。
なお、今回開示された実施例は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、実施例では、窒化物層3は、金属錯体を含む溶液を酸化物層の表面に付着させた後、窒素雰囲気中で熱処理することにより形成されたが、本発明はこれに限定されるものではなく、アンモニアガスなどの窒素含有ガス中で熱処理してもよい。
また、上記実施例では、ポリピロールからなる導電性高分子層4を形成したが、本発明はこれに限らず、ポリチオフェンやポリアニリンなどの他の導電性高分子を用いてもよい。
また、上記実施例では、基体1aとして、ニオブ粒子またはニオブ合金粒子の多孔質焼結体を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、タンタル、ニオブ、チタンなどの弁作用金属またはこれらの金属を含む合金からなる粒子の多孔質焼結体であってもよく、また、多孔質焼結体状の基体1aでなくとも、のべ板状、箔状の基体であってもよい。
本発明の実施例1による固体電解コンデンサの構造を説明するための断面図である。 本発明の実施例1による固体電解コンデンサの形成プロセスの第1工程を説明するための断面図である。 本発明の実施例1による固体電解コンデンサの形成プロセスの第2工程を説明するための断面図である。 本発明の実施例1による固体電解コンデンサの形成プロセスの第3工程を説明するための断面図である。 本発明の実施例1の固体電解コンデンサについて、X線光電子分光法(ESCA)による測定結果を示す図である。 従来の固体電解コンデンサの構造を説明するための断面図である。 従来の固体電解コンデンサの形成プロセスの第1工程を説明するための断面図である。 従来の固体電解コンデンサの形成プロセスの第2工程を説明するための断面図である。 従来の固体電解コンデンサの形成プロセスの第3工程を説明するための断面図である。
符号の説明
1 陽極
1a 基体
1b 陽極リード
2 酸化物層
3 窒化物層
4 導電性高分子層
5 電極
5a 第1導電層
5b 第2導電層
6 導電性接着剤層
7 陰極端子
8 陽極端子
9 モールド外装樹脂

Claims (4)

  1. 陽極上に形成された金属の酸化物層と、
    前記酸化物層上に形成された金属の窒化物層と、
    前記窒化物層上に形成された導電性高分子層と、
    前記導電性高分子層上に形成された陰極とを備える、固体電解コンデンサ。
  2. 前記窒化物層は、タンタル、ニオブ、チタンおよびタングステンからなるグループより選択される少なくとも1種の金属の窒化物を含む、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 陽極上に金属の酸化物層を形成する工程と、
    前記酸化物層上に金属の窒化物層を形成する工程と、
    前記窒化物層上に導電性高分子層を形成する工程と、
    前記導電性高分子層上に陰極を形成する工程とを備え、
    前記窒化物層を形成する工程は、
    金属錯体を含む溶液を前記酸化物層の表面に付着させる第1工程と、
    前記第1工程の後、前記酸化物層を窒素雰囲気中で熱処理する第2工程とを含む、固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記第2工程における熱処理温度は、200℃〜600℃の範囲である、請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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