JP2007012705A - 窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 窒化ガリウム系化合物半導体と格子整合性の高い二硼化物単結晶の基板上に、初期成長から2次元の層状成長を実現し、極性を制御し、反位領域の発生や積層欠陥を低減した高品質、低転位の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法を提供すること。
【解決手段】 窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は、化学式XB2(XはTi,Mg,Al,HfおよびZrのうち少なくとも1種を含む。)で表される二硼化物単結晶から成る基板上に、化学式Ga1−x−yInyAlxN(0≦x+y≦1,x≧0,y≧0)で表される窒化ガリウム系化合物半導体を成長させる成長方法であって、窒化ガリウム系化合物半導体の成長工程においてGa,Al,Inの少なくともいずれか1種の原料とV族元素原料とを交互に供給する。
【選択図】 図1
【解決手段】 窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は、化学式XB2(XはTi,Mg,Al,HfおよびZrのうち少なくとも1種を含む。)で表される二硼化物単結晶から成る基板上に、化学式Ga1−x−yInyAlxN(0≦x+y≦1,x≧0,y≧0)で表される窒化ガリウム系化合物半導体を成長させる成長方法であって、窒化ガリウム系化合物半導体の成長工程においてGa,Al,Inの少なくともいずれか1種の原料とV族元素原料とを交互に供給する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、極性を制御し、反位領域境界や積層欠陥を低減した平坦性に優れた高品質の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法に関する。
窒化ガリウム(GaN),窒化インジウム(InN),窒化アルミニウム(AlN)等の窒化ガリウム系化合物半導体(窒化物系化合物半導体)は、直接遷移型の化合物半導体であり、また広いバンドギャップ(ワイドバンドギャップ)を持つため、青色光、青紫色光または紫色光の発光ダイオードやレーザダイオードなどの発光素子、フォトディテクターや火炎センサーなどの受光素子として利用されている。
また、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor),MESFET(Metal-Semiconductor FET),MISFET(Metal-Insulator-Semiconductor FET),高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility transistor)などの電子素子では、窒化ガリウム系化合物半導体はGaAsに近いキャリア輸送特性を有し、ワイドバンドギャップを持ち、破壊電界が高いことから、高周波高出力トランジスタの材料として有望視されている。
特に、近年では青色発光素子,紫色発光素子,紫外発光素子などの窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光素子からの光を受け、光を発する蛍光体および燐光体を設けた固体照明装置の開発が進んでいる。このような固体照明装置では、発光素子の発光効率、蛍光体および燐光体の発光効率を向上させることが重要課題となっている。
発光素子の発光効率を向上させるには、内部量子効率を向上させることが重要であり、そのためには非発光再結合中心となる結晶欠陥を低減した窒化ガリウム系化合物半導体を成長させる必要がある。
窒化ガリウム系化合物半導体の結晶成長において、窒化ガリウム系化合物半導体と格子整合性の高い良質な基板が実現していないため、サファイア基板や窒化珪素(6H−SiC:六方晶SiC)基板などの格子整合性が高いとはいえない異種材料の単結晶から成る基板を用いている。因みに、サファイア基板とGaNでは格子不整合が13.8%、熱膨張係数差が3.2×10−6/Kあり、6H−SiC基板とGaNでは格子不整合が3.4%、熱膨張係数差が1.7×10−6/Kある。
これら格子不整合の大きい基板を用いたGaNのエピタキシャル成長においては、基板とGaNとの間に歪みを緩和するための緩衝層(バッファ層)を挿入形成する構成が用いられている。具体的には、例えばサファイア基板上にGaNを成長させる場合、低温でAlNもしくはGaNのバッファ層を成長させた後、GaNを成長させる方法が採られている。この場合、サファイア基板上に低温堆積させたAlNもしくはGaNのバッファ層は、ほとんどアモルファス状態で堆積する。その後、昇温過程において結晶化し、柱状組織を形成する。次に、柱状組織が形成されたAlNもしくはGaNのバッファ層上に、GaNが柱状組織の隙間や凹凸を埋め込むようにして成長し、上面が平坦なGaN層が成長する。
従って、上記のGaNの成長過程では、初期成長は3次元の島状成長から始まり、最終的に2次元の層状成長になる。そのため、砒化ガリウム(GaAs)基板上にGaAsを成長させるようなホモエピタキシャル成長にみられる、初期成長から2次元の層状成長である成長過程に比べて、Ga元素とN元素の積層順序が反転した反位領域境界(inversion domain boundary)や、微結晶と微結晶が横方向成長して合体する際に発生すると考えられる欠陥が多く発生する。また、サファイア基板上へのGaN成長の場合、GaN層中には密度108〜1010cm−2の転位が生じる。
他に、AlN層もしくはGaN層を堆積する前に、高温のアンモニア雰囲気にサファイア基板を曝して窒化処理を行う手法がある。窒化処理は、サファイア基板表面にAlNの原子層を形成するものであり、このAlNがその上に成長する窒化ガリウム系化合物半導体層の結晶配列を制御する役割をする。これにより、堆積した窒化ガリウム系化合物半導体層としてのAlN層もしくはGaN層は、サファイア基板との界面から最初にAl原子もしくはGa原子が積層していく結晶成長になる。このようにAlN,GaNの極性を制御した結晶成長を行うことができる。
また、近年、窒化ガリウム系化合物半導体成長用の基板として、結晶構造が六方晶である導電性の二硼化物(XB2;XはZr,Ti,Mg,Al,Hfの少なくとも1種を含む)単結晶から成る基板が注目を集めている。この基板は、例えばZrB2の格子定数a=3.170Åは、ウルツァイト構造のGaNの格子定数a=3.189Åとの格子不整合は0.57%であり、熱膨張係数の差も2.7×10−6/Kであり、極めて整合性の高い組み合わせである。
特開平2−42770号公報
特開平2−257679号公報
特開平5−183189号公報
特開平6−196757号公報
特開平6−268257号公報
上記のように、従来の窒化ガリウム系化合物半導体においては、基板とエピタキシ層との間の格子不整合を緩和する目的で、低温堆積層に代表される歪み緩衝層(バッファ層)を挿入した構成が用いられており、バッファ層の挿入によって大きな格子不整合を持つ基板上でもデバイスの製造に応用可能な窒化ガリウム系化合物半導体層の成長が可能になったが、固体照明装置への応用を目的とした高効率の発光素子の実現を考えた場合、窒化ガリウム系化合物半導体の結晶品質は決して十分なものとは言えない。
窒化ガリウム系化合物半導体を用いた発光素子の発光効率の向上には、非発光再結合中心となる結晶欠陥の密度を低減する必要があるが、この点で上記の二硼化物単結晶から成る基板、特にZrB2基板は、窒化ガリウムとの格子不整合が約0.6%と小さいことから、GaAs等のホモエピタキシャル成長と同様に、成長の初期からレイヤー バイ レイヤー モードでの成長(2次元モードでの成長)の実現が期待されている。しかしながら、実際の成長においては、アンモニアの供給による基板表面の窒化の進行によるZrBxN1−x中間層が形成されるという問題、基板表面に吸着したGaN膜,AlN膜の再蒸発による成長の阻害等の問題が起きている。
基板と窒化ガリウム系化合物半導体層との間に低温堆積層であるバッファ層を挿入する場合には、基板表面に吸着したGaN膜,AlN膜の再蒸発を防止することはできるが、バッファ層の低温成長工程におけるアンモニア分解効率の低下による空孔などの欠陥導入、3次元モード成長、また、XB2基板が無極性であることに起因した窒化ガリウム系化合物半導体層中への反位領域の発生、さらに、隣接する反位領域の境界における欠陥発生などの問題により、窒化ガリウム系化合物半導体層の結晶品質が劣化するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みて完成されたものであり、その目的は、窒化ガリウム系化合物半導体と格子整合性の高い二硼化物単結晶の基板上に、初期成長から2次元の層状成長を実現し、極性を制御して反位領域の発生や積層欠陥を低減した平坦性に優れた高品質、低転位の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法を提供することにある。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は、化学式XB2(ただし、XはTi,Mg,Al,HfおよびZrのうち少なくとも1種を含む。)で表される二硼化物単結晶から成る基板上に、化学式Ga1−x−yInyAlxN(ただし、0≦x+y≦1,x≧0,y≧0)で表される窒化ガリウム系化合物半導体を成長させる成長方法であって、前記窒化ガリウム系化合物半導体の成長工程においてGa,Al,Inの少なくともいずれか1種の原料とV族元素原料とを交互に供給することを特徴とする。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は好ましくは、前記基板上に、前記Xの原料と硼素の原料とを同時または交互に供給することによって二硼化物層を成長させた後に前記窒化ガリウム系化合物半導体を成長させることを特徴とする。
また、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は好ましくは、前記Ga,Al,Inの少なくともいずれか1種の原料と前記V族元素原料として、有機金属化合物を用いることを特徴とする。
また、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は好ましくは、前記Xの原料と前記硼素の原料として、有機金属化合物を用いることを特徴とする。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は、化学式XB2(ただし、XはTi,Mg,Al,HfおよびZrのうち少なくとも1種を含む。)で表される二硼化物単結晶から成る基板上に、化学式Ga1−x−yInyAlxN(ただし、0≦x+y≦1,x≧0,y≧0)で表される窒化ガリウム系化合物半導体を成長させる成長方法であって、窒化ガリウム系化合物半導体の成長工程においてGa,Al,Inの少なくともいずれか1種の原料とV族元素原料とを交互に供給することから、交互供給により1原子層ずつの成長を可能とし、その結果成長初期から低温における2次元モード成長(層状成長)を実現することができる。
即ち、二硼化物単結晶は(0001)面方向にX元素およびB原子が交互に現れる構造を有しているため、清浄な基板表面にはX,Bのどちらか一方の原子が現れている。同様に、窒化ガリウム系化合物半導体の(0001)面においてもIII族原子およびV族原子が交互に現れる構造となっていることから、III族元素であるGa,Al,Inの少なくともいずれか1種の原料と、V族元素原料との交互供給により、1原子層ずつの成長が可能となる。
また、上記の交互供給による窒化ガリウム系化合物半導体の成長は、III族原子(Ga,Al,Inの少なくともいずれか1種)のマイグレーションの促進、低温においても2次元モード成長が可能であるという利点の他に、アンモニアガスの過度な供給による二硼化物単結晶の基板の窒化などを抑制できるという利点も有する。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は好ましくは、基板上に、Xの原料と硼素の原料とを同時または交互に供給することによって二硼化物層を成長させた後に窒化ガリウム系化合物半導体を成長させることによって、基板表面終端原子を一意的に決定し、窒化ガリウム系化合物半導体層の極性を制御し、反位領域の発生を抑制することができる。このように基板原料供給による成長は、表面終端原子の一意的な決定の他に基板表面の結晶品質を改善する効果も有している。また、Xの原料と硼素の原料との同時供給によっても、その供給比の選択によりX,Bのどちらで表面を終端させるかは制御可能である。
即ち、窒化ガリウム系化合物半導体の極性は二硼化物単結晶の基板表面に現れる原子種にも依存するが、基板表面に現れる原子種をXの原料と硼素の原料とを交互供給することによって制御することができ、その結果窒化ガリウム系化合物半導体の極性を制御できる。また、基板上に、Xの原料と硼素の原料とを同時に供給することによって二硼化物層を成長させることにより、基板表面の結晶品質の向上を達成することができる。
また、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は好ましくは、Ga,Al,Inの少なくともいずれか1種の原料とV族元素原料として、有機金属化合物を用いることから、有機金属化合物材料を用いる有機金属気相成長法(MOVPE法)では、原子層エピタキシ法(ALE法:Atomic Layer Epitaxy method)における自己停止機構を利用することよって完全な1原子層ずつの成長を実現することができる。
また、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は好ましくは、Xの原料と硼素の原料として、有機金属化合物を用いることから、上記と同様に、有機金属気相成長法の原子層エピタキシ法における自己停止機構を利用することよって完全な1原子層ずつの成長を実現することができる。
また本発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の交互供給成長による所定厚みの成長が終了した後に、より高温での同時供給による成長を行うことができるものである。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法について図面を参照しつつ以下に詳細に説明する。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は、化学式XB2(ただし、XはTi,Mg,Al,HfおよびZrのうち少なくとも1種を含む。)で表される二硼化物単結晶から成る基板上に、化学式Ga1−x−yInyAlxN(ただし、0≦x+y≦1,x≧0,y≧0)で表される窒化ガリウム系化合物半導体を成長させる成長方法であって、窒化ガリウム系化合物半導体の成長工程においてGa,Al,Inの少なくともいずれか1種の原料とV族元素原料とを交互に供給するものである。
XB2で表される二硼化物単結晶は、具体的には例えばZrB2であり、格子定数はa=3.170Å、ウルツァイト構造のGaNの格子定数a=3.189Åとの格子不整合は0.57%であり、熱膨張係数差も2.7×10−6/Kであり、極めて整合性が高い。
また、Ga1−x−yInyAlxNで表される窒化ガリウム系化合物半導体は、具体的には例えばAl0.24Ga0.76Nであり、ZrB2の格子定数a=3.170Åと極めて良い格子整合性を持つ。
(実施の形態1)
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法の一例である有機金属気相成長法(MOVPE法)による成長工程を、図1(a)〜(d)に示す。また、成長工程における成長時間、成長温度、Ga,Al,Inの少なくともいずれか1種(以下、III族元素ともいう)の原料の供給時間、V族元素原料の供給時間を示すグラフ(線図)、タイミングチャートを図2に示す。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法の一例である有機金属気相成長法(MOVPE法)による成長工程を、図1(a)〜(d)に示す。また、成長工程における成長時間、成長温度、Ga,Al,Inの少なくともいずれか1種(以下、III族元素ともいう)の原料の供給時間、V族元素原料の供給時間を示すグラフ(線図)、タイミングチャートを図2に示す。
二硼化物単結晶から成る基板10を、その(0001)面を成長面としてMOVPE装置内にセットして、基板10を800℃以上に昇温し、基板10表面の自然酸化膜の除去を行う。この場合、自然酸化膜除去中の硼素(B)抜けの抑止を目的とした硼素原料の供給、還元作用促進を目的とした還元雰囲気ガスの原料ガスの供給、ガスエッチング用の原料ガスの供給も有効である。
その後、基板10の温度を500℃〜700℃まで降温し、III族元素原料として有機金属化合物原料を供給し、図1(a)に示したIII族原子層11の成長を行う。
この場合、III族元素原料としての有機金属化合物原料は、具体的にはトリメチルガリウム(TMG),トリメチルアルミニウム(TMA),トリメチルインジウム(TMI)等である。
また、1原子レベルの厚み(0.1nm程度)を有するIII族原子層11の形成は、成長しようとする原子の面密度から逆算し、III族原料の1分子層相当以上と思われる供給量を0.1〜300秒程度の供給時間で、成長温度を300℃〜1200℃に制御することによって行うことができる。
また、雰囲気ガスとしては、水素や窒素等が使用できる。
一定の休止時間(0秒を超え5分程度以下)を置いた後、V族元素(N)原料を供給し、図1(b)に示すようにN原子層12を成長させる。
1原子レベルの厚み(0.1nm程度)を有するV族原子層11の形成は、V族元素原料の供給量を1原子層相当以上、供給時間を0.1〜300秒程度、成長温度を300℃〜1200℃と制御することによって行うことができる。
これにより、窒化ガリウム系化合物半導体の一分子層13が形成される。V族元素原料供給後にも一定の休止時間(0秒を超え5分程度以下)を挿入する。過剰に供給されたIII族元素原料、V族元素原料は、休止時間中にパージされ、次のステップでは、常に清浄な原料ガスが、混合されること無しに供給される。なお、V族元素原料としては、N,微量のAs,P等を含むN等がある。
この交互供給プロセスを所望の回数(1回〜10000回程度)繰り返すことで、図1(c)に示すように、第一の窒化ガリウム系化合物半導体層(例えば、Al0.24Ga0.76N)14が形成される。
その後、基板10温度を800〜1100℃に昇温して、III族元素原料とV族元素原料とを同時供給して、図1(d)に示すように、第二の窒化ガリウム系化合物半導体層(例えば、Al0.24Ga0.76N)15の成長を行う。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法の他の一例として、MOVPE法による成長工程を図3(a)〜(d),図4(f)〜(g)に示した。また、成長工程における時間と成長温度、時間と、X元素原料と硼素原料の供給、およびGa,Al,Inのいずれか、もしくはそれらを混合したIII族原料とV族原料の時間と供給を示す模式図を図5に示した。
(実施の形態2)
図3に示す二硼化物単結晶の基板30を、その(0001)面を成長面としてMOVPE装置内にセットし、実施の形態1と同様にして基板30表面の自然酸化膜の除去を行う。
図3に示す二硼化物単結晶の基板30を、その(0001)面を成長面としてMOVPE装置内にセットし、実施の形態1と同様にして基板30表面の自然酸化膜の除去を行う。
その後、基板30の温度を500℃〜800℃まで降温し、Xの原料(例えば、ジルコニウムエトキシド(Zr(OC2H5)4)等)と硼素の原料(例えば、ジボラン(B2H6)等)との交互供給によって、図3(a),(b)に示すように、X原子層36、B(硼素)原子層37を成長させる。この工程を所望回数(1回〜10000回程度)繰り返すことで、図3(c)に示すようなXB2層39を形成する。
1原子レベルの厚み(0.1nm程度)を有するX原子層36の形成は、Xの原料の1分子層相当以上と思われる供給量を0.1〜300秒程度の供給時間で、成長温度を300℃〜1200℃に制御することによって行うことができる。
1原子レベルの厚み(0.1nm程度)を有するB原子層37の形成は、硼素の原料の1分子層相当以上と思われる供給量を0.1〜300秒程度の供給時間で、成長温度を600℃〜1200℃に制御することによって行うことができる。
上記の交互供給によるXB2層の成長において、Xの原料、硼素の原料のどちらで供給を終了するかは、その後に成長させる窒化ガリウム系化合物半導体の極性をどちらに選択するかにより適宜決定する。
また、Xの原料、硼素の原料の同時供給によるXB2層の成長を行った場合、基板30表面の結晶品質改善に有効である。
上記のように表面にXB2層を形成したXB2基板上に、III族元素原料の有機金属化合物原料(トリメチルガリウム(TMG),トリメチルアルミニウム(TMA),トリメチルインジウム(TMI)等)と、V族元素原料の有機金属化合物原料アンモニアガスとを交互供給し、そのプロセスを所望の回数(1回〜10000回)繰り返すことで、図3(d)に示す第一の窒化ガリウム系化合物半導体層31を形成する。III族元素原料、V族元素原料のいずれから供給を開始するかは、窒化ガリウム系化合物半導体層34の極性をどちらに制御するかによって適宜選択する。
その後、基板30の温度を800℃以上に昇温して、III族元素原料およびV族元素原料を同時供給することによって、図4(g)に示す第二の窒化ガリウム系化合物半導体層35の成長を行う。
上記の成長工程における成長時間、成長温度、Xの原料の供給時間、硼素の原料の供給時間、III族元素原料の供給時間、V族元素原料の供給時間を示すグラフ(線図)、タイミングチャートを図5に示す。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種の変更や改良等を施すことはなんら差し支えない。例えば、窒化ガリウム系化合物半導体の結晶成長方法としてMOVPE法について説明したが、これに代えて分子線エピタキシャル(MBE)法、ガスソース分子線エピタキシャル(ガスソースMBE)法、もしくは有機金属分子線エピタキシャル(MOMBE)法を用いてもよい。
また、III族元素原料として有機金属化合物について説明したが、セル中で加熱した金属蒸気でもよい。
10:基板
11:III族原子層(もしくはV族原子層)
12:V族原子層(もしくはIII族原子層)
13:窒化ガリウム系化合物半導体の一分子層
14:第一の窒化ガリウム系化合物半導体層
15:第二の窒化ガリウム系化合物半導体層
36:X原子層(もしくはB原子層)
37:B原子層(もしくはX原子層)
38:XB2の一分子層
39:XB2層
11:III族原子層(もしくはV族原子層)
12:V族原子層(もしくはIII族原子層)
13:窒化ガリウム系化合物半導体の一分子層
14:第一の窒化ガリウム系化合物半導体層
15:第二の窒化ガリウム系化合物半導体層
36:X原子層(もしくはB原子層)
37:B原子層(もしくはX原子層)
38:XB2の一分子層
39:XB2層
Claims (4)
- 化学式XB2(ただし、XはTi,Mg,Al,HfおよびZrのうち少なくとも1種を含む。)で表される二硼化物単結晶から成る基板上に、化学式Ga1−x−yInyAlxN(ただし、0≦x+y≦1,x≧0,y≧0)で表される窒化ガリウム系化合物半導体を成長させる成長方法であって、前記窒化ガリウム系化合物半導体の成長工程においてGa,Al,Inの少なくともいずれか1種の原料とV族元素原料とを交互に供給することを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法。
- 前記基板上に、前記Xの原料と硼素の原料とを同時または交互に供給することによって二硼化物層を成長させた後に前記窒化ガリウム系化合物半導体を成長させることを特徴とする請求項1記載の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法。
- 前記Ga,Al,Inの少なくともいずれか1種の原料と前記V族元素原料として、有機金属化合物を用いることを特徴とする請求項1または請求項2記載の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法。
- 前記Xの原料と前記硼素の原料として、有機金属化合物を用いることを特徴とする請求項2記載の窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法。
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