JP2007010745A - 画像形成装置および該装置におけるレジスト調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 単色モード実行後カラーモードを開始する際においても良好なレジストパターン像の形成を可能とし、レジスト調整を高精度に行うことを可能とする技術を提供する。
【解決手段】 中間転写ベルト上にレジストパターン像RP(C),RP(M),RP(Y),RP(K)を形成する前に、搬送方向D16における該レジストパターン像の幅RLより広い幅SLを有するサンプルパターン像SP(C),SP(M),SP(Y),SP(K)を形成する。このようにサンプルパターン像を形成することで、レジストパターン像の形成前に現像ローラを回転駆動し、該現像ローラ表面に担持されるトナー層の不均一性を緩和する。
【選択図】 図5
【解決手段】 中間転写ベルト上にレジストパターン像RP(C),RP(M),RP(Y),RP(K)を形成する前に、搬送方向D16における該レジストパターン像の幅RLより広い幅SLを有するサンプルパターン像SP(C),SP(M),SP(Y),SP(K)を形成する。このようにサンプルパターン像を形成することで、レジストパターン像の形成前に現像ローラを回転駆動し、該現像ローラ表面に担持されるトナー層の不均一性を緩和する。
【選択図】 図5
Description
この発明は、それぞれが互いに異なる色のトナー像を形成する複数の画像形成ステーションを、転写媒体の移動方向に沿って配置した、いわゆるタンデム方式の画像形成装置において、レジスト調整を行う技術に関するものである。
この種の画像形成装置では、感光体ドラムなどの潜像担持体の周囲に帯電部、像書込部および現像部を配置した画像形成ステーションが転写ベルトなどの転写媒体に沿って各色毎に設けられている。各画像形成ステーションは、現像部が有する現像ローラを感光体表面に当接または近接させて、該現像ローラ表面に担持されるトナーにより感光体表面に形成された潜像を現像してトナー像を形成する。そして、各画像形成ステーションで形成されたトナー像を転写媒体上で重ね合わせてカラー画像を形成している。また、この種の画像形成装置では、カラー画像を形成するカラーモードと単色画像を形成する単色モードとを選択的に実行することが可能に構成されているものがある。例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、カラー画像を形成する際には、全ての画像形成ステーションを転写媒体に当接させるとともに、単色画像を形成する際には、特定色の画像形成ステーションのみを転写媒体に当接させて他の画像形成ステーションを転写媒体から離間させることで、カラーモードと単色モードとを選択的に実行している。
ところで、複数の画像形成ステーションを有する画像形成装置における重大な問題のひとつとして、色ずれがある。これは、互いに異なる画像形成ステーションで形成された各トナー像の転写媒体への転写位置が相互にずれることによって発生するものであり、色調の変化として現れる。そこで、この問題を解消するため、いわゆる「レジスト調整」を次のように行う。まず、予め色ずれを検出するための基準パターン像(以下、「レジストパターン像」という。)を転写媒体上に形成する。次に、該レジストパターン像を光学センサで検出することでレジストパターン像の位置情報を求め、その位置情報に基づき各トナー像の位置合わせを行っている。
しかしながら、上述のようなカラーモードと単色モードとを選択的に実行する画像形成装置においてレジスト調整を行う場合、次のような問題が生じる場合があった。上述の通り単色モードを実行する場合は、特定色の画像形成ステーション以外の画像形成ステーションは、転写媒体から離間しており画像形成動作を行わない。したがって、特定色の画像形成ステーション以外の画像形成ステーションについては、それぞれが有する現像器等も停止している。そして、このように停止した状態が長く続くと、いわゆる放置バンディング現象が発生することがある。この放置バンディング現象は、トナーが各現像器の現像ローラに担持されたまま長時間放置されたことにより現像ローラから離れ難くなり、しかもその程度が現像ローラ表面上において一様でないことから現像ローラ上のトナー層が次第に不均一となることに起因すると考えられる。したがって、放置バンディング現象の発生によって、トナー付着量が適切でないためレジストパターン像を良好に形成できない場合があった。したがって、単色モード実行後カラーモードを開始する際に、色ずれ補正のためレジストパターン像を転写媒体上に形成すると、レジストパターン像を良好に形成できない場合があった。特に、レジストパターン像はトナー消費量の節約やレジスト調整に要する時間の短縮等の観点から細いことが望ましいが、カラーモード開始後すぐにこのような細いレジストパターン像を形成しても、レジストパターン像が良好に形成されず、このためレジスト調整を高精度に行えない場合があった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、単色モード実行後カラーモードを開始する際においても良好なレジストパターン像の形成を可能とし、レジスト調整を高精度に行うことを可能とする技術を提供することを目的とする。
この発明にかかる画像形成装置は、その表面にトナーを担持しながら回転自在な現像ローラと潜像担持体とを有してトナー像形成時には現像ローラを回転させながら潜像担持体に当接または近接させる一方トナー像非形成時には現像ローラを回転停止させながら潜像担持体から離間させる、画像形成ステーションを互いに異なるトナー色ごとに設け、しかも複数の画像形成ステーションを転写媒体の移動方向に沿って配置するとともに、複数の画像形成ステーションの各々により形成されるトナー像を転写媒体上で重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、複数の画像形成ステーションのうちの特定画像形成ステーションのみによりトナー像を転写媒体上に形成する単色モードとを選択的に実行する画像形成装置であって、上記目的を達成するために、複数の画像形成ステーションにより転写媒体上に形成される、移動方向に第1の幅を有するレジストパターン像を検出する検出手段と、検出手段による検出結果に基づき複数のトナー色間での色ずれを補正する補正手段とを備え、単色モード実行後でかつカラーモードの開始前に色ずれの補正を行う際には、複数の画像形成ステーションの各々は、移動方向において第1の幅よりも広い第2の幅を有するトナー像をサンプルパターン像として形成した後、転写媒体上に第1の幅を有するトナー像を前記レジストパターン像として形成することを特徴としている。
また、この発明にかかる画像形成装置におけるレジスト調整方法は、その表面にトナーを担持しながら回転自在な現像ローラと潜像担持体とを有してトナー像形成時には現像ローラを回転させながら潜像担持体に当接または近接させる一方トナー像非形成時には現像ローラを回転停止させながら潜像担持体から離間させる、画像形成ステーションを互いに異なるトナー色ごとに設け、しかも複数の画像形成ステーションを転写媒体の移動方向に沿って配置するとともに、複数の画像形成ステーションの各々により形成されるトナー像を転写媒体上で重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、複数の画像形成ステーションのうちの特定画像形成ステーションのみによりトナー像を転写媒体上に形成する単色モードとを選択的に実行する画像形成装置において、複数の画像形成ステーションにより移動方向に第1の幅を有するレジストパターン像を形成して複数の画像形成ステーションにより形成されるトナー像の色ずれを補正するレジスト調整方法であって、上記目的を達成するために、単色モード実行後でかつカラーモードの開始前に色ずれ補正を行う際には、複数の画像形成ステーションの各々により、転写媒体上に移動方向において第1の幅より広い第2の幅を有するトナー像をサンプルパターン像として形成するサンプル形成工程と、サンプルパターン像の形成後、転写媒体上に移動方向において第1の幅を有するレジストパターン像を形成するレジスト形成工程と、複数のレジストパターン像の各々について、該レジストパターン像に光を照射するとともに該レジストパターン像からの反射光の光量を検出する光量検出工程と、複数のレジストパターン像からの反射光量に基づき複数色の間での色ずれを補正する補正工程とを備えたことを特徴としている。
このように構成された発明(画像形成装置および該装置におけるレジスト制御方法)では、全ての画像形成ステーションの潜像担自体を転写媒体に当接させるカラーモードと、特定画像形成ステーションの潜像担持体のみを転写媒体に当接させる単色モードとを選択的に実行する。また、単色モード実行時は、特定画像形成ステーション以外の画像形成ステーションの有する現像ローラ(カラー現像ローラ)は停止している。よって、長時間単色モードが実行されたような場合は、放置バンディングの発生によりカラー現像ローラの表面に担持されているトナー層が不均一な状態となり、単色モード実行後にカラーモードを開始する際に、レジストパターン像を良好に形成できない場合がある。これに対して本発明では、単色モード実行後カラーモードを開始するに際しては、転写媒体上にレジストパターン像を形成するのに先立って、転写媒体の移動方向において該レジストパターン像の幅(第1の幅)よりも長い第2の幅を有するサンプルパターン像を転写媒体上に形成することとしている。よって、長時間単色モードが実行されていた場合であっても、転写媒体上にレジストパターン像を良好に形成することが可能となる。この理由について説明する。上述のとおり、現像ローラ表面に担持されるトナー層の不均一性は現像ローラが停止している状態で放置されたことにより起こる。しかしながら、本発明では、レジストパターン像の形成に先立って、転写媒体の移動方向において該レジストパターン像の幅(第1の幅)よりも広い第2の幅を有するサンプルパターン像を転写媒体上に形成するように構成しているため、レジストパターン像を転写媒体上に形成する際には、サンプルパターン像を形成するために既に現像ローラはある程度回転駆動されており、該現像ローラ表面のトナー層の不均一性が緩和されることとなる。したがって、長時間単色モードが実行されていた場合であっても、転写媒体上にレジストパターン像を良好に形成でき、高精度のレジスト調整が可能となる。
また、複数の画像形成ステーションの各々は、現像ローラと潜像担持体とが対向する現像位置に対して現像ローラの回転方向の上流側に位置するトナー規制位置で現像ローラ表面のトナー層を規制する規制ブレードをさらに有し、しかも、第2の幅が現像ローラ表面におけるトナー規制位置から現像位置までの距離以上となるように、前記サンプルパターン像を形成するように構成しても良い。このように構成された発明では、カラーモードの開始時点に、現像ローラの表面においてトナー規制位置と現像位置との間に存在するトナーは、サンプルパターン像を形成するために使用されることとなる。よって、レジストパターン像は、規制ブレードにより均一化されたトナー層により形成されることとなるため、良好に形成することができ高精度のレジスト調整が可能となる。
また、第2の幅が現像ローラの周長以上となるように、サンプルパターン像を形成するように構成しても良い。このように構成された発明では、カラーモードの開始時点に、現像ローラの表面に担持されているトナーは、サンプルパターン像を形成するために使用されることとなる。つまり、単色モード実行中に不均一となったトナー層はサンプルパターン像を形成するために使用される。よって、レジストパターン像は、均一なトナー層により形成されることとなるため、良好に形成することができ高精度のレジスト調整が可能となる。
図1は本発明にかかる画像形成装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置1は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像を形成するカラー印字処理(本発明における「カラーモード」)、およびブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する単色印字処理を(本発明における「単色モード」)選択的に実行する画像形成装置である。この画像形成装置1では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像形成指令(印字指令)がメインコントローラ51に与えられると、このメインコントローラ51からの指令に応じてエンジンコントローラ52がエンジン部EG各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどのシート(記録材)Sに画像形成指令に対応する画像を形成する。
図1において、本実施形態の画像形成装置1は、ハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面(同図の右手側面)に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4とを有している。また、第1の開閉部材3には、開閉蓋3aがハウジング本体2の前面に開閉自在に装着されている。なお、この開閉蓋3aは第1の開閉部材3と連動して、または独立して開閉可能となっている。
ハウジング本体2内には、電源回路基板、メインコントローラ51およびエンジンコントローラ52を内蔵する電装品ボックス5が設けられている。また、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9および給紙ユニット10もハウジング本体2内に配設されている。一方、第1の開閉部材3側には、2次転写ユニット11、定着ユニット12およびシート搬送機構13が配設されている。なお、この実施形態では、画像形成ユニット6および給紙ユニット10内の消耗品は、装置本体に対して着脱自在に構成されている。そして、これらの消耗品および転写ベルトユニット9については、それぞれ取り外して修理または交換を行うことが可能な構成になっている。
転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設され図示しない駆動モータにより回転駆動される駆動ローラ14と、駆動ローラ14の斜め上方に配設される従動ローラ15と、この2本のローラ14、15間に張架されて図示矢印方向D16へ循環駆動される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の表面に当接されるクリーニング部17とを備えている。この従動ローラ15は駆動ローラ14に対して斜め上方(図1中の左手上方)に配置されている。このため、中間転写ベルト16は傾斜状態のまま方向D16に回転移動する。また、中間転写ベルト16を駆動した際のベルト搬送方向D16が下向き(図1の右下向き)になるベルト面16aは下方に位置している。本実施形態においては、ベルト面16aがベルト駆動時のベルト張り面(駆動ローラ14により引っ張られる面)となっており、後述する各色の潜像担持体20の周速V20よりも速い周速V16(例えば=1.03×V20)を有している。このように中間転写ベルト16の周速V16を各潜像担持体20の周速V20よりも速くなるように設定することで、潜像担持体20は中間転写ベルト16に引っ張られるようにして駆動している。
上記駆動ローラ14および従動ローラ15は支持フレーム9aに回転自在に支持されている。この支持フレーム9aの下端には、回動部9bが形成されるとともに、ハウジング本体2に設けられた回動軸(回動支点)2bに嵌合されている。これにより、支持フレーム9aはハウジング本体2に対して回動自在となっている。一方、支持フレーム9aの上端には、ロックレバー9cが回動自在に設けられるとともに、ハウジング本体2に設けられた係止軸2cに係止可能にされている。
駆動ローラ14は、2次転写ユニット11を構成する2次転写ローラ19のバックアップローラを兼ねている。駆動ローラ14の周面には、図1に示すように、厚さ3mm程度、体積抵抗率が105Ω・cm以下のゴム層14aが形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、図示を省略する2次転写バイアス発生部から2次転写ローラ19を介して供給される2次転写バイアスの導電経路としている。このように駆動ローラ14に高摩擦かつ衝撃吸収性を有するゴム層14aを設けることにより、2次転写部へシートSが進入する際の衝撃が中間転写ベルト16に伝達しにくく、画質の劣化を防止することができる。
また、本実施形態においては、駆動ローラ14の径を従動ローラ15の径より小さくしている。これにより、2次転写後のシートSがシートS自身の弾性力で剥離し易くすることができる。また、従動ローラ15をクリーニング部17のバックアップローラとして兼用させている。このクリーニング部17は、搬送方向下向きのベルト面16a側に設けられており、図1に示すように、残留トナーを除去するクリーニングブレード17aと、除去したトナーを搬送するトナー搬送部材とを備えている。そして、クリーニングブレード17aは従動ローラ15への中間転写ベルト16の巻きかけ部において中間転写ベルト16に当接して2次転写後に中間転写ベルト16の表面に残留しているトナーをクリーニング除去する。
また、中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16a裏面には、後述する各画像形成ステーションY,M,C,Kの潜像担持体20に対向して1次転写ローラ21aを配置してなる1次転写ユニット21が設けられている。この1次転写ユニット21では、4つの1次転写ローラ21aがリンクバー21bに対して回転自在に軸支されている。これらの1次転写ローラ21aは図示を省略する1次転写バイアス発生部と電気的に接続されており、適当なタイミングで1次転写バイアス発生部から1次転写バイアスが印加される。
このリンクバー21bは、ブラック(K)の画像形成ステーションKの潜像担持体20に対向して配置された1次転写ローラ21aを回動中心として、矢印方向D21に回動自在に設けられている。そして、図示を省略するアクチュエータを作動させることでリンクバー21bが回動してイエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)の画像形成ステーションY,M,Cの潜像担持体20に対向して配置された1次転写ローラ21aが潜像担持体20に向かって近接し、また潜像担持体20から離間移動する。このため、各1次転写ローラ21aが潜像担持体20に向かって近接移動すると、中間転写ベルト16を挟んで該潜像担持体20に当接する(図1中の実線)。そして、この当接位置が1次転写位置となっており、後述するように該1次転写位置でトナー像が中間転写ベルト16に転写される。逆に、各1次転写ローラ21aが潜像担持体20から離間移動すると、画像形成ステーションY,M,Cの潜像担持体20と中間転写ベルト16とは互いに離間する(図1中の破線)。一方、ブラック(K)の画像形成ステーションKの潜像担持体20に対向して配置された1次転写ローラ21aについては、中間転写ベルト16を挟んで該潜像担持体20に当接されたまま回転するように構成されている。したがって、図1の実線で示すように、全1次転写ローラ21aを潜像担持体20側に位置させることでカラー印字処理が実行可能となる。一方、同図の破線で示すように、ブラック用の1次転写ローラ21aを残して他の1次転写ローラ21aを潜像担持体20から離間させることでモノクロ印字処理のみを実行しつつ画像形成ステーションY,M,Cを非印字状態とすることができる。このように本実施形態では、ブラック(K)の画像形成ステーションKが、本発明における「特定画像形成ステーション」として機能している。
また、転写ベルトユニット9の支持フレーム9aには、駆動ローラ14に近接してテストパターンセンサ18が設置されている。このテストパターンセンサ18は、いわゆる反射方式の光センサであり、中間転写ベルト16の表面に向けて光を照射する投光部(図示省略)と、中間転写ベルト16の表面や後述するレジストパターン像により反射された光を受光する受光部(図示省略)を備えている。そして、投光部から転写媒体上のレジストパターン像に光が照射される一方、該レジストパターン像からの光が受光部で受光されて該受光部での受光量に対応する信号がテストパターンセンサ18から出力される。そして、テストパターンセンサ18からの出力信号に基づき中間転写ベルト16上の各色トナー像の位置決めを行うとともに、各色トナー像の濃度を検出し、各色画像の色ずれや画像濃度を補正する。また、この実施形態では、上記センサ18に加えて、中間転写ベルト16の特徴部位(例えば幅方向に突設された突起部)を検出する垂直同期センサ60(図2)が支持フレーム9aに取り付けられている。このため、中間転写ベルト16の特徴部位がセンサ60を通過するたびに垂直同期信号(基準信号)が出力される。
画像形成ユニット6は、複数(本実施形態では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イエロー用),M(マゼンタ用),C(シアン用),K(ブラック用)を備えている。各画像形成ステーションY,M,C,Kにはそれぞれ、感光体ドラムからなる潜像担持体20が設けられている。また、各潜像担持体20の周囲には、帯電部22、像書込部23および現像部24が配設されている。そして、これらの機能部によって帯電動作、潜像形成動作およびトナー現像動作が実行される。なお、現像部24は、画像形成ステーションKのみに符号を付けて他の画像形成ステーションについては構成が同一のため符号を省略する。また、各画像形成ステーションY,M,C,Kの配置順序は任意である。
そして、各画像形成ステーションY,M,C,Kの潜像担持体20が1次転写位置で中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接されるようにされ、その結果、各画像形成ステーションY,M,C,Kも駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されることになる。また、各潜像担持体20は、図示矢印D20に示すように、中間転写ベルト16の搬送方向に所定周速V20で回転駆動される。なお、この実施形態では、潜像担持体20の回転方向D20において、潜像担持体20の周長は最小サイズのシート長、例えば葉書サイズよりも短くなっている。
帯電部22は、その表面が弾性ゴムで構成された帯電ローラ22aを備えている。この帯電ローラ22aは帯電位置で潜像担持体20の表面と当接して従動回転するように構成されており、潜像担持体20の回転動作に伴って潜像担持体20に対して従動方向に周速V22a(=V20)で従動回転する。また、この帯電ローラ22aは帯電バイアス発生部(図示省略)に接続されており、帯電バイアス発生部からの帯電バイアスの給電を受けて帯電位置で潜像担持体20の表面を帯電させる。さらに、この実施形態では、帯電部22の構成部品としてクリーニングローラ22bがさらに設けられている。
像書込部23は、発光ダイオードやバックライトを備えた液晶シャッタ等の素子を潜像担持体20の軸方向に列状に配列したアレイ状書込ヘッドを用いており、潜像担持体20から離間配置されている。また、アレイ状書込ヘッドは、レーザー走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、潜像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置全体を小型化できるという利点を有する。本実施形態においては、各画像形成ステーションY,M,C,Kの潜像担持体20、帯電部22および像書込部23を交換カートリッジ6Y,6M,6C,6K(図2)としてユニット化することにより、アレイ状書込ヘッドの位置決めを保持する構成とし、交換カートリッジの交換時にはアレイ状書込ヘッドを含めて交換し、新たな交換カートリッジに対して光量調整や位置決めを行って再使用を行う構成としている。また、各交換カートリッジ6Y,6M,6C,6Kには、該交換カートリッジに関する情報を記憶するための不揮発性メモリ91〜94がそれぞれ設けられている。そして、各交換カートリッジに設けられた送受信部53Y,53M,53C,53Kと、本体側に設けられた送受信部522Y,522M,522C,522Kとがそれぞれ互いに近接配置され、エンジンコントローラ52のCPU521とメモリ91〜94との間で無線通信が行われる。こうすることで、各交換カートリッジに関する情報がCPU521に伝達されるとともに、各メモリ91〜94内の情報が更新記憶される。
次に、現像部24の詳細について、画像形成ステーションKを代表して説明する。本実施形態においては、各画像形成ステーションY,M,C,Kが斜め方向に配設され、かつ潜像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接される関係上、トナー貯留容器26を斜め下方に傾斜して配置している。そのため、現像部24として特別の構成を採用している。すなわち、現像部24は、トナー(図1のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30と、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31および潜像担持体20に当接して周速V33で回転する現像ローラ33と、現像ローラ33にトナー規制位置KP(図4)において当接される規制ブレード34とから構成されている。
潜像担持体20は中間転写ベルト16の搬送方向D16に回転される。また、現像ローラ33および供給ローラ31は、図示矢印D33に示すように、潜像担持体20の回転方向D20とは逆方向に回転駆動される。一方、撹拌部材29は供給ローラ31の回転方向とは逆方向に回転駆動される。このため、トナー貯留部27において撹拌部材29により撹拌、運び上げられたトナーは、仕切部材30の上面に沿ってトナー供給ローラ31に供給される。また、こうして供給されたトナーはブレード32と摺擦して供給ローラ31の表面凹凸部への機械的付着力と摩擦帯電力による付着力によって、現像ローラ33の表面に供給される。そして、現像ローラ33に供給されたトナーは規制ブレード34により所定厚さの層厚に規制される。さらに、こうして薄層化されたトナー層は、潜像担持体20へと搬送される。そして、現像ローラ33と電気的に接続された現像バイアス発生部525から現像ローラ33に印加される現像バイアスによって、現像ローラ33と潜像担持体20とが当接する現像位置GP(図4)において、正規帯電トナーが現像ローラ33から潜像担持体20に移動して、像書込部23により形成された静電潜像が顕像化される。また、現像ローラ33は、トナー像非形成時には回転停止されるとともに潜像担持体20から離間される。したがって、単色印字処理を実行している際は、画像形成ステーションY,M,Cのそれぞれが有する現像ローラ33は、回転停止されるとともに潜像担持体20から離間されることとなる。
また、この実施形態では、上記のようにしてトナー現像を実行するとともに、現像ローラ33によって潜像担持体20上の残留トナーを回収する、いわゆる現像同時クリーニングを行っている。このように現像位置において、1次転写後に潜像担持体20の表面に残存するトナーを回収するクリーナレスシステムが構成されている。
給紙ユニット10は、シートSが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35からシートSを一枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部を備えている。第1の開閉部材3内には、2次転写部へのシートSの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、駆動ローラ14および中間転写ベルト16に圧接される2次転写手段としての2次転写ユニット11と、定着ユニット12と、シート搬送機構13と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40を備えている。
2次転写ユニット11では、2次転写ローラ19が中間転写ベルト16に対して離当接自在に設けられるとともに、2次転写ローラ19を離当接駆動する2次転写ローラ駆動機構111が設けられている。なお、2次転写ローラ駆動機構111では、その一端に2次転写ローラ19が回転自在に取り付けられた回動レバー42が固定軸41に回動自在に枢支されている。また、その回動レバー42の他端と第1の開閉部材3との間にスプリング43が配設されており、その付勢力によって2次転写ローラ19は図示矢印方向に移動し、中間転写ベルト16および駆動ローラ14に押圧されている。また、2次転写ローラ駆動機構111は偏心カム44を有しており、この偏心カム44は回動レバー42のスプリング43側に設けられている。そして、図示を省略するクラッチを介して駆動モータの駆動力によって偏心カム44が回転すると、回動レバー42がスプリング43に抗して回動し、2次転写ローラ19を中間転写ベルト16から離間させる。
定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラ46とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49を有している。そして、シートSに2次転写された画像は、加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度でシートSに定着される。本実施形態においては、中間転写ベルト16の斜め上方に形成される空間、換言すれば、中間転写ベルト16に対して画像形成ユニット6と反対側の空間に定着ユニット12を配設することが可能になり、電装品ボックス5、画像形成ユニット6および中間転写ベルト16への熱伝達を低減することができ、各色の色ずれ補正処理を行う頻度を少なくすることができる。
また、こうして定着処理を受けたシートSは排紙ローラ対39を経由して装置本体の上面部に設けられた第2の開閉部材(排紙トレイ)4に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排紙ローラ対39後方の反転位置まで搬送されてきた時点で排紙ローラ対39の回転方向を反転し、これによりシートSは両面プリント用搬送路40に沿って搬送される。そして、レジストローラ対37の手前で再び搬送経路に乗せられるが、このとき、2次転写領域において中間転写ベルト16と当接して画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
また、この装置1では、図2に示すように、メインコントローラ51のCPU511により制御される表示部54を備えている。この表示部54は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、CPU511からの制御指令に応じて、ユーザへの操作案内や画像形成動作の進行状況、さらに装置の異常発生やいずれかのユニットの交換時期などを知らせるための所定のメッセージを表示する。
なお、図2において、符号513はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース512を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ51に設けられた画像メモリである。また、符号523はCPU521が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号524はCPU521における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。特に、この実施形態では、次に説明する色ずれ補正処理のためのレジストパターン像の位置情報を求めるために、各色のレジストパターン像をテストパターンセンサ18により検出するためのパターン検出用閾値情報を記憶するメモリ空間523Y,523M,523C,523KがROM523に設定されている。そして、メモリ空間523Y,523M,523C,523Kにイエロートナー用閾値TH(Y)、マゼンタトナー用閾値TH(M)、シアントナー用閾値TH(C)およびブラックトナー用閾値TH(K)がそれぞれパターン検出用閾値情報として予め記憶されている。このように本実施形態ではROM523が本発明の「パターン検出用記憶手段」として機能している。
図3は図1の画像形成装置の動作を示すフローチャートであり、CPU521よりレジストパターン像形成命令が出力されてから色ずれ補正処理までのレジスト調整のフローを示している。以下に図3を用いつつ本実施形態にかかる画像形成装置の動作を説明する。
まず、CPU521よりレジストパターン像形成命令が出力される(ステップS1)。次に、これから行うレジストパターン像形成動作のタイミングが、単色印字処理実行後で且つカラー印字処理の開始前であるかを判断する(ステップS2)。そして、ステップS2においてYESと判断された場合は、画像形成ステーションY,M,C,Kにより中間転写ベルト16上に、サンプルパターン像SPとして各色について1つずつトナー像を形成する(ステップS3)(サンプル形成工程)。このように形成されたサンプルパターン像SPに続いてステップS4では、画像形成ステーションY,M,C,Kにより中間転写ベルト16上に、レジストパターン像としてトナー像を形成する。なお本実施形態では、搬送方向D16におけるサンプルパターン像SPの幅SL(本発明における「第2の幅」)は、レジストパターン像の幅RL(本発明における「第1の幅」)よりも長く、且つ図4に示すように現像ローラ33の表面においてトナー規制位置KPから現像位置GPの距離(本実施形態では約10mm)と等しくなるように設定している。これらステップS3およびステップS4が実行された結果、中間転写ベルト16上には、図5に示すようなサンプルパターン像SP(C),SP(M),SP(Y),SP(K)およびレジストパターン像RP(C),RP(M),RP(Y),RP(K)が形成される。なお、ステップS2でNOと判断された場合は、ステップS3は実行されずステップS4のみが実行されることとなる。その結果、中間転写ベルト16上にはレジストパターン像のみが形成される。
こうしてレジストパターン像の全部または一部を形成すると、テストパターンセンサ18(本発明における「検出手段」)の投光部(図示省略)を点灯させるとともに、レジストパターン像からの反射光量をテストパターンセンサ18の受光部(図示省略)により検出する(ステップS5)(光量検出工程)。すなわち、上記のようにして中間転写ベルト16上に形成されたレジストパターン像RP(C)、RP(M)、RP(Y)、RP(K)は中間転写ベルト16の移動とともに搬送方向D16に移動してテストパターンセンサ18を通過する。このとき、テストパターンセンサ18の受光部(図示省略)で受光され、テストパターンセンサ18から出力される信号の電圧レベルが受光量に応じて変化する。このため、電圧レベルを計測することでテストパターンセンサ18を各レジストパターン像が通過するタイミングを測定することができ、レジストパターン像の位置情報を取得することができる。そして、その位置情報に基づきレジストパターン像の相互間隔を求めることが可能となる。
また、この実施形態では、各色ごとに出力信号の電圧レベルの変化が相違することに着目して各色ごとにパターン検出に適したイエロートナー用閾値TH(Y)、マゼンタトナー用閾値TH(M)、シアントナー用閾値TH(C)およびブラックトナー用閾値TH(K)をそれぞれ予め求め、パターン検出用閾値情報としてROM523に記憶している。そして、各色ごとにパターン検出用閾値情報に基づきレジストパターン像の位置情報を取得する(ステップS6)。例えばブラックトナーのレジストパターン像RP(K)がテストパターンセンサ18に達すると、該センサ18によるレジストパターン像RP(K)に対応する光量検出を行うとともに、図6に示すように、センサ18からの出力信号の電圧レベルとトナー用閾値TH(K)とを対比してレジストパターン像RP(K)の位置情報を取得する。なお、他のトナー色についても全く同様である。そして、全てのレジストパターン像について位置情報が得られると、CPU521(本発明における「補正手段」)がそれらの位置情報に基づき複数のトナー色Y,M,C,Kの間での色ずれを補正する(ステップS9)(補正工程)。
以上のように、この実施形態によれば、単色印字処理(単色モード)の実行後でかつカラー印字処理(カラーモード)の開始前に色ずれ補正を行う際には、レジストパターン像の形成に先立って、搬送方向D16において該レジストパターン像の幅RLよりも広い幅SLを有するサンプルパターン像を形成するように構成している。よって、長時間単色モードが実行されたために放置バンディングが発生して画像形成ステーションY,M,Cの有する現像ローラ33の表面に担持されているトナー層が不均一な状態となっている場合であっても、中間転写ベルト16の上にレジストパターン像を良好に形成でき、高精度のレジスト調整が可能となる。つまり、上述のとおり、現像ローラ33表面に担持されるトナー層の不均一性は現像ローラ33が停止している状態で放置されたことにより起こる。しかしながら、本発明では、レジストパターン像の形成に先立って、搬送方向D16において該レジストパターン像の幅RLよりも広い幅SLを有するサンプルパターン像を転写媒体上に形成するように構成しているため、レジストパターン像を中間転写ベルト16上に形成する際には、サンプルパターン像を形成するために既に現像ローラ33はある程度回転駆動されており、該現像ローラ33表面のトナー層の不均一性が緩和されることとなる。したがって、長時間単色モードが実行されていた場合であっても、転写媒体上にレジストパターン像を良好に形成でき、高精度のレジスト調整が可能となる。
さらに本実施形態では、搬送方向D16におけるサンプルパターン像SPの幅SLは、現像ローラ33の表面においてトナー規制位置KPから現像位置GPの距離と等しくなるように設定している。このように構成された発明では、カラー印字処理の開始時点に、現像ローラ33の表面においてトナー規制位置KPと現像位置GPとの間に存在するトナーは、サンプルパターン像を形成するために使用されることとなる。よって、レジストパターン像は、規制ブレード34により均一化されたトナー層により形成されることとなるため、良好に形成することができ高精度のレジスト調整が可能となる。
さらに、上記実施形態では、パターン検出に適したイエロートナー用閾値TH(Y)、マゼンタトナー用閾値TH(M)、シアントナー用閾値TH(C)およびブラックトナー用閾値TH(K)をそれぞれ予め求め、パターン検出用閾値情報として用いてレジストパターン像の位置情報を検出しているため、トナー色ごとにセンサ18からの出力信号の電圧レベルが図6に示すように相違した場合でも、各トナー色とも最適なパターン検出用閾値情報に基づきレジストパターン像の位置情報を検出することができる。
ところで、本実施形態では、パターン検出用閾値情報を予め求めておき、ROM523に記憶しているが、単色印字処理の実行後でかつカラー印字処理の開始前に色ずれ補正を行う場合であって、レジストパターン像の形成に先立ってサンプルパターン像を形成する場合は、該サンプルパターン像によりパターン検出用閾値情報を求めるように構成してもよい。以下、図7および図8を参照しつつ本発明の他の実施形態について説明する。
図7は本発明にかかる画像形成装置の他の実施形態を示す図である。この実施形態の特徴はレジストパターン像を形成する前に各色のサンプルパターン像を形成するとともに、該サンプルパターン像の検出結果に基づき各色のパターン検出用閾値情報を更新・記憶する検出処理回路55を追加した点である。なお、その他の基本的構成は図1の実施形態と同一であるため、それらについては同一あるいは相当の符号を付し、それらの説明は省略する。
この検出処理回路55は、同図に示すように、テストパターンセンサ18の受光部に対してピークホールド回路551およびボトムホールド回路552が接続されており、受光部から出力される信号の電圧レベルの最大値および最小値がピークホールド回路551およびボトムホールド回路552によりそれぞれ検出される。また、それらの最大値および最小値はA/D変換部553によりデジタル値に変換された後、閾値設定回路554に入力される。この閾値設定回路554は電圧レベルの最大値および最小値に基づきパターン検出用閾値情報を決定する回路であり、例えば、これらの平均値をパターン検出用閾値情報としてバッファ555に書き込む。また、こうしたパターン検出用閾値情報の決定後に閾値設定回路554はピークホールド回路551およびボトムホールド回路552にリセット信号を与えて各回路に保持されている値をクリアする。さらに、閾値設定回路554はレジストパターン像の位置検出を行う際には、そのレジストパターン像のトナー色に対応するパターン検出用閾値情報をバッファ555から読み出し、D/A変換部556を介して比較器557に入力する。そして、この比較器557はテストパターンセンサ18からの出力信号の電圧レベルをパターン検出用閾値情報と比較し、その比較結果をパターン検出信号としてCPU521に出力する。このように、本実施形態では、バッファ555が「パターン検出用記憶手段」として機能している。
図8は図7の検出処理回路の動作を示す模式図である。中間転写ベルト16上にサンプルパターン像SP(K)、SP(C)、SP(M)、SP(Y)が形成されると、テストパターンセンサ18の投光部(図示省略)を点灯させてテストパターンセンサ18によるサンプルパターン像SP(K)、SP(C)、SP(M)、SP(Y)の検出を可能とする。そして、サンプルパターン像SP(K)、SP(C)、SP(M)、SP(Y)が中間転写ベルト16の移動とともに搬送方向D16に移動してテストパターンセンサ18を通過すると、各色のパターン検出用閾値情報が求められてバッファ555に更新・記憶される。なお、いずれのトナー色についても基本的に同一動作であるため、ここで、ブラックについてのみ説明する。
ブラックのサンプルパターン像SP(K)がテストパターンセンサ18を通過する間に、センサ18の受光部から出力される信号の電圧レベルの最大値PV(K)および最小値BV(K)がピークホールド回路551およびボトムホールド回路552によりそれぞれ検出される。そして、閾値設定回路554は最大値PV(K)および最小値BV(K)に基づき最新のブラックトナー用閾値TH(K)を決定し、バッファ555中のバッファ(K)に書き込む。これによってブラックについて既存のパターン検出用閾値情報が更新される。また、こうしてブラックのパターン検出用閾値情報の更新が完了すると、ピークホールド回路551およびボトムホールド回路552をリセットする。なお、その他のトナー色についてもブラックと同様にして最新のトナー用閾値TH(C)、TH(M)、TH(Y)を決定し、バッファ555中のパターン検出用閾値情報を更新する。
以上のように、この実施形態によれば、各色のサンプルパターン像SP(K)、SP(C)、SP(M)、SP(Y)に基づき最新のトナー用閾値TH(K)、TH(C)、TH(M)、TH(Y)をパターン検出用閾値情報として決定しているので、レジストパターン像の位置情報を正確に検出することができ、色ずれ補正をより高精度に行うことができる。
本実施形態では、装置のガンマ特性を最適化するために階調制御処理を行う。なお、その他の基本的構成は図1の実施形態と同一であるため、それらについては同一あるいは相当の符号を付し、それらの説明は省略する。この階調制御処理では、各トナー色毎に、ガンマ特性を測定するために予め用意された階調補正用の階調パッチ画像がエンジン部EGによって中間転写ベルト16上に形成され、各階調パッチ画像の画像濃度をテストパターンセンサ18が読み取り、該センサ18からの信号に基づき各階調パッチ画像の階調レベルと、検出した画像濃度とを対応させた階調特性(エンジン部EGのガンマ特性)を作成する。そして、このように実測されたエンジン部EGの階調特性を補償するように装置のガンマ特性を最適化することで、この画像形成装置では、装置のガンマ特性のばらつきや経時変化によらず、安定した品質で画像を形成することができる。
そこで、単色印字処理の実行後でかつカラー印字処理の開始前に色ずれ補正を行う場合であって、レジストパターン像の形成に先立ってサンプルパターン像を形成する場合は、テストパターンセンサ18により該サンプルパターン像の濃度を検出するとともに、該検出濃度が所定範囲内に無い場合は、上述の階調制御処理を実行するように構成しても良い。このように構成することで、単色印字処理実行後カラー印字処理の実行を開始する際に、画像形成装置のガンマ特性が最適でない状態であっても、かかる状態を検出し階調制御処理を実行することができる。よって、安定した品質で画像を形成することができる。
また、上述の実施形態では図4に示すように、単色印字処理実行後カラー印字処理を開始する際に色ずれ補正を行う場合は、レジストパターン像の形成に先立ってサンプルパターン像が形成される。したがって、サンプルパターン像を用いることでレジストパターン像の開始位置を確認できる。つまり、上記実施形態では、所定個数(上記実施形態では4つ)のサンプルパターン像がテストパターンセンサ18により検出された後にレジストパターン像が検出されるため、所定個数のサンプルパターン像がテストパターンセンサ18により検出されたことをもってレジストパターン像の開始位置を確認することができる。ここで、検出された信号がサンプルパターン像に対応するものであるか否かは、その搬送方向D16における幅から判断することができる。すなわち、上記実施形態では、搬送方向D16において、サンプルパターン像の幅SLはレジストパターン像の幅RLより広く設定されているため、テストパターンセンサ18により検出された信号から求められる搬送方向D16における幅が所定幅以上であるかを判断することで、検出された信号がサンプルパターン像に対応するものであるか否かを判断できる。そこで本実施形態では、4つのサンプルパターン像を検出したことをもって、レジストパターン像の開始位置を特定するように構成している。なお、その他の基本的構成は図1の実施形態と同一であるため、それらについては同一あるいは相当の符号を付し、それらの説明は省略する。
本実施形態のように、レジストパターン像の開始位置を特定できる場合、この開始位置を基準にテストパターンセンサ18により検出されるレジストパターン像のトナー色を特定できる。すなわち、本実施形態では、サンプルパターン像が4つ検出された後、レジストパターン像がRP(C),RP(M),RP(Y),RP(K)の順番で検出されることとなる。したがって、レジストパターン像の開始位置で検出されるレジストパターン像のトナー色はシアン(C)であるとともに、これに続いてトナー色マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(K)のレジストパターン像が順番に検出される。よって、レジストパターン像の開始位置から何番目に検出されたレジストパターン像かを判断することで、検出されたレジストパターン像のトナー色を特定することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、搬送方向D16におけるサンプルパターン像SPの幅SLは、レジストパターン像の幅RLよりも長く、且つ図4に示すように現像ローラ33の表面においてトナー規制位置KPから現像位置GPの距離と等しくなるように設定している。しかしながら、サンプルパターン像の幅SLは、現像ローラ33の表面におけるトナー規制位置KPから現像位置GPの距離より狭い場合であっても、レジストパターン像の幅RLよりも広い場合であれば、本発明の効果を奏する。すなわち、現像ローラ33表面に担持されるトナー層の不均一性は現像ローラ33が停止している状態で放置されたことにより起こるが、レジストパターン像の形成に先立って、搬送方向D16において該レジストパターン像の幅RLよりも広い幅SLを有するサンプルパターン像を中間転写ベルト16上に形成するように構成している場合、レジストパターン像を中間転写ベルト16に形成する際には、サンプルパターン像を形成するために既に現像ローラ33はある程度回転駆動されており、該現像ローラ33表面のトナー層の不均一性が緩和されることとなる。したがって、長時間単色印字処理が実行されていた場合であっても、中間転写ベルト16上にレジストパターン像を良好に形成でき、高精度のレジスト調整が可能となる。但し、搬送方向D16におけるサンプルパターン像SPの幅SLを、現像ローラ33の表面におけるトナー規制位置KPから現像位置GPの距離と等しくなるように設定した場合は、上述の通り、レジストパターン像は規制ブレード34により均一化されたトナー層により形成されることとなるため、より良好に形成することができ好適である。
また、搬送方向D16におけるサンプルパターン像SPの幅SLを、現像ローラ33の表面におけるトナー規制位置KPから現像位置GPの距離以上と設定しても良い。特に、該幅SLを現像ローラ33の周長(上記実施形態では44mm)以上とした場合、次のような効果を奏する。すなわち、このように構成された発明では、カラー印字処理の開始時点に、現像ローラ33の表面に担持されているトナーは、サンプルパターン像を形成するために使用されることとなる。つまり、単色印字処理実行中に不均一となったトナー層はサンプルパターン像を形成するために使用される。よって、レジストパターン像は、均一なトナー層により形成されることとなるため、良好に形成することができ高精度のレジスト調整が可能となる。
また、上記実施形態では、サンプルパターン像を各トナー色(Y),(M),(C),(K)について1つずつ形成したが、サンプルパターン像の個数はこれに限られるものではなく、各色について複数個のサンプルパターン像を形成しても良い。また、特定のトナー色についてのみサンプルパターン像を形成するように構成しても良い。例えば、上記実施形態において、単色印字処理実行後カラー印字処理を実行する場合、画像形成ステーションKの現像ローラ33については、単色印字処理実行中においても回転駆動されている。したがって、画像形成ステーションKの現像ローラ33については、上述したような放置バンディングの発生がないと判断できる場合は、トナー色(Y),(M),(C)についてのみサンプルパターン像を形成しても良い。
また、上記実施形態では、中間転写ベルト16上にレジストパターン像を形成する画像形成装置に本発明を適用しているが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、中間転写ドラムや転写シートなどの転写媒体にレジストパターン像を形成して色ずれ処理を行う装置全般に対して本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では画像形成ステーションKを特定画像形成ステーションとしたが、特定画像形成ステーションは画像形成ステーションKに限られるものではなく、他の画像形成ステーションを特定画像形成ステーションとしても良い。
また、上記実施形態では、テストパターンセンサ18によりサンプルパターン像の濃度を検出しているが、トナー像の濃度を検出するための濃度センサを別に設け、該濃度センサによりサンプルパターン像の濃度を検出するように構成しても良い。
1…画像形成装置、 16…中間転写ベルト(転写媒体)、 18…テストパターンセンサ(検出手段)、 20…潜像担持体、 33…現像ローラ、 34…規制ブレード、 52…エンジンコントローラ(表面状態取得手段、パターン形成制御手段)、 55…検出処理回路、 521…CPU(補正手段)、 523…ROM(パターン検出用記憶手段)、 555…バッファ(パターン検出用記憶手段)、 D16…送方向(移動方向)、 Y,M,C,K…画像形成ステーション、 RP(C),RP(M),RP(Y),RP(K)…レジストパターン像、 SP(C),SP(M),SP(Y),SP(K)…サンプルパターン像
Claims (7)
- その表面にトナーを担持しながら回転自在な現像ローラと潜像担持体とを有してトナー像形成時には前記現像ローラを回転させながら前記潜像担持体に当接または近接させる一方トナー像非形成時には前記現像ローラを回転停止させながら前記潜像担持体から離間させる、画像形成ステーションを互いに異なるトナー色ごとに設け、しかも前記複数の画像形成ステーションを転写媒体の移動方向に沿って配置するとともに、前記複数の画像形成ステーションの各々により形成されるトナー像を前記転写媒体上で重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、前記複数の画像形成ステーションのうちの特定画像形成ステーションのみによりトナー像を前記転写媒体上に形成する単色モードとを選択的に実行する画像形成装置において、
前記複数の画像形成ステーションにより前記転写媒体上に形成される、前記移動方向に第1の幅を有するレジストパターン像を検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づき前記複数のトナー色間での色ずれを補正する補正手段とを備え、
前記単色モード実行後でかつ前記カラーモードの開始前に前記色ずれの補正を行う際には、前記複数の画像形成ステーションの各々は、前記移動方向において前記第1の幅よりも広い第2の幅を有するトナー像をサンプルパターン像として形成した後、前記転写媒体上に前記第1の幅を有するトナー像を前記レジストパターン像として形成することを特徴とする画像形成装置。 - 前記複数の画像形成ステーションの各々は、
前記現像ローラと前記潜像担持体とが対向する現像位置に対して前記現像ローラの回転方向の上流側に位置するトナー規制位置で前記現像ローラ表面のトナー層を規制する規制ブレードをさらに有し、しかも、
前記第2の幅が前記現像ローラ表面における前記トナー規制位置から前記現像位置までの距離以上となるように、前記サンプルパターン像を形成する請求項1記載の画像形成装置。 - 前記第2の幅が前記現像ローラの周長以上となるように、前記サンプルパターン像を形成する請求項1に記載の画像形成装置。
- 各トナー色ごとにレジストパターン像の検出基準となるパターン検出用閾値情報を記憶するパターン検出用記憶手段をさらに備え、
前記補正手段は、各トナー色ごとに、前記検出手段から出力される該トナー色のレジストパターン像で反射される光に関連する信号と前記パターン検出用閾値情報とを対比して前記転写媒体上での該レジストパターン像の位置情報を求め、前記複数色の位置情報に基づき前記複数色の間での色ずれを補正する請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記検出手段から出力される前記サンプルパターン像で反射される光に関連する信号に基づいて、新たに各トナー色の前記パターン検出用閾値情報を求めるとともに、前記パターン検出用記憶手段に既に記憶されている各トナー色のパターン検出用閾値情報を新たに求められた各トナー色の前記パターン検出用閾値情報に更新する請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記検出手段により前記サンプルパターン像のトナー濃度を検出する請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
- その表面にトナーを担持しながら回転自在な現像ローラと潜像担持体とを有してトナー像形成時には前記現像ローラを回転させながら前記潜像担持体に当接または近接させる一方トナー像非形成時には前記現像ローラを回転停止させながら前記潜像担持体から離間させる、画像形成ステーションを互いに異なるトナー色ごとに設け、しかも前記複数の画像形成ステーションを転写媒体の移動方向に沿って配置するとともに、前記複数の画像形成ステーションの各々により形成されるトナー像を前記転写媒体上で重ね合わせてカラー画像を形成するカラーモードと、前記複数の画像形成ステーションのうちの特定画像形成ステーションのみによりトナー像を前記転写媒体上に形成する単色モードとを選択的に実行する画像形成装置において、前記複数の画像形成ステーションにより前記移動方向に第1の幅を有するレジストパターン像を形成して前記複数の画像形成ステーションにより形成されるトナー像の色ずれを補正するレジスト調整方法であって、
前記単色モード実行後でかつ前記カラーモードの開始前に前記色ずれ補正を行う際には、前記複数の画像形成ステーションの各々により、前記転写媒体上に前記移動方向において前記第1の幅よりも広い第2の幅を有するトナー像をサンプルパターン像として形成するサンプル形成工程と、
前記サンプルパターン像の形成後、前記転写媒体上に前記移動方向において前記第1の幅を有するレジストパターン像を形成するレジスト形成工程と、
前記複数のレジストパターン像の各々について、該レジストパターン像に光を照射するとともに該レジストパターン像からの反射光の光量を検出する光量検出工程と、
前記複数のレジストパターン像からの反射光量に基づき前記複数色の間での色ずれを補正する補正工程と
を備えたことを特徴とする画像形成装置におけるレジスト調整方法。
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