JP2007004857A - トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子を有する磁気ディスク装置 - Google Patents

トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子を有する磁気ディスク装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007004857A
JP2007004857A JP2005181628A JP2005181628A JP2007004857A JP 2007004857 A JP2007004857 A JP 2007004857A JP 2005181628 A JP2005181628 A JP 2005181628A JP 2005181628 A JP2005181628 A JP 2005181628A JP 2007004857 A JP2007004857 A JP 2007004857A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
head element
magnetic disk
voltage
resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005181628A
Other languages
English (en)
Inventor
Nozomi Hachisuga
望 蜂須賀
Naoki Ota
尚城 太田
Norio Takahashi
法男 高橋
Yosuke Antoku
洋介 安徳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2005181628A priority Critical patent/JP2007004857A/ja
Publication of JP2007004857A publication Critical patent/JP2007004857A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Hall/Mr Elements (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)
  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)

Abstract

【課題】 TMRヘッド素子に関するモニタを、実際の動作中においても容易にかつ確実に行うことができるTMRヘッド素子を有する磁気ディスク装置及びTMRヘッド素子を有する磁気ディスク装置用のヘッドアンプを提供する。
【解決手段】 TMRヘッド素子に互いに異なる値の複数の電圧又は電流を印加可能な印加手段と、複数の電圧又は電流をそれぞれ印加した状態でTMRヘッド素子の抵抗値を測定する測定手段と、測定して得た複数の抵抗値から抵抗変化率を算出する抵抗変化率算出手段と、算出した抵抗変化率を少なくとも1つの閾値と比較してTMRヘッド素子の状態を識別する識別手段とを含む自己モニタシステムを備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、トンネル磁気抵抗効果(TMR)を利用したヘッド素子を有する磁気ディスク装置及びTMRヘッド素子を有する磁気ディスク装置用のヘッドアンプに関する。
近年、磁気ディスク装置(ハードディスクドライブ(HDD))においては、大幅な記録密度の向上が図られており、これに応じて、TMR読出しヘッド素子を用いたHDDが提案されている。
この種のHDDを実際に動作させた場合、内蔵されているTMR読出しヘッド素子にピンホールが発生する、その数が増加する等によって、特性が劣化してくることが予測される。
従来より、TMR読出しヘッド素子については、製造した直後又はその製造途中において、良品であるか又は不良品であるかを評価することが行われている。特許文献1には、TMRヘッド素子にダメージを与えたり破壊させることなく信頼性の確認を行う検査方法として、設定された初期電流値をTMRヘッド素子に通電して抵抗値を測定し、この抵抗値を用いて検査電流値を求めるか、又はこの抵抗値と素子の測定基準となる電圧値により修正電流値を求めることを何度か行い、最終的な修正電流値をTMRヘッド素子に通電して抵抗値を測定し、最終的な抵抗値を用いて検査電流値を求め、このようにして求めた検査電流値を用いてTMRヘッド素子の電磁変換特性等の特性検査を行う方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている方法は、製造時又は製造途中に行われる検査方法であり、HDDに組み込まれたTMR読出しヘッド素子をその実際の動作中に自己モニタするものではなかった。
HDDの自己モニタ方法又はプログラムとして、SMART(Self−Monitoring, Analysis and Reporting Technology)機能が知られている。このSMART機能は、例えばヘッド浮上量、リマップされたセクタ数、エラー数、温度、データ出力レート等のアトリビュート値をモニタしてHDDの信頼性悪化を予知しようとするものである。
特開2001−23131号公報
しかしながら、TMR読出しヘッド素子に関してHDD動作中にモニタすることは、従来より全く行われておらず、提案すらなされていなかった。
従って本発明の目的は、TMRヘッド素子に関するモニタを、実際の動作中においても容易にかつ確実に行うことができるTMRヘッド素子を有する磁気ディスク装置及びTMRヘッド素子を有する磁気ディスク装置用のヘッドアンプを提供することにある。
本発明によれば、TMRヘッド素子に互いに異なる値の複数の電圧又は電流を印加可能な印加手段と、複数の電圧又は電流をそれぞれ印加した状態でTMRヘッド素子の抵抗値を測定する測定手段と、測定して得た複数の抵抗値から抵抗変化率を算出する抵抗変化率算出手段と、算出した抵抗変化率を少なくとも1つの閾値と比較してTMRヘッド素子の状態を識別する識別手段とを含む自己モニタシステムを備えた磁気ディスク装置が提供される。
自己モニタシステムが、識別した状態を通知する通知手段をさらに含んでいることが好ましい。
印加手段が、互いに異なる電圧又は電流を互いに不連続又は連続に印加する手段であることも好ましい。ここで、不連続に電圧又は電流を印加するとは、1つの電圧又は電流を印加した後、その電圧又は電流印加を一旦止め、その後、次の電圧又は電流を印加することをいう。
本発明によれば、さらに、TMRヘッド素子に第1の値の電圧又は電流並びにこの第1の値より絶対値が大きい第2の値の電圧又は電流を印加可能な印加手段と、TMRヘッド素子に第1の値の電圧又は電流を印加した状態で抵抗値を測定して第1の抵抗値とする第1の測定手段と、TMRヘッド素子に第2の値の電圧又は電流を印加した状態で抵抗値を測定して第1の抵抗値とする第2の測定手段と、第1の抵抗値と第2の抵抗値とから抵抗変化率を算出する抵抗変化率算出手段と、算出した抵抗変化率を少なくとも1つの閾値と比較してTMRヘッド素子の状態を識別する識別手段とを含む自己モニタシステムを備えた磁気ディスク装置が提供される。
TMRヘッド素子に互いに異なる値の電圧又は電流を印加した時の抵抗値を求め、抵抗変化率を求めること行う。抵抗変化率%VbdMRR(電圧印加時)又は%dMRR(電流印加時)が低いTMRヘッド素子においてはバリア層の金属伝導の度合いが低く、ピンホールが少ないため素子破壊電圧が高い。逆に、抵抗変化率が高いTMRヘッド素子にいてはバリア層の金属伝導の度合いが高く、ピンホールが多いため素子破壊電圧が低い。従って、異なる電圧又は電流値によって測定した抵抗値から抵抗変化率%VbdMRR又は%dMRRを求め、これを閾値と比較することによって、TMRヘッド素子に関する信頼性、劣化程度を極めて容易にかつ短時間に識別することができ、その結果がユーザに通知される。これにより、ユーザは、磁気ディスク装置内のTMR読出しヘッド素子の特性劣化等の情報を知ることができ、磁気ディスク装置の交換や情報のバックアップ等をこの磁気ディスク装置が故障する前に行うことが可能となる。
特に、異なる電圧値によって測定した抵抗値から抵抗変化率%VbdMRRを求めるようにした場合、TMR層のサイズが異なる場合にもこの層にかかる負荷、即ち電圧が等しいため、負荷率を一定に保って測定及び識別を行うことができる。しかも、TMRヘッド素子を実際に使用する形態に近い状態の電圧条件下で測定を行うことができる。即ち、この場合、抵抗変化率が、TMRヘッド素子の抵抗値とはさほど強い相関性を持たず、ある値に近づくことでTMR層のサイズによる面積効果が無くなり、TMR層として十分に機能するものと欠陥を有しているものとの見分けが容易になる。換言すれば、抵抗値と抵抗変化率との関係を表す1本の連続相関線において、抵抗値が小さい領域では傾きが大きくかつ抵抗変化率が減少し、抵抗値がある値以上となると変局して傾きが変化し、ある抵抗変化率へ漸近して飽和する。この抵抗値が小さくかつ相関線が負の大きな傾きを有する領域と、相関線が変局してその傾きが変化しある抵抗変化率に漸近する領域とでは、異なる膜質を示しているのである。その結果、TMRヘッド素子に関する信頼性の確認を、明確かつ確実に行うことができるのである。
自己モニタシステムが、識別した状態を通知する通知手段をさらに含んでいることが好ましい。
印加手段が、第1の値の電圧又は電流と第2の値の電圧又は電流とを互いに不連続又は連続に印加する手段であることも好ましい。ここで、不連続に電圧又は電流を印加するとは、1つの電圧又は電流を印加した後、その電圧又は電流印加を一旦止め、その後、次の電圧又は電流を印加することをいう。
抵抗変化率算出手段が、第1の抵抗値をRとし、第2の抵抗値をRとすると、(R−R)/R×100(%)から抵抗変化率を算出する手段であることが好ましい。
識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が第1の閾値を越える場合はTMRヘッド素子が使用できない状態であると識別する手段であることが好ましい。
識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が第1の閾値以下でありかつ第1の閾値より低い第2の閾値を越える場合はTMRヘッド素子が不安定ではあるが使用できる状態であると識別する手段であることも好ましい。
識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が第2の閾値以下でありかつ第2の閾値より低い第3の閾値を越える場合はTMRヘッド素子が安定した状態であると識別する手段であることも好ましい。
識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が第3の閾値を越える場合はTMRヘッド素子が非常に安定した状態であると識別する手段であることも好ましい。
TMRヘッド素子のトンネルバリア層がアルミニウム(Al)の酸化物、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)で構成されており、かつ、第1の電圧値が25mV、第2の電圧値が150mVの場合、第1の閾値が−0.8(%)であることが好ましい。さらに、この場合、第2の閾値が−1.2(%)であることが好ましい。さらにまた、第3の閾値が−1.8(%)であることが好ましい。
TMRヘッド素子のトンネルバリア層がアルミニウム(Al)の酸化物、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)で構成されており、かつ、第1の電流値が0.1mA、第2の電流値が0.4mAの場合、第1の閾値が−0.6(%)であることが好ましい。さらに、この場合、第2の閾値が−0.8(%)であることが好ましい。さらにまた、第3の閾値が−1.0(%)であることが好ましい。
なお、トンネルバリア層をAlの酸化物以外の材料で構成する場合、それに応じて、第1の電圧又は電流値、第2の電圧又は電流値及び抵抗変化率の第1〜第3の閾値を設定すれば、同様に評価が可能となる。
自己モニタシステムが、磁気ディスク装置の起動時に、設定された時間毎に、及び/又は指示される毎に作動してTMRヘッド素子の状態を識別することが好ましい。
自己モニタシステムは、TMRヘッド素子が磁気ディスクの記録領域上から退避した状態、又はTMRヘッド素子が磁気ディスクの特定の情報を記録した領域上に位置する状態で作動することが好ましい。
本発明によれば、さらにまた、TMRヘッド素子に第1の値の電圧又は電流並びにこの第1の値より絶対値が大きい第2の値の電圧又は電流を印加可能な印加手段と、TMRヘッド素子に第1の値の電圧又は電流を印加した状態で抵抗値を測定して第1の抵抗値とする第1の測定手段と、TMRヘッド素子に第2の値の電圧又は電流を印加した状態で抵抗値を測定して第1の抵抗値とする第2の測定手段と、第1の抵抗値と第2の抵抗値とから抵抗変化率を算出する抵抗変化率算出手段と、算出した抵抗変化率を少なくとも1つの閾値と比較してTMRヘッド素子の状態を識別する識別手段とを含む自己モニタシステムを備えた磁気ディスク装置用のヘッドアンプが提供される。
このようなヘッドアンプを、通常の磁気ディスク装置に用いて使用する。これにより、TMRヘッド素子に互いに異なる値の電圧又は電流を印加した時の抵抗値を求め、抵抗変化率を求めること行う。抵抗変化率%VbdMRR(電圧印加時)又は%dMRR(電流印加時)が低いTMRヘッド素子においてはバリア層の金属伝導の度合いが低く、ピンホールが少ないため素子破壊電圧が高い。逆に、抵抗変化率が高いTMRヘッド素子にいてはバリア層の金属伝導の度合いが高く、ピンホールが多いため素子破壊電圧が低い。従って、異なる電圧又は電流値によって測定した抵抗値から抵抗変化率%VbdMRR又は%dMRRを求め、これを閾値と比較することによって、TMRヘッド素子に関する信頼性、劣化程度を極めて容易にかつ短時間に識別することができ、その結果がユーザに通知される。これにより、ユーザは、磁気ディスク装置内のTMR読出しヘッド素子の特性劣化等の情報を知ることができ、磁気ディスク装置の交換や情報のバックアップ等をこの磁気ディスク装置が故障する前に行うことが可能となる。
特に、異なる電圧値によって測定した抵抗値から抵抗変化率%VbdMRRを求めるようにした場合、TMR層のサイズが異なる場合にもこの層にかかる負荷、即ち電圧が等しいため、負荷率を一定に保って測定及び識別を行うことができる。しかも、TMRヘッド素子を実際に使用する形態に近い状態の電圧条件下で測定を行うことができる。即ち、この場合、抵抗変化率が、TMRヘッド素子の抵抗値とはさほど強い相関性を持たず、ある値に近づくことでTMR層のサイズによる面積効果が無くなり、TMR層として十分に機能するものと欠陥を有しているものとの見分けが容易になる。換言すれば、抵抗値と抵抗変化率との関係を表す1本の連続相関線において、抵抗値が小さい領域では傾きが大きくかつ抵抗変化率が減少し、抵抗値がある値以上となると変局して傾きが変化し、ある抵抗変化率へ漸近して飽和する。この抵抗値が小さくかつ相関線が負の大きな傾きを有する領域と、相関線が変局してその傾きが変化しある抵抗変化率に漸近する領域とでは、異なる膜質を示しているのである。その結果、TMRヘッド素子に関する信頼性の確認を、明確かつ確実に行うことができるのである。
印加手段が、第1の値の電圧又は電流と第2の値の電圧又は電流とを互いに不連続又は連続に印加する手段であることが好ましい。ここで、不連続に電圧又は電流を印加するとは、1つの電圧又は電流を印加した後、その電圧又は電流印加を一旦止め、その後、次の電圧又は電流を印加することをいう。
抵抗変化率算出手段が、第1の抵抗値をRとし、第2の抵抗値をRとすると、(R−R)/R×100(%)から抵抗変化率を算出する手段であることが好ましい。
識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が第1の閾値を越える場合はTMRヘッド素子が使用できない状態であると識別する手段であることが好ましい。
識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が第1の閾値以下でありかつ第1の閾値より低い第2の閾値を越える場合はTMRヘッド素子が不安定ではあるが使用できる状態であると識別する手段であることも好ましい。
識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が第2の閾値以下でありかつ第2の閾値より低い第3の閾値を越える場合はTMRヘッド素子が安定した状態であると識別する手段であることも好ましい。
識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が第3の閾値を越える場合はTMRヘッド素子が非常に安定した状態であると識別する手段であることも好ましい。
本発明によれば、異なる電圧又は電流値によって測定した抵抗値から抵抗変化率%VbdMRR又は%dMRRを求め、これを閾値と比較することによって、TMRヘッド素子に関する信頼性、劣化程度を極めて容易にかつ短時間に識別することができ、その結果がユーザに通知される。これにより、ユーザは、磁気ディスク装置内のTMR読出しヘッド素子の特性劣化等の情報を知ることができ、磁気ディスク装置の交換や情報のバックアップ等をこの磁気ディスク装置が故障する前に行うことが可能となる。
図1は本発明の一実施形態として、TMR薄膜磁気ヘッドを備えたHDDの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
同図において、10は磁気記録媒体である磁気ディスク、11はこの磁気ディスク10を回転させるスピンドルモータ(SPM)、12はTMR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子を備えたTMR薄膜磁気ヘッド、13はこのTMR薄膜磁気ヘッド12の支持機構、14は支持機構13を回動させて磁気ヘッドの位置決めを行うボイスコイルモータ(VCM)、15はTMR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子用のヘッドアンプ、16はSPM11及びVCM14を駆動するモータドライバ、17はリードライトチャネル、18はハードディスクコントローラ(HDC)、19はマイクロコンピュータ、20はデータのバッファ用として用いられるメモリをそれぞれ示している。
ヘッドアンプ15は、インダクティブ書込みヘッド素子に印加される書込み電流を発生する書込みドライバ回路と、TMR読出しヘッド素子へ定電流回路から所定のセンス電流を供給してその出力電圧を増幅する読出しアンプ回路とを備えている。特に本実施形態では、読出しアンプ回路は、自己モニタ動作時に、TMR読出しヘッド素子へ互いに異なる値の電圧を印加する必要があることから、このTMR読出しヘッド素子に流すセンス電流を徐々に変化できるように構成されている。なお、本実施形態のように定電流を流す電流バイアス方式に代えて、定電圧を印加する電圧バイアス方式を用いても良いことは明らかである。
リードライトチャネル17は、主に、書込みデータをコード変調してヘッドアンプ15へ出力すると共に、ヘッドアンプ15からの読出し信号波形からデータを検出してコード復調する処理を行うものである。
HDC18は、エラー訂正、バッファ制御、キャッシュ制御、インタフェース制御、サーボ制御等を行うものであり、このHDDに接続されているホストコンピュータ等と、書込みデータ及び読出しデータの送受を行う。
マイクロコンピュータ19は、HDD全体の制御を行うものであり、VCM14による薄膜磁気ヘッドの位置制御、インタフェース制御、HDDの各回路の初期化、設定等を行うと共に自己モニタ処理を実行するものである。図1において、この自己モニタ処理を実行する部分が自己モニタシステム19aとして表わされている。
図2はHDDの自己モニタシステム19aの処理動作を説明するフローチャートである。
マイクロコンピュータ19は、HDD起動時、あらかじめ定めた時間が経過する毎、及び/又は任意の指示に応じてこの自己モニタ処理を実行する。HDD起動時においてはTMR読出しヘッド素子が磁気ディスク10の記録領域に移動する前の記録領域外に退避している状態で自己モニタ処理を実行し、時間毎及び指示毎の場合はTMR読出しヘッド素子を磁気ディスク10の記録領域外に退避させた状態で自己モニタ処理を実行する。TMR読出しヘッド素子が磁気ディスク10の記録領域外に退避した状態とは、ロードアンロード方式のHDDにおいては、TMR読出しヘッド素子を含む薄膜磁気ヘッドが磁気ディスクの外側に位置するランプ上に載置されている状態を意味しており、コンタクトスタートストップ(CSS)方式のHDDにおいては、TMR読出しヘッド素子を含む薄膜磁気ヘッドが磁気ディスク上のCSS領域に存在している状態を意味している。このように退避させた状態で自己モニタ処理を行うことにより、磁気ディスクからTMR読出しヘッド素子に印加される磁気的影響をできるだけ小さくするためである。TMR読出しヘッド素子が磁気ディスク10の記録領域外に退避した状態で自己モニタ処理を行うことが望ましいが、TMR読出しヘッド素子が磁気ディスク10の特定の情報を記録した領域上、例えば、1−1−1−1を記録したようなトラック上、に位置する状態で自己モニタ処理を行っても良い。即ち、退避していない状態で自己モニタ処理を行うことも本発明の適用範囲である。
まず、HDD内に設けられているTMR読出しヘッド素子に、第1の電圧値、例えば25mV、を有する電圧を印加する(ステップS1)。この場合、ヘッドアンプ15内の定電流回路より、既知の電流値の電流をTMR読出しヘッド素子に流してその出力電圧をヘッドアンプ15及びリードライトチャネル17を介してマイクロコンピュータ19によってモニタし、その値が第1の電圧値、例えば25mV、となる定電流値を知る。その際、定電流回路からの電流を、ステップ的に変化させて第1の電圧値に到達させても良いし、連続的に変化させて第1の電圧値に到達させても良い。
次いで、第1の電圧値と、この値に到達したときの定電流回路からの電流値とからオームの法則によってTMR読出しヘッド素子の抵抗値を算出する(ステップS2)。算出した抵抗値は、第1の抵抗値Rとして、マイクロコンピュータ19内に記憶される。
次いで、第1の電圧値より高い第2の電圧値、例えば150mV、を有する電圧をTMR読出しヘッド素子に印加する(ステップS3)。この場合、定電流回路より、既知の電流値の電流をTMR読出しヘッド素子に流してその出力電圧をヘッドアンプ15及びリードライトチャネル17を介してマイクロコンピュータ19によってモニタし、その値が第2の電圧値、例えば150mV、となる定電流値を知る。その際、定電流回路からの電流を、ステップ的に変化させて第2の電圧値に到達させても良いし、連続的に変化させて第2の電圧値に到達させても良い。
次いで、第2の電圧値と、この値に到達したときの定電流回路からの電流値とからオームの法則によってTMR読出しヘッド素子の抵抗値を算出する(ステップS4)。算出した抵抗値は、第2の抵抗値Rとして、マイクロコンピュータ19内に記憶される。
その後、第1の抵抗値R及び第2の抵抗値Rから抵抗変化率%VbdMRRを、式%VbdMRR(%)=(R−R)/R×100を用いて算出し、その計算結果が第1の閾値である−0.8%より大きいか否か、即ち−0.8%より正の側に大きいか否かを判別する(ステップS5)。
大きい場合は、そのTMR読出しヘッド素子のバリア層に多数のピンホールが生じており、特性が劣化していて使用できない状態(ランクD)であると識別する(ステップS6)。
−0.8%以下の場合は、この%VbdMRRを第2の閾値である−1.2%より大きいか否か、即ち−1.2%より正の側に大きいか否かを判別する(ステップS7)。
大きい場合は、そのTMR読出しヘッド素子のバリア層に多少のピンホールが生じて、不安定であるが何とか使用できる状態(ランクC)であると識別する(ステップS8)。
−1.2%以下の場合は、この%VbdMRRを第3の閾値である−1.8%より大きいか否か、即ち−1.8%より正の側に大きいか否かを判別する(ステップS9)。
大きい場合は、そのTMR読出しヘッド素子のバリア層にピンホールがほとんど生じておらず、安定した状態(ランクB)であると識別する(ステップS10)。
−1.8%以下の場合は、このTMR読出しヘッド素子のバリア層にピンホールが全く生じておらず、非常に安定した状態(ランクA)であると識別する(ステップS11)。
その後、以上のステップS6、S8、S10又はS11によって識別した状態をホストコンピュータに通知する(ステップS12)。
TMR読出しヘッド素子が複数設けられている場合は、その全てに対して同様の自己モニタ処理を行う。
これにより、ユーザは、HDD内のTMR読出しヘッド素子の特性劣化等の情報を知ることができ、HDDの交換や情報のバックアップ等をHDDが故障する前に行うことが可能となる。
図3は、この図2の自己モニタ処理における電圧印加シーケンスを説明する図である。
同図(A)に示すように、定電流回路からの電流をステップ的に変化させる方式の場合は、まず、定電流回路からの電流をステップ的に増大させて、TMR読出しヘッド素子の出力電圧が例えば25mVという低い方の第1の電圧値に到達した際に流した電流から抵抗値Rを求める。次いで、同様に、定電流回路からの電流をステップ的に増大させて、TMR読出しヘッド素子の出力電圧が例えば150mVという第1の電圧値より高い第2の電圧値に到達した際に流した電流から抵抗値Rを求める。その後、抵抗変化率%VbdMRRを%VbdMRR(%)=(R−R)/R×100から計算し、その結果を、第1、第2及び第3の閾値と比較して、TMR読出しヘッド素子の状態識別を行う。各電圧値における持続時間は任意であり、また、その間隔も任意である。
同図(B)に示すように、定電流回路からの電流を連続的に変化させる方式の場合は、まず、定電流回路からの電流を連続的に増大させて、TMR読出しヘッド素子の出力電圧が例えば25mVという低い方の第1の電圧値に到達した際に流した電流から抵抗値Rを求める。次いで、同様に、定電流回路からの電流を連続的に増大させて、TMR読出しヘッド素子の出力電圧が例えば150mVという第1の電圧値より高い第2の電圧値に到達した際に流した電流から抵抗値Rを求める。その後、抵抗変化率%VbdMRRを%VbdMRR(%)=(R−R)/R×100から計算し、その結果を、第1、第2及び第3の閾値と比較して、TMR読出しヘッド素子の状態識別を行う。電流増大の傾きは任意であり、また、第1及び第2の電圧値の間隔も任意である。
以上の電圧印加シーケンスは、第1の電圧値の電圧を印加した後、その電圧印加を一旦止め、その後、第2の電圧値の電圧を印加する、不連続な電圧印加方法であるが、第1の電圧値の電圧を印加した状態からその電圧を第2の電圧値まで上昇させる、連続的な電圧印加方法を用いても良い。
また、同図(C)に示すように、図2の処理シーケンスとは異なるが定電圧回路から定電圧を印加し、電流計により電流測定を行う方式を用いても良い。この場合、まず、例えば25mVという低い方の第1の電圧値の矩形波状の電圧を印加し、その時にTMR読出しヘッド素子を流れる電流値を測定して抵抗値Rを求める。次いで、例えば150mVという第1の電圧値より高い第2の電圧値の矩形波状の電圧を印加し、その時にTMR読出しヘッド素子を流れる電流値を測定して抵抗値Rを求める。その後、抵抗変化率%VbdMRRを%VbdMRR(%)=(R−R)/R×100から計算し、その結果を、第1、第2及び第3の閾値と比較して、TMR読出しヘッド素子の状態識別を行う。各電圧値における持続時間は任意であり、また、その間隔も任意である。
さらに、このように定電圧回路から定電圧を印加し、電流計により電流測定を行う方式を用いた場合に電圧を連続的に印加しても良い。同図(D)に示すように、まず、例えば25mVという低い方の第1の電圧値の電圧を印加し、その時にTMR読出しヘッド素子を流れる電流値を測定して抵抗値Rを求める。次いで、電圧印加を止めることなく、その電圧値を例えば150mVという第1の電圧値より高い第2の電圧値まで上昇させ、その時にTMR読出しヘッド素子を流れる電流値を測定して抵抗値Rを求める。その後、抵抗変化率%VbdMRRを%VbdMRR(%)=(R−R)/R×100から計算し、その結果を、第1、第2及び第3の閾値と比較して、TMR読出しヘッド素子の状態識別を行う。各電圧値の持続時間は任意である。
図4は、多数のTMR読出しヘッド素子について、上述した処理動作により、25mV印加時の第1の抵抗値R及び150mV印加時の第2の抵抗値Rを測定し、抵抗変化率%VbdMRRを求めた結果を表すグラフである。ただし、同図の横軸はTMR素子抵抗値(この場合、第1の抵抗値Rに等しい)を、縦軸は抵抗変化率%VbdMRRをそれぞれ表している。また、図5〜図8は抵抗変化率%VbdMRR及び後述する抵抗変化率%dMRRによって決まる各ランクのTMR読出しヘッド素子について、150mVの電圧を印加した状態を長時間(12時間)継続し、そのTMR素子抵抗値及び出力電圧を求めた結果を表すグラフである。ただし、これらの図の横軸は時間を、縦軸はTMR素子抵抗値及び出力電圧をそれぞれ表している。
図4に示すように、抵抗変化率%VbdMRRについて、−0.8%の第1の閾値、−1.2%の第2の閾値及び−1.8%の第3の閾値を設定し、多数のTMR読出しヘッド素子について、ランクA(第3の閾値以下)、ランクB(第2の閾値以下かつ第3の閾値より大きい)、ランクC(第1の閾値以下かつ第2の閾値より大きい)及びランクD(第1の閾値より大きい)に分類した。その場合、ランクAに分類されるTMR読出しヘッド素子については、図5にその一例(%VbdMRR=−2.09%のTMR読出しヘッド素子)を示すように、150mVを長時間印加した場合にも、素子抵抗値及び出力電圧が全く変化せず、非常に安定した状態を保っていた。ランクBに分類されるTMR読出しヘッド素子については、図6にその一例(%VbdMRR=−1.58%のTMR読出しヘッド素子)を示すように、150mVを長時間印加した場合にも、素子抵抗値及び出力電圧がほとんど変化せず、安定した状態を保っていた。一方、ランクCに分類されるTMR読出しヘッド素子については、図7にその一例(%VbdMRR=−0.89%のTMR読出しヘッド素子)を示すように、150mVを長時間印加した場合、素子抵抗値及び出力電圧が変化して不安定であるが、何とか使用できる状態であった。これに対して、ランクDに分類されるTMR読出しヘッド素子については、図8にその一例(%VbdMRR=−0.60%のTMR読出しヘッド素子)を示すように、150mVを印加して非常に短時間(30秒程度)で素子破壊が生じてしまい、使用できない状態であった。
上述した実施形態では、抵抗変化率%VbdMRRに関する第1〜第3の閾値を−0.8(%)、−1.2(%)及び−1.8(%)としているが、これら閾値は、TMR素子のトンネルバリア層がAlの酸化物、例えば、Alで構成されており、かつ、第1の電圧値が25mV、第2の電圧値が150mVの場合の閾値である。トンネルバリア層をAlの酸化物以外の材料で構成する場合、それに応じて、第1の電圧値、第2の電圧値及び抵抗変化率の第1〜第3の閾値を設定すれば、同様に識別することが可能となる。また、閾値の数は3つに限定されるものではなく、1つ又は2つであっても良いし、4つ以上であっても良い。即ち、閾値の値及び数は上述した実施形態の値及び図に限定されるものではなく、TMR読出しヘッド素子及びHDDの仕様に応じて任意に設定される。
また、印加する電圧として、第1の抵抗値Rを測定する際に印加する第1の電圧値と第2の抵抗値Rを測定する際に印加する第2の電圧値とは、上述した値に限定されるものではなく、TMR読出しヘッド素子が破壊される電圧値より絶対値が小さくかつ第2の電圧値が第1の電圧値より絶対値が大きければ良い。例えば、第1の電圧値を25mVとした場合、第2の電圧値はこれより高くかつTMRヘッド素子が破壊される電圧値より低ければ良い。もちろん、第1の電圧値を25mV以外の値としても良い。また、第2の電圧値の電圧を先に印加して、その後に、これより低い第1の電圧値の電圧を印加するようにしても良い。
また、電圧の印加方向は、流れる電流の方向がTMR読出しヘッド素子の基板側(積層方向で下側)から非基板側(積層方向で上側)に向かう方向であってもその逆であっても良い。これは、TMR層の積層順序にかかわらない。
以上述べたように、本実施形態によれば、第1の電圧値の電圧がTMR読出しヘッド素子に印加された時に流れる電流値からこのTMR読出しヘッド素子の第1の抵抗値Rを算出し、第1の電圧値の電圧とは不連続に、かつこの第1の電圧値より高い第2の電圧値の電圧がTMR読出しヘッド素子に印加された時に流れる電流値からTMR読出しヘッド素子の第2の抵抗値Rを算出し、第1の抵抗値R及び第2の抵抗値Rから、抵抗変化率%VbdMRR(%)=(R−R)/R×100を求め、これを第1〜第3の閾値と比較している。このため、TMR読出しヘッド素子に関する信頼性、劣化程度を極めて容易にかつ短時間に識別することができる。その識別結果が通知されるため、ユーザは、HDD内のTMR読出しヘッド素子の特性劣化等の情報を知ることができ、HDDの交換や情報のバックアップ等をHDDが故障する前に行うことが可能となる。
特に、異なる電圧値によって測定した抵抗値から抵抗変化率%VbdMRRを求めるようにしているので、TMR層のサイズが異なる場合にもこの層にかかる負荷、即ち電圧が等しいため、負荷率を一定に保って測定及び識別を行うことができる。しかも、TMRヘッド素子を実際に使用する形態に近い状態の電圧条件下で測定を行うことができる。即ち、この場合、抵抗変化率が、TMR読出しヘッド素子の抵抗値とはさほど強い相関性を持たず、ある値に近づくことでTMR層のサイズによる面積効果が無くなり、TMR層として十分に機能するものと欠陥を有しているものとの見分けが容易になる。換言すれば、抵抗値と抵抗変化率との関係を表す1本の連続相関線において、抵抗値が小さい領域では傾きが大きくかつ抵抗変化率が減少し、抵抗値がある値以上となると変局して傾きが変化し、ある抵抗変化率へ漸近して飽和する。この抵抗値が小さくかつ相関線が負の大きな傾きを有する領域と、相関線が変局してその傾きが変化しある抵抗変化率に漸近する領域とでは、異なる膜質を示しているのである。その結果、TMR読出しヘッド素子に関する信頼性の確認を、明確かつ確実に行うことができるのである。
図9は本発明の他の実施形態として、TMR薄膜磁気ヘッドを備えたHDDの電気的構成を概略的に示すブロック図である。図1の実施形態においては、マイクロコンピュータ19が自己モニタシステム19aを有しているのに対し、本実施形態では、ヘッドアンプ15′の内部にマイクロコンピュータを用いた自己モニタシステム15a′が設けられており、ここで自己モニタ処理を行っている。このようなヘッドアンプ15′を、通常の構成のHDDのヘッドアンプと置換することにより、極めて容易に自己モニタ処理を行うことが可能となる。本実施形態におけるその他の構成は図1の実施形態の場合とほぼ同様である。従って、図9において図1と同様の構成要素には同じ参照番号を使用している。
図9において、10は磁気記録媒体である磁気ディスク、11はこの磁気ディスク10を回転させるスピンドルモータ(SPM)、12はTMR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子を備えたTMR薄膜磁気ヘッド、13はこのTMR薄膜磁気ヘッド12の支持機構、14は支持機構13を回動させて磁気ヘッドの位置決めを行うボイスコイルモータ(VCM)、15′はTMR読出しヘッド素子及びインダクティブ書込みヘッド素子用のヘッドアンプ、16はSPM11及びVCM14を駆動するモータドライバ、17はリードライトチャネル、18はハードディスクコントローラ(HDC)、19′はマイクロコンピュータ、20はデータのバッファ用として用いられるメモリをそれぞれ示している。
ヘッドアンプ15′は、インダクティブ書込みヘッド素子に印加される書込み電流を発生する書込みドライバ回路と、TMR読出しヘッド素子へ定電流回路から所定のセンス電流を供給してその出力電圧を増幅する読出しアンプ回路と、自己モニタ処理を実行する部分が自己モニタシステム15a′とを備えている。特に本実施形態では、読出しアンプ回路は、自己モニタ動作時に、TMR読出しヘッド素子へ互いに異なる値の電圧を印加する必要があることから、このTMR読出しヘッド素子に流すセンス電流を徐々に変化できるように構成されている。なお、本実施形態のように定電流を流す電流バイアス方式に代えて、定電圧を印加する電圧バイアス方式を用いても良いことは明らかである。また、自己モニタシステム15a′は、図1の実施形態ではマイクロコンピュータ19が行っていた自己モニタ処理をこの自己モニタシステム15a′自体を構成するマイクロコンピュータで行うようになされている。
リードライトチャネル17は、主に、書込みデータをコード変調してヘッドアンプ15′へ出力すると共に、ヘッドアンプ15′からの読出し信号波形からデータを検出してコード復調する処理を行うものである。
HDC18は、エラー訂正、バッファ制御、キャッシュ制御、インタフェース制御、サーボ制御等を行うものであり、このHDDに接続されているホストコンピュータ等と、書込みデータ及び読出しデータの送受を行う。
マイクロコンピュータ19′は、HDD全体の制御を行うものであり、VCM14による薄膜磁気ヘッドの位置制御、インタフェース制御、HDDの各回路の初期化、設定等を行う。
本実施形態における自己モニタ処理内容及びその作用効果等は、図1の実施形態の場合とほぼ同様である。
図10は本発明のさらに他の実施形態におけるHDDの自己モニタシステムの処理動作を説明するフローチャートである。なお、本実施形態におけるHDDの電気的構成は図1に示したものと全く同様である。本実施形態において、図1の実施形態と同様の構成要素については同じ参照符号を使用する。
マイクロコンピュータ19は、HDD起動時、あらかじめ定めた時間が経過する毎、及び/又は任意の指示に応じてこの自己モニタ処理を実行する。HDD起動時においてはTMR読出しヘッド素子が磁気ディスク10の記録領域に移動する前の記録領域外に退避している状態で自己モニタ処理を実行し、時間毎及び指示毎の場合はTMR読出しヘッド素子を磁気ディスク10の記録領域外に退避させた状態で自己モニタ処理を実行する。TMR読出しヘッド素子が磁気ディスク10の記録領域外に退避した状態とは、ロードアンロード方式のHDDにおいては、TMR読出しヘッド素子を含む薄膜磁気ヘッドが磁気ディスクの外側に位置するランプ上に載置されている状態を意味しており、CSS方式のHDDにおいては、TMR読出しヘッド素子を含む薄膜磁気ヘッドが磁気ディスク上のCSS領域に存在している状態を意味している。このように退避させた状態で自己モニタ処理を行うことにより、磁気ディスクからTMR読出しヘッド素子に印加される磁気的影響をできるだけ小さくするためである。TMR読出しヘッド素子が磁気ディスク10の記録領域外に退避した状態で自己モニタ処理を行うことが望ましいが、退避していない状態で自己モニタ処理を行うことも本発明の適用範囲である。
まず、HDD内に設けられているTMR読出しヘッド素子に、第1の電流値、例えば0.1mA、を有する電流を流す(ステップS1′)。この場合、ヘッドアンプ15内の定電流回路より、この電流値のセンス電流をTMR読出しヘッド素子に印加する。
次いで、第1の電流値と、TMR読出しヘッド素子の出力電圧をヘッドアンプ15及びリードライトチャネル17を介してマイクロコンピュータ19に入力された電圧値とからオームの法則によってTMR読出しヘッド素子の抵抗値を算出する(ステップS2′)。算出した抵抗値は、第1の抵抗値Rとして、マイクロコンピュータ19内に記憶される。
次いで、第1の電流値より大きい第2の電流値、例えば0.4mA、を有する電流をTMR読出しヘッド素子に印加する(ステップS3′)。この場合、定電流回路より、この電流値のセンス電流をTMR読出しヘッド素子に印加する。
次いで、第2の電流値と、TMR読出しヘッド素子の出力電圧をヘッドアンプ15及びリードライトチャネル17を介してマイクロコンピュータ19に入力された電圧値とからオームの法則によってTMR読出しヘッド素子の抵抗値を算出する(ステップS4′)。算出した抵抗値は、第2の抵抗値Rとして、マイクロコンピュータ19内に記憶される。
その後、第1の抵抗値R及び第2の抵抗値Rから抵抗変化率%dMRRを、式%dMRR(%)=(R−R)/R×100を用いて算出し、その計算結果が第1の閾値である−0.6%より大きいか否か、即ち−0.6%より正の側に大きいか否かを判別する(ステップS5′)。
大きい場合は、そのTMR読出しヘッド素子のバリア層に多数のピンホールが生じており、特性が劣化していて使用できない状態(ランクD)であると識別する(ステップS6′)。
−0.6%以下の場合は、この%dMRRを第2の閾値である−0.8%より大きいか否か、即ち−0.8%より正の側に大きいか否かを判別する(ステップS7′)。
大きい場合は、そのTMR読出しヘッド素子のバリア層に多少のピンホールが生じて、不安定であるが何とか使用できる状態(ランクC)であると識別する(ステップS8′)。
−0.8%以下の場合は、この%dMRRを第3の閾値である−1.0%より大きいか否か、即ち−1.0%より正の側に大きいか否かを判別する(ステップS9′)。
大きい場合は、そのTMR読出しヘッド素子のバリア層にピンホールがほとんど生じておらず、安定した状態(ランクB)であると識別する(ステップS10′)。
−1.0%以下の場合は、このTMR読出しヘッド素子のバリア層にピンホールが全く生じておらず、非常に安定した状態(ランクA)であると識別する(ステップS11′)。
その後、以上のステップS6′、S8′、S10′又はS11′によって識別した状態をホストコンピュータに通知する(ステップS12′)。
TMR読出しヘッド素子が複数設けられている場合は、その全てに対して同様の自己モニタ処理を行う。
これにより、ユーザは、HDD内のTMR読出しヘッド素子の特性劣化等の情報を知ることができ、HDDの交換や情報のバックアップ等をHDDが故障する前に行うことが可能となる。
図11は、この図10の自己モニタ処理における電流印加シーケンスを説明する図である。
同図(A)に示すように、定電流回路から、まず、例えば0.1mAという低い方の第1の電流値を有する矩形波状の電流を印加し、その時にTMR読出しヘッド素子から出力される電圧値を測定して抵抗値Rを求める。次いで、例えば0.4mAという第1の電流値より高い第2の電流値を有する矩形波状の電流を印加し、その時にTMR読出しヘッド素子から出力される電圧値を測定して抵抗値Rを求める。その後、抵抗変化率%dMRRを%dMRR(%)=(R−R)/R×100から計算し、その結果を、第1、第2及び第3の閾値と比較して、TMR読出しヘッド素子の状態識別を行う。各電流値における持続時間は任意であり、また、その間隔も任意である。
このように、電流印加を不連続的に行っても良いが、連続的に行っても良い。同図(B)に示すように、定電流回路から、まず、例えば0.1mAという低い方の第1の電流値を有する電流を印加し、その時にTMR読出しヘッド素子から出力される電圧値を測定して抵抗値Rを求める。次いで、連続して、即ち、この電流を印加停止することなく、例えば0.4mAという第1の電流値より高い第2の電流値まで上昇させ、その時にTMR読出しヘッド素子から出力される電圧値を測定して抵抗値Rを求める。その後、抵抗変化率%dMRRを%dMRR(%)=(R−R)/R×100から計算し、その結果を、第1、第2及び第3の閾値と比較して、TMR読出しヘッド素子の状態識別を行う。各電流値における持続時間は任意である。
図12は、多数のTMR読出しヘッド素子について、上述した処理動作により、0.1mA印加時の第1の抵抗値R及び0.4mA印加時の第2の抵抗値Rを測定し、抵抗変化率%dMRRを求めた結果を表すグラフである。ただし、同図の横軸はTMR素子抵抗値(この場合、第1の抵抗値Rに等しい)を、縦軸は抵抗変化率%dMRRをそれぞれ表している。
図12に示すように、抵抗変化率%dMRRについて、−0.6%の第1の閾値、−0.8%の第2の閾値及び−1.0%の第3の閾値を設定し、多数のTMR読出しヘッド素子について、ランクA(第3の閾値以下)、ランクB(第2の閾値以下かつ第3の閾値より大きい)、ランクC(第1の閾値以下かつ第2の閾値より大きい)及びランクD(第1の閾値より大きい)に分類した。その場合、ランクAに分類されるTMR読出しヘッド素子については、図5にその一例(%dMRR=−1.73%のTMR読出しヘッド素子)を示すように、150mVを長時間印加した場合にも、素子抵抗値及び出力電圧が全く変化せず、非常に安定した状態を保っていた。ランクBに分類されるTMR読出しヘッド素子については、図6にその一例(%dMRR=−1.02%のTMR読出しヘッド素子)を示すように、150mVを長時間印加した場合にも、素子抵抗値及び出力電圧がほとんど変化せず、安定した状態を保っていた。一方、ランクCに分類されるTMR読出しヘッド素子については、図7にその一例(%dMRR=−0.66%のTMR読出しヘッド素子)を示すように、150mVを長時間印加した場合、素子抵抗値及び出力電圧が変化して不安定であるが、何とか使用できる状態であった。これに対して、ランクDに分類されるTMR読出しヘッド素子については、図8にその一例(%dMRR=−0.50%のTMR読出しヘッド素子)を示すように、150mVを印加して非常に短時間(30秒程度)で素子破壊が生じてしまい、使用できない状態であった。
上述した実施形態では、抵抗変化率%dMRRに関する第1〜第3の閾値を−0.6(%)、−0.8(%)及び−1.0(%)としているが、これら閾値は、TMR素子のトンネルバリア層がAlの酸化物、例えば、Alで構成されており、かつ、第1の電流値が0.1mA、第2の電流値が0.4mAの場合の閾値である。トンネルバリア層をAlの酸化物以外の材料で構成する場合、それに応じて、第1の電流値、第2の電流値及び抵抗変化率の第1〜第3の閾値を設定すれば、同様に識別することが可能となる。また、閾値の数は3つに限定されるものではなく、1つ又は2つであっても良いし、4つ以上であっても良い。即ち、閾値の値及び数は上述した実施形態の値及び図に限定されるものではなく、TMR読出しヘッド素子及びHDDの仕様に応じて任意に設定される。
また、印加する電流として、第1の抵抗値Rを測定する際に印加する第1の電流値と第2の抵抗値Rを測定する際に印加する第2の電流値とは、上述した値に限定されるものではなく、TMR読出しヘッド素子が破壊される電流値より絶対値が小さくかつ第2の電流値が第1の電流値より絶対値が大きければ良い。例えば、第1の電流値を0.1mAとした場合、第2の電流値はこれより大きくかつTMRヘッド素子が破壊される電流値より小さければ良い。もちろん、第1の電流値を0.1mA以外の値としても良い。また、第2の電流値の電流を先に印加して、その後に、これより小さい第1の電流値の電流を印加するようにしても良い。
また、電流の印加方向は、TMR読出しヘッド素子の基板側(積層方向で下側)から非基板側(積層方向で上側)に向かう方向であってもその逆であっても良い。これは、TMR層の積層順序にかかわらない。
以上述べたように、本実施形態によれば、第1の電流値の電流がTMR読出しヘッド素子に印加された時に出力される電圧値からこのTMR読出しヘッド素子の第1の抵抗値Rを算出し、第1の電流値の電流とは不連続に、かつこの第1の電流値より大きい第2の電流値の電流がTMR読出しヘッド素子に印加された時に出力される電圧値からTMR読出しヘッド素子の第2の抵抗値Rを算出し、第1の抵抗値R及び第2の抵抗値Rから、抵抗変化率%dMRR(%)=(R−R)/R×100を求め、これを第1〜第3の閾値と比較している。このため、TMR読出しヘッド素子に関する信頼性、劣化程度を極めて容易にかつ短時間に識別することができる。その識別結果が通知されるため、ユーザは、HDD内のTMR読出しヘッド素子の特性劣化等の情報を知ることができ、HDDの交換や情報のバックアップ等をHDDが故障する前に行うことが可能となる。
図10の実施形態における自己モニタシステムを、図9の実施形態のごとくヘッドアンプ内に設けることももちろん可能である。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
本発明の一実施形態として、TMR薄膜磁気ヘッドを備えたHDDの電気的構成を概略的に示すブロック図である。 図1の実施形態におけるHDDの自己モニタシステムの処理動作を説明するフローチャートである。 図2の自己モニタ処理における電圧印加シーケンスを説明する図である。 多数のTMR読出しヘッド素子について、25mV印加時の第1の抵抗値R及び150mV印加時の第2の抵抗値Rを測定し、抵抗変化率%VbdMRRを求めた結果を表すグラフである。 ランクAのTMR読出しヘッド素子について、150mVの電圧を印加した状態を長時間継続し、そのTMR素子抵抗値及び出力電圧を求めた結果を表すグラフである。 ランクBのTMR読出しヘッド素子について、150mVの電圧を印加した状態を長時間継続し、そのTMR素子抵抗値及び出力電圧を求めた結果を表すグラフである。 ランクCのTMR読出しヘッド素子について、150mVの電圧を印加した状態を長時間継続し、そのTMR素子抵抗値及び出力電圧を求めた結果を表すグラフである。 ランクDのTMR読出しヘッド素子について、150mVの電圧を印加し、そのTMR素子抵抗値及び出力電圧を求めた結果を表すグラフである。 本発明の他の実施形態として、TMR薄膜磁気ヘッドを備えたHDDの電気的構成を概略的に示すブロック図である。 本発明のさらに他の実施形態におけるHDDの自己モニタ処理動作を説明するフローチャートである。 図10の自己モニタシステムの処理における電流印加シーケンスを説明する図である。 多数のTMR読出しヘッド素子について、0.1mA印加時の第1の抵抗値R及び0.4mA印加時の第2の抵抗値Rを測定し、抵抗変化率%dMRRを求めた結果を表すグラフである。
符号の説明
10 磁気ディスク
11 SPM
12 TMR薄膜磁気ヘッド
13 支持機構
14 VCM
15、15′ ヘッドアンプ
15a′、19a 自己モニタシステム
16 モータドライバ
17 リードライトチャネル
18 HDC
19、19′ マイクロコンピュータ
20 メモリ

Claims (29)

  1. トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子に互いに異なる値の複数の電圧又は電流を印加可能な印加手段と、該複数の電圧又は電流をそれぞれ印加した状態で該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子の抵抗値を測定する測定手段と、該測定して得た複数の抵抗値から抵抗変化率を算出する抵抗変化率算出手段と、該算出した抵抗変化率を少なくとも1つの閾値と比較して該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子の状態を識別する識別手段とを含む自己モニタシステムを備えたことを特徴とするトンネル磁気抵抗効果ヘッド素子を有する磁気ディスク装置。
  2. 前記自己モニタシステムが、前記識別した状態を通知する通知手段をさらに含んでいることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク装置。
  3. 前記印加手段が、互いに異なる電圧又は電流を互いに不連続又は連続に印加する手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ディスク装置。
  4. トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子に第1の値の電圧又は電流並びに該第1の値より絶対値が大きい第2の値の電圧又は電流を印加可能な印加手段と、該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子に該第1の値の電圧又は電流を印加した状態で抵抗値を測定して第1の抵抗値とする第1の測定手段と、該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子に前記第2の値の電圧又は電流を印加した状態で抵抗値を測定して第1の抵抗値とする第2の測定手段と、前記第1の抵抗値と前記第2の抵抗値とから抵抗変化率を算出する抵抗変化率算出手段と、該算出した抵抗変化率を少なくとも1つの閾値と比較して該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子の状態を識別する識別手段とを含む自己モニタシステムを備えたことを特徴とするトンネル磁気抵抗効果ヘッド素子を有する磁気ディスク装置。
  5. 前記自己モニタシステムが、前記識別した状態を通知する通知手段をさらに含んでいることを特徴とする請求項4に記載の磁気ディスク装置。
  6. 前記印加手段が、前記第1の値の電圧又は電流と前記第2の値の電圧又は電流とを互いに不連続又は連続に印加する手段であることを特徴とする請求項4又は5に記載の磁気ディスク装置。
  7. 前記抵抗変化率算出手段が、前記第1の抵抗値をRとし、前記第2の抵抗値をRとすると、(R−R)/R×100(%)から抵抗変化率を算出する手段であることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  8. 前記識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が第1の閾値を越える場合は該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子が使用できない状態であると識別する手段であることを特徴とする請求項7に記載の磁気ディスク装置。
  9. 前記識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が前記第1の閾値以下でありかつ該第1の閾値より低い第2の閾値を越える場合は該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子が不安定ではあるが使用できる状態であると識別する手段であることを特徴とする請求項8に記載の磁気ディスク装置。
  10. 前記識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が前記第2の閾値以下でありかつ該第2の閾値より低い第3の閾値を越える場合は該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子が安定した状態であると識別する手段であることを特徴とする請求項9に記載の磁気ディスク装置。
  11. 前記識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が前記第3の閾値を越える場合は該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子が非常に安定した状態であると識別する手段であることを特徴とする請求項10に記載の磁気ディスク装置。
  12. 前記トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子のトンネルバリア層がアルミニウムの酸化物で構成されており、かつ、前記第1の電圧値が25mV、前記第2の電圧値が150mVの場合、前記第1の閾値が−0.8(%)であることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  13. 前記トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子のトンネルバリア層がアルミニウムの酸化物で構成されており、かつ、前記第1の電圧値が25mV、前記第2の電圧値が150mVの場合、前記第2の閾値が−1.2(%)であることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  14. 前記トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子のトンネルバリア層がアルミニウムの酸化物で構成されており、かつ、前記第1の電圧値が25mV、前記第2の電圧値が150mVの場合、前記第3の閾値が−1.8(%)であることを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  15. 前記トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子のトンネルバリア層がアルミニウムの酸化物で構成されており、かつ、前記第1の電流値が0.1mA、前記第2の電流値が0.4mAの場合、前記第1の閾値が−0.6(%)であることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  16. 前記トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子のトンネルバリア層がアルミニウムの酸化物で構成されており、かつ、前記第1の電流値が0.1mA、前記第2の電流値が0.4mAの場合、前記第2の閾値が−0.8(%)であることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  17. 前記トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子のトンネルバリア層がアルミニウムの酸化物で構成されており、かつ、前記第1の電流値が0.1mA、前記第2の電流値が0.4mAの場合、前記第3の閾値が−1.0(%)であることを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  18. 前記自己モニタシステムが、当該磁気ディスク装置の起動時に作動して前記トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子の状態を識別することを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  19. 前記自己モニタシステムが、設定された時間毎に作動して前記トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子の状態を識別することを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  20. 前記自己モニタシステムが、指示される毎に作動して前記トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子の状態を識別することを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  21. 前記自己モニタシステムは、前記トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子が磁気ディスクの記録領域上から退避した状態で作動することを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  22. 前記自己モニタシステムは、前記トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子が磁気ディスクの特定の情報を記録した領域上に位置する状態で作動することを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
  23. トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子に第1の値の電圧又は電流並びに該第1の値より絶対値が大きい第2の値の電圧又は電流を印加可能な印加手段と、該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子に該第1の値の電圧又は電流を印加した状態で抵抗値を測定して第1の抵抗値とする第1の測定手段と、該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子に前記第2の値の電圧又は電流を印加した状態で抵抗値を測定して第1の抵抗値とする第2の測定手段と、前記第1の抵抗値と前記第2の抵抗値とから抵抗変化率を算出する抵抗変化率算出手段と、該算出した抵抗変化率を少なくとも1つの閾値と比較して該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子の状態を識別する識別手段とを含むモニタシステムを備えたことを特徴とするトンネル磁気抵抗効果ヘッド素子を有する磁気ディスク装置用のヘッドアンプ。
  24. 前記印加手段が、前記第1の値の電圧又は電流と前記第2の値の電圧又は電流とを互いに不連続又は連続に印加する手段であることを特徴とする請求項23に記載のヘッドアンプ。
  25. 前記抵抗変化率算出手段が、前記第1の抵抗値をRとし、前記第2の抵抗値をRとすると、(R−R)/R×100(%)から抵抗変化率を算出する手段であることを特徴とする請求項23又は24に記載のヘッドアンプ。
  26. 前記識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が第1の閾値を越える場合は該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子が使用できない状態であると識別する手段であることを特徴とする請求項25に記載のヘッドアンプ。
  27. 前記識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が前記第1の閾値以下でありかつ該第1の閾値より低い第2の閾値を越える場合は該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子が不安定ではあるが使用できる状態であると識別する手段であることを特徴とする請求項26に記載のヘッドアンプ。
  28. 前記識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が前記第2の閾値以下でありかつ該第2の閾値より低い第3の閾値を越える場合は該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子が安定した状態であると識別する手段であることを特徴とする請求項27に記載のヘッドアンプ。
  29. 前記識別手段が、(R−R)/R×100(%)なる抵抗変化率が前記第3の閾値を越える場合は該トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子が非常に安定した状態であると識別する手段であることを特徴とする請求項28に記載のヘッドアンプ。
JP2005181628A 2005-06-22 2005-06-22 トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子を有する磁気ディスク装置 Withdrawn JP2007004857A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005181628A JP2007004857A (ja) 2005-06-22 2005-06-22 トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子を有する磁気ディスク装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005181628A JP2007004857A (ja) 2005-06-22 2005-06-22 トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子を有する磁気ディスク装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007004857A true JP2007004857A (ja) 2007-01-11

Family

ID=37690329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005181628A Withdrawn JP2007004857A (ja) 2005-06-22 2005-06-22 トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子を有する磁気ディスク装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007004857A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8896947B2 (en) 2012-12-18 2014-11-25 Kabushiki Kaisha Toshiba Disk storage apparatus and method for determining malfunction of high-frequency oscillating element
US9915697B2 (en) 2016-06-27 2018-03-13 International Business Machines Corporation Diagnostics in TMR sensors
US10254329B2 (en) * 2016-06-20 2019-04-09 Eaton Intelligent Power Limited Monitoring systems and methods for detecting thermal-mechanical strain fatigue in an electrical fuse
US10311902B2 (en) 2014-09-30 2019-06-04 International Business Machines Corporation Measuring and analyzing electrical resistance in tunneling magnetoresist sensors to identify damaged sensors

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8896947B2 (en) 2012-12-18 2014-11-25 Kabushiki Kaisha Toshiba Disk storage apparatus and method for determining malfunction of high-frequency oscillating element
US10311902B2 (en) 2014-09-30 2019-06-04 International Business Machines Corporation Measuring and analyzing electrical resistance in tunneling magnetoresist sensors to identify damaged sensors
US11062729B2 (en) 2014-09-30 2021-07-13 International Business Machines Corporation Identifying damaged tunneling magnetoresistance sensors using electrical resistance
US10254329B2 (en) * 2016-06-20 2019-04-09 Eaton Intelligent Power Limited Monitoring systems and methods for detecting thermal-mechanical strain fatigue in an electrical fuse
US9915697B2 (en) 2016-06-27 2018-03-13 International Business Machines Corporation Diagnostics in TMR sensors
US10371743B2 (en) 2016-06-27 2019-08-06 International Business Machines Corporation Diagnostics in TMR sensors
US10371742B2 (en) 2016-06-27 2019-08-06 International Business Machines Corporation Diagnostics in TMR sensors
US10422829B2 (en) 2016-06-27 2019-09-24 International Business Machines Corporation Diagnostics in TMR sensors
US11143696B2 (en) 2016-06-27 2021-10-12 International Business Machines Corporation Diagnostics in TMR sensors
US11175335B2 (en) 2016-06-27 2021-11-16 International Business Machines Corporation Diagnostics in TMR sensors

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8711665B1 (en) Method and apparatus for determining storage capacity error for a data storage device
US8094396B1 (en) Media defect scan
US6980383B2 (en) Monitoring of phenomena indicative of PTP in a magnetic disk drive
JP4564692B2 (ja) ハードディスクドライブ,ディスク上の欠陥類型検出方法および欠陥検出方法
US20090195902A1 (en) Method, system, and computer program product for estimating adjacent track erasure risk by determining erase band width growth rates
US9305584B2 (en) Determining oscillation characteristic for high-frequency assisted magnetic recording device
KR20050021898A (ko) 열적 돌출량을 부상량 관리에 이용하는 기능을 갖는 자기디스크 장치, 그 기능을 갖는 검사 장치
JP2005116166A (ja) ヘッド判別方法および記録パラメータの最適化方法およびヘッド判別装置および記録パラメータ補正装置
US7656600B2 (en) Monitoring transducer potential to detect an operating condition
EP1850333A2 (en) Disk drive and control method thereof
JP2012212488A (ja) 情報記録装置および情報記録方法
JP2004310982A (ja) チャンネル別特性による適応的ディフェクトスキャン処理方法及びその装置
US7738205B2 (en) Recording disk drive and method of managing defective regions in the same
JP2011210352A (ja) ヘッド接触を検出するためのシステム及び方法
US7525752B2 (en) Media drive and control method for the same
CN113168846A (zh) 基于突起斜率检测写辅助元件异常的数据存储装置
JP2007004857A (ja) トンネル磁気抵抗効果ヘッド素子を有する磁気ディスク装置
US20090153995A1 (en) Temperature coefficient of resistance measurement of TMR head using flying height control heater and determine maximum bias voltage of TMR heads
JP2008251071A (ja) ディスク記憶装置及びサーボ欠陥検出方法
US7561368B2 (en) Hard disk drive having improved head stability at low temperature and method of applying current to a head of the hard disk drive
JP2006147039A (ja) ヘッドの寿命予測方法、記録媒体検査方法、ヘッドの評価方法、および情報記録再生装置
JP5439064B2 (ja) 複合磁気ヘッドの劣化検出方法および磁気ディスク検査装置
US7224548B1 (en) Determining contact write current in disk drive using position error signal variance
JP2008004186A (ja) 磁気ヘッドの試験方法
JP2008192270A (ja) トンネル磁気抵抗効果素子の試験方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080902