JP2007003613A - トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 結着樹脂と着色剤とを含有するトナーであって、結着樹脂として、テトラヒドロフラン不溶分が10重量%以下のウレタン変性ポリエステル樹脂を含むものを用い、トナーの95℃での溶融粘度η95を、1.0×104〜1.0×106Pa・sとし、かつ、トナーの92℃での溶融粘度η92および100℃での溶融粘度η100の比Aと、100℃での溶融粘度η100および110℃での溶融粘度η110の比Bとが、下記式(1)を満たすように設定する。
0.45<B/A<0.93 …(1)
(式中、Aは、η92/η100を示し、Bは、η100/η110を示す。)
【選択図】 なし
Description
しかし、ポリエステル樹脂は、低温での定着性に優れているものの、高温でのオフセット現象(ホットオフセット)を発生させ易いという不具合がある。
一方、特許文献1には、低温定着性に優れ、定着装置の省エネルギー化とクイックプリントとの両立を達成することができるトナーとして、テトラヒドロフラン(THF)不溶分の含有割合が10〜60質量%であり、100℃における溶融粘度(V100)が5×104〜1×107Pa・sであり、かつ、100℃から140℃での溶融粘度の変化率V100/V140が103以下であるポリエステル樹脂を結着樹脂として用いたトナーが記載されている。
そこで、本発明の目的は、低温定着性を維持させつつ、ホットオフセットの発生を抑制させることのできるトナーを提供することである。
(式(1)中、Aは、η92/η100を示し、Bは、η100/η110を示す。)
また、本発明のトナーは、95℃(±0.2℃)での溶融粘度η95が、1.0×104〜1.0×106Pa・sであり、かつ、92℃(±0.2℃)での溶融粘度η92および100℃(±0.2℃)での溶融粘度η100の比A(η92/η100)と、100℃(±0.2℃)での溶融粘度η100および110℃(±0.2℃)での溶融粘度η110の比B(η100/η110)とが、下記式(1)を満たしている。
上記ウレタン変性ポリエステル樹脂は、分子中にウレタン結合(−NHCOO−)を有しているポリエステル樹脂であって、例えば、ポリエステル樹脂(好ましくは、2種以上のポリエステル樹脂)と、ジイソシアネート系化合物とを溶融混練して、ポリエステル樹脂中の遊離のOH基をウレタン結合によって結合させることにより、得ることができる。
多価アルコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール(1,2−エタンジオール)、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、テトラメチレングリコール(1,4−ブタンジオール)、1,2−ブチレングリコール(1,2−ブタンジオール)、1,3−ブチレングリコール(1,3−ブタンジオール)、ペンタメチレングリコール(1,5−ペンタンジオール)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類(ジオール);ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビスフェノール系化合物;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン(1,2,3−プロパントリオール)などのトリオール類が挙げられる。
また、ポリエステル樹脂の製造に際しては、上記多価アルコールおよび多価カルボン酸とともに、重合度の調整などを目的として、少量のモノカルボン酸を配合してもよい。モノカルボン酸成分としては、例えば、安息香酸、無水トリメリト酸などが挙げられる。
ポリエステル樹脂の総量に対するジイソシアネート系化合物の配合割合は、特に限定されないが、ポリエステル樹脂の総量100重量部に対する、ジイソシアネート系化合物の配合量は、好ましくは、1〜10重量部であり、より好ましくは、2〜8重量部であり、さらに好ましくは、3〜6重量部である。
上記トナーは、上記結着樹脂および上記着色剤以外に、例えば、電荷制御剤(または電荷制御樹脂)、離型剤、磁性粉などの種々の添加剤を配合することができる。
電荷制御剤としては、特に限定されず、負電荷制御剤や正電荷制御剤のいずれであってもよい。
離型剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、サゾールワックス、モンタン系エステルワックス、モンタワックス、フィッシャトロプシュワックスなどの、種々のワックスが挙げられる。離型剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは、0.5〜5重量部であり、より好ましくは、0.7〜2.5重量部である。
上記トナーは、上記の結着樹脂および着色剤を含む混合物を溶融混練し、粉砕することによって、または、必要に応じて、上記粉砕により得られたトナー粒子と、外添剤とを混合し、攪拌することによって、製造できる。
結着樹脂および着色剤と、必要に応じて、電荷制御剤(または電荷制御樹脂)、離型剤などの添加剤とを配合して得られる配合物は、混合機(例えば、ヘンシェルミキサなど。)によって混合、攪拌すればよい。また、こうして得られた混合物は、混練機(例えば、2軸押出機など)によって溶融、混練すればよい。溶融混練物の粉砕は、例えば、粗粉砕と、微粉砕との2段階以上の工程に分けてすることができる。粗粉砕には、例えば、ボールミル、振動ミル、ジェットミル、ピンミルなどの、種々の粉砕装置、破砕装置を用いることができる。また、微粉砕には、例えば、衝突式気流粉砕装置などを用いることができる。
トナーの95℃(±0.2℃)での溶融粘度η95は、上述のとおり、1.0×104〜1.0×106Pa・sであることを特徴としている。トナーのη95が1.0×104Pa・sを下回ると、ホットオフセットの発生が顕著になるおそれがあり、逆に、トナーのη95が1.0×106Pa・s、低温でのオフセット現象(コールドオフセット)の発生が顕著になるおそれがある。
トナーの溶融粘度ηを調整するためには、これに限定されないが、例えば、ウレタン変性ポリエステル樹脂を作製する際に、ジイソシアネート成分の配合量を調節したり、ポリエステル樹脂の作製原料における多価アルコールまたは多価カルボン酸の価数や分子量を調節したりするといった方法が挙げられる。
なお、本発明において、溶融粘度の測定温度には、±0.2℃の誤差が含まれているものとし、また、以下の説明において、溶融粘度の測定温度に関する上記の誤差については、特に示さない場合がある。
上記比A(η92/η100)および上記比B(η100/η110)は、その値が正であり、かつ、その値の絶対値が大きいほど、η92とη100との間、またはη100とη110との間の差(Δη)が大きいこと、すなわち、92℃から100℃にかけて、または100℃から110℃にかけての、溶融粘度ηの平均変化率が大きいことを示している。逆に、上記比Aおよび比Bは、その値が正であり、かつ、その値の絶対値が小さいほど、η92とη100との差(Δη)が小さいこと、すなわち、92℃から100℃にかけて、または100℃から110℃にかけての、溶融粘度ηの平均変化率が小さいことを示している。なお、上記比Aは、ホットオフセットの発生の程度に影響を及ぼす指標であり、また、上記比Bは、コールドオフセットの発生の程度に影響を及ぼす指標である。
なお、上記溶融粘度η92は、溶融粘度η100との比A(η92/η100)や比B/Aの値に応じて設定されるものであることから、η92単独の範囲は特に限定されないが、好ましくは、1.0×104〜1.5×106Pa・sである。上記溶融粘度η100は、上記比A、溶融粘度η110との比B(η100/η110)および比B/Aの値に応じて設定されるものであることから、η100単独の範囲は特に限定されないが、好ましくは、4.0×103〜3.5×105Pa・sである。上記溶融粘度η110は、上記比Bや比B/Aの値に応じて設定されるものであることから、η110単独の範囲は特に限定されないが、好ましくは、1.5×103〜1.5×105Pa・sである。
<ポリエステル樹脂の作製>
作製例1
ジエチレングリコール(DEG)およびネオペンチルグリコール(NPG)を、順に、57:43の割合(モル比)で配合して、こうして得られた配合物に、テレフタル酸(TPA)を配合した。TPAの配合割合は、DEGおよびNPGの総量を100としたときに、モル比で98となるように調整した。次いで、DEG、NPGおよびTPAの配合物100重量部に対して、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネートを0.2重量部配合した後、得られた配合物を、窒素雰囲気下、250℃で重縮合させることにより、ポリエステル樹脂P−1を得た。
DEG、NPGおよびトリメチロールプロパン(TMP)を、順に、55:43:2の割合(モル比)で配合して、こうして得られた配合物に、TPAを配合した。TPAの配合割合は、DEG、NPGおよびTMPの総量を100としたときに、モル比で98となるように調整した。次いで、DEG、NPG、TMPおよびTPAの配合物100重量部に対して、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネートを0.2重量部配合した後、得られた配合物を、窒素雰囲気下、250℃で重縮合させることにより、ポリエステル樹脂P−2を得た。
DEG、NPGおよびTMPの配合割合を、順に、54:43:3の割合(モル比)としたこと以外は、作製例2と同様にして、ポリエステル樹脂P−3を得た。
作製例4
DEG、NPGおよびTMPの配合割合を、順に、49:43:8の割合(モル比)としたこと以外は、作製例2と同様にして、ポリエステル樹脂P−4を得た。
DEG、NPGおよびTMPの配合割合を、順に、47:43:10の割合(モル比)としたこと以外は、作製例2と同様にして、ポリエステル樹脂P−5を得た。
作製例6
DEG、NPGおよびTMPの配合割合を、順に、45:43:12の割合(モル比)としたこと以外は、作製例2と同様にして、ポリエステル樹脂P−6を得た。
DEG、NPGおよびTMPの配合割合を、順に、44:43:13の割合(モル比)としたこと以外は、作製例2と同様にして、ポリエステル樹脂P−7を得た。
作製例8
DEG、NPGおよびTMPの配合割合を、順に、42:43:15の割合(モル比)としたこと以外は、作製例2と同様にして、ポリエステル樹脂P−8を得た。
DEG、TPAおよび安息香酸(BA)を、順に、100:98:9の割合(モル比)で配合し、得られた配合物100重量部に対して、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネートを0.2重量部配合した。次いで、こうして得られた配合物を、窒素雰囲気下、250℃で重縮合させることにより、ポリエステル樹脂P−9を得た。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(PO−BPA)と、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(EO−BPA)と、TPAと、トリメリト酸無水物(TMA)とを、順に、40:10:40:10の割合(モル比)で配合し、こうして得られた配合物100重量部に対して、酸化ビストリブチルスズ(TBTO;C24H54OSn2)を4重量部配合した後、得られた配合物を、窒素雰囲気下、230℃で重縮合させることにより、ポリエステル樹脂P−10を得た。
PO−BPA、EO−BPA、TPAおよびTMAを、順に、35:10:40:15の割合(モル比)で配合し、こうして得られた配合物100重量部に対して、TBTOを4重量部配合した後、得られた配合物を、窒素雰囲気下、230℃で重縮合させることにより、ポリエステル樹脂P−11を得た。
作製例12
作製例1で得られたポリエステル樹脂P−1と、作製例9で得られたポリエステル樹脂P−9とを、20:80の割合(重量比)で配合し、さらに、得られた配合物100重量部に対して、トリレンジイソシアネート(TDI)を1.0重量部配合した。次いで、こうして得られた配合物を、2軸押出機(品番「PCM30」、(株)池貝製、スクリュー径30mm)に投入して、180℃、回転数270回/分で溶融混練することにより、ウレタン変性ポリエステル樹脂U−1を得た。
作製例2で得られたポリエステル樹脂P−2と、作製例9で得られたポリエステル樹脂P−9とを、20:80の割合(重量比)で配合し、さらに、得られた配合物100重量部に対して、TDIを2.2重量部配合した。次いで、こうして得られた配合物を、2軸押出機(前出の「PCM30」)に投入して、180℃、回転数270回/分で溶融混練することにより、ウレタン変性ポリエステル樹脂U−2を得た。
ポリエステル樹脂P−2に代えて、作製例4で得られたポリエステル樹脂P−4を用いたこと以外は、作製例13と同様にして、ウレタン変性ポリエステル樹脂U−3を得た。
作製例15
ポリエステル樹脂P−2に代えて、作製例8で得られたポリエステル樹脂P−8を用いたこと以外は、作製例13と同様にして、ウレタン変性ポリエステル樹脂U−4を得た。
ポリエステル樹脂P−1とポリエステル樹脂P−9とを、20:80の割合(重量比)で配合し、さらに、得られた配合物100重量部に対して、TDIを3.3重量部配合した。次いで、こうして得られた配合物を、2軸押出機(前出の「PCM30」)に投入して、180℃、回転数270回/分で溶融混練することにより、ウレタン変性ポリエステル樹脂U−5を得た。
ポリエステル樹脂P−1に代えて、作製例3で得られたポリエステル樹脂P−3を用いたこと以外は、作製例16と同様にして、ウレタン変性ポリエステル樹脂U−6を得た。
作製例18
ポリエステル樹脂P−1に代えて、作製例7で得られたポリエステル樹脂P−7を用いたこと以外は、作製例16と同様にして、ウレタン変性ポリエステル樹脂U−7を得た。
ポリエステル樹脂P−4とポリエステル樹脂P−9とを、20:80の割合(重量比)で配合し、さらに、得られた配合物100重量部に対して、TDIを4.4重量部配合した。次いで、こうして得られた配合物を、2軸押出機(前出の「PCM30」)に投入して、180℃、回転数270回/分で溶融混練することにより、ウレタン変性ポリエステル樹脂U−8を得た。
作製例6で得られたポリエステル樹脂P−6と、作製例9で得られたポリエステル樹脂P−9とを、20:80の割合(重量比)で配合し、さらに、得られた配合物100重量部に対して、TDIを6.0重量部配合した。次いで、こうして得られた配合物を、2軸押出機(前出の「PCM30」)に投入して、180℃、回転数270回/分で溶融混練することにより、ウレタン変性ポリエステル樹脂U−9を得た。
作製例5で得られたポリエステル樹脂P−5と、作製例9で得られたポリエステル樹脂P−9とを、20:80の割合(重量比)で配合し、さらに、得られた配合物100重量部に対して、TDIを8.0重量部配合した。次いで、こうして得られた配合物を、2軸押出機(前出の「PCM30」)に投入して、180℃、回転数270回/分で溶融混練することにより、ウレタン変性ポリエステル樹脂U−10を得た。
ポリエステル樹脂P−4とポリエステル樹脂P−9とを、20:80の割合(重量比)で配合し、さらに、得られた配合物100重量部に対して、TDIを10.0重量部配合した。次いで、こうして得られた配合物を、2軸押出機(前出の「PCM30」)に投入して、180℃、回転数270回/分で溶融混練することにより、ウレタン変性ポリエステル樹脂U−11を得た。
実施例1
作製例13で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂U−2を100重量部と、カーボンブラック(品番「MA100」、三菱化学(株)製)5重量部と、電荷制御剤(品番「FCA201PS」、藤倉化成(株)製)5重量部と、ワックス(商品名「ユーメックス110TS」、三洋化成(株)製)4重量部とを配合して、ヘンシェルミキサで混合、攪拌した後、2軸押出機で溶融混練した。次いで、得られた溶融混練物を粗粉砕して、さらに、衝突式気流粉砕機にて微粉砕することにより、平均粒子径が9μmのトナー粒子を得た。
実施例2
ウレタン変性ポリエステル樹脂U−2に代えて、作製例14で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂U−3を100重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
ウレタン変性ポリエステル樹脂U−2に代えて、作製例17で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂U−6を100重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
実施例4
ウレタン変性ポリエステル樹脂U−2に代えて、作製例18で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂U−7を100重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
ウレタン変性ポリエステル樹脂U−2に代えて、作製例19で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂U−8を100重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
比較例1
ウレタン変性ポリエステル樹脂U−2に代えて、作製例12で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂U−1を100重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
ウレタン変性ポリエステル樹脂U−2に代えて、作製例15で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂U−4を100重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
比較例3
ウレタン変性ポリエステル樹脂U−2に代えて、作製例16で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂U−5を100重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
ウレタン変性ポリエステル樹脂U−2に代えて、作製例20で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂U−9を100重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
比較例5
ウレタン変性ポリエステル樹脂U−2に代えて、作製例21で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂U−10を100重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
ウレタン変性ポリエステル樹脂U−2に代えて、作製例22で得られたウレタン変性ポリエステル樹脂U−11を100重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
比較例7
ウレタン変性ポリエステル樹脂U−2に代えて、作製例10で得られたポリエステル樹脂P−10を100重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
ウレタン変性ポリエステル樹脂U−2に代えて、作製例11で得られたポリエステル樹脂P−11を100重量部用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
<トナーの物性測定>
(1)THF不溶分の含有割合の測定
上記実施例1〜5および比較例1〜8で得られたトナーを、それぞれ1.0g(W1)秤量し、THF200mL中に加えて、12時間攪拌することにより、トナーを溶解させた。次いで、THF中で溶け残った残渣(不溶分)を、100℃で2時間真空乾燥させてから、その重量(W2)を秤量して、下記式により、THF不溶分を算出した。
(2)溶融粘度ηの測定
上記実施例1〜5および比較例1〜8で得られたトナーについて、その溶融粘度η(Pa・s)を、フローテスタ(品番「CFA−500型A」、(株)島津製作所製)を用いて測定した。測定は、1mm×1mmのダイを使用し、測定条件は、負荷30kg、昇温速度4℃/分およびサンプル量2.0gとした。
<トナーの性能評価>
(1)コールドオフセットおよびホットオフセット
上記実施例1〜5および比較例1〜8で得られたトナーについて、それぞれ、静電式複写機(品番「FS−8008」、京セラミタ(株)製)を用いて、画像出力試験を行った。画像出力は、定着温度(定着ローラの表面温度)を140℃と、200℃との2通りにわけて、それぞれ、普通紙上へのベタ画像(4辺のマージン各4mm以外の部分が全てベタ画像であるもの。)の形成処理を計5回実施して、定着温度が140℃であるときのオフセット現象(コールドオフセット)の有無と、定着温度が200℃であるときのオフセット現象(ホットオフセット)の有無とを、それぞれ確認した。
(2)定着剥離性
上記実施例1〜5および比較例1〜8で得られたトナーについて、それぞれ、静電式複写機(前出の「FS−8008」)を用い、定着温度(定着ローラの表面温度)を170℃として、普通紙上へのベタ画像(4辺のマージン各4mm以外の部分が全てベタ画像であるもの。)の形成処理を計75回実施した。次いで、計75回の画像出力後において、定着ローラの表面に被転写体(普通紙)が巻き付いた程度を観察し、下記の基準にて、定着剥離性を評価した。
A:ベタ画像単位面積あたりのトナー量が、1.8mg/cm2であっても、巻き付き現象が観察されなかった。
B:ベタ画像単位面積あたりのトナー量が、1.5mg/cm2以上であるときに、巻き付き現象が観察された。
C:ベタ画像単位面積あたりのトナー量が、1.5mg/cm2未満であっても、巻き付き現象が観察された。
Claims (1)
- 結着樹脂と着色剤とを含有するトナーであって、
前記結着樹脂が、テトラヒドロフラン不溶分が10重量%以下のウレタン変性ポリエステル樹脂を含み、
前記トナーの95±0.2℃での溶融粘度η95が、1.0×104〜1.0×106Pa・sであり、
前記トナーの92±0.2℃での溶融粘度η92および前記トナーの100±0.2℃での溶融粘度η100の比Aと、前記トナーの100±0.2℃での溶融粘度η100および前記トナーの110±0.2℃での溶融粘度η110の比Bとが、下記式(1)を満たすことを特徴とする、トナー。
0.45<B/A<0.93 …(1)
(式(1)中、Aは、η92/η100を示し、Bは、η100/η110を示す。)
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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