JP2007001111A - 高光沢化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高光沢を有する上、耐汚染性、耐スクラッチ性、耐溶剤性及び三次元成形性のいずれも充分に満たすと共に、裏面転写性のない高光沢化粧シートを提供する。
【解決手段】プラスチック製基材シートの片面に、ガラス転移温度が70〜120℃のアクリル−シリコーン系共重合体を含む塗膜形成材料を用いて形成された厚さ0.5〜60μmの塗膜層を有し、かつ前記アクリル−シリコーン系共重合体が、(a)重合性不飽和基を有するラダー型ポリオルガノシロキサン系プレポリマーと、(b)架橋性官能基を有するアクリレート系プレポリマーとを共重合させて得られたものである高光沢化粧シート。
【選択図】なし

Description

本発明は高光沢化粧シート、さらに詳しくは、高光沢を有する上、耐汚染性、耐スクラッチ性、耐溶剤性、三次元成形性に優れ、かつ裏面転写性のない高光沢化粧シートに関するものである。
従来、床材や壁面材などの建築部材に用いられる化粧材、あるいは家具や台所製品、家電製品のキャビネットなどの表面化粧板としては、例えば基材上に化粧シートを貼合した構造のものが用いられている。そして、前記基材として、例えば木材、合板、集成材、あるいはパーチクルボードやハードボードなどの木質系材料の板状体、さらには金属板等が使用されている。
前記化粧材や表面化粧板に用いられる化粧シートに対しては、その用途によっては、高光沢性、耐汚染性、耐スクラッチ性、耐溶剤性、三次元成形性などが高いレベルでバランスした性質を有するものが要求される。
一方、側鎖の一部に重合性不飽和基を導入したラダー型ポリオルガノシロキサン系プレポリマーと、ポリオールアクリレート系プレポリマーを重合させてなる架橋型アクリル変性シリコーン樹脂[昭和電工(株)製、登録商標「サンフルーレ、LSシリーズ」]が知られている。そして、この架橋型アクリル変性シリコーン樹脂を用いた例として、プラスチックフィルムの片面に、該架橋型アクリル変性シリコーン樹脂を含む組成物からなる塗膜を有する機能性フィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献によれば、実施例において、得られた機能性フィルムをプラスチック板(ポリカーボネート板、ポリ塩化ビニル板)に貼り合わせることにより、耐候性、耐汚染性、耐擦傷性に優れるプラスチック板を製造することができたとしているが、前記物性の評価方法については全く記載されていない。
本発明者らの研究によると、前記組成物を高光沢化粧シートの表面塗膜に使用した場合、耐スクラッチ性、耐汚染性に劣り、鏡面性も不充分であることが分かった。これは、使用した架橋型アクリル変性シリコーン樹脂のガラス転移温度が、約25℃程度と低いことによることも分かった。
なお、前記特許文献においては、前記架橋型アクリル変性シリコーン樹脂のガラス転移温度については、なんら言及されていない。
また、現在、高光沢化粧シートの表面塗膜の形成には、ウレタン系二液硬化型塗料、紫外線硬化型塗料、アクリル系一液タイプ(転写箔)などが用いられているが、鏡面性、耐汚染性、耐スクラッチ性、耐溶剤性及び三次元成形性の全てを充分に満たす化粧シートは得られていないのが実状である。
さらに、化粧シートは、通常ロール状に巻いて保管や運搬などが行われるが、この際、裏面側への塗膜の転写が起こらないことが要求される。
特開平11−268195号公報
本発明は、このような事情のもとで、高光沢を有する上、耐汚染性、耐スクラッチ性、耐溶剤性及び三次元成形性のいずれも充分に満たすと共に、裏面転写性のない高光沢化粧シートを提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する高光沢化粧シートを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、重合性不飽和基を有するラダー型ポリオルガノシロキサン系プレポリマーと、架橋性官能基を有するアクリレート系プレポリマーとを共重合させて得られた、ガラス転移温度が特定の範囲にあるアクリル−シリコーン系共重合体を含む塗膜形成材料を用いて、プラスチック製基材シートの片面に塗膜層を形成してなる化粧シートが、その目的に適合し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)プラスチック製基材シートの片面に、ガラス転移温度が70〜120℃のアクリル−シリコーン系共重合体を含む塗膜形成材料を用いて形成された厚さ0.5〜60μmの塗膜層を有し、かつ前記アクリル−シリコーン系共重合体が、(a)重合性不飽和基を有するラダー型ポリオルガノシロキサン系プレポリマーと、(b)架橋性官能基を有するアクリレート系プレポリマーとを共重合させて得られたものであることを特徴とする高光沢化粧シート、
(2)(b)架橋性官能基を有するアクリレート系プレポリマーが、ポリエステルアクリレート系及び/又はポリオールアクリレート系プレポリマーである上記(1)項に記載の高光沢化粧シート、
(3)アクリル−シリコーン系共重合体が、水酸基価30〜80mgKOH/g、酸価0〜20mgKOH/g及び質量平均分子量5,000〜50,000である上記(1)又は(2)項に記載の高光沢化粧シート、
(4)塗膜層が、ポリイソシアネート系架橋剤で架橋されてなる上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の高光沢化粧シート、
(5)ポリイソシアネート系架橋剤が、イソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネートである上記(4)項に記載の高光沢化粧シート、
(6)塗膜形成材料が、分子内にアルコキシル基を有する脂肪族アルコール類と、脂肪族ケトン類及び/又は脂環式ケトン類との混合溶剤を含む上記(1)〜(5)項のいずれかに記載の高光沢化粧シート、
(7)混合溶剤が、1−メトキシ−2−プロパノールとメチルエチルケトンとの混合物である上記(6)項に記載の高光沢化粧シート、
(8)塗膜層が、直接鏡面加工処理されてなる上記(1)〜(7)項のいずれかに記載の高光沢化粧シート、
(9)塗膜層が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムにより、艶転写処理されてなる上記(1)〜(7)項のいずれかに記載の高光沢化粧シート、及び
(10)光沢度が、グロス値で80以上である上記(1)〜(9)項のいずれかに記載の高光沢化粧シート、
を提供するものである。
本発明によれば、高光沢を有する上、耐汚染性、耐スクラッチ性、耐溶剤性、三次元成形性に優れ、かつ裏面転写性のない高光沢化粧シートを提供することができる。
本発明の高光沢化粧シートに用いられるプラスチック製基材シートとしては、熱可塑性樹脂を用いて得られたシートが好適である。
基材シートに用いられる熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル酸エチル樹脂、ポリアクリル酸ブチル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明におけるプラスチック製基材シートの厚さは、特に制限はなく、通常50〜1000μm程度、好ましくは100〜600μmである。
また、この基材シートには、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により、該基材シートの少なくとも片面に酸化法や凹凸化法などの物理的又は化学的表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は、基材シートの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が、効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。また、プライマー処理を施すこともできる。
本発明の高光沢化粧シートにおいて、前記プラスチック製基材シートの片面に有する塗膜層は、アクリル−シリコーン系共重合体を含む塗膜形成材料を用いて形成されたものである。
前記塗膜形成材料に含まれるアクリル−シリコーン系共重合体は、(a)重合性不飽和基を有するラダー型ポリオルガノシロキサン系プレポリマーと、(b)架橋性官能基を有するアクリレート系プレポリマーとを共重合させて得られたものである。前記(a)成分の重合性不飽和基を有するラダー型ポリオルガノシロキサン系プレポリマーとしては、分子中に、一般式(I)及び一般式(II)
Figure 2007001111
(式中、Aは重合性不飽和基でCH2=C(R1)−COO−R2−、CH2=CH−又はCH2=CHCH2−を示し、A1はA又はR、Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜18の炭化水素基、R1は水素原子又はメチル基、R2は炭素数1〜10のアルキレン基を示す。)
で表される繰り返し単位をそれぞれ有する重合性ポリオルガノシルセスキオキサンを挙げることができる。
前記一般式(I)におけるAの具体例としては2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル基、ビニル基、アリル基などが挙げられる。
一方、前記一般式(I)、(II)におけるRで表される置換基を有していてもよい炭素数1〜18の炭化水素基の炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基などを挙げることができる。該炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種へキシル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
また、これらの炭化水素基に導入してもよい置換基の例としては、ヒドロキシル基、メルカプト基、エポキシ基、アミノ基、シアノ基、アセトキシ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
本発明においては、前記重合性ポリオルガノシルセスキオキサン中のAで表される重合性不飽和基の含有量は、1〜50モル%が好ましく、3〜30モル%がより好ましい。
当該重合性ポリオルガノシルセスキオキサンは、例えば一般式(III)
A−Si−(R3)3 …(III)
(式中、R3は加水分解性基、Aは前記と同じである。)
で表されるケイ素化合物と、一般式(IV)
R−Si−(R4)3 …(IV)
(式中、R4は加水分解性基、Rは前記と同じである。)
で表されるケイ素化合物とを、加水分解・縮重合させることにより、製造することができる。
前記一般式(III)、(IV)におけるR3、R4で表される加水分解性基としては、例えば炭素数1〜6のアルコキシル基、ハロゲン原子などを挙げることができる。また、3個のR3及び3個のR4は、それぞれにおいて、たがいに同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記一般式(III)で表されるケイ素化合物としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリプロポキシシラン、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメトキシシラン、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリエトキシシラン、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリプロポキシシラン、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチルトリメトキシシラン、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチルトリエトキシシラン、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチルトリプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメチルトリクロロシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリクロロシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリクロロシラン、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリクロロシラン、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、アリルトリクロロシランなどが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記一般式(IV)で表されるケイ素化合物としては、フェニルトリメトキシシラン、4−クロロフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、2−メトキシフェニルトリエトキシシラン等の(置換)フェニルトリアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン類;シアノメチルトリメトキシシラン、シアノメチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、4−シアノブチルトリメトキシシラン、4−シアノブチルトリエトキシシラン等のシアノアルキルトリアルコキシシラン類;アセトキシメチルトリメトキシシラン、アセトキシメチルトリエトキシシラン、3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン、3−アセトキシプロピルトリエトキシシラン等のアセトキシアルキルトリアルコキシシラン類;さらにはメチルトリクロロシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリクロロシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリクロロシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリクロロシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該重合性ポリオルガノシルセスキオキサンの製造においては、前記一般式(III)で表されるケイ素化合物と、一般式(IV)で表されるケイ素化合物の使用割合は、得られる重合性ポリオルガノシルセスキオキサン中のAで表される重合性不飽和基の含有量が、好ましくは1〜50モル%、より好ましくは3〜30モル%程度になるように選定するのがよい。
次に、加水分解・縮重合により、当該重合性ポリオルガノシルセスキオキサンを製造する具体例について説明すると、前記一般式(III)及び(IV)で表されるケイ素化合物を、その総モル数に対して、1.5〜8倍モル程度の量の水と、5×10-6〜5×10-1倍モル程度の量の酸の共存下に、20〜100℃程度の温度で1〜24時間程度加水分解、縮合させることにより、目的の重合性ポリオルガノシルセスキオキサンが得られる。
加水分解、縮重合反応に用いる前記酸の種類としては、塩酸、硫酸、酢酸、蟻酸などが挙げられる。
このようにして得られた重合性ポリオルガノシルセスキオキサンは、末端基がヒドロキシル基又はアルコキシル基であり、貯蔵中あるいは加熱により他の分子の水酸基、アルコキシル基と反応し、縮合して粘度上昇、遂にはゲル化が起こる可能性があるので、末端基のケイ素原子を非反応性のアルキル基及び/又はフェニル基(トリメチルシリル基及び/又はトリフェニルシリル基)などで置換しておくことが望ましい。このためには加水分解・縮重合反応の末期に1官能シラン、例えばトリメチルアルコキシシラン、トリフェニルアルコキシシラン、トリメチルクロロシラン、トリフェニルクロロシランなどを添加して末端をメチル基やフェニル基に置換するか、またはヘキサアルキルジシロキサンを反応させて末端をトリアルキル基に変えて安定化することができる。
本発明においては、前記のようにして得られた重合性ポリオルガノシルセスキオキサンからなる、(a)成分の重合性不飽和基を有するラダー型ポリオルガノシロキサン系プレポリマーは、質量平均分子量(Mw)が500〜3,000程度のものが好ましい。このMwが上記範囲にあれば、貯蔵中の粘度上昇やゲル化を抑制することができると共に、良好な耐水性、耐汚染性の塗膜を得ることができる。なお、この質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算の値である。
本発明において、前記(a)成分の重合性不飽和基を有するラダー型ポリオルガノシロキサン系プレポリマーに共重合させる、(b)成分の架橋性官能基を有するアクリレート系プレポリマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、ポリオールアクリレート系、エポキシアクリレート系などのプレポリマーを用いることができる。前記ポリエステルアクリレート系プレポリマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基の一部を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、あるいは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基の一部を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
また、ポリオールアクリレート系プレポリマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基の一部を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ここで、ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、もしくはポリオキシブチレン系ポリエーテル、又はビスフェノールAもしくはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等の1分子当たりに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテルなどを挙げることができる。さらに、エポキシアクリレート系プレポリマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環の一部に、(メタ)アクリル酸を反応しエステル化することにより得ることができる。
これらのアクリレート系プレポリマーは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中でポリエステルアクリレート系プレポリマー及びポリオールアクリレート系プレポリマーが好ましく、特にポリオールアクリレート系プレポリマーが好ましい。
本発明に用いられる塗膜形成材料に含まれるアクリル−シリコーン系共重合体は、前述の(a)成分である重合性不飽和基を有するラダー型ポリオルガノシロキサン系プレポリマーと、(b)成分である架橋性官能基を有するアクリレート系プレポリマーとを、常法に従って共重合させることにより、製造することができるが、この際、必要に応じ、共重合可能なエチレン性不飽和モノマーを、適宜用いることができる。
この共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、ビニリデンクロリドなどのハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなどのN,N−ジアルキル置換アクリルアミド類などが挙げられる。
これらのモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようにして得られたアクリル−シリコーン系共重合体は、ガラス転移温度が70〜120℃の範囲にあることを要す。このガラス転移温度が上記範囲にあれば、耐汚染性、耐スクラッチ性、三次元成形性が良好で、高光沢性を有する塗膜を得ることができる。
また、前記アクリル−シリコーン系共重合体は、水酸基価が30〜80mgKOH/g、酸価が0〜20mgKOH/g及び質量平均分子量(Mw)が5,000〜50,000の範囲にあるものが好ましい。
水酸基価が、30mgKOH/g未満では架橋点が少なく、形成される塗膜の架橋度が低くなって、所望の物性の塗膜が得られない場合がある。また水酸基価が80mg/KOH/gを超えると、塗膜形成材料の粘度が高くなりやすく、塗布性が悪化するおそれがある。
酸価が20mgKOH/gを超えると塗膜の耐汚染性が低下しやすくなる。アクリル−シリコーン系共重合体のガラス転移温度及び塗膜の耐汚染性などを考慮すると、該酸価は、0.1〜10mgKOH/gがより好ましい。
また、質量平均分子量が、5,000〜50,000の範囲にあれば、所望の物性を有する塗膜を形成することができると共に、塗布性の良好な塗膜形成材料を得ることができる。より好ましい質量平均分子量は7,000〜30,000である。この質量平均分子量は、GPC法により測定したポリスチレン換算の値である。
本発明で用いる塗膜形成材料には、アクリル−シリコーン系共重合体を架橋するための架橋剤を含有させることができる。この架橋剤としては、アクリル−シリコーン系共重合体中の架橋性官能基と反応して、架橋構造を形成し得る化合物であればよく、特に制限されず、例えばポリイソシアネート化合物、アルコキシメチロールメラミン、メラミン樹脂初期縮合物、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ジアルデヒド類、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられる。これらの中で、ポリイソシアネート化合物が好適である。
前記ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンなどとの反応物であるアダクト体などを挙げることができる。
本発明においては、この架橋剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、形成される塗膜の基材シートに対する密着性などの点から、イソシアヌレート型のポリイソシアネート化合物、特にヘキサメチレンジイソシアネートが好適である。
架橋剤の使用量は、その種類にもよるが、アクリル−シリコーン系共重合体100質量部に対して、固形分として通常10〜40質量部、好ましくは15〜30質量部である。
当該塗膜形成材料には、溶剤として、分子内にアルコキシル基を有する脂肪族アルコール類と、脂肪族ケトン類及び/又は脂環式ケトン類との混合溶剤を含むことが好ましい。
分子内にアルコキシル基を有する脂肪族アルコール類としては、例えば2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−n−プロポキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−n−ブトキシエタノール、2−イソブトキシエタノール、2−sec−ブトキシエタノール、2−tert−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−n−プロポキシ−2−プロパノール、1−イソプロポキシ−2−プロパノール、1−n−ブトキシ−2−プロパノール、1−イソブトキシ−2−プロパノール、1−sec−ブトキシ−2−プロパノール、1−tert−ブトキシ−2−プロパノール、3−メトキシ−1−プロパノール、3−エトキシ−1−プロパノール、3−n−プロポキシ−1−プロパノール、3−イソプロポキシ−1−プロパノール、3−n−ブトキシ−1−プロパノール、3−イソブトキシ−1−プロパノール、3−sec−ブトキシ−1−プロパノール、3−tert−ブトキシ−1−プロパノールなどが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、脂肪族ケトン類や脂環式ケトン類としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記の分子内にアルコキシル基を有する脂肪族アルコー類と、脂肪族ケトン類及び/又は脂環式ケトン類の混合割合は、通常質量比で10:90〜90:10、好ましくは20:80〜80:20、より好ましくは30:70〜70:30の範囲で選定される。
本発明においては、この混合溶剤として、1−メトキシ−2−プロパノールとメチルエチルケトンとの混合物が好適である。
当該塗膜形成材料には、本発明の効果が損なわれない範囲で、必要に応じ各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線遮蔽剤、光安定剤、帯電防止剤、着色剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、フィラー、可塑剤などを配合することができる。
当該塗膜形成材料における固形分濃度については、塗布可能な粘度を有する濃度であればよく、特に制限はない。
本発明の高光沢化粧シートは、前述のプラスチック製基材シートの片面に、当該塗膜形成材料を、例えばスピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、プレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などによって塗布し、乾燥して、厚さ0.5〜60μmの塗膜層を形成することにより、作製することができる。塗膜層の厚さが0.5μm未満では耐スクラッチ性に劣ると共に、光沢度、耐汚染性、耐溶剤性などが不充分であり、一方60μmを超えると三次元成形性が低下し、また反りが生じたりする。この塗膜層の厚さは、好ましくは1〜40μm、より好ましくは1〜20μmである。
本発明の高光沢化粧シートにおいては、基材シートの片面に設けられる塗膜層は、ポリイソシアネート系架橋剤、好ましくはイソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネートで架橋されていることが望ましい。
本発明の高光沢化粧シートにおいては、光沢度がグロス値で80以上であることが好ましく、85以上であることがより好ましい。したがって、グロス値が前記値になるように、必要に応じ塗膜表面に鏡面加工処理を施すことができる。
この鏡面加工処理としては、従来公知の方法、例えば(1)塗膜の上から直接、鏡面ロールを用いて鏡面加工する方法、あるいは(2)二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて艶転写する方法などを用いることができる。
本発明の化粧シートにおいては、基材シートの裏面側の最外側面に、各種被着体に対し、接着させる目的で、所望により従来公知の接着剤層を形成することができる。この接着剤層を構成する接着剤としては、感熱接着剤及び感圧接着剤(粘着剤)のいずれも用いることができる。感熱接着剤としては、例えばアクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系などが挙げられ、一方感圧接着剤としては、例えばゴム系、アクリル系、シリコーン系などが挙げられる。なお、接着剤として、感圧接着剤を用いる場合には、表面に剥離処理が施された剥離シートを感圧接着剤層上に設けることが、通常行われる。この接着剤層の厚さは、通常10〜200μmの範囲である。
本発明の化粧シートは、木質系、無機系、合成樹脂系、金属系材料などに貼り合わせることにより、建装材、家具、住設機器、家電製品などの表面化粧材として、あるいはそれ自体床材や化粧パネルなどの建装材として好適に用いられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で用いたアクリル−シリコーン系共重合体(重合性不飽和基を有するラダー型ポリオルガノシロキサン系プレポリマーとポリオールアクリレート系プレポリマーとの共重合体)の物性、及び各例で得られた化粧シートの性状を以下に示す方法に従って求めた。
(1)アクリル−シリコーン系共重合体の物性
(イ)ガラス転移温度
塗料のモノマー組成から下記の算出方法により、計算値として求める。
Tgの算出方法(計算式)
1/(ポリマーTg(℃)+273)=WA/(TgA+273)+WB/(TgB+273)+WC/(TgC+273)+・・・
WA、WB、WC・・・:アクリルポリオール中のモノマーA、モノマーB、モノマーC・・・の質量%
TgA、TgB、TgC・・・:モノマーA、モノマーB、モノマーC・・・の各ポリマーTg(℃)
各ホモポリマーのTgはメーカーのカタログ、ポリマーハンドブックなどにより抜粋する。
(ロ)水酸基価
塗料のモノマー組成から計算値として求める。
(ハ)酸価
塗料のモノマー組成から計算値として求める。
(ニ)質量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算の値より求める。
第1表に、各例で使用したアクリル−シリコーン系共重合体の物性を示す。
Figure 2007001111
(2)化粧シートの性状
(イ)光沢度(グロス値)
光沢計[(株)堀場製作所、「グロスチェッカー IG−320」]を用いて光沢度(グロス値)を測定する。
(ロ)耐汚染性(乾拭き除去性)
油性の赤色のマーキングペン[寺西化学工業(株)、「マジックインキ(油性)赤極太」]を用いて汚染し、30秒後にティッシュペーパー[(株)クレシア、「キムワイプ」]で拭きとり、汚染の状態を観察し、下記の基準により耐汚染性を判定する。
○:汚染のあとがまったく認められない。
△:汚染のあとがかすかに認められる。
×:汚染のあとが明瞭に認められる。
(ハ)鉛筆硬度
JIS K 5600−5−4にしたがい、鉛筆[三菱鉛筆(株)、「ユニ」]を用いて塗膜のきず跡で評価する。
(ニ)耐スクラッチ性(ツメ)
サンプル(120mm×60mm)をガラス板の上にのせ、左手でおさえながら、右手のツメでサンプルを擦り、傷付き性を下記の基準により目視で判定する。
◎:傷がまったく認められない。
○:傷がほとんど認められない。
△:傷が少し認められる。
×:傷が著しく認められる。
(ホ)耐溶剤性
フィルムの塗膜表面に、トルエン、エタノール、酢酸エチル、アセトンをそれぞれ滴下し、1分経過したあとの塗膜を目視観察し、下記の基準により判定する。
○:表面に変化が認められない。
△:表面にわずかに艶の変化が認められる。
×:表面に変化が認められる。
(ヘ)三次元成形性
化粧シートをメンブレンプレス機(機種名:「KT−M−139」、製造会社名:ベンホーナー)の所定の場所に設置して、貼り合せ条件(温度:130℃〜140℃、時間:60秒間、圧力:0.39MP)にて貼り合せを行い、成形性を評価した。被着体(MDF)は、針葉樹もしくはラワン材等の木材のチップを細かくくだき、プレスで固めた合板である。その被着体をシステムキッチン等に組み込まれる扉の形状にカット(サイズ400mm×600mm程度、厚み18〜40mm程度)し、さらに曲面加工(3R〜10R程度)を施した。さらに天面には装飾の溝を彫りこんだ。
メンブレンプレス成形品の外観を観察し、下記の基準により三次元成形品を判定する。
○:成形品の外観が良好である。
×:塗膜にクラックがみられ、成形品の外観が不良である。
(ト)非裏面転写性
サンプル(10cm×10cm)を塗装面を上にして、2枚以上重ね、荷重4.9Nをかけて、50℃ギアオーブン中に3日間放置する。取り出し後、裏面のぬれ指数をはかり、試験前測定の裏面のぬれ指数との比較を行い、下記の基準により非裏面転写性を判定する。
○:試験後のぬれ指数の低下が、5未満である。
×:試験後のぬれ指数の低下が、5以上である。
実施例1
(1)塗膜形成材料の調製
アクリル−シリコーン系共重合体(A)100質量部、ポリイソシアネート系架橋剤[ライトケミカル工業(株)製、商品名「RV−2」、イソシアヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート濃度100質量%]20質量部、及び溶剤として1−メトキシ−2−プロパノール40質量部とメチルエチルケトン40質量部との混合物を配合して、塗膜形成材料を調製した。
(2)化粧シートの作製
厚さ450μmのポリ塩化ビニルシート[リケンテクノス(株)製、品名:S1741、FC039の厚み225μmのシート2枚を熱ラミネートしたシート]の片面に、前記(1)で調製した塗膜形成材料をバーコーターにて塗布し、50℃にて1分間乾燥処理して、厚さ3μmの塗膜を形成した。次いで、この塗膜の上から、直接鏡面ロールを用いて鏡面加工処理することにより、化粧シートを作製し、その性状を評価した。結果を第2表に示す。
実施例2
実施例1において、鏡面ロールを用いた鏡面加工処理の代わりに、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いて艶転写処理した以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製し、その性状を評価した。結果を第2表に示す。
実施例3
実施例1において、鏡面加工処理しなかったこと以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製し、その性状を評価した。結果を第2表に示す。
実施例4
実施例1において、アクリル−シリコーン系共重合体(A)の代わりに、アクリル−シリコーン系共重合体(B)を用いた以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製し、その性状を評価した。結果を第2表に示す。
実施例5
実施例1において、基材シートとして、ポリ塩化ビニルシートの代わりに、シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂(PET−G)シート[リケンテクノス(株)製、リベスターCL001−250の厚み250μmのシート2枚を熱ラミネートしたシート]を用いた以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製し、その性状を評価した。結果を第2表に示す。
Figure 2007001111
比較例1
実施例1において、塗膜の厚さを0.3μmに変更した以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製し、その性状を評価した。結果を第3表に示す。
塗膜の厚さが0.5μm未満であるため、実施例1に比べて、耐スクラッチ性が悪く、かつ光沢度、耐汚染性、耐溶剤性に劣る。
比較例2
実施例1において、アクリル−シリコーン系共重合体(A)の代わりに、アクリル−シリコーン系共重合体(C)を用いた以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製し、その性状を評価した。結果を第3表に示す。
アクリル−シリコーン系共重合体のガラス転移温度が25℃と低いため、実施例1に比べて、光沢度、耐汚染性及び耐スクラッチ性が悪く、かつ耐溶剤性も若干劣る。
比較例3
実施例1において、アクリル−シリコーン系共重合体(A)の代わりに、アクリル−シリコーン系共重合体(D)を用いた以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製し、その性状を評価した。結果を第3表に示す。
アクリル−シリコーン系共重合体のガラス転移温度が44℃と低いため、実施例1に比べて、光沢度及び耐スクラッチ性が悪く、かつ耐汚染性も若干劣る。
比較例4
実施例1において、アクリル−シリコーン系共重合体(A)の代わりに、アクリル−シリコーン系共重合体(E)を用い、ポリイソシアネート系架橋剤[ライトケミカル工業(株)製、商品名「RV−2」、イソシアヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート濃度100質量%]を12質量部添加した以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製し、その性状を評価した。結果を第3表に示す。
アクリル−シリコーン系共重合体のガラス転移温度が190℃と高すぎ、かつ質量平均分子量も5,000未満であるため、実施例1に比べて、光沢度及び三次元成形性が悪く、かつ耐汚染性、耐スクラッチ性も若干劣る。
比較例5
厚さ500μmのポリ塩化ビニルシート[リケンテクノス(株)製、品名:S1741、FC039の厚み250μmのシート2枚を熱ラミネートしたシート]の片面に、アクリル一液タイプをコートした転写箔[(株)麗光社製、商品名「MC−66」]を使用し、厚さ1μmのアクリルコート層を転写して化粧シートを作製し、その性能を評価した。結果を第3表に示す。
実施例1に比べて、光沢度、耐汚染性及び耐溶剤性が悪い。
比較例6
比較例5と同じ厚さ500μmのポリ塩化ビニルシートの片面に、ウレタン二液硬化型(含ワックス)塗料[ザ・インクテック社製、商品名「NHWPクリアー」]100質量部にポリイソシアネート[ザ・インクテック社製、商品名「XEL硬化剤(D)」、ポリイソシアネート濃度75質量%]10質量部を添加した塗料を用い、厚さ3μmの塗膜を設け、化粧シートを作製し、その性能を評価した。結果を第3表に示す。
塗膜はワックス入りのため、艶が出ず、光沢度が極めて悪く、かつ耐汚染性も劣る。
比較例7
比較例5と同じ厚さ500μmのポリ塩化ビニルシートの片面に、ウレタン二液硬化型(ワックスを含まず)塗料[ザ・インクテック社製、商品名「NHWPクリアー」からワックスを抜いた塗料]100質量部にポリイソシアネート[ザ・インクテック社製、商品名「XEL硬化剤(D)」、ポリイソシアネート濃度75質量%]10質量部を添加した塗料を用い、厚さ3μmの塗膜を設け、化粧シートを作製し、その性能を評価した。結果を第3表に示す。
耐汚染性及び耐スクラッチ性が悪く、光沢度も劣る。
比較例8
比較例5と同じ厚さ500μmのポリ塩化ビニルシートの片面に、紫外線(UV)硬化型塗料[DPHA(アクリル酸エステル6官能モノマー、日本化薬社製)/HDDA(アクリル酸エステル2官能モノマー、日本化薬社製)=質量比80/20の割合でブレンドした光重合性モノマー100質量部に対して、光開始剤(チバスペシャリティケミカルズ製、商品名「ダロキュアー1173」)を5質量部、溶剤としてイソプロピルアルコール50質量部、メチルエチルケトン50質量部を添加した塗料]を塗布、乾燥したのち、紫外線を照射して、厚さ3μmの硬化塗膜を形成して化粧シートを作製し、その性能を評価した。結果を第3表に示す。
耐スクラッチ性は極めて良好であるものの、耐汚染性及び三次元成形性が悪い。
比較例9
比較例5と同じ厚さ500μmのポリ塩化ビニルシートの片面に、紫外線(UV)硬化型塗料(低分子シリコーン含有)[DPHA(アクリル酸エステル6官能モノマー、日本化薬社製)/HDDA(アクリル酸エステル2官能モノマー、日本化薬社製)=質量比80/20の割合でブレンドした光重合性モノマー100質量部に対して、光開始剤(チバスペシャリティケミカルズ製、商品名「ダロキュアー1173」)を5質量部、低分子シリコーン(UCB社製、商品名「エベクリル350」)を2質量部、溶剤としてイソプロピルアルコール50質量部、メチルエチルケトン50質量部を添加した塗料]を塗布、乾燥したのち、紫外線を照射して、厚さ3μmの硬化塗膜を形成して化粧シートを作製し、その性能を評価した。結果を第3表に示す。
耐スクラッチ性は極めて良好であるものの、三次元成形性が悪く、かつロール状に巻いた際に裏面側にシリコーンの移行が認められた。
Figure 2007001111
本発明の高光沢化粧シートは、高光沢を有する上、耐汚染性、耐スクラッチ性、耐溶剤性、三次元成形性に優れ、かつ裏面転写性がないなどの特性を有し、木質系、無機系、合成樹脂系、金属系材料などに貼り合わせることにより、建装材、家具、住設機器、家電製品などの表面化粧材として、あるいはそれ自体床材や化粧パネルなどの建装材として好適に用いられる。

Claims (10)

  1. プラスチック製基材シートの片面に、ガラス転移温度が70〜120℃のアクリル−シリコーン系共重合体を含む塗膜形成材料を用いて形成された厚さ0.5〜60μmの塗膜層を有し、かつ前記アクリル−シリコーン系共重合体が、(a)重合性不飽和基を有するラダー型ポリオルガノシロキサン系プレポリマーと、(b)架橋性官能基を有するアクリレート系プレポリマーとを共重合させて得られたものであることを特徴とする高光沢化粧シート。
  2. (b)架橋性官能基を有するアクリレート系プレポリマーが、ポリエステルアクリレート系及び/又はポリオールアクリレート系プレポリマーである請求項1に記載の高光沢化粧シート。
  3. アクリル−シリコーン系共重合体が、水酸基価30〜80mgKOH/g、酸価0〜20mgKOH/g及び質量平均分子量5,000〜50,000である請求項1又は2に記載の高光沢化粧シート。
  4. 塗膜層が、ポリイソシアネート系架橋剤で架橋されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の高光沢化粧シート。
  5. ポリイソシアネート系架橋剤が、イソシアヌレート型のヘキサメチレンジイソシアネートである請求項4に記載の高光沢化粧シート。
  6. 塗膜形成材料が、分子内にアルコキシル基を有する脂肪族アルコール類と、脂肪族ケトン類及び/又は脂環式ケトン類との混合溶剤を含む請求項1〜5のいずれかに記載の高光沢化粧シート。
  7. 混合溶剤が、1−メトキシ−2−プロパノールとメチルエチルケトンとの混合物である請求項6に記載の高光沢化粧シート。
  8. 塗膜層が、直接鏡面加工処理されてなる請求項1〜7のいずれかに記載の高光沢化粧シート。
  9. 塗膜層が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムにより、艶転写処理されてなる請求項1〜7のいずれかに記載の高光沢化粧シート。
  10. 光沢度が、グロス値で80以上である請求項1〜9のいずれかに記載の高光沢化粧シート。
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