JP2007001042A - インクを用いた記録装置および記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インクの吐出安定性を損なうことなく、簡便に精度良くノズル毎の不吐出インク量もしくは吐出インク量を測定することを可能とするインクを用いた記録装置および記録方法を提供する。
【解決手段】 ノズル2からインクを吐出して記録媒体にパターンを形成する記録ヘッド1と、インクを保持するインクタンク3と、記録ヘッド1にインクタンク3からインクを供給するインク流路とを有する。インク流路は、パターン形成時に記録ヘッド1から吐出するインクを記録ヘッド1に供給するパターン形成用インク流路11と、記録ヘッド1から吐出する吐出インク量の測定に供される測定用インク流路12とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、いわゆるインクジェット記録方式のようなインク吐出型の記録装置および記録方法に関するものであり、特に、適切なインク量の吐出によって記録動作が正しく行われたかどうかを記録装置側で判別するインクを用いた記録装置および記録方法に関するものである。
従来から、紙やOHPシート等の記録媒体にインク液滴を着弾させることにより、文字、画像などを描画するインクパターン(以下、パターンと略称)を形成するインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置では、インクタンクからインクジェット記録ヘッド(以下、ヘッドと略称)にインクをチャネル毎に供給しノズルからインクを吐出させて記録媒体にパターンを形成している。
インクジェット記録装置においては、高精細なパターン形成が求められている。そのため非常に微細なノズルからインクを吐出させる必要があるが、ノズルの目詰まりが起こったり、キャビデーション等によりヘッド内部に発生した気泡がノズルに混入したりするなどの原因によって、ノズルの不吐や吐出量ばらつき等の問題が起こりやすい。また、ヘッドの製造上のばらつきに起因するヘッドのチャネル特性によりチャネル間の吐出インク量のばらつきが起こり、高精細かつ高画質化の妨げとなる。具体的には、濃度むらやカラーパターニングにおける色調ずれ等の影響が現れる。
こうした問題を解決するためには、ヘッドのインク吐出特性の解析を行う必要があり、ノズル毎の不吐、あるいは吐出インク量のばらつきを測定することが求められてきた。また、より高品質のヘッドを出荷するために、製造されたヘッドのインク吐出特性の検査項目の1つとして、不吐検出さらに吐出インク量測定が求められてきた。
一般的な民生用ヘッドや産業用ヘッドでは、ノズルから吐出したインクの一滴の液滴量は数pl〜数十plと微少であることから、ノズル毎の不吐検出や吐出インク量測定は困難を極め、精度良い測定方法が望まれていた。そこで、従来では以下のような不吐検出および吐出インク量を測定する方法が提案されていた。
従来の第一の方法は、予めインクジェット記録装置のインクタンクの質量を測定しておき、規定のヘッド駆動動作後、再び該インクタンクの質量を測定することにより、ヘッドの駆動動作前後のインク質量差から不吐出および平均的な吐出インク量を算出するものである。
従来の第二の方法として、複数の記録要素を有したインクジェット記録ヘッドから吐出されるインク量を測定する吐出インク測定装置であって、前記インクジェット記録ヘッドから吐出されるインク液滴の形状を変化させて保持する記録媒体と、前記インクジェット記録ヘッドを駆動して前記記録媒体に試験的にインク吐出して記録を行う記録手段と、前記記録媒体に保持された形状の変化したインク液滴のサイズを測定する測定手段と、前記測定手段によって測定されたサイズに基づいて、前記インク液滴の体積を算出する算出手段とを有することを特徴とする吐出インク測定装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
上記吐出インク測定装置では、インクジェット記録ヘッドから吐出されるインク液滴を所定の深さと所定の幅とをもつシャーレ形態の記録媒体において受けた後、その記録媒体を天板で覆う。これによって、インク液滴が円筒状に変形するので、その円筒状に変形したインク液滴の上底或は下底の直径を測定し、その測定されたサイズに基づいて、インク液滴の体積を算出する。そして、上記算出されたインク液滴の体積から、ノズルの不吐出あるいはインク液滴吐出量を算出するものである。
従来の第三の方法として、インクジェット記録ヘッドから噴射されて飛行するインク滴の飛行画像を、当該飛行方向と直交する方向からとらえ、前記インク滴が、前記飛行方向の中心軸に対して回転対称形であるとして、前記中心軸に対して前記飛行画像について積分を行うことにより前記インク滴の体積算出することを特徴とするインクジェット記録ヘッドのインク噴射体積測定方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
上記インク噴射体積測定方法では、記録ヘッドから噴射したインク滴の飛行方向と直交する方向の飛行画像を光学的に拡大し、ビデオカメラ等で撮影して、インク滴の画像をメモリに記録する。そして記録されたインク滴の二次元画像をもとに、インク滴が飛行方向の中心軸(L)に対して回転体であることに注目して、画像処理部と演算とにより、インク滴の体積を算出する。そして、上記算出されたインク滴の体積から、ノズルの不吐出あるいはインク液滴吐出量を算出するものである。
しかしながら、上述した従来例においては次のような問題点があった。
従来の第一の方法では、吐出前後のインクタンクの質量を測定する。このときインクタンクには加減圧チューブやインク流路などが接続しているので、インクの質量のみを測定するわけではない。したがって、従来の第一の方法では、正確なインクタンクの質量測定およびインクの質量測定ができない。
また、インクがノズル面より飛翔する過程において、ノズルのエッジ形状によっては液滴の一部がノズル面の周囲に飛翔するため、実際の吐出量より測定量が多くなるので、測定精度に問題点があった。
従来の第二の方法では、インク液滴の形状を変化させて保持する記録媒体のばらつき、インク液滴の飛翔速度のばらつき、もしくはインクの表面張力のばらつき等が、受容層でのインクの着弾形状に影響を与え、インク液滴量測定の精度に問題があった。
従来の第三の方法では、インク滴の飛行画像を撮影するためにインク滴に対して照射される照明光の強さや向き等により撮像されるインク液滴の大きさが変わって観測されてしまう。また、この方法では、液滴径からインク液滴量とインク液滴体積を算出するが、インク液滴体積は、液滴径の3乗に比例するので、体積の絶対誤差も径の測定絶対誤差のおよそ3乗に比例する。したがって、液滴径の測定誤差を小さく抑えないと、インク液滴体積の絶対誤差が大きくなる問題があった。しかし、液滴径の測定誤差を抑える、すなわち液滴測定の倍率を上げると、測定可能な液滴径の範囲が減ってしまい、実用性を欠いていた。
さらに、従来例の第二、第三の方法においては、インク液滴受容体や撮像装置を取り付ける必要があるため装置が複雑になる。また、インク吐出後にカメラで撮像して画像処理や体積測定をする必要があるため、測定に時間がかかるという欠点があった。
そこで、インク流路において吐出体積を算出する第四の方法が提案された。
第四の方法として、インク液滴を吐出飛翔させる吐出口を有する記録ヘッドと、該記録ヘッドのインクを排出する排出手段とを有する液体噴射記録装置において、前記記録ヘッドのインク排出量を検出する検出手段と、その検出結果に応じて記録ヘッドのインク排出量を適正な基本量へ補正する補正手段とを備えたことを特徴とする液体噴射記録装置が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
上記液体噴射記録装置においては、供給管の途中に流量計が設けられた液体噴射記録装置が開示されている。
また、その他の第四の方法として、記録信号に応じてインクを吐出して記録を行う記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置であって、前記吐出により消費されるインク消費量を検出するためのインク消費量検出手段と、前記記録信号に応じて消費されるべきインク消費推定量を求めるためのインク消費量推定手段と、前記インク消費量検出手段により検出されたインク消費量と、前記インク消費量推定手段により求められたインク消費推定量とを比較して、前期インク消費量と前記インク消費推定量との差が所定範囲にあるかどうかを判定する比較手段と、前記所定誤差範囲内にない場合に異常状態を知らせる警告手段と、を具備することを特徴とするインクジェット記録装置が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
上記インクジェット記録装置においては、記録ヘッド上のインク供給経路の途中にインク流量計が設けられたインクジェット記録装置が開示されている。
特開2000−153603号公報(平成12年(2000年)6月6日公開) 特開平05−149769号公報(平成5年(1993年)6月15日公開) 特開平03−183563号公報(平成3年(1991年)8月9日公開) 特開平09−183232号公報(平成9年(1997年)7月15日公開)
しかしながら、上記従来の第四の方法においては、インク流量検出の精度を上げようとすると、インク吐出安定性を損なうという問題があった。
つまり上記第四の方法においては、パターン形成時にインクが流れるインク流路においてインク流量検出を行うには、吐出による微小なインクの単位時間当たりの流量変化を検出しなければならず、このためにインクの流速を速くする必要がある。例えば、流速が10m/sと1m/sとの場合において、同じ0.1m/sの検出能力をもつ測定手段でそれぞれ流量を測定すると、前者は1%、後者は10%の精度となり、同じ検出能力においも、流速が速いほうが精度よく測定できることになる。ここで流速を速くするには、インク流路径を小さくすれば良い。つまり、インクの流路径を小さくすれば精度の良い測定が可能ということになる。
しかし、上記のように、インク流路径が小さくなると流路抵抗が大きくなる。その結果、ベタ印字等、多量のインクを吐出するパターニング時において、流路抵抗によってインク流路からヘッドへのインクの供給が追いつかず、インクの吐出安定性を損なう。すなわち不吐が発生するという問題を生じる。例えば、直径150μmのインク流路径と直径2mmのインク流路径とを比べると、単位時間当たりのインク流量が、後者よりも前者の方が3万倍程度小さくなり、パターン形成時にインクの供給量が少なくなる。インクの供給量が少なくなるとインク吐出時にメニスカスがノズルに張れず、ノズルからエアーが混入することによって、不吐出やインクの飛翔が乱れて着弾ばらつきの原因になるなど、吐出安定性を損なうという問題を生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、インクの吐出安定性を損なうことなく、簡便に精度良くノズル毎の不吐出インク量もしくは吐出インク量を測定することを可能とするインクを用いた記録装置および記録方法を提供することにある。
本発明のインクを用いた記録装置は、上記課題を解決するために、ノズルからインクを吐出して記録媒体にパターンを形成する記録ヘッドと、該インクを保持するインクタンクと、該記録ヘッドに該インクタンクから該インクを供給するインク流路とを有するインクを用いた記録装置において、該インク流路は、パターン形成時に該記録ヘッドから吐出するインクを記録ヘッドに供給する第1のインク流路と、該記録ヘッドから吐出する吐出インク量の測定に供される第2のインク流路とを有することを特徴としている。
従来、パターン形成時に記録ヘッドから吐出するインクを記録ヘッドに供給するインク流路と、記録ヘッドから吐出する吐出インク量の測定に供されるインク流路とが同一のインク流路であるために、パターン形成と吐出インク量の測定とを同時に最適化することは不可能であった。
しかし、本発明によれば、第1のインク流路よってパターン形成時に記録ヘッドから吐出するインクを記録ヘッドに供給する一方、第2のインク流路を記録ヘッドから吐出する吐出インク量の測定に供することができる。
したがって、本発明のインクを用いた記録装置は、精度の高い不吐出インク量および吐出インク量測定とパターン形成時の吐出安定性とをそれぞれ独立して考慮することが可能となる。その結果、パターン形成時の吐出安定性を損なうことなく不吐出インク量および吐出インク量測定が可能となる。
なお、上記のパターンとは、文字、模様および図案などを示すが、インクを用いて表示できるものであればよく、特に限定されるものではない。
本発明のインクを用いた記録装置は、前記第2のインク流路のインク流量を検知する検知手段と、該検知手段によって検知された流量値に基づいて、前記吐出インク量を算出する算出手段とを有することが好ましい。
上記の構成によれば、従来例のようにインクジェット記録ヘッドから吐出されるインク液滴の形状を変化させて保持する記録媒体やインクジェット記録ヘッドから噴射されて飛行するインク滴の飛行画像を撮影する撮像装置などを取り付ける必要がないので、装置を簡便に構成することが可能となる。また、インク吐出後の測定動作などを必要としないので、不吐出インク量もしくは吐出インク量の測定にかかる時間を短縮することが可能となる。その結果、特に、ヘッド製造後、インクジェット記録装置に搭載する際に、正確かつ簡便な検査手段として活用することが可能となる。
また、本発明のインクを用いた記録装置では、前記検知手段が、熱式流量計、超音波流量計、電磁流量計または差圧式流量計であることが好ましい。
上記の構成によれば、これら具体的な流量計を用いて、内径の細い第2のインク流路を用いることによって、精度よくインク流量を測定することが可能となる。また、このとき第2のインク流路の内径は、検知手段の種類や要求される測定精度に応じて、選択することが可能である。
また、本発明のインクを用いた記録装置では、前記第1のインク流路および前記第2のインク流路は、流路の開閉をそれぞれ独立に行う開閉手段を有することが好ましい。
上記の構成によれば、パターン形成時には第1のインク流路にインクを流し、インク流量の測定時には第2のインク流路に選択的にインクを流すことが可能となる。その結果、パターン形成時には、測定用インク流路の影響を受けることがないので、吐出安定性を損なうことなくパターン形成を行うことが可能となる。一方、不吐出インク量もしくは吐出インク量測定時には、パターン形成用インク流路による影響を受けることがないので、精度良い測定が可能となる。
また、本発明のインクを用いた記録装置では、前記ノズルは、複数設けられると共に、前記検知手段は、1ノズル毎に不吐出インク量もしくは吐出インク量を測定することが好ましい。
上記の構成によれば、1ノズル毎に吐出するインク量が測定でき、各ノズルの不吐出インク量もしくは吐出インク量の測定を行うことが可能となる。
また、本発明のインクを用いた記録装置では、前記ノズルは、複数設けられると共に、前記検知手段は、複数のノズル毎に不吐出インク量もしくは吐出インク量の測定を行うことが好ましい。
上記の構成によれば、複数のノズルから吐出するインク量の測定を、一度に行うことが可能となる。つまり、複数ノズルを1ユニットとして、ユニットごとに吐出インク量を測定することが可能となる。これによって、1ノズル毎に吐出インク量を測定する場合と比較して、測定に要する時間を短縮することが可能になる。また、全ノズルから吐出されるべき吐出インク量をあらかじめ測定しておき、そのインク量と、実際に吐出されるインク量とを比較することによって、インクの不吐出を生じているノズルが存在するか否かを容易かつ短時間で判定することが可能となる。このとき、インクの不吐出を生じているノズルが存在する場合、クリーニングなどの回復動作を選択することが可能である。
また、本発明のインクを用いた記録装置では、前記不吐出インク量が設定値を超えた場合、前記吐出インク量を適正な基準量に補正するための補正手段および適正な吐出を回復するための回復手段の両方またはいずれか一方を有することが好ましい。
上記の構成によれば、設定値に応じて、吐出インク量の補正および回復操作の両方またはいずれか一方を行うことが可能となり、所望のインク量によるパターン形成を行うことが可能となる。ここで、設定値とは、所望のパターンを形成する上で許容される不吐出インク量のことであり、その値は特に限定されるものではない。
また、本発明のインクを用いた記録装置では、前記補正手段が、前記吐出インク量を調節する吐出インク量調節手段であることが好ましい。
上記の構成によれば、インク吐出が可能なノズルから吐出するインク量を調節することによって、不吐出インク量を補い、その結果、所望のインク量によるパターン形成を行うことが可能となる。
また、本発明のインクを用いた記録装置では、前記補正手段が、ノズルから吐出するインク吐出回数を調節するインク吐出回数調節手段であることが好ましい。
上記の構成によれば、インク吐出が可能なノズルから吐出するインク吐出回数を調節することによって、所望のインク量によるパターン形成を行うことが可能となる。
また、本発明のインクを用いた記録方法は、インク流路を通したインクをノズルから吐出して記録媒体にパターンを形成するインクを用いた記録方法において、該インク流路とは別に設けた測定用流路に該インクを分流させ、分流したインクの流量に基づいて、該ノズルから吐出される吐出インク量を求めることが好ましい。
上記の構成によれば、パターン形成時に記録ヘッドから吐出するインクを記録ヘッドに供給する第1のインク流路と、記録ヘッドから吐出する吐出インク量の測定に供される第2のインク流路とを、それぞれの目的にあわせて設定することが可能となる。つまり、従来の構成では、パターン形成時に記録ヘッドから吐出するインクを記録ヘッドに供給するインク流路と、記録ヘッドから吐出する吐出インク量の測定に供されるインク流路とが同一のインク流路であるために、パターン形成と吐出インク量の測定とを同時に最適化することは不可能であった。しかし、本発明のインクを用いた記録方法は、精度の高い不吐出インク量および吐出インク量測定とパターン形成時の吐出安定性とをそれぞれ独立して考慮することが可能となり、その結果、パターン形成時の吐出安定性を損なうことなく不吐出インク量および吐出インク量測定が可能となる。
以上のように、本発明のインクを用いた記録装置および記録方法は、パターン形成時にインクジェット記録ヘッドにインクを供給する第1のインク流路と、インクジェット記録ヘッドから吐出される吐出インク量を測定する第2のインク流路とを備えている。
それゆえ、第1のインク流路は、インクジェット記録ヘッドにインクを供給するために最適化されると同時に、第2のインク流路は、インクジェット記録ヘッドから吐出されるインク量を測定するために最適化されることが可能となる。その結果、インクの吐出安定性を損なうことなく、簡便に精度良くノズル毎の不吐出インク量もしくは吐出インク量を測定することを可能とする。
さらにこの測定によって得られたデータを用いることによって、ヘッドの吐出特性を補正する補正データを作成することやその補正データによって補正されるヘッドを製造することが可能になるので、より高品位なインクジェット記録装置を提供することが可能となる。
したがって、インクの吐出安定性を損なうことなく、簡便に精度良くノズル毎の不吐出インク量もしくは吐出インク量を測定することを可能とするインクを用いた記録装置および記録方法を提供するという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1ないし図5に基づいて説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実施の形態1〕
<インクジェット記録装置の基本的構成>
図1は、本発明のインクを用いた記録装置としてインクジェット記録装置を例に取り、そのインク流路およびこれを用いたインクジェット記録装置の構成を説明するための模式図である。
本実施の形態のインクジェット記録装置は、図1に示すように、ノズル2からインクを吐出して図示しない記録媒体にパターンを形成する記録ヘッド1と、該インクを保持するインクタンク3と、該記録ヘッド1に該インクタンク3から該インクを供給するインク流路とを有している。
同図において、ノズル2を含むヘッド1は記録媒体(図示しない)に対向して配置されている。インクタンク3からヘッド1に流れるインクの流路は、三方弁5によって、パターン形成用インク流路11(第1のインク流路)と測定用インク流路12(第2のインク流路)とに分岐される。なお、本実施の形態のインクジェット記録装置では、インク流路の分岐機構として三方弁を用いたが、流路を分岐し得るものであればよく、特に限定するものではない。例えば、三方コックによって分岐し、インクの流れる流路を決定してもよい。
上記パターン形成用インク流路11および測定用インク流路12には、インクの供給を遮断できる機構、つまり電磁弁21・22(開閉手段)を備えており、上記電磁弁21・22によって、インクを流すインク流路を選択することが可能となる。
測定用インク流路12には、さらにインク流量検出器200が設けられる。上記インク流量検出器200には、インク流量検出部15(検知手段)が含まれる(図2参照)。上記インク流量検出部15は、測定用インク流路12中のインク流量を検出する。また、インク流量検出器200は、吐出インク量算出部16をも備える構成であってもよい(図2参照)。上記吐出インク量算出部16は、測定用インク流路12中のインク流量に基づいて、測定用インク流路12を通過しヘッド1のノズル2から吐出されるインク量を算出する。
なお、本実施の形態のインクジェット記録装置では、吐出インク量算出部16は、インク流量検出器200中に備えられる構成であるが、それに限定されることはない。例えば、CPU100(図3参照)中に備えることも可能である。ここで、CPU100とは、本実施の形態のインクジェット記録装置において、装置全体または各構成要素の動作を制御するための構成である。あるいは、図示しない外部の構成に含まれることも可能である。また、本発明のインクジェット記録装置では、インク流量検出器200は、測定用インク流路12に備えられているが、インク流量検出部15が測定用インク流路12中のインク流量を検出することができる位置に備えられればよく、特に限定されるものではない。
また、本実施の形態のインクジェット記録装置は、上記三方弁5の上流側に位置するインク流路にフィルター4を備えている。上記フィルター4を備えることによって、インク中に混入したエアーやダストを除去することが可能となる。
また、本実施の形態のインクジェット記録装置では、パターン形成用インク流路11および測定用インク流路12を通過した後のインクは、ともにヘッド1のノズル2から吐出される。パターン形成用インク流路11を通過した後にノズル2から吐出されるインクは、記録媒体に向かって吐出され、その結果、記録媒体上にパターンが形成される。一方、測定用インク流路12を通過した後にノズル2から吐出されるインクは、パターンを形成するために用いられる場合もあるし、廃棄されたりあるいは再利用される場合もある。以下に、ノズル2から吐出されるインクを廃棄あるいは再利用する場合に用いられる構成を示す。なお、ノズル2から吐出されるインクを廃棄あるいは再利用しない場合などには、以下に示す構成は省略することも可能である。
本実施の形態のインクジェット記録装置は、タンク流路14、電磁弁23および廃液タンク30を備えている。そのため、測定用インク流路12を通過してノズルから吐出されるインクは、廃液タンク30に収納することが可能となる。また、本実施の形態のインクジェット記録装置は、廃液タンク30とインクタンク3との間に、戻りインク流路13および電磁弁24を備えている。これによって、廃液タンク30に収納されたインクをインクタンク3に戻し、再利用することができる。また、本実施の形態のインクジェット記録装置は、電磁弁23・24、タンク流路14、戻りインク流路13および廃液タンク30を備えるインク流路を一つ備える構成であるが、上記構成を備えたインク流路を複数備える構成であってもよい。この場合、インクを廃棄するためのインク流路とインクをインクタンク3へ戻すためのインク流路とを使い分けることが可能となる。また、このとき、インクをインクタンク3へ戻すために使用するインク流路は、廃液タンク30を備えない構成であってもよい。この場合、インクをすみやかにインクタンク3へ戻し、再利用することが可能となる。
以下、本実施の形態の特徴的な構成である、インク流路、電磁弁、インクジェット記録ヘッド、インク流量検出部および吐出インク量算出部、ノズルの不吐出インク量および吐出インク量の測定方法、回復部および補正部、および動作手順について順に説明する。
<インク流路>
本実施の形態のパターン形成用インク流路11、測定用インク流路12、タンクインク流路14および戻りインク流路13について、図1に基づいて説明する。
本実施の形態のインクジェット記録装置は、図1に示すように、パターン形成用インク流路11、測定用インク流路12、タンクインク流路14および戻りインク流路13を備える。上記パターン形成用インク流路11は、記録媒体上に所望のパターンを形成するために、ヘッド1にインクを供給するためのインク流路である。また、上記測定用インク流路12は、ヘッド1から吐出されるインク量を測定するためのインク流路である。また、上記タンクインク流路14は、測定用インク流路12を通過してその後ヘッド1から吐出されるインクを廃液タンク30へと送るためのインク流路である。また、上記戻りインク流路13は、インクを廃液タンク30からインクタンク3へ戻すためのインク流路である。以下に、各インク流路の説明をする。
(I)パターン形成用インク流路
パターン形成用インク流路11は、記録媒体上に所望のパターンを形成するために、ヘッド1にインクを供給するためのインク流路である。したがって、上記パターン形成用インク流路11は、インクタンク3とヘッド1とを接続するように配置される。なお、本実施の形態のインクジェット記録装置は、1つのパターン形成用インク流路11を備えているが、その数を1つに限定することはなく、必要に応じて複数備えることも可能である。また、上記パターン形成用インク流路11としては、所望のパターンを形成するために必要な量のインクを供給することが可能なものであればよく、特に限定されるものではない。また、上記パターン形成用インク流路11は、電磁弁21を備えている。これによって上記パターン形成用インク流路11中にインクを流すか否かを選択することが可能となる。
(II)測定用インク流路
測定用インク流路12は、ヘッド1から吐出されるインク量を測定するためのインク流路である。したがって、上記測定用インク流路12は、パターン形成用インク流路11とは別に、インクタンク3とヘッド1とを接続するように配置される。したがって、本実施の形態のインクジェット記録装置では、パターン形成用インク流路11とは別の測定用インク流路12を用いてインク流量を測定することが可能である。その結果、パターン形成用インク流路11を、所望のパターンを形成するために適した構成とすることが可能となり、かつ測定用インク流路12を、インク流量を測定するために適した構成とすることが可能となる。つまり、パターンを形成するために最適なインク流路の構成とインク流量を測定するために最適なインク流路の構成とが異なる場合、それぞれのインク流路をそれぞれの目的に合った構成とすることが可能となる。なお、本実施の形態のインクジェット記録装置では、1つの測定用インク流路12を備えているが、インク流量を測定可能なものであればよく、その数を1つに限定することはない。
また、上記測定用インク流路12は電磁弁22を備えている。これによって上記測定用インク流路12中にインクを流すか否かを選択することが可能となる。なお、本実施の形態のインクジェット記録装置は、電磁弁22を備えない構成であってもよい。この場合、インク流量を測定する場合は、電磁弁21を閉めることによってインクを測定用インク流路12のみに流し、インク流量を測定する。また、パターン形成を行う場合には、電磁弁21を開けることによって、インクがパターン形成用インク流路11および測定用インク流路12の両インク流路を流れる状態でパターンを形成する。
また、上記測定用インク流路12は、インク流量検出部15を含むインク流量検出器200を備えている。これによって測定用インク流路12中のインク流量を測定することが可能となる。例えば、上記インク流量検出部15は、熱式流量計、超音波流量計、電磁流量計または差圧式流量計であることが好ましい。これによって測定用インク流路12中のインク流量を精度良く測定することが可能である。なお、上記インク流量検出部15として熱式流量計、超音波流量計、電磁流量計または差圧式流量計を用いる場合には、内径の小さい測定用インク流量12を用いれば、より精度良くインク流量を測定することが可能となる。
なお、測定用インク流路12の内径の大きさに関しては、特に限定するものではなく、インク流量検出部15の種類や必要とする測定精度に応じて選択することが可能である。例えば、従来のインクジェット記録装置におけるパターンを形成するためのインク流路の内径は、数mmであるが、本実施の形態のインクジェット記録装置における測定用インク流路12の内径は、数十μm〜数百μmであることが好ましい。これによって、同じインク流量下でのインクの流速は、本実施の形態のインクジェット記録装置における測定用インク流路12の方が、従来のインクジェット記録装置におけるパターンを形成するためのインク流路よりも早い。そのため、例えば、熱式流量計によってインク流量を測定する場合、測定する熱分布が周囲に発散する前に、インクの移動による熱分布の移動を検出することが可能となるので、精度の良い測定ができる。また、超音波流量計によってインク流量を測定する場合も、インク流速が早いほど、精度良くインク流量を測定することができる。さらに測定時間においても、インク流路が同じ流量下の検出では、測定するインク流路の内径が小さいほど測定時間は短くなる。したがって、インク流量検出部15として、熱式流量計、超音波流量計、電磁流量計または差圧式流量計を用いる場合には、測定用インク流路12の内径が小さいほど、精度良くかつ短時間での測定が可能となる。
例えば、本実施の形態のインクジェット記録装置において、25μm、150μmまたは320μmの内径を有する測定用インク流路12を用い、インク流量検出部15として超音波流量計を用いてインク流量の測定を行った。このとき、インクの吐出条件は、100kHzでヘッド1を駆動し、1分間に500nlのインクを吐出させ、吐出させようとしたインク流量と実際に測定されたインク流量とを比較した。
まず、内径150μmの測定用インク流路12を用いて測定を行ったところ、500nlの吐出量に対して誤差が1.5nlであり、不吐検出はもちろん一回の吐出あたりの液適量を約0.3%の誤差で測定を行うことができた。この後、クリーニングなど適切な回復あるいは補正動作を行うことによって、エアーなどの混入が無い安定したインクの吐出が可能となった。さらに、内径が25μmの測定用インク流路12を用いると、誤差が約0.1%となり、さらに測定精度が増した。一方、内径が320μmの測定用インク流路12を用いると、測定誤差は約1.5%となり、測定精度は落ちた。以上のように、測定用インク流路12の内径が小さいほど、インク流量の測定精度が増す。
(III)タンクインク流路
測定用インク流路12を通過するインクは、ヘッド1のノズル2から吐出された後、記録媒体上にパターンを形成するために用いられてもよい。また、上記インクは、廃棄されるかあるいはインクタンク3へ戻されて再利用されてもよい。本実施の形態のインクジェット記録装置におけるタンクインク流路14は、ノズル2から吐出されるインクを廃棄するかあるいはインクタンク3へ戻す場合に、ノズル2から吐出されるインクを、廃棄タンク30へ送るために用いられるインク流路である。したがって、上記タンクインク流路14は、ヘッド1と廃棄タンク30とをつなぐように配置される。なお、ノズル2から吐出されるインクをパターン形成に用いる場合などには、タンクインク流路14は、省略することも可能である。
上記タンクインク流路14には、電磁弁23が備えられる。これによって、測定用インク流路12を通過した後にヘッド1から吐出されるインクが、パターン形成用に用いられるか、または廃棄あるいは再利用に用いられるかを選択することが可能となる。つまり、上記電磁弁23を開けた場合には、ノズル2から吐出されるインクを、廃棄タンク30へ送ることが可能となり、その結果、インクを廃棄または再利用することが可能となる。一方、上記電磁弁23を閉めた場合には、ノズル2から吐出されるインクはパターン形成に用いられる。
なお、本実施の形態のインクジェット記録装置は、上記タンクインク流路14を1つ備える構成であるが、複数備えることも可能である。この場合、それぞれのインクタンク流路を別々の廃棄タンク30に接続することによって、上記タンクインク流路を、インクを廃棄するためのインク流路とインクを再利用するためのインク流路とに使い分けることが可能となる。なお、廃棄タンク30は、インクを廃棄する場合および再利用する場合に、一時的にインクを収納するためのタンクである。また、インクを再利用するためのタンクインク流路14は、廃棄タンク30へ接続せずに、直接戻りインク流路13に接続することも可能である。これによって、再利用するためのインクを直接インクタンク3へ戻すことが可能となる。
(IV)戻りインク流路
戻りインク流路13は、廃棄タンク30に収納されたインクをインクタンク3へ戻すためのインク流路である。したがって、上記戻りインク流路13は、廃棄タンク30とインクタンク3とを接続するように配置される。なお、本実施の形態のインクジェット記録装置において、インクを再利用しない場合には省略することも可能である。
図1において、本実施の形態のインクジェット記録装置では、戻りインク流路13は、廃棄タンク30を経て、タンクインク流路14へ接続されるが、これに限定されることはない。たとえば、戻りインク流路13を直接、タンクインク流路14へ接続することも可能である。また、戻りインク流路13は、電磁弁24を備えことが可能である。これによって、インクをインクタンク3へ戻すかどうかを選択することが可能となる。
<電磁弁>
本実施の形態の電磁弁21〜24について、図1に基づいて説明する。
本実施の形態のインクジェット吐出装置では、図1に示すように、インクを流すインク流路を選択するために電磁弁21〜24を備えている。具体的には、図1に示すように、パターン形成用インク流路11には電磁弁21、測定用インク流路12には電磁弁22、タンク流路14には電磁弁23、戻りインク流路13には電磁弁24が備えられている。これによって、各インク流路にインクを流すか否かを選択することが可能となる。なお、上記電磁弁は、インク流路のインクの流れを制御し得るものであればよく、特に限定されるものではない。また、必ずしも、測定用インク流路12に電磁弁22を備える必要はない。この場合、インク流量を測定する時は、電磁弁21を閉じることによって測定用インク流路12にインクを流し、インク流量を測定する。一方、パターン形成時には、電磁弁21を開けることによってパターン形成用インク流路11にインクを流すが、この時、測定用インク流路12にもインクが流れることになる。
以下に、各インク流路にインクを流す場合の電磁弁の挙動を説明する。
記録媒体上に所望のパターンを形成する場合は、パターン形成用インク流路11にインクを流す。このとき電磁弁21を開け、かつ電磁弁22・23・24を閉じることによって、インクをパターン形成用インク流路11に流す。パターン形成用インク流路11を通過したインクは、ノズル2を含むヘッド1から記録媒体(図示されない)に向かって吐出され、所望のパターンを形成することが可能となる。
また、インク流量を測定する場合は、測定用インク流路12にインクを流す。このとき電磁弁22を開け、かつ電磁弁21を閉じることによって、インクを測定用インク流路12に流す。そして、測定用インク流路12をインクが流れているときに、インク流量が測定される。測定用インク流路12を通過したあとのインクは、パターン形成用に使用されることが可能である。また、廃棄されるか、あるいは再利用されることも可能である。
電磁弁23・24は、測定用インク流路12を通過した後のインクが、上記3種類の挙動のうち、いずれを選択するかを決定するために備えられる。測定用インク流路12を通過した後のインクをパターン形成に用いる場合、電磁弁23・24を閉じる。それによって、インクはヘッド1のノズル2から記録媒体に向かって吐出され、その結果、所望のパターンを形成することが可能となる。また、測定用インク流路12を通過した後のインクを廃棄する場合、電磁弁23を開き、かつ電磁弁24を閉じることによって、ノズル2から吐出されたインクは、タンク流路14を経て廃液タンク30に収納されることになる。また、廃棄タンク30中のインクをインクタンク3へ戻して再利用する場合、電磁弁23・24を開くことによって、ノズル2から吐出されたインクは、タンク流路14、廃液タンク30および戻りインク流路13を経て、インクタンク3に戻される。そして、インクタンク3へ戻されたインクを再利用することが可能となる。
<インクジェット記録ヘッド>
本実施の形態のヘッド1について、図5に基づいて説明する。
ヘッド1のインク吐出部は、同図に示すように、厚さ方向に分極処理を施した圧電材料を分極方向が相反する方向になるように貼り合わせた圧電材料に複数の溝が形成されたアクチュエータ部材500と、インク供給口511および共通インク室512が形成されたカバー部材510と、複数のノズル孔521が開けられたノズルプレート520とを備えている。上記アクチュエータ部材500、カバー部材510およびノズルプレート520を貼り合わせることで、複数の溝によってノズル孔521毎に対応するインク室が形成されている。各インク室内のインク室隔壁には、電界を印加するための電極501が形成されている。
インク室の後端部502は、R形状に加工されており、さらに、外部回路との接続のための電極引き出し部として平坦部503が形成されている。また、支持基板540上に配置された上記インク吐出部と駆動用IC530とは、平坦部503上に形成された電極504とワイヤボンディング技術によってアルミニウムワイヤ531で電気的に接続されている。そのほかに、例えば駆動用ICが接続されているフレキシブル基板などに形成された外部電極とACF(Anisotropic Conductive Film: 異方性導電フィルム)接続技術によって、上記インク吐出部と駆動用IC530とを接続することもできる。
また、アクチュエータは、上記インク室隔壁を介して向い合うインク室内電極501に逆位相の電位を印加することでシェアモード駆動を行う。つまり、厚さ方向で分極方向を対称に貼り合わされたインク室隔壁の貼り合わせた境目でインク室隔壁が“く”の字に変形し、インク室内の体積変化、それに伴うインク室内のインク圧力変化を利用してインク室先端部に配置した微小なノズル孔521からインク液滴が吐出されるものである。
本実施の形態のインクジェット記録装置では、上記パターン形成用インク流路11および測定用インク流路12は、ともにインク供給口511に接続される。なお、上記パターン形成用インク流路11および測定用インク流路12は、それぞれの流路がそれぞれのインク供給口511に接続される構成であってもよい。あるいは、上記パターン形成用インク流路11および測定用インク流路12が合流して1つのインク流路となった後、1つのインク供給口511へ接続される構成であってもよい。
上記の構成によれば、パターン形成用インク流路11および測定用インク流路12を通過したインクは、ともに共通インク室512中に送られ、そのあとノズル孔521から吐出される。パターン形成用インク流路11を通過したインクは、ヘッド1が対向する記録媒体に向かって吐出される。その結果、記録媒体上に所望のパターンを形成することが可能である。また、測定用インク流路12を通過したインクは、パターン形成用インク流路11を通過したインクと同様に、所望のパターンを形成するために用いることが可能である。あるいは、測定用インク流路12を通過したインクを、廃棄あるいは再利用することも可能である。この場合、ノズル孔521から吐出されるインクはタンク流路14を経て、廃液タンク30へと送られる。
<インク流量検出部および吐出インク量算出部>
本実施の形態のインク流量検出部15および吐出インク量算出部16について、図2に基づいて説明する。
図2に示すように、本実施の形態のインクジェット記録装置は、インク流量検出器200を備える。上記インク流量検出器200は、インク流量検出部15および吐出インク量算出部16を有する。ここで、上記インク流量検出部15は、測定用インク流路12中のインク流量を検出するための構成である。また、上記吐出インク量算出部16は、インク流量検出部15によって検出された測定用インク流路12中のインク流量(以下、測定インク流量と記載)に基づいて、測定用インク流路12を通過した後にヘッド1から吐出されるインク量(以下、吐出インク量と記載)を算出するための構成である。以下に、インク流量検出部15および吐出インク量算出部16について説明する。
〔インク流量検出部〕
インク流量検出部15は、測定用インク流路12中のインク流量を検出するための構成である。上記インク流量検出部15としては、特に限定されるものではなく、内径の小さな測定用インク流路12中のインク流量を精度良く測定することが可能なものであればよい。例えば、上記インク流量検出部として、熱式流量計、超音波流量計、電磁流量計、差圧式流量計などを用いることが可能である。
図2に、上記インク流量検出部15として熱式流量計を用いた場合の、本実施の形態のインクジェット記録装置を示す。このとき、インク流量検出部15は、インク流量検出器200中に備えられる。上記インク流量検出部15は、温度センサー212、温度センサー213、温度検出部214およびヒーター211を備える。このとき、ヒーター211は、温度センサー212および温度センサー213よりも測定用インク流路12の上流側に設置される。ヒーター211によって加熱されたインクは、インクが流れる方向、つまり温度センサー213側から温度センサー212側へと移動する。したがって、ヒーター211によって加熱されたインクが、温度センサー212と温度センサー213との間を移動する時間を温度検出部214によって検出すれば、測定用インク流路12中のインク流量を求めることが可能となる。
また、上記インク流量検出部15として、超音波流量計を用いることも可能である。この場合、超音波発信器および超音波受信器のそれぞれを測定用インク流路12の上流と下流とに備える。測定用インク流路12の上流から下流に向かって送信される超音波の周波数と、測定用インク流路12の下流から上流に向かって送信される超音波の周波数とを測定する。そして、両者の周波数の差を検出することによって、インク流量を検出することが可能となる。
上記のようにして検出された測定インク流量に関するデータは、以下に説明する吐出インク量算出部16へデータとして送られる。
〔吐出インク量算出部〕
吐出インク量算出部16は、測定インク流量に基づいて吐出インク量を算出するための構成である。以下に、吐出インク量および不吐出インク量を算出する方法を示す。
インクを吐出するためにヘッド1が駆動する時間を「インク吐出時間」とすると、吐出インク量は、式(1)によって求めることができる。
(吐出インク量)=(測定インク流量)×(インク吐出時間)・・・・式(1)
また、上記吐出インク量算出部16は、「不吐出インク量」を算出することも可能である。ここで、本来吐出されるべき吐出インク量を「既定値」とすると、不吐出インク量は、式(2)によって求めることができる。
(不吐出インク量)=(既定値)−(吐出インク量)・・・・式(2)
上記吐出インク量および不吐出インク量は、データとして半導体メモリ、磁気ディスク、光磁気ディスクなどのメモリ101(図3参照)に格納することが可能である。また、本実施の形態のインクジェット記録装置は、吐出インク量および不吐出インク量に基づいて、インク流量の測定、パターン形成、ヘッドの回復動作または補正動作など、ヘッドの動作選択が可能となる。
なお、本実施の形態のインクジェット記録装置では、吐出インク量算出部16は、インク流量検出器200中に備えられる構成であるが、これに限定されることはない。例えば、上記吐出インク量算出部16は、CPU100(図3参照)中に備えられてもよいし、外部装置(図示しない)として備えられてもよく、特に限定するものではない。
<ノズルの不吐出インク量および吐出インク量の測定方法>
本実施の形態の不吐出インク量および吐出インク量の測定方法について、図1および5に基づいて説明する。
ノズルの不吐出インク量および吐出インク量を測定するときには、電磁弁21を閉め、かつ電磁弁22を開けることによって測定用インク流路12にインクを流す。そして、該当するノズルからインクを吐出させる。このとき、インク流量検出部15よって、測定用インク流路12中のインク流量を測定する。そのあと算出手段によって、不吐出インク量または吐出インク量を算出することが可能となる。このとき、不吐出インク量および吐出インク量は、ノズル毎に測定することが可能であり、または複数ノズル毎に測定することも可能である。以下に、その方法を示す。
ノズル毎の吐出インク量の測定を行うときは1ノズル毎にインクを吐出させるよう該当するノズル孔521に対応する電極501を各ノズル毎に順次駆動することによって上記ノズル孔521からインクを吐出させる。このとき、インク流量検出部15により、測定用インク流路12を流れるインク流量を検出する。上記検出されたインク流量に基づいて、吐出インク量算出部16によって、上記ノズル孔521から吐出されるインク量を算出する。このようにしてノズル毎の不吐インク量および吐出インク量の測定を行うことが可能である。この場合、ノズルの数だけ測定を行う必要がある。
一方、複数ノズルを1ユニットとして、ユニットごとに吐出インク量を測定することも可能である。この場合も、該当する複数のノズル孔521に対応する電極501を同時に駆動することによって上記複数のノズル孔521からインクを吐出させる。このとき、インク流量検出部15により、測定用インク流路12を流れるインク流量を検出する。検出されたインク流量に基づいて、吐出インク量算出部16によって、上記複数のノズル孔521から吐出されるインク量の総量を算出する。このようにして複数のノズル毎の不吐インク量および吐出インク量の測定を行うことが可能である。この場合、ユニットの数だけ、測定を行うことによって、全ノズルの測定を行うことが可能となる。したがって、ノズル毎に測定する場合と比較して、複数のノズル毎に測定を行う場合は、測定時間を短縮することが可能となる。このとき、1ユニットに含まれるノズル数は、特に限定するものではない。その数は、必要とする測定精度や測定時間などに応じて、選択することが可能である。また、ユニットの数も限定されるものではなく、必要とする測定精度や測定時間などに応じて、選択することが可能である。
さらに、本実施の形態のインクジェット記録装置は、不吐出インク量を算出することも可能である。この場合、予め、各ノズルまたは複数ノズル毎に吐出されるインク量(以下、規定インク量と記載)を測定しておく。このとき、上記規定インク量と測定された吐出インク量との差を、不吐出インク量として算出することができる。このとき本実施の形態のインクジェット記録装置では、上記不吐出インク量が所望の設定値よりも小さい場合には、記録媒体上にパターンを形成するための動作を選択し、上記不吐出インク量が上記設定値よりも大きい場合には、ヘッド1をクリーニングするなどの動作を選択することが可能である。なお、不吐出インク量が所望の設定値よりも小さいか否かは、CPU100によって判断する。
また、ヘッド1のクリーニング動作の後、再び、吐出するインク量を測定することによって、ノズルから所望のインク量が吐出されるか否かを短時間で検査することが可能である。なお、ここで、規定インク量とは、不吐出がない状態において、ノズルから吐出されるインク量のことをいう。また、上記不吐出インク量の設定値は、所望のパターンを形成する場合に、許容される不吐出インク量のことをいう。したがって、上記設定値は、パターン形成に必要なインク量に応じて設定することが可能である。例えば、ここで、1つのノズルが完全に不吐出である場合の不吐出インク量をa(nl)とする。例えば、記録媒体上にパターンを形成するために、ノズル2つ分以上の不吐出インク量が無いことが好ましい場合、上記設定値は、2a(nl)よりも少ないことが好ましい。
本実施の形態のインクジェット記録装置の吐出インク量または不吐出インク量の測定方法を具体的に説明する。例えば、5つのノズルを1ユニットとして、インク流量を測定する場合、まず、電磁弁21を閉め、かつ電磁弁22を開ける。そして、上記5つのノズルからインクを吐出させながら、測定用インク流路12中を流れるインク流量を測定する。測定されたインク流量に基づいて、吐出インク量算出部16により、5つのノズルから吐出される全インク量を算出することが可能となる。したがって、本実施の形態のインクジェット記録装置を用いれば、一度の測定によって、5つのノズルからの吐出インク量、または5つのノズルの不吐出インク量を測定することが可能となり、1ノズル毎に測定する場合と比較して、測定時間を約5分の1に短縮することが可能となる。
<回復部および補正部>
本実施の形態の回復部および補正部について、図1および3に基づいて説明する。
本実施の形態のインクジェット記録装置においては、ヘッド1から所望のインク量を吐出しない場合、言い換えれば、インクの不吐出を生じる場合がある。インクの不吐出が生じる原因としては、ヘッド内に混入したごみや、キャビテーションにより発生したエアーが、ノズルの目詰まりとなることなどを挙げることができる。先に述べたように、本実施の形態のインクジェット記録装置では、不吐出インク量が、上記設定値よりも大きい場合、ヘッドを回復する動作または吐出インク量を補正する動作を行うことが可能である。以下に、それぞれについて説明する。
〔回復部〕
回復部(回復手段)とは、インクの不吐出を生じているノズル2のインク吐出能力を回復し、規定量のインクを吐出するようにするための構成である。上記回復部は、ヘッド特性補正装置700またはCPU100中にソフトウエアとして備えることが可能である(図3参照)。あるいは、別の外部装置として備えることも可能である。ここで、上記回復部は、インクの不吐出を生じているノズル2のインク吐出能力を回復することが可能なものであればよく、特に限定するものではない。また、上記回復部としては、公知の構成を適宜用いることが可能である。上記回復部として、具体的には、クリーニング手段、吸引手段または予備吐出モードなどを用いることが可能である。ここでクリーニング手段とは、ヘッド先端のノズル2を弾性体などで拭き、ノズル2に詰まった異物を取り除く方法である。また、吸引手段とは、ヘッド1内に加圧または引圧を加えることによって、ノズル2に詰まった異物を取り除く方法である。また、予備吐出モードとは、記録媒体上にパターンを形成する場合やインク流量を測定する場合とは別に、ノズル2からインクを吐出させることによってノズル2に詰まった異物を取り除く方法である。なお、予備吐出モードにおいて、インクを流すインク流路は、パターン形成用インク流路を用いてもよいし、測定用インク流路を用いることも可能である。また、予備吐出モード用に、インクタンクとヘッドとをつなぐ専用の流路を用いることも可能である。また、上記予備吐出モードでは、ノズル2から吐出させるインク量は、ノズルに詰まった異物を取り除くことが可能なものであればよく、特に限定するものではない。
〔補正部〕
補正部(補正手段)とは、インクの不吐出が検出された場合、本実施の形態のインクジェット記録装置のインク吐出設定を変更することによって、所望のインク吐出量を実現するための構成である。上記補正部は、ヘッド特性補正装置700(図3参照)またはCPU100中にソフトウエアとして備えることが可能である。あるいは、別の外部装置として備えることも可能である。上記補正部としては、ノズルから吐出されるインク量を所望のインク量に補正するとが可能であるものであれば、特に限定することはない。また、上記補正部として、公知の構成を適宜用いることも可能である。上記補正部として、具体的には、ノズルから吐出するインク量を調節するための吐出インク量調節部40(吐出インク量調節手段)またはノズルからインクを吐出する回数を調節するためのインク吐出回数調節部41(インク吐出回数調節手段)などを用いることが可能である。
上記吐出インク量調節部40は、ノズル2から吐出するインク量を調節可能なものであればよく、特に限定されるものではない。例えば、上記吐出インク量調節部40は、各ノズル2の駆動電圧やパルス波形などを調節することによって、ノズル毎の吐出インク量を調節し、その結果、所望のインク量を吐出することも可能である。
上記インク吐出回数調節部41は、ヘッド1の駆動回数を調節することが可能なものであればよく、特に限定されることはない。
<動作手順>
本実施の形態のインクジェット記録装置の駆動手順について、図4に基づいて説明する。
まず、ステップ301(以下、適宜ステップをSと略す)では、インク流量を測定するか、パターンを形成するか、どちらの動作を行うかを決定する。S301において、パターン形成が選択された場合は、S302に移行する。また、S301において、インク流量測定が選択された場合は、S303へ移行することになる。どちらの動作を行うかを決定する方法は、特に限定されるものではなく、必要に応じて設定可能である。例えば、本実施の形態のインクジェット記録装置が、複数回動作する度にインク流量を測定するように設定することも可能である。あるいは、操作者によって、任意の時に、インク流量を測定するように設定することも可能である。
S301において、パターンを形成が選択された場合は、S302に移行し、パターンを形成するための動作が行われる。このとき所望のパターンを全て形成した場合に、全ての動作を終了することが可能である。あるいは、全てのパターンを形成する前に、S303へ移行し、インク流量を測定することも可能である。このとき全ての動作を終了するか、あるいはインク流量を測定するかは、S307において判断される。インク流量を測定する場合には、S307からS303へ移行することになる。このように、パターンを形成し始めてから、全パターンを形成し終わるまでの間に、定期的にインク流量を測定することによって、ノズル2からのインクの吐出状況を定期的に確認することが可能となる。
また、S301において、インク流量測定が選択された場合は、直接S303に移行し、吐出インク量を測定することになる。
S303では、測定用インク流路を流れるインク流量を測定する。S303において、測定用インク流路中のインク流量を測定した後は、S304に移行して、吐出インク量または不吐出インク量を算出する。この後S305において、パターン形成を行うか、または回復および補正動作を行うかを判断する。不吐出インク量が設定値よりも小さく、パターンを形成するために十分なインク量が吐出されている場合は、S302へ移行し、記録媒体上に所望のパターンを形成する。一方、S305において、不吐出インク量が、設定値以上であった場合は、S306へ移行する。S306では、回復部または補正部を用いて、ヘッドから所望のインク量が吐出することができるように回復または補正動作を行う。そして、S306の後、再びS301へ移行する。そして、再び、S301において、パターン形成かインク流量測定か、どちらの動作を行うかを選択する。このとき、どちらの動作を選択するかは、特に限定されない。S302に移行し、パターンを形成してもよいし、S306における回復動作または補正動作が、十分機能したかどうかを確認するためにS303に移行し、インク流量を測定してもよい。以上の動作によって、本実施の形態のインクジェット記録装置は、インクの吐出安定性を損なうことなく、簡便かつ精度良く不吐出インク量もしくは吐出インク量を測定するとともに、記録媒体上にパターンを形成することが可能となる。
〔実施の形態2〕
本発明の一実施形態について、図3に基づいて説明すると以下の通りである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施の形態では、前記実施の形態1のインクジェット記録装置における、パターン形成時に記録ヘッドから吐出するインクを記録ヘッドに供給するための制御と、記録ヘッドから吐出する吐出インク量の測定制御について説明する。
本実施の形態のインクジェット記録装置は、CPU100を備えている。上記CPU100は、上記インクジェット記録装置全体の動作を制御することが可能である。
上記インクジェット記録装置では、CPU100において、パターン形成あるいはインク流量測定のいずれを行うかが判断される。パターン形成動作が選択された場合、電磁弁制御部110およびドライバ113を介して、電磁弁21・22・23・24の開閉動作が行われ、その結果、パターン形成用インク流路中をインクが流れる。そして、ヘッド駆動制御部111およびドライバ112を介してヘッド1を操作し、記録媒体上に所望のパターンを形成する。
また、CPU100において、インク流量の測定動作が選択された場合、電磁弁制御部110およびドライバ113を介して、電磁弁21・22・23・24の開閉動作が行われ、その結果、測定用インク流路中をインクが流れる。そして、インク流量検出器200に備えられているインク流量検出部15によって、測定用インク流路中のインク流量が測定される。測定されたインク流量に関する情報は、吐出インク量算出部16へと送られ、そこでヘッドから吐出されるインク量が算出される。ここで、吐出インク量算出部16は、インク流量検出器200に備えられているが、これに限定するものではない。例えば、上記吐出インク量算出部16は、CPU100中に備えることも可能である。
CPU100において、吐出インク量から不吐出インク量を算出することも可能である。そして、不吐出インク量が、設定値よりも小さい場合には、記録媒体上へのパターンの形成を行う。このとき、電磁弁制御部110およびドライバ113を介して電磁弁21・22・23・24の開閉動作を行い、パターン形成用インク流路にインクを流す。そしてヘッド駆動制御部111およびドライバ112を介してヘッド1を操作することによって、所望のパターンを形成することが可能となる。また、上記不吐出インク量が設定値以上である場合には、ヘッドの回復動作または補正動作などを行う。ヘッドの回復動作および補正動作を行う場合には、ヘッド駆動制御部111およびドライバ112を介してヘッド1を動作させることによって行うことが可能となる。
また、ヘッド1の不吐出インク量もしくは吐出インク量の算出結果は、半導体メモリ、磁気ディスク、光磁気ディスクなどのメモリ101に格納してもよい。
メモリ101に格納された吐出インク量に関するデータは、ディスプレイやプリンタ、演算装置などの外部装置102に出力しても良いし、ヘッド吐出特性補正装置700などにインク流量や吐出インク量のデータを転送して、ヘッドのインク吐出設定を補正および調節するために用いるようにしてもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以上のように、本発明のインクを用いた記録装置または記録方法は、パターン形成時にインクジェット記録ヘッドにインクを供給する第1のインク流路と、インクジェット記録ヘッドから吐出する吐出インク量を測定する第2のインク流路とを有するために、高精細かつ高画質なパターン形成を行なうための評価手段として活用でき、さらに適切な補正手段を備えることにより、より高品位なインクジェット記録装置をより簡便により素早く提供できる。そのため、本発明はインクジェット記録装置に代表される各種記録装置やその部品を製造する分野に利用することができる。
本発明の実施形態を示すものであり、インクジェット記録ヘッドのインク流路およびこれを用いたインクジェット記録装置の要部構成を示す模式図である。 上記インクジェット記録装置におけるインク流量検出器の模式図である。 上記インクジェット記録装置の構成を示すブロック図である。 上記インクジェット記録装置の動作を示すフローチャートである。 上記インクジェット記録装置のヘッドの模式図である。
符号の説明
1 ヘッド
2 ノズル
3 インクタンク
4 フィルター
5 三方弁
11 パターン形成用インク流路(第1のインク流路)
12 測定用インク流路(第2のインク流路)
13 戻りインク流路
14 タンクインク流路
15 インク流量検出部(測定手段)
16 吐出インク量算出部(算出手段)
21、22、23、24 電磁弁(開閉手段)
30 廃液タンク
40 吐出インク量調節部(吐出インク量調節手段)
41 インク吐出回数調節部(インク吐出回数調節手段)
100 CPU(算出手段)
200 インク流量検出器

Claims (10)

  1. ノズルからインクを吐出して記録媒体にパターンを形成する記録ヘッドと、該インクを保持するインクタンクと、該記録ヘッドに該インクタンクから該インクを供給するインク流路とを有する、インクを用いた記録装置において、
    該インク流路は、
    パターン形成時に該記録ヘッドから吐出するインクを記録ヘッドに供給する第1のインク流路と、
    該記録ヘッドから吐出する吐出インク量の測定に供される第2のインク流路とを有することを特徴とするインクを用いた記録装置。
  2. 前記第2のインク流路のインク流量を検知する検知手段と、
    該検知手段によって検知された流量値に基づいて、前記吐出インク量を算出する算出手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のインクを用いた記録装置。
  3. 前記検知手段が、熱式流量計、超音波流量計、電磁流量計または差圧式流量計であることを特徴とする請求項2に記載のインクを用いた記録装置。
  4. 前記第1のインク流路および前記第2のインク流路は、流路の開閉をそれぞれ独立に行う開閉手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクを用いた記録装置。
  5. 前記ノズルは、複数設けられると共に、前記検知手段は、1ノズル毎に不吐出インク量もしくは吐出インク量を測定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクを用いた記録装置。
  6. 前記ノズルは、複数設けられると共に、前記検知手段は、複数のノズル毎に不吐出インク量もしくは吐出インク量を測定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクを用いた記録装置。
  7. 前記不吐出インク量が設定値を超えた場合、前記吐出インク量を適正な基準量に補正するための補正手段および適正な吐出を回復するための回復手段の両方またはいずれか一方を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクを用いた記録装置。
  8. 前記補正手段が、前記吐出インク量を調節する吐出インク量調節手段であることを特徴とする請求項7に記載のインクを用いた記録装置。
  9. 前記補正手段が、ノズルから吐出するインク吐出回数を調節するインク吐出回数調節手段であることを特徴とする請求項7に記載のインクを用いた記録装置。
  10. インク流路を通したインクをノズルから吐出して記録媒体にパターンを形成するインクを用いた記録方法において、
    該インク流路とは別に設けた測定用流路に該インクを分流させ、分流したインクの流量に基づいて、該ノズルから吐出される吐出インク量を求めることを特徴とするインクを用いた記録方法。
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