JP2007000720A - ウレタン防水構造とこれに用いる環境対応型トップコート材 - Google Patents

ウレタン防水構造とこれに用いる環境対応型トップコート材 Download PDF

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Abstract

【課題】 毒性が少なくしかも低臭性である溶剤により施工できる、環境に配慮したウレタン防水構造およびこれに用いるトップコート材を実現する。
【解決手段】 ウレタン系塗膜防水層とその防水層表面に塗布した環境対応型トップコート材により形成したトップコート層を具えたウレタン防水構造であって、前記環境対応型トップコート材の主剤はその反応成分の主成分を多官能基イソシアネート化合物により構成する一方、硬化剤はその反応成分の主成分を分子量1500から20000のアクリルポリオールにより構成して、主剤、硬化剤のいずれも低毒性、低臭性の溶剤による溶解性およびトップコートとして必要な所定の造膜性と30%乃至200%の硬化塗膜伸び率を確保できるようにしたウレタン防水構造とそのトップコート材を提供して上記課題を解決する。

【選択図】 なし。

Description

本願発明は、ビルの屋上、ベランダ、バルコニー、開放廊下等におけるウレタン防水構造ならびにこの防水構造のトップコート層を形成するアクリルウレタン塗料に関し、詳しくは低毒性、低臭性を実現した環境に優しいウレタン防水技術に関するものである。
る。
近年、日本では大規模な集合住宅の建設が活発に行われており、集合住宅のベランダ、バルコニーの防水については、形状が建築物毎に不定形でありしかも小面積であるため、そのような場所に容易に施工できるウレタン防水材の需要が、新築・改修を問わず多くなっている。この様な小面積の部位には下地モルタル等に対し、接着性付与のためのプライマーを塗布した後、ウレタン防水材を1kg〜3kg/平方メートル塗布し、最後に耐候性付与のためのトップコートを形成する塗料を塗布する密着工法が普及している。
また、学校、病院、オフィスビル等の比較的面積の大きな屋上防水には、通気緩衝シートを施工後にウレタン防水材を2〜5kg/平方メートル塗布し、最後にトップコートを形成する塗料を塗布する通気緩衝工法が、特に改修工事で採用される場合が多くなっている。
いずれの工法においてもウレタン防水材だけでは耐候性が悪いため、その上層に耐候性の良いトップコート層を形成することが必須工程となっている。
以上のように、ウレタン防水材は比較的居住空間に近い部分で施工される場合が多いが、従来から使用されている材料はウレタン防水材、トップコート材ともにトルエン・キシレンといった有害性の高い溶剤が配合されているのが一般的である。これは、トルエン・キシレンが安価な溶剤であると同時に、非常に溶解性に優れ(強溶剤)、さらに乾燥性・揮発性も良い優れた溶剤であり、高い施工効率を得られるためである。
現在、一般的に使用されているウレタン防水材は、トリレンジイソシアネートとポリオキシアルキレンポリオールとから合成されるイソシアネート基末端プレポリマーを主剤とし、イソシアネート基と反応性のある4,4'・メチレンビス(2-クロロアニリン)(通称MOCA)およびポリオキシアルキレンポリオール等のポリオール類を架橋剤とし、それに可塑剤、充填剤、顔料等を配合した硬化剤とからなる、2液反応型ウレタン防水材であり、通称MOCA架橋型防水材と呼ばれている。 この場合、主剤に使用されるトリレンジイソシアネートとしては、工業的な入手のしやすさおよび物性面のバランスより、2,4-トリレンジイソシアネートと2,6-トリレンジイソシアネートの80/20(重量比)混合品が一般的である。
このような防水材は、防水材の粘度調整のために数重量%程度のトルエン、キシレン等の溶剤が主剤および硬化剤に配合されており、さらに施工時の状況に合わせ現場でトルエン、キシレンのような希釈材を数重量%添加し施工されているのが現状である
また、MOCA架橋型防水材では、主剤中には遊離トリレンジイソシアネートが1から3重量%程度含有されており、さらに、硬化剤中には架橋剤であるMOCAが数重量%程度含有されているのが一般的である。いずれの物質も法規制に係るいわゆる指定化学物質および特定化学物質に該当し、かつそれぞれの含有量が1重量%以上であることから、主剤および硬化剤ともに取り扱い上の法的規制を受けることになる。
一方、最近になりイソシアネート基末端プレポリマーを主剤とし、硬化剤の架橋剤としてジエチルトルエンジアミン(DETDA)を主成分として使用する低温硬化性のよいDETDA架橋型防水材も開発されている。このタイプの防水材は、可使時間確保のために主剤のイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネート100%品を使用する場合が多いことと、NCO含有量を比較的低くしてあることより、遊離トリレンジイソシアネート含有量を1%以下とすることが容易であり、また硬化剤に使用するジエチルトルエンジアミン(DETDA)も指定化学物質および特定化学物質に該当せず、従来のMOCA架橋型防水材では硬化剤に必須成分として配合されるオクチル酸鉛のような有機鉛触媒も使用しなくてすむため、主剤、硬化剤ともに、より環境に配慮した防水材といえる。また、汎用防水材よりは低粘度な可塑剤の配合量を比較的多く配合できるために、防水材の低粘度化が容易であり、施工時の溶剤使用量を低減できる利点もある。
しかしながら、DETDA架橋型防水材は、可使時間確保のために汎用防水材よりも可塑剤を多く使用しなければならないこともあり、一般的な2液反応型アクリルウレタンのトップコート材との接着性保持が難しく、また防水材中の可塑剤がトップコート材に移行しやすいために、タック性(ベタツキ)が発生しやすいという問題がある。
他方、最近はイソシアネート末端プレポリマーに可塑剤、溶剤、充填剤、顔料、潜在性硬化剤等を配合した1液型ウレタン防水材も使用されている。さらに、水溶性を付与したイソシアネート末端プレポリマーと酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属酸化物、可塑剤、溶剤(キシレン、トルエン以外)、充填剤等を配合した1液成分に対し、施工現場で水を添加し反応固化させるウレタン防水材が環境対応用防水材として開発されているが、夏場の可使時間確保および仕上がり性に問題があり、さらにそのシステムに使用される水系トップコート材の接着性、耐久性にも問題が残されている。
一方、防水材の上に塗布されるトップコート層を形成するトップコート材については、無黄変性多官能基イソシアネート化合物を、溶解性に優れたトルエン、キシレンおよび酢酸ブチルを主成分としたシンナーにより、固形分(プレポリマー含有量)を10から50%程度になるよう希釈した主剤と、イソシアネート基と反応性のあるヒドロキシル基を含有したビニル重合体樹脂(アクリルポリオール)を、やはりトルエン、キシレンおよび酢酸ブチルを主成分とするシンナーで溶解し、顔料、充填剤、消泡等添加剤を配合し固形分を50%前後とした硬化剤(エナメル)とからなる、2液反応型アクリルウレタン塗料が汎用的に使用されており、主剤と硬化剤とを混合した状態での溶剤量は50〜70重量%となるのが一般的である。
そして、前記硬化剤に使用されているアクリルポリオールは、耐候性、塗膜強度、造膜性、コスト等のバランスより分子量が5万から12万が一般的であり、このような高分子量体を溶解するシンナーには強溶剤でしかも乾燥性のよいトルエン、キシレン溶剤および酢エチ、酢ブチといった臭気の強い脂肪酸エステル系溶剤を主成分とせざるを得ず、環境対応上の課題を有している。
このため、脱トルエン、キシレンの対策として、近年、水系トップコートを使用した防水システム等が提案されているが、水系トップコートについては、下地ウレタン防水材とのヌレ性低下によるハジキの発生(施工性低下、仕上がり性低下)、耐水接着性低下、塗膜強度および耐摩耗性の低下、耐候性の低下といった問題が残されている。
また、寒冷地の施工では水系プライマー材および水系トップコート材等には貯蔵時および施工時の凍結が起こるため、冬季の施工ができないという問題もある。
なお、本願発明と関連する特許文献としては次のようなものがある。
特開平08−143816 特開2002−364128 特開2003−313538
ウレタン防水層とこの表面に形成したトップコート層とからなる防水構造において、ウレタン防水層に関しては、ウレタン防水材に数%配合されている溶剤をトルエン、キシレン以外の溶剤に置き換えることは比較的容易であり、また施工時に使用される希釈剤についても、トルエン、キシレン以外の溶剤とすることは比較的容易である。低毒性・低臭性である有機溶剤中毒予防規則外の溶剤による施工も比較的容易である(特願2004−112882参照)。
しかしながら、トップコート層については、トルエン、キシレンおよび酢酸エチル、酢酸ブチルといった臭気の強い溶剤を相当量含有した2液反応型アクリルウレタン塗料の塗布による形成といった手法をとらざるを得ないのが現実であり、環境対応策がほとんどなされていないのが現状である。
この理由は、2液反応型アクリルウレタン塗料がウレタン防水材との接着性に優れており、耐候性・耐久性、乾燥性、伸張性、耐耗性等の塗膜性能が良好であり、さらには比較的経済的であるためである。さらには、前記諸性能のバランスを図るために、硬化剤中の反応成分として5〜12万程度の高分子量アクリルポリオールを使用せざるを得ず、これがために、毒性の強いトルエン、キシレン等の強溶剤(溶解性が高い)および酢酸エチル、酢酸ブチルといった強臭気性の溶解性の高い溶剤の使用が避けられない。
また、上記のような高分子量アクリルポリオールを溶解し、塗布するためには塗料混合物中に50%〜70%の多量の溶剤が必要となってしまうという問題も発生する。
しかし、トルエン・キシレンは毒物および劇物取締法(厚生労働省)および悪臭防止法(環境省)の対象物質であり、最近になって室内環境汚染(シックハウス)の濃度指針対象物質(厚生労働省)に挙げられており、さらには文部科学省においても平成14年度より学校の新築・改修工事引渡し時に濃度測定が義務づけられる等、今後さらに規制が厳しくなることが予想される。他方で、揮発性有機溶剤(VOC)の総量を規制することについての議論も進んでおり、将来的には使用する溶剤量を極力低減させる必要性は不可避である。
さらには、酢酸エチル、酢酸ブチルといった有機溶剤中毒予防規則の第2種の溶剤も臭気性が強く、施工時に住民からの苦情の原因ともなっている。
今日、施工性および性能は従来品と遜色がなく、トルエン・キシレンを使用しないことはもとより、低臭性・低毒性の溶剤を使用したトップコート材の開発は喫緊の課題となっている。
一方、ウレタン防水材については、現在汎用されているMOCA架橋型は、主剤には遊離トリレンジイソシアネート、硬化剤には4,4'・メチレンビス(2-クロロアニリン)といった特化物および指定化学物質を1重量%以上含んでおり、環境的には改善の余地がある。一方、特化物および指定化学物質を1重量%以下として配合できる、より低毒性のDETDA架橋型防水材については、可使時間を確保するために可塑剤量を多く使用する必要があり、可塑剤のトップコート層への移行等により、トップコート材との接着性低下、トップコート層のタック性増加、トップコート層の塗膜強度低下等の傾向があり、接着性を実用上問題のない範囲に保持するためのトップコート材の配合が非常に限定されるという問題があり、トルエン・キシレンを配合しないトップコート材を設計することが極めて難しいのが実情である。
本発明の目的は、密着工法および通気緩衝工法のいずれにも使用できる、トルエン・キシレンを含有せず、できうるかぎり毒性が少なくしかも低臭性である溶剤により施工できる、環境に配慮したウレタン防水構造およびこれに用いるトップコート材を提供することにある。
本願発明は、ウレタン系塗膜防水層とその防水層表面に塗布した環境対応型トップコート材により形成したトップコート層を具えたウレタン防水構造であって、前記環境対応型トップコート材の主剤はその反応成分の主成分を多官能基イソシアネート化合物により構成する一方、硬化剤はその反応成分の主成分を分子量1500から20000のアクリルポリオールにより構成して、主剤、硬化剤のいずれも低毒性、低臭性の溶剤による溶解性およびトップコートとして必要な所定の造膜性と30%乃至200%の硬化塗膜伸び率を確保できるようにしたウレタン防水構造を実現して上記従来の課題を解決しようとするものである。
また、上記のウレタン防水構造において、環境対応型トップコート材の硬化剤における分子量1500から20000のアクリルポリオールは、連続塊状重合法により製造されたもので構成することがある。
さらに、上記いずれかのウレタン防水構造において、環境対応型トップコート材に係る溶剤は有機溶剤中毒予防規則による規制外の溶剤で構成することがある。
さらにまた、上記いずれかのウレタン防水構造において、環境対応型トップコート材に含有される溶剤量は40重量%以下15重量%以上となすことがある。
また、上記いずれか記載のウレタン防水構造において、防水材は2液反応型防水材であり、主剤の反応成分の主成分はイソシアネート基末端プレポリマーで構成する一方、硬化剤の反応成分の主成分をDETDAで構成することがある。
本願発明はまた、ウレタン系塗膜防水層に塗布してトップコート層を形成するための環境対応型トップコート材であって、この環境対応型トップコート材の主剤はその反応成分の主成分を多官能基イソシアネート化合物により構成する一方、硬化剤はその反応成分の主成分を分子量1500から20000のアクリルポリオールにより構成して、主剤、硬化剤のいずれも低毒性、低臭性の溶剤による溶解性およびトップコートとして必要な所定の造膜性と30%乃至200%の硬化塗膜伸び率を確保できるようにした環境対応型トップコート材を提供して上記従来の課題を解決しようとするものである。
さらに、上記の環境対応型トップコート材において、硬化剤における分子量1500から20000のアクリルポリオールは、連続塊状重合法により製造されたもので構成することがある。
またさらに、上記いずれかの環境対応型トップコート材において、含有する溶剤は有機溶剤中毒予防規則による規制外の溶剤であることを特徴とする環境対応型トップコート材。
そして、上記いずれかの環境対応型トップコート材において、含有される溶剤量が40重量%以下15重量%以上で構成することがある。
本願発明にあっては、以上述べた構成により密着工法および通気緩衝工法のいずれにも対応可能で、かつ溶剤に毒性、臭気ともに強いトルエン・キシレンを含有しない溶剤により所要の施工が可能であることから、環境にやさしくひいてはヒトの健康に適応したウレタン防水構造およびこれに用いるトップコート材を実現することができる。
本願発明において、ウレタン防水層としてはトリレンジイソシアネートとポリオール類との反応により生成されるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを主剤とし、硬化剤中に反応成分としてMOCAおよびポリオール類を配合し、さらに可塑剤、充填剤、顔料、触媒、消泡剤等添加剤を配合した、汎用的なMOCA架橋型ウレタン防水材および、
主剤のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーにたいし、硬化剤中の反応成分の主成分としてDETDAを配合し、さらに可塑剤、充填剤、顔料、触媒、消泡剤等添加剤を配合したDETDA架橋型防水材が挙げられる。
このDETDA架橋型防水材は、前述のように主剤のプレポリマー中にふくまれる指定化学物質・特定化学物質であるTDI含有量を1重量%以下とすることが容易であり、さらに硬化剤も指定化学物質・特定化学物質、さらには有機金属触媒を含まずに設計できるため、本発明の環境対応型防水材として好ましい。また、DETDAを架橋剤の主成分とするが、その他のポリアミンあるいはポリオールを架橋剤として併用した防水材も好ましい。
本願発明においては、防水材へ配合する溶剤はトルエン・キシレンが1%未満であることが好ましく、なお好ましくは有機溶剤中毒予防規則外の溶剤であることが好ましい。
施工現場で添加する希釈材についても、トルエン・キシレンの含有量が1%以下であることが好ましく、有機溶剤中毒予防規則外溶剤であることがさらに好ましく、具体的にはアニリン点が40〜80の石油系炭化水素溶剤、炭素数が7〜10の脂環族炭化水素溶剤、および前記両者の混合物が挙げられる。
また、上記防水材に限らず、前述した1液湿気硬化型ウレタン防水材あるいは水硬化型ウレタン防水材にも本願発明を適用できる。また、メチルチオトルエンジアミン(Ethacure300、アルベマール日本株式会社製)を架橋剤の主成分とするウレタン防水材にも本願発明を適用できる。
次に、トップコート層に使用する2液反応型アクリルウレタン塗料であるが、硬化剤の反応成分の主成分となる分子量1500〜20,000の低分子量アクリルポリオールは通常のウレタン防水用アクリルウレタントップコートと同様の原材料、重合性不飽和単量体、水酸基含有重合性不飽和単量体等が使用できる。
重合性不飽和単量体としては例えばビニル系モノマー等が使用でき、具体的には、
スチレン、α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系ビニルモノマー;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレートまたはアルコキシアルキル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;
マレイン酸、フマル酸もしくはイタコン酸等の不飽和ジカルボン酸と1価アルコールとのジエステル類;
酢酸ビニル、安息香酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、バーサティック酸ビニルエステル等のビニルエステル類;
パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジ−パーフルオロアクリルシクロヘキシルフマレートまたはN−i−プロピルパーフルオロオクタンスルホアミドエチル(メタ)アクリレート等の(パー)フルオロアルキル基含有のビニルエステル類;
ビニルエーテル類;
もしくは不飽和カルボン酸エステル類などの含フッ素化合物;
または(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルもしくはフッ化ビニリデンなどのオレフィン類等の官能基を持たないビニル系モノマー類;
ビニルエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのシリコン系モノマー類;
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド2−(メタ)アクロイロキシエチルアシッドホスフェート、ジブチル(2−(メタ)アクリロイロキシジエチル)ホスフェート、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、等のアミド基含有ビニル系モノマー類、
等が使用できる。
水酸基含有重合性不飽和単量体としては、具体的には、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(ダイセル化学株式会社製のε−カプロラクトン付加モノマー)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等の水酸基含有ビニル系モノマー類等の一級水酸基を有する重合性不飽和単量体;
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の二級水酸基を有する不飽和単量体、
等が使用できる。
硬化性改善のために、カルボキシル基含有重合性不飽和単量体も一部使用でき、具体的には、
(メタ)アクリル酸、アクリル酸二量体、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマー類、
等が挙げられる。
低分子量アクリルポリオールは、比較的低臭性・低毒性の石油系炭化水素溶剤、炭素数が7〜10の脂環族炭化水素溶剤への溶解性を確保するためと、低温特性向上を目的として低Tgとするために、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のソフトモノマーを5重量%以上含有することが好ましい。また、スチレンのような芳香族系モノマー40重量%以上になると、低温特性、塗膜の伸び率、耐侯性が不十分となり、好ましくない。
重量平均分子量は1,500〜20,000であることが必要であり、1,500以下では合成が難しく、造膜性が低下し、20,000以上では溶剤への溶解性が制限され、主成分としては好ましくない。さらに溶剤量低減の効果を出すために10,000以下であることが好ましい。
OH価は重合体固形分に対し30〜150mg KOH/gであることが好ましく、30以下であると架橋密度が小さくなりすぎて接着力及び塗膜強度が低下してしまい、150以上では溶剤に溶解しにくくなり、また塗膜の伸び率が低下してしまう。
また、非水分散型アクリル樹脂(NAD樹脂)、分子量20,000以上のアクリルポリオール、OH基を含有しないアクリル重合体も一部使用することもできる。
合成方法については、従来公知である溶液中でラジカル重合する方法及び重合温度を通常の方法より高くし、さらに反応系を密閉状態にできる反応容器を用いて溶液中でラジカル共重合する方法でも得られる。 また、従来公知の塊状重合でも製造することができる。
さらには、米国特許第4414370号、米国特許第4529787号、米国特許第4546160号、米国特許5508366号、特開昭60−215007号等に示された高温、高圧で連続塊状重合を行う方法で得られるアクリルポリオールは、比較的分子量分布が狭く、また、組成分布も狭く、溶剤は含まないか、含んでいても少量であり、必要な重合開始剤は含まないか、含んでいても極少量であり、さらには連鎖移動剤を無しにすることもできるため、低臭性であり、経時黄変や耐候性低下も少なく、しかも防水材との接着性や耐タック性に優れており、特にDETDA架橋型防水材との接着に非常に優れており、より好ましい。
主剤は主成分である無黄変型多官能イソシアネート化合物を溶剤に溶解したもので、無黄変型多官能イソシアネート化合物としては、具体的には、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート等の無黄変型多官能イソシアネート化合物のビウレット体、イソシアヌレート体、アダクト体、ダイマー体、プレポリマー及びこれらの変性体、非極性溶剤への溶解性を付与させるための変性体等が使用できる。
本願発明に用いる低分子量アクリルポリオールは通常のアクリルポリオールに比べ、トルエン・キシレン以外の溶剤、特に低臭性・低毒性の溶剤への溶解性に優れており、従来よりも環境に配慮した塗料を提供することができる。
トルエン・キシレン以外の溶剤としては、沸点が85℃から230℃の脂肪族エステル類が溶解性に優れており使用することができる。具体的には酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、オクテン酸メチル、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシ−ブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート(ソルフィットAC)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGEAC)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートといったモノカルボン酸エステル類、プロピレングリコールジアセテート、アジピン酸ジメチル、グルタミン酸ジメチル、コハク酸ジメチルといったジカルボン酸エステル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートといった、エチレングリコールおよびジエチレングリコールより合成されるエステル類が使用できるが、溶剤の毒性情報および工業的に入手が容易であることより、酢酸プロピル、酢酸ブチル、オクテン酸メチル、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシ−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルアセテート、3−メトキシ−3メチル−ブチルアセテートが好ましい。
しかし、酢酸プロピルおよび酢酸ブチルは臭気が強く有機溶剤中毒予防規則で第2種溶剤に該当し、上記のそれ以外の脂肪酸エステル系溶剤は有機溶剤中毒予防規則にも該当せず臭気も比較的穏やかなため、本願発明に使用される溶剤としてはさらに好ましい。
また、炭素数7〜10の脂環族炭化水素系溶剤(中毒予防規則外)も低分子アクリルポリオールとの溶解性が比較的良好であり、また揮発性が高いわりに臭気も少なく、有機溶剤中毒予防規則外溶剤であり、好ましい。具体的にはメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、リカソルブ900(C9芳香族水添体)、リカソルブ1000(C10芳香族水添体)が挙げられる。
低沸点芳香族ナフサおよび芳香族含有石油系炭化水素溶剤は有機溶剤中毒予防規則で第2種あるいは第3種に該当し、やや芳香臭があるが、溶解性は比較的良好であり、使用することができる。具体的にはシェルゾールA、HAWS、LAWS(シェルケミカルズジャパン株式会社)、スワゾール1000(丸善石油化学株式会社)、Aソルベント(新日本石油株式会社)等が挙げられる。
脂肪族および脂環族石油系炭化水素溶剤は、低臭性であり有機溶剤中毒予防規則外のものが多いが、溶解性は低下するため補助的に使用することができる。
具体的には、シェルゾールD40、シェルゾールS(シェルケミカルズジャパン株式会社)、エクソールD30、エクソールD40(エクソンモービル製)
IPソルベント(出光石油化学製)が挙げられる。
また、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンといった比較的臭気が強い第2種溶剤(有機溶剤中毒予防規則)も一部使用することはできる。
一方、主剤である多官能基イソシアネート化合物を溶解する溶剤についても硬化剤と同様に、沸点が85℃〜230℃の脂肪族エステル系溶剤が溶解性に優れており好ましく、オクテン酸メチル、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシ−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルアセテート、3−メトキシ−3メチル−ブチルアセテート等の有機溶剤中毒予防規則外の溶剤がさらに好ましい。また、炭素数7〜10の脂環族炭化水素系溶剤、低沸点芳香族ナフサおよび芳香族含有石油系炭化水素溶剤を使用することができる。
脂肪族および脂環族石油系炭化水素溶剤は溶解性が低下するため一部分の使用に限られる。
本願発明において、以上のような溶剤が配合できるが、主剤および硬化剤ともにトルエン・キシレンの含有量を1%以下とする必要があり、さらには有機溶剤中毒予防規則に該当しない脂肪族エステル類および炭素数7〜10の脂環族炭化水素溶剤を主成分とすることが好ましい。
また、従来のウレタン防水材用トップコートでは、主剤と硬化剤の混合物中(硬化剤中)の溶剤量は50重量%〜60重量%が一般的であるが、本発明の低分子アクリルポリオールを使用した場合は、従来より相当の低粘度化ができるため、混合物中の溶剤量を40%〜15%まで低減しても、ローラー、刷毛等での施工が可能となり、ハイソリッド化(低溶剤化)が実現できる。その場合、主成分として使用するアクリルポリオールの分子量は1500から10000以下とすることが好ましい。
本願発明の環境対応型トップコート材には、顔料、硬化触媒、トップコート材に通常配合される添加剤類、例えば顔料湿潤・分散剤、レベリング剤、消泡剤、ハジキ防止剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線防止剤などのその他の成分を配合することができる。
また、防滑材、つや消し剤、無機フィラーなども配合することができる。
さらに、本発明においてはトップコートに使用する2液型アクリルウレタン塗料の硬化塗膜の伸び率(JISA6909、ダンベル2号、標線間20mm)が30%から200%であることが好ましい。これは下地となるウレタン防水層が非常に柔らかい材料であり、またコンクリートのクラックに追従できるように伸び率が450%以上に設計されており、その上に塗布するトップコートにも柔軟性がないと、下地の変化に追従できずにひび割れを発生させてしまう危険性があるためである。
なお、本願発明の低分子アクリルポリオールを使用したトップコートでは、伸び率が30%以下となるとウレタン防水層の上でひび割れが発生しやすくなり、200%以上となるとウレタン防水材との接着性が低下し、塗膜強度も低下する。
低分子量アクリルポリオールの性状と溶剤への溶解性
トップコート層に使用する2液反応型アクリルウレタン塗料の硬化剤の主成分として使用する低分子量アクリルポリオール及びその溶剤への溶解性を次の表1に示した。表1における溶解性は、トルエン、キシレン以外の溶剤について、低分子量アクリルポリオール/溶剤=1/1(重量比)となるように混合・攪拌し、溶解するものを○、溶解しなかったものを×と評価した。なお、低分子量アクリルポリオールのうち、Joncryl911とJoncryl934は、製品中に酢酸ブチルが溶剤として含有されているため、エバポレーターにて固形分99重量%以上に濃縮してから溶解性試験を行った。
Figure 2007000720
上記表1中の溶剤の説明:
MBA:メトアセ、ダイセル化学工業株式会社製、3−メトキシブチルアセテート
シェルゾールS: 脂肪族石油系炭化水素、シェルケミカルズジャパン株式会社製
MCH: メチルシクロへキサン、丸善石油株式会社製
スワゾール1000:芳香族含有石油系炭化水素溶剤(キシレン1%未満含有)、丸善石油株式会社製
トップコートの硬化剤の調製
次の表2のトップコートの硬化剤配合に従って配合し、サンドミルにて分散を行い、硬化剤1〜5を得た。なお、硬化剤1に配合のJoncryl911と、硬化剤2に配合のJoncryl934は、製品中に酢酸ブチルが溶剤として含有されているため、エバポレーターにて固形分99重量%以上に濃縮したものを使用した。硬化剤6は現在使用されているトップコート(オルタックコートQ、田島ルーフィング株式会社製)の硬化剤である。
Figure 2007000720
上記表2中の原材料の説明:
MBA:メトアセ、ダイセル化学工業株式会社製、3−メトキシブチルアセテート
MCH: メチルシクロへキサン、丸善石油株式会社製
酸化チタン:R−32、堺化学工業株式会社製
添加剤類:楠本化成株式会社製
DBTDL:TN−12、堺化学工業株式会社製、ジブチル錫ラウレート
トップコートの主剤の調製
次の表3のトップコートの主剤配合に従って配合し、主剤1〜2を得た。主剤3は現在使用されているトップコート(オルタックコートQ、田島ルーフィング株式会社製)の主剤である。
Figure 2007000720
上記表3中の原材料の説明:
デュラネート24A−100:ヘキサメチレンジイソシアネート系無黄変型ポリイソシアネート(ビウレット)、旭化成ケミカルズ株式会社製、 固形分100重量%、NCO含有量:23.5重量%
デュラネートTHA−100:ヘキサメチレンジイソシアネート系無黄変型ポリイソシアネート(イソシアヌレート)、旭化成ケミカルズ株式会社製、 固形分100重量%、NCO含有量:21.2重量%
MBA:メトアセ、ダイセル化学工業株式会社製、3−メトキシブチルアセテート
防水材の主剤の調製
2リットルの四つ口フラスコに、次の表4の配合に従って、ポリオールと溶剤を仕込み、次いでジイソシアネートを仕込んだ。その後窒素気流下、攪拌しながら90〜100℃で7時間反応させた後、室温まで冷却して収缶し、MOCA架橋防水材主剤、DETDA架橋防水材主剤を得た。 収缶後のMOCA架橋防水材主剤のNCO含有量は3.48重量%、DETDA架橋防水材主剤のNCO含有量は2.99重量%であった。
Figure 2007000720
上記表4中の原材料の説明:
PP−2000:サンニックスジオールPP−2000、三洋化成工業株式会社製、ポリオキシプロピレンジオール、OH価56.1mgKOH/g
GP−3000:サンニックスジオールGP−3000、三洋化成工業株式会社製、ポリオキシプロピル化グリセリン、OH価56.1mgKOH/g
G−600:ポリオキシプロピル化グリセリン、第一製薬工業株式会社製、OH価280.5mgKOH/g
TDI−80:コロネートT−80、日本ポリウレタン工業株式会社製、2,4−トリレンジイソシアネート80%含有品、NCO含有量48.3重量%
TDI−100:コロネートT−100、日本ポリウレタン工業株式会社製、2,4−トリレンジイソシアネート100%含有品、NCO含有量48.3重量%
防水材の硬化剤の調製
2リットルの金属容器に、次の表5の配合に従って、所定のT−500に溶解させたMOCAを配合し、DINP、オクチル酸鉛、添加剤、シェルゾールSの液物を仕込み攪拌機(直径50mm)で低速混合し均一にした後、炭酸カルシウム、トナーを配合し1500rpmで15分間混合し、MOCA架橋防水材硬化剤を得た。DETDA架橋防水材硬化剤は、表5の配合に従って、DETDA、DINP、添加剤の液物を仕込み、攪拌機(直径50mm)で低速混合し均一にした後、炭酸カルシウム、トナーを配合し1500rpmで15分間混合して得た。
Figure 2007000720
上記表5中の原材料の説明:
MOCA: イハラキュアミンMT、イハラケミカル工業株式会社製、4,4‘−ジアミノ−3,3’−ジクロロジフェニルメタン
DETDA: ジエチルトルエンジアミン、 ロンザジャパン株式会社製、
T−500: ポリハードナーT−500、第一製薬工業株式会社製、ポリオキシプロピル化グリセリン、OH価33.7mgKOH/g
DINP: サンソサイザーDINP、新日本理化株式会社製、ジイソノニルフタレート
オクチル酸鉛: ミニコーP−20S、ハリマ化成株式会社製、2-エチルヘキシル酸鉛、Pbとして20%含有
添加剤類:楠本化成株式会社製
炭酸カルシウム:NS#100、日東粉化工業株式会社製、
トナー: 御国色素株式会社製、
防水材の調製
次の表6に示すように、MOCA架橋防水材主剤とMOCA架橋防水材硬化剤を重量比で100/200で配合し、MOCA架橋防水材を得た。またDETDA架橋防水材主剤とDETDA架橋防水材硬化剤を100/200で配合し、DETDA架橋防水材を得た。
Figure 2007000720
ハイソリッド化 トップコートの硬化剤の調製
次の表7のトップコートの硬化剤配合に従って配合し、サンドミルにて分散を行い、硬化剤3、7〜9を得た。
Figure 2007000720
上記表7中の原材料の説明:
ArufonUH−2041: アクリルポリオール、東亜合成株式会社製、固形分100重量%、ガラス転移点-摂氏50度、OH価120mgKOH/g、分子量2500
MBA:メトアセ、ダイセル化学工業株式会社製、3−メトキシブチルアセテート
MCH: メチルシクロへキサン、丸善石油株式会社製
酸化チタン:R−32、堺化学工業株式会社製
添加剤類:楠本化成株式会社製
DBTDL:TN−12、堺化学工業株式会社製、ジブチル錫ラウレート
ハイソリッド化 トップコートの主剤の調製
次の表8のトップコートの主剤配合に従って配合し、主剤4〜7を得た。
Figure 2007000720
上記表8中の原材料の説明:
デュラネート24A−100:無黄変型ポリイソシアネート(ビウレット)、旭化成ケミカルズ株式会社製、 固形分100重量%、NCO含有量:23.5重量%
MBA:メトアセ、ダイセル化学工業株式会社製、3−メトキシブチルアセテート
MCH: メチルシクロへキサン、丸善石油株式会社製
以下、次の表9にしたがってさらにトップコートの実施例1〜7ならびにその性能を説明する。
Figure 2007000720
実施例1
主剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体であるデュラネート24A−100を用いた主剤1と、分子量4000のアクリルポリオールであるJoncryl911を用いた硬化剤1について評価を行った。
まず、溶剤の環境対応性(硬化剤)であるが、MBA/MCH混合溶剤に十分に溶解するため○の評価となり、臭気も穏やかであった。また、MOCA架橋防水材およびDETDA架橋防水材のいずれにも接着性は良好であり、伸び率およびタック性も優れている。
注1、溶剤の環境対応性(硬化剤)
やや高沸点の脂肪族エステル系溶剤であるMBAと比較的低沸点の脂環族溶剤であるMCHの1/1(重量比)混合溶剤に溶解できるものを◎と評価し、上記混合溶剤には溶解せずMBA単独にしか溶解しないものを○と評価し、トルエン・キシレンを使用しているものを×と評価した。
注2、接着性試験
MOCA架橋型防水材(1/2)およびDETDA架橋型防水材を各々2kg/平方メートル塗布した後、1つの試験体は23℃/湿度50%の恒温室で3日間養生した後にトップコートを塗布し(0.15kg/平方メートル)、もう1つの試験体は23℃/湿度50%の恒温室で3日間養生した後に、さらに屋外暴露台で3日間暴露(気温15℃〜28℃/降雨なし)した後にトップコートを塗布した。
各々の試験体はトップコート塗布後7日目に接着試験を行った。
接着試験はトップコートの面の同じ場所を、ゴムベラ先端を厚さ5mmにカットした角の部分で10往復(5cm巾で移動)こすった後のトップコートの剥がれを観察するラビング試験を行った。
評価○:まったく剥がれない場合、評価△:一部分(30%以下)剥がれる場合、評価×:30%以上剥がれる場合
注3、伸び率(JISA6909、ダンベル2号、標線間20mm)
評価○:伸び率が30%から200%(23℃)
評価×:それ以外の伸び率
注4、タック性
塗布翌日のトップコート表面を指触でチェックする。
評価○:まったくタック(ベトツキ感)がない
評価△:ややタックを感じるが、人が歩行することはできる。
評価×:タックがあり、人が歩行し難い。
実施例2、3
実施例1と同様の主剤に対し、分子量6000のアクリルポリオールであるJoncryl934(実施例2)、および分子量2500のアクリルポリオールであるArufon
UH−2041(実施例3)を用いた硬化剤2および3について評価した.
いずれも、溶剤の環境対応性は良好であり、また防水材への接着性、伸び率、タック性も良好であった。
実施例4
前記実施例1と同様の主剤に対し、分子量2500のArufon UH−2041と分子量16,500のJoncryl587を1/1(重量比)で配合した硬化剤4について評価した。
溶剤の環境対応性については、MBA単独溶剤には溶解するが,MBA/MCH=1/1には溶解せず評価は△となった。 しかし、防水材への接着性は良好であり、タック性は非常に良好であった。伸び率はやや低下するが実用の範囲内であった。
実施例5
実施例1と同様の主剤に対し、分子量3000のアクリルポリオールであるアクトフローUME−2005を用いた硬化剤5について評価した。
溶剤の環境対応性は良好であり、MOCA架橋型防水材下地では問題ないが、DETDA架橋型防水材への接着性およびタック性が実施例4まで評価してきた連続塊状重合法により製造されたアクリルポリオールよりも低下した。
実施例6、7
主剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体であるデュラネートTHA−100を用いた主剤2と、実施例1および実施例3で用いたアクリルポリオールである、Joncryl911およびArufon
UH−2041を用い、実施例6および7を行った。
イソシアヌレート体の主剤でも、防水材への接着性、伸び率、タック性に大きな差はなく、良好であった。
比較例1
比較例として、従来から使用されている一般的な2液型アクリルウレタン塗料であるオルタックコートQ(田島ルーフィング株式会社製)について評価を行った。
アクリルポリオールの分子量は約100000であるため、トルエン・キシレン、酢酸ブチルを溶剤の主成分としているため、溶剤の環境対応性は×となる。
防水材との接着性については、汎用のMOCA架橋型防水材への接着性には問題はないが、DETDA架橋型防水材への接着性は△〜×となり、タック性についても△となり実用には問題がある。
次に、トップコートのハイソリッド化についての実施例を実施例8、9、10として比較例2と併せて次の表10を参照して説明する。
Figure 2007000720
実施例8、9、10
アクリルポリオールとして低粘度であるArufon UH2041を用い(2,500mPa・s)、主剤および硬化剤の溶剤量を調整し、混合時のトップコートの固形分が53%(実施例8)、65%(実施例9)、75%(実施例10)となるように調整した。
各々の材料を中毛ローラーで1平方メートル(1m×1m)施工し、ローラー施工性(施工時のローラーの重さ)、仕上がり性を評価した。
実施例8は、ローラー施工性は非常に軽く施工でき良好であり(評価○)、均一に塗布することも容易である(評価○)。

注5 ローラー施工性
DETDA架橋型防水材上に、トップコートを刷毛で1平方メートル(1m×1m)施工し、その時の施工性を評価する。
評価○:ローラー施工性が軽く、材料を薄く伸ばすことができる。
評価×:ローラー施工性が重く、材料を薄く伸ばすことができない。

注6 仕上がり性
DETDA型架橋防水材上に、トップコートを塗った時の仕上がり性をチェックする。
評価○:塗りムラなく均一に塗布できる場合。
評価×:塗りムラが発生する、あるいは均一に塗布できない場合

実施例9は、ローラー施工性は良好である(評価○)。また、均一に塗布することができた(評価○)。
実施例10も、ローラー施工性は良好であり(評価○)、均一に施工できた(評価○)。
比較例2として、実施例と同様の樹脂組成で固形分が90%となるように調合したものを評価した。
ローラー施工性は重く、材料を薄く延ばすことが難しかった(評価×)。また、均一に塗布することが難しかった(評価×)。

Claims (9)

  1. ウレタン系塗膜防水層とその防水層表面に塗布した環境対応型トップコート材により形成したトップコート層を具えたウレタン防水構造であって、前記環境対応型トップコート材の主剤はその反応成分の主成分を多官能基イソシアネート化合物により構成する一方、硬化剤はその反応成分の主成分を分子量1500から20000のアクリルポリオールにより構成して、主剤、硬化剤のいずれも低毒性、低臭性の溶剤による溶解性およびトップコートとして必要な所定の造膜性と30%乃至200%の硬化塗膜伸び率を確保できるようにしたことを特徴とするウレタン防水構造。
  2. 請求項1のウレタン防水構造において、環境対応型トップコート材の硬化剤における分子量1500から20000のアクリルポリオールは、連続塊状重合法により製造されたものであることを特徴とするウレタン防水構造。
  3. 請求項1又は2いずれか記載のウレタン防水構造において、環境対応型トップコート材に係る溶剤は有機溶剤中毒予防規則による規制外の溶剤であることを特徴とするウレタン防水構造。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載のウレタン防水構造において、環境対応型トップコート材に含有される溶剤量が40重量%以下15重量%以上であることを特徴とするウレタン防水構造。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載のウレタン防水構造において、防水材は2液反応型防水材であり、主剤の反応成分の主成分はイソシアネート基末端プレポリマーで構成する一方、硬化剤の反応成分の主成分をDETDAで構成したことを特徴とするウレタン防水構造
  6. ウレタン系塗膜防水層に塗布してトップコート層を形成するための環境対応型トップコート材であって、この環境対応型トップコート材の主剤はその反応成分の主成分を多官能基イソシアネート化合物により構成する一方、硬化剤はその反応成分の主成分を分子量1500から20000のアクリルポリオールにより構成して、主剤、硬化剤のいずれも低毒性、低臭性の溶剤による溶解性およびトップコートとして必要な所定の造膜性と30%乃至200%の硬化塗膜伸び率を確保できるようにしたことを特徴とする環境対応型トップコート材。
  7. 請求項6記載の環境対応型トップコート材において、硬化剤における分子量1500から20000のアクリルポリオールは、連続塊状重合法により製造されたものであることを特徴とする環境対応型トップコート材。
  8. 請求項6又は7いずれか記載の環境対応型トップコート材において、含有する溶剤は有機溶剤中毒予防規則による規制外の溶剤であることを特徴とする環境対応型トップコート材。
  9. 請求項6ないし8いずれか記載の環境対応型トップコート材において、含有される溶剤量が40重量%以下15重量%以上であることを特徴とする環境対応型トップコート材。
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