JP2006527804A - 改良されたポンプのインペラ - Google Patents

Abstract

遠心力ポンプでの使用に適したインペラであって、上記インペラが、反対を向いた面と外周縁部と回転軸とを有するシュラウドと、上記シュラウドの面の１つの上に設けられ上記回転軸から離れる方向に延在する複数のポンピング羽根と、上記シュラウドのもう１つの面の上に設けられた複数の補助羽根とを備え、上記ポンピング羽根の各々が外周縁部を有するとともに上記補助羽根の各々が外縁部を有し、上記回転軸から上記シュラウドの外周縁部までの寸法Ｄａが上記回転軸から上記補助羽根までの外縁部の寸法Ｄｂよりも大きいことを特徴とする。

Description

本発明はインペラ、より詳しくは遠心力ポンプでの使用に適したインペラに関する。

遠心力ポンプは、選鉱および浚渫業での粒子状物質の液状の混合物を扱うために一般的に使用される。それらのポンプは、流れの中の粒子により深刻なスラリーエロージョンを受けやすく、これは、そのような稼働に対する著しい経済的重要性につながる。この問題を改善しようと、製造業者およびユーザが著しい努力を費やしている。

そのような遠心力ポンプは、中にポンプチャンバを備えたポンプのハウジング、および回転軸の周りの回転のためにポンプチャンバの中に配置されたインペラを含む。インペラは、動作可能なように、片側を駆動シャフトに連結され、もう片側に注入口が設けられている。インペラは、駆動シャフトが連結されたハブおよび少なくとも１つのシュラウドを含む。複数のポンピング羽根シュラウドの片側に設けられている。ポンピング羽根を間に持つ２つのシュラウドがしばしば設けられる。注入口に隣接するシュラウドは、一般的に前面シュラウドと呼ばれ、もう１つのシュラウドは後面シュラウドと呼ばれる。

遠心力ポンプ、特にスラリーを運ぶために使用される遠心力ポンプは、ポンプのインペラの後面および前面シュラウドの上のいわゆる「放出」羽根または補助羽根を一般的に使用して、シュラウドおよびサイドライナーの間の空間の中の流動体を回転させる補助をする。それらの補助羽根は、各設計者の好みにより、異なる形状であってもよい。

インペラおよびサイドライナーの間の空間で流動体を回転させるために、引き起こされた遠心力の流れ（渦効果）により、インペラの外周に向かって補助羽根の間の流動体が流れると、インペラの注入口の静的圧力が減少する。インペラの排出箇所と注入口との全体の推進圧力の差異により、流動体がサイドライナーの面に沿って戻る。遠心力が、粒子をサイドライナーに面する間隔の間に運ぶ傾向のある流動体の流体抵抗より大きいと、流れの中の粒子も上記間隔から取り除ける。

インペラの前面シュラウドの上の補助羽根の主な目的は、渦巻きからインペラの目の中へ（再循環流）流れを強制する推進圧力を減少させることである。再循環の流速を減少させることにより、インペラおよびそれに合わせた注入口サイドライナーの摩耗が著しく減少する。

本明細書および請求の範囲を通して、文脈で特に指定しない限り単語「備える」、「備えた」、または「備えている」は、明示した整数、ステップ、または整数またはステップのグループを含み、任意の他の整数、ステップ、または整数またはステップのグループを排除しないことを意味すると理解すべきである。

本明細書中の任意の従来技術への言及は、従来技術がオーストラリアでの一般常識であると述べているのではない。

多くの異なる形状の補助羽根が開発されて、既存のインペラに使用されてきた。

１つの例では、特許文献１により示され、その内容がここに組み入れられ、多くの放射状の補助羽根が使用されている。それらの補助羽根は前面または後面シュラウドの面の上に位置し、上記シュラウドは、環状の突起を補助羽根の外縁の周りに備え、隣接した補助羽根の間の環状の突起を通って存在するチャネルを備える。

米国特許第４６６４５９２号

外周部に環状の突起を持つか否かにかかわらず、補助羽根に関する問題は、先端の渦形成（翼端渦と似ている）であり、粒子が混入すると、インペラおよび隣接したサイドライナーの外周に深刻な局部的なえぐり摩耗を生じうることである。

部品が摩耗するにつれて、突き出している各羽根の先に形成される渦はより大きくかつ強くなり、隣接したサイドライナーの摩耗速度がますます増加する。

ウォーターポンプは、シュラウドおよび主羽根の直径（これらは通常同じ）よりも小さな直径の補助羽根を含むものとして知られている。その理由は、摩耗を減らすためではなく、インペラに作用する軸の水圧の水力を減らすためである。補助羽根の直径は水圧の軸の水力の均衡を保たせる大きさにされている。

本発明の１つの形態によれば、遠心力ポンプでの使用に適したインペラが供給され、上記インペラが、反対を向いた面と外周縁部と回転軸とを有するシュラウドと、上記シュラウドの面の１つの上に設けられ上記回転軸から離れる方向に延在する複数のポンピング羽根と、上記シュラウドのもう１つの面の上に設けられた複数の補助羽根とを備え、上記ポンピング羽根の各々が外周縁部を有するとともに上記補助羽根の各々が外縁部を有し、上記回転軸から上記シュラウドの外周縁部までの寸法Ｄａが上記回転軸から上記補助羽根までの外縁部の寸法Ｄｂよりも大きいことを特徴とする。

１つの好ましい形では、インペラが２つのシュラウドをもち（前面シュラウドおよび後面シュラウド）、それらの間のポンピング羽根と、１つまたは両方のシュラウドの上の補助羽根とを備える。１つの実施の形態では、前面シュラウドは補助および主ポンピング羽根の直径より長い。もう１つの実施の形態では、後面シュラウドは、補助および主ポンピング羽根の直径より長い。別のもう１つの配置では、前面および後面シュラウドの両方が、補助およびポンピング羽根の直径より長い。好ましくは、ポンピング羽根および補助羽根の直径は、例えば互いに約５％の範囲内でほぼ同じである。

好ましくは、ポンピングおよび補助羽根は、適切な圧力の減少を確保し、再循環流を減少させるけれども、摩耗を改善するために、インペラのシュラウドはこれらの両直径より長い。

シュラウドの長いインペラの配置の利点は、各補助羽根から先端の渦が、長いシュラウドの面に対して減らされて、シュラウドと隣接したサイドライナーとの間の間隔または空間の中に捕らえられる。この構成により、インペラおよびライナーの上の摩耗が実質的に減少する。有効な効果は、本発明により先端の渦の完全な形成を不可能にすることから来ているように思われる。

さらに、本発明の１つの実施の形態では、直径Ｄａのシュラウドを持つインペラおよび、直径Ｄｂを持つ前面シュラウドの面の上の複数の大部分放射状の補助羽根が提供され、羽根の放射状に最も外側の縁は、角度Ｚでシュラウドに対してテーパー状になっている。Ｄｂが０．９５Ｄａよりも小さい時、さらに好ましくは０．６５Ｄａから０．９５Ｄａの時、さらに好ましくは０．９Ｄａより小さい時、シュラウド、サイドライナー、および補助羽根の摩耗が特に減少すると分かる。これは、補助羽根の先端およびシュラウドの外周の間に後流渦をとらえる十分な空間があることが原因であると思われる。直径Ｄｂは、主ポンピング羽根の直径とほぼ等しいことが好ましい。この関係により、補助羽根の能力を減少させる圧力は、主ポンピング羽根により生成される圧力に比較して、著しく損なわれる。

本発明の好ましい実施の形態は添付の図を参照する例により説明する。

図１の従来技術のインペラは米国特許４，６６４，５９２の中で完全に説明され、その明細書を参照して理解される。

図２に示されているように、インペラ２０はケーシング・ライナー２１の中に収納されている。スラリーは、インペラがケーシング・ライナー２１の中で回転するように、各ポンピングチャンバ２４の注入口２２から排出口２３へインペラ２０を通って運ばれる。排出口２３から注入口２２へのスラリーの再循環流は自然に発生し、注入口のサイドライナー２５の研磨摩耗を引き起こす。再循環スラリー２７をインペラの排出口に向かって戻すように、放出羽根または補助羽根２６が作用し、それは粒子２８で表される。インペラ２０およびライナー２５の間のスラリーの流れ道は図３でより詳細に示されている。

図４の写真で明らかな補助羽根の摩耗側面は産業が直面する問題を示し、本発明の実施の形態の利用により改善される。

図５は、図２および図３により示された部品と似た部品には同じ参照番号を含む。本発明のこの実施の形態では、補助羽根はまっすぐで、補助羽根２６の上に示された地点までの直径Ｄｂ＝０．８５Ｄａをもち、Ｄａはシュラウドの直径であり、角度はＺ＝４５°である。Ｄｂの直径は、図５のＤｃで示される主ポンピング羽根の直径とほぼ等しい。

本発明のこの実施の形態のテストおよびその結果と図４で示される類の従来技術の例との比較は、ほぼ同じ動作時間での羽根の先端および隣接したサイドライナーの上の摩耗がかなり減少することを示す。

図６の写真から分かるように、これらの既知のインペラの補助羽根の上の摩耗は甚大である。

それに反して、図７のインペラの補助羽根は、同様な期間、同様な環境にあったけれども、図６に示された補助羽根よりもかなりよい状態である。

図８のインペラの実施の形態３０は、図５および図７の実施の形態にあるようなまっすぐなエッジの代わりに、湾曲したリーディングエッジおよびトレイリングエッジを持つ補助羽根３１により形成されている。対応する従来技術の配置は図６に示されている。また、本発明の実施の形態は、同様な動作時間の間の従来技術の同等の実施の形態と比較すると、羽根の先端ではかなり摩耗が減少したことを示す。

図９の実施の形態は、インペラ４０の補助羽根４１のさらにもう１つの変形例の側面を示す。

最後に種々の変形例および／または追加例が、本発明の範囲から逸脱せずに、部品の種々の構成および配置の中に組み入れられることは理解できるであろう。

米国特許第４６６４５９２号の図１に示される従来技術のインペラの斜視図 従来のインペラおよび連続圧搾機または遠心力ポンプの補助羽根の部分断面図 補助羽根とケーシング・ライナーの間のスラリーの流れ道を示す図２の円形部分の拡大図 典型的な放出羽根の摩耗側面の一連の写真 図２と似た部分断面図であるが本発明にかかるインペラの実施の形態を示す図 従来技術のインペラの補助羽根の摩耗側面を示す写真 本発明の実施の形態にかかるインペラの上の補助羽根の摩耗側面を示す写真 本発明にかかるインペラの別の実施の形態の軸方向図または端面図 本発明にかかるインペラのさらにもう１つの実施の形態の軸方向図または端面図

符号の説明

２０ インペラ
２２ 注入口
２３ 排出口
２４ ポンピングチャンバ
２５ サイドライナー
２６ 補助羽根
２７ 再循環スラリー
２８ 粒子
３０ インペラの実施の形態
３１ トレイリングエッジを持つ補助羽根
４０ インペラ
４１ 補助羽根

Claims (16)

1. 遠心力ポンプでの使用に適したインペラであって、上記インペラが、反対を向いた面と外周縁部と回転軸とを有するシュラウドと、上記シュラウドの面の１つの上に設けられ上記回転軸から離れる方向に延在する複数のポンピング羽根と、上記シュラウドのもう１つの面の上に設けられた複数の補助羽根とを備え、上記ポンピング羽根の各々が外周縁部を有するとともに上記補助羽根の各々が外縁部を有し、上記回転軸から上記シュラウドの外周縁部までの寸法Ｄａが上記回転軸から上記補助羽根までの外縁部の寸法Ｄｂよりも大きいことを特徴とするインペラ。
2. 上記寸法Ｄａが上記回転軸から上記ポンピング羽根の外周縁部への寸法Ｄｃより大きいことを特徴とする請求項１に記載のインペラ。
3. 上記シュラウドが後面シュラウドであることを特徴とする請求項２に記載のインペラ。
4. 上記インペラがさらに前面シュラウドを含み、上記ポンピング羽根が上記前面シュラウドおよび上記後面シュラウドの間にあり、上記補助羽根が上記シュラウドの１つのもう１つの面の上にあることを特徴とする請求項３に記載のインペラ。
5. 上記インペラがさらに前面シュラウドを含み、上記ポンピング羽根が上記前面シュラウドおよび上記後面シュラウドの間にあり、上記補助羽根が上記シュラウドの各々のもう１つの面の上にあることを特徴とする請求項３に記載のインペラ。
6. 上記前面シュラウドの上記寸法Ｄａが上記寸法Ｄｂおよび上記寸法Ｄｃよりも大きいことを特徴とする請求項４に記載のインペラ。
7. 上記後面シュラウドの上記寸法Ｄａが上記寸法Ｄｂおよび上記寸法Ｄｃよりも大きいことを特徴とする請求項４に記載のインペラ。
8. 上記前面シュラウドおよび上記後面シュラウドの上記寸法Ｄａが、上記寸法Ｄｂおよび上記寸法Ｄｃよりも大きいことを特徴とする請求項４に記載のインペラ。
9. 上記前面シュラウドの上記寸法Ｄａが上記寸法Ｄｂおよび上記寸法Ｄｃよりも大きいことを特徴とする請求項５に記載のインペラ。
10. 上記後面シュラウドの上記寸法Ｄａが上記寸法Ｄｂおよび上記寸法Ｄｃよりも大きいことを特徴とする請求項５に記載のインペラ。
11. 上記前面シュラウドおよび上記後面シュラウドの上記寸法Ｄａが上記寸法Ｄｂおよび上記寸法Ｄｃよりも大きいことを特徴とする請求項５に記載のインペラ。
12. ＤｂおよびＤｃが実質的に等しいことを特徴とする請求項６に記載のインペラ。
13. ＤｂおよびＤｃが互いに５％の差異の範囲内の長さであることを特徴とする請求項１２に記載のインペラ。
14. Ｄｂが０．９５Ｄａ未満であることを特徴とする請求項１３に記載のインペラ。
15. Ｄｂ／Ｄａが０．６５から０．９５であることを特徴とする請求項１４に記載のインペラ。
16. Ｄｂ／Ｄａが０．６５から０．９であることを特徴とする請求項１４に記載のインペラ。

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