JP2006524731A - 光開始剤としてアルファヒドロキシケトンを含有する照射硬化性インクジェットインク - Google Patents

光開始剤としてアルファヒドロキシケトンを含有する照射硬化性インクジェットインク Download PDF

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Abstract

光重合性モノマー、オリゴマー、またはプレポリマー;着色料および式(I)もしくは(II)または(Ia)もしくは(IIa)の化合物あるいはそれらの混合物、ならびに場合により反応性希釈剤を含む紫外線硬化性インクジェットインク組成物を記録媒体に塗布するステップと、紫外光線を照射することによってインク組成物を記録媒体上で硬化させるステップとを含む、インクジェット印刷物を作成する方法。

Description

本発明は、光開始剤としてアルファヒドロキシケトンを含有する照射硬化性インクジェットインクに関するものである。
インクジェット工程において、画像は、ノズルを通じてインク滴を記録材料に噴射することによって作製される。各種のインクジェットプリンタで使用されるインクは、染料ベースまたは顔料ベースのいずれかとして分類できる。
照射硬化性インクジェットインク組成物は、一般に、1種以上の照射硬化性モノマー、プレポリマー、もしくはオリゴマーまたは反応性希釈剤;1種以上の光開始剤、着色料、および他の添加剤を含有することができる。本発明の最終インクジェットインク組成物を配合する際に、所定の物理的性質を充足せしめるべきである。例えば、インクジェット記録工程において使用のためのインク組成物は、周囲温度にて50mPas未満の適当な粘度を有するべきであり、例えば1〜40mPas(ミリパスカル−秒)が好ましい。粘度、光沢、および架橋密度などのインクの性質は、処方に使用する反応性希釈剤のタイプおよび/または割合を変化させることにより制御できる。
有用な光開始剤は、例えば、アルファヒドロキシケトン、例えば1−ヒドロキシシクロ−ヘキシルフェニルケトン(IRGACURE 184)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン(DAROCUR 1173)1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE2959)またはポリ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オン(Esacure KIP 150として市販されている、Fratelli Lamberti)である。IRGACUREおよびDAROCURは、Ciba Specialty Chemicals Inc.の商品である。
PCT公表03/040076に開示されたような光開始剤が、UV硬化性インクの硬化速度を改善することが分かった。
これより、本発明は、インクジェット印刷物を製造する工程に関し、方法は、
光重合性モノマー、オリゴマー、またはプレポリマー;
着色料および式IまたはIIまたはIaまたはIIa:
Figure 2006524731
の化合物
あるいはそれらの混合物、および
場合により反応性希釈剤を含む紫外線硬化性インクジェットインク組成物を記録媒体に塗布するステップと、紫外線を照射することによってインク組成物を記録媒体上で硬化させるステップとを含む。
本発明のインク組成物を噴射できるインクジェット記録媒体に制限はなく、例えば紙、塗被紙、ポリオレフィンコーティング紙、ダンボール、木材、複合材ボード、プラスチック、塗被プラスチック、キャンバス、織物、金属、ガラス、およびセラミックスを含む。
溶媒含有結晶の調製では、適切な極性溶媒、例えば水、脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノール;アミン、例えば第3級アミンがある。溶媒は、好ましくは水である。溶媒(水)の含有率は、2〜8重量%、好ましくは4〜6重量%である。
調製工程において、式IaおよびIIaの化合物の溶媒含有(水分含有)結晶性異性体混合物が最初に形成され、乾燥剤を使用して乾燥することにより、それから無溶媒異性体混合物が得られる。
異性体混合物は、メタ−パラ化合物およびパラ−パラ化合物を任意の重量比で含有することができる。しかし、99.9〜25重量%のパラ−パラ化合物の含有率、および0.1〜75重量%のメタ−パラ化合物の含有率を有する異性体混合物が選好される。99.9〜70重量%のパラ−パラ化合物の含有率を有する、および0.1〜30重量%のメタ−パラ化合物の含有率を有する異性体混合物が特に選好される。
特に好ましいものは、化合物Iaの1〜2%の含有率および4〜6%の水分含有率を有する化合物IaおよびIIaの混合物である。
異性体混合物の調製は、下記のスキームに従って実施する:
a)Friedel-Craftsのアシル化
Figure 2006524731
b)ビス(α−クロロイソブチリル)ジフェニルメタンへの塩素化
c)ビス(α−ヒドロキシイソブチリル)ジフェニルメタンへの加水分解
d)溶媒含有結晶性異性体混合物への更なる加工
e)適宜、無溶媒結晶性異性体混合物を生成するための乾燥。
適切なモノマーは、少なくとも1つの炭素−炭素不飽和結合を有するそれらの化合物を含む。このようなモノマーの例は、下記を含み、それらに制限しない:(メタ)アクリル酸およびその塩;
アルキルエステルなどの(メタ)アクリル酸エステル、例えばメチル、エチル、2−クロロエチル、N−ジメチル−アミノエチル、n−ブチル、イソブチル−、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、イソボルニル[2−エキソ−ボルニル]エステル;
フェニル、ベンジル−、およびO−、m−およびp−ヒドロキシフェニルエステル;
ヒドロキシアルキルエステル、例えば2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル,4−ヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル、またはグリセロール[1,2,3−プロパントリオール]エステル;
エポキシアルキルエステル、例えばグリシジル、2,3−エポキシブチル、3,4−エポキシブチル、2,3−エポキシシクロヘキシル、10,11−エポキシウンデシルエステル;
(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、例えばN−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシル−メタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド−、N−ヒドロキシエチル−アクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、およびN−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、IBMAA(N−イソブトキシメチルアクリルアミド)、(メタ)アクリルニトリル;
不飽和酸無水物、例えばイタコン酸無水物、マレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、および2−クロロマレイン酸無水物;
不飽和酸エステル、例えばマレイン酸エステル、フタル酸エステル、イタコン酸エステル、[メチレンコハク酸エステル];
スチレン、例えばメチルスチレン、クロロメチルスチレン、ならびにo−、m−、およびp−ヒドロキシスチレン、ジビニルベンゼン;
塩化ビニルおよび塩化ビニリデン;
ビニルエーテル、例えばイソブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシ−エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、およびフェニルビニルエーテル;
ビニルおよびアリルエステル、例えばビニルアセテート、ビニルアクリレート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチラート、およびビニルベンゾアート、ジビニルスクシナート、ジアリルフタレート、トリアリルホスフェート;
イソシアヌレート、例えばトリアリルイソシアヌレート、およびトリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌレート;
N−ビニル複素環化合物、N−ビニルピロリドンもしくは適切に置換されたビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルカプロラクタムまたは適切に置換されたビニルカプロラクタム、4−ビニルピリジン。
エステルの代表的な例には、ジアクリレート、例えば1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレートおよびビスフェノールAジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラ−エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ−アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、トリペンタエリスリトールオクタメタクリレート、ペンタエリスリトールジイタコナート、ジペンタエリスリトールトリスイタコナート、ジペンタエリスリトールペンタイタコナート、ジペンタエリスリトールヘキサイタコナート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジイタコナート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラ−アクリレート、ペンタエリスリトール改質トリアクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ソルビトールペンタ−アクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、オリゴエステルアクリレートおよびメタクリレート、グリセロールジ−およびトリ−アクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、200〜1500の分子量を有するポリエチレングリコールのビスアクリレートおよびビスメタクリレート、およびそれらの混合物がある。
アルコキシル化ポリオールの以下のエステル:グリセロールエトキシレートトリアクリレート、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシレートテトラアクリレート、ペンタエリスリトールプロポキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールプロポキシレートテトラアクリレート、ネオペンチルグリコールエトキシレートジアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジアクリレートも適切である。
より高い分子量の(オリゴマー性)多価不飽和化合物(プレポリマーとしても既知)の非制限的な例には、エチレン性不飽和の単官能性もしくは多官能性のカルボン酸およびポリオールもしくはポリエポキシドのエステル、および鎖または側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリマー、例えば不飽和ポリエステル、ポリアミド、およびポリウレタンならびにそれらのコポリマー、アルキド樹脂;ポリブタジエンおよびブタジエンのコポリマー、ポリイソプレンおよびおよびイソプレンのコポリマー、側鎖に(メタ)アクリル基を有するポリマーおよびコポリマー、例えばメタクリル化ウレタン、また1種以上のこのようなポリマーの混合物がある。
適切な単官能性または多官能性の不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、桂皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、および不飽和脂肪酸、例えばリノレン酸、およびオレイン酸である。アクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。
しかし、また、飽和ジまたはポリカルボン酸を不飽和カルボン酸と混合した状態で使用することも可能である。適切な飽和ジまたはポリカルボン酸の例には、例えばテトラクロロフタル酸、テトラブロモフタル酸、フタル酸無水物、アジピン酸、テトラヒドロフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、ヘプタンジカルボン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸などがある。
適切なポリオールは、芳香族ならびに特に、脂肪族およびシクロ脂環式ポリオールである。芳香族ポリオールの例としては、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、およびノボラックおよびレゾールがある。ポリエポキシドの例には、前記ポリオール、特に芳香族ポリオールおよびエピクロロヒドリンをベースとするポリエポキシドである。またポリオールとして適切なものは、ポリマー鎖中または側鎖中にヒドロキシル基を含有すポリマーおよびコポリマー、例えばポリビニルアルコールおよびそのコポリマー、もしくはポリメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルまたはそれらのコポリマーである。更に適切なポリオールは、ヒドロキシル末端基を有するオリゴエステルがある。
脂肪族およびシクロ脂環式ポリオールの例としては、好ましくは2〜12個の炭素原子を有するアルキレンジオール、例えばエチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−または1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、好ましくは200〜1500の分子量を有するポリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリス(β−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリスリトールおよびソルビトールを含む。
ポリオールは、1種の、または異なる不飽和カルボン酸によって部分的または完全にエステル化され、部分エステル中の遊離ヒドロキシル基を改質、例えばエーテル化、または他のカルボン酸によってエステル化することができる。
好ましいものは、
(メタ)アクリル化エポキシエステル、
(メタ)アクリル化ポリエステルまたはビニルエーテル基含有ポリエステル、
(メタ)アクリル化ポリウレタン、ポリエーテルおよびポリオールである。
アミノアクリレート
UV硬化性インクジェットで使用される好ましい成分は、例えばGaskeの米国特許第3844916号、Weissらの欧州特許第280222号、Meixnerらの米国特許第5482649号、またはReichらの米国特許第5734002号に記載されているような第1級または第2級アミンとの反応によって改質されたアクリレートである。このようなアミン改質アクリレートは、また、アミノアクリレートとも呼ばれる。アミノアクリレートの存在下で、UV硬化性系が硬化性能の上昇を示すことが既知である。それらは、特にUV硬化性インクジェットのような低粘性系でのラジカル誘発重合反応について典型的に観察される酸素阻害を克服するために有用である。アミノアクリレートは、例えばUCB ChemicalsからEBECRYL 80、EBECRYL 81、EBECRYL 83、EBECRYL P115、EBECRYL 7100の名称で、BASFからLaromer PO83F、Laromer PO 84F、Laromer PO 94Fの名称で、CognisからPHOTOMER 4775 F、PHOTOMER 4967 Fの名称で、またはCray ValleyからCN501、CN503、CN550の名称で、またはRahn AGからGenomer 5275の商標名で入手できる。
これらの引用されたモノマー、プレポリマー、ポリマー、およびオリゴマーのすべての混合物が使用できることは明らかであると思う。
光重合性モノマー、オリゴマー、またはプレポリマーの量は、例えば10〜80重量%、好ましく10〜60重量%である。
特に重視されるものは上述した通りの少なくとも1種の脂肪族または芳香族エポキシド、少なくとも1種のポリオールまたはポリビニルポリオール、および少なくとも1種のカチオン生成光開始剤を含む、低い粘度を有するカチオン性硬化性組成物である。多くのこれらのエポキシドは、当技術分野において周知であり、市販されている。
カチオン光硬化性組成物で使用できる光開始剤は、例えば、アリールヨードニウム塩およびアリールスルホニウム塩である。
米国特許第6306555号は、式
Figure 2006524731
のジアリールヨードニウム塩について記載し、式中、
Xは、分岐C3〜C20アルキルまたはC3〜C8シクロアルキルであり;
1は、水素、線状C1〜C20アルキル、分岐C3〜C20アルキル、またはC3〜C8シクロアルキルであり;但し、XおよびX1中の炭素原子の合計が、少なくとも4であり;
Yは、線状C1〜C10アルキル、分岐C3〜C10アルキル、またはC3〜C8シクロアルキルであり;
-は、基(BF4-、(SbF6-、(PF6-、(B(C65))4 -、C1〜C20アルキルスルホナート、C2〜C20ハロアルキルスルホナート、非置換C6〜C10アリールスルホナート、カンファースルホナート、C1〜C20パーフルオロアルキルスルホニルメチド、C1〜C20パーフルオロアルキルスルホニルイミド、およびハロゲン、NO2、C1〜C12アルキル、C1〜C12ハロ−アルキル、C1〜C12アルコキシによって、またはCOOR1によって置換されたC6〜C10アリールスルホナートから選択された非求核アニオンであり;
1は、C1〜C20アルキル、フェニル、ベンジル;あるいはC1〜C12アルキル、C1〜C12アルコキシによって、またはハロゲンによって単置換または多置換されたフェニルである。
市販のビスアリールヨードニウム塩は、Irgacure 250(Ciba Specialty Chemicalsからのヨードニウム、(4−メチル−フェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−、ヘキサフルオロホスフェート(1−))、CD 1012(Sartomer)、UV 9380C(GE Bayer Silicones)、Rhodorsil 2074(Rhodia)などであり、トリアリールスルホニウム塩は、UVI-6990、UVI-6974(Union Carbide)などである。
重視されるものは、カチオンおよびラジカル重合性ならびに光重合性原料を含有するハイブリッド系である。カチオン重合性系の例には、環状エーテル、特にエポキシドおよびオキセタン、ならびにビニルエーテルおよびヒドロキシ含有化合物も含まれる。ラクトン化合物および環状チオエーテルも、ビニルチオエーテルと同様に使用できる。更なる例としては、アミノプラスチックまたはフェノール性レゾール樹脂も含まれる。これらは、特にメラミン、尿素、エポキシ、フェノール、アクリル、ポリエステル、およびアルキド樹脂であるが、特にアクリル、ポリエステル、またはアルキド樹脂とメラミン樹脂との混合物である。照射硬化性樹脂は、エチレン性不飽和化合物、特に(メタ)アクリレート樹脂を含有する。
更に重視されるものは、第1段階で光重合され、次に第2段階で熱後処理によって架橋されるハイブリッド系である。このようなハイブリッド系は、非光重合性フィルム形成性成分との混合物中に不飽和化合物を含む。これらは、例えば、物理的に乾燥性ポリマーまたは有機溶媒中のそれらの溶液、例えばニトロセルロースまたはセルロースアセトブチラートにすることができる。しかし、それらは化学または熱硬化性樹脂、例えばポリイソシアナート、ポリエポキシドまたはメラミン樹脂でもよい。
更に重視されるものは、最初に熱によって、次にUVまたは電子の照射によって、あるいはその反対で硬化される、2段階硬化系であり、それらの成分が、光開始剤の存在下でのUV光の照射に反応できる上記した通りのエチレン性二重結合を含有するものである。
主光開始剤に加えて、追加の光開始剤および/または共開始剤または相乗剤、例えばスペクトル感度をシフトまたは拡大する増感剤を含むことが望ましいことが時にある。これらは特に、芳香族カルボニル化合物、例えばベンゾフェノン、特にイソプロピル−チオキサントンを含むチオキサントン、アントラキノン、および3−アシルクマリン誘導体、ターフェニル、スチリルケトン、および3−(アロイルメチレン)−チアゾリン、カンファーキノンならびにエオシン、ローダミン、およびエリトロシン染料を含む。
さらなる光開始剤としては、例えば、Ciba-Specialty Chemicals INC.からのIRGACURE 184、651、369、1700、1800、および1850ならびにDAROCUR1173および4265にすることができる。
光開始剤および場合により共開始剤は、好ましくは、0.2〜20重量%の、最も好ましくは1〜10%の量で存在する。
本発明のインクジェットインクは着色料を含有する。多種多様の有機および無機染料ならびに顔料が、単独または組合せて、本発明のインクジェットインク組成物での使用のために選択することができる。顔料粒子は、噴射ノズルでのインクの自由な流動を可能にする程に十分に小さく(0.005〜15μm)すべきである。顔料粒子は、好ましくは0.005〜1μmにすべきである。
顔料およびそれらの調製物の非常に微細な分散物が、米国特許第5,538,548号に開示されている。
インクは、好ましくは、インクの総重量に基づいて、総含有率1〜35重量%、特に1〜30重量%、好ましく1〜20重量%の着色料を含む。2.5重量%、特に5重量%、好ましく7.5重量%の限度が、ここでは下方限度として好ましい。
適切な着色料は、例えば、Cyan Irgalite Blue GLO(Ciba Specialty Chemicals)のような純顔料粉末、またはMICROLITH顔料調製物のような顔料調製物である。
顔料は、黒、白、シアン、マゼンタ、黄色、赤、青、緑、褐色、それらの混合物にすることができる。例えば、適切な顔料物質は、Cabot Colo.からのRegal 400R、Mogul L、Elftex 320、またはDegussa Co.からのCarbon Black FW18、Special Black 250、Special Black 350、Special Black 550、Printex 25、Printex 35、Printex 55、Printex 150T、およびPigment Black 7のようなカーボンブラックを含む。適切な顔料の更なる例、例えば米国特許第5,389,133号に開示されている。適切な白色顔料は、二酸化チタン(ルチルおよびアナターゼ態種)、例えばKronosからのKRONOS 2063、またはSachtlebenからのHOMBITAN R610 Lである。
適切な顔料は、例えば、C.I.Pigment Yellow 17、C.I.Pigment Blue 27、C.I.Pigment Red 49:2、C.I.Pigment Red 81:1、C.I.Pigment Red 81:3、C.I.Pigment Red 81:x、C.I.Pigment Yellow 83、C.I.Pigment Red 57:1、C.I.Pigment Red 49:1、C.I.Pigment Violet 23、C.I.Pigment Green 7、C.I.Pigment Blue 61、C.I.Pigment Red 48:1、C.I.Pigment Red 52:1、C.I.Pigment Violet 1、C.I.Pigment White 6、C.I.Pigment Blue 15、C.I.Pigment Yellow 12、C.I.Pigment Blue 56、C.I.Pigment Orange 5、C.I.Pigment Black 7、C.I.Pigment Yellow 14、C.I.Pigment Red 48:2、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Orange 16、C.I.Pigment Yellow 55、C.I.Pigment Red 41、C.I.Pigment Orange 34、C.I.Pigment Blue 62、C.I.Pigment Red 22、C.I.Pigment Red 170、C.I.Pigment Red 88、C.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Red 184、C.I.Pigment Blue 1:2、C.I.Pigment Red 3、C.I.Pigment Blue 15:1、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:4、C.I.Pigment Red 23、C.I.Pigment Red 112、C.I.Pigment Yellow 126、C.I.Pigment Red 169、C.I.Pigment Orange 13、C.I.Pigment Red 1-10、12、C.I.Pigment Blue 1:X、C.I.Pigment Yellow 42、C.I.Pigment Red 101、C.I.Pigment Brown 6、C.I.Pigment Brown 7、C.I.Pigment Brown 7:X、C.I.Pigment Black 11、C.I.Pigment Metal 1、C.I.Pigment Metal 2、C.I.Pigment Yellow 128、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 138、C.I.Pigment Yellow139、C.I.Pigment Yellow 154、C.I.Pigment Yellow 185、C.I.Pigment Yellow 180、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 184、および架橋アルミニウムフタロシアニン顔料、C.I.Pigment Red 254、C.I.Pigment Red 255、C.I.Pigment Red 264、C.I.Pigment Red 270、C.I.Pigment Red 272、C.I.Pigment Violet 19、C.I.Pigment Red 166、C.I.Pigment Red 144C、C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Yellow 110、C.I.Pigment Yellow 128、C.I.Pigment Yellow 150、C.I.Pigment Orange 71、C.I.Pigment Orange 64、C.I.Pigment Blue 60を含む。
顔料は、必要はないが、顔料安定剤とも呼ばれる分散剤を含む分散物の形であるのがよいが、その形である必要はない。例えば、ポリエステルの顔料安定剤は、ポリアクリレート型、特に高分子量ブロックコポリマーの形のポリウレタンにすることができ、典型的には、顔料の重量の2.5%〜100重量%を組み込むことになる。ポリウレタン分散剤の例には、EFKA 4047がある。
更なる顔料分散物は(UNISPERSE、IRGASPERSE)およびORASOL Dyes(溶媒溶解性染料):C.I.Solvent Yellow 146、C.I.Solvent Yellow 88、C.I.Solvent Yellow 89、C.I.Solvent Yellow 25、C.I.Solvent Orange 11、C.I.Solvent Orange 99、C.I.Solvent Brown 42、C.I.Solvent Brown 43、C.I.Solvent Brown 44、C.I.Solvent Red 130、C.1.Solvent Red 233、C.I.Solvent Red 125、C.I.Solvent Red 122、C.I.Solvent Red 127、C.I.Solvent Blue 136、C.I.Solvent Blue 67、C.I.Solvent Blue 70、C.I.Solvent Black 28、C.I.Solvent Black 29である。
特に重視されるものは、Ciba Specialty Chemicals Inc.から市販されているMICROLITH顔料調製物である。これらの顔料分散物は、種々の樹脂、例えばビニル樹脂、アクリル樹脂、および芳香族ポリウレタン樹脂中に予備分散された有機または無機顔料にすることができる。MICROLITH-WAは、例えば、アルカリ性水/アルコール溶解性アクリル樹脂(特に水性グラビアおよびフレキソ印刷用に開発された)中に、UVおよびインクジェット印刷インクと適合し得る顔料と共に予備分散された一連の顔料にすることができる。
Microlith-Kインクジェット製品は、ビニルベースインクに使用し、可塑化および剛性PVC、金属箔からポリマー塗被再生セルロースフィルムまで、多くの基材に良好な接着を与えるように処方できる。
本発明のインクジェットインクは、また、更に一般的には、顔料を粉砕する間のチップまたはインサイチュー組合せ(上述のとおり)および高度分散剤(例えば、Aveciaから入手可能なSolsperse)のような他の顔料の調製物もバインダー担体中に含むことができる。
他の添加剤
本発明のインクジェットインクは、界面活性剤、殺生物剤、緩衝剤、防カビ剤、pH調整剤、導電率調整剤、キレート剤、防錆剤、重合抑制剤、光安定剤などのような添加剤を含むことができる。このような添加剤は、本発明のインクジェットインクに、所望により任意の有効量で入れることができる。
本発明による組成物は、有機溶媒、例えばケトン、エーテル、およびエステル、例えばメチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1,2−ジメトキシエタン、エチルアセテート、n−ブチルアセテートおよびエチル3−エトキシプロピオナートまたはEastmanからTXIBとして入手できる1−イソプロピル−2,2−ジメチルトリメチレンジイソブチラートを含有することができる。
本発明のインクジェット用の紫外光線硬化性インクおよび紫外光線硬化性インク組成物中の反応性希釈剤は、分子末端に少なくとも1つの二重結合反応性基を有するモノマーである。その例には、単官能性カプロラクトンアクリレート、トリデシルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステル、イソアミルアシレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ブトキシエチルアシレート、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート、メトキシ−トリエチレングリコールアクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノールエチレンオキシド付加アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、および2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸;2官能性ヒドロキシピバル酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(1000)ジアクリレート、ポリプロピレン(400)ジアクリレート、ポリプロピレン(700)ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド付加ジアクリレート、およびビスフェノールAプロピレンオキシド付加ジアクリレート;3官能性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド改質トリメチルプロパントリアクリレート、エチレンオキシド改質トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアリーラートおよびプロポキシル化グリセリルトリアクリレート;4官能性ペンタジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート;5官能性ジペンタエリトリトールヒドロキシペンタアクリレート;および6官能性ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート;およびそれらの変種がある。これらは単独で、または組み合せて使用できる。
反応性希釈剤の量は、例えば、10〜90重量%、好ましくは40〜80重量%である。
照射硬化用に使用する装置は、当業者には既知であり、市販されている。例えば、硬化は、高圧、中圧、および低圧の水銀照射器、水銀灯、またはパルス化キセノン灯によって進行する。200〜400nm領域での40〜240W/cmの強度が通常使用される。
更なる例としては、マイクロ波励起金属蒸気灯、エキシマー灯、超化学線蛍光管、蛍光灯、アルゴン白熱電球、フラッシュランプ、例えば高エネルギーフラッシュランプ、写真用投光灯、発光ダイオード(LED)、電子ビーム、およびX線、レーザー光源、例えばエキシマーレーザーがある。
ランプと露光すべき基材との間の距離は、意図する用条およびランプのタイプ及び強度によって変化し得、例えば2cm〜150cmにすることができる。
PCT公表WO03/040076号による
結晶水を含有する結晶性異性体混合物(式IaおよびIIa)の調製
1.1)Friedel-Crafts反応
ジフェニルメタン109.4g(0.65mol)、イソ酪酸クロライド159.3g(1.495mol)、および1,2−ジクロロベンゼン150mlを合わせて、5〜0℃に冷却する。約4時間の中に、塩化アルミニウム208.0g(1.56mol)を少量に分けて、5〜0℃の内部温度にて添加する。HClガスが発生される。次に、攪拌を約16時間0〜5℃の内部温度で実施する。その期間の終わりに、すべての塩化アルミニウムが溶解していた。次に、暗赤色の反応混合物を氷および水に注入し、攪拌して反応を完了させる。2相を分離漏斗で分離する。有機相を水で洗浄し、次に真空回転蒸発器内で約60℃、約25mbarにて、短時間濃縮する。黄色の液体403.1gを得る。生成物であるビス[4−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンを主成分とする異性体混合物を、更に精製せずに次の反応で使用する。GCおよび1H−NMRスペクトルでは、溶媒1,2−ジクロロベンゼンを除いて、p,p−異性体87.3%、m,p−異性体11.4%、m,m−異性体0.66%、およびp−モノ化合物0.60%が検出される。
1.2)エノールの塩素化
Friedel-Crafts反応からのビス[4−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンと[3−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−[4−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンとの異性体混合物の溶液403.1g(0.65mol)を、油浴によって55〜60℃まで加熱する。次に、塩素ガス92.2g(1.30mol)を、55〜60℃にて、ガラスフリットを通じて、最初はより迅速に、最後には、ごくゆっくりと完全に攪拌しながら導入する。HClガスが発生する。導入期間は約6時間である。黄色がかった液体441.5gを得る。生成物であるビス[4−(2−クロロ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンを主成分とする異性体混合物を、更に精製せずに次の反応で使用する。1H−NMRスペクトルでは、溶媒1,2−ジクロロベンゼンを除いて、p,p−異性体約87%およびm,p−異性体約12%を検出する。
1.3)加水分解
変形1.3a
加水分解生成物のワークアップのための高速結晶化
30%に濃縮したNaOH 208.0g(1.56mol)および脱イオン水208mlおよびメタノール205.7gを一緒にする。次に、50℃にて約1時間の期間中に、塩素化反応からのビス[4−(2−クロロ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンと[3−(2−クロロ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−[4−(2−クロロ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンとの異性体混合物の1,2−ジクロロベンゼン溶液441.5g(0.65mol)を完全に攪拌しながら滴下し、更にメタノール102.8gで希釈する。内部温度が55〜60℃にゆっくり上昇する。次に、アルカリ性混合物(pH約12)を約3〜4時間、55〜60℃にて攪拌する。GCサンプルおよび1H−NMRサンプルを用いて変換を点検する。次に、混合物を45℃に冷却して、16%塩酸約63.5gを滴下して、約2〜3のpHに調整する。エマルジョンの色は、濃黄色から黄色に変化する。次に、混合物を約30分間攪拌する。加水分解が完了すると、反応混合物を少量の希薄水酸化ナトリウム溶液によって中和する。2相を、約50℃にて分離漏斗で分離する。水200mlを有機相に添加し、次に、攪拌して、再度分別する。有機相は、ビス[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンを主成分とする異性体混合物の溶液である。1H−NMRスペクトルでp,p−異性体約88%およびm,p−異性体約11%を検出する。温有機相を溶媒(トルエン400ml)で希釈し、少量の水(水約23g、最終生成物の量の約10%)をそこに添加する。溶液に、40〜35℃にて水含有結晶を挿種し、後で結晶化の後に冷却する。濃い懸濁物を濾過し、1,2−ジクロロベンゼンを置換するためにトルエンおよびヘキサンで洗浄する。結晶を真空中で恒量まで乾燥させた。結晶水を含有する白色結晶177.7gを得る。これは、反応ステップの3つすべてに渡る理論(358.44)の収率76.3%に相当する。異性体混合物の結晶は、68〜70℃で融解し、水5.02重量%を含有する。結晶は、6.69;9.67;13.95;15.11;16.35;17.57;19.43;21.39;22.17;23.35;25.93;27.11;27.79;28.73;34.83;41.15の2θ角に特徴的なラインを有するX線粉末スペクトルを示す。
変形1.3b
加水分解生成物のワークアップのための低速結晶化
実施例1.2で得た異性体混合物を変形1.3aと同様に加水分解する。
GCおよび1H−NMRスペクトルで、p,p−異性体(ビス[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタン)約88%およびm,p−異性体約11%を検出する。有機相および水性相を分離した後、温有機相(約55℃)をトルエン250mlで希釈し、次いで、水約30gをそこに添加する。溶液は、36℃にて自然に結晶化を開始し、温度は、42℃に上昇する。濃縮していた懸濁物を、トルエン75mlで希釈し、冷却せずに1時間攪拌する。実験を一晩静置し、翌朝、氷水浴を使用して5℃に冷却する。冷濃縮懸濁物を濾過し、1,2−ジクロロベンゼンを置換するために、トルエン75mlおよびヘキサン混合物140gで洗浄する。湿潤濾過生成物を秤量し、湿潤白色結晶204.5gを二等分する。結晶の一部を直ちに乾燥させ、結晶の一部に後処理を施す。母液および洗浄に使用した溶媒を共に真空中で濃縮する。褐色液体残留物45.5gを得る。芳香族プロトンの積分の評価によって測定したp,p−異性体約42%およびm,p−異性体約58%を1H−NMRスペクトルで検出する。
白色結晶102.3gを真空中で恒量まで乾燥させる。結晶水を含有する白色の綿状で、かさ高い結晶88.1gを得る。これは3つすべての反応ステップに渡る理論値(358.44)の75.6%の収率に相当する。異性体混合物の結晶は、71〜74℃で融解し、Karl Fischer水分測定に従って、水5.12重量%を含有する。
変形1.3c
後処理
残りの半分の湿潤白色結晶102.2gを、トルエン150gで溶解し、蒸留のために加熱する。トルエン68gおよび水15gを蒸留して除去し、溶液の最終温度は、約110℃である。溶液をゆっくりと冷却して、一晩静置する。翌朝になっても、すべての物質は依然溶解されている。溶液に、攪拌しながら無水結晶を播種する。溶液は、ゆっくりと結晶化する。後で懸濁物をトルエン60gで希釈し、次に5℃に冷却し、濾過して、トルエン90gで洗浄する。白色結晶を真空中で恒量まで乾燥させる。白色で硬質の緻密な結晶71.7gを得る。これは、3つすべての反応ステップに渡る理論値(340.42)の64.8%の収率に相当する。異性体混合物の結晶は、87〜90℃で融解し、Karl Fischer水分測定に従って、水2.02重量%を含有する。母液および洗浄に使用した溶媒を、一緒に真空中で濃縮する。黄色がかった油12.3gを得る。
変形1d
加水分解前の溶媒の交換
1d.2)エノールの塩素化
実施例1と同様に、Friedel-Crafts反応およびエノールの塩素化を、溶媒として1,2−ジクロロベンゼンを用いて実施する。黄色がかった液体460.6gを得る。生成物であるビス[4−(2−クロロ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンを主成分とする異性体混合物は、次の反応の前に蒸気蒸留によって溶媒1,2−ジクロロベンゼンを除去する。蒸留のヘッド温度は、約95℃であり、蒸留を約4時間続ける。1,2−ジクロロベンゼン約145mlを回収する。残留物である黄色がかったエマルジョンをトルエン195gで希釈し、まだ温かい間に水と分離する。有機相462.7gを得て、これを更に精製せずに次の反応で使用する。GCおよび1H−NMRスペクトルでは、新しい溶媒トルエンを除外して、p,p−異性体約87%およびm,p−異性体約12%を検出する。
1d.3)加水分解
30%まで濃縮したNaOH 208.0g(1.56mol)および脱イオン水208mlおよびメタノール205.7gを一緒にする。温度は、約38℃に上昇する。次いで、混合物を油浴によって50℃に加熱する。次いで、塩素化反応からのビス[4−(2−クロロ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンと[3−(2−クロロ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−[4−(2−クロロ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンのと異性体混合物の、トルエン中の溶液462.7g(0.65mol)を約1時間の期間で十分に攪拌しながら滴下し、メタノール103gで更に希釈する。内部温度は、55〜60℃にゆっくりと上昇する。次いで、アルカリ性混合物(pH約11)を約3〜4時間の間55〜60℃で攪拌する。変換を、1H−NMRサンプルで点検する。次いで、混合物を27℃に冷却し、16%塩酸約73.4gを滴下してpH約1〜2に調整する。エマルジョンの色は、赤色から赤味がかった色に変わる。次いで、混合物を55〜60℃にて約100分間攪拌する。加水分解が完了すると、反応混合物を希薄水酸化ナトリウム溶液(15%)約9.4gで中和する。2相を、約50℃にて分離漏斗で分離する。トルエン200mlおよび水200mlを有機相に添加し、次いで、攪拌して、再度分離する。有機相は、ビス[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンを主成分とする異性体混合物である。GCおよび1H−NMRスペクトルでp,p−異性体約88%およびm,p−異性体約11%を検出する。温有機相をトルエン300mlで再度希釈し、次いで、水約30gをそこに加える。溶液に、40〜35℃にて水含有結晶を播種し、結晶化の後、後で約50℃に加熱する。濃い懸濁物をゆっくり冷却し、後に氷水浴によって更に冷却する。次いで、それを濾過し、トルエン200mlで洗浄する。白色結晶を、真空中で恒量まで乾燥させる。結晶水を含有する白色のかさ高い結晶173.1gを得る。これは反応ステップ3つのすべてに渡る理論値(358.44)の74.3%のt.q.収率に相当する。異性体混合物の結晶は70.6−71.7℃で融解し、Karl Fischer水分測定に従って、水4.8重量%を含有する。
母液および洗浄に使用した溶媒を、一緒に真空中で濃縮する。赤味がかった粘性の油の残留物47.7gを得る。
1d.4)エノールの塩素化
実施例1.1および1.2と同様に、1,2−ジクロロベンゼンを溶剤として使用してFreidel-Crafts反応およびエノールの塩素化を実施する。黄色がかった液体457.2gを得る。生成物である、ビス[4−(2−クロロ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンを主成分とする異性体混合物は、次の反応の前に蒸気蒸留によって溶媒1,2−ジクロロベンゼンを除去する。蒸留のヘッド温度は、約95℃であり、蒸留を、約4時間続ける。1,2−ジクロロベンゼン約150mlを回収する。残留物である黄色がかったエマルジョンをトルエン195gで希釈し、まだ温かい間に水と分離する。有機相459.7gを得て、これを更に精製せずに次の反応で使用する。GCおよび1H−NMRスペクトルでは、新しい溶媒トルエンを除外して、p,p−異性体約87%およびm,p−異性体約12%を検出する。
1d.5) 加水分解
塩素化反応からのビス[4−(2−クロロ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンと[3−(2−クロロ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−[4−(2−クロロ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンとの異性体混合物のトルエン中の溶液459.7g(0.65mol)を反応フラスコに導入し、メタノール308.5gで希釈する。次いで、混合物を油浴によって50℃に加熱する。次いで、30%に濃縮したNaOH 208.0g(1.56mol)を約1時間の期間で十分に攪拌しながら滴下する。内部温度は、55〜60℃にゆっくりと上昇する。次いでアルカリ性混合物(pH約11)を約3時間の間55〜60℃で攪拌する。変換を、1H−NMRサンプルで点検する。次いで、混合物を40℃に冷却し、16%塩酸約58.2gを滴下してpH約1〜2に調整する。エマルジョンの色は、赤色から赤味がかった色に変わる。次いで、混合物を更に55〜60℃にて約2時間攪拌する。加水分解が完了すると、反応混合物を希薄水酸化ナトリウム溶液(15%)約4.3gで中和する。2相を、約50℃にて分離漏斗で分離する。トルエン200mlおよび水200mlを有機相に添加し、次いで、攪拌して、再度分離する。1H−NMRスペクトルでp,p−異性体約88%およびm,p−異性体約11%を検出する。温有機相をトルエン300mlで再度希釈し、次いで、水約30gをそこに添加する。溶液は、38℃にて結晶化を開始し、結晶化の後、後で再度約50℃に加熱する。懸濁物をゆっくり冷却し、後に氷水浴によって更に冷却する。次いで、それを濾過し、トルエン200mlで洗浄する。白色結晶を、真空中で恒量まで乾燥させる。結晶水を含有する白色結晶180.5gを得る。これは、3つすべての反応ステップに渡る理論値(358.44)の77.5%のt.q.収率に相当する。異性体混合物の結晶は、72.1〜74.7℃で融解し、Karl Fischer水分測定に従って、水4.7重量%を含有する。結晶中のメタ−パラ化合物の総含有率を、実施例1eの終わりに間接的に測定する。
1d.5a)母液の精製
母液および洗浄に使用した溶媒を、一緒に真空中で濃縮する。赤味がかった粘性油40.0gを得る。油を、Merckからのシリカゲル60(0.040〜0.063mm)上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。エチルアセテートとヘキサンの混合物を1:2の比で溶出液として使用する。赤味がかった黄色の油28.5gを主画分として分離する。それは薄層クロマトグラム中の純生成物である。芳香族プロトンの積分の評価によって測定したp,p−異性体約36%およびm,p−異性体約64%を1H−NMRスペクトルで検出する。
変形1e
結晶化後の異性体の分布の測定
実施例1と同様に、ジフェニルメタンを1,2−ジクロロベンゼン中でイソ酪酸クロライドによってアシル化して、次いで、中間精製を行わずにジケトン混合物を塩素化し、最終的に加水分解を水酸化ナトリウム溶液と、メタノールの添加によって実施する。パラ−パラ化合物とメタ−パラ化合物との間の異性体の分布は、結晶化まで生成物が分離されないことから、3つすべてのステップに渡ってメタ−パラ化合物約12%を維持する。水性相の分離後、トルエンおよび水を実施例1.3bと同様に添加する。溶液は、約30℃で結晶化する。それを物質がほぼすべて溶解するまで約50℃に再度加熱し、次いで、懸濁物を冷たいうちに攪拌する。翌朝、混合物を氷水浴によって5℃に冷却し、次いで、5時間後に濾過する。1,2−ジクロロベンゼンを置換するために、結晶をトルエンおよびヘキサン混合物で洗浄する。白色結晶173.2gを真空中で約30℃にて恒量まで乾燥させる。結晶水を含有する細粒白色結晶148.4gを得る。これは、3つすべての反応ステップに渡る理論値(358.44)の78.6%の収率に相当する(0.5265mol)。異性体混合物の結晶は、71〜73℃で融解し、Karl Fischer水分測定に従って、水4.6重量%を含有する。数週間後、融解範囲は、76.0〜77.5℃に安定する。
母液である、黄色がかった溶液528gを真空回転蒸発器で濃縮し、次いで、溶媒1,2−ジクロロベンゼンを蒸気蒸留によって除去する。蒸留のヘッド温度は、約95℃であり、蒸留を約1時間続ける。油を水から分離し、次いで、約60℃にて、良好な真空(0.5mbar)下で、溶媒を完全に除去する。濃厚な褐色がかった油36.7gを得る。芳香族プロトンの積分の評価によって測定したp,p−異性体約42%およびm,p−異性体約58%を、濃縮した母液の1H−NMRスペクトルで検出する。
結晶は、1H−NMRスペクトルでごく少量のm,p−異性体を有する。結晶中のメタ−パラ化合物の割合は、1H−NMRスペクトルの同じ位置に発生する二次生成物の共鳴および1,2−ジクロロベンゼンの痕跡のために、長期に渡ってはっきりしなかった。前の蒸気蒸留によって1,2−ジクロロベンゼンを除去しない場合、1H−NMRスペクトル内のメタ−パラ異性体の積分は視認できない。
結晶中のパラ−パラ化合物とメタ−パラ化合物との間の異性体の分布を一層良好に測定および監視するために、トルエンと水とから、より大きなサンプルを再結晶させる。正確な手順は、以下の通りである。
実施例1eからの結晶生成物120.0gのサンプルをトルエン180gに55℃で溶解させ、水20gをそこに添加した。次いで、溶液を攪拌しながら、ゆっくりと冷却させる。溶液は、約49℃で結晶化し、温度を、約56℃に上昇させる。それを冷却せずに一晩攪拌して、反応を完了させ、次いで、約5℃に冷却する。2時間後、吸引フィルタを通す濾過を実施する。濾過生成物を冷トルエン30gで洗浄し、乾燥キャビネット内の真空中で、室温〜40℃の間で乾燥させる。74〜79℃で融解する硬質白色結晶118.3gを得る。トルエン性母液(約195g)を濃縮して乾燥させる。黄色がかった油1.7gが残り、1H−NMRスペクトル(300MHz)では、メタ−パラ化合物約60%を示す。これはメタ−パラ化合物1.0gに相当し、使用した結晶中のメタ−パラ化合物約0.85%の含有率に相当する。トルエンおよび水から得られた結晶のサンプル100gを更に同様に再結晶させると、トルエン性濾液を与え、それは無色油4.6gに濃縮した後に、1H−NMRスペクトルでメタ−パラ化合物約2.0%を示す。これは、メタ−パラ化合物0.1gに相当し、使用した結晶中のメタ−パラ化合物約0.10%の含有率に相当する。約0.85%および約0.10%の2つの含有率を一緒に加えて、試験した結晶中のメタ−パラ化合物の総含有率は約0.9%〜約1.0%になる。この推定は、今日では、十分に正確なものである。
同様の方法で、実施例1d.5からの結晶生成物のサンプル120.0gをトルエン180gに62℃で溶解させ、水23gをそこに添加する。溶液を同じ方法で冷却および結晶化する。懸濁物を一晩攪拌して反応を完了させ、次いで、室温下で濾過する。結晶をトルエン90gで洗浄し、乾燥キャビネット内の真空中で室温〜40℃の間で乾燥させる。70〜76℃で融解する硬質白色結晶114.1gを得る。トルエン性母液を濃縮して乾燥させる。黄色がかった油5.1gが残り、1H−NMRスペクトル(300MHz)では、メタ−パラ化合物約36%を示す。これは、メタ−パラ化合物1.84gに相当し、使用した結晶から抽出されたメタ−パラ化合物約1.5%の含有率に相当する。試験した結晶中のメタ−パラ化合物の総含有率は、約1.5%〜約1.7%と推定される。芳香族プロトンの積分の評価による1H−NMRスペクトル(300MHz)からのメタ−パラ化合物の総含有率の直接推定は、このような少量ではもはや信頼できない。
変形1f
加水分解後の溶媒の交換および結晶中での異性体の比の調整
実施例1と同様に、ジフェニルメタンを1,2−ジクロロベンゼン中でイソ酪酸クロライドによってアシル化して、次いで、中間精製なしでジケトン混合物を塩素化し、最終的に、水酸化ナトリウム溶液と、メタノールの添加によって加水分解を実施する。パラ−パラ化合物とメタ−パラ化合物との間の反応混合物中の異性体の分布は、結晶化まで生成物が分離されないことから、3つすべてのステップに渡ってメタ−パラ化合物約12%を維持する。水性相を分離した後、有機相は、実施例1の改良において、約95〜100℃で蒸気蒸留を施し、1,2−ジクロロベンゼンを除去する。1,2−ジクロロベンゼン約154gを回収する。60℃よりも低い水によって結晶化する傾向のある、濃黄色の油を得る。油を更なる溶媒を加えずに、大量の水によって結晶化させる。ゆっくりと冷却することで湿潤な淡黄色小球が発生し、これらを濾過して真空中で約35〜40℃にて乾燥させる。結晶の1H−NMRスペクトルにおいて、パラ−パラ化合物とメタ−パラ化合物との間の異性体の分布は、油のサンプルの1H−NMRスペクトルの場合と同じであり、すなわちパラ−パラ異性体約88%およびメタ−パラ異性体約12%である。それはもはや、1H−NMRスペクトルの評価を妨害する1,2−ジクロロベンゼンを何ら含有しない。淡黄色の粗生成物も驚くべきことに、TLCでは純粋である。63〜72℃で融解する、黄色がかった顆粒222.9gを得る。これは、開始バッチサイズ0.65molを用いた3つの反応ステップに渡る95.7%の収率に相当する(実施例1f)。
その粗生成物から、種々の少量のトルエンを添加した水からの結晶を制御することにより、異性体を選択した組成で有する生成物を製造することが可能である。したがって、メタ−パラ化合物の一部を種々の少量のトルエンと共に濾別することができる。1H−NMRスペクトルにおけるトルエン性濾液およびその異性体組成物から、1H−NMRスペクトルにおける結晶の量およびそれらの異性体組成と同様に、結晶中の異性体組成を更に正確に計算しおよび確認することが可能である。
その黄色がかった粗生成物60gのサンプルを水90g中で加熱および溶融させる。トルエン90gを約80℃にて添加する。混合物をゆっくり冷却して結晶化させ、懸濁物を濾過して水で洗浄する。結晶を真空中で乾燥させる。67〜72℃で融解する、やや黄色がかった結晶50gを得る。濃縮濾液からの油である黄色がかった油7.0gの1H−NMRスペクトルの評価は、メタ−パラ化合物約75%およびパラ−パラ化合物約25%を示す。その損失を結晶50gとして逆算し、結晶中のメタ−パラ化合物の含有率を新たに約3.9%と求める。これは、メタ−パラ化合物約4%を含有する結晶の1H−NMRスペクトルの評価によって確認する(実施例1fa)。
黄色がかった粗生成物の更なるサンプル60gを水50g中で加熱および溶融させる。トルエン40gを約80℃にて添加する。混合物をゆっくり冷却して結晶化させ、懸濁物を濾過して水で洗浄する。結晶を真空中で乾燥させる。66〜72℃で融解する、黄色がかった結晶54gを得る。濃縮濾液からの油である黄色がかった油4.7gの1H−NMRスペクトルの評価は、メタ−パラ化合物約75%およびパラ−パラ化合物約25%を示す。その損失を結晶54gとして逆算し、結晶中のメタ−パラ化合物の含有率を新たに約6.8%と求める。これは、メタ−パラ化合物約7%を含有する結晶の1H−NMRスペクトルの評価によって確認する(実施例1fb)。
対応する水分含有異性体混合物からの無水結晶性異性体混合物の調製
使用した実施例1.3aからの結晶性開始物質は、68〜70℃で融解し、水5.02重量%を含有する。結晶は、6.69;9.67;13.95;15.11;16.35;17.57;19.43;21.39;22.17;23.35;25.93;27.11;27.79;28.73;34.83;41.15の2θ角に特徴的なラインを有するX線粉末スペクトルを示す。
生成物を溶解させるために、実施例1.3aからの異性体混合物30gをトルエン170g中で70℃に加熱する。65℃において、すべての物質が溶解した。水数滴が分離漏斗で分離できない。次いで、無水塩化カルシウム10gをトルエン溶液に添加する。攪拌を65℃にて1時間の間実施した後に、濾過する。トルエン溶液を真空回転蒸発器で濃縮し、高真空下で乾燥させる。黄色がかった油25.2gを得て、24時間より長く経過した後にゆっくりと結晶化を開始する。異性体混合物の結晶は、89.2〜91.2℃で融解し、Karl Fischer水分測定に従って、水0.09重量%を含有する。10.71;11.19;16.43;17.25;17.87;21.53;22.59;25.99;28.75の2θ角に特徴的なラインを有するX線粉末スペクトル。
ビス[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタン、式IIaまたはIIの化合物の調製
3.1)Freidel-Crafts反応および分離
ジフェニルメタン168.2g(1.0mol)、イソ酪酸クロライド245.1g(2.3mol)および1,2−ジクロロベンゼン150mlを一緒にして、氷浴によって5〜0℃に冷却する。アシル化を、実施例1と同様に実施する。ワークアップの後、有機相を水で洗浄し、次いで、真空回転蒸発器で約60℃および約25mbarにて濃縮する。次いで、有機相を高真空下で完全に濃縮する。溶媒1,2−ジクロロベンゼンをいくらか含有する黄色の液体395.8gを得る。これは理論値の128%の粗収率に相当する。生成物は、ビス[4−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンを主成分とする異性体混合物であり、1H−NMRスペクトルでは溶媒1,2−ジクロロベンゼンを除いて、p,p−異性体86.7%、m,p−異性体11.1%、m,m−異性体0.7%およびp−モノ化合物1.5%を検出する。生成物をヘキサン100mlに溶解させ、冷蔵庫内で結晶化させる。結晶を濾別し、冷ヘキサンで洗浄して、真空中で乾燥させる。白色結晶169gを得て、これらを温ヘキサン70mlに再び溶解させる。生成物を再度結晶化させ、濾別して、洗浄および乾燥させる。42〜44℃で融解する白色結晶160gを得る。いま、GCおよび1H−NMRスペクトルにてパラ−パラ異性体97.3%およびメタ−パラ異性体2.7%を検出する。
濾液約350gを別に取り、実施例4.1で別途に加工する。
3.2)p,p−ジケトン、ビス[4−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンのエノールの塩素化
Friedel-Crafts反応からの[3−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−[4−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタン2.7%を有する再結晶化ビス[4−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタン60.0g(0.1945mol)をクロロベンゼン150mlに溶解させ、油浴によって55〜60℃に加熱する。塩素化を実施例1.2と同様に実施する。黄色がかった液体73.8gを得て、液体は、結晶化を開始する。生成物は、ヘキサン75gと、次いで、メタノール65gから再結晶化させ、濾過および乾燥させる。70.4〜73.1℃で融解する白色結晶30.6gを得る。ここで1H−NMRスペクトルにてp,p−異性体99%およびm,p−異性体約1%を検出する。
3.3a)p,p−ジクロロ化合物、ビス[4−(2−クロロ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンの加水分解
トルエン30gおよびメタノール10gに溶解させた、塩素化反応からのビス[4−(2−クロロ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタン25.0g(0.066mol)を実施例1、変形1.3aと同様に加水分解する。有機相を分離した後、温有機相(約50℃)を溶媒(トルエン30ml)で希釈し、次いで、水約3gをそこへ添加する。溶液は、約30℃にて自然に結晶化を開始する。実施例1、変形1.3bと同様にワークアップをした後、結晶水を含有する顆粒状結晶19.2gを得る。これは、ビス[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンの理論値(358.44)の80.8%の収率に相当する。次いで、1H−NMRスペクトルでは、>99%のパラ−パラ異性体および<1%のメタ−パラ異性体を検出する。結晶は、77.9〜78.7℃で融解し、Karl Fischer水分測定に従って、水4.82重量%を含有する。
3.3b)無水、無異性体ビス[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタン
結晶水を含有する結晶(実施例3.3a)5gをトルエン50mlに溶解させ、60℃に加熱する。次いで、無水塩化カルシウム5gを添加し、攪拌を2時間実施する。懸濁物を濾過し、濾液を真空回転蒸発器で約20mlまで濃縮する。生成物は室温にて一晩結晶化を開始する。結晶を少量のトルエンで洗浄し、真空中で乾燥させる。白色結晶2.8gを得る。次いで、1H−NMRスペクトルでは、>99.5%のパラ−パラ異性体とおよび<0.5%のメタ−パラ異性体を検出する。結晶は、91.3〜92.0℃にて融解し、Karl Fischer水分測定に従って、<0.1重量%の水分を含有する。
3.3c)無異性体加水分解生成物の再結晶化
生成物を溶解するために、結晶水を含有する無異性体ビス[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタン50gをトルエン75g中で70℃に加熱する。68℃にてすべての物質が溶解した。更に水7.8gを添加する。温度は、油浴によって制御する。50℃にて最初の結晶が自然に形成を開始する。結晶化が完了したら、懸濁物を吸引フィルタで濾過して、冷トルエン62.5gで洗浄する。白色結晶55.4gを真空中で恒量まで乾燥させる。結晶水を含有する白色、顆粒状の緻密な結晶44.7gを得る。無異性体生成物の結晶は、81.8〜84.3℃で融解し、Karl Fischer水分測定に従って、水5.10重量%を含有する。6.67;9.65;14.00;14.85;15.15;15.47;15.95;16.41;17.69;19.81;20.21;21.39;22.17;22.61;23.39;25.91;27.13;27.91;28.67の2θ角に特徴的なラインを有するX線粉末スペクトル。母液を真空中で濃縮する。黄色がかった油1.1gを得、これは結晶化する。
[3−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタン、式Iの化合物の調製
4.1)Freidel-Crafts反応および分離
ジフェニルメタン168.2g(1.0mol)、イソ酪酸クロライド245.1g(2.3mol)および1,2−ジクロロベンゼン150mlとを一緒にし、氷浴によって5〜0℃に冷却する。アシル化は、実施例3.1において実施する。ワークアップの後、有機相実施例3.1で濃縮し、ヘキサンから結晶化させる。結晶ビス[4−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンをヘキサンから再度、再結晶化し、実施例3.2で塩素化する。濾液約350gを実施例4.1で別個に加工する。実施例3.1からの濾液を真空回転蒸発器で濃縮し、次いで、Freidel-Crafts反応からの他の適切なジクロロベンゼン溶液と一緒にする。水100gを黄色の溶液に添加し、混合物から溶媒の1,2−ジクロロベンゼンを蒸気蒸留によって除去する。蒸留のヘッド温度は、約95℃であり、蒸留を約4時間続ける。1,2−ジクロロベンゼン約155mlを回収する。残留物を水から分離する。黄色がかった油170.4gを得る。ヘキサン58gを添加し、熱いうちに溶解を実施する。溶液を室温まで冷却し、次いで、氷浴によって更に冷却する。白色結晶が生成する。それらを濾別して、ヘキサン約150gで洗浄する。母液を真空回転蒸発器で濃縮する。赤味がかった黄色の油80gを得、これは、1H−NMRスペクトルで、m,p−異性体約24%を示す。更なるヘキサン20gを油に添加し、結晶化の目的で混合物を冷蔵庫内に置く。液体を外に出して、真空回転蒸発器で濃縮する。赤味がかった黄色の油45gを得、これは、1H−NMRスペクトルで、m,p−異性体約37%を示す。種々の結晶性部分を乾燥させ、純粋なp,p−異性体の調製に使用する。液体部分45gをVarianからの分離用HPLCカラムでいくつかに分離する。分離が不完全であるため、上部の最初の画分のみを収集し、後の画分は、あまり多くのp,p−異性体を含有することから、再度戻して供給する。何回もカラムを通過させた後、前の画分からメタ−パラ異性体である[3−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−[4−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタン1.9gを得、それらは、GCおよび1H−NMRでm,p−異性体約94%を含有し、更にm,m−異性体約3%およびp,p−異性体約3%を含有する。収集した黄色がかった油1.9gを、更なる精製は行わずに臭素化する。
4.2)m,p−ジケトン、[3−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−[4−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンのエノール臭素化
分離された[3−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−[4−(2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタン1.96g(6.16mmol)をクロロベンゼン20mlに溶解させ、クロロスルホン酸1滴をそこに添加する。次いで、臭素1.97g(12.32mmol)をクロロベンゼン50mlに溶解させ、約3時間の期間で室温において滴下する。変換を、1H−NMRスペクトルで点検する。やや黄色がかった溶液を回転蒸発器で濃縮する。黄色の油である[3−(2−ブロモ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−[4−(2−ブロモ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタン2.9gを得る。
4.3)m,p−ジブロモ化合物、[3−(2−ブロモ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−[4−(2−ブロモ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタンの加水分解
30%に濃縮したNaOH 2.0g(15mmol)、脱イオン水20mlおよびメタノール20mlを一緒にし、油浴によって50℃に加熱する。次いで、トルエン20mlおよびメタノール10mlに溶解させた[3−(2−ブロモ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−[4−(2−ブロモ−2−メチル−プロピオニル)−フェニル]−メタン2.9g(6.16mmol)を約1時間の期間で十分に攪拌しながら滴下する。次いで、アルカリ性混合物(pH約12)を約3時間55〜60℃で攪拌する。変換を1H−NMRサンプルで点検する。次いで、混合物を、16%塩酸約1.0gを滴下して約1〜2のpHに調整し、反応を完了させるために1時間50℃で攪拌する。変換を1H−NMRサンプルで点検する。加水分解が完了した時に、反応混合物を少量の希薄水酸化ナトリウム溶液によって中和する。2相を、分離漏斗で分離する。有機相を回転蒸発器で濃縮する。褐色がかった油2.8gを得る(実施例4.3)。それをトルエン20mlに溶解させ、水10mlで洗浄する。トルエン溶液を回転蒸発器で濃縮し、高真空下で乾燥させる。黄色がかった油2.0gを得る。芳香族プロトンの積分の評価によって測定したm,p−異性体約94%、m,m−異性体約3%およびp,p−異性体約3%を1H−NMRスペクトルで検出する。液体m,p−異性体から非含水結晶が生成した。
実施例1d.5からの母液のサンプルを、Merckからのシリカゲル60(0.040〜0.063mm)上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。エチルアセテートとヘキサンとの混合物を1:2の比で溶出液として使用する。非常に驚くべきことに、メタ−パラ異性体の最大量が母液中に検出され、結晶中には検出されるはずである。芳香族プロトンの積分の評価によって測定したパラ−パラ異性体約36%およびメタ−パラ異性体約64%を1H−NMRスペクトルで検出する(実施例1d.5a)。結晶中のメタ−パラ化合物の割合は約1〜2%に低下した。その値は、母液中の値に関する差から推定する。結晶の1H−NMRスペクトルにおいて、このような低い値は、大まかにしか推定できない。結晶化後の異性体の分布を測定するために改良された方法は、実施例1eに記載する。
クロマトグラフにかけた母液中のメタ−パラ化合物の割合は、水およびトルエンを溶媒として用いた粗生成物のこれまでの結晶化の場合、60〜80%である。結晶中のメタ−パラ化合物の割合は大半の場合において、約1〜3%に低下した。これらの値は、母液中の値に対する差から計算する。結晶の1H−NMRスペクトルでは、このような低い値は大まかにしか推定できない。
〔応用実施例A1〕
UVインクジェット試験処方、顔料粉末
顔料濃縮物を、表1に示した原料を使用してビードミル内で調製する。顔料濃縮物15部を反応性希釈剤(Viajet 400、UCB)79.50部、レベリング剤(DOW Corning 57、DOW Corning)0.40部、および光開始剤6部または8部と混合して、最終インクを与える。
Figure 2006524731
ViaJet 100は、UVインクジェットインク用顔料濃縮物の製造に使用される独特の、100%固形分顔料粉砕ビヒクルである。Florstabは、UV硬化系用の缶入り安定剤である。
UVインクジェット試験処方の硬化性能
インクを、K-bar 12μmを使用して金属被覆紙に塗布する。2個の中圧水銀灯のUV光への露光時に(それぞれ120W/cm)、インクの表面硬化を試験した(ティッシュペーパーを用いた乾燥摩擦試験)。硬化速度は、インクが完全に硬化し、不粘着性のUV硬化ユニットのコンベヤベルトの最高速度に相当する。観測したデータを表2に示す。
Figure 2006524731
〔応用実施例A2〕
UVインクジェット処方(低粘度インク)、顔料調製物
使用したUVインクジェット処方は、例えばUCBからのVIAJET 400のような市販されているレットダウンビヒクルをベースとしている。
第一に、顔料濃縮物は、VIAJET 400 65重量部およびN−ビニルピロリドン15重量部の混合物中に、15m/秒の分散機によって、顔料調製物(顔料および塩化ビニルコポリマー約50重量%を含有する)20重量部を15分間分散させることにより調製する。
次いで、濃縮物25重量部を反応性希釈剤75重量部と25:75の比で磁気スターラーによって混合し、顔料2.0〜2.5重量%および光開始剤6〜8重量%を含有する最終インクをもたらす。組成を表3に示す。
Figure 2006524731

x=最終インク中、光開始剤6%について8.0部;最終インク中、光開始剤8%について10.7部
調製物A.Pigment Yellow PY151/PY110
調製物B.Magenta Pigment調製物PR 202/PR 254
調製物C.銅フタロシアニンPigment Blue 15:3
調製物D.Black Pigment PB 7
顔料調製物は、良好な分散性および分散安定性を確保するために塩化ビニルコポリマー約50%を含有している。調製物は、粒径の分布が狭く、小さい粒径を有している。
インクジェット処方は、20〜33mPasの範囲の粘度を有する。
UVインクジェット試験処方の硬化性能
インクを、Citenso K Kontrol Coaterを用いて下塗りしたアルミニウム箔に厚さ12μmの層として塗布する。それらを中圧水銀灯2個(それぞれ120W/cm)および場合により窒素パージを装備したIST UV硬化ユニットで、不粘着性の状態(乾燥摩擦試験)になるまで硬化させる。硬化速度は、UV硬化ユニットのコンベヤベルトの最高速度に相当し、この速度で、インクは完全に硬化し、不粘着性になった。観測したデータを表4に示す。
Figure 2006524731

IRGACURE 369:(4−モルホリノ−ベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチル−アミノプロパン
IRGACURE 907:(4−メチルチオ−ベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン

Claims (6)

  1. インクジェット印刷物を製造する方法であって、
    光重合性モノマー、オリゴマー、またはプレポリマー;
    着色料、および式IまたはIIまたはIaまたはIIa:
    Figure 2006524731

    の化合物、
    あるいはそれらの混合物、ならびに
    場合により反応性希釈剤
    を含む紫外線硬化性インクジェットインク組成物を記録媒体に塗布する工程と、
    紫外線を照射することによってインク組成物を記録媒体上で硬化させる工程とを含む方法。
  2. インクジェット組成物が、
    光重合性モノマー、オリゴマーまたはプレポリマー;
    着色料、およびIまたはIIまたはIaまたはIIa
    Figure 2006524731

    の化合物
    あるいはそれらの混合物、ならびに
    反応性希釈剤
    を含む、請求項1記載の方法。
  3. インクジェットインク組成物が、1〜2重量%の化合物Iaの含有率および4〜6重量%の水分含有率を有する化合物IaおよびIIaの混合物である、請求項1または2記載の方法。
  4. インクジェットインク組成物中の着色料が、顔料粉末または顔料調製物である、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. インクジェットインク組成物が、周囲温度下にて50mPas未満の粘度を所有する、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. インクジェットインク系における、請求項1に記載した式IまたはIIまたはIaまたはIIaの化合物の使用。
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