JP2006518749A - 虚血再灌流障害に伴う組織損傷を予防及び治療するための方法 - Google Patents

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Abstract

虚血再灌流障害又はTAAA修復に伴う組織損傷を受けるおそれのある又は現に受けている患者に対し、組織損傷を予防又は治療し得る量の補体阻害剤を投与することにより、虚血再灌流障害及び胸腹部大動脈瘤(TAAA)修復に伴う組織損傷を予防又は治療するための方法。該補体阻害剤は、好ましくは膜傷害性複合体の形成に関与する補体タンパク質に結合しこれを阻害する抗体であり、好ましくはレクチン経路のMBL、MASP1、MASP2及びMASP3を阻害する抗体である。該補体阻害剤は、虚血再灌流障害又はTAAA修復に伴う組織損傷によって引き起こされる罹患及び死亡を減少させるために、単独で又は組み合わせて用いることができる。

Description

関連出願のクロスリファレンス
本出願は、2003年2月21日に出願された、その開示がここに組み入れられる米国仮出願番号60/449,069の出願に基づく優先権を主張するものである。
本発明は広くは組織損傷の予防及び治療のための方法及び組成物に関し、特に虚血性再灌流傷害に伴う組織損傷の予防又は治療のための方法及び組成物に関する。
免疫系の補体
免疫系は、病原性細菌、ウイルス、寄生生物及び他の有害な生物体から身体を保護する。免疫系は、体液性系及び細胞性系の二つの構成要素に分類される。一般に、体液性系は病原体から保護するための補体系及び抗体の生産を包含する。補体系、又は単に補体は、宿主の防御において抗体を補助するタンパク質の生産に関わる。補体系は先天性免疫の一部として統合されている。補体は「自己」と「非自己」との差異のみならず「正常な自己」と「変質した自己」との差異を識別することができる。補体とは、少なくとも30種の表面結合型及び可溶性のタンパク質群である。ある可溶性タンパク質の活性は、血清を56℃で30分間加熱することにより崩壊する。補体タンパク質は、微生物の食作用へのオプソニン化、溶解による微生物の直接的な殺傷、炎症部位への白血球の走化性の誘引、白血球の活性化、及び免疫複合体のプロセシングに関与する。
補体タンパク質は、1つのタンパク質の結合又は活性化がそのカスケード中の次なるタンパク質の結合又は活性化を促進するというカスケードの中で機能する。該カスケードの活性化は、炎症反応に寄与するアナフィラトキシンと呼ばれる生物学的に活性のある小さいペプチド(C3a, C4a,及び最も強力なC5a)の放出を導き、最終的には標的細胞を溶解し得る膜傷害性複合体(C5b-9)の形成を生じる。異なる補体分子は異なる細胞型によって合成され、例えばフィブロブラスト及び腸上皮細胞はC1を作り、大部分の構成成分は肝臓で合成される。
補体系の成分及び機構はよく知られている。基本的に、補体反応経路には、古典経路、レクチン経路、及び第二経路の3つが存在する。古典経路は、主として抗原及びIgG若しくはIgMを包含する免疫複合体によって引き起こされるが、C‐反応性タンパク質のような他の因子によっても引き起こされる。レクチン経路は、異物の表面上にある糖質構造(例えばマンナン)へのマンノース結合レクチン(mannose binding lectin; MBL)又はフィコリンの結合によって引き起こされる。第二経路は、主に、細菌上に見られるような繰り返し構造の多糖類及び他の高分子構造によって活性化される。
古典経路は、C1q(C1qrs複合体の一部)の球状ドメインがIgMのFc断片又はIgGの多重分子に結合する際に活性化される。カルシウムイオン存在下では、この結合は二つのC1r分子の自己触媒的な活性化を引き起こす。該C1r分子は二つのC1s分子を活性化する。C1sはC4bからC4aを切断するセリンプロテアーゼである。C4bは即座に近隣のタンパク質又は標的細胞の表面上の糖質に結合し、次いでマグネシウムイオン存在下でC2に結合する。C1sはこの複合体からC2bを切断し、古典経路C3転換酵素C4b2aを産生する。C3転換酵素は何百ものC3分子をC3a及びC3bへと切断する。C3b分子のうちのいくつかは再びC4b2aに結合し、古典経路C5転換酵素C4b2a3bを産生する。C5転換酵素はC5をC5a及びC5bへと切断する。C5bは細胞の表面に結合し、膜傷害性複合体(membrane attack complex; MAC)の形成を惹起する。
「レクチン経路」は古典経路に類似しているが、細菌表面上の末端マンノース群に結合するカルシウム依存性レクチンMBLによって惹起される点で異なっている。MBLは、同一のポリペプチド鎖から成るサブユニットのオリゴマーであって、それぞれのポリペプチド鎖はシステインに富むドメイン、コラーゲン様ドメイン、ネックドメイン、及び糖質認識ドメインを含んでいる。定義上のMBLは様々な大きさのこれらのオリゴマーを包含する。MBLはC1qと類似している。MBLが、例えばマンノース又はN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)のような標的に結合すると、その相互作用によりMASP1, MASP2, 及びMASP3 (mannose binding lectin-associated serine protease)として知られる、C1r及びC1sと類似した3つのセリンプロテアーゼの活性化が誘導される。これらのうち、MASP2が、C4のC4b及びC4aへの切断並びにC2のC2a及びC2bへの切断の原因となっている。C2a及びC4bは次いで結合し古典経路C3転換酵素を形成する。この段階から先は、レクチン経路は古典経路と同一である。
第二補体経路は、古典経路及びレクチン経路によって生産されたC3bを活用する増幅ループを含む。古典経路C3転換酵素によって生産されたC3b分子の一部は第二経路中に流入する。表面結合型のC3bはB因子に結合してC3bBを産生し、D因子の基質となる。D因子は、C3bBbを標的細胞の表面に結合させた状態のままでBa断片を切断するセリンエステラーゼである。C3bBbはプロパージン(P)によって複合体C3bBbPを形成して安定化され、これが第二経路C3転換酵素として働く。このC3転換酵素は、増幅ループに加わって多数のC3分子を切断し、標的細胞上にC3b分子の沈着をもたらす。これらのC3b分子の一部が再度C3bBbに結合して、第二経路C5転換酵素C3bBb3bを形成する。C5転換酵素はC5をC5a及びC5bへと切断する。C5bは細胞の表面に結合し、膜傷害性複合体の形成を惹起する。
古典、レクチン、及び第二補体経路は全て、C5転換酵素を形成して終了する。C5転換酵素は、細胞溶解の経路を経た膜傷害性複合体(C5b6789n)の構築をもたらす。構成要素C5〜C8は互いに直列に連結し、標的細胞の脂質二重層中への1個以上のC9モノマーの挿入を促進する。この挿入により、孔の形成が引き起こされカルシウムの流入が生じ、続いて有核細胞の細胞活性化又は細胞溶解、及び傷害が十分に強ければ細胞死が起こる。
補体の活性化は、局所又は全身性の炎症に関連する種々の疾病の病因に関わる要因であると考えられている。Kyriakidesらは、補体第二経路が酸吸入傷害において重要な役割を果たしていることを示した(Membrane attack complex of complement and neutrophils mediate the injury of acid aspiration. J. Appl. Physiol. 87(6): 2357-2361, 1999 及び Sialyl LewisX hybridized complement receptor type 1 moderates acid aspiration injury. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 281: L1494L1499, 2001)。米国特許第6,492,403号では、フラニル及びチエニルアミジン及びグアニジンを用いた、補体カスケードの古典経路により媒介される急性又は慢性疾患の症状を治療するための方法が開示されている。米国特許第6,458,360号では、例えば補体レセプター部位のような標的分子に対する認識部位を含み、免疫グロブリン鎖のN末端に結合するポリペプチドを包含する可溶性組換え融合タンパク質であって、哺乳動物において補体の活性化又は補体に依存した細胞の活性化を阻害するのに有用なタンパク質が開示されている。WO0112212では、レクチン補体経路の阻害剤及びそれらの利用が開示されている。WO0035483では、レクチン補体経路に関連する補体の活性化を制御するための方法及び産物が開示されている。
虚血及び再灌流
虚血再灌流とは、身体組織への血流の中断及びそれに続いてしばしば急激に起こる組織への血流の回復である。虚血後の血流の回復は機能的な組織を保全するために不可欠ではあるが、再灌流自体は組織に有害であることが知られている。虚血と再灌流の両方が組織壊死の重要な要因であることが知られている。
虚血再灌流障害に伴う組織損傷の発生においては、いくつかのメカニズムが原因となる役割を担っているようである。ある程度まで、これらのメカニズムの大部分は好中球が関与する。虚血組織中への好中球の浸潤が、虚血再灌流障害に伴う組織損傷の原因の大部分を占める。好中球は、酸素分子をスーパーオキシドアニオンに還元するNADPHオキシダーゼを含む。再灌流により開始される好中球の蓄積は、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、活性酸素捕捉剤、又は鉄キレート剤で前処理することにより顕著に低下する。このことは、活性酸素代謝が虚血後組織中への好中球の補充においてある役割を担っていること、並びに、上皮及び内皮細胞中でキサンチンオキシダーゼによって生成されるオキシダントが、後に好中球を誘引及び活性化する炎症誘発性因子の生産と放出を惹起することを示唆している。さらに、好中球膜糖タンパク質CD18は、微小血管内皮への好中球の付着を媒介する際に重要な役割を果たすということが示されている。CD18レセプターに対して作製されたモノクローナル抗体は、毛細血管内皮への好中球の走化性、凝集、及び付着を阻害する。このレセプター特異的抗体を使用することにより、放射線、フィルター、又は抗好中球抗体によって誘導される好中球減少症と同じくらい効率的に再灌流傷害が低下する。従って、微小血管内皮への好中球の付着は、好中球により媒介される再灌流傷害及び虚血再灌流障害に伴う組織損傷において不可欠なステップであると考えられる。
胸腹部大動脈瘤及びその修復
胸部及び腹部大動脈に関わる動脈瘤は、胸腹部大動脈瘤(TAAA)と呼ばれる。歴史的に見ると、TAAAを経験し及びその後にTAAA修復を受けた患者は、罹患率及び死亡率、特に対麻痺のリスクが相対的に高くなっている。対麻痺のリスクは組織損傷の度合い及び動脈瘤の原因に依存して40パーセントも高くなる。対麻痺及びTAAA修復に伴う組織損傷の結果起こる他の神経性合併症は、しばしば脊髄の虚血(酸素欠乏及び灌流の低下による老廃物の排除不足)及び全身性の炎症に起因している。
TAAA修復に伴う組織損傷を予防又は治療するための公知の方法は、TAAA修復に伴う罹患及び死亡を減少させる慎重な手術法及び麻酔法に基づいている(Thoracoabdominal Aortic Aneurysm Repair in High Risk Cardiac Patients: A Modified Grafting Technique. Angiology, 7:118-122, 1998)。しかしながらこれらの方法は、多臓器不全並びに罹患及び死亡を引き起こす他の問題により、技術上効果のある方法でさえも依然として複雑であり得るため、成功例は限られている。従って、虚血再灌流障害及びTAAA修復に伴う組織損傷を予防又は治療するための新規な方法及び組成物が必要とされている。
従って、本発明の目的は、虚血再灌流障害に伴う組織損傷を予防又は治療するための方法及び組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、TAAA修復に伴う組織損傷を予防又は治療するための方法及び組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、虚血再灌流損傷及びTAAA修復に伴う組織損傷によって引き起こされる罹患と死亡を減少させることである。
これら及び他の目的は、虚血再灌流損傷及びTAAA修復に伴う組織損傷を予防又は治療するための新規な方法を用いて達成される。該方法は、組織損傷を予防又は治療し得る量の1以上の補体阻害剤を、虚血再灌流障害又はTAAA修復に伴う組織損傷を受けるおそれのある又は現に受けている患者に投与することを含む。補体阻害剤は公知のいずれの補体阻害剤であってもよいが、好ましくはレクチン経路の補体タンパク質に結合しこれを阻害する、抗体又はそれと機能的に均等な断片である。該抗体又は抗体断片は、例えばC3a, C5a, MBL MASP, 及び膜傷害性複合体(MAC)のような補体経路に関与するタンパク質の作用を阻害し、患者において虚血再灌流障害又はTAAA修復に続いて起こる虚血再灌流障害への応答で補体が活性化される際に、組織及び細胞への損傷を阻害又は防止する。
本発明の他のさらなる目的、特徴および利点が、当業者に明らかになるであろう。
定義
「患者」という語は、TAAA修復に伴う組織損傷を受けるおそれのある又は現に受けているヒト又は他の動物を意味し、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ウマ、トリ、及びヒツジを包含する。好ましくは、患者はヒトである。
「非経口的に」という語は、静脈内、皮下、筋肉内又は腹腔内注射による投与を意味する。
「組み合わせて(in conjunction)」という語は、異なる補体阻害剤を患者に対し(1)同じ又は異なる投与経路を用いて同じ又は異なる頻度で別々に、又は(2)薬剤的に許容可能な組成物に含めて一緒に投与することを意味する。
「機能的に均等な断片」という語は、完全抗体と実質的に同じようにして補体系の構成要素と結合し補体の活性化を阻害する抗体断片を意味する。特に断りが無い限り、ここで記載される抗体は全て、それらと機能的に均等な断片を包含するものとする。
ここに記載した特定の方法論、プロトコール及び試薬は、変わり得るので、本発明は、これらに限定されるものではない。さらに、ここに記載した用語は、特定の具体例を記述するためにのみ用いており、本発明の範囲を限定することを意図しない。ここ及び添付の請求の範囲において用いる単数形の冠詞は、文脈から明らかにそうではない場合を除き、複数をも意味する。例えば、「1つの抗体」は、複数のこのような抗体をも包含する。
他に定義されている場合を除き、ここで用いる全ての技術及び科学用語並びに頭文字語は、当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の実施において、ここに記載したのと類似する又は均等なあらゆる方法及び材料を用いることができるが、ここでは好ましい方法、装置及び材料を記載する。
ここに記載する全ての特許及び文献は、本発明に用いることができるかもしれない、そこに報告された化合物及び方法論を記載し及び開示する目的で、法により許される範囲内でここに組み入れられたものとする。もっとも、これらの記述は、本発明が先行発明よりも前に発明されたものではないとの自認であると解釈されるものではない。
本発明
1つの局面において、本発明は虚血再灌流障害に伴う組織損傷を予防及び治療するための方法を提供する。該方法は、組織損傷を予防又は治療し得る量の1以上の補体阻害剤を、虚血再灌流障害に伴う組織損傷を受けるおそれのある又は現に受けている患者に投与することを含む。本発明は、免疫系の補体成分が虚血再灌流障害の間の組織損傷の発達において決定的な役割を果たしているという知見、並びに、補体の活性化を阻害または防止するための方法及び組成物をそのような組織損傷の予防又は治療に用いることができるという知見に基づいている。該方法及び組成物は、虚血再灌流障害に伴う組織損傷に感受性又は該組織損傷を受けている患者の罹患及び死亡を減少させるのに有用である。
他の局面において、本発明は胸腹部大動脈瘤(TAAA)修復に伴う組織損傷を予防及び治療するための方法を提供する。該方法は、組織損傷を予防又は治療し得る量の1以上の補体阻害剤を、TAAA修復に伴う組織損傷を受けるおそれのある又は現に受けている患者に投与することを含む。本発明は、免疫系の補体成分がTAAA修復の間の組織損傷の進行において決定的な役割を果たしているという知見、並びに、補体の活性化を阻害または防止するための方法及び組成物をそのような組織損傷の予防又は治療に用いることができるという知見に基づいている。該方法及び組成物は、TAAA修復に伴う組織損傷に感受性又は該組織損傷を受けている患者の罹患及び死亡を減少させるのに有用である。
本発明の補体阻害剤は、患者において補体の活性化を阻害することが知られているいずれかの分子である。一般に、これらの阻害剤は小さい有機分子、ペプチド、タンパク質、抗体、抗体断片、又は補体阻害剤として機能する他の分子である。有用な補体阻害剤としては、コンプスタチン(compstatin)及びその機能的な類似物(C3を阻害)、C1阻害剤(C1r及びC1sに共有結合的に結合)、sCR1及びその類似物(全てのC3転換酵素を解離)、抗C5抗体(C5の活性化を妨害)、抗C5a及び抗C5aレセプター抗体並びに低分子薬剤(C5aシグナル伝達経路を阻害)、抗C3a及び抗C3aレセプター抗体並びに低分子薬剤(C3aシグナル伝達経路を阻害)、抗C6, 7, 8, 又は9抗体(MACの形成又は機能を阻害)、抗プロパージン抗体(第二経路のC3及びC5転換酵素を不安定化)、並びに融合タンパク質である細胞膜補因子タンパク質(Membrane Cofactor Protein)(I因子に媒介されるC3b及びC4bの切断のための補因子)及び崩壊促進因子(Decay Accelerating Factor; DAF)(全てのC3転換酵素の崩壊を促進)が包含される。他の有用な阻害剤としては、クラスタリン(clusterin)(C1を阻害)、CD59(膜傷害性複合体阻害剤)、C4bp(古典経路C3転換酵素(C4b2a)の崩壊を促進)、H因子(第二経路C3転換酵素(C3bBb)の崩壊を促進)、I因子(C4b及びC3bをタンパク分解的に切断し不活化(補因子を必要とする))、カルボキシペプチダーゼN (C3a、C5aから末端のアルギニン残基を除去)、ビトロネクチン(Sタンパク質) (C5b-7複合体に結合し膜への挿入を防止)、SP-40(膜傷害性複合体の形成を変調)、CD59(バイスタンダー細胞の溶解を阻害)、及びホモロガス制限因子(Homologous Restriction Factor; HRF)(巻き添え溶解、C8及びC9の相互作用を阻害)が包含される。
好ましくは、補体阻害剤は、例えばC1、C3、C5、D因子のような補体カスケード中で機能する1以上のタンパク質又はこれらの構成成分及びプロテアーゼ切断産物に結合して、それらを阻害する抗体又は機能的に均等な断片である。該抗体は、補体カスケード中の選択された補体タンパク質に結合し、TAAA修復の間の補体の活性化を阻害又は防止する。1つの具体例において、該補体阻害剤は、C5に結合し補体カスケードにおけるそれの作用を阻害する抗C5抗体又はそれと機能的に均等な断片である。該抗体は、C5a又はC5bタンパク質に結合し補体カスケードにおけるそれらの作用を阻害する抗C5a又は抗C5b抗体でもあり得る。同様に、補体阻害剤は、D因子に結合し補体カスケードにおけるその作用を阻害する抗D因子抗体又はそれと機能的に均等な断片である。抗体はポリクローナル又はモノクローナル抗体であり得るが、好ましくはモノクローナル抗体である。
好ましい具体例では、補体阻害剤はレクチン補体経路を阻害する化合物である。このような阻害剤としては、抗MBL抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP2抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP3抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MBL複合体抗体(MBL, MASP1, MASP2, 及びMASP3によって形成される複合体に結合する抗体)及びそれと機能的に均等な断片、マンナン結合レクチンレセプターアンタゴニスト(例えばMBLに結合するマメ科植物から誘導されたレクチン)、ケラチン結合分子、抗ケラチン抗体及びそれと機能的に均等な断片、MASP結合性ペプチド、MASP2結合性ペプチド、並びにMASP3結合性ペプチドが包含される。
1つの具体例では、虚血再灌流に伴う組織損傷、特にTAAA修復に伴う虚血再灌流に伴う組織損傷を予防又は治療するために、2以上の補体阻害剤は組み合わせて(in conjunction)患者に投与される。例えば、そのような組織損傷を予防又は治療するために、抗MBL抗体は他の補体阻害剤と組み合わせて投与される。抗MBL抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP1抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP2抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP3抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MBL複合体抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗D因子抗体及びそれと機能的に均等な断片、並びに抗プロパージン抗体及びそれと機能的に均等な断片の種々の組み合わせが好ましい。
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、一価抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、二重特異的抗体、及びヘテロ結合抗体を包含する抗体の生産方法は、当業者に周知である。
ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体は、免疫原を単独で又はアジュバントと共に注射することにより哺乳動物中で生産することができる。典型的には、1回又は2回以上の皮下又は腹腔内注射により哺乳動物に免疫原を注射する。免疫原は、目的のポリペプチド、又は、該ポリペプチドと、免疫された哺乳動物中で免疫原性を有することが知られている他のポリペプチドとを含む融合タンパク質を包含し得る。免疫原はまた、組換え受容体を発現する、又は該受容体遺伝子を含むDNA発現ベクターを発現する細胞を包含し得る。このような免疫原性タンパク質の例として、キーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン及びダイズトリプシンインヒビターが挙げられるが、これらに限定されるものではない。アジュバントの例としては、フロイントの完全アジュバント及びMPL-TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロースジコリノミコレート)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。免疫化プロトコールは、過度な実験なしに当業者によって選択され得る。
モノクローナル抗体
モノクローナル抗体は、Kohler and Milstein, Nature, 256:495 (1975)により記載されたような、ハイブリドーマ法を用いて生産することができる。ハイブリドーマ法では、マウス、ハムスター又は他の適当な宿主哺乳動物を免疫原で免疫し、該免疫原に特異的に結合する抗体を生産する又は生産し得るリンパ球を誘起する。あるいは、リンパ球をインビトロで免疫することもできる。免疫原は、典型的には、目的のポリペプチド又は該ポリペプチドを含む融合タンパク質を包含する。一般的に、ヒト由来の細胞が望まれるならば、末梢血リンパ球(「PBLs」)細胞が用いられる。非ヒト哺乳動物由来の細胞が望まれるならば、脾細胞又はリンパ節細胞が用いられる。リンパ球は次いで、例えばポリエチレングリコールのような適切な融合剤を用いて不死化セルラインと融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, pp 59-103 (Academic Press, 1986))。不死化セルラインは、通常、癌化された哺乳動物細胞であり、特に齧歯動物、ウシ又はヒトのミエローマ細胞である。通常、ラット又はマウスのミエローマセルラインが用いられる。ハイブリドーマ細胞は、融合しなかった不死化細胞の増殖又は生存を阻害する1つ又は2つ以上の物質を好ましく含む、適切な培地中で培養することができる。例えば、親細胞がヒポキサンチングアニンホスフォリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)酵素を欠損している場合には、ハイブリドーマのための培地は典型的にはヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジンを含む(HAT培地)であろう。HAT培地は、HGPRT欠損細胞の増殖を防止する。
好ましい不死化セルラインは、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による抗体の安定した高レベルの発現を支持し、HAT培地のような培地に感受性であるものである。より好ましい不死化セルラインは、米国カリフォルニア州San DiegoのSalk Institute Cell Distribution Centerから入手可能なMOPC-21及びMPC-11マウス腫瘍から誘導されたような、並びに米国メリーランド州RockvilleのAmerican Type Culture Collectionから入手可能なSP2/0又はX63-Ag8-653細胞から誘導されたようなマウスミエローマラインである。ヒトミエローマ及びマウス―ヒトへテロミエローマセルラインもまた、ヒトモノクローナル抗体の生産に用いられることが記載されている(Kozbor, J. Immunol. 133:3001 (1984); Brodeur et al., Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp. 51-63 (Marcel Dekker, Inc., New York, 1987))。マウスミエローマセルラインNS0もまた用いることができる(European Collection of Cell Cultures, Salisbury, Wiltshire UK)。ヒトミエローマ及びマウス―ヒトへテロミエローマセルラインは、この分野において周知であり、これらもまたヒトモノクローナル抗体を生産するために用いることができる。
次に、ハイブリドーマ細胞の培養に用いた培地中に目的のポリペプチドに対するモノクローナル抗体が存在するかどうかを分析する。好ましくは、ハイブリドーマ細胞により生産されるモノクローナル抗体の結合特異性を、免疫沈降又は、例えば放射性免疫測定(RIA)若しくは酵素結合免疫吸着測定(ELISA)のようなインビトロの結合分析により測定する。このような技術及び分析はこの分野において公知である。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、Munson and Pollard, Anal. Biochem., 107:220 (1980)のScatchard解析により測定することができる。
所望のハイブリドーマ細胞を同定した後、該クローンを限界希釈法によりサブクローンし、常法により増殖させることができる。この目的のための好ましい培地は、ダルベッコの修飾イーグル培地及びRPMI-1640培地を包含する。あるいは、ハイブリドーマ細胞は、哺乳動物中で腹水として生体内で増殖させることもできる。
サブクローンから分泌されたモノクローナル抗体は、プロテインA―セファロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析又はアフィニティークロマトグラフィーのような従来の免疫グロブリンの精製方法により培地又は腹水から単離又は精製される。
モノクローナル抗体はまた、例えば米国特許第4,816,567に記載されたような組換えDNA法によっても生産できる。本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、例えば、マウス抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを用いることにより、従来法を用いて容易に単離及び配列決定できる(Innis M. et al. In "PCR Protocols. A Guide to Methods and Applications", Academic, San Diego, CA (1990), Sanger, F.S, et al. Proc. Nat. Acad. Sci. 74:5463-5467 (1977))。ここに記載するハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源として役立つ。DNAは、一旦単離すると、発現ベクター中に入れることができる。次いで該ベクターを、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又は免疫グロブリンタンパク質を生産しないミエローマ細胞のような宿主細胞中にトランスフェクトする。組換え宿主細胞は、所望のモノクローナル抗体を生産するために用いられる。該DNAはまた、例えば、相同マウス配列に代えてヒトの重鎖及び軽鎖の定常領域をコードする配列で置換し、又は非免疫グロブリンポリペプチドをコードする配列の全て又は一部に該免疫グロブリンコード配列を共有結合することにより修飾することもできる。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、抗体の定常領域を置換し、又は抗体の1つの抗原結合部位の可変領域を置換することで、キメラ二価抗体を創製することができる。
一価抗体は、免疫グロブリンの軽鎖および修飾重鎖の組換え発現により生産することができる。重鎖は一般的に、Fc領域内のいかなる部位においても切断して重鎖の架橋を防止することができる。あるいは、関連するシステイン残基を他のアミノ酸残基に置換するか又は削除することにより、架橋を防止することができる。同様に、インビトロ法を用いて一価抗体を生産することができる。公知の方法を用いた抗体の消化により、抗体断片、好ましくはFab断片の生産をすることができる。
抗体及び抗体断片は、McCafferty, et al., Nature 348:552-554 (1990)に記載された技術を用いて生成された抗体ファージライブラリーを用いて生産することができる。Clackson, et al., Nature 352:624-628 (1991)およびMarks, et al., J. Mol. Biol. 222:581-597 (1991)にはそれぞれ、ファージライブラリーを用いたマウス及びヒトの抗体の単離が記載されている。続いて発行された文献には、チェインシャフリングによる高親和性(nM範囲)ヒト抗体の生産(Marks, et al., Bio/Technology 10:779-783 (1992))、並びに極めて大きなファージライブラリーを構築するための戦略としてのコンビナトリアル感染及びインビボ組換え(Waterhouse, et al., Nuc. Acids. Res. 21:2265-2266 (1993))が記載されている。このように、これらの技術は、モノクローナル抗体単離のための伝統的なモノクローナル抗体ハイブリドーマ技術の実行可能な代替技術である。また、DNAは、例えば、相同なマウス配列をヒトの重鎖及び軽鎖定常領域をコードする配列で置換することにより、又は、非免疫グロブリンポリペプチドをコードする配列の全て又は一部を免疫グロブリンコード配列に共有結合することにより、修飾することができる。典型的には、このような非免疫グロブリンポリペプチドは、抗体の定常領域と置換し、又は、抗体の1つの抗原結合部位の可変領域と置換して、ある抗原に対する特異性を有する1つの抗原結合部位と、異なる抗原に対する特異性を有するもう1つの抗原結合部位とを含む、キメラ二価抗体を創製することができる。
抗体はまた、化学的融合ではなく電気的融合によってハイブリドーマを形成して生産することもできる。この技術は良く確立されている。融合の代わりに、例えば、エプシュタインバールウイルス又は癌遺伝子を用いてB細胞を癌化して不死にすることもできる「Continuously Proliferating Human Cell Lines Synthesizing Antibody of Predetermined Specificity」、 Zurawaki, V. R. et al、in「Monoclonal Antibodies」Kennett R. H. et al監修、Plenum Press, N.Y. 1980, pp 19-33。
ヒト化抗体
ヒト化抗体は、Winter in Jones et al., Nature,321:522-525 (1986); Riechmann et al., Nature, 332:323-327 (1988); 及び Verhoeyen et al., Science, 239:1 534-1536 (1988)に記載された方法を用いて生産することができる。ヒト化は、齧歯動物のCDR又はCDR配列をヒト抗体の相当する配列で置換することにより達成される。一般的に、ヒト化抗体は、非ヒト由来の1又は2以上のアミノ酸を有する。このような「ヒト化」抗体は、無損のヒト可変領域よりも実質的に少ない部分が非ヒト種由来の相当する配列で置換されているキメラ抗体である。実際には、ヒト化抗体は典型的には、いくつかのCDR残基及び場合によってはいくつかのFR残基が齧歯動物抗体中の類似の部位由来の残基で置換されたヒト抗体である。非ヒト(例えばマウス又はウシ)抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含む、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、又は、Fv、Fab、Fab'、F(ab')2若しくは抗体の他の抗原結合サブ配列のような免疫グロブリン断片である。ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)由来の残基が、所望の特異性、親和性及び能力を有するマウス、ラット又はウサギのような非ヒト種のCDR(ドナー抗体)由来の残基と置換しているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を包含する。時々、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基は、相当する非ヒト残基によって置換される。ヒト化抗体はまた、レシピエント抗体にも移入されたCDR又はフレームワーク配列にも見出されない残基を含む。一般に、ヒト化抗体は、全て又は実質的に全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に相当し、全て又は実質的に全てのFR領域がヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のFR領域である、実質的に全ての少なくとも1つ及び典型的には2つの可変領域を含む。ヒト化抗体は、最適には、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンFc領域の少なくとも一部を含む。
ヒト抗体
ヒト抗体は、例えば、Hoogenboom and Winter, J. Mol. Biol., 227:381 (1991)及びMarks et at., J. Mol. Biol., 222:581 (1991)に記載されたファージディスプレイライブラリーのような、この分野において公知である種々の技術を用いて生産することができる。ヒトモノクローナル抗体は、Cole et al., Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, p. 77 (1985)及びBoemer et al., J. Immunol., 147(1):86-95 (1991)に記載された技術を用いて生産することができる。あるいは、免疫すると内在の免疫グロブリンを生産することなく全範囲のヒト抗体を生産することができる、マウスのようなトランスジェニック動物が利用可能である。このようなトランスジェニックマウスは、カリフォルニア州FremontのAbgenix, Inc.及びニュージャージー州Annandaleの Medarex, Inc.,から入手可能である。キメラ及び生殖系列突然変異マウスの抗体重鎖結合部(joining)領域(JH)遺伝子をホモ接合欠損させることにより、内在の抗体の生産が完全に阻害される。このような生殖系列突然変異マウスにヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子アレイを導入すると、抗原への曝露でヒト抗体を生産するようになる。例えば、Jakobovits et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:2551 (1993); Jakobovits et al., Nature 362:255-258 (1993); Bruggermann et al., Year in Immunol. 7:33 (1993); 及びDuchosal et al. Nature 355:258 (1992)を参照のこと。ヒト抗体はまた、ファージディスプレイライブラリーから誘導することもできる(Hoogenboom et al., J. Mol. Biol. 227:381 (1991); Marks et al., J. Mol. Biol. 222:581-597 (1991); Vaughan, et al., Nature Biotech 14:309 (1996))。
二重特異的抗体
二重特異的抗体は、2個の重鎖が異なる特異性を有する、2個の免疫グロブリン重鎖/軽鎖ペアの組換え共発現により生産することができる。二重特異的抗体は、少なくとも2個の異なる抗原に対する結合特異性を有する、モノクローナルの、好ましくはヒト又はヒト化抗体である。本発明では、結合特異性のうちの1つはNFAT活性化受容体に対するものであり、もう1つはいずれの抗原に対するものでもよく、好ましくは細胞表面受容体又は受容体サブユニットに対するものである。免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖はランダムに組み合わされるので、これらのハイブリドーマは可能な10種類の異なる抗体の混合物を生産する。しかしながら、これらの抗体のうちのただ1つが正しい二重特異的構造を有する。正しい分子の回収及び精製は、通常はアフィニティークロマトグラフィーにより達成される。
所望の結合特異性(抗体―抗原結合部位)を有する抗体可変領域は、免疫グロブリン定常領域配列に融合することができる。好ましくは融合は、ヒンジ、CH2及びCH3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖定常領域とともに行なわれる。好ましくは、軽鎖の結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常領域(CH1)が、融合の少なくとも1つに存在する。免疫グロブリン重鎖、及び、所望であれば免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAを、別々の発現ベクターに挿入し、適切な宿主生物に共トランスフェクトする。二重特異的抗体を生産するのに適した技術は、Suresh et al., Methods in Enzymology, 121:210 (1986)に記載されている。
ヘテロ結合抗体
ヘテロ結合抗体は、例えば、1つの抗体のアミノ基を他の抗体又は他のペプチドのチオール基と結合させるような、公知のタンパク質融合法を用いて生産できる。必要であれば、チオール基は公知の方法により導入することができる。例えば、抗体又は抗体断片とポリペプチド毒素とを含む免疫毒素は、ジスルフィド交換反応を用いるか又はチオエーテル結合を形成することにより生産できる。この目的のために適切な試薬の例として、イミノチオレート及びメチル‐4‐メルカプトブチルイミデートが挙げられる。このような抗体は、免疫の補体成分を標的とするため及びTAAA修復に伴う組織損傷を予防又は治療するために利用することができる。
補体阻害剤は、標的細胞に該阻害剤を到達させ得るいずれの手段を用いても患者に投与することができる。これらの方法は、経口、直腸内、経鼻、局所、皮内、皮下、静脈内、筋肉内及び内部非経口投与を包含するが、これらに限定されない。投与のタイミングと用量のレベルを正確に制御することができるので、注射が好ましい。好ましくは補体阻害剤は非経口的に投与される。非経口投与のために、補体阻害剤は、例えば、生理学的に許容される非経口的賦形剤に結合させた溶液、懸濁液、エマルジョン又は凍結乾燥粉末として製剤され得る。そのような賦形剤の例としては、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、及び5%ヒト血清アルブミンがある。リポソーム及び固定油のような非水性の賦形剤を用いてもよい。賦形剤又は凍結乾燥粉末は、等張性(例えば塩化ナトリウム、マンニトール)及び化学的安定性(例えば緩衝液及び防腐剤)を維持する添加剤を包含し得る。該製剤は従来用いられる技術によって滅菌される。例えば、注射で投与するのに適した非経口の組成物は、1.5重量%の活性成分を0.9%塩化ナトリウム溶液中に溶解することによって調製される。
補体阻害剤は、虚血再灌流障害又はTAAA修復の直前及び/又は直後、例えば虚血再灌流障害又はTAAA修復の前24時間以内及び/又は後72時間以内に投与してもよく、あるいは、例えば30日間毎日、一日おきに60日間、又は週1回のように、処置頻度及び用量を最小限としながら処置の効果が最大限となるように組んだ所定の投与計画に従って、患者がTAAA修復又は傷害から回復している間に定期的に投与してもよい。
他の局面において、本発明は、虚血再灌流障害又はTAAA修復に伴う組織損傷を予防及び治療するのに有用な組成物であって、1以上の補体阻害剤及び1以上の薬理学的に許容されるアジュバント、担体、賦形剤、及び/又は希釈剤を包含する組成物を提供する。医薬組成物を作製するための許容されるアジュバント、担体、賦形剤、及び/又は希釈剤は、例えばHoover, John E., Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975にあるように、当業者に周知である。薬剤成形についての他の考察はLiberman, H. A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980中に見出すことができる。最も好ましくは、該阻害剤は、用量の調製及び投与を容易にし得る組成物を形成するために薬理学的に許容される担体と混合される。不揮発性の発熱物質を含まない水、滅菌水、及び静菌水から調製され、少なくとも0.025Mの緩衝塩、例えばリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどを含む水性賦形剤もまた注射可能な補体阻害剤溶液を形成するのに適している。これらの緩衝液に加えて、数種の他の水性賦形剤を使用することができる。これらは、塩化ナトリウム、リンゲル液、デキストロース、デキストロースと塩化ナトリウム、及び乳酸加リンゲル液のような、滅菌可能な等張性の注射組成物を包含する。メタノール、エタノールまたはプロピレングリコールのような水溶性の溶媒を加えることにより、一般にこれらの賦形剤中での該阻害剤の可溶性及び安定性が増大する。綿実油、ゴマ油、又は落花生油のような非水性賦形剤及びミリスチン酸イソプロピルのようなエステルもまた、該賦形剤のための懸濁溶媒系として用いることができる。加えて、抗菌性保存剤、酸化防止剤、キレート化剤および緩衝剤を包含する、該組成物の安定性、無菌性及び等張性を高める種々の添加剤を加えることができる。しかしながら、使用するいかなる賦形剤、希釈剤又は添加剤も、生体適合性並びに本発明の阻害剤との適合性を有していなければならない。

1つの具体例では、第一の補体阻害剤を包含する組成物は、抗MBL抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP2抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP3抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MBL複合体抗体及びそれと機能的に均等な断片からなる群より選ばれ、第二の抗体は第一の抗体とは異なる抗体であって、抗MBL抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP2抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP3抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MBL複合体抗体及びそれと機能的に均等な断片、並びに他の補体阻害剤からなる群より選ばれる抗体である。抗MBL抗体及び1以上の異なる補体阻害剤を含む請求項30記載の組成物。
補体阻害剤が抗体又は抗体断片である場合、製剤は例えば米国特許出願第20020136719号に記載されているような固形の抗体製剤、米国特許第6,267,958号に記載されているような再生凍結乾燥製剤、又は米国特許第6,171,586号に記載されているような水性製剤のような、患者に抗体を投与するのに適したいずれかの公知の剤形である。
患者に投与される補体阻害剤の総量又は用量は、患者の型、患者の年齢、患者の大きさ、阻害剤の型、処置頻度、投与目的(治療か予防か)、及び組織損傷の重症度に応じて異なる。一般的に、補体阻害剤は体重1キログラム当り約2〜50ミリグラム(mg/kg)、好ましくは5〜30mg/kgの用量で患者に投与される。補体阻害剤は1用量で投与してもよく、又は投与の回数を増やすことができるように低用量に分割してもよい。補体阻害剤はTAAA修復に伴う組織損傷に対抗するため、単独で又は組み合わせて(in conjunction)投与することができる。
本発明を、以下の好ましい具体例によりさらに例示する。もっとも、これらの実施例は、単に例示のために記載するものであり、他に断りがない限り本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
試験の設計及び患者
18歳以上の胸腹部大動脈瘤修復(TAAA)患者であって、第六肋間腔から腎動脈下部まで、又は横隔膜から腎動脈下部までそれぞれ伸展した(Crawford extent III及びIV; Coselli JS, LeMarie SA. Surgical techniques: thoracoabdominal aorta. Cardiol Clin North Amer 1999; 4:751-765) TAAAと診断され、手術による修復を受けた患者19名を試験した。これらの患者は人工心肺を必要とせず、体外装置により引き起こされる炎症反応は排除された。腹部大動脈瘤または動脈硬化症の患者であって、従来の開腹術を受けた患者(n=5)又は下行大動脈中に血管内ステントグラフトの植込みを受けた患者(n=6)をコントロールとして含めた。前者の群では内臓の虚血は下腸間膜動脈によって血液供給される領域内に限って認められ、他方で後者では内臓の虚血は認められなかった。除外基準は次の通り:人工呼吸器による支持を必要とする呼吸不全、血液透析を必要とする腎不全、ショック又は重篤な低血圧。さらに、補体の上昇を引き起こすことが知られている肝炎及びHIV、近年中の若しくは進行中の全身的な細菌、ウイルス及び寄生虫感染、狼瘡の病歴、慢性関節リウマチ又は他の疾患を本調査から除外した。胸腹部大動脈瘤修復を受けた患者19名(TAAA)、下行大動脈中に血管内ステント移植を受けた患者6名(ステント)、及び腹部大動脈瘤開放手術を受けた患者5名(腹部)についての術前の患者個体群統計データを表1に示す。手術の間、動脈圧、心拍数、中心静脈圧、体温、尿量及び血液ガスを包含する、慣例的な血液透析及び呼吸のパラメーターを記録した。手術時間、クランプ時間、腎臓、内臓及び下肢の虚血時間、失血、輸血に関する臨床情報、並びに術後合併症及び臨床成果を記録した。腎臓:クレアチニン及び血中尿素窒素。肺:PaO2/FiO2比、PEEP値、毎日の胸部X線の評価、機械的換気の継続期間、再挿管。肝臓:全ビリルビン、LD, ALT, 及びAST。心臓:血圧調整心拍数(PAR = HRxCVP/MAP)。血球:白血球数及び血小板数。神経系:グラスゴー昏睡評数及びTAAA修復後の脊髄損傷の徴候。患者は退院するまで多臓器機能及び術後合併症について経過観察された。30日間死亡率が回復した。記録及び完全な経過観察は6ヶ月間にわたって行なった。この調査において被検者はいかなる実験手順又は治療介入も受けず、治験薬物は一切投与されなかった。
Figure 2006518749
外科的処置
従来手法および血管内手法は両方とも一般の麻酔法で行なった。各患者には、大動脈のクランプ又は内部グラフトの挿入の前に5〜10.000 IUのヘパリンナトリウム(Leo-Lovens Keniiske Fabrik, デンマーク国Copenhagen)を静脈内投与した。虚血性の合併症をできる限り少なくするため、軽度の低体温(32℃から34℃、鼻咽頭)も併用した。区肋間(segmental intercostal)及び腰動脈は一般にグラフトに再度取り付けられた(Haemashild Gold, Maedox Medicals Inc, NJ, USA)。脳脊髄液(CSF)ドレナージは用いなかった。流れた血液はHaemonetcs Cellsaver Device (Haemonetics Corp., Mass, 米国)で収集し、ほとんどの場合再注入した。腎及び内臓の動脈には冷却した(4℃) crystalloid Ringer acetate (Fresenius Kabi Norge AS, ノルウェー国オスロ)をベラパミル(Abbott Laboratories, 米国イリノイ州)と合わせて灌流した。体性感覚のモニタリングも運動誘発電位モニタリングも用いなかった。従来通りのAAA修復は、正中線開腹術及び腎動脈下部での大動脈の交差クランピングの利用を包含する標準的な経腹膜到達法によって行なわれた。血管内修復は内部グラフト系(endograft system)(Gore Excluder Thoracic Endoprosthesis, W.L. Gore & Ass, Inc., 米国アリゾナ州)で行なった。簡潔には、このモジュラーシステムは、ePTFEによって内部的に覆われた自己拡張する編組みワイヤー(ニチノール)のステントからなる。内部グラフトの挿入は通常の大腿動脈を経由して行なわれ、該大腿動脈は短時間閉塞され遠位に虚血を生じさせた。
輸血及び血漿の輸液
全てのTAAA患者に対して赤血球濃縮液を与えた:16名の患者には中央値4(範囲2〜9)単位を与え、他方で3名の患者にはそれぞれ17、30及び65単位を与えた。血管内ステントグラフト術を受けた患者の4/6及び開腹手術を受けた患者の1/5が1〜2単位の赤血球を受容した。1名(患者A)を除く全てのTAAA患者に血漿(Octaplas, Octapharma, オーストラリア国ウィーン)を与えた:17名の患者には中央値7(範囲4〜14)単位を与え、他方で1名の患者には62単位を与えた。コントロール群の患者にはOctaplasを与えなかった。
採血
血液サンプルは以下の時点で得た: T1: 手術の直前; T2: 大動脈のクランプの前; T3: 大動脈のクランプ解除の前; T4: 大動脈のクランプ解除の直後; T5: 大動脈のクランプ解除後2時間; T6: 大動脈のクランプ解除後8時間; T7: 術後24時間; 及びT8: 術後72時間。静脈血はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含んだチューブ中に収集し、砕氷上に置いた。直ちに4℃で遠心した後、血漿を回収し、解析まで−70℃で保存した。血清は、抗凝固剤を含まないチューブから血液を室温で2時間放置して凝固させた後に得て、−70℃に保存した。
統計
サンプルサイズが小さく多くの変数が非正規分布するため、データは95%のノンパラメトリックな信頼区間を有する中央値として与えた。0.05以下のp-値を有意とみなした。群間の比較はX2検定(カテゴリ変数)又はクラスカル・ワリスの検定(連続変数)によって行なった。1回以上測定された変数は、適正なモデルフィット(SPSS-PCプログラムパッケージ)を達成する必要がある場合には、最初に対数変換又は階級変換を用いた二元配置の反復測定値分散分析(ANOVA)による解析を行なった。交互作用の項が有意でなかった場合は、T1からの時系的変化の標準的な対比解析を行なった。個々の手術の継続時間が相違し並びに正規形でない変数及び不等な分散の発生が相違するために、二元配置の反復測定値ANOVAは部分的にしか合致しなかった。交互作用の項が有意だった場合は、群間の時間による変化が異なることを示しており、従ってその後の群間の比較はクラスカル・ワリスの検定で行なわれ、群内の時系的変化は反復測定を許容するフリードマンのノンパラメトリックな一元配置分散分析で比較された。全体につきp-値0.05以下の有意性を達成するため及び多重比較を補正するため、対応するANOVAのp-値を下回るようなフリードマンの検定又はクラスカル・ワリスの検定のp-値は妥当ではないとした。集約尺度として、活性化パラメーターに対する時間曲線の下の面積を公知の技術を用いて各々の患者に対して算出した(Altman DG. Practical statistics for medical research. Capman & Hall, 1996)。相関については、スピアマンの順位相関係数を算出した。TAAA患者における補体の活性化と術後合併症との間の関係を調べるため、マン・ホイットニーのU検定を用いて、何らかの術後合併症を経験した患者と良好な回復が認められた患者との間でTCC曲線の下の面積を比較した。
補体解析
マンノース結合レクチン(MBL)抗原及び機能。以下のような二抗体酵素結合免疫吸着アッセイによりMBL濃度を定量した:マウスモノクローナル抗ヒトMBL抗体(HYB-131-01, Antibodyshop, デンマーク国Copenhagen)を捕捉抗体とし、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に1.0μg/mLに溶解し4℃にてオーバーナイトで用いた。スタンダードはMBL-ELISA(Antibodyshop)より得て、15 ng/mLの検出下限が得られた。サンプルは1:50希釈し、一回目の試験で400 ng/mL以下であった場合には1:10希釈にて再測定した。スタンダード及びサンプルは37℃で1時間インキュベートした。マウスビオチン化モノクローナル抗ヒトMBL(HYB131-01, Antibodyshop)を検出抗体として0.2% Tween20を含むPBS中に0.1μg/mLに溶解して用い、37℃で1時間インキュベートした。ストレプトアビジンペルオキシダーゼ及びそれに次いで基質(ABTS+H202)を添加し、410 nmにおける光学濃度を測定した。MBLの機能は、マンナンで被覆したマイクロタイターウェルに古典経路の活性化を阻害するため塩濃度を高めた状態で血清を加え、最終的には外因的に添加したC4の析出を検出することに基づいて測定した(Petersen SV, Thiel S, Jensen L, Steffensen R, Jensenius JC. An assay for the mannan-binding lectin pathway of complement activation. J Immunol Methods 2001; 257(12):107-116)。該アッセイにより、血清サンプル中のMBLの機能及びMBL結合セリンプロテアーゼ(MBL-associated serine protease; MASP)が検出される。
補体活性化産物
下記のアッセイは、科学者が容易に利用できる公知の方法を用いて行なわれた:古典経路由来のC1rs-C1阻害剤複合体(C1rs-C1inh) (Fure H, Nielsen EW, Hack CE, Mollnes TE. A neoepitope-based enzyme immunoassay for quantification of C1-inhibitor in complex with C1r and C1s. Scand J Immunol 1997; 46(6):553-557)、古典経路及びマンノース結合レクチン(MBL)経路を反映するC4bc (Wolbink GJ, Bollen J, Baars JW, Tenberge RJM, Swaak AJG, Paardekooper J, Hack CE. Application of a monoclonal antibody against a neoepitope on activated C4 in an ELISA for the quantification of complement activation via the classical pathway. J Immunol Methods 1993; 163:67-76)、第二経路C3転換酵素C3bBbP(Mollnes TE, Brekke OL, Fung M, Fure H, Christiansen D, Bergseth G, Videm V, Lappegard KT, Kohl J, Lambris JD. Essential role of the C5a receptor in E coli-induced oxidative burst and phagocytosis revealed by a novel lepirudin-based human whole blood model of inflammation. Blood 2002; 100(5):1869-1877)、いずれかの初期経路の活性化を表すC3bc (Garred P, Mollnes TE, Lea T. Quantification in enzyme-linked immunosorbent assay of a C3 neoepitope expressed on activated human complement factor C3. Scand J Immunol 1988; 27:329-335)、終末の経路の完全な活性化を表す可溶性の終末補体複合体(TCC)(Mollnes TE, Lea T, Froland SS, Harboe M. Quantification of the terminal complement complex in human plasma by an enzyme-linked immunosorbent assay based on monoclonal antibodies against a neoantigen of the complex. Scand J Immunol 1985; 22:197-202)。C3bBbP以外の全てのアッセイは、活性化産物に特異的に曝露されネイティブな補体中に包み隠されるネオエピトープを認識するモノクローナル抗体に基づいている。C3bBbPアッセイは、C3に結合されるプロパージン(P)の検出に基づいている。全てのアッセイの結果は任意単位(AU)/mLで与えられ、これは完全に活性化された血清は(C1rs-C1inh及びC4bcについては熱凝集IgG並びにそれ以外のものについてはザイモサン)1000 AU/mL含んでいるとの定義に基づいている。
サイトカイン及びケモカイン
下記の市販キットを用い、製造者の説明書に従って下記のサイトカイン及びケモカインの濃度を測定した:インターロイキン(IL)-1β (DLB50)、腫瘍壊死因子(TNF)-α (DTA50)及びケモカインIL-8 (D8050)は英国OxonのR&D Systemsから、IL-6及びIL-10はオーストリア国ViennaのBender MedSystems, MedSystems Diagnostics GmbHから得た。
好中球活性化
好中球顆粒タンパク質ミエロペルオキシダーゼ(MPO)及びラクトフェリン(LF)を公知の技術を用いてELISAで定量した(Videm V. Heparin in clinical doses primes granulocytes to subsequent activation as measured by myeloperoxidase release. Scand J Immunol 1996; 43(4):385-390及びHegnhoj J, Schaffalitzky de Muckadell OB. An enzyme linked immunosorbent assay for measurements of lactoferrin in duodenal aspirates and other biological fluids. Scand J Clin Lab Invest 1985; 45(6):489-495)。
結果
胸腹部大動脈瘤修復(TAAA)患者19名で行なわれた実験の結果を図1, 2, 3, 4, 5, 及び6に示す。
図1を参照すると、胸腹部大動脈瘤(TAAA)修復を受けた患者3名(A, BおよびC)はマンノース結合レクチン(MBL)欠損であった(MBL濃度は100 ng/mL以下であり、MBL機能は検出不可能)。患者A(図1及びそれ以降の図において点線で示す)は血漿の輸液を受けておらず、一方で患者B及びCはそれぞれ5及び6単位のオクタプラスを受容していた。MBLが充足していたTAAA患者16名のMBL濃度の範囲(176-4188)はバーで示す。いずれの群においても、MBL濃度及び機能は時間によって変化しなかった。MBL抗原濃度及び機能には有意に相関があった(r=0.81, p<0.01)。TAAA患者におけるベースラインのMBL濃度は、いずれの補体活性化産物の形成とも相関が認められなかった。MBL欠損(抗原レベル< 100 ng/mLで機能は検出不可能)はTAAA患者19名のうち3名、及びコントロールのうち2名で認められた。該3名のTAAA患者のうち2名(患者B及びC)は術前にMBLを含む血漿(オクタプラス)の輸液を受けており、1名(患者A)は受けていなかった。患者BはT4(大動脈のクランプ解除)とT6(大動脈のクランプ解除後8時間)の間に5ユニットのオクタプラスを受容した。患者CはT4(大動脈のクランプ解除)とT7(大動脈のクランプ解除後24時間)の間に6ユニットのオクタプラスを受容した。患者B及びCは両方とも、MBL充足のTAAA患者の低い値域を上回る血漿MBL濃度に到達したが、血漿を受容しなかった患者AではMBL濃度に変化は見られなかった。患者Aにおける補体の活性化及び炎症反応は、他のTAAA患者とは明らかに異なっていたが、コントロール患者とは同様であり (補体の活性化又はIL-1β, TNFα若しくはIL-8の上昇は起こらず、IL-6及びIL-10が上昇)、一方で血漿を受容したMBL欠損患者2名(患者B及びC)はMBL充足のTAAA患者と類似した炎症反応を示していた。
図2を参照すると、古典経路の活性化を反映するC1rs-C1阻害剤複合体(左図)は、TAAA患者(白抜きの円)においてわずかに増加していた。対照的に、古典及びレクチン経路の活性化を反映するC4bc(中央の図)並びに第二経路の活性化を反映するC3bBbP(右図)の実質的な増加がTAAA群において認められた。コントロール群(黒塗りの円は腎臓下の大動脈の開腹手術を行なった群を示す)又は血漿を受容していないMBL欠損TAAA患者(患者A、点線)では補体の活性化は認められなかった。データ(中央値及びノンパラメトリックな95%信頼区間)は、初期経路間の相対的な比較を行なえるようにするため、ベースライン(T1=手術前のサンプル)からのパーセント増加として表した。C1rs-C1inhは、TAAA群では大動脈のクランプ解除後8時間(T6)においてベースライン17 (15-21)ないし27 (23-33) AU/mLからわずかに増加した(p<0.01)が、コントロールでは増加は認められなかった。3つの群間でベースライン値(T1)に有意差があるため、ベースラインからのパーセント変化が比較され、TAAA群におけるC1rs-C1inhのパーセント増加はコントロールにおける場合よりも有意に高かった(T6においてp<0.01)。C4bcは、TAAA群ではT6においてベースライン6 (5-8)から89 (74-104) AU/mLまで顕著に増加した(p<0.01)。コントロールでは増加は認められず、TAAAとコントロールとの間の差異は有意だった(T6においてp<0.001)。C4bcの相対的な増加(古典及びレクチン経路を反映)は、C1rs-C1inhの増加(古典経路のみ)よりも実質的により明白だった。C3bBbP(第二経路)は、TAAA群ではT6においてベースライン11 (7-17)から47 (36-65) AU/mLまで増加していた(p<0.01)。コントロールでは増加は認められず、TAAAとコントロールとの間の差異は有意だった(T6においてp<0.001)。
図3を参照すると、C3bc(全ての経路について) (左図)は、TAAA群ではT6においてベースライン12 (8-15)から69 (48-96) AU/mLまで増加していた(p<0.01)。コントロールでは増加は認められず、TAAA(白抜きの円)とコントロール(黒塗りの円)との間の差異は有意だった(T6においてp<0.001)。TCC (終末の経路)は、TAAA群ではT6においてベースライン0.6 (0.5-0.8)から2.1 (1.5-2.6) AU/mLまで増加していた(p<0.05)。コントロールでは増加は認められず、TAAAとコントロールとの間の差異は有意だった(T6においてp<0.01)。全ての補体活性化産物は大動脈のクランプ解除後8時間で最大に達し、その後減少した。血漿の輸液を受けなかったMBL欠損のTAAA患者(患者A、点線)では、該活性化産物のいずれも増加していなかった。データは中央値及びノンパラメトリックな95%信頼区間である。
図4及び5を参照すると、2つの異なる活性化パターンが明らかとなった:IL-1β, TNFα及びIL-8はTAAA群でのみ増加し、大動脈のクランプ解除後24時間(T7)でピークに達し、補体の活性化の度合いと密接な相関があった。一方、IL-6及びIL-10は、TAAA群(白抜きの円)では大動脈のクランプ解除後8時間(T6)で最大となり、補体の活性化の度合いとは相関が無く、コントロール群(黒塗りの円)においても増加していた。IL-1βは、TAAA群では大動脈のクランプ解除後24時間(T7)においてベースライン< 8 (<8-9) (8=検出下限)から69 (48-90) pg/mLまで増加していた(p<0.0001)が、コントロールでは増加は認められなかった。TNFαは、TAAA群ではT7においてベースライン< 78 (検出下限)から868 (603-1210) pg/mLまで増加していた(p<0.0001)が、コントロールでは増加は認められなかった。IL-8は、TAAA患者19名のうち10名で、T7においてベースライン< 63 (検出下限)から70 (<63-207) pg/mLまで増加していた(p<0.0001)が、コントロールでは増加は見られなかった。IL-1β, TNFα及びIL-8の増加の最大値(大動脈のクランプ解除後24時間)は、補体の活性化の最大値(大動脈のクランプ解除後8時間)よりも後に生じていた。TCC曲線の下の面積によって測定した補体の活性化の度合いは、IL-1β (r=0.66; p=0.007), TNFα(r=0.68; p=0.006)及びIL-8 (r=0.81; p<0.0005)曲線の下の面積と有意に相関があった。血漿の輸液を受けなかった(患者A) MBL欠損のTAAA患者(患者A、点線)では、TNFα, IL-1β及びIL-8いずれも検出感度以下のレベルだった。IL-6は、TAAA群では大動脈のクランプ解除後8時間(T6)においてベースライン6 (3-19) から最大値186 (114-271) pg/mLまで増加していた(p<0.0001)。IL-6はまた、コントロール群でも有意に増加していたが、TAAA群ほどの規模ではなく、最大濃度に達する時点も遅れていた:開腹手術群では術後24時間(T7)においてベースライン13 (3-150)から108 (27-122) pg/mLまで増加(p<0.05)、血管内群では術後72時間(T8)においてベースライン8 (3-86) から 81 (33-131) pg/mLまで増加(p=0.001)。IL-10は、TAAA群では大動脈のクランプ解除後8時間(T6)においてベースライン8 (7-9) から最大値281 (156-581) pg/mLまで増加していた(p=0.01)。コントロール群ではIL-10はわずかに増加しているだけだった:開腹手術群では大動脈のクランプ解除後2時間(T5)においてベースライン6 (6-7) から35 (7-83) pg/mLまで増加(p=0.01)、血管内群では大動脈のクランプ解除後72時間(T8)においてベースライン8 (6-17) から15 (8-27) pg/mLまで増加(p=0.01)。特に、TAAA群ではIL-6及びIL-10は補体活性化産物と同じ時間でピークに達していた(大動脈のクランプ解除後8時間)が、補体の活性化(TCC曲線の下の面積)とIL-6曲線 (r=0.32; p=0.18)又はIL-10曲線(r=0.20; p=0.42)の下の面積との間には相関は認められなかった。IL-6及びIL-10は両方とも、血漿を受容しなかったMBL欠損のTAAA患者(患者A、点線)において、コントロールと似たような増加を示していた。
図6を参照すると、MPO及びラクトフェリンの増加は補体の活性化に先行して起きていたものの、補体の活性化(TCC曲線の下の面積)とMPO曲線(r=0.70; p=0.001)及びLF曲線(r=0.63; p=0.004)の下の面積との間には有意な相関が認められ、TAAA修復の間には複雑な好中球活性化パターンがあることがわかった。MPO(左図)及びラクトフェリン(右図)は、全ての群で早期に(T3=クランプ解除前)増加しており、TAAA群(白抜きの円)ではコントロール群(黒塗りの円は腎臓下の大動脈の開腹手術を行なった群を示す)よりもわずかに高かった。点線は血漿を受容しなかったMBL欠損のTAAA患者(患者A、点線)を示す。データは中央値及びノンパラメトリックな95%信頼区間である。
血漿の輸液
炎症反応のマーカーの供給源としての血漿の輸液を除外するため、オクタプラスをサイトカインについて検査したところ、検出不可能なレベルで含んでいることが確認された。さらに、血漿の輸液の数値と、補体活性化産物、サイトカイン又は好中球顆粒タンパク質の変化との間に相関は認められなかった(p=0.13-0.63)。
臨床上の結果
胸腹部大動脈瘤修復を受けた患者19名(TAAA)、下行大動脈の血管内ステントグラフト術を受けた患者6名(ステント)、及び腹部大動脈瘤開放手術を受けた患者5名(腹部)についての術中の臨床データを集めた。結果を表2に示す。
Figure 2006518749
胸腹部大動脈瘤修復を受けた患者19名(TAAA)、下行大動脈の血管内ステント移植を受けた患者6名(ステント)、及び腹部大動脈瘤開放手術を受けた患者5名(腹部)において、死亡及び術後合併症が認められた。結果を表3に示す。
Figure 2006518749
表2及び3を参照すると、TAAA群の患者1名が大量出血と腸の虚血のために術後1日目に死亡した。本調査は規模が非常に小さいため、群間で臨床パラメーターの統計学的な比較を行なうことは困難である。しかしながら、個々の各患者について合併症が「あり」(n=9)又は「なし」(n=10)としてグループ分けした場合、TAAA群においては合併症がなかった患者(1514 (951-2210) AU/mL)よりも合併症があった患者(2625 (1760-3345) AU/mL)の方が補体の活性化の度合いが高い(TCC曲線の下の面積が大きい)傾向があった(p=0.06)。
実施例のデータは、TAAA修復を受けた患者では補体の活性化は臨床的合併症の重症度の指標であること、及び該活性化は主にレクチン経路によって媒介され第二経路を経て増幅されるということを示している。従って、補体の活性化を阻害又は防止するための方法はTAAA修復に伴う組織損傷を予防又は治療するのに有用である。
明細書において、本発明の典型的な好ましい具体例を開示し、また、特定の用語を用いたが、それらは一般的かつ記述的な意味のみに用いており、限定の目的のために用いているものではなく、本発明の範囲は請求の範囲に記載されている。明らかなように、上記の教示に照らし、本発明の多くの修飾及び変形が可能である。従って、請求の範囲内において、本発明は、特に記述したものと異なるように実施することができることが理解される。
MBL欠損のTAAA患者についての補体解析に関連するデータを示す。 初期の補体経路活性化産物に関連するデータを示す。 C3及び終末の補体経路の活性化に関連するデータを示す。 サイトカイン及びケモカインIL-1β, TNFα, 及びIL-8に関連するデータを示す。 サイトカイン及びケモカインIL-6及びIL-10に関連するデータを示す。 好中球の脱顆粒産物に関連するデータを示す。

Claims (33)

  1. 虚血再灌流障害に伴う組織損傷を受けるおそれのある又は現に受けている患者に対し、組織損傷を予防又は治療し得る量で1以上の補体阻害剤を投与することを含む、虚血再灌流障害に伴う組織損傷を予防又は治療するための方法。
  2. 前記補体阻害剤が、コンプスタチン(compstatin)及びそれの機能的な類似物、C1阻害剤、sCR1及びその類似物、抗C5抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C5a抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C5aレセプター抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C3a抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C3aレセプター抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C6抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C7抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C8抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C9抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗プロパージン抗体及びそれと機能的に均等な断片、融合タンパク質である細胞膜補因子タンパク質(MPC)、崩壊促進因子(DAF)、クラスタリン、CD59、C4bp、H因子、I因子、カルボキシペプチダーゼN、ビトロネクチン(Sタンパク質)、SP-40、CD59、並びにホモロガス制限因子(HRF)からなる群より選ばれる請求項1記載の方法。
  3. 前記補体阻害剤がレクチン経路の補体を阻害する請求項1記載の方法。
  4. 前記補体阻害剤が、抗MBL抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP1抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP2抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP3抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MBL複合体抗体及びそれと機能的に均等な断片、マンナン結合レクチンレセプターアンタゴニスト、ケラチン結合分子、抗ケラチン抗体及びそれと機能的に均等な断片、MASP1結合性ペプチド、MASP2結合性ペプチド、並びにMASP3結合性ペプチドからなる群より選ばれる請求項3記載の方法。
  5. 前記補体阻害剤を体重1キログラム当り約2ないし50ミリグラムの用量で患者に投与する請求項1記載の方法。
  6. 前記補体阻害剤が抗体又はその機能的に均等な断片である請求項1記載の方法。
  7. 前記抗体がレクチン補体経路の補体を阻害する請求項1記載の方法。
  8. 前記抗体が、抗MBL抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP1抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP2抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP3抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MBL複合体抗体及びそれと機能的に均等な断片からなる群より選ばれる請求項7記載の方法。
  9. 前記抗体が抗MBL抗体又はその機能的に均等な断片である請求項7記載の方法。
  10. 少なくとも2つの補体阻害剤を患者に投与する請求項1記載の方法。
  11. 前記補体阻害剤を組み合わせて患者に投与する請求項10記載の方法。
  12. 前記補体阻害剤の1つが抗MBL抗体である請求項10記載の方法。
  13. 前記補体阻害剤を、患者が虚血再灌流障害を受ける前24時間以内又は受けた後72時間以内に患者に投与する請求項1記載の方法。
  14. 前記補体阻害剤を、患者が虚血再灌流障害を受けた後に定期的に患者に投与する請求項1記載の方法。
  15. 胸腹部大動脈瘤修復に伴う組織損傷を受けるおそれのある又は現に受けている患者に対し、組織損傷を予防又は治療し得る量で1以上の補体阻害剤を投与することを含む、胸腹部大動脈瘤修復に伴う組織損傷を予防又は治療するための方法。
  16. 前記補体阻害剤が、コンプスタチン及びそれと機能的に均等な断片、C1阻害剤、sCR1及びその類似物、抗C5抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C5a抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C5aレセプター抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C3a抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C3aレセプター抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C6抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C7抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C8抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗C9抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗プロパージン抗体及びそれと機能的に均等な断片、融合タンパク質である細胞膜補因子タンパク質(MPC)、崩壊促進因子(DAF)、クラスタリン、CD59、C4bp、H因子、I因子、カルボキシペプチダーゼN、ビトロネクチン(Sタンパク質)、SP-40、CD59、並びにホモロガス制限因子(HRF)からなる群より選ばれる請求項15記載の方法。
  17. 前記補体阻害剤がレクチン経路の補体を阻害する請求項15記載の方法。
  18. 前記補体阻害剤が、抗MBL抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP1抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP2抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP3抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MBL複合体抗体及びそれと機能的に均等な断片、マンナン結合レクチンレセプターアンタゴニスト、ケラチン結合分子、抗ケラチン抗体及びそれと機能的に均等な断片、MASP1結合性ペプチド、MASP2結合性ペプチド、並びにMASP3結合性ペプチドからなる群より選ばれる請求項17記載の方法。
  19. 前記補体阻害剤を体重1キログラム当り約2ないし50ミリグラムの用量で患者に投与する請求項15記載の方法。
  20. 前記補体阻害剤が抗体又はその機能的に均等な断片である請求項15記載の方法。
  21. 前記抗体がレクチン補体経路の補体を阻害する請求項15記載の方法。
  22. 前記抗体が、抗MBL抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP1抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP2抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP3抗体及びそれと機能的に均等な断片、並びに抗MBL複合体抗体及びそれと機能的に均等な断片からなる群より選ばれる請求項21記載の方法。
  23. 前記抗体が抗MBL抗体又はその機能的に均等な断片である請求項21記載の方法。
  24. 少なくとも2つの補体阻害剤を患者に投与する請求項15記載の方法。
  25. 前記補体阻害剤を組み合わせて患者に投与する請求項24記載の方法。
  26. 前記補体阻害剤の1つが抗MBL抗体である請求項24記載の方法。
  27. 前記補体阻害剤を、患者が虚血再灌流障害を受ける前24時間以内又は受けた後72時間以内に患者に投与する請求項15記載の方法。
  28. 前記補体阻害剤を、患者が虚血再灌流障害を受けた後に定期的に患者に投与する請求項15記載の方法。
  29. 1以上の補体阻害剤並びに1以上の薬理学的に許容されるアジュバント、担体、賦形剤及び希釈剤を包含する、虚血再灌流又は胸腹部大動脈瘤修復に伴う組織損傷の予防及び治療に有用な組成物。
  30. 2以上の補体阻害剤を含む請求項29記載の組成物。
  31. 前記補体阻害剤の1つが抗体又はその機能的に均等な断片である請求項30記載の組成物。
  32. 第一の補体阻害剤が、抗MBL抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP2抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP3抗体及びそれと機能的に均等な断片、並びに抗MBL複合体抗体及びそれと機能的に均等な断片から成る群より選ばれ、第一の抗体とは異なる第二の補体阻害剤が、抗MBL抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP2抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MASP3抗体及びそれと機能的に均等な断片、抗MBL複合体抗体及びそれと機能的に均等な断片、並びに他の補体阻害剤からなる群より選ばれる、請求項30記載の組成物。
  33. 抗MBL抗体又はその機能的に均等な断片並びに1以上の異なる補体阻害剤を含む請求項31記載の組成物。
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