JP2006513726A - Dnaポリメラーゼブレンドおよびその使用 - Google Patents

Dnaポリメラーゼブレンドおよびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、PCR、DNA配列決定および突然変異誘発プロトコルに使用するための、キメラおよび非キメラ耐熱性DNAポリメラーゼの新規のブレンドを開示する。本発明は、より短い伸長時間でのPCR反応を可能にし、これは鋳型ゲノムDNAのPCR増幅を容易にし、そしてロングPCRの効率を改良する。

Description

発明の分野
本発明は、キメラおよび非キメラDNAポリメラーゼのブレンド、それらの合成方法ならびにそれらの使用方法に関する。本明細書に記載されるDNAポリメラーゼブレンドは、多くの組換えDNA技術、特に核酸配列決定、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による核酸増幅または突然変異誘発に有用である。
背景
耐熱性DNAポリメラーゼは、デオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)の鋳型依存的な重合を触媒してDNAを形成し、DNA配列決定、DNA増幅および突然変異誘発等の種々のin vitroにおけるDNA合成処理に使用される。しかしながら、耐熱性DNAポリメラーゼおよびそれらに関連する活性(Abramson, 1995, in PCR Strategies,(Innisら監修, Academic Press, Inc.)に概説される)は、任意の用途に常に最適であるわけではない(WO 0161015(参照によりその全文を本明細書に組み入れる)に概説される)。一般的に核酸ポリメラーゼによって潜在的に示される特性および特徴の多様性のために、当業者は、新規および有用な酵素の変異型を開発するための試みにおいて、核酸ポリメラーゼの多様な性質を改良、改変または組み換えることを模索してきた。
1つのアプローチは、独特かつ/または改良された様々な触媒特性を有し得る新規の好熱性核酸ポリメラーゼの発見および単離に関する。その結果、耐熱性核酸ポリメラーゼは、種々の生物資源より単離されてきており、これらは分類学上の属、Thermus、Thermococcus、Thermotoga、PyrococcusおよびSulfolobusの種を含むが、これらに限定されない。
これらの天然の耐熱性DNAポリメラーゼのいくつかは、酵素学的に活性な3'-5'エキソヌクレアーゼドメインを有し、本来的なプルーフリーディング能を提供し、ゆえにTaq DNAポリメラーゼより高度な忠実度を示す。しかしながら、これらのDNAポリメラーゼはまた、Taq DNAポリメラーゼと比較した場合、より遅いDNA伸長速度および全体的に低い反応性(processivity)を示し、ゆえにこれらの天然の耐熱性DNAポリメラーゼを、それらのより高度な忠実度に関わらず、PCRにとってより望ましくないものにしている。
個々の耐熱性ポリメラーゼの欠陥を補うための試みにおいて、第2のアプローチは、例えばTaqポリメラーゼと、PfuポリメラーゼまたはVent DNAポリメラーゼ等のプルーフリーディング酵素とを組み合わせた複合酵素群が開発されてきた。これらの複合酵素混合物は、Taqポリメラーゼのみと比較した場合、より高いPCR効率およびより低減したエラー率を示す(Barnes, PNAS USA 91:2216-2220(1994))。
もう一つとして、Taqポリメラーゼの新規および有用な変異型が、欠失/切断技術により開発されてきた。例えば、ストッフェル(Stoffel)断片はTaq DNAポリメラーゼの544アミノ酸のC末端切断型であり、酵素学的に活性な5'3'ポリメラーゼドメインを有するが、3'-5'エキソヌクレアーゼおよび5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を欠如する。他の市販の耐熱性ポリメラーゼ欠失体は、Vent(exo-)およびDeep Vent(exo-)(New England Biolabs, Beverly, MA)を含む。欠失突然変異体は、核酸ポリメラーゼの機能性ドメインを除去することだけに貢献するが、いかなる新規の性質または酵素的特性をも付加しない。
ポリメラーゼ突然変異誘発は、新規および有用な変異型核酸ポリメラーゼを開発するために試みられてきたさらに別のアプローチである。例えば、天然のDNAポリメラーゼは、ヌクレオチド類似体の取り込みを強く区別する。この特性は、DNA複製および修復の忠実度に貢献する。しかしながら、ヌクレオチド類似体の取り込みは多くのDNA合成処理、特にDNA配列決定に有用である。従って、付随する外ヌクレオチド鎖分解性(exonucleolytic)活性(5'ヌクレアーゼ活性または3'-5'エキソヌクレアーゼ活性のどちらか)を欠如したDNAポリメラーゼは、DNA配列決定に好ましい。ヌクレオチド識別能が低減した耐熱性DNAポリメラーゼを生成するために、部位特異的な突然変異誘発の研究が開始され、DNA配列決定に適した不可欠な活性を有する多くの耐熱性DNAポリメラーゼの突然変異型を同定するに至った(米国特許第5,466,591号、参照により本明細書に組み入れる)。
DNAポリメラーゼの特性を改良するためのさらに別のアプローチは、キメラDNAポリメラーゼを生成することであり、これは不可欠な活性を有する1以上のタンパク質ドメインがDNAポリメラーゼと組み合わされている。DNAポリメラーゼは、DNAトポイソメラーゼV由来のヘリックス-ヘアピン-ヘリックスDNA結合モチーフにインフレームで融合されており、そしてPavlovら, 2002, Proc. Natl. Acad. Sci USA, 99:13510-13515に記載されるように、キメラDNAポリメラーゼの反応性、耐塩性および耐熱性の向上が見られた。チオレドキシン結合ドメインのT7 DNAポリメラーゼへの融合は、WO 97/29209に記載されるように、チオレドキシン存在下におけるキメラDNAポリメラーゼの反応性を増強させる。古細菌性PCNA結合ドメインのTaq DNAポリメラーゼへの融合は、PCNAの存在下において反応性を増強させ、そしてより高収率のPCR増幅DNAを生成するキメラDNAポリメラーゼもたらす(Motz, M.ら, J. Biol. Chem. 2002 May 3; 277(18); 16179-88)。また、Sulfolobus sulfataricus由来の配列非特異的DNA結合タンパク質Sso7dまたはSac7dの、PfuまたはTaq DNAポリメラーゼ等のDNAポリメラーゼへの融合は、WO 01/92501 A1(参照によりその全文を本明細書に組み入れる)に記載されるように、これらのDNAポリメラーゼの反応性を大きく向上させることを示した。異なるDNAポリメラーゼの対応するドメインを有するDNAポリメラーゼの全部または一部をドメイン置換することもまた、記載されている(U.S. 2002/0119461)。
これらの熱心な研究努力にも関わらず、核酸合成、配列決定および増幅により適したポリメラーゼの開発が、依然として当技術分野において必要とされる。
発明の要旨
本発明は、2以上のDNAポリメラーゼのブレンドに関するものであり、これは少なくとも1つのキメラDNAポリメラーゼおよび少なくとも1つの非キメラDNAポリメラーゼを含む。キメラまたは非キメラDNAポリメラーゼの少なくとも1つが耐熱性、古細菌DNAポリメラーゼ、真正細菌DNAポリメラーゼおよび/またはPfu DNAポリメラーゼであり得る。
本発明はブレンドを提供するものであり、ここでキメラDNAポリメラーゼは1以上の低減したDNA重合活性、低減した塩基類似体検出活性を有し、そしてDNAポリメラーゼ3'-5'エキソヌクレアーゼを欠失している。
本発明はブレンドを提供するものであり、ここでキメラDNAポリメラーゼはアミノ酸位置387におけるグリシンからプロリンへの置換(G387P)を含み、そしてDNA重合活性が低減している。DNA重合活性が低減したキメラDNAポリメラーゼは、さらにV93位置に突然変異を含んでもよく、ここで前記突然変異はバリンからアルギニンへの置換、バリンからグルタミン酸への置換、バリンからリジンへの置換、バリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからアスパラギンへの置換であり、前記キメラDNAポリメラーゼに低減した塩基類似体検出活性表現型を与える。
本発明はまたブレンドを提供するものであり、ここでキメラDNAポリメラーゼは低減した塩基類似体検出活性およびV93位置における突然変異を含み、ここで前記突然変異はバリンからアルギニンへの置換、バリンからグルタミン酸への置換、バリンからリジンへの置換、バリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからアスパラギンへの置換である。低減した塩基類似体検出活性を有するキメラDNAポリメラーゼは、アミノ酸位置387においてグリシンからプロリンへの置換(G387P)をさらに含むことができ、これは前記キメラDNAポリメラーゼに低減したDNA重合表現型を与える。低減した塩基類似体検出活性を有するキメラDNAポリメラーゼは、アミノ酸141におけるアスパラギン酸からアラニンへの置換(D141A)およびアミノ酸位置143におけるグルタミン酸からアラニンへの置換(D141A/E143A)をさらに含んでもよく、これはキメラDNAポリメラーゼを3'-5'エキソヌクレアーゼ欠失にする。
本発明はまたブレンドを企図し、ここで本明細書に記載するあらゆるキメラDNAポリメラーゼは、アミノ酸141におけるアスパラギン酸からアラニンへの置換(D141A)およびアミノ酸位置143におけるグルタミン酸からアラニンへの置換(D141A/E143A)をさらに含み、これはキメラDNAポリメラーゼを3'-5'エキソヌクレアーゼ欠失にする。
本発明はブレンドを提供するものであり、ここでキメラまたは非キメラDNAポリメラーゼは、野生型、突然変異型または化学的に修飾したDNAポリメラーゼを含む。キメラまたは非キメラDNAポリメラーゼは、プルーフリーディングポリメラーゼ(例えばPfu、KOD、Tgo、VentおよびDeep Vent)または非プルーフリーディングポリメラーゼ(例えばTaq、Tth、exo-Pfu、exo-KOD、exo-Tgo、exo-Ventおよびexo-Deep Vent)であり得る。
非キメラDNAポリメラーゼは、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性が低減した突然変異型古細菌DNAポリメラーゼであってもよく、ここで前記突然変異型古細菌DNAポリメラーゼは、アミノ酸141におけるアスパラギン酸からアラニンへの置換(D141A)およびアミノ酸位置143におけるグルタミン酸からアラニンへの置換(D141A/E143A)を含み、これは突然変異型DNAポリメラーゼを3'-5'エキソヌクレアーゼ欠失にする。
非キメラDNAポリメラーゼは、以下からなる群より選択される突然変異型を含んでいてもよく、それらはPfuV93R、PfuV93E、PfuV93D、PfuV93K、PfuV93N、PfuG387P、PfuV93R/G387P、PfuV93E/G387P、PfuV93D/G387P、PfuV93K/G387PおよびPfuV93N/G387Pである。
非キメラDNAポリメラーゼは、Taq DNAポリメラーゼのN末端切断型であってもよく、これは突然変異型DNAポリメラーゼを5'-3'エキソヌクレアーゼ欠失にする。
1つの実施形態において、非キメラDNAポリメラーゼは2以上のDNAポリメラーゼの第2のブレンドから構成される。第2のブレンドはプルーフリーディングおよび非プルーフリーディングDNAポリメラーゼ、非プルーフリーディングおよび非プルーフリーディングDNAポリメラーゼ、またはプルーフリーディングおよびプルーフリーディングDNAポリメラーゼを含んでいてもよい。第2のブレンドは、以下の群より選択される1組の耐熱性DNAポリメラーゼから構成され得る:Pfu/Taq、Pfu/exo-Pfu、Taq/exo-PfuまたはPfu/JDF3 DNAポリメラーゼ。1つの実施形態において、第2のブレンドの少なくとも1つのポリメラーゼが、以下からなる群より選択され、それらはTth、Vent、Deep Vent、KOD、JDF-3、exo-Vent、exo-DeepVent、exo-KOD、exo-JDF3、Tgo、exo-Tgo、PfuV93R、PfuV93E、PfuV93D、PfuV93K、PfuV93NおよびPfuG387Pである。第2のブレンドは以下の群より選択される1組の耐熱性DNAポリメラーゼから構成され得る:Pfu/Taq、Pfu/exo-Pfu、Taq/exo-PfuまたはPfu/JDF3 DNAポリメラーゼ、そして以下からなる群より選択される突然変異型をさらに含み、それらはpol-Pfu(PfuG387P)、G387P/V93R、G387P/PfuV93E、G387P/PfuV93D、G387P/PfuV93K、G397P/PfuV93NおよびG387P/PfuG387P pol-Pfu(Pfu G387P)変異型DNAポリメラーゼである。
本発明はブレンドを提供するものであり、ここでキメラDNAポリメラーゼは以下からなる群より選択される活性が増加したポリペプチドをさらに含むものである:反応性、プルーフリーディング、忠実度、DNA結合活性、鎖置換活性、ポリメラーゼ活性、ヌクレオチド結合および認識、効率、鋳型長増幅能(template length amplification capability)、GCリッチ標的物増幅効率、特異性、耐熱性、固有のホットスタート能または耐塩性。
キメラDNAポリメラーゼは、以下からなる群より選択される活性が低減したポリペプチドをさらに含み得る:室温におけるDNAポリメラーゼ活性、三ヌクレオチド反復鎖(tri-nucleotide repeat stretches)を有する鋳型における増幅スリップ、PCR反応における伸長時間またはPCR反応の増幅サイクル。
キメラDNAポリメラーゼは以下の群より選択されるタンパク質ドメインを含み得る:バクテリオファージT7のチオレドキシン反応性因子結合ドメイン、古細菌性PCNA結合ドメイン、PCNA、DNAトポイソメラーゼV由来のヘリックス-ヘアピン-ヘリックスDNA結合モチーフ、またはSulfolobus sulfataricus由来のDNA結合タンパク質Sso7dもしくはSac7d。
本発明はまた、本明細書に記載する任意のブレンドを含む組成物に関する。前記組成物はさらに、PCR促進因子および/または添加剤を含み得る。
本発明はまた、任意のブレンドのためのパッケージング材料を含むキットに関する。本発明のキットはさらに、PCR促進因子および/または添加剤を含み得る。
本発明はまた、DNA重合活性が低減し、塩基類似体検出活性が低減し、および/または3'-5'エキソヌクレアーゼ活性が低減したキメラDNAポリメラーゼに関する。キメラDNAポリメラーゼは、耐熱性DNAポリメラーゼ、古細菌DNAポリメラーゼおよび/またはPfu DNAポリメラーゼを含み得る。
DNA重合活性が低減したキメラDNAポリメラーゼは、アミノ酸位置387におけるグリシンからプロリンへの置換(G387P)を含み得る。DNA重合活性が低減したキメラDNAポリメラーゼはさらに、V93位置における突然変異を含んでもよく、ここで前記突然変異はバリンからアルギニンへの置換、バリンからグルタミン酸への置換、バリンからリジンへの置換、バリンからアスパラギン酸への置換、またはバリンからアスパラギンへの置換であり、これは前記キメラDNAポリメラーゼの塩基類似体検出活性表現型を低減させる。
塩基類似体検出活性が低減したキメラDNAポリメラーゼは、V93位置における突然変異を含んでもよく、ここで前記突然変異はバリンからアルギニンへの置換、バリンからグルタミン酸への置換、バリンからリジンへの置換、バリンからアスパラギン酸への置換、またはバリンからアスパラギンへの置換である。塩基類似体検出活性が低減したキメラDNAポリメラーゼはさらに、アミノ酸位置387においてグリシンからプロリンへの置換(G387P)を含んでもよく、これは前記キメラDNAポリメラーゼのDNA重合活性表現型を低減させる。
DNA重合活性が低減した、または塩基類似体検出活性が低減したキメラDNAポリメラーゼはさらに、アミノ酸141におけるアスパラギン酸からアラニンへの置換(D141A)、およびアミノ酸位置143におけるグルタミン酸からアラニンへの置換(D141A/E143A)を含んでもよく、これは前記キメラDNAポリメラーゼを3'-5'エキソヌクレアーゼ欠失にする。
本発明はまた、本明細書に記載する任意のキメラDNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチドに関する。
本発明はまた、DNA合成の方法に関し、a)本発明の2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供すること;およびb)前記酵素を鋳型核酸に接触させて、ブレンドがDNA合成を可能にすることを包含する。
本発明はまた、DNA合成の方法に関し、a)本発明の2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供すること;およびb)前記ブレンドを鋳型核酸に接触させて、前記酵素がDNA合成を可能にすることを包含する。
本発明はまた、DNA合成産物のクローニングのための方法を提供し、これは:(a)本発明の2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供すること、;(b)前記ブレンドを鋳型核酸に接触させて、前記ブレンドがDNA合成を可能にすることにより合成DNA産物を生成すること;および(c)合成DNA産物をクローニングベクターに挿入することを包含する。
本発明はまた、以下のステップを含むDNA配列決定のための方法を包含する:a)鋳型DNA鎖をシークエンスDNAプライマーに接触させること;b)初めのステップのDNAを本発明の2以上のDNAポリメラーゼのブレンドと、デオキシリボヌクレオシド三リン酸および鎖終結ヌクレオチド類似体と共に接触させること;c)ステップ(b)の混合物を、初めのDNA分子と相補的なDNA分子のランダムな集団を合成するのに十分な条件下でインキュベーションすること、ここで前記合成DNA分子は初めのDNA分子よりも長さが短く、そして前記合成DNA分子は終結ヌクレオチドをその5'末端に含む;ならびにd)合成DNA分子をサイズにより分離することにより、初めのDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部が決定できるようにすること。
本発明はまた、ランダムまたは部位特異的突然変異誘発のための直線的または指数関数的PCR増幅の方法を提供し、以下のステップを包含する:鋳型核酸、少なくとも2つのPCRプライマー、および2以上の非プルーフリーディングDNAポリメラーゼのブレンド(前記ブレンドは、2以上の非プルーフリーディングDNAポリメラーゼのブレンドによって鋳型核酸を増幅することができる条件下で、キメラDNAポリメラーゼおよび非キメラDNAポリメラーゼを含有することにより、突然変異増幅産物を生成する)を含む反応混合物をインキュベーションすること。
本発明のあらゆる方法は、PCR促進因子および/または添加剤の存在下において実施することができる。
定義
本明細書で使用する「ブレンド」は、少なくとも1つのキメラDNAポリメラーゼおよび少なくとも1つの非キメラDNAポリメラーゼを含む2以上のDNAポリメラーゼの組み合わせを指す。本発明は「ブレンド」を企図するものであり、ここで前記キメラまたは非キメラDNAポリメラーゼの少なくとも1つが耐熱性であり、古細菌または真正細菌DNAポリメラーゼであり、および/またはPfu DNAポリメラーゼである。1つのキメラおよび1つの非キメラポリメラーゼを含む「ブレンド」中のDNAポリメラーゼ酵素の割合は、1:1〜1:5〜5:1または1:1〜1:10〜10:1または1:1〜1:25〜25:1または1:1〜1:100〜100:1の範囲である。「ブレンド」が1つのキメラDNAポリメラーゼと2つの非キメラDNAポリメラーゼとを含む実施形態について、第1の非キメラDNAポリメラーゼの第2の非キメラDNAポリメラーゼに対する割合は、1:1〜1:5〜5:1または1:1〜1:10〜10:1または1:1〜1:25〜25:1または1:1〜1:100〜100:1の範囲である。本発明の「ブレンド」は、以下の活性(本明細書の以下に記載するアッセイを用いて)のうち1以上が、鋳型ゲノムおよび/または鋳型プラスミドについての前記ブレンドの非キメラ構成成分と比較して>10%増加する:反応性、効率、鋳型長増幅能、GCリッチ標的物増幅効率、特異性、耐熱性、固有のホットスタート能、プルーフリーディング活性、忠実度、DNA結合活性、鎖置換活性、ヌクレオチド結合および認識ならびに耐塩性。本発明のブレンドはまた、以下の活性(本明細書の以下に記載するようにアッセイされる)のうち1以上が、鋳型ゲノムおよび/または鋳型プラスミドについての非キメラブレンドと比較して>10%低減するだろう:三ヌクレオチド反復鎖を有する鋳型における増幅スリップ、または室温におけるDNAポリメラーゼ活性。1つの実施形態において、本発明の「ブレンド」はPCRにおける伸長時間を有し、それは前記ブレンドの非キメラ構成成分のみの存在下において見られる伸長時間と比較して、5秒、好ましくは15秒およびより好ましくは45秒またはそれ以上短い。別の実施形態において、本発明の「ブレンド」は、前記ブレンドの非キメラ構成成分のみと比較して、PCRの増幅サイクルの回数を1、1〜5もしくは5またはそれ以上のサイクル減少させる。別の実施形態において、より少ない単位(.001、.01、.1もしくは1またはそれ以上)の本発明の「ブレンド」が、前記ブレンドの非キメラ構成成分と比較して、本発明の適用において有用である。
ブレンドはまた、本明細書に記載するPCR促進因子および/または添加剤も含み得る。
本明細書で使用する「低減した塩基類似体検出」は、鋳型DNA内に存在する塩基類似体(例えばウラシルまたはイノシン)を認識する能力が低減したDNAポリメラーゼを指す。本明細書において、塩基類似体検出活性が「低減した」突然変異型DNAポリメラーゼは、野生型酵素より低い、つまり塩基類似体検出活性が野生型酵素の10%未満(例えば、8%、6%、4%、2%または1%未満)である突然変異型DNAポリメラーゼである。塩基類似体検出活性は、Greaggら(1999)Proc. Natl. Acad. Sci. 96, 9045-9050に記載されるように、ウラシル検出活性が低減したDNAポリメラーゼの検出についての記載と同様のアッセイに従って測定され得る。あるいはまた、「低減した」塩基類似体検出は、塩基類似体を認識する能力が低減した突然変異型DNAポリメラーゼを指し、「低減した」塩基類似体の認識は、塩基類似体検出活性が低減していない野生型DNAポリメラーゼと比較して、>10KbのPCR産物の量が、少なくとも10%、好ましくは50%、さらに好ましくは90%、最も好ましくは99%またはそれ以上増加することから明白である。>10KbのPCR産物の量は、ゲル溶出された>10Kb PCR DNA産物の分光光度計-吸光度アッセイ、またはエチジウムブロミド染色アガロース電気泳動ゲルにおける>10KbのPCR産物の蛍光分析(例えば、Molecular Dynamics(MD) FluorImager(商標)(Amersham Biosciences, カタログ #63-0007-79)を使用する)のどちらかによって定量される。
本明細書で使用する「低減したウラシル検出」は、鋳型DNAに存在するウラシル塩基を認識する能力が低減したDNAポリメラーゼを指す。この文脈においては、ウラシル検出活性が「低減した」突然変異型DNAポリメラーゼは、ウラシル検出活性が野生型酵素より低い、つまり、ウラシル検出活性が野生型酵素の10%未満(例えば、8%、6%、4%、2%または1%未満)である突然変異型DNAポリメラーゼである。ウラシル検出活性は、Greaggら(1999)Proc. Natl. Acad. Sci. 96, 9045-9050に記載されるアッセイに従って測定され得る。あるいはまた、「低減した」ウラシル検出は、ウラシルを認識する能力が低減した突然変異型DNAポリメラーゼを指し、「低減した」ウラシルの認識は、ウラシル検出活性が低減していない野生型DNAポリメラーゼと比較して、>10KbのPCR産物の量が、少なくとも10%、好ましくは50%、さらに好ましくは90%、最も好ましくは99%またはそれ以上増加することから明白である。>10KbのPCR産物の量は、ゲル溶出された>10Kb PCR DNA産物の分光光度計-吸光度アッセイ、またはエチジウムブロミド染色アガロース電気泳動ゲルにおける>10KbのPCR産物の蛍光分析(例えば、Molecular Dynamics(MD) FluorImager(商標)(Amersham Biosciences, カタログ #63-0007-79)を使用する)のどちらかによって定量される。
DNA結合およびDNA結合を検出するためのアッセイは、PCT/US01/17492に記載される。
鎖置換は、HogrefeらMethods of Enzymology(2001)334:91-116およびKongら(93)J.Biol. Chem. 268:1965に記載される活性を指す。鎖置換活性を測定するためのアッセイは、HogrefeらMethods of Enzymology(2001)334:91-116、およびKongら(93)J.Biol. Chem. 268:1965に記載される。
室温におけるDNAポリメラーゼ活性は、The Methods of Enzymology(2001)334:91-116に記載される通りである。室温におけるDNAポリメラーゼ活性を測定するためのアッセイは、The Methods of Enzymology(2001)334:91-116およびNielsonら(1997)Strategies 10:40-43 Newsletter articlesに記載される。
本明細書で使用する「GCリッチ標的物増幅効率」は、GC含量が50%を超え、そしてPCRの間により融解しにくい鋳型DNAの増幅効率を指す。温度がPCR増幅を困難にするアニーリング温度にサイクルする場合、これらの標的物は高頻度で二次構造を形成する。「GCリッチ標的物増幅」は、GC含量が50%を超える標的物におけるPCR増幅を実施し、そしてゲル上で生じたアンプリコンの収量を比較することによりアッセイされる(Biotechniques 2002 Apr;32(4):866, 868,870-2,874を参照)。
「固有のホットスタート能」を有するポリメラーゼは、ストリンジェントではないプライマーアニーリング温度(<45°)で、非常に低い(<25°)DNAポリメラーゼ活性を有する耐熱性DNAポリメラーゼを指す。これらのポリメラーゼおよびそれらの検出のためのアッセイは、Nielsonら(1997)Strategies 10:40-43に記載される。
「DNAスリップ」または「三ヌクレオチド反復鎖を有する鋳型における増幅スリップ」およびこの活性を検出する方法は、J Mol Biol 2001 Sep 14;312(2):323-33、J Biol Chem 1999 Sep 24;274(39):27481-90、EMBO J 2001 May 15;20(10):2587-95、Biochemistry 1996 Jan 23;35(3):1046-53に記載される通りである。
室温でDNAポリメラーゼ活性の低下を示すキメラは、好ましくは温度特性に対する活性の変化を示すことで、ポリメラーゼ活性の低減化が最適温度に順ずる温度(例えば、非特異的プライマーアニーリング/伸長温度)で観察され、そして野生型ポリメラーゼ活性はストリンジェントなプライマーアニーリング/伸長温度で観察された。このようなキメラは、PCRにおいて特異性の改善を示すことが予想される。
本発明は、塩基類似体検出の低減化(例えば、ウラシルもしくはイノシン等の特定の塩基類似体の検出低減化、または少なくとも2つの塩基類似体の検出の低減化)を示す突然変異型DNAポリメラーゼを企図する。
本明細書で使用する「塩基類似体」は、PCR反応に必要な温度上昇の結果として化学的修飾を受ける塩基を指す。好ましい実施形態において、「塩基類似体」はシトシンの脱アミノ化によって生成するウラシルを指す。別の好ましい実施形態において、「塩基類似体」はアデニンの脱アミノ化によって生成するイノシンを指す。
本明細書で使用する「合成」は、鋳型依存的に新規のポリヌクレオチド鎖を作製するための、または既存のポリヌクレオチド(つまりDNAもしくはRNA)を伸長させるための、in vitroにおけるあらゆる方法を指す。本発明の合成は増幅を含み、これはポリメラーゼを使用して鋳型ポリヌクレオチド配列のコピー数を増加させる。ポリヌクレオチド合成(例えば増幅)は、ヌクレオチドのポリヌクレオチド(つまりプライマー)への取り込みをもたらし、従って、鋳型ポリヌクレオチドに相補的な新規のポリヌクレオチド分子が形成される。形成されたポリヌクレオチド分子およびその鋳型を鋳型として使用して、さらにポリヌクレオチド分子を合成することができる。
本発明の「DNA合成」は、PCR、ポリヌクレオチドの標識(つまりプローブおよびオリゴヌクレオチドプライマーについての)、ならびにポリヌクレオチド配列決定を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用する「ポリメラーゼ」は、ヌクレオチドの重合を触媒する(つまりポリメラーゼ活性)酵素を指す。一般的に、前記酵素は、鋳型ポリヌクレオチド配列にアニールしたプライマーの3'末端において合成を開始し、そして鋳型鎖の5'末端へ向けて進行する。「DNAポリメラーゼ」はデオキシヌクレオチドの重合を触媒する。好ましい実施形態において、本発明のDNAポリメラーゼは耐熱性である。別の好ましい実施形態において、本発明のDNAポリメラーゼは古細菌DNAポリメラーゼである。
本発明において使用する核酸ポリメラーゼは、中温性または好熱性、そして好ましくは好熱性であり得る。好ましい中温性DNAポリメラーゼは、T7 DNAポリメラーゼ、T5 DNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、クレノウ(Klenow)断片DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIII等を含む。本発明の方法において使用され得る好ましい耐熱性DNAポリメラーゼは、Taq、Tne、Tma、Pfu、Tfl、Tth、ストッフェル断片、VENT(商標)およびDEEPVENT(商標)DNAポリメラーゼ、KOD、Tgo、JDF3ならびにそれらの突然変異型、変異型および誘導体を含む(米国特許第5,436,149号、米国特許第4,889,818号、米国特許第4,965,18S号、米国特許第5,079,352号、米国特許第5,614,365号、米国特許第5,374,553号、米国特許第5,270,179号、米国特許第5,047,342号、米国特許第5,512,462号、WO 92/06188、WO 92/06200、WO 96/10640、Barnes, W. M., Gene 112:29-35(1992)、Lawyer, F. C.ら, PCR Meth. Appl. 2:275-287(1993)、Flaman, J.-Mら, Nuc. Acids Res. 22(15):3259-3260(1994))。長い核酸分子(例えば、長さが約3〜5Kbより長い核酸分子)を増幅するために、通常は、少なくとも2つのDNAポリメラーゼ(1つは実質的に3'エキソヌクレアーゼ活性を欠失しており、そしてもう一方は3'エキソヌクレアーゼ活性を有する)を使用する。米国特許第5,436,149号、米国特許第5,512,462号、Fames, W. M., Gene 112:29-35(1992)、および同時係属中の米国特許出願第09/741,664号(2000年12月21日出願)を参照のこと、そしてこれらの開示はその全体を本明細書に組み入れる。実質的に3'エキソヌクレアーゼ活性を欠失しているDNAポリメラーゼの例示は、Taq、Tne(exo-)、Tma(exo-)、Pfu(exo-)、Pwo(exo-)、exo-KODおよびTth DNAポリメラーゼならびにそれらの突然変異型、変異型および誘導体を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用する「古細菌」DNAポリメラーゼは、ファミリーB/pol I型群(例えば、Pfu、KOD、Pfx、Vent、Deep Vent、Tgo、Pwo)またはpol II群(例えば、Pyrococcus furiosus DP1/DP2 2-サブユニットDNAポリメラーゼ)のどちらかに属するDNAポリメラーゼを指す。1つの実施形態において、「古細菌」DNAポリメラーゼは耐熱性古細菌DNAポリメラーゼ(PCRが可能)を指し、そしてPyrococcus種(furiosus、種 GB-D、woesii、abysii、horikoshii)、Thermococcus種(kodakaraensis KOD1、litoralis、種 9 degrees North-7、種 JDF-3、gorgonarius)、Pyrodictium occultum、およびArchaeoglobus fulgidusより単離されたDNAポリメラーゼを含むが、これらに限定されない。適切な古細菌は、>80〜85℃の最大増殖温度、または>70〜80℃の至適増殖温度を示すだろうと推定される。古細菌pol I DNAポリメラーゼ群由来の適切なPCR酵素は、市販のものを入手可能であり、Pfu(Stratagene)、KOD(Toyobo)、Pfx(Life Technologies, Inc.)、Vent(New England BioLabs)、Deep Vent(New England BioLabs)、Tgo(Roche)、およびPwo(Roche)を含む。上記に列挙したものに関連するさらなる古細菌は、以下の参照に記載される:Archaea:A Laboratory Mannual(Robb, F.T.およびPlace, A.R.監修), Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1995。
本明細書で使用する「突然変異型」ポリメラーゼは、本明細書で定義するように、DNAポリメラーゼの1以上の活性を調節する1以上の突然変異型を、本明細書で定義するように含むDNAポリメラーゼを指し、前記活性はDNA重合活性、塩基類似体検出活性、DNA重合活性、逆転写酵素活性、反応性、耐塩性、DNA結合、鎖置換活性、ヌクレオチド結合および認識、3'-5'もしくは5'-3'エキソヌクレアーゼ活性、プルーフリーディング、忠実度、効率、特異性、耐熱性および固有のホットスタート能または室温におけるDNA重合の低減化、三ヌクレオチド反復鎖を有する鋳型における増幅スリップの低減化、増幅サイクルの減少、伸長時間の短縮、ならびに本明細書に記載する処理に必要なポリメラーゼの量の低減化を含むが、これらに限定されない。1つの実施形態において、本発明の「突然変異型」ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼの1以上の塩基類似体検出活性が低減化した1以上の突然変異を含むDNAポリメラーゼを指す。1つの実施形態において、「突然変異型」は、ポリメラーゼにおける重合速度または忠実度を改良する突然変異を有するポリメラーゼを指す。好ましい実施形態において、本発明の「突然変異型」ポリメラーゼは、ウラシル検出活性が低減している。好ましい実施形態において、本発明の「突然変異型」ポリメラーゼは、イノシン検出活性が低減している。別の好ましい実施形態において、本発明の「突然変異型」ポリメラーゼは、ウラシルおよびイノシン検出活性が低減している。別の好ましい実施形態において、本発明の「突然変異型」ポリメラーゼは、DNA重合活性が低減している。いずれの「突然変異型」(例えばウラシル活性が低減した突然変異型)もまた、野生型ポリメラーゼと比較して、重合速度および/または忠実度が改良されているものであり得る。本明細書に記載する「突然変異型」ポリメラーゼは、1以上のアミノ酸置換、1以上のアミノ酸挿入、末端切断または内部欠失を含む。本明細書で定義するような「突然変異型」ポリメラーゼは、本明細書で定義するような非キメラおよびキメラポリメラーゼを含む。
本明細書で定義する「突然変異型」ポリメラーゼはまた、キメラポリメラーゼを含み、ここで、本明細書に記載するあらゆる単独、二重、三重突然変異型DNAポリメラーゼ、本明細書に記載する、挿入を含むあらゆる突然変異型DNAポリメラーゼ、または本明細書に記載する末端切断もしくは欠失されたあらゆる突然変異型DNAポリメラーゼは、DNAポリメラーゼの1以上の活性を調節するポリペプチドの組み合わせにおいて生じ、前記活性はDNA重合活性、塩基類似体検出活性、DNA重合活性、逆転写酵素活性、反応性、耐塩性、DNA結合、鎖置換活性、ヌクレオチド結合および認識、3'-5'もしくは5'-3'エキソヌクレアーゼ活性、プルーフリーディング、忠実度、効率、特異性、耐熱性および固有のホットスタート能または室温におけるDNA重合の低減化、三ヌクレオチド反復鎖を有する鋳型における増幅スリップの低減化、増幅サイクルの減少、伸長時間の短縮、ならびに本明細書に記載する処理に必要なポリメラーゼの量の低減化を含むが、これらに限定されず、従って、本明細書に記載されるようにキメラを形成する。例えば、反応性および/または耐塩性を向上させるポリペプチドは、WO 01/92501 A1およびPavlovら,2002, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 99:13510-13515に記載され、参照によりその全体を本明細書に組み入れる。
本明細書で定義する「キメラ」は、野生型または本発明の突然変異型DNAポリメラーゼを含む第1のアミノ酸配列(タンパク質)を、DNAポリメラーゼの1以上の活性を調節するポリペプチドを定義する第2のアミノ酸配列に接続した融合体であり、前記活性は反応性、耐塩性、DNA結合、鎖置換活性、ポリメラーゼ活性、ヌクレオチド結合および認識、3'-5'もしくは5'-3'エキソヌクレアーゼ活性、プルーフリーディング、忠実度、および/または室温におけるDNA重合の低減化を含むが、これらに限定されず、ここで、第1および第2のアミノ酸は、天然において同じ関係では見出されない。本発明の「キメラ」は、無関係のタンパク質由来の2以上のアミノ酸配列(例えば、野生型または突然変異型DNAポリメラーゼ、ならびに反応性および/または耐塩性を向上させるポリペプチド)を含み、これらは接続して新規の機能性タンパク質を形成する。1つの実施形態において、本発明の「キメラ」は第1のポリメラーゼ種由来の第1のアミノ酸配列(例えばPfu N末端)、および第2のポリメラーゼ種由来の第2のアミノ酸配列(例えばKOD C末端)を含む。本発明のキメラは、(異なるタンパク質においてではあるが)第1のタンパク質をも発現する生物において見られる外来性ポリペプチドを提示してもよく、または、異なる種の生物によって発現されるタンパク質構造の、「種間」、「遺伝子間」等の融合体であってもよい。本発明は、反応性および/もしくは耐塩性を向上させるポリペプチドが、野生型DNAポリメラーゼもしくは本明細書に記載する任意の突然変異型DNAポリメラーゼの任意の内部部位に、N末端もしくはC末端で接続しているか、または挿入されているキメラを含む。
「ドメイン」は、ポリペプチド部分配列、完全なポリペプチド配列または複数のポリペプチドを含むタンパク質またはタンパク質複合体の単位を指す。
「融合(fused)」は共有結合による結合を指す。
本明細書で使用する「反応性および/または耐塩性を向上させるポリペプチド」は、ポリペプチド配列もしくは複数のペプチド配列を含む、タンパク質またはタンパク質の領域またはタンパク質複合体であるドメインを指し、前記領域は本明細書に記載するように反応性を向上させ、または本明細書に記載するように耐塩性を向上させる。本発明で有用な「反応性および/または耐塩性を向上させるポリペプチド」は、Pavlovら,前述またはWO 01/92501に含まれるあらゆるドメイン(例えば、Sso7d、Sac7d、HMF様タンパク質、PCNAホモログ、およびヘリックス-ヘアピン-ヘリックスドメイン(例えばトポイソメラーゼ V由来))を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用する「接続(joined)」は、機能的にポリペプチドドメインを結合する当技術分野で知られるあらゆる方法を指し、中間ドメイン(intervening domains)を有するかまたは有さない組み換え融合、インテイン介在融合、非共有結合性結合および共有結合(ジスルフィド結合、水素結合、静電的結合および立体構造的結合を含む)を限定されることなく含む。
本明細書で使用する用語「調節」は、1以上の突然変異を含む本発明のキメラまたは非キメラDNAポリメラーゼの活性が、いかなる突然変異も含まない本発明のキメラまたは非キメラDNAポリメラーゼと比較して、2倍、好ましくは5倍、好ましくは20倍、好ましくは100倍、より好ましくは500倍もしくはそれ以上、増加または低減することを指す。
本明細書で使用する「反応性」は、鋳型または基質への結合を維持し、そして複数の修飾反応を実施するための核酸修飾酵素(例えばポリメラーゼ)の能力を指す。「修飾反応」は、重合および外ヌクレオチド鎖分解性切断を含むが、これらに限定されない。「反応性」はまた、比較的長い(例えば0.5〜1kb、1〜5kbもしくは5kbまたはそれ以上)ヌクレオチドの領域を修飾するための核酸修飾酵素(例えばポリメラーゼ)の能力を指す。「反応性」はまた、伸長DNA鎖からの酵素の解離が干渉することなく一連の重合ステップを実施するための核酸修飾酵素(例えばDNAポリメラーゼ)の能力を指す。「反応性」は、ポリメラーゼの性質、鋳型DNAの配列、および反応条件(例えば、塩濃度、温度もしくは特定のタンパク質の存在)に依存し得る。
本明細書で使用する「向上した反応性」は、本明細書で定義する反応性および/または耐塩性を向上させるポリペプチドが欠如した、野生型または突然変異型古細菌DNAポリメラーゼと比較して、5〜10%、好ましくは10〜50%、より好ましくは50〜100%またはそれ以上の向上を指す。反応性および向上した反応性は、本明細書ならびにPavlovら,前述およびWO 01/92501 A1で定義される方法に従って測定することができる。反応性が向上したポリメラーゼは、本明細書で定義するように反応性を向上させるポリペプチドを含むキメラであり、Pavlovら,前述およびWO 01/92501 A1に記載される。
本明細書で使用する「耐塩性が向上した」は、野生型ポリメラーゼが活性である最大塩濃度を超えると知られている塩濃度において>50%活性を示すポリメラーゼを指す。最大塩濃度は各ポリメラーゼによって異なり、そしてそれは当技術分野において知られており、あるいは、当技術分野の方法に従って実験的に測定することができる。例えば、Pfuは30mM(PCRにおいて)で阻害されるため、耐塩性が向上したPfu酵素は塩濃度が30mM以上で有意な活性(>50%)を有するであろう。耐塩性が向上したポリメラーゼは、本明細書で定義するように耐塩性を向上させるポリペプチドを含むキメラであり、Pavlovら,前述およびWO 01/92501 A1に記載される。
本明細書で使用する「DNA重合活性が低減した」DNAポリメラーゼは、野生型酵素のDNA重合活性より低い活性を含む突然変異型DNAポリメラーゼであり、例えば野生型酵素のDNA重合活性の10%より低い(例えば8%、6%、4%、2%または1%未満の)活性を含む。DNA重合活性が低減したPfu DNAポリメラーゼを生成および特徴付けるために用いる方法は、係属中の米国特許出願第10/035,091号(Hogrefeら;2001年12月21日出願)、係属中の米国特許出願第10/079,241号(Hogrefeら;2002年2月20日出願)、係属中の米国特許出願第10/208,508号(Hogrefeら;2002年7月30日出願)および係属中の米国特許出願第10/227,110号(Hogrefeら;2002年8月23日出願)において開示され、その内容の全体を本明細書に組み入れる。
本明細書で使用する「プルーフリーディング」活性は、DNAポリメラーゼの3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を指す。
「非プルーフリーディング」酵素は、「3'-5'エキソヌクレアーゼ欠失」または「3'-5' exo-」であるDNAポリメラーゼを指す。
本明細書で使用する「3'-5'エキソヌクレアーゼ欠失」または「3’-5’ exo-」は、DNAポリマーの3'末端から取り込まれたヌクレオチドを除去する能力が実質的に欠如している酵素を指す。ファミリーBポリメラーゼのメンバーによって例示される3'-5'エキソヌクレアーゼ活性等のDNAポリメラーゼエキソヌクレアーゼ活性は、突然変異により欠失させることができ、エキソヌクレアーゼ欠失ポリメラーゼを産生する。本明細書で使用する3'-5'エキソヌクレアーゼ活性が欠失したDNAポリメラーゼは、実質的に3'-5'エキソヌクレアーゼ活性が欠如する。「実質的に欠如する」は、活性の完全な欠如を包含し、例えば、親酵素と比較してエキソヌクレアーゼ活性が0.03%、0.05%、0.1%、1%、5%、10%、20%またはさらに50%までである。D141AおよびE143A突然変異ならびに3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を低減させるかまたは欠失させる他の突然変異を含む3'-5'エキソヌクレアーゼDNAポリメラーゼを生成および特徴付けるために用いる方法は、係属中の米国特許出願第09/698,341号(Sorgeら;2000年10月27日出願)に開示される。3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を低減させるかまたは欠失させるさらなる突然変異は、当技術分野において知られており、そして本明細書に意図される。
本明細書で使用する「忠実度」は、鋳型と相補的な核酸分子(例えばRNAもしくはDNA)を合成する場合の重合の正確さ、またはポリメラーゼが正しい基質(例えばヌクレオチド)と誤った基質とを区別する能力を指す。ポリメラーゼ忠実度がより高いほど、核酸合成の間に伸長する鎖において、ポリメラーゼによるヌクレオチドの誤った取り込みが低減し、すなわち、忠実度の向上または増強は、エラー率が低減した(誤った取り込み率が低減した)、より忠実なポリメラーゼをもたらす。
本明細書で使用する用語「忠実度」は、鋳型依存的DNAポリメラーゼによるDNA重合の正確さを指す。DNAポリメラーゼの忠実度は、エラー率(不正確なヌクレオチド(つまり鋳型依存的な様式で取り込まれないヌクレオチド)の取り込みの頻度)によって測定される。DNA重合の正確さおよび忠実度は、DNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性および3'-5'エキソヌクレアーゼ活性の双方により維持される。用語「高度な忠実度」は、塩基対当たり5×10-6またはそれ以下のエラー率を指す。DNAポリメラーゼの忠実度またはエラー率は、当技術分野で知られるアッセイを用いて測定され得る。例えば、突然変異型DNAポリメラーゼのエラー率は、Cline, J., Braman, J.C.およびHogrefe, H.H.(96)NAR 24:3546-3551に記載されるlacI PCR忠実度アッセイを用いて試験することができる。つまり、lacIOlacZα標的遺伝子をコードする1.9kb断片を、適切なPCRバッファー中で2.5U DNAポリメラーゼ(つまり、25nmolの全dNTPを30分間、72℃で取り込むのに必要な酵素の量)を使用して、pPRIAZプラスミドDNAから増幅する。次に、lacI含有PCR産物をラムダGT10アーム内にクローニングし、そして突然変異型lacIの割合(MF、突然変異誘発頻度)をカラースクリーニングアッセイ(Lundberg, K.S., Shoemaker, D.D., Adams, M.W.W., Short, J.M., Sorge, J.A.およびMathur, E.J.(1991)Gene 180:1-8に記載の通り)において測定する。エラー率は複製当たりのbp当たりの突然変異誘発頻度(MF/bp/d)で表示され、ここでbpはlacI遺伝子配列中で検出可能な部位の数(349)であり、そしてdは有効な標的倍加数である。各突然変異型DNAポリメラーゼについて、少なくとも2回の別々のPCR増幅を実施する。
向上した/促進された/高度な忠実度を有するDNAポリメラーゼは、所与の長さの任意の所与の核酸分子の合成の間に、約2〜約10,000倍、約2〜約5,000倍または約2〜約2,000倍(好ましくは約5倍を超えて、より好ましくは約10倍を超えて、さらにより好ましくは約50倍を超えて、なおより好ましくは約100倍を超えて、さらにより好ましくは約500倍を超えて、そして最も好ましくは約1000倍を超えて)誤って取り込まれたヌクレオチドの数が低減したポリメラーゼとして定義される。例えば、非突然変異型ポリメラーゼは1000塩基の合成中10個のヌクレオチドを誤って取り込むのに対して、突然変異型ポリメラーゼは1個のヌクレオチドを誤って取り込み得る。そのような突然変異型ポリメラーゼは、忠実度が10倍向上したと言われる。
誤った取り込みが低減したDNAポリメラーゼは、対応する非突然変異型、修飾されていないかまたは野生型の酵素と比較して、相対的な誤った取り込みが約50%もしくはそれ未満、または好ましくは約25%もしくはそれ未満、より好ましくは約10%もしくはそれ未満、および最も好ましくは約1%もしくはそれ未満である突然変異型あるいは修飾されたDNAポリメラーゼのどちらかとして、本明細書において定義される。忠実度がより低いDNAポリメラーゼもまた、誤ったヌクレオチドの取り込みを伴うDNA合成を開始し得る(PerrionおよびLoeb, 1989, J. Biol. Chem. 264:2898-2905)。
ポリメラーゼの忠実度または誤った取り込み率は、配列決定によって、または当技術分野において知られた他の方法(EckertおよびKunkel, Nucl. Acids Res. 3739-3744(1990))により測定することができる。1つの例示において、非突然変異型および突然変異型ポリメラーゼによって合成されたDNA分子の配列を、予想される(既知の)配列と比較することができる。この方法において、エラー(誤った取り込み)の数を各酵素について測定および比較することができる。
本明細書で使用する「突然変異」は、置換、挿入、欠失または末端切断を含む(これらに限定されない)DNAによってコードされるアミノ酸配列を変化させた、親のDNA配列または野生型DNA配列に導入した変化を指す。突然変異の結果は、親のDNAによってコードされるタンパク質に見られない新規の特徴、特性、機能または形質の作出を含むが、これらに限定されず、N末端切断、C末端切断または化学的修飾を含むが、これらに限定されない。本明細書で使用する「突然変異型」DNAポリメラーゼは、本明細書で定義されるような突然変異を含むDNAポリメラーゼを指す。本発明の「突然変異型」DNAポリメラーゼは、本発明の「キメラ」DNAポリメラーゼを含み得る。
本明細書で使用する「化学的に修飾した」は、化学的もしくは生化学的に修飾した、または非天然のもしくは誘導体化したヌクレオチド塩基を含む核酸を指す。そのような修飾は、例えば標識、メチル化、1以上の天然型ヌクレオチドの類似体との置換、非荷電結合(例えばメチルホスホン酸、ジチオリン酸等)、張り出した(pendent)成分(例えばポリペプチド)、インターカレーター(例えばアクリジン、ソラレン等)、キレート剤、アルキル化剤および修飾化結合(例えばαアノマー核酸等)等のヌクレオチド内部修飾を含む。水素結合および他の化学的相互作用を介して、設計された配列へ結合する能力においてポリヌクレオチドを模倣する合成分子もまた含まれる。そのような分子は当技術分野で知られており、そして例えばその分子のバックボーンにおいてペプチド結合がリン酸結合の代わりに置き換わったものを含む。
本明細書で使用する「耐熱性」は、例えば同様の活性を有する酵素の非耐熱性型と比較して、好ましくは約90から100℃の間およびより好ましくは約70〜98℃の間程度の温度に加熱して安定かつ活性である酵素を指す。例えば、P. furiosus、M. jannaschii、A.fulgidusまたはP. horikoshii等の好熱性生物由来の耐熱性核酸ポリメラーゼは、大腸菌(E. coli)由来の核酸ポリメラーゼと比較して、高温においてより安定かつ活性である。P. furiosus(Pfu)から単離した代表的な耐熱性核酸ポリメラーゼは、Lundbergら, 1991, GENE, 108:1-6に記載される。さらなる代表的な温度安定性ポリメラーゼは、例えば好熱性細菌Thermus flavus、Thermus ruber、Thermus thermophilus、Bacillus stearothermophilus(他の列挙したものより少し低い至適温度を有する)、Thermus lacteus、Thermus rubens、Thermotoga maritimaまたは好熱性古細菌Thermococcus litoralis、およびMethanothermus fervidusより抽出したポリメラーゼを含む。
温度安定性ポリメラーゼは、温度サイクルプロセスにおいて好ましく、ここで二本鎖核酸はPCRサイクルの間に高温(約95℃)に曝露することで変性する。
本明細書で使用する用語「鋳型DNA分子」は、例えばプライマー伸長反応において、相補的な核酸鎖がDNAポリメラーゼによって合成される、核酸の鎖を指す。
本明細書で使用する用語「鋳型依存的様式」は、プライマー分子の鋳型依存的伸長(例えば、DNAポリメラーゼによるDNA合成)を含むプロセスを指すことが意図される。用語「鋳型依存的様式」は、RNAまたはDNAのポリヌクレオチド合成を指し、ここで、新規に合成されたポリヌクレオチド鎖の配列は、よく知られた相補的な塩基対の規則によって決定される(例えば、Watson, J. D.ら, Molecular Biology of the Gene 第4版中, W. A. Benjamin, Inc., Menlo Park, Calif.(1987)を参照せよ)。
本明細書で使用する「増幅産物」は、PCR増幅反応終了時の二本鎖ポリヌクレオチド群を指す。増幅産物は、元の鋳型ポリペプチド、およびPCR反応の間に前記鋳型ポリヌクレオチドを使用してDNAポリメラーゼによって合成されたポリヌクレオチドを含む。
本明細書で使用する「鋳型ポリヌクレオチド」または「標的鋳型ポリヌクレオチド」または「鋳型」は、増幅領域を含むポリヌクレオチドを指す。本明細書で使用する「増幅領域」は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってどちらも合成されるポリヌクレオチドの領域である。例えば、鋳型ポリヌクレオチドの増幅領域は、2つのPCRプライマーと相補的である2つの配列の間に存在する。
本明細書で使用する用語「プライマー」は、一本鎖DNAまたはRNA分子を指し、これらは鋳型ポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができ、および第2のポリヌクレオチド鎖の酵素的合成を開始することができる。本発明の有用なプライマーは、10〜100の間の長さのヌクレオチド、好ましくは長さ17〜50のヌクレオチド、およびより好ましくは長さ17〜45のヌクレオチドである。
「相補的」は、2つのポリヌクレオチド鎖の領域の間または塩基対形成を介した2つのヌクレオチド間における配列相補性の幅広い概念を指す。アデニンヌクレオチドがチミンまたはウラシルであるヌクレオチドと特異的な水素結合を形成すること(「塩基対形成」)が可能であることが知られている。同様に、シトシンヌクレオチドがグアニンヌクレオチドと塩基対を形成することが可能であることが知られている。
用語「野生型」は、天然の供給源から単離された場合の遺伝子または遺伝子産物の特徴を有する遺伝子または遺伝子産物を指す。逆に、用語「修飾した」または「突然変異型」は、野生型遺伝子または遺伝子産物と比較した場合に、変化した特徴を示す遺伝子または遺伝子産物を指す。例えば、本発明の突然変異型DNAポリメラーゼは、低減したウラシル検出活性を示すDNAポリメラーゼである。
本明細書で使用する「FEN-1ヌクレアーゼ」は、本発明において有用な耐熱性FEN-1エンドヌクレアーゼを指し、「超好熱菌」から(例えば、M. jannaschii、P. furiosusおよびP. woesiiより)精製したFEN-1エンドヌクレアーゼを含むが、これらに限定されない。米国特許第5,843,669号を参照、参照により本明細書に組み入れる。
本発明の方法に従って、増幅反応にFEN-1を添加することは、複数部位突然変異誘発の効率を劇的に向上させる。400ng〜4000ngのFEN-1が、各増幅反応に使用され得る。好ましくは400〜1000ng、より好ましくは400〜600ngのFEN-1が増幅反応に使用される。本発明の好ましい実施形態において、400ngのFEN-1が使用される。
本明細書で使用する「Thermus DNAリガーゼ」は、環状突然変異鎖を形成するように各々の変異プライマーの伸長によって合成された突然変異断片を連結するための、複数部位突然変異誘発増幅反応に使用される耐熱性DNAリガーゼを指す。TthおよびTaq DNAリガーゼは、NADを補因子として必要とする。
好ましくは、1〜20U DNAリガーゼが各増幅反応に使用され、より好ましくは2〜15U DNAリガーゼが各増幅反応に使用される。
好ましい実施形態において、15U Taq DNAリガーゼが増幅反応に使用される。Taq DNAリガーゼ補因子NADは、0〜1mM、好ましくは0.02〜0.2mMの間、より好ましくは0.1mMの濃度で使用される。
本明細書で使用する「PCR促進因子」または「ポリメラーゼ促進因子」(PEF)は、ポリヌクレオチドポリメラーゼ促進活性を有する複合体またはタンパク質を指し、PEP、dUTP分解酵素、ssbPCNA、RFC、ヘリカーゼ等(Hogrefeら, 1997, Strategies 10:93-96および米国特許第6,183,997号、双方は参照により本明細書に組み入れる)を含むが、これらに限定されない。「PCR促進因子」もまた、非タンパク質因子(例えばDMSOおよびベタイン)を含む。
本発明はまた、副因子(accessory factors)と組み合わせた突然変異型古細菌DNAポリメラーゼも意図され、これは例えば米国特許第6,333,158号およびWO 01/09347 A2に記載され、参照によりその全体を本明細書に組み入れる。
本発明はまた、本発明の方法を実施するために作製される組成物、および本発明の方法を実施する間に作製される組成物に関する。そのような組成物は、本発明の1以上のポリメラーゼ、1以上のヌクレオチド、1以上の鋳型、1以上の反応バッファーまたは緩衝塩、1以上のプライマー、本発明の方法により作製される1以上の核酸産物等からなる群より選択される、1以上の構成成分を含み得る。
発明の詳細な説明
本発明は、PCR、DNA配列決定および突然変異誘発プロトコルに使用するための、キメラおよび非キメラ耐熱性DNAポリメラーゼの新規のブレンドを開示する。本発明は、より短い伸長時間でのPCR反応を可能にし、それは鋳型ゲノムDNAのPCR増幅を容易にし、そしてロングPCRの効率を改良する。
I.本発明のDNAポリメラーゼ
本発明は、少なくとも1つのキメラDNAポリメラーゼ、および少なくとも1つの非キメラ野生型、突然変異型または化学的に修飾したDNAポリメラーゼのブレンドを提供する。本発明において有用なキメラまたは非キメラDNAポリメラーゼは、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を有するかまたは有さない(つまりプルーフリーディングまたは非プルーフリーディング)ものであってよく、そして好ましくは耐熱性である。本発明は、1以上の突然変異を有するキメラおよび非キメラDNAポリメラーゼの双方を提供するものであり、前記突然変異は野生型DNAポリメラーゼに通常見られる1以上の活性を修飾する。
本発明において有用なさらなる核酸ポリメラーゼを以下に列挙する。
A.バクテリオファージDNAポリメラーゼ(37℃アッセイに有用):
バクテリオファージDNAポリメラーゼは、5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を欠失しており、この活性は別のポリペプチドによってコードされている。適切なDNAポリメラーゼの例示は、T4、T7およびφ29 DNAポリメラーゼである。市販の酵素は:T4(多くの発売元、例えばEpicentreより入手可能)およびT7(多くの発売元、例えば非修飾化DNAポリメラーゼについてはEpicentre、そして3'-5'exo-T7「Sequenase」DNAポリメラーゼについてはUSBより入手可能)である。
B.古細菌DNAポリメラーゼ:
古細菌において同定されたDNAポリメラーゼの2つの異なるクラスがある:1.ファミリーB/pol I型(Pyrococcus furiosus由来のPfuのホモログ)、および2.pol II型(P. furiosus DP1/DP2 2サブユニットポリメラーゼのホモログ)。両クラス由来のDNAポリメラーゼは、本来的に5’-3’エキソヌクレアーゼ関連活性を欠失し、3’-5’エキソヌクレアーゼ(プルーフリーディング)活性を有することが示されてきた。適切なDNAポリメラーゼ(pol Iまたはpol II)は、所望のアッセイ温度と同様の至適増殖温度を有する古細菌由来であり得る。
耐熱性古細菌DNAポリメラーゼは、Pyrococcus種(furiosus、種 GB-D、woesii、abysii、horikoshii)、Thermococcus種(kodakaraensis KOD1、litoralis、種 9 degrees North-7、種 JDF-3、gorgonarius)、Pyrodictium occultum、およびArchaeoglobus fulgidusより単離した。適切な古細菌は、>80〜85℃の最大増殖温度、または>70〜80℃の至適増殖温度を示すだろうと推定される。古細菌pol I DNAポリメラーゼ群由来の適切なPCR酵素は、市販のものを入手可能であり、Pfu(Stratagene)、KOD(Toyobo)、Pfx(Life Technologies, Inc.)、Vent(New England BioLabs)、Deep Vent(New England BioLabs)、Tgo(Roche)およびPwo(Roche)を含む。
上記に列挙したものに関連したさらなる古細菌DNAポリメラーゼは、以下の参照文献に記載される:古細菌:A Laboratory Manual(Robb, F.T.およびPlace, A.R.監修), Cold Spring harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1995およびThermophilic Bacteria(Kristjansson, J.K.監修)CRC Press, Inc., Boca Raton, Florida, 1992。
従って、本発明は、ファミリーB/pol I型またはpol II型のいずれかの耐熱性古細菌DNAポリメラーゼならびにそれらの突然変異型または誘導体を提供する。
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C.真正細菌DNAポリメラーゼ:
真正細菌DNAポリメラーゼには、pol I、IIおよびIIIの3つのクラスがある。Pol I DNAポリメラーゼファミリーの酵素は5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を有し、そして特定のメンバーはまた、3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を示す。Pol II DNAポリメラーゼは本来的に5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を欠失しているが、しかし3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を示す。Pol III DNAポリメラーゼは、細胞の主要な複製DNAポリメラーゼに相当し、そして複数のサブユニットから構成される。pol III触媒サブユニットは5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を欠失しているが、しかし場合によっては3’-5’エキソヌクレアーゼ活性が同じポリペプチドにある。
真正細菌pol IIおよびpol III DNAポリメラーゼの発売元はない。
様々な市販のPol I DNAポリメラーゼがあるが、5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を低減または欠失するように修飾したものもある。
適切な耐熱性pol I DNAポリメラーゼは、様々な好熱性真正細菌より単離することができ、前記細菌はThermus aquaticus(Taq)、Thermus thermophilus(Tth)およびThermotoga maritima(Tma U1Tma)等の、Thermus 種ならびにThermotoga maritimaを含む。
上記に列挙したものに関連したさらなる真正細菌は、Thermophilic Bacteria(Kristjansson, J.K.,監修)CRC Press, Inc., Boca Raton, Florida, 1992に記載される。
本発明はさらに、米国特許第5,677,152、6,479,264および6,183,998号に開示される方法に従って化学的に修飾されている、キメラまたは非キメラDNAポリメラーゼを提供し、その内容は参照によりその全文を本明細書に組み入れる。
II.突然変異型非キメラDNAポリメラーゼの調製
本発明に従い、DNAポリメラーゼキメラと混合された非キメラDNAポリメラーゼは、野生型または1以上の突然変異を含むように修飾したあらゆるDNAポリメラーゼから生成することができ、1以上の点突然変異、Nおよび/もしくはC末端切断、内部欠失または挿入を含むがこれらに限定されず、これらは野生型ポリメラーゼと異なった作用を示すDNAポリメラーゼを生じる。本発明で有用な突然変異型DNAポリメラーゼは、塩基類似体もしくはウラシル非感受性をもたらし、忠実度を向上させ、3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を消失させ、または5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を消失させ、またはポリメラーゼ活性を低減する突然変異を含むが、これらに限定されない。有用な突然変異または末端切断の特定の例示は、Pfu DNAポリメラーゼにおけるV93R,K,E,D(ウラシル非感受性を与える)、Pfu DNAポリメラーゼにおけるD141A/E143A(3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を消失させる)、およびTaq DNAポリメラーゼのN末端切断による5’-3’エキソヌクレアーゼ活性の消失(Klen Taq)を含むが、これらに限定されない。非キメラ突然変異型DNAポリメラーゼを生成する方法は以下に記載され、そして他の方法は当技術分野において知られている。
遺伝学的修飾-突然変異誘発
多様な生物由来のDNAポリメラーゼを直接的に比較することは、これらの酵素のドメイン構造が高度に保存されていることを示し、そして多くの場合、特定の機能を酵素の明確なドメインに当てはめることが可能である。例えば、6つの最も保存されたC末端領域(約340アミノ酸に渡る)は同じ直線的配置に位置し、金属とdNTPとの結合部位および鋳型DNAを保持するための溝を形成する高度に保存されたモチーフを含み、従ってこれらは重合機能に不可欠である。別の例示において、大腸菌DNAポリメラーゼIにおいて金属結合、一本鎖DNA結合、3’-5’エキソヌクレアーゼ反応の触媒作用に関与する重要な残基を含む3つのアミノ酸領域は、いくつかの原核細胞および真核細胞DNAポリメラーゼにおいて、アミノ末端側半分および同じ直線的配置に位置する。これらの保存領域の位置は、必須の機能(例えばDNA重合およびプルーフリーディング活性)を保持しつつ活性を修飾した突然変異型DNAポリメラーゼを調製するための、遺伝学的修飾を導くために有用なモデルを提供する。
例えば、非キメラ突然変異型DNAポリメラーゼは遺伝学的修飾によって(例えば野生型DNAポリメラーゼのDNA配列を修飾することによって)生成することができる。多くの方法が当技術分野で知られており、それらはDNA配列のランダム突然変異誘発ならびに標的突然変異誘発を可能にする(例えば、AusubelらShort Protocols in Molecular Biology(1995)第3版John Wiley&Sons, Inc.を参照せよ)。さらに、部位特異的突然変異誘発のための多くの市販のキットがあり、従来の方法およびPCRに基づく方法の両方を含む。例示は、Stratageneより入手可能なEXSITE(商標)PCR-Based Site-directed Mutagenesis Kit(カタログ番号200502)およびStratageneより入手可能なQUIKCHANGE(商標)Site-directed mutagenesis Kit(カタログ番号200518)およびこれもまたStratageneのCHAMELEON(登録商標)double-stranded Site-directed mutagenesis kit(カタログ番号200509)を含む。
さらに、非キメラ突然変異型DNAポリメラーゼは、当業者に知られている方法論に従って、挿入突然変異または切断(N末端、内部もしくはC末端)によって生成し得る。
当技術分野で知られる部位特異的突然変異誘発の従来の方法は、突然変異が誘発される配列をベクター(M13バクテリオファージベクター等)内にサブクローニングすることによるもので、これは一本鎖鋳型DNAの単離を可能にする。これらの方法において、変異プライマー(つまり、突然変異を誘発させる部位にアニールすることができるが、突然変異を誘発させる部位において1以上のミスマッチヌクレオチドを有するプライマー)を一本鎖化した鋳型とアニールさせ、そして次に変異プライマーの3'末端から開始して鋳型の相補体を重合させる。得られた二本鎖は次に宿主細菌内に形質転換し、そしてプラークを所望の突然変異体についてスクリーニングする。
最近になって、部位特異的突然変異誘発には、一本鎖化した鋳型を必要としない利点を有するPCR法が採用されてきている。さらに、サブクローニングを必要としない方法が開発されてきた。PCRに基づいた部位特異的突然変異誘発を実施する場合に、いくつかの問題が考慮されるべきである。第1に、これらの方法において、PCRのサイクル数を低減することで、ポリメラーゼによって導入される望まない突然変異の拡大を回避することが望ましい。第2に、反応物中に残存する突然変異を誘発されない親の分子の数を低減させるために、選択を実施しなければならない。第3に、広範囲の長さの(extended-length)PCR法は、1つのPCRプライマー対を使用可能とするために好ましい。そして第4に、いくつかの耐熱性ポリメラーゼの非鋳型依存的末端伸長活性のために、PCR生成突然変異産物の平滑末端ライゲーションの前の手順において、末端加工ステップを組み入れることが必要となることが多い。
以下に記載するプロトコルは、次のステップによりこれらの考察に対応する。第1に、使用する鋳型濃度は、従来のPCR反応で使用するより約1000倍高くし、産物の収量を激減させることなく、25〜30回のサイクル数を5〜10回に低減させることができる。第2に、制限エンドヌクレアーゼDpnI(認識標的配列:5-Gm6ATC-3、ここでA残基はメチル化されている)を親のDNAに対して選択するために使用し、これは、大腸菌の最も一般的な株がそれらのDNAを配列5-GATC-3においてDamメチル化するためである。第3に、Taq ExtenderをPCR混合液に使用することで、長い(つまりプラスミドの完全長)PCR産物の割合を増加させるようにする。最後に、Pfu DNAポリメラーゼを使用して、T4 DNAリガーゼを使用した分子内ライゲーションの前に、PCR産物の末端を加工する。
非キメラ突然変異型DNAポリメラーゼの単離に対する制限されない例示を、以下の通り詳細に記載する:
鋳型プラスミドDNA(約0.5 pmole)をPCR混合液に添加し、前記PCR混合液は:1×突然変異誘発バッファー(20mM Tris HCl, pH7.5; 8mM MgCl2; 40μg/ml BSA);12〜20pmolの各プライマー(当業者が必要に応じて変異プライマーを設計してもよく、オリゴヌクレオチドプライマーのアニーリング特性に影響を与える塩基組成、プライマー長および意図するバッファー塩濃度等の因子を考慮し;1つのプライマーは所望の突然変異を有するべきであり、そして1つ(同じものまたは他のもの)は後のライゲーションを容易にするための5'リン酸を含むべきである)、250μMの各dNTP、2.5U Taq DNAポリメラーゼおよび2.5UのTaq Extender(Stratageneより入手可能;Nielsonら(1994)Strategies 7:27および米国特許第5,556,772号を参照)を含む。プライマーは、Matteucciら,1981, J. Am. Chem. Soc. 103:3185-3191(参照により本明細書に組み入れる)のトリエステル法を用いて調製することができる。あるいはまた、例えば、シアノエチルホスホラミダイト化学反応を利用したBiosearch 8700 DNA Synthesizerにおける自動合成が好ましいであろう。
PCRサイクルは以下の通り実施する:94℃で4分間、50℃で2分間および72℃で2分間を1サイクル;次に94℃で1分間、54℃で2分間および72℃で1分間を5〜10サイクル。親の鋳型DNA、および変異プライマーを取り込んだ直鎖状のPCR生成DNAをDpnI(10U)およびPfu DNAポリメラーゼ(2.5U)で処理する。これにより、in vivoにおいてメチル化された親の鋳型およびハイブリッドDNAのDpnI消化、ならびに直鎖状PCR産物における、Pfu DNAポリメラーゼによる非鋳型依存的Taq DNAポリメラーゼ伸長塩基の除去がもたらされる。この反応は37℃で30分間インキュベーションされ、そして次に72℃にしてさらに30分間行う。0.5mM ATPを含む突然変異誘発バッファー(115μlの1×)をDpnI消化、Pfu DNAポリメラーゼ加工PCR産物に添加する。この溶液を混合し、そして10μlを新しい微小試験管に採取し、そしてT4 DNAリガーゼ(2〜4U)を添加する。ライゲーションは37℃で60分間以上インキュベーションする。最後にこの処理溶液を、標準的な方法に従ってコンピテント大腸菌に形質転換する。
1以上のランダムな位置の突然変異を有する突然変異体群をもたらすであろうランダム変異導入法が当技術分野に存在する。そのような突然変異体群は、次に、野生型ポリメラーゼと比較して、低減したDNA重合活性、3'-5'エキソヌクレアーゼ欠失および/または低減したウラシル検出活性を含むがこれらに限定されない特性を示すような改良された活性に対してスクリーニングされ得る(例えば、200μM dUTPの存在下において、そして所与のDNAポリメラーゼに至適な温度で、30分間で10nmolのdNTPがポリマー型へ取り込まれるのを測定することによる)。ランダム変異導入法の例示は、いわゆる「エラープローン(error-prone)PCR法」である。名前が示すように、前記方法は、DNAポリメラーゼが高度な忠実度の取り込みに対応しない条件下で所与の配列を増幅する。異なるDNAポリメラーゼに対するエラープローン取り込みを促進する条件は多様であるが、しかし、当業者は所与の酵素に対するそのような条件を決定し得る。増幅の忠実度における多くのDNAポリメラーゼに対する重要な可変要因は、例えばバッファー中の二価金属イオンの種類および濃度である。従って、マンガンイオンの使用および/またはマグネシウムもしくはマンガンイオン濃度の変化は、ポリメラーゼのエラー率に影響を与えるために適用され得る。
突然変異誘発によって生成した所望の突然変異型DNAポリメラーゼに対する遺伝子は、突然変異の位置および数を同定するために配列決定され得る。1以上の突然変異を含むこれらの突然変異体に関して、所与の突然変異の効果は、特定の突然変異体を有する他の突然変異から独立して、部位特異的突然変異による野生型遺伝子への同定されている突然変異の導入によって評価され得る。その結果、このように実施される単独突然変異のスクリーニングアッセイは、この突然変異のみの効果の判定ができるだろう。
1つの実施形態において、本発明は、1以上のキメラDNAポリメラーゼまたは1以上の突然変異型DNAポリメラーゼを含む2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供するものであり、例えば、その少なくとも1つは1以上の突然変異を含有する古細菌DNAポリメラーゼ由来である。
好ましい実施形態において、本発明は、1以上のキメラDNAポリメラーゼおよび1以上の突然変異型DNAポリメラーゼを含む2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供するものであり、その少なくとも1つはPfu DNAポリメラーゼ由来である。
別の好ましい実施形態において、本発明は、1以上のキメラDNAポリメラーゼおよび1以上の非キメラDNAポリメラーゼを含む2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供するものであり、その少なくとも1つはTaq DNAポリメラーゼ由来である。
この開示の利益を得る当業者は、Vent DNAポリメラーゼ、JDF-3 DNAポリメラーゼ、Tgo DNAポリメラーゼ、KOD DNAポリメラーゼ等を含む他のexo+ DNAポリメラーゼ由来のDNAポリメラーゼが本発明の組成物において適切に使用され得ることを認識するだろう。
野生型Pfu DNAポリメラーゼのアミノ酸およびDNAコード配列は、図5に示す(Genbank 受け入れ番号P80061)。Pfu DNAポリメラーゼの構造および機能の詳細な記載は、特に米国特許第5,948,663号、5,866,395号、5,545,552号、5,556,772号に見出すことができ、これらのすべては参照によりその全体を本明細書に組み入れる。例えばウラシル検出活性が低減したPfu DNAポリメラーゼを調製するための、限定されない詳細な手順は、実施例1に記載する。
本発明の組成物の酵素は、未だ単離されていないDNAポリメラーゼを含み得る。
本発明は、1以上のキメラDNAポリメラーゼおよび1以上の非キメラ突然変異型または野生型DNAポリメラーゼを含む2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供するものである。
本発明は、1以上のキメラDNAポリメラーゼおよび1以上の非キメラ突然変異型Pfu DNAポリメラーゼを含む2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供するものであり、前記Pfu DNAポリメラーゼは、塩基類似体検出活性を低減させる1以上の突然変異を含み、係属中の米国特許出願第10/280,962号(Hogrefeら;2002年10月25日出願)および係属中の米国特許出願第10/298,680号(Hogrefeら;2002年11月18日出願)において開示される通りであり、その内容の全体を本明細書に組み入れる。
好ましい実施形態において、2以上のDNAポリメラーゼのブレンドは、本発明の1以上のキメラDNAポリメラーゼおよび1以上の非キメラ突然変異型Pfu DNAポリメラーゼを含み、前記Pfu DNAポリメラーゼは、アミノ酸位置93において、バリンからアルギニン、バリンからグルタミン酸、バリンからリジン、バリンからアスパラギン酸またはバリンからアスパラギンへの置換を含む。
本発明はさらに、1以上のキメラDNAポリメラーゼおよび1以上の非キメラ突然変異型古細菌DNAポリメラーゼを含む2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供するものであり、前記古細菌DNAポリメラーゼは塩基類似体検出活性が低減しており、アミノ酸位置93において、バリンからアルギニン、バリンからグルタミン酸、バリンからリジン、バリンからアスパラギン酸またはバリンからアスパラギンへの置換を含む。
ウラシル検出が低減したPfu DNAポリメラーゼは、以下のように調製することができる。ウラシル検出を低減させる一方で、ポリメラーゼまたはプルーフリーディング活性への影響が最小限となるような突然変異をPfu DNAポリメラーゼに導入する。突然変異誘発に使用する鋳型DNAはPfu pol遺伝子を含み、pBluescript内にクローニングされる(米国特許第5,489,523号に記載されるpF72クローン)。点突然変異は、QuikChangeまたはQuikChange Multi Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene)を用いて導入される。QuikChangeキットを用いて、1対の変異プライマーを用いて点突然変異が導入される(V93E、H、K、RおよびN)。QuikChange Multiキットを用いて、1つのリン酸化された変異プライマーを取り込むことにより、またはPfu V93変異体のライブラリーからランダム突然変異体を選択することによって、特定の点突然変異が導入され、縮重コドン(V93GおよびL)を取り込むことによって作出される。クローンの配列決定をすることにより、導入された突然変異を同定する。
Pfu DNAポリメラーゼにおけるバリン93は、図1に列挙するQuikChangeプライマー配列を用いて、グリシン(G)、アスパラギン(N)、アルギニン(R)、グルタミン酸(E)ヒスチジン(H)およびロイシン(L)と置換された。
突然変異型キメラまたは非キメラPfu DNAポリメラーゼの活性の評価は、以下の通りに行う。
部分的に精製されたPfu突然変異体調製物(熱処理済み細菌抽出物)を、PCR中におけるdUTP取り込みについてアッセイした。この例示において、Pfu pol遺伝子を含む2.3kb断片は、PCRプライマー:
Figure 2006513726
および
Figure 2006513726
を用いたプラスミドDNA由来であった。増幅反応液は、1×クローン化Pfu PCRバッファー、7ng プラスミドDNA、100ngの各プライマー、2.5Uの突然変異型Pfu(または野生型Pfu)、ならびに200μMの各dGTP、dCTPおよびdATPから構成された。相対的なdUTP取り込みを評価するために、様々な量のdUTP(0〜400μM)および/またはTTP(0〜200μM)をPCR反応混合液に添加した。増幅反応は、実施例6に記載の通り行った。
結果。V93EおよびV93Rキメラまたは非キメラ突然変異型DNAポリメラーゼの部分的に精製された調製物は、野生型Pfuと比較してdUTPの取り込みが改善されていることを示した(図2a)。各突然変異体は、200μMのdUTP(に加え、各200μMのTTP、dATP、dCTP、dGTP)の存在下において、2.3kb標的物をうまく増幅した。反対に、V93Rキメラまたは非キメラPfu V93N、V93G、V93HおよびV93L突然変異体を含む抽出物は、200μMのdUTPの存在下でほとんど〜全く増幅を示さず、野生型Pfuと同様であった(データは示さない)。さらなる試験は、キメラまたは非キメラPfu V93R突然変異体抽出物が、100%dUTP(0%TTP)存在下で2.3kb標的物を増幅することを示した(図2b)。
本発明はさらに、1以上のキメラDNAポリメラーゼ、およびDNA重合活性が低減したG387P突然変異型古細菌DNAポリメラーゼを有する、1以上の非キメラ突然変異型古細菌DNAポリメラーゼを含む、2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供するものである。
本発明はさらに、1以上のキメラDNAポリメラーゼ、およびウラシル検出活性が低減した1以上の非キメラV93突然変異型Pfu DNAポリメラーゼを含む2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供するものであり、前記Pfu DNAポリメラーゼはV93 Pfu DNAポリメラーゼの1以上のさらなる活性(例えばDNA重合活性または3'-5'エキソヌクレアーゼ活性)を調節する1以上のさらなる突然変異を含む。1つの実施形態において、本発明の非キメラV93突然変異型Pfu DNAポリメラーゼは、DNAポリメラーゼを3'-5'エキソヌクレアーゼ欠失にする1以上の突然変異を含む。別の実施形態において、本発明の非キメラV93突然変異型Pfu DNAポリメラーゼは、非キメラV93 Pfu DNAポリメラーゼのDNA重合活性を低減させる1以上の突然変異を含む。
本発明はさらに、1以上のキメラDNAポリメラーゼ、およびウラシル検出活性が低減した1以上の非キメラV93突然変異型Pfu DNAポリメラーゼを含む2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供するものであり、前記Pfu DNAポリメラーゼはDNA重合活性を低減させる1以上の突然変異を含み、それは係属中の米国特許出願第10/035,091号(Hogrefeら;2001年12月21日出願);係属中の米国特許出願第10/079,241号(Hogrefeら;2002年2月20日出願);係属中の米国特許出願第10/208,508号(Hogrefeら;2002年7月30日出願);および係属中の米国特許出願第10/227,110号(Hogrefeら;2002年8月23日出願)に記載の通りであり、その内容の全体を本明細書に組み入れる。
1つの実施形態において、本発明は、非キメラV93R/G387P、V93E/G387P、V93D/G387P、V93K/G387PまたはV93N/G387P二重変異型Pfu DNAポリメラーゼを提供するものであり、前記ポリメラーゼはDNA重合活性が低減しており、そしてウラシル検出活性が低減している。
本発明はさらに、ウラシル検出活性が低減した非キメラV93R、V93E、V93D、V93KまたはV93N突然変異型Pfu DNAポリメラーゼを提供するものであり、これは3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を低減または欠失させる1以上の突然変異を含み、係属中の米国特許出願第09/698,341号(Sorgeら;2000年10月27日出願)に記載の通りである。
1つの実施形態において、本発明は、非キメラV93R/D141A/E143A三重変異型Pfu DNAポリメラーゼを提供するものであり、これは3'-5'エキソヌクレアーゼ活性が低減しており、そしてウラシル検出活性が低減している。
本発明はさらに、古細菌DNAポリメラーゼの塩基類似体検出活性を向上させ得るかまたは欠失させ得る1以上の突然変異の任意の組み合わせを含む、本発明の1以上の非キメラPfu DNAポリメラーゼを提供するものである。
さらなる突然変異を含むDNAポリメラーゼは、鋳型DNA分子として本発明のDNAポリメラーゼ(例えばPfu DNAポリメラーゼまたはPfu V93R cDNA)を使用して、当業者によく知られている方法および本明細書に記載される方法に従った部位特異的突然変異誘発によって生成される。
本発明のDNA重合活性が低減した非キメラPfu DNAポリメラーゼを生成するために用いる方法は、係属中の米国特許出願第10/035,091号(Hogrefeら;2001年12月21日出願);係属中の米国特許出願第10/079,241号(Hogrefeら;2002年2月20日出願);係属中の米国特許出願第10/208,508号(Hogrefeら;2002年7月30日出願);および係属中の米国特許出願第10/227,110号(Hogrefeら;2002年8月23日出願)に開示される通りであり、その内容の全体を本明細書に組み入れる。
D141AおよびE143A突然変異を含む、3'-5'エキソヌクレアーゼ欠失JDF-3 DNAポリメラーゼを生成するのに用いる方法は、係属中の米国特許出願第09/698,341号(Sorgeら;2000年10月27日出願)に開示される。係属中の米国特許出願第09/698,341号(Sorgeら;2000年10月27日出願)の教示を入手する当業者には、確立された部位特異的突然変異誘発の方法論を用いて、対応するD141AおよびE143A突然変異の双方または他の3'-5'エキソヌクレアーゼ突然変異を本発明のDNAポリメラーゼへ導入することは困難なことではなく、前記DNAポリメラーゼは例えば非キメラV93 Pfu DNAポリメラーゼcDNAを含み、係属中の米国特許出願第09/698,341号に記載される通りである。
3つの3'-5'エキソヌクレアーゼモチーフが同定され、そしてこれらの領域における突然変異はまた、クレノウ、φ29、T4、T7およびVent DNAポリメラーゼ、酵母Polα、Polβおよびγ、ならびに枯草菌(Bacillus subtilis) Pol IIIにおいて3'-5'エキソヌクレアーゼを欠失させることを示してきており(Derbeyshireら, 1995, Methods. Enzymol. 262:363に記載される)、これらのすべては本明細書に開示される本発明のブレンドの非キメラDNAポリメラーゼ構成成分として使用することができる。3'-5'エキソヌクレアーゼ活性が低減または欠失した、さらなる非キメラ突然変異型DNAポリメラーゼを調製する方法は、当技術分野でよく知られている。
5’-3’および3’-5’エキソヌクレアーゼ活性の双方を欠失する市販の酵素は、Sequenase(exo-T7; USB)、Pfu exo-(Stratagene)、exo-Vent(New England BioLabs)、exo-DeepVent(New England BioLabs)、exo-クレノウ断片(Stratagene)、Bst(Bio-Rad)、Isotherm(Epicentre)、Ladderman(Panvera)、KlenTaq1(Ab Peptides)、ストッフェル断片(Perkin-Elmer)、ThermoSequenase(USB)およびTaqFS(Hoffman-LaRoche)を含み、これらのいずれか1つが本明細書に開示される本発明のブレンドにおける非キメラDNAポリメラーゼ構成成分として使用され得る。
本発明によれば、上記の突然変異に加え、1以上のさらなる突然変異または修飾(またはそれらの組み合わせ)が対象のポリメラーゼにもたらされ得る。特定の対象物の突然変異または修飾は、(1)5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を欠失させるまたは低減させる;および(2)ジデオキシヌクレオチドの識別能を低減させる(つまり、ジデオキシヌクレオチドの取り込みを向上させる)ような、突然変異の修飾を含む。ポリメラーゼの5'-3'エキソヌクレアーゼ活性は、ポリメラーゼ遺伝子を突然変異させることによって、または5’-3’エキソヌクレアーゼドメインを欠失させることによって、低減または欠失させることができる。そのような突然変異は、点突然変異、フレームシフト突然変異、欠失および挿入を含む。好ましくは、DNAポリメラーゼ活性をコードする遺伝子の領域は、当技術分野によく知られる技術を用いて欠失される。例えば、5'-3'エキソヌクレアーゼ活性に関連する6つの保存されたアミノ酸の任意の1つを突然変異させることができる。Taq DNAポリメラーゼに関するこれらの保存されたアミノ酸の例示は、Asp18、Glu117、Asp119、Asp120、Asp142およびAsp144を含む。
突然変異型ポリメラーゼはまた、ポリメラーゼを、ジデオキシヌクレオチド等の非天然ヌクレオチドに対して非識別性にし(米国特許第5,614,365号を参照)、O-ヘリックスにおける他の点突然変異、欠失および挿入等の変化が、ポリメラーゼを非識別性にするようにすることができる。例示として、この特性を有するあるTne DNAポリメラーゼ突然変異体は、O-ヘリックスにおける730番目のPheをTyr等の非天然のアミノ酸に置換する。
一般的に、5'-3'エキソヌクレアーゼ活性、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性、識別活性および忠実度は、一般的に異なる特性を有するアミノ酸の置換によって影響を受ける可能性がある。例えば、Asp等の酸性アミノ酸は塩基性、中性、または極性であるが非荷電性のアミノ酸に変換されてよく、それらはLys、Arg、His(塩基性);Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Met、Phe、Trp(中性);またはGly、Ser、Thr、Cys、Tyr、AsnまたはGln(極性であるが非荷電性)等である。Gluは、Asp、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Met、Phe、Trp、Gly、Ser、Thr、Cys、Tyr、AsnまたはGlnに変換され得る。
好ましくは、オリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発は、コードするDNA分子に沿った任意の決定された部位において、可能性を有するすべての種類の塩基対変化を可能にする突然変異型ポリメラーゼを作出するのに用いられる。一般的に、この技術は、対象のDNAポリメラーゼをコードする一本鎖ヌクレオチド配列と相補的に(1以上のミスマッチを除いて)オリゴヌクレオチドをアニールすることを含む。ミスマッチしたオリゴヌクレオチドを次にDNAポリメラーゼによって伸長させ、1つの鎖上の配列中に所望の変化を含む二本鎖DNA分子を生成する。配列中の変化は言うまでもなくアミノ酸の欠失、置換または挿入をもたらし得る。次に二本鎖ポリヌクレオチドを適切な発現ベクター内に挿入することができ、このようにして突然変異型ポリペプチドが作製され得る。上記のオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発は、もちろんPCRにより実施され得る。
1つの実施形態において、非キメラ突然変異型Pfu DNAポリメラーゼは米国特許第5,489,523号(参照により本明細書にその全体を組み入れる)に記載されるように発現および精製される。
III.突然変異型キメラDNAポリメラーゼの調製
本発明のキメラDNAポリメラーゼは、共有結合した少なくとも2つのポリペプチドを有するDNAポリメラーゼ融合ポリペプチドであり、ここで、1つのポリペプチドは1つのタンパク質配列またはドメイン由来であり、そして他のポリペプチドは別のタンパク質配列またはドメイン由来である。本発明によれば、キメラDNAポリメラーゼのドメインの少なくとも1つは、本発明のDNAポリメラーゼに由来する。ポリペプチドは、直接的にまたは共有結合性リンカー(例えばポリグリシンリンカー等のアミノ酸リンカー)もしくは別のタイプの化学的リンカー(例えば炭水化物リンカー、脂質リンカー、脂肪酸リンカー、ポリエーテルリンカー(例えばPEG)等)を介してのいずれかで結合することができる(例えばHermanson, Bioconjugate techniques(1996)を参照せよ)。融合ポリペプチドを形成するポリペプチドは、典型的にはC末端がN末端に結合され得るが、しかしこれらはまたC末端がC末端に、N末端がN末端にまたはN末端がC末端に結合することもできる。1以上のポリペプチドドメインは、本発明のDNAポリメラーゼ内の中間部に挿入され得る。この融合タンパク質のポリペプチドは任意の順序であり得る。用語「融合ポリペプチド」または「キメラ」はまた、融合タンパク質を構成するポリペプチドの保存的に修飾した変異体、多型変異体、対立遺伝子、突然変異体、部分配列および種間相同体を指す。融合タンパク質は、1つのタンパク質配列由来のアミノ酸鎖が別のタンパク質配列由来のアミノ酸鎖に共有結合することによって生産され得、それは例えば、融合タンパク質を隣接してコードする組み換えポリヌクレオチドを調製することによる。融合タンパク質は同種または異種由来の2、3、4またはそれ以上の異なるアミノ酸鎖を含み得る。融合タンパク質内の異なるアミノ酸鎖は、直接的に共にスプライシングされてもよく、または化学結合基もしくはアミノ酸結合基を介して間接的に共にスプライシングされてもよく、前記アミノ酸鎖の長さは約200アミノ酸以上であってよく、典型的には1〜100アミノ酸を有する。いくつかの実施形態において、プロリン残基がリンカーに取り込まれることで、リンカーによる重要な二次構造要素の形成が回避される。リンカーはしばしば可変性のあるアミノ酸部分配列であってよく、組み換え融合タンパク質の一部として合成される。そのような可変性リンカーは当業者に知られている。
好ましい実施形態において、本発明の有用なキメラDNAポリメラーゼは、DNA重合活性が低減したかまたはウラシル検出活性が低減した耐熱性DNAポリメラーゼである。さらに、本発明のキメラDNAポリメラーゼは3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を有してもよく、または有さなくてもよい。
1つの実施形態において、DNAポリメラーゼに融合したキメラ構成成分は、任意の非天然タンパク質あるいはN末端もしくはC末端または任意の中間部においてDNAポリメラーゼと融合したタンパク質ドメインである。DNAポリメラーゼの活性に対するキメラの寄与は、以下のDNAポリメラーゼ活性の1以上を増加させることを含むが、これに限定されない:反応性、DNA結合、鎖置換活性、ポリメラーゼ活性、ヌクレオチド結合および認識、プルーフリーディング、忠実度および耐塩性、および/または室温におけるDNAポリメラーゼ活性の低減。
キメラポリメラーゼは、当技術分野でよく知られる融合タンパク質を調製するための分子生物学技術によって調製することができる。
当技術分野でよく知られる技術(Sambrookら,(1989): Molecular Cloning中, A Laboratory Manual(第2版), Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N,Y.)を用いて、DNAポリメラーゼのタンパク質ドメインを所望の活性を有する別のポリメラーゼ由来のドメインと置換することができる。本発明のキメラDNAポリメラーゼを調製する方法もまた、WO 01/92501 A1およびPavlovら, 2002, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 99:13510-13515において記載され、これらはその全体を本明細書に組み入れる。
1つの実施形態において、本発明のキメラDNAポリメラーゼは本発明の1つの野生型DNAポリメラーゼのタンパク質ドメインを含み、前記ドメインは1以上の突然変異を含む本発明の異なるDNAポリメラーゼのタンパク質ドメインと融合される。
別の好ましい実施形態において、本発明のキメラDNAポリメラーゼはPfuもしくはTaq DNAポリメラーゼの全部または一部を含む。
1つの実施形態において、本発明のキメラDNAポリメラーゼはDNA重合活性が低減したPfu DNAポリメラーゼまたはその一部を含み、係属中の米国特許出願第10/035,091号(Hogrefeら;2001年12月21日出願);係属中の米国特許出願第10/079,241号(Hogrefeら;2002年2月20日出願);係属中の米国特許出願第10/208,508号(Hogrefeら;2002年7月30日出願);および係属中の米国特許出願第10/227,110号(Hogrefeら;2002年8月23日出願)に開示される通りであり、その内容の全体を本明細書に組み入れる。
1つの実施形態において、本発明のキメラDNAポリメラーゼは塩基類似体検出活性を低減させる1以上の突然変異を有するPfu DNAポリメラーゼまたはその一部を含み、係属中の米国特許出願第10/280,962号(Hogrefeら;2002年10月25日出願)および係属中の米国特許出願第10/298,680号(Hogrefeら;2002年11月18日出願)において開示される通りであり、その内容の全体を本明細書に組み入れる。
1つの実施形態において、本発明のキメラDNAポリメラーゼは本発明の1つの突然変異型DNAポリメラーゼのタンパク質ドメインを含み、これは1以上の突然変異を含む本発明の異なるDNAポリメラーゼのタンパク質ドメインと融合している。
1つの実施形態において、本発明のキメラDNAポリメラーゼは、1つのDNAポリメラーゼのタンパク質ドメインを含み、これは本発明の別のDNAポリメラーゼ内の類似的なタンパク質ドメインを置換する。本明細書で使用する、2つのタンパク質ドメインが「類似的」であると言われるのは、反応性、DNA結合、鎖置換活性、ヌクレオチド結合および認識、プルーフリーディング(例えば3'-5'エキソヌクレアーゼ活性)、忠実度(例えば5'-3'エキソヌクレアーゼ活性)、または耐塩性等のDNAポリメラーゼ活性の少なくとも1つを付与するドメインをこれらが共有する場合である。
1つの実施形態において、本発明のキメラDNAポリメラーゼはDNAトポイソメラーゼV由来のヘリックス-ヘアピン-ヘリックスDNA結合モチーフを含み、これは反応性、耐塩性および耐熱性を向上させ、Pavlovら, 2002, Proc. Natl. Acad. Sci USA, 99:13510-13515に記載される通りである。
別の実施形態において、本発明のキメラDNAポリメラーゼはチオレドキシン結合ドメインを含み、これはキメラDNAポリメラーゼの反応性を増強し、WO 97/29209に記載される通りである。
別の実施形態において、本発明のキメラDNAポリメラーゼは、Taq DNAポリメラーゼまたは関連した真正細菌DNAポリメラーゼに融合した古細菌PCNA結合ドメインを含む。PCNA結合ドメイン-Taq DNAポリメラーゼキメラを含むPCR反応物にPCNAを添加することで、キメラDNAポリメラーゼの反応性の増強、そしてPCR増幅DNAのより高い収量がもたらされる(Motz, M.ら, J. Biol. Chem. 2002 May 3; 277(18); 16179-88)。
別の実施形態において、本発明のキメラDNAポリメラーゼは、本発明のDNAポリメラーゼに融合した配列非特異的DNA結合タンパク質Sso7dまたはSac7d(例えばSulfolobus sulfataricus由来)を含む。DNA結合タンパク質Sso7dまたはSac7dを本発明のキメラDNAポリメラーゼ(PfuまたはTaq DNAポリメラーゼ)に融合することは、これらのDNAポリメラーゼの反応性を非常に増強し、WO 01/92501 A1に開示される通りであり、その全体を参照として本明細書に組み入れる。
本発明は、当技術分野で知られる任意のHhHドメイン(Belovaら, 2001, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 98:6015および図9を参照せよ)が、本明細書に含まれる任意の野生型または突然変異型DNAポリメラーゼと融合したキメラを企図する。HhHは本明細書に含まれる任意の野生型または突然変異型DNAポリメラーゼのN末端またはC末端または任意の中間部に直接的に融合することができる。より多くの(例えばH-LまたはE-L)HhHドメインの1つを、キメラを作出するために使用することができる。
別の実施形態において、本発明のキメラDNAポリメラーゼは、3'-5'エキソヌクレアーゼ活性が低減したPfu DNAポリメラーゼまたはその一部を含む。3'-5'エキソヌクレアーゼ活性欠失JDF-3 DNAポリメラーゼ(D141AおよびE143A突然変異を含む)を生成するために用いる方法は、係属中の米国特許出願第09/698,341号(Sorgeら;2000年10月27日出願)に開示され、その内容の全体を参照により本明細書に組み入れる。係属中の米国特許出願第09/698,341号(Sorgeら;2000年10月27日出願)の教示を入手する当業者には、対応するD141AおよびE143A突然変異の双方または他の3'-5'エキソヌクレアーゼ突然変異を、本発明の任意のキメラDNAポリメラーゼ、つまり本明細書に開示されるような、塩基類似体検出活性が低減したかまたはDNA重合活性が低減したキメラDNAポリメラーゼへ導入することは困難なことではないだろう。
別の実施形態において、本発明のキメラDNAポリメラーゼは5’-3’および3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を欠失するDNAポリメラーゼまたはその一部を含み、これはSequenase(exo-T7; USB)、Pfu exo-(Stratagene)、exo-Vent(New England BioLabs)、exo-DeepVent(New England BioLabs)、exo-クレノウ断片(Stratagene)、Bst(Bio-Rad)、Isotherm(Epicentre)、Ladderman(Panvera)、KlenTaq1(Ab Peptides)、ストッフェル断片(Perkin-Elmer)、ThermoSequenase(USB)およびTaqFS(Hoffman-LaRoche)を含むがこれらに限定されず、これらのいずれか1つが本明細書に開示される本発明のブレンドにおけるキメラDNAポリメラーゼ構成成分として使用され得る。
別の実施形態において、本発明のキメラDNAポリメラーゼは3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を増強した耐熱性DNAポリメラーゼまたはその一部を含み、これは本発明のキメラDNAポリメラーゼの忠実度を増強させ、米国特許第5,795,762号に開示される通りであり、その内容の全体を参照により本明細書に組み入れる。
IV.本発明の野生型または突然変異型酵素の発現
当技術分野で知られる方法は本発明のDNAポリメラーゼを発現および単離するために適用され得る。多くの細菌性発現ベクターは外来性配列によってコードされるタンパク質の高レベルの誘導性発現を可能にする配列エレメントまたは配列エレメントの組み合わせを含む。例えば、上記の通り、組み込まれた誘導型のT7 RNAポリメラーゼ遺伝子を発現する細菌は、T7プロモーターに結合した突然変異型DNAポリメラーゼ遺伝子を有する発現ベクターで形質転換され得る。適切な誘導物質(例えばlac誘導性プロモーターに対するイソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG))の添加によってT7 RNAポリメラーゼを誘導することで、T7プロモーターからの突然変異型遺伝子の高レベルの発現が誘導される。
適切な細菌の宿主株は、当業者によって当技術分野で使用可能なものより選択され得る。非制限的な例示として、大腸菌株BL-21は外来性タンパク質を発現させるのに一般に使用されるが、それはこの株が大腸菌の他の株と比較してプロテアーゼが欠失しているためである。誘導性T7 RNAポリメラーゼ遺伝子を有するBL-21株は、WJ56およびER2566を含む(Gardner&Jack, 1999,前述)。特定のポリメラーゼ遺伝子に対するコドン使用頻度が、大腸菌遺伝子内で普通に見られるものと異なるという場合、より稀なアンチコドンを有するtRNAをコードするtRNA遺伝子(例えば、argU、ileY、leuWおよびproL tRNA遺伝子)を持つように修飾されたBL-21の株があり、クローン化タンパク質遺伝子(例えばクローン化古細菌酵素遺伝子)の高効率の発現を可能にする(例えば、稀なコドンのtRNAを有するいくつかのBL21-CODON PLUSTM細胞株は、Stratageneより入手可能である)。
当業者に知られている多くの方法が、本発明のDNAポリメラーゼを精製するのに適している。例えば、Lawyerらの方法(1993, PCR Meth. & App. 2:275)が大腸菌において発現されたDNAポリメラーゼを単離するのに非常に適しているのは、これが元々Taqポリメラーゼを単離するために設計されたためである。あるいはまた、Kongらの方法(1993, J. Biol. Chem. 268:1965、参照により本明細書に組み入れる)もまた使用してもよく、これは宿主タンパク質を破壊するために加熱変性ステップを、そして高い活性かつ純度約80%のDNAポリメラーゼを単離するために2つのカラム精製ステップ(DEAE-セファロースおよびヘパリン-セファロースカラムを通した)を採用する。さらに、DNAポリメラーゼは、硫安分画に続くQ SepharoseおよびDNAセルロースカラムにより、またはHiTrap Qカラムによる混入物の吸着およびそれに続くHiTrapヘパリンカラムからの勾配溶離によって、単離され得る。
V.非キメラおよびキメラDNAポリメラーゼのブレンド
キメラDNAポリメラーゼブレンド調製物は、本発明によれば、少なくとも1つのキメラDNAポリメラーゼおよび:(1)プルーフリーディングもしくは非プルーフリーディング非キメラDNAポリメラーゼ;または(2)プルーフリーディング+非プルーフリーディング、非プルーフリーディング+非プルーフリーディング、もしくはプルーフリーディング+プルーフリーディング非キメラDNAポリメラーゼブレンドを含むことができ、例えばPfu、Taq、Pfu/Taq、Pfu/exo-Pfu、Taq/exo-Pfu、Pfu/JDF3、もしくはこれらとpol-Pfu(Pfu G387P)との任意の組み合わせである。1つのキメラおよび1つの非キメラポリメラーゼを含む「ブレンド」中のDNAポリメラーゼ酵素の割合は、1:1〜1:5〜5:1または1:1〜1:10〜10:1または1:1〜1:25〜25:1または1:1〜1:100〜100:1の範囲内である。「ブレンド」が1つのキメラDNAポリメラーゼおよび2つの非キメラポリメラーゼを含む実施形態において、第1の非キメラDNAポリメラーゼの第2の非キメラDNAポリメラーゼに対する割合は、1:1〜1:5〜5:1または1:1〜1:10〜10:1または1:1〜1:25〜25:1または1:1〜1:100〜100:1の範囲内である。本発明の調製物については個々の構成成分の割合における制限をしない。
1つの実施形態において、本発明のブレンド配合は2.5U Pfu/0.25UキメラPfuである。
DNAポリメラーゼキメラとブレンドされる野生型DNAポリメラーゼは、天然のレベルのポリメラーゼ活性およびプルーフリーディング活性を有するあらゆる天然型またはクローン化DNAポリメラーゼであってよく、好ましくはPfuまたはTaq等の耐熱性である。キメラDNAポリメラーゼおよび野生型DNAポリメラーゼは上記の範囲の割合でブレンドされ、そして任意の複製副因子またはPCRを増強させる添加剤、例えば、Pfu dUTPase(PEF)、PCNA、RPA、ssb、抗体、DMSO、ベタインもしくは3'-5'エキソヌクレアーゼ(例えばPfu G387P)と共に混合され得る。
本発明のDNAポリメラーゼキメラとブレンドされる突然変異型DNAポリメラーゼは、野生型DNAポリメラーゼと異なる活性を有するDNAポリメラーゼを生成する突然変異および/または切断が導入されたあらゆるDNAポリメラーゼである。突然変異は任意の量のポリメラーゼおよび/またはプルーフリーディング活性を備えさせることができる。有用な突然変異または末端切断の特定の例示は、Pfu DNAポリメラーゼにおけるV93R、K、EまたはD(これらはウラシル非感知性にする)、Pfu DNAポリメラーゼにおけるD141A/E143A(3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を欠失させる)、および5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を欠失させるTaqのN末端切断(KlenTaq)を含むがこれらに限定されない。
本発明はさらに、突然変異型V93R、V93E、V93D、V93KまたはV93N非キメラPfu DNAポリメラーゼを提供するものであり、これは逆転写活性が改良された1以上のさらなる突然変異を含む。
本発明は、キメラDNAポリメラーゼの非キメラDNAポリメラーゼに対する割合が、1:1〜1:5〜5:1または1:1〜1:10〜10:1または1:1〜1:25〜25:1または1:1〜1:100〜100:1の範囲内のブレンドを提供するものである。本発明は、キメラDNAポリメラーゼと2以上の非キメラDNAポリメラーゼとの混合物を含むブレンドを企図する。2つの非キメラDNAポリメラーゼと組み合わせたキメラDNAポリメラーゼを含むブレンドについて、第1の非キメラDNAポリメラーゼの第2の非キメラDNAポリメラーゼに対する割合の範囲は、1:1〜1:5〜5:1または1:1〜1:10〜10:1または1:1〜1:25〜25:1または1:1〜1:100〜100:1である。
VI.本発明の適用
1つの態様において、本発明は本発明の組成物を使用したDNA合成の方法を提供する。典型的には、ポリヌクレオチドの合成は、合成プライマー、合成鋳型、新規に合成されるポリヌクレオチドに取り込むためのポリヌクレオチド前駆体(例えば、dATP、dCTP、dGTP、dTTP)等を必要とする。ポリヌクレオチド合成を実施するための詳細な方法は当業者によく知られており、そして例えばMolecular Cloning第2版, Sambrookら, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(1989)において見出すことが可能である。
A.増幅反応における適用
「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」は、特定の鋳型ポリヌクレオチド配列を増幅するためのin vitroにおける方法を指す。PCRの技術は多数の出版物に記載されており、PCR:A Practical Approach, M. J. McPhersonら, IRL Press(1991)、PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications, Innisらによる, Academic Press(1990)、およびPCR Technology:Principals and Applications for DNA Amplification, H. A. Erlich, Stockton Press(1989)を含む。PCRはまた多くの米国特許に記載され、米国特許第4,683,195;4,683,202;4,800,159;4,965,188;4,889,818;5,075,216;5,079,352;5,104,792;5,023,171;5,091,310号および5,066,584号を含み、これらの各々は参照により本明細書に組み入れる。
本発明によって提供される利点を理解しやすくするために、PCRの概要を提供する。PCR反応は温度サイクルの反復の連続を含み、そして典型的には50〜100μlの容量で実施する。反応混合物はdNTP(各々は4つのデオキシヌクレオチドdATP、dCTP、dGTPおよびdTTPである)、プライマー、バッファー、DNAポリメラーゼおよび鋳型ポリヌクレオチドを含む。PCRは増幅される二本鎖標的ポリヌクレオチド配列とハイブリダイズする2つのプライマーを必要とする。PCRにおいて、この二本鎖標的配列を変性させ、そして1つのプライマーは変性させた標的の各鎖にアニールする。プライマーは標的ポリヌクレオチドの互いに除去された部位にアニールし、その相補鎖から分離した時に1つのプライマーの伸長産物がもう一方のプライマーとハイブリダイズできるように配置される。一度所与のプライマーが標的配列にハイブリダイズすると、プライマーはDNAポリメラーゼの作用によって伸長する。次に伸長産物を標的配列から変性させ、そしてこのプロセスが繰り返される。
このプロセスの連続するサイクルにおいて、初期のサイクルにおいて産生した伸長産物はDNA合成のための鋳型となる。2回目のサイクルの初期に、増幅産物は対数的な速度で蓄積し始める。増幅産物は別々の二本鎖DNA分子であり:第1のプライマーの配列を含む第1鎖(最終的に第2のプライマーと相補的な配列が続く)、および第1の鎖に相補的な第2の鎖を含む。
PCRプロセスでは膨大な数の増幅が可能なため、意図的に鋳型DNAを添加しなくても、高いDNAレベルを有するサンプル、陽性対照鋳型からの、または前の増幅物由来のわずかなレベルのDNA持ち越し分によって、PCR産物が生じ得る。可能であれば、すべての反応混合物はPCR産物解析およびサンプル調製から隔離された場所で準備する。RNA/DNA調製、反応混合およびサンプル解析のために、専用のまたは使い捨ての容器、溶液およびピペット(好ましくは容積式ピペット)を使用することは、二次汚染を最小限にするだろう。HiguchiおよびKwok, 1989, Nature, 339:237-238ならびにKwokおよびOrrego, in:Innisら(監修), 1990, PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Academic Press, Inc., San Diego, Calif.も参照、これらは参照により本明細書に組み入れる。
本明細書に提供される酵素はまたdUTP/UNG汚染除去法にも有用であり、これはdUTPを取り込むPCR酵素を必要とする(Longoら、前述)。
1.耐熱性酵素
PCR増幅のために、本発明で使用する酵素は好ましくは耐熱性である。本明細書で使用する「耐熱性」は熱に対して安定で、熱耐性かつ例えば50〜90℃の高温で機能する酵素を指す。本発明の耐熱性酵素は、増幅反応に有効となる1つの基準を満たすべきであり、それはつまり、酵素が二本鎖ポリヌクレオチドを効果的に変性させるのに必要な時間に渡る温度上昇にさらされた場合に、不可逆的な変性(不活性化)をしてはいけないということである。この関係において使用する「不可逆的な変性」は、酵素活性の永久的かつ完全な喪失をもたらすプロセスを意味する。変性に必要な加熱条件は、例えば緩衝塩濃度および変性させるポリヌクレオチドの長さおよびヌクレオチド組成に依存するが、しかし典型的にはより短いポリヌクレオチドに対しては85℃〜105℃の範囲で、主に温度およびポリヌクレオチドの長さに依存し、典型的にはより短いポリヌクレオチドに対しては0.25分〜より長いDNA断片に対しては4.0分である時間に渡る。より高い温度は、緩衝塩濃度および/またはポリヌクレオチドのGC組成を増加させることで、耐えられ得る。好ましくは、酵素は90〜100℃で不可逆的に変性しない。本発明の不可逆的に変性しない酵素は、増幅反応の間に少なくとも10%もしくは少なくとも25%もしくは少なくとも50%またはそれ以上の機能あるいは活性を維持する。
2.PCR反応混合物
本発明の酵素混合物に加え、合成/増幅反応の忠実度を向上させるために、当業者は他のPCRパラメーターもまた採用し得る。PCR忠実度は、dNTP濃度、反応毎に使用する酵素のユニット、pH、および反応液中に存在するdNTPに対するMg2+の割合における変化等の因子によって影響を受け得ることが報告されてきている(Mattilaら, 1991,前述)。
Mg2+濃度は、プライマー-鋳型の相互作用を安定化することによって、オリゴヌクレオチドプライマーの鋳型DNAへのアニーリングに作用し、これはまた鋳型-プライマーを有するポリメラーゼの複製複合体を安定化する。従って、これは非特異的アニーリングを増加させ、そして所望でないPCR産物を産生し得る(ゲル上で複数のバンドを与える)。非特異的増幅が起こった場合、増幅の正確さおよび特異性を向上させるためには、Mg2+を低減させることが必要かも知れず、またはMg2+をキレートするためにEDTAを添加することができる。
Mn2+またはCo2+等の他の二価カチオンもまたDNA重合に作用し得る。各DNAポリメラーゼに適切なカチオンは当技術分野で知られている(例えば、DNA Replication第2版の中,前述)。二価カチオンは、MgCl2、Mg(OAc)2、MgSO4、MnCl2、Mn(OAc)2またはMnSO4等の塩の形態で供給される。Tris-HClバッファー中の有効カチオン濃度は、MnCl2については0.5〜7mM、好ましくは0.5〜2mMの間、そしてMgCl2については0.5〜10mMである。ビシン(Bicine)/KOAcバッファー中の有効カチオン濃度は、Mn(OAc)2については1〜20mM、好ましくは2〜5mMの間である。
DNAポリメラーゼに必要とされる一価カチオンは、カリウム、ナトリウム、アンモニウムまたはリチウムの塩化物塩または酢酸塩のどちらかの塩によって供給され得る。KClについて、濃度は1〜200mM、好ましくは濃度は40〜100mMの間であるが、しかし、至適濃度は反応に使用するポリメラーゼによって変化し得る。
デオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)は、二ナトリウム塩またはリチウム塩等のdATP、dCTP、dGTP、dUTPおよびdTTPの塩の溶液として添加される。本方法において、最終濃度は各々1μM〜2mMの範囲が適切であり、そして100〜600μMが好ましいが、しかしPCR反応におけるヌクレオチドの至適濃度は、全dNTPおよび二価金属イオン濃度、ならびにバッファー、塩、特定のプライマーおよび鋳型に依存して変化し得る。より長い産物、つまり1500bpより長いものについて、Tris-HClバッファーを使用する場合、500μMの各dNTPが好ましいであろう。
dNTPは二価カチオンをキレートするため、使用する二価カチオンの量は反応におけるdNTP濃度に従って変える必要があり得る。過剰量のdNTP(例えば1.5mMより多い)は、エラー率を増加させ、そしてDNAポリメラーゼを阻害する可能性があり得る。従って、dNTPを低減すること(例えば10〜50μMに)はエラー率を低減させ得る。より大きなサイズの鋳型を増幅するためのPCR反応には、より多くのdNTPが必要となり得る。
1つの適切な緩衝剤はTris-HClであり、好ましくはpH8.3であるが、pHは8.0〜8.8の範囲内であり得る。Tris-HCl濃度は5〜250mMであるが、10〜100mMが最も好ましい。好ましい緩衝剤はビシン(Bicine)-KOHであり、好ましくはpH8.3であるが、pHは7.8〜8.7の範囲内であり得る。ビシンはpHバッファーとしておよび金属バッファーとしての双方で作用する。トリシン(Tricine)もまた使用され得る。
PCRはDNA増幅のための非常に強力な手段であり、従って必要とする鋳型DNAは非常に少ない。しかしながら、いくつかの実施形態において、エラーの可能性を低減するためにはより高いDNA濃度を使用してもよいが、しかし、余剰な鋳型が混入物の量を増加させ、そして効率を低減させ得る。
通常、3μMまでのプライマーが使用され得るが、鋳型に対するプライマーの割合が高いと、非特異的増幅およびプライマー二量体形成がもたらされ得る。従って、通常、プライマー二量体形成を防止するために、プライマー配列を確認する必要がある。
本発明は、ウラシル検出活性が低減した、Pfu V93R、V93E、V93K、V93DもしくはV93N非キメラまたはキメラDNAポリメラーゼを提供するものであり、これらは鋳型におけるシトシンの脱アミノ化の作用を最小限化することによって、そしてより長い変性時間およびより高い変性温度を用いることを可能にすることによって、GCリッチ鋳型DNAのPCRを増強する。
3.サイクルパラメーター
変性時間は、鋳型GC含有量が高い場合に長くしてもよい。高いGC含有量またはより長いプライマーを有するプライマーに対しては、より高いアニーリング温度が必要となり得る。グラジエントPCRはアニーリング温度を決定する有用な方法である。伸長時間はより長いPCR産物増幅に対して延長するべきである。しかしながら、酵素に対するダメージを制限することが可能な場合、伸長時間を短縮する必要があり得る。
サイクル数は、鋳型DNAの数が非常に少ない場合には増加させることができ、そして大量の鋳型DNAを使用する場合には減少させることができる。
4.PCR促進因子および添加剤
PCR促進因子もまた増幅の効率を改良するために使用され得る。本明細書で使用する「PCR促進因子」または「ポリメラーゼ促進因子」(PEF)は、ポリヌクレオチドポリメラーゼ促進活性を有する複合体またはタンパク質を指す(Hogrefeら, 1997, Strategies 10::93-96;および米国特許第6,183,997号、双方は参照により本明細書に組み入れる)。Pfu DNAポリメラーゼに対して、PEFは、P45を天然型で(P50およびP45の複合体として)または組み換えタンパク質としてのどちらかで含む。Pfu P50およびP45の天然の複合体において、P45のみがPCR促進活性を示す。P50タンパク質は細菌のフラビンタンパク質と構造において類似している。P45タンパク質はdCTPデアミナーゼおよびdUTPaseと構造において類似するが、しかしdUTPaseとしてのみ機能し、dUTPをdUMPおよびピロリン酸に変換する。本発明のPEFはまた以下からなる群より選択され得る:古細菌起源(例えばPyrococcus furiosus)から得られる単離または精製された天然のポリメラーゼ促進タンパク質;ポリメラーゼ促進活性を持つPfu P45またはそのアナログと同じアミノ酸配列を有する完全合成タンパク質または部分合成タンパク質;1以上の前記の天然タンパク質または完全合成タンパク質もしくは部分合成タンパク質のポリメラーゼ促進混合物;1以上の前記の天然タンパク質または完全合成タンパク質もしくは部分合成タンパク質のポリメラーゼ促進タンパク質複合体;または、前記の天然タンパク質を1以上含む、一部が精製されたポリメラーゼ促進細胞抽出物(米国特許第6,183,997号、前述)。PEFのPCR促進活性は、当技術分野でよく知られる手段によって定義される。PEFに対するユニット定義は、PEFのdUTPase活性(P45)に基づいており、これはdUTPからのピロリン酸(PPi)の産生をモニタリングすることによって決定される。例えば、PEFはdUTPと共にインキュベーションされ(1×クローン化Pfu PCRバッファー中の10mM dUTP)、その間にPEFはdUTPをdUMPおよびPPiに加水分解する。形成されたPPiの量は、共役酵素アッセイシステムを用いて定量され、これはSigmaより市販のものを入手できる(#P7275)。活性の1ユニットは、1時間当たりに(85℃で)形成される4.0nmolのPPiとして機能的に定義される。
他のPCR添加剤もまたPCR反応の正確さおよび特異性に作用し得る。0.5mM未満のEDTAが増幅反応混合物中に存在し得る。Tween-20(商標)およびNonidet(商標)P-40等の界面活性剤は、酵素希釈バッファー中に存在する。非イオン性界面活性剤の最終濃度は、約0.1%以下が適切であるが、しかしながら0.01〜0.05%が好ましく、そしてポリメラーゼ活性を阻害しないであろう。同様に、グリセロールは酵素調製物中にしばしば存在し、そして一般的には反応混合物中に1〜20%の濃度に希釈される。GC含有量が高いかまたは長さの長い(例えば>1kb)鋳型DNAに対して、グリセロール(5〜10%)、ホルムアミド(1〜5%)またはDMSO(2〜10%)がPCRに添加され得る。これらの添加剤はプライマーと鋳型のハイブリダイゼーション反応のTm(融解温度)およびポリメラーゼ酵素の耐熱性を変化させる。BSA(0.8μg/μlまで)はPCR反応の効率を改良し得る。ベタイン(0.5〜2M)もまた、高いGC含有量および長いDNA断片のPCRに対して有用である。塩化テトラメチルアンモニウム(TMAC,>50mM)、塩化テトラエチルアンモニウム(TEAC)およびトリメチルアミンN-オキシド(TMANO)もまた使用され得る。上記の各添加剤の至適濃度を決定するために、テストPCR反応が実施され得る。
本発明は、抗体(ホットスタートPCRのための)およびssb(一本鎖DNA結合タンパク質;より高い特異性)を含むがこれらに限定されない添加剤を提供する。本発明はまた、副因子と組み合わせた突然変異型古細菌DNAポリメラーゼを企図し、これは例えば米国特許第6,333,158号およびWO 01/09347 A2に記載される通りであり、その全体を参照により本明細書に組み入れる。
様々な特異的PCR増幅への適用が当技術分野において可能である(概説としては、例えばErich, 1999, Rev Immunogenet., 1:127-34;Prediger 2001, Methods Mol. Biol. 160:49-63;Jurecicら, 2000, Curr. Opin. Microbiol. 3:316-21;Triglia, 2000, Methods Mol. Biol. 130:79-83;MaClellandら, 1994, PCR Methods Appl. 4:S66-81;AbramsonおよびMyers, 1993, Current Opinion in Biotechnology 4:41-47;これらの各々は参照により本明細書に組み入れる)。
本発明はPCR適用において使用することができ、これはi)非特異的増幅を低減させるホットスタートPCR;ii)高いアニーリング温度で開始して、次に次第にアニーリング温度を低下させることで、非特異的PCR産物を低減させるタッチダウンPCR;iii)外側のプライマー対および内側のプライマー対を用いて、より確実な産物を合成するネステッドPCR;iv)既知の配列に隣接した領域を増幅するためのインバースPCR。この方法において、DNAは消化され、所望の断片をライゲーションによって環状化し、次にPCRで既知の配列と相補的なプライマーを用いて外側を伸長させる;v)AP-PCR(任意のプライマーを用いる)/RAPD(ランダムに増幅された多型DNA)。これらの方法は、任意のオリゴヌクレオチドを用いて、ほとんど知られていない標的配列を有する種からゲノムフィンガープリントを作出する;vi)RNA特異的DNAポリメラーゼ(例えば逆転写酵素)を用いて、後にPCRに使用するcDNAを合成するRT-PCR。この方法は、組織または細胞における特定の配列の発現を検出するのに非常に感度がよい。これはまたmRNA転写産物を定量するのにも用いられ得る;vii)RACE(cDNA末端の高速増幅)。これはDNA/タンパク質配列についての情報が限られている場合に使用する。この方法はcDNAの3'または5'末端を増幅して、各々1つの特異的プライマーのみ(に加えて1つのアダプタープライマー)を用いてcDNAの断片を生成する。次に重複するRACE産物を結合して、完全長cDNAを産生することができる;viii)DD-PCR(ディファレンシャル・ディスプレイPCR)は異なる組織において異なって発現する遺伝子を同定するために用いられる。DD-PCRの第1のステップはRT-PCRを含み、次に増幅は、短く、意図的に非特異的なプライマーを用いて実施する;ix)マルチプレックスPCRは、同じ材料においてDNA配列の2つ以上の独自の標的を同時に増幅させる。1つのDNA配列はPCRの質を検証するための対照として使用することができる;x)Q/C-PCR(定量/比較)は同じプライマー対について標的DNAと競合する(競合PCR)、内部対照DNA配列(しかし異なるサイズの)を使用する;xi)再帰的(Recursive) PCRは遺伝子を合成するのに用いる。この方法に使用するオリゴヌクレオチドは、遺伝子の伸長物(>80塩基)と相補的であり、あるいはまた末端で重複する(〜20塩基の)センスおよびアンチセンス鎖と相補的である;xii)非対称PCR;xiii)In Situ PCR;xiv)部位特異的PCR突然変異誘発を含むが、これらに限定されない。
本発明があらゆる特定の増幅システムに限定されないことが理解されるべきである。他のシステムが開発されると、それらのシステムは本発明を実施することにより利益となり得る。
B.PCR増幅産物の直接クローニングにおける適用
本発明の酵素を用いて産生した増幅産物が、当技術分野で知られるあらゆる方法によってクローン化することができることが理解される。1つの実施形態において、本発明はPCR増幅産物の直接クローニングを可能にする組成物を提供する。
PCR産物をクローニングするための最も一般的な方法は、プライマー分子の末端に隣接する制限部位を組み入れることを含む。PCRサイクルを実施して、次に増幅したDNAを精製し、適切なエンドヌクレアーゼで制限酵素処理し、そして適合するベクター調製物に連結する。
PCR産物の直接クローニングのための方法は、制限認識配列を有するプライマーを調製する必要をなくし、そしてクローニングのためにPCR産物を調製する制限酵素処理ステップの必要性をなくす。さらに、このような方法は好ましくは中間精製ステップなしにPCR産物の直接的なクローニングを可能にするであろう。
米国特許第5,827,657号および5,487,993号(本明細書にその全体を組み入れる)は、DNAポリメラーゼを用いたPCR産物の直接クローニングのための方法を開示し、これはPCRで生成した核酸の3'末端に付着した1つの3'-デオキシアデノシン一リン酸(dAMP)残基を利用するものである。ベクターは、適切な制限酵素と反応することで、1つの3'末端デオキシチミジン一リン酸(dTMP)残基を提供する認識配列により調製される。従って、PCRで生成した遺伝子のコピーは、その中に適切な制限部位を有するプライマーを調製する必要なく、直接的にベクター内にクローニングすることができる。
Taq DNAポリメラーゼはターミナルトランスフェラーゼ活性を示し、これは鋳型非存在下において、1つのdATPをPCR産物の3'末端に付加する。この活性はTAクローニング法の基盤であり、ここで、Taqを用いて増幅したPCR産物は、1つの3'dT突出部を含むベクター内に直接的に連結される。一方で、Pfu DNAポリメラーゼはターミナルトランスフェラーゼ活性を欠失しており、そしてゆえに平滑末端化PCR産物を産生し、これは効率的に平滑末端化ベクター内にクローン化される。本発明はまたEasy A組成物を含み、これはTaq(5U/μl)、組み換えPEF(4U/μl)およびPfu G387P(40ng/μl)のブレンドを含み、係属中の米国特許出願第10/035,091号(Hogrefeら;2001年12月21日出願);係属中の米国特許出願第10/079,241号(Hogrefeら;2002年2月20日出願);係属中の米国特許出願第10/208,508号(Hogrefeら;2002年7月30日出願);および係属中の米国特許出願第10/227,110号(Hogrefeら;2002年8月23日出願)に開示される通りであり、その内容の全体を本明細書に組み入れる。2.5U/μl、つまりμl当たり〜20〜50ngの塩基類似体検出活性が低減したクローン化古細菌DNAポリメラーゼを用いる場合、Taq:Pfuの割合は好ましくは1:1またはより好ましくは2:1以上である。
1つの実施形態において、本発明は、ウラシル検出活性が低減した突然変異型DNAポリメラーゼ存在下で生成されるPCR産物を提供するものであり、これは次にdATP存在下において72℃で15〜30分間、Taq DNAポリメラーゼと共にインキュベーションされる。3'-dAMPを増幅したDNA産物の末端に付加することは、次に、当業者によく知られる方法に従ってTAクローニングベクター内にクローニングすることを可能にする。
C.DNA配列決定における適用
本発明はさらには、プライマー伸長反応を触媒するための塩基類似体検出活性が低減した耐熱性DNAポリメラーゼを用いた、ジデオキシヌクレオチドDNA配列決定法を提供する。ジデオキシヌクレオチドDNA配列決定のための方法は当技術分野でよく知られており、そして米国特許第5,075,216号、4,795,699号および5,885,813号に開示され、その内容の全体を本明細書に組み入れる。本発明は、ddNTP識別能が低減したexo-Pfu(例えばD141A/E143A二重変異)またはJDF3 P410L/A485T突然変異体を含む。
D.突然変異誘発における適用
本発明のDNAポリメラーゼブレンドはまた、PCRに基づいたまたは線形増幅に基づいた突然変異誘発に対する促進効果を提供する。従って、本発明は、部位特異的突然変異誘発およびそれらを市販のキットに取り込むためのキメラならびに非キメラポリメラーゼのブレンドを提供するものであり、前記キットは、例えばQuikChange Site-directed Mutagenesis、QuikChange Multi-Site-Directed Mutagenesis(Stratagene)である。部位特異的突然変異誘発の方法および試薬は、係属中の米国特許出願第10/198,449号(Hogrefeら;2002年7月18日出願)に開示され、その内容の全体を本明細書に組み入れる。本発明はまたMutazyme(PEFと組み合わせたexo-Pfu, GeneMorph Kit)を含む。GeneMorph Kitは、係属中の米国特許出願第10/154,206号(2002年5月23日出願)に開示され、その内容の全体を本明細書に組み入れる。
本明細書に記載するキメラブレンドは、従来のDNAポリメラーゼ/DNAポリメラーゼ調製物と同様にして使用され、そしてPCRを含むあらゆるプライマー伸長適用に使用することができ、伸長時間を短縮して高収量の産物を産生する。ゲノムの標的の増幅、特に典型的に1〜2分/kbの伸長時間が必要であり、そして増幅するのに数時間かかるものが、開示される発明によって非常に容易になるが、これは、本明細書に記載されるキメラブレンドにより、伸長時間が5〜30秒/kbまたはそれより短く短縮されるためである。
本発明の他の適用はRT-PCR、部位特異的突然変異誘発およびランダム変異導入法を含む。これらの適用のすべてに使用される本発明のキメラブレンドは、長鎖化能(length capability)を向上させ、反応時間を短縮し、そしてすべての標準的なプロトコルにおける全体的な性能を非常に改良する。
プルーフリーディング構成成分(3'-5'エキソヌクレアーゼ活性)を有するブレンドは、高い忠実度のPCRに有用である:高い忠実度のPCRに有用なブレンドは、複合体鋳型ゲノムおよび/または鋳型プラスミドに対し、ブレンドの非キメラ構成成分(3'-5'エキソヌクレアーゼ活性を有する)のみと比較して、≧10の3'-5'エキソヌクレアーゼ活性およびPCR忠実度の増加ならびに取り込みの正確さを示す。
高い誤挿入および/または誤対合伸長頻度を有するブレンドは、PCRランダム変異導入法に有用である。PCRランダム変異導入法に有用なブレンド、好ましくは、鋳型プラスミドに対するブレンドの非キメラ構成成分と比較して、変異原性の≧10%の増加または変異スペクトルにおける変化を示す。
「変異原性」は、突然変異率および単位複製配列のkb当たりの突然変異事例の全体的な数を意味する。
「変異スペクトル」は、転移および塩基転換突然変異の数を意味する。「変異スペクトル」はまた転移の塩基転換に対する割合を含む。好ましくは、転移の塩基転換に対する割合は1:1である。
本明細書で企図されるすべてのブレンドは、PCRおよびRT-PCRに有用である。
プルーフリーディング構成成分を有するブレンドは、PCR増幅および線形増幅に使用され、そして部位特異的突然変異誘発に有用である。
3’-5’エキソヌクレーアーゼ活性を有さないブレンドは、配列決定適用に有用である。配列決定に有用なブレンドは、より短い伸長時間、より高い効率、より高い特異性、より高い忠実度(より正確な取り込み)およびより高い反応性(配列決定用鋳型に対するブレンドの非キメラ構成成分が≧10%増加する)のうち1つ以上を示すだろう。
キット
本発明はまた、本発明の組成物の1つ以上の容器を有し、そして一部の実施形態において、PCRにおける合成を含むポリヌクレオチド合成のために使用される様々な試薬の容器を含むパッケージユニットを含有するキット構成も企図する。このキットはまた、以下の品目の1つ以上を含み得る:ポリヌクレオチド前駆体、プライマー、バッファー、取扱説明書および対照。キットは本発明による方法を実施するために適切な割合で混合される試薬の容器を含み得る。試薬容器は好ましくは本発明の方法を実施する場合の計量ステップを不要にする単位量で試薬を含む。
本発明は、本発明のキメラおよび非キメラDNAポリメラーゼの組み合わせ、PCR促進剤、およびPCR増幅、DNA配列決定または突然変異誘発のための試薬を含むキットを企図する。
DNA配列決定のためのキットは、多くの容器を含む。第1の容器は例えば、本発明のポリメラーゼの実質的に精製されたサンプルを含んでもよく、第2の容器は、鋳型DNAに相補的なDNA分子を合成するために必要な1以上の種類のヌクレオチドを含んでもよい。第3の容器は、1以上の異なる種類のターミネーター(ジデオキシヌクレオシド三リン酸等)を含み得る。第4の容器は、ピロホスファターゼを含み得る。上記の容器に加えて、さらなる容器が1以上のプライマーおよび/または適切な配列決定バッファーを含むキットに含まれ得る。
核酸の増幅または合成に使用されるキットは、例えば、実質的に純粋な本発明のポリメラーゼを含有する第1の容器、および1種類のヌクレオチドまたはヌクレオチドの混合物を含有する1つ以上のさらなる容器を含む。
適切な増幅または合成バッファーと同様に、様々なプライマーがキットに含まれ得る。
所望であれば、本発明のキットはまた、検出可能な標識化ヌクレオチドを含有する容器を含んでもよく、これは核酸分子の合成または配列決定の間に使用され得る。多数の標識の1つが、そのようなヌクレオチドを検出するために使用され得る。例示的な標識は、放射性同位体、蛍光標識、化学発光標識、生物発光標識および酵素標識を含むが、これらに限定されない。
これまでに本発明を概して記載してきたが、同様のことが例示的に提供される以下の実施例を参照することを通してより容易に理解されるであろうし、そして特記しない限り本発明を限定することを意図するものではない。
実施例1
キメラPfu DNAポリメラーゼの構築
キメラDNAポリメラーゼは、異なるDNAポリメラーゼのドメインまたは非DNAポリメラーゼドメインを本発明のDNAポリメラーゼと、当業者によく知られる方法を用いて組み合わせることによって構築される。
例えば、バクテリオファージT7 DNAポリメラーゼのチオレドキシン反応性因子結合ドメインを、大腸菌DNAポリメラーゼIにおける相同部位に挿入した。得られたキメラチオレドキシン結合ドメイン-DNAポリメラーゼは、チオレドキシン存在下においてキメラ大腸菌DNAポリメラーゼIの反応性の実質的な増加を示す(Bedford, Eら, PNAS, USA vol. 94, pp.479-484, Jan. 1997, WO 97/29209、米国特許第5,972,603号)。
あるいはまた、Sso7ドメインまたはトポイソメラーゼV HhHドメインを、TaqのN末端またはN末端切断化TaqのN末端(ストッフェル断片)またはPfuのC末端に付加することができる(WO 01/92501およびPavlovら、前述、に記載される通り)。
実施例2
キメラPfuの精製
プラスミドDNAは、StrataPrep(登録商標)Plasmid Miniprep Kit(Stratagene)で精製し、そしてBL26-CodonPlus-RIL細胞を形質転換するのに使用した。アンピシリン耐性コロニーをTurbo Amp(商標)(100μg/μl)およびクロラムフェニコール(30μg/μl)を含む1〜5リットルのLB培地で穏やかなエアレーションをしながら30℃で増殖させた。細胞は遠心分離によって回収し、そして使用するまで-80℃で保存した。
細胞ペレット(12〜24グラム)を3倍容量の溶解バッファー(バッファーA:50mM Tris HCl(pH8.2)、1mM EDTAおよび10mM βME)中に再懸濁した。リゾチーム(1mg/g細胞)およびPMSF(1mM)を添加し、そして細胞を4℃で1時間に渡り溶解した。細胞混合液を超音波処理して、15,000rpmで30分間(4℃)の遠心分離によって残渣を除去した。Tween20およびIgepal CA-630を最終濃度が0.1%になるように添加し、そして上清を72℃で10分間加熱した。次に、熱変性大腸菌タンパク質を15,000rpmで30分間(4℃)の遠心分離によって除去した。
キメラPfuもまた、PCT/US01 17492またはPavlovら(前述)に記載されるように精製する。
実施例3
突然変異型Pfu DNAポリメラーゼの精製
突然変異型Pfuの細菌発現。突然変異型Pfuは、米国特許第5,489,523号(突然変異型exo-Pfu D141A/E143A DNAポリメラーゼの精製)に記載されるように、または以下のように精製することができる。清澄化され、加熱処理をされた細菌抽出物を、バッファーB(バッファーA+0.1%(v/v)Igepal CA-630および0.1%(v/v)Tween20)で平衡化したQ-Sepharose(商標)Fast Flowカラム(〜20mlカラム)においてクロマトグラフにかけた。溶出画分を回収し、そして次に、バッファーC(pH7.5を除いてバッファーBと同じ)で平衡化したP11 Phosphocelluloseカラム(〜20ml)に直接装填した。前記カラムを洗浄し、そして次に0〜0.7M KCl勾配/バッファーCで溶出させた。突然変異型Pfu DNAポリメラーゼ(SDS-PAGEで95kD)を含む画分を、一晩、バッファーD(50mM Tris HCl(pH7.5)、5mM βME、5%(v/v)グリセロール、0.2%(v/v)Igepal CA-630、0.2%(v/v)Tween20および0.5M NaCl)に対して透析し、次にバッファーDで平衡化したヒドロキシアパタイトカラム(〜5ml)にアプライした。カラムを洗浄し、そして突然変異型Pfu DNAポリメラーゼを、400mM KPO4(pH7.5)、5mM βME、5%(v/v)グリセロール、0.2%(v/v)Igepal CA-630、0.2%(v/v)Tween20および0.5M NaClを含むバッファーD2で溶出した。精製したタンパク質は、Centricon YM30装置を用いて回転濃縮し、そしてPfu最終透析バッファー(50mM Tris-HCl(pH8.2)、0.1mM EDTA、1mMジチオスレイトール(DTT)、50%(v/v)グリセロール、0.1%(v/v)Igepal CA-630および0.1%(v/v)Tween20)内へ交換した。
Tris-Glycine 4〜20%アクリルアミド勾配ゲルを用いたSDS-PAGEによって、タンパク質サンプルをサイズ、純度、おおよその濃度について評価した。ゲルを銀染色またはSypro Orange(Molecular Probes)で染色した。タンパク質濃度は、BCAアッセイ(Pierce)を用いたBSA標準(Pierce)に関して測定した。
精製はSDS-PAGEによって判断された。
実施例5
Pfuキメラまたは非キメラ突然変異型ポリメラーゼユニット濃度および比活性の測定
精製した突然変異型Pfu調製物のユニット濃度は、PCRによって測定した。このアッセイにおいて、フォワードプライマー:
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およびリバースプライマー:
Figure 2006513726
を用いて、形質転換マウスゲノムDNAから、500bp lacZ標的物を増幅させる。増幅反応液は、1×クローン化Pfu PCRバッファー、100ngのゲノムDNA、150ngの各プライマー、200μMの各dNTP、および様々な量の野生型Pfu(1.25U〜5U)または突然変異型Pfu(0.625〜12.5U)のどちらかから構成された。増幅は、RoboCycler(登録商標)温度サイクラー(Stratagene)を用いて以下のプログラムで実施した:(1サイクル)95℃で2分間;(30サイクル)95℃で1分間、58℃で1分間、72℃で1.5分間;(1サイクル)72℃で7分間。PCR産物は、エチジウムブロミドを含む1%アガロースゲル上で調べられた。
実施例5
キメラDNAポリメラーゼブレンド調製物の調製
キメラDNAポリメラーゼブレンド調製物は、キメラDNAポリメラーゼおよび:(1)プルーフリーディングまたは非プルーフリーディングDNAポリメラーゼ;または(2)プルーフリーディング+非プルーフリーディング、非プルーフリーディング+非プルーフリーディングもしくはプルーフリーディング+プルーフリーディングDNAポリメラーゼブレンド(例えば、Pfu、Taq、Pfu/Taq、Pfu/exo-Pfu、Taq/exo-Pfu、Pfu/JDF3)、またはpol-Pfu(Pfu G387P)とこれらのあらゆる組み合わせから構成される。各々の構成成分の割合は、上記のような割合の範囲内である。ブレンド調製物の特定の例示は、2.5U Pfu/0.25UキメラPfuを含むが、これに限定されない。
DNAポリメラーゼキメラとブレンドされた野生型DNAポリメラーゼは、あらゆる天然型の、または天然のポリメラーゼ活性およびプルーフリーディング活性レベルを有するクローン化DNAポリメラーゼであり、そして好ましくは耐熱性で、例えばPfuまたはTaqである。キメラDNAポリメラーゼおよび野生型DNAポリメラーゼは、任意の複製補因子またはPCR促進添加剤(例えば、Pfu dUTPase(PEF)、PCNA、RPA、ssb、抗体、DMSO、ベタインまたは3’-5’エキソヌクレアーゼ(例えばPfu G387P))とブレンドされ、そして混合され得る。DNAポリメラーゼキメラとブレンドされる突然変異型DNAポリメラーゼは、DNAポリメラーゼに野生型ポリメラーゼと異なる作用を引き起こすであろう任意の突然変異および/または切断が導入されたあらゆるDNAポリメラーゼである。この突然変異体は、任意の量のポリメラーゼおよび/またはプルーフリーディング活性を有する。商業上有用な突然変異または切断の特定の例示は、PfuにおけるV93R、K、EまたはD(ウラシル非感受性を与える)、PfuにおけるD141A/E143A(3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を欠失させる)、および5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を欠失させるTaqのN末端切断(KlenTaq)であるが、これらに限定されない。キメラDNAポリメラーゼおよび突然変異型DNAポリメラーゼは、本明細書に記載される割合の範囲でブレンドされ、実施形態において、任意の複製補因子またはPCR添加剤と混合される。DNAポリメラーゼ調製物は、野生型、野生型および突然変異型、突然変異型および突然変異型DNAポリメラーゼの任意の混合物であり、そして特定の実施形態において、さらに任意の複製補因子またはPCR添加剤を含む。
実施例6
キメラPfu DNAポリメラーゼを含むPfu DNAポリメラーゼブレンドによるPCR増幅
Pfuブレンド(高い忠実度のPCRのための)。PCR反応は、1×クローン化Pfu PCRバッファー(10mM KCl、10mM (NH4)2SO4、20mM Tris HCl(pH8.8)、2mM MgSO4、0.1%Triton X-100および100μg/ml BSA)中の標準条件化で、2.5-5U PfuTurbo DNAポリメラーゼ(2.5U/μlのクローン化Pfu DNAポリメラーゼ+1U/μlの天然型または2U/μlのクローン化Pyrococcus furiosus dUTPase(PEF))および様々な濃度のキメラDNAポリメラーゼ(例えば、0.001〜5.0U)により実施される。0.9〜9kbの長さの標的ゲノムに対して、PCR反応物は1×クローン化Pfu PCRバッファー、2.5U PfuTurbo DNAポリメラーゼ、100ngのヒトゲノムDNA、200μMの各dNTPおよび100ngの各プライマーを含有した。12kbおよび17kbの長さの標的ゲノムについて、PCR反応物は1.5×クローン化Pfu PCRバッファー、5U PfuTurbo DNA ポリメラーゼ、250ngのヒトゲノムDNA、500μMの各dNTPおよび200ngの各プライマーを含有した。
Figure 2006513726
0.001〜5.0Uの進行型(processive)キメラPfu DNAポリメラーゼをPfuに(PEF/dUTPaseの存在下で)添加することによって、ゲノム標的物の増幅に対するPCR伸長時間が実質的に短縮されることが期待される。1〜12kbの間のゲノム標的物にについては、非キメラDNAポリメラーゼ/DNAポリメラーゼ調製物に対する1分間/kbの伸長時間が、キメラDNAポリメラーゼを添加することによって、15〜45秒間/kbに短縮する。17〜19kbの間のゲノム標的物については、非キメラDNAポリメラーゼ/ポリメラーゼ調製物に対する2分間/kbの伸長時間が、30〜90秒間/kbに短縮される。kb当たり1〜2分間の伸長時間で、活性が改良されたキメラブレンドは産物の収量の>10%増加を示す。
当業者は反応条件(例えばバッファー組成物等)が本発明のブレンドの構成成分に応じて最適化されることを理解するであろう。
本発明に有用なキメラはまた、非キメラDNAポリメラーゼで調製した等価的混合物と比較して、ブレンドの収量、速度および長鎖化能を向上させる。キメラブレンドは、従来の非キメラDNAポリメラーゼ/ポリメラーゼブレンドのみより短い伸長時間でより高い収量を生じる。キメラDNAポリメラーゼおよび非キメラDNAポリメラーゼ/DNAポリメラーゼ調製物の混合物はまた、相乗的な効果を有する。キメラブレンド反応は、キメラのみより多くの鋳型複製配列を産生する。従って、この複製反応は、キメラのみよりも複合体標的物に対してより高い収量を生じる。
本発明の実施は、特記しない限り、分子生物学、細胞生物学、微生物学および組み換えDNA技術の従来の技術を採用するであろうし、それらは当技術分野の範囲内である。そのような技術は、文献中で十分に説明される。例えば、Sambrook, FritschおよびManiatis, 1989, Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版;Oligonucleotide Synthesis(M.J. Gait,編, 1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D. HarnesおよびS.J. Higgins編, 1984);A Practical Guide to Molecular Cloning(B. Perbal、1984);(Harlow, EおよびLane, D.)Using Antibodies:A Laboratory Manual(1999)Cold Spring Harbor Laboratory Press;およびMethods in Enzymologyシリーズ(Academic Press, Inc.);Short Protocols In Molecular Biology,(Ausubelら,編, 1995)を参照せよ。
本明細書に引用されるすべての特許、特許出願および出版された参考文献は、その全体を参照により本明細書に組み入れる。この発明がその好ましい実施形態について特に示され、そして記載されてきた一方、添付の請求項によって包含される本発明の範囲を逸脱することなく、形式および詳細が様々に変更しうることが、当業者によって理解されるであろう。
図1は、QuikChange Mutagenesisのためのオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号:5〜26)。 図2(a)は、野生型Pfu DNAポリメラーゼと比較したV93EおよびV93R突然変異体のdUTP取り込み。図2(b)は、100%dUTP存在下におけるPfu V93R突然変異体抽出物のPCR増幅。 図3は、突然変異型Pfu DNAポリメラーゼおよび野生型酵素の「ロング」PCR増幅の効率の比較。 図4Aは、突然変異型古細菌DNAポリメラーゼのDNA配列。図4Bは、突然変異型古細菌DNAポリメラーゼのアミノ酸配列。図4Cは、突然変異型Tgo DNAポリメラーゼのDNAおよびアミノ酸配列。 図5は、野生型Pfu DNAポリメラーゼのDNAおよびアミノ酸配列。 図6は、野生型Pfu DNAポリメラーゼと比較した突然変異型PfuのdUTP取り込み。図6Aは、野生型Pfu DNAポリメラーゼと比較した突然変異型Pfu V93W、V93Y、V93M、V93KおよびV93RのdUTP取り込み。図6Bは、野生型Pfu DNAポリメラーゼと比較した突然変異型Pfu V93DおよびV93RのdUTP取り込み。図6Cは、野生型Pfu DNAポリメラーゼと比較した突然変異型Pfu V93NおよびV93GのdUTP取り込み。 図7は、Pfu DNAポリメラーゼN末端切断型突然変異体のDNAポリメラーゼ活性。 図8は、以下の配列を示す。
A.HMf様タンパク質
B.HMf様タンパク質-Taq融合体
C.HMf様タンパク質-Taq融合体
D.Pfu WT-HMf様タンパク質融合体
E.Pfu WT-HMf様タンパク質融合体
F.Pfu-V93RまたはE-HMf様タンパク質融合体
G.Pfu-V93RまたはE-HMf様タンパク質融合体
H.Pfu-G387P/V93RまたはE-HMf様タンパク質融合体
I.Pfu-G387P/V93RまたはE-HMf様タンパク質融合体
J.Pfu-D141A/E143A/V93RまたはE-HMf様タンパク質融合体
K.Pfu-D141A/E143A/V93RまたはE-HMf様タンパク質融合体
L.KOD-HMf様タンパク質融合体
M.KOD-HMf様タンパク質融合体
N.HMf様タンパク質-Vent融合体
O.HMf様タンパク質-Vent融合体
P.HMf様タンパク質-Deep Vent融合体
Q.HMf様タンパク質-Deep Vent融合体
R.HMf様タンパク質-JDF3融合体
S.HMf様タンパク質-JDF3融合体
T.PCNA
U.PCNA-Taq融合体
V.PCNA-Taq融合体
W.PCNA-PfuWT融合体
X.PCNA-PfuWT融合体
Y.Pfu-V93RまたはE-PCNA融合体
Z.Pfu-V93RまたはE-PCNA融合体
AA.Pfu-G387P/V93RまたはE-PCNA融合体
BB.Pfu-G387P/V93RまたはE-PCNA融合体
CC.Pfu-D141A/E143A/V93RまたはE-PCNA融合体
DD.Pfu-D141A/E143A/V93RまたはE-PCNA融合体
EE.KOD-PCNA融合体
FF.KOD-PCNAタンパク質融合体
GG.PCNA-Vent融合体
HH.PCNA-Vent融合体
II.PCNA-Deep Vent融合体
JJ.PCNA-Deep Vent融合体
KK.PCNA-JDF3融合体
LL.PCNA-JDF3融合体
MM.Sac7d
NN.Sac7d-Taq融合体
OO.Sac7d-Taq融合体
PP.Sac7d-PfuWT融合体
QQ.Sac7d-PfuWT融合体
RR.Pfu-V93RまたはE-Sac7d様タンパク質融合体
SS.Pfu-V93RまたはE-Sac7d融合体
TT.Pfu-G387P/V93RまたはE-Sac7d融合体
UU.Pfu-G387P/V93RまたはE-Sac7d融合体
VV.Pfu-D141A/E143A/V93RまたはE-Sac7d融合体
WW.KOD-Sac7d融合体
XX.KOD-Sac7dタンパク質融合体
YY.Sac7d-Vent融合体
ZZ.Sac7d-Vent融合体
AAA.Sac7d-Deep Vent融合体
BBB.Sac7d-Deep Vent融合体
CCC.Sac7d-JDF3融合体
DDD.Sac7d-JDF3融合体
EEE.Sso7D
FFF.Sso7D-Taq融合体
GGG.Sso7D-PfuWT融合体
HHH.Pfu-V93RまたはE-Sso7D融合体
III.Pfu-V93RまたはE-Sso7D融合体
JJJ.Pfu-D141A/E143A/V93RまたはE-Sso7D融合体
KKK.KOD-Sso7D融合体
LLL.KOD-Sso7D融合体
MMM.Sso7D-Vent融合体
NNN.Sso7D-Vent融合体
OOO.Sso7D-Deep Vent融合体
PPP.Sso7D-Deep Vent融合体
QQQ.Sso7D-JDF3融合体
RRR.Sso7D-JDF3融合体
図9は、HhHモチーフ配列。図9(a)は、topoV、RecAおよびロイシン応答性調節シグニチャー配列(signature sequences)間に保存されるモチーフ。トポVアミノ酸領域236〜298は、データーベースにおいてヒットするものがなかったので示さない。リピートGおよびHを結合する677〜695位置と配列末端の19アミノ酸残基との間の短い領域は、簡略化するために示さない。不変の残基は青い背景に白い文字で示す。保存部位は黄色い背景で強調する。図9(b)は、topoV HhHモチーフの構造。-polのLys-68およびLys-72ならびにtopoVのCおよびGリピートにおいて相当する部位は、シアンおよびマゼンタで各々着色する。aおよびbにおける二次構造は、JPRED(ウェブページアドレスjura.ebi.ac.uk:8888/)を用いることで推定した。円柱はヘリックスを表し、それらの間の線(b)はヘアピンを表す。突然変異誘発によってフェニルアラニンの代わりに置換されたチロシンを線で囲った(図2aを参照せよ)。MkTpV, M. kandleri topoV;HTH asnC, asnC細菌調節タンパク質のHTHモチーフのシグニチャーを提供する3次元フィンガープリント; HTH SS, HTHモチーフの二次構造; A〜L,topoVのHhHリピート; EcRuvA, 大腸菌RuvAタンパク質, HsPolB, ヒトポリメラーゼ; TaqPol, T. aquaticusポリメラーゼI; HhH SS, HhHモチーフの二次構造。ALSCRIPTを用いてアラインメントを作成した。
【配列表】
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Claims (65)

  1. 2以上のDNAポリメラーゼのブレンドであって、少なくとも1つのキメラDNAポリメラーゼおよび少なくとも1つの非キメラDNAポリメラーゼ含む、前記ブレンド。
  2. 前記キメラまたは非キメラDNAポリメラーゼの少なくとも1つが耐熱性である、請求項1に記載のブレンド。
  3. 前記キメラDNAポリメラーゼまたは非キメラDNAポリメラーゼの少なくとも1つが古細菌DNAポリメラーゼを含む、請求項1に記載のブレンド。
  4. 前記キメラDNAポリメラーゼまたは非キメラDNAポリメラーゼの少なくとも1つが真正細菌DNAポリメラーゼを含む、請求項1に記載のブレンド。
  5. 前記キメラDNAポリメラーゼまたは非キメラDNAポリメラーゼの少なくとも1つがPfu DNAポリメラーゼを含む、請求項1に記載のブレンド。
  6. 前記キメラDNAポリメラーゼが低減したDNA重合活性を有する、請求項3に記載のブレンド。
  7. 前記キメラDNAポリメラーゼが、アミノ酸位置387におけるグリシンからプロリンへの置換(G387P)を含み、そして低減したDNA重合活性を有する、請求項6に記載のブレンド。
  8. 前記キメラDNAポリメラーゼが低減した塩基類似体検出活性を含む、請求項3に記載のブレンド。
  9. 前記キメラDNAポリメラーゼが低減した塩基類似体検出活性およびV93位置における突然変異を含み、ここで前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換、バリンからグルタミン酸への置換、バリンからリジンへの置換、バリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからアスパラギンへの置換である、請求項8に記載のブレンド。
  10. 前記キメラDNAポリメラーゼが低減した塩基類似体検出活性を有する、請求項6に記載のブレンド。
  11. 前記キメラDNAポリメラーゼが低減した塩基類似体検出活性を含む、請求項7に記載のブレンド。
  12. 前記キメラDNAポリメラーゼがさらにV93位置における突然変異を含み、ここで前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換、バリンからグルタミン酸への置換、バリンからリジンへの置換、バリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからアスパラギンへの置換であり、これが前記キメラDNAポリメラーゼに低減した塩基類似体検出活性の表現型を与える、請求項6に記載のブレンド。
  13. 前記キメラDNAポリメラーゼがさらにV93位置における突然変異を含み、ここで前記突然変異がバリンからアルギニンへの置換、バリンからグルタミン酸への置換、バリンからリジンへの置換、バリンからアスパラギン酸への置換またはバリンからアスパラギンへの置換であり、これが前記キメラDNAポリメラーゼに低減した塩基類似体検出活性の表現型を与える、請求項7に記載のブレンド。
  14. 前記キメラDNAポリメラーゼがさらに低減したDNA重合活性を含む、請求項8に記載のブレンド。
  15. 前記キメラDNAポリメラーゼがさらに低減したDNA重合活性を含む、請求項9に記載のブレンド。
  16. 前記キメラDNAポリメラーゼがさらにアミノ酸位置387におけるグリシンからプロリンへの置換(G387P)を含み、これが前記キメラDNAポリメラーゼに低減したDNA重合表現型を与える、請求項8に記載のブレンド。
  17. 前記キメラDNAポリメラーゼがさらにアミノ酸位置387におけるグリシンからプロリンへの置換(G387P)を含み、これが前記キメラDNAポリメラーゼに低減したDNA重合表現型を与える、請求項9に記載のブレンド。
  18. 前記キメラDNAポリメラーゼがさらにアミノ酸141におけるアスパラギン酸からアラニンへの置換(D141A)、およびアミノ酸位置143におけるグルタミン酸からアラニンへの置換(D141A/E143A)を含み、これらが前記キメラDNAポリメラーゼを3’-5’エキソヌクレアーゼ欠失にする、請求項3に記載のブレンド。
  19. 塩基類似体検出活性が低減した前記キメラDNAポリメラーゼがさらに、アミノ酸141におけるアスパラギン酸からアラニンへの置換(D141A)、およびアミノ酸位置143におけるグルタミン酸からアラニンへの置換(D141A/E143A)を含み、これらが前記キメラDNAポリメラーゼを3’-5’エキソヌクレアーゼ欠失にする、請求項8に記載のブレンド。
  20. 前記キメラDNAポリメラーゼが、野生型、突然変異型または化学的に修飾されたDNAポリメラーゼを含む、請求項1に記載のブレンド。
  21. 前記キメラDNAポリメラーゼがプルーフリーディングポリメラーゼである、請求項1に記載のブレンド。
  22. 前記プルーフリーディングポリメラーゼが、Pfu、KOD、Tgo、VentおよびDeepVentからなる群より選択される、請求項21に記載のブレンド。
  23. 前記非キメラDNAポリメラーゼが非プルーフリーディングポリメラーゼである、請求項1に記載のブレンド。
  24. 前記非プルーフリーディングポリメラーゼが、Taq、Tth、exo-Pfu、exo-KOD、exo-Tgo、exo-Ventおよびexo-DeepVentからなる群より選択される、請求項23に記載のブレンド。
  25. 前記非キメラDNAポリメラーゼが、野生型、突然変異型または化学的に修飾したDNAポリメラーゼを含む、請求項1に記載のブレンド。
  26. 前記非キメラDNAポリメラーゼがプルーフリーディングポリメラーゼである、請求項1に記載のブレンド。
  27. 前記プルーフリーディングポリメラーゼが、Pfu、KOD、Tgo、VentおよびDeepVentからなる群より選択される、請求項26に記載のブレンド。
  28. 前記非キメラDNAポリメラーゼが非プルーフリーディングポリメラーゼである、請求項1に記載のブレンド。
  29. 前記非プルーフリーディングポリメラーゼが、Taq、Tth、exo-Pfu、exo-KOD、exo-Tgo、exo-Ventおよびexo-DeepVentからなる群より選択される、請求項28に記載のブレンド。
  30. 前記非キメラDNAポリメラーゼは3’-5’エキソヌクレアーゼ活性が低減した突然変異型古細菌DNAポリメラーゼであり、前記突然変異型古細菌DNAポリメラーゼは、アミノ酸位置141におけるアスパラギン酸からアラニンへの置換(D141A)およびアミノ酸位置143におけるグルタミン酸からアラニンへの置換(D141A/E143A)を含み、これらが前記突然変異型DNAポリメラーゼを3’-5’エキソヌクレアーゼ欠失にする、請求項1に記載のブレンド。
  31. 前記非キメラDNAポリメラーゼが、PfuV93R、PfuV93E、PfuV93D、PfuV93K、PfuV93N、PfuG387P、PfuV93R/G387P、PfuV93E/G387P、PfuV93D/G387P、PfuV93K/G387PおよびPfuV93N/G387Pからなる群より選択される突然変異を含む、請求項1に記載のブレンド。
  32. 前記非キメラDNAポリメラーゼはTaq DNAポリメラーゼのN末端切断型であり、これが前記突然変異型DNAポリメラーゼを5'-3'エキソヌクレアーゼ欠失にする、請求項1に記載のブレンド。
  33. 前記非キメラDNAポリメラーゼが2以上のDNAポリメラーゼの第2のブレンドから構成される、請求項1に記載のブレンド。
  34. 前記第2のブレンドがプルーフリーディングおよび非プルーフリーディングDNAポリメラーゼ、非プルーフリーディングおよび非プルーフリーディングDNAポリメラーゼ、またはプルーフリーディングおよびプルーフリーディングDNAポリメラーゼを含む、請求項33に記載のブレンド。
  35. 前記第2のブレンドが、Pfu/Taq、Pfu/exo-Pfu、Taq/exo-PfuまたはPfu/JDF3 DNAポリメラーゼからなる群より選択される1組の耐熱性DNAポリメラーゼから構成される、請求項33に記載のブレンド。
  36. 前記第2のブレンドの少なくとも1つのポリメラーゼが、Tth、Vent、Deep Vent、KOD、JDF-3、exo-Vent、exo-DeepVent、exo-KOD、exo-JDF3、Tgo、exo-Tgo、PfuV93R、PfuV93E、PfuV93D、PfuV93K、PfuV93NおよびPfuG387Pからなる群より選択される、請求項33に記載のブレンド。
  37. 前記第2のブレンドが、Pfu/Taq、Pfu/exo-Pfu、Taq/exo-PfuまたはPfu/JDF3 DNAポリメラーゼからなる群より選択される1組の耐熱性DNAポリメラーゼから構成され、そしてpol-Pfu(PfuG387P)、G387P/V93R、G387P/PfuV93E、G387P/PfuV93D、G387P/PfuV93K、G397P/PfuV93NおよびG387P/PfuG387Pからなる群より選択される突然変異をさらに含む、請求項33に記載のブレンド。
  38. 前記キメラDNAポリメラーゼが、反応性、プルーフリーディング、忠実度、DNA結合活性、鎖置換活性、ポリメラーゼ活性、ヌクレオチド結合および認識、効率、鋳型長増幅能、GCリッチ標的物増幅効率、特異性、熱耐性、固有のホットスタート能、または耐塩性からなる群より選択される活性が増加したポリペプチドをさらに含む、請求項1に記載のブレンド。
  39. 前記キメラDNAポリメラーゼが、室温におけるDNAポリメラーゼ活性、三ヌクレオチド反復鎖を有する鋳型における増幅スリップ、PCR反応における伸長時間、またはPCR反応の増幅サイクルからなる群より選択される活性が低減したポリペプチドをさらに含む、請求項1に記載のブレンド。
  40. 前記キメラDNAポリメラーゼが、バクテリオファージT7のチオレドキシン反応性因子結合ドメイン、古細菌性PCNA結合ドメイン、PCNA、DNAトポイソメラーゼV由来のヘリックス-ヘアピン-ヘリックスDNA結合モチーフ、またはDNA結合タンパク質Sso7dもしくはSac7dからなる群より選択されるタンパク質ドメインから構成される、請求項1に記載のブレンド。
  41. 請求項1に記載のブレンドを含む組成物。
  42. PCR促進因子および/または添加剤をさらに含む、請求項41に記載の組成物。
  43. 請求項1に記載のブレンドおよびそのためのパッケージング材料を含むキット。
  44. PCR促進因子および/または添加剤をさらに含む、請求項43に記載のキット。
  45. キメラDNAポリメラーゼであって、前記キメラDNAポリメラーゼが低減したDNA重合活性、低減した塩基類似体検出活性、および/または低減した3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を有する、前記キメラDNAポリメラーゼ。
  46. 前記キメラDNAポリメラーゼが、耐熱性DNAポリメラーゼを含む、請求項45に記載のキメラDNAポリメラーゼ。
  47. 前記キメラDNAポリメラーゼが、古細菌DNAポリメラーゼを含む、請求項45に記載のキメラDNAポリメラーゼ。
  48. 前記キメラDNAポリメラーゼが、Pfu DNAポリメラーゼを含む、請求項45に記載のキメラDNAポリメラーゼ。
  49. DNA重合活性が低減した前記キメラDNAポリメラーゼが、アミノ酸位置387におけるグリシンからプロリンへの置換(G387P)を含む、請求項47に記載のキメラDNAポリメラーゼ。
  50. 塩基類似体検出活性が低減したキメラDNAポリメラーゼがV93位置における突然変異を含み、ここで前記突然変異が、バリンからアルギニンへの置換、バリンからグルタミン酸への置換、バリンからリジンへの置換、バリンからアスパラギン酸への置換、バリンからアスパラギンへの置換、またはバリンからグルタミンへの置換である、請求項47に記載のキメラDNAポリメラーゼ。
  51. 3’-5’エキソヌクレアーゼ活性が低減したキメラDNAポリメラーゼが、アミノ酸141におけるアスパラギン酸からアラニンへの置換(D141A)、およびアミノ酸位置143におけるグルタミン酸からアラニンへの置換(D141A/E143A)を含む、請求項47に記載のキメラDNAポリメラーゼ。
  52. 請求項45に記載の低減したDNA重合活性を有するキメラDNAポリメラーゼであって、前記キメラDNAポリメラーゼがさらにV93位置における突然変異を含み、ここで前記突然変異が、バリンからアルギニンへの置換、バリンからグルタミン酸への置換、バリンからリジンへの置換、バリンからアスパラギン酸への置換、またはバリンからアスパラギンへの置換であって、これらが前記キメラDNAポリメラーゼに低減した塩基類似体検出活性表現型を与える、前記キメラDNAポリメラーゼ。
  53. 請求項45に記載の塩基類似体検出活性が低減したキメラDNAポリメラーゼであって、前記キメラDNAポリメラーゼがさらにアミノ酸位置387におけるグリシンからプロリンへの置換(G387P)を含み、これが前記キメラDNAポリメラーゼに低減したDNA重合活性表現型を与える、前記キメラDNAポリメラーゼ。
  54. 請求項45に記載の塩基類似体検出活性が低減したキメラDNAポリメラーゼであって、前記キメラDNAポリメラーゼがさらに、アミノ酸位置141におけるアスパラギン酸からアラニンへの置換(D141A)、およびアミノ酸位置143におけるグルタミン酸からアラニンへの置換(D141A/E143A)を含み、これらが前記キメラDNAポリメラーゼを3’-5’エキソヌクレアーゼ欠失にする、前記キメラDNAポリメラーゼ。
  55. 請求項45〜54のいずれかに記載のキメラDNAポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
  56. DNA合成のための方法であって:a)請求項1に記載の2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供すること;およびb)前記酵素を鋳型核酸と接触させて、前記ブレンドがDNA合成を可能にすることを含む、前記方法。
  57. さらにPCR促進因子および/または添加剤を含む、請求項56に記載の方法。
  58. DNA合成のための方法であって:
    請求項1に記載の2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供すること;および
    前記ブレンドを鋳型核酸と接触させて、前記酵素がDNA合成を可能にすること
    を含む、前記方法。
  59. さらにPCR促進因子および/または添加剤を含む、請求項58に記載の方法。
  60. DNA合成産物のクローニングのための方法であって:
    a)請求項1に記載の2以上のDNAポリメラーゼのブレンドを提供すること;
    b)前記ブレンドを鋳型核酸に接触させて、前記ブレンドがDNA合成を可能にして合成DNA産物を生成すること;および
    c)前記合成DNA産物をクローニングベクターに挿入すること
    を含む、前記方法。
  61. さらにPCR促進因子および/または添加剤を含む、請求項60に記載の方法。
  62. DNA配列決定のための方法であって、以下のステップ:
    (a)鋳型DNA鎖をシークエンスDNAプライマーと接触させること;
    (b)ステップ(a)の前記DNAを、請求項1に記載の2以上のDNAポリメラーゼのブレンドと、デオキシリボヌクレオシド三リン酸および鎖終結ヌクレオチド類似体と共に接触させること;
    (c)ステップ(b)の混合物を、前記の初めのDNA分子と相補的なDNA分子のランダムな集団を合成するのに十分な条件下でインキュベーションするステップであって、ここで前記合成DNA分子は前記の初めのDNA分子よりも長さが短く、そして前記合成DNA分子は終結ヌクレオチドをその5'末端に含むこと;ならびに
    (d)前記合成DNA分子をサイズにより分離することにより、前記の初めのDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部が決定できるようにすること
    を含む、前記方法。
  63. さらにPCR促進因子および/または添加剤を含む、請求項62に記載の方法。
  64. 部位特異的またはランダム突然変異誘発のための直線的または指数関数的PCR増幅の方法であって、以下のステップ:鋳型核酸、少なくとも2つのPCRプライマーおよび請求項1に記載のブレンドを含有する反応混合物を、前記ブレンドによって前記鋳型核酸を増幅することが可能な条件下でインキュベーションして突然変異型増幅産物を生成することを含む、前記方法。
  65. さらにPCR促進因子および/または添加剤を含む、請求項64に記載の方法。
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