JP2015154787A - キメラdnaポリメラーゼ - Google Patents

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Abstract

【課題】DNAの増幅、合成、検出、配列決定および他の重要な組換えDNAの技法のための頑強、高速、かつ正確なDNAポリメラーゼを提供すること【解決手段】本発明は、とりわけ、少なくとも1つの明確な機能的特性(例えば、延長速度、プロセシビティー、エラー率または忠実度、塩許容性または塩抵抗性)を有する少なくとも2つのDNAポリメラーゼに由来する配列を有する異種ドメインを含有するキメラDNAポリメラーゼならびにその作製方法および使用方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、異なるDNAポリメラーゼの望ましい機能的特性(例えば、プロセシビティーが高いこと;延長速度;熱安定性;塩、PCR添加剤(例えば、PCRエンハンサー)および他の不純物に対する抵抗性が高いこと;ならびに忠実度が高いこと)を、キメラポリメラーゼの中に組み合わせることができる。【選択図】なし

Description

本出願は、2008年11月3日出願の米国仮特許出願第61/110,862号に対して優先権を主張し、その全体の開示が本明細書中で参考として援用される。
DNAポリメラーゼは、一本鎖DNAを鋳型として使用して相補的なDNA鎖を合成する酵素である。特に、DNAポリメラーゼは、新たに形成する鎖の3’末端に遊離のヌクレオチドを付加し、その結果、新しい鎖を5’−3’の方向に延長させることができる。一部のDNAポリメラーゼは、新たに合成されたDNAにおける誤りを修正することができる。このプロセスは、エラー修正として公知である。これらのポリメラーゼは、間違って取り込まれたヌクレオチドを認識することができ、この酵素の3’→5’エキソヌクレアーゼ活性により、間違ったヌクレオチドを削除することが可能になる(この活性は校正として公知である)。塩基が削除された後、ポリメラーゼは、正しい塩基を再度挿入することができ、複製が継続され得る。校正機能により、合成が塩基対合を選択する工程のみの結果であった場合のDNA複製忠実度よりもはるかに高い忠実度のDNA複製がもたらされる。非特許文献1。3’−5’の校正エキソヌクレアーゼ活性を持つDNAポリメラーゼは、非校正エキソヌクレアーゼプロセシングポリメラーゼと比較すると、実質的に低いエラー率を有する。非特許文献2。しかし、時には、これらのポリメラーゼの利点は、DNA増幅産物の収率を低下させる、その比較的低いプロセシビティー(processivity)によって相殺される。
Brutlag,D.およびKornberg,A.、J. Biol. Chem.、247巻:241〜248頁(1972年) Chang,L. M. S.、J. Biol. Chem.、252巻:1873〜1880頁(1977年)
本発明は、ドメイン交換により、異なるDNAポリメラーゼの望ましい機能的特性(例えば、プロセシビティーが高いこと、延長速度が高いこと、熱安定性、塩、PCR添加剤(例えば、PCRエンハンサー)および他の不純物に対する抵抗性、ならびに忠実度が高いこと)をキメラ酵素の中に組み合わせることができるという発見を包含する。したがって、本発明は、とりわけ、DNAの増幅、合成、検出、配列決定および他の重要な組換えDNAの技法のための頑強、高速、かつ正確なDNAポリメラーゼを提供する。
一態様では、本発明は、プロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、熱安定性またはTMAC許容性が高い特徴を有する第1のDNAポリメラーゼに見られるアミノ酸配列と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)同一である配列を有する第1のドメイン;および忠実度が高い特徴を有する第2のDNAポリメラーゼに見られるアミノ酸配列と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)同一である配列を有する第2のドメインを含有し、忠実度が高いことおよびプロセシビティーが高いことの両方、延長速度または塩抵抗性が高いという特徴を有するキメラポリメラーゼを提供する。本明細書で使用する、「プロセシビティーが高い」という用語は、プロセシビティーが、鋳型との会合/解離当たり20ntよりも高い(例えば、40nt、60nt、80nt、100nt、120nt、140nt、160nt、180nt、200nt、220nt、240nt、260nt,280nt、300nt、320nt、340nt、360nt、380nt、400ntより高いかまたはそれを超えて高い)ことを指す。本明細書で使用する、「延長速度が高い」という用語は、延長速度が、25nt/sよりも高い(例えば、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140nt/sよりも高い)ことを指す。本明細書で使用する、「塩抵抗性が高い」という用語は、DNAポリメラーゼが、30mMよりも高い(例えば、35mM、40mM、45mMまたは50mMよりも高い)塩濃度においてその酵素活性を実質的に維持できることを指す。本明細書で使用する、「忠実度が高い」という用語は、エラー率が、4.45×10−6変異/nt/倍加より低い(例えば、4.0×10−6、3.5×10−6、3.0×10−6、2.5×10−6、2.0×10−6、1.5×10−6、1.0×10−6、0.5×10−6変異/nt/倍加より低い)ことを指す。本明細書で使用する、「TMAC許容性が高い」という用語は、DNAポリメラーゼが、10mMよりも高い(例えば、15mM、20mM、25mM、30mMよりも高い)TMAC(テトラメチルアンモニウムクロリド)濃度においてその酵素活性を実質的に維持できることを指す。本明細書で使用する、「熱安定性が高い」という用語は、DNAポリメラーゼが、98℃において30分超(例えば、45分、60分、90分、180分、210分、240分)インキュベートした後、その酵素活性を実質的に維持できることを指す。「プロセシビティー」、「延長速度」、「忠実度」、「塩抵抗性」、「TMAC許容性」、および「熱安定性」という用語は、定義のセクションにおいてさらに定義する。
一部の実施形態では、本発明に適した代表的な第1のDNAポリメラーゼとして、KODポリメラーゼ、TNA1ポリメラーゼ、Thermococcus sp.9°N−7、T4、T7、またはphi29が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、第1のDNAポリメラーゼは、KODポリメラーゼである。一部の実施形態では、本発明に適した代表的な第2のDNAポリメラーゼとして、Pyrococcus furiosus、P.abyssi、T.gorgonarius、T.litoralis、T.zilligii、T.sp.GT、またはP.sp.GB−Dから単離されたポリメラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、第2のDNAポリメラーゼはPfuポリメラーゼである。特定の実施形態では、第1のDNAポリメラーゼがKODポリメラーゼであり、第2のDNAポリメラーゼがPfuポリメラーゼである。
一部の実施形態では、適切な第1のドメインは、エキソヌクレアーゼドメイン、N末端ドメイン、および/または親指ドメインである。一部の実施形態では、適切な第2のドメインは、掌および/または指ドメインである。
一部の実施形態では、第1のDNAポリメラーゼに見られるアミノ酸配列は、KODポリメラーゼ(配列番号11)のアミノ酸残基26〜105、KODポリメラーゼ(配列番号11)のアミノ酸残基156〜301、および/またはKODポリメラーゼ(配列番号11)のアミノ酸残基612〜749に対応する。
一部の実施形態では、第2のDNAポリメラーゼに見られるアミノ酸配列は、Pfuポリメラーゼ(配列番号9)のアミノ酸残基394〜563に対応する。
一部の実施形態では、本発明によるキメラポリメラーゼは、
、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
、(ここでXはKではなく、XはHではなく、XはRではなく、XはIではなく、XはRではなく、XはKではなく、XはGではなく、XはKではなく、XはIではなく、X10はRではなく、X11はIではなく、X12はVではなく、X13はDではなく、X14はEではなく、X15はKではなく、X16はIではなく、X17はTではなく、X18はLではなく、X19はEではなく、X20はTではなく、X21はEではなく、X22はVではない。)
、(ここでXはIではなく、XはNではなく、XはEではなく、XはKではなく、XはIではなく、XはEではなく、XはSではなく、XはIではなく、XはIではなく、X10はRではなく、X11はIではなく、X12はIではなく、X13はVではなく、X14はSではなく、X15はPではなく、X16はAではなく、X17はAではなく、X18はKではなく、X19はLではなく、X20はTではなく、X21はIではなく、X22はMではなく、X23はIではなく、X24はMではなく、X25はTではなく、X26はHではなく、X27はTではなく、X28はIではなく、X29はKではなく、X30はDではなく、X31はAではなく、X32はKではなく、X33はSではない。)
、(ここでXはTではなく、XはIではなく、XはHではなく、XはEではなく、XはIではなく、XはQではなく、XはAではなく、XはNではなく、XはIではなく、X10はAではなく、X11はYではなく、X12はPではなく、X13はHではなく、X14はEではなく、X15はIではなく、X16はKではなく、X17はKではなく、X18はKではなく、X19はMではなく、X20はGではなく、X21はRではなく、X22はDではなく、X23はPではなく、X24はSではなく、X25はNではなく、X26はLではなく、X27はAではなく、X28はEではなく、X29はYではなく、X30はKではなく、X31はLではなく、X32はEではなく、X33はGではない。)
およびそれらの組合せ
からなる群から選択されるコンセンサス配列を有する第1のドメイン;ならびに
、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
、(ここでXはRではなく、XはSではなく、XはRではなく、XはEではなく、XはVではなく、XはRではなく、XはFではなく、XはDではなく、XはKではなく、X10はAではなく、X11はIではなく、X12はRではなく、X13はKではなく、X14はRではなく、X15はIではなく、X16はYではなく、X17はRではなく、X18はEではなく、X19はTではなく、X20はMではなく、X21はTではなく、X22はIではなく、X23はIではなく、X24はYではなく、X25はIではなく、X26はSではなく、X27はFではなく、X28はFではなく、X29はAではなく、X30はDではなく、X31はAではなく、X32はTではなく、X33はVではなく、X34はMではない。)
およびそれらの組合せ
からなる群から選択されるコンセンサス配列を有する第2のドメイン
を含み、
このキメラポリメラーゼは忠実度が高く、プロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、TMAC許容性もしくは他のPCRエンハンサー許容性または熱安定性が高い特徴を有する。
一部の実施形態では、本発明によるキメラポリメラーゼは、コンセンサス配列
、(Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)によって定義され、このキメラポリメラーゼは、KODの忠実度よりも高い忠実度を有し、Pfuのプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、TMAC許容性もしくは他のPCRエンハンサー許容性または熱安定性よりも高いプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、TMAC許容性もしくは他のPCRエンハンサー許容性または熱安定性を有する。
一部の実施形態では、本発明によるキメラポリメラーゼは、コンセンサス配列
、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
によって定義される。
一部の実施形態では、本発明は、さらに、第1のDNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼドメイン、N末端ドメイン、および/または親指ドメインに見られるアミノ酸配列と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)同一である配列を有する第1のドメイン;および第2のDNAポリメラーゼの掌および/または指ドメインに見られるアミノ酸配列と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)同一であるを配列を有する第2のドメインを含有するキメラポリメラーゼを提供する。一部の実施形態では、キメラポリメラーゼは、第2のDNAポリメラーゼの忠実度よりも高い忠実度を有し、第1のDNAポリメラーゼのプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、TMAC許容性もしくは他のPCRエンハンサー許容性または熱安定性よりも高いプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、TMAC許容性もしくは他のPCRエンハンサー許容性または熱安定性を有する。
別の態様では、本発明は、キメラポリメラーゼを設計製作する(engineering)方法を提供する。本発明による発明の方法は、(a)第1のDNAポリメラーゼに基づくN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメイン、および/または親指ドメインを提供する工程;(b)第2のDNAポリメラーゼに基づく掌および/または指ドメインを提供する工程;(c)工程(a)および工程(b)からのドメインを組み合わせてキメラポリメラーゼを形成する工程を含み、キメラポリメラーゼは、第1のDNAポリメラーゼの忠実度よりも高い忠実度を有し、第2のDNAポリメラーゼのプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、TMAC許容性もしくは他のPCRエンハンサー許容性または熱安定性よりも高いプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、TMAC許容性もしくは他のPCRエンハンサー許容性または熱安定性を有する。一部の実施形態では、本発明に従って設計製作したキメラポリメラーゼは、第1のDNAポリメラーゼのプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、TMAC許容性もしくは他のPCRエンハンサー許容性または熱安定性と実質的に同様のプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、TMAC許容性もしくは他のPCRエンハンサー許容性または熱安定性、および第2のDNAポリメラーゼの忠実度と実質的に同様の忠実度を有する。
一部の実施形態では、本発明に適した代表的な第1のDNAポリメラーゼとして、KODポリメラーゼ、TNA1ポリメラーゼ、Thermococcus sp.9°N−7(9 degrees N−7)、T4、T7、またはphi29が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、第1のDNAポリメラーゼはKODポリメラーゼである。一部の実施形態では、本発明に適した代表的な第2のDNAポリメラーゼとして、Pyrococcus furiosus、P.abyssi、T.gorgonarius、T.litoralis、T.zilligii、T.sp.GT、またはP.sp.GB−Dから単離されたポリメラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、第2のDNAポリメラーゼはPfuポリメラーゼである。
一部の実施形態では、第1のDNAポリメラーゼがKODポリメラーゼであり、第2のDNAポリメラーゼがPfuポリメラーゼである。一部の実施形態では、第1のDNAポリメラーゼがPfuポリメラーゼであり、第2のDNAポリメラーゼがKODポリメラーゼである。
一部の実施形態では、本発明は、DNAポリメラーゼの忠実度を改善する方法を提供する。特定の実施形態では、本発明による発明の方法は、対象のDNAポリメラーゼの掌および/または指ドメイン内の配列を、対象のDNAポリメラーゼと比較して忠実度が高い特徴を有する異なるDNAポリメラーゼからの対応する配列と置き換える工程を含む。
一部の実施形態では、本発明は、DNAポリメラーゼのプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、TMAC許容性もしくは他のPCRエンハンサー許容性または熱安定性を改善する方法を提供する。特定の実施形態では、本発明による発明の方法は、対象のDNAポリメラーゼのN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメインおよび/または親指ドメイン内の配列を、対象のDNAポリメラーゼと比較してプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、TMAC許容性もしくは他のPCRエンハンサー許容性または熱安定性が高い特徴を有する異なるDNAポリメラーゼからの対応する配列と置き換える工程を含む。
本発明は、本明細書に記載の発明の方法を用いて設計製作し、そして/または改善されたキメラポリメラーゼを含めた、本明細書に記載の種々のキメラポリメラーゼを提供する。一部の実施形態では、本発明によるキメラポリメラーゼは、配列番号16(配列のセクションにおいて示したKofuのアミノ酸配列)と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含有する。特定の実施形態では、本発明によるキメラポリメラーゼは、配列番号16のアミノ酸配列を含有する。一部の実施形態では、本発明によるキメラポリメラーゼは、配列番号15(配列のセクションにおいて示したPodのアミノ酸配列)と少なくとも80%同一であるアミノ酸配列を含有する。特定の実施形態では、本発明によるキメラポリメラーゼは、配列番号15のアミノ酸配列を含有する。
本発明は、本明細書に記載の種々のキメラポリメラーゼを含有するキットおよび組成物ならびにそれらの使用(例えば、本発明のキメラDNAポリメラーゼを使用してDNA断片を増幅する方法)も提供する。さらに、本発明は、本明細書に記載の種々のキメラポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列ならびに本発明によるヌクレオチド配列を含有するベクターおよび/または細胞を提供する。
図面は、例示する目的のためのものにすぎず、限定するためのものではない。
図1は、代表的な天然に存在するB型DNAポリメラーゼならびに代表的なキメラDNAポリメラーゼであるKofuおよびPod中のドメインのアライメントを示す図である。KofuキメラおよびPodキメラにおいて交換されたKODポリメラーゼドメインおよびPfuポリメラーゼドメインをアライメントの上部に示している。 図1は、代表的な天然に存在するB型DNAポリメラーゼならびに代表的なキメラDNAポリメラーゼであるKofuおよびPod中のドメインのアライメントを示す図である。KofuキメラおよびPodキメラにおいて交換されたKODポリメラーゼドメインおよびPfuポリメラーゼドメインをアライメントの上部に示している。 図1は、代表的な天然に存在するB型DNAポリメラーゼならびに代表的なキメラDNAポリメラーゼであるKofuおよびPod中のドメインのアライメントを示す図である。KofuキメラおよびPodキメラにおいて交換されたKODポリメラーゼドメインおよびPfuポリメラーゼドメインをアライメントの上部に示している。 図2は、代表的なキメラポリメラーゼであるPodが、PfuのN末端ドメイン、3’−5’エキソヌクレアーゼドメインおよび親指ドメインならびにKODの掌および指ドメインを含有し、逆のキメラポリメラーゼであるKofuが、KODのN末端ドメイン、3’−5’エキソヌクレアーゼドメインおよび親指ドメインならびにPfuの掌および指ドメインを含有することを示す図である。 図3は、KOD、Pfu、KofuおよびPodの熱安定性を示す代表的な結果を示す図である。 図4は、KOD、Pfu、KofuおよびPodの塩抵抗性を示す代表的な結果を示す図である。 図5は、KOD、Pfu、KofuおよびPodのTMAC許容性を示す代表的な結果を示す図である。
定義
アミノ酸:本明細書で使用する、「アミノ酸」という用語は、その広義では、ポリペプチド鎖に取り込むことができる任意の化合物および/または物質を指す。一部の実施形態では、アミノ酸は、一般構造HN−C(H)(R)−COOHを有する。一部の実施形態では、アミノ酸は天然に存在するアミノ酸である。一部の実施形態では、アミノ酸は合成アミノ酸であり;一部の実施形態では、アミノ酸はD−アミノ酸であり;一部の実施形態では、アミノ酸はL−アミノ酸である。「標準的なアミノ酸」は、天然に存在するペプチドに一般に見られる20種の標準的なL−アミノ酸のいずれかを指す。「非標準的なアミノ酸」は、それが合成によって調製されるものであるか天然源から得られるものであるかに関わらず、標準的なアミノ酸以外の任意のアミノ酸を指す。本明細書で使用する、「合成アミノ酸」は、塩、アミノ酸誘導体(アミドなど)、および/またはアミノ酸置換を含むがこれらに限定されない、化学修飾されたアミノ酸を包含する。ペプチド中のカルボキシ末端のアミノ酸および/またはアミノ末端のアミノ酸を含めたアミノ酸は、メチル化、アミド化、アセチル化、および/または他の化学基での置換によって修飾することができる。アミノ酸は、ジスルフィド結合に関与し得る。「アミノ酸」という用語は、「アミノ酸残基」と互換的に使用され、遊離アミノ酸および/またはペプチドのアミノ酸残基を指し得る。用語が遊離アミノ酸を指しているか、ペプチドの残基を指しているかは、この用語が使用されている文脈から明らかになる。本明細書において、全てのアミノ酸残基配列は、左右の方向づけが、アミノ末端からカルボキシ末端への従来の方向になっている式で表されていることに注意されたい。
塩基対(bp):本明細書で使用する、塩基対は、二本鎖DNA分子におけるアデニン(A)とチミン(T)の連携、またはシトシン(C)とグアニン(G)の連携を指す。
キメラポリメラーゼ:本明細書で使用する、「キメラポリメラーゼ」という用語(「キメラ」とも称される)という用語は、天然には存在しないポリメラーゼを作出するために共有結合的または非共有結合的にのいずれかで連結された2つ以上の異種ドメイン、アミノ酸配列、ペプチド、および/またはタンパク質を含有する任意のポリメラーゼを指す。一般には、キメラポリメラーゼは、第2のドメインに連結された第1のドメインを含有し、第1のドメインおよび第2のドメインは、天然では同じ関係性が見られないものである。一般には、第1のドメインは第1のDNAポリメラーゼに由来し、第2のドメインは第2のDNAポリメラーゼに由来する。一般には、第1のDNAポリメラーゼおよび第2のDNAポリメラーゼは、少なくとも1つの明確な機能的特性(例えば、プロセシビティー、延長速度、忠実度、塩許容性、PCR添加剤に対する許容性または熱安定性)の特徴を有する。本明細書で使用する、対象のDNAポリメラーゼに由来する配列は、対象のDNAポリメラーゼに見られる任意の配列、または対象のDNAポリメラーゼに見られるアミノ酸配列と少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)の同一性を有する任意の配列を指す。本発明による「キメラポリメラーゼ」は、新規の機能性タンパク質を形成するために連結された、関連するポリメラーゼまたは類似のポリメラーゼ(例えば、類似の配列および/または構造を共有しているタンパク質)からの2つ以上のアミノ酸配列を含有し得る。本発明による「キメラポリメラーゼ」は、新規の機能性タンパク質を形成するために連結された、関連のないポリメラーゼからの2つ以上のアミノ酸配列を含有し得る。例えば、本発明のキメラポリメラーゼは、異なる種類の生物体によって発現されたタンパク質構造の「種間の」または「遺伝子間の」融合物であり得る。
相補的な:本明細書で使用する、「相補的な」という用語は、塩基対合を通した、2つのポリヌクレオチド鎖の領域間、または2つのヌクレオチド間の配列相補性の広範な概念を指す。アデニンヌクレオチドがチミンまたはウラシルであるヌクレオチドと特異的な水素結合(「塩基対合」)を形成できることは公知である。同様に、シトシンヌクレオチドがグアニンヌクレオチドと塩基対合できることは公知である。
DNA結合親和性:本明細書で使用する、「DNA結合親和性」という用語は、一般には、DNA核酸に結合することにおけるDNAポリメラーゼの活性を指す。一部の実施形態では、DNA結合活性は、2バンドシフトアッセイにおいて測定することができる。例えば、一部の実施形態では(Guagliardiら、(1997年)、J.Mol. Biol.、267巻
:841〜848頁のアッセイに基づいて)、二本鎖核酸(S.solfataricusのlacS遺伝子からの452−bpのHindIII−EcoRV断片)を、少なくとも約2.5×10cpm/μg(または少なくとも約4000cpm/fmol)の比活性まで、標準的な方法を使用して32Pで標識する。例えば、Sambrookら、(2001年)、MolecularCloning:ALaboratory Manual(第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY)の9.63〜9.75(核酸の末端標識について記載している)を参照されたい。反応混合物を、少なくとも約0.5μgのポリペプチドを結合バッファー(50mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH8.0)、10%のグリセロール、25mMのKCl、25mMのMgCl)約10μl中に含有させて調製する。反応混合物を10分間、37℃まで加熱する。標識された二本鎖核酸約1×10〜5×10cpm(または約0.5〜2ng)を反応混合物に加え、さらに10分間インキュベートする。反応混合物を、0.5×Tris−ホウ酸バッファー中ネイティブポリアクリルアミドゲルにローディングする。反応混合物を、室温で電気泳動に供する。ゲルを乾燥させ、標準的な方法を使用したオートラジオグラフィーに供する。標識された二本鎖核酸の移動度の任意の検出可能な低下により、ポリペプチドと二本鎖核酸の間に結合性複合体が形成されたことが示される。そのような核酸結合活性は、最初の反応混合物における放射活性の総量と比較して、結合性複合体における放射活性の量を測定するための標準的なデンシトメトリー法を使用して定量化することができる。DNA結合親和性を測定する他の方法は、当技術分野で公知である(例えば、Kongら、(1993年)、J.Biol.Chem.、268巻(3
号):1965〜1975頁を参照されたい)。
ドメイン:本明細書で使用する、「ドメイン」という用語は、1つまたは複数の定義済みの機能または特質を含む、ポリペプチド(例えば、ポリメラーゼ)のアミノ酸配列を指す。
延長速度:本明細書で使用する、「延長速度」という用語は、DNAポリメラーゼがポリマー鎖を伸長する平均速度を指す。本明細書で使用する、延長速度が高いとは、延長速度が25nt/sよりも高い(例えば、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140nt/sよりも高い)ことを指す。
酵素活性:本明細書で使用する、「酵素活性」という用語は、DNAポリメラーゼの特異性および効率を指す。DNAポリメラーゼの酵素活性は、「ポリメラーゼ活性」とも称され、一般には、ポリヌクレオチドの鋳型指向性合成を触媒することにおけるDNAポリメラーゼの活性を指す。ポリメラーゼの酵素活性は、当技術分野で公知の種々の技法および方法を用いて測定することができる。例えば、ポリメラーゼの段階希釈物を、希釈バッファー(例えば、20mMのTris.Cl、pH8.0、50mMのKCl、0.5%のNP40、および0.5%のTween−20)中で調製することができる。各希釈物について、5μlを取り出し、25mMのTAPS(pH9.25)、50mMのKCl、2mMのMgCl2、0.2mMのdATP、0.2mMのdGTP、0.2mMのdTTP、0.1mMのdCTP、12.5μgの活性化DNA、100μMの[α−32P]dCTP(0.05μCi/nmol)および滅菌脱イオン水を含有する反応混合物45μlに加えることができる。反応混合物を37℃(または、熱安定性のDNAポリメラーゼに対しては74℃)で10分間インキュベートし、次いで反応物を即座に4℃まで冷却し、氷冷の60mMのEDTA10μlを加えることによって停止させることができる。各反応混合物から一定分量25μlを取り出すことができる。取り込まれなかった放射性標識dCTPを、ゲル濾過(Centri−Sep、Princeton Separations、Adelphia、N.J.)によって各一定分量から取り出すことができる。カラム溶出液を、シンチレーション液(1ml)と混合することができる。カラム溶出液における放射活性を、シンチレーションカウンターを用いて定量化してポリメラーゼによって合成された産物の量を決定する。ポリメラーゼ活性の1単位は、30分間に10nモルの産物を合成するために必要なポリメラーゼの量として定義することができる(Lawyerら(1989年)、J.Biol. Chem.、264巻:6427〜647頁)。ポリメラーゼ活性を測定する他の方法は、当技術分野で公知である(例えば、Sambrookら(2001年)、MolecularCloning:ALaboratory Manual (第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY)を参照されたい)。
忠実度:本明細書で使用する、「忠実度」という用語は、鋳型依存性DNAポリメラーゼによるDNA重合の正確度を指す。DNAポリメラーゼの忠実度は、一般には、エラー率(不正確なヌクレオチド、すなわち、鋳型ヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドが取り込まれる頻度)によって測定する。DNA重合の正確度または忠実度は、DNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性および3’−5’エキソヌクレアーゼ活性の両方によって維持される。「忠実度が高い」という用語は、エラー率が、4.45×10−6変異/nt/倍加より低い(例えば、4.0×10−6、3.5×10−6、3.0×10−6、2.5×10−6、2.0×10−6、1.5×10−6、1.0×10−6、0.5×10−6変異/nt/倍加より低い)ことを指す。DNAポリメラーゼの忠実度またはエラー率は、当技術分野で公知のアッセイを使用して測定することができる。例えば、DNAポリメラーゼのエラー率は、Cline、J.ら(1996年)、NAR、24巻:3546〜3551頁に記載のlacI PCR忠実度アッセイを使用して試験することができる。簡単に述べると、lacIOlacZα標的遺伝子をコードする1.9kbの断片を、2.5UのDNAポリメラーゼ(すなわち、72℃、30分間で全dNTP25nモルを取り込むために必要な酵素の量)を適切なPCRバッファー中で使用して、pPRIAZプラスミドDNAから増幅する。次いで、lacIを含有するPCR産物をラムダGT10アームにクローニングし、lacI変異体のパーセンテージ(MF、変異の頻度)を、記載の通り(Lundberg,K.S.、Shoemaker,D. D.、Adams, M. W. W.、Short, J. M.、Sorge, J. A.、およびMathur, E. J.(1991年)、Gene、180巻:1〜8頁)着色スクリーニ
ングアッセイにおいて決定する。エラー率は、複製当たり1bp当たりの変異の頻度(MF/bp/d)として表され、ここでbpはlacI遺伝子配列(349)において検出可能な部位の数であり、dは、有効な標的倍加の数である。上記と同様に、lacIOlacZα標的遺伝子を含有する任意のプラスミドを、PCR用の鋳型として使用することができる。PCR産物は、青色/白色着色スクリーニングを可能にする、ラムダGTとは異なるベクター(例えば、プラスミド)にクローニングすることができる。
連結された:本明細書で使用する、「連結された」は、これらに限定されないが、介在ドメインを伴う組換え融合または介在ドメインを伴わない組換え融合、媒介性融合、非共有結合的会合、およびジスルフィド結合を含めた共有結合、水素結合、静電結合、および高次構造の結合(conformational bonding)を含めた、ポリペプチドドメインを機能的に結合するための当技術分野で公知の任意の方法を指す。
ヌクレオチド:本明細書で使用する、DNAまたはRNAの単量体ユニットは、糖部分(ペントース)、リン酸塩および窒素複素環塩基からなる。塩基はグリコシドの炭素(ペントースの1’炭素)を介して糖部分に連結されていて、その塩基と糖の組合せがヌクレオシドである。ヌクレオシドが、ペントースの3’位または5’位に結合したリン酸基を含有する場合、それはヌクレオチドと称される。作動可能に連結されたヌクレオチドの配列は、本明細書において、一般には「塩基配列」または「ヌクレオチド配列」と称され、本明細書において、左から右への方向づけが、5’末端から3’末端への方向になっている従来の式によって表されている。
オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド:本明細書で使用する、「オリゴヌクレオチド」という用語は、2つ以上、好ましくは3つ以上のデオキシリボヌクレオチドおよび/またはリボヌクレオチドを含む分子と定義される。その正確なサイズは多くの因子に依存し、その因子は同様にオリゴヌクレオチドの最終的な機能または使用に依存する。オリゴヌクレオチドは、合成によってまたはクローニングによって導くことができる。本明細書で使用する、「ポリヌクレオチド」という用語は、鎖内で共有結合したヌクレオチド単量体で構成されたポリマー分子を指す。DNA(デオキシリボ核酸)およびRNA(リボ核酸)は、ポリヌクレオチドの例である。
ポリメラーゼ:本明細書で使用する、「ポリメラーゼ」は、ヌクレオチドの重合を触媒する酵素を指す(すなわち、ポリメラーゼ活性)。一般に、酵素は、ポリヌクレオチドの鋳型配列にアニーリングしたプライマーの3’末端において合成を開始し、鋳型鎖の5’末端へ進行する。「DNAポリメラーゼ」は、デオキシヌクレオチドの重合を触媒する。
プロセシビティー:本明細書で使用する、「プロセシビティー」は、ポリメラーゼが、鋳型に付着してとどまり、複数の修飾反応を行うことができることを指す。「修飾反応」として、重合、およびエキソヌクレアーゼ性の切断(exonucleolytic cleavage)が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、「プロセシビティー」は、DNAポリメラーゼが、成長しているDNA鎖からの酵素の解離を間に起こすことなく一連の重合工程を行うことができることを指す。一般には、DNAポリメラーゼの「プロセシビティー」は、成長しているDNA鎖からのDNAポリメラーゼの解離が間に起こることなく重合または修飾されるヌクレオチドの長さによって評価される(例えば20nt、300nt、0.5〜1kb以上)。「プロセシビティー」は、ポリメラーゼの性質、DNA鋳型の配列、および反応条件、例えば、塩濃度、温度または特定のタンパク質の存在に依存し得る。本明細書で使用する、「プロセシビティーが高い」という用語は、プロセシビティーが、鋳型との会合/解離当たり、20ntよりも高い(例えば、40nt、60nt、80nt、100nt、120nt、140nt、160nt、180nt、200nt、220nt、240nt、260nt,280nt、300nt、320nt、340nt、360nt、380nt、400ntより高いかまたはそれを超えて高い)ことを指す。プロセシビティーは、本明細書およびWO01/92501A1において定義された方法に従って測定することができる。
プライマー:本明細書で使用する、「プライマー」という用語は、天然に存在しているものであろうと、合成によって作出されたものであろうと、核酸鎖に相補的なプライマー伸長産物の合成が誘導される条件下に置かれたとき、例えば、4種の異なるヌクレオチド三リン酸塩および熱安定性酵素が、適切な温度において適切なバッファー(「バッファー」は、適切なpH、イオン強度、補助因子などを含む)中に存在するときに核酸合成の開始点の役割を果たすことができるオリゴヌクレオチドを指す。プライマーは、増幅効率を最大にするために一本鎖であることが好ましいが、代替として二本鎖であってもよい。二本鎖の場合、プライマーは、まず、その鎖を分離するために処理され、その後、伸長産物を調製するために使用される。プライマーはオリゴデオキシリボヌクレオチドであることが好ましい。プライマーは、熱安定性酵素の存在下で伸長産物の合成を開始する(prime)ために十分な長さでなければならない。プライマーの正確な長さは、温度、プライマーの供給源および方法の使用を含めた多くの因子に依存する。例えば、標的配列の複雑さに依存して、オリゴヌクレオチドプライマーは一般には15〜25ヌクレオチドを含有するが、それよりも多いまたは少ないヌクレオチドを含有し得る。短いプライマー分子は、一般に、鋳型と十分に安定なハイブリッド複合体を形成するために、低温度を必要とする。
塩抵抗性:本明細書で使用する、「塩抵抗性」(塩許容性とも称される)という用語は、DNAポリメラーゼが、塩またはPCR添加剤(例えば、TMAC)の存在下でその酵素活性を実質的に維持できることを指す。一部の実施形態では、塩またはPCR添加剤に対する抵抗性は、DNAポリメラーゼが依然として活性である最大塩濃度によって測定される。最大塩濃度は、各ポリメラーゼによって異なり、当技術分野で公知である、または、当技術分野の方法に従って実験的に決定することができる。例えば、Pfuは、30mMの塩で阻害される(PCR反応において)。
合成:本明細書で使用する、「合成」という用語は、ポリヌクレオチドの新しい鎖を作製するため、または現存するポリヌクレオチド(すなわちDNAまたはRNA)を鋳型依存的な方式で延長するための任意のin vitroにおける方法を指す。本発明による、合成は、ポリメラーゼを使用してポリヌクレオチド鋳型配列のコピー数を増加させる、増幅を含む。ポリヌクレオチドの合成(例えば、増幅)によりヌクレオチドがポリヌクレオチド(すなわちプライマー)に取り込まれ、それによってポリヌクレオチド鋳型に相補的な新しいポリヌクレオチド分子が形成される。形成されたポリヌクレオチド分子およびその鋳型は、さらなるポリヌクレオチド分子を合成するために鋳型として使用することができる。本明細書で使用する「DNA合成」は、PCR、ポリヌクレオチドの標識(すなわちプローブおよびオリゴヌクレオチドプライマーに対して)、ポリヌクレオチドの配列決定を含むが、これらに限定されない。
鋳型DNA分子:本明細書で使用する、「鋳型DNA分子」という用語は、例えば、プライマー伸長反応において、DNAポリメラーゼによって、それから相補的な核酸鎖が合成される、核酸の鎖を指す。
鋳型依存的な方式:本明細書で使用する、「鋳型依存的な方式」という用語は、プライマー分子の鋳型依存的な伸長(例えば、DNAポリメラーゼによるDNA合成)を含むプロセスを指す。「鋳型依存的な方式」という用語は、一般には、新たに合成されるポリヌクレオチド鎖の配列が、相補的な塩基対合の周知の規則によって規定される、RNAまたはDNAのポリヌクレオチドの合成を指す(例えば、Watson,J. D.ら、Molecular Biology of the Gene、第4版、W. A. Benjamin,Inc.、Menlo Park、Calif.、(1987年)
を参照されたい)。
熱安定性酵素:本明細書で使用する、「熱安定性酵素」という用語は、熱に対して安定であり(熱抵抗性とも称する)、ヌクレオチドの重合を触媒して(容易にして)ポリヌクレオチド鋳型配列に相補的なプライマー伸長産物を形成する酵素を指す。一般には、熱安定性の、安定なポリメラーゼは、PCRサイクル中、二本鎖核酸を高温(例えば、約95℃)に曝露させることによって変性させる熱サイクルプロセスにおいて好まれる。PCR増幅反応に対して有効な本明細書に記載の熱安定性酵素は、少なくとも1つの基準を満たす、すなわち、酵素は、二本鎖核酸の変性をもたらすために必要な時間、高温度に供したとき、不可逆的に変性(不活化)しない。本明細書の目的での不可逆的な変性は、酵素活性の恒久的かつ完全な損失を指す。変性に必要な加熱条件は、例えば、バッファーの塩濃度および変性される核酸の長さおよびヌクレオチド組成に依存するが、一般には、主に温度および核酸の長さに依存する時間、一般には約0.2〜4分間、約90℃〜約98℃の範囲である。バッファーの塩濃度および/または核酸のGC組成が上昇するにつれて、より高い温度が許容され得る。一部の実施形態では、熱安定性酵素は、約90℃〜100℃において不可逆的に変性しない。一般には、本発明に適した熱安定性酵素は、それを下回る温度でプライマーの鋳型へのハイブリダイゼーションが促進される温度である約40℃よりも高い、作用の最適温度を有するが、(1)マグネシウム濃度および塩濃度および(2)プライマーの組成および長さに依存し、ハイブリダイゼーションはより高い温度(例えば、45℃〜70℃)で起こり得る。酵素に対して最適な温度が高くなるにつれて、プライマー指向性伸長プロセスの特異性および/または選択性が増す。しかし、40℃未満(例えば、37℃)で活性な酵素も、熱安定性であれば本発明の範囲である。一部の実施形態では、最適温度は、約50℃〜90℃にわたる(例えば、60℃〜80℃)。
TMAC許容性もしくは他のPCRエンハンサー許容性:本明細書で使用する、「TMAC許容性もしくは他のPCRエンハンサー許容性」(TMAC抵抗性または他のPCRエンハンサー抵抗性とも称される)という用語は、DNAポリメラーゼが、TMACまたは他のPCRエンハンサー(例えば、グリセロール、DMSO、ベタイン、アミド、他のテトラメチルアンモニウム塩)の存在下でその酵素活性を実質的に維持できることを指す。
発明の詳細な説明
本発明は、とりわけ、少なくとも1つの明確な機能的特性(例えば、延長速度、プロセシビティー、エラー率または忠実度、塩許容性または塩抵抗性)を有する少なくとも2つのDNAポリメラーゼに由来する配列を有する異種ドメインを含有するキメラDNAポリメラーゼならびにその作製方法および使用方法を提供する。
DNAポリメラーゼ
本発明によるキメラDNAポリメラーゼは、任意のDNAポリメラーゼ、特に、熱安定性のポリメラーゼから設計製作することができる。一般には、DNAポリメラーゼは、6つのファミリー:A、B、C、D、XおよびYにグループ分けされる。ファミリーA、B、Cは、それぞれ、それらのアミノ酸配列の、E.coliポリメラーゼI、II、およびIIIに対する相同性に基づいてグループ分けされる。ファミリーXは、相同性のE.coliポリメラーゼを有さない。一部の実施形態では、本発明に適したDNAポリメラーゼは、ファミリーBのDNAポリメラーゼである。ファミリーBのポリメラーゼとして、E.coli pol II、古細菌のポリメラーゼ、PRD1、phi29、M2、T4バクテリオファージDNAポリメラーゼ、真核生物のポリメラーゼα、Δ、ε、および多くのウイルスのポリメラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、本発明に適したDNAポリメラーゼは、古細菌のポリメラーゼ(例えば、ユーリ古細菌の(euryarchaeal)ポリメラーゼ)である。
適切な代表的な古細菌ポリメラーゼとして、古細菌からのDNAポリメラーゼ(例えば、Thermococcus litoralis(Vent(商標)、GenBank:AAA72101)、Pyrococcus furiosus(Pfu、GenBank:D12983、BAA02362)、Pyrococcus woesii、Pyrococcus GB−D(Deep Vent(商標)、GenBank:AAA67131)、Thermococcus kodakaraensis KODI(KOD、GenBank:BD175553、BAA06142;Thermococcus
sp.KOD株(Pfx、GenBank:AAE68738))、Thermococcus gorgonarius(Tgo、Pdb:4699806)、Sulfolobus solataricus(GenBank:NC002754、P26811)、Aeropyrum pernix(GenBank:BAA81109)、Archaeglobus fulgidus(GenBank:O29753)、Pyrobaculum aerophilum(GenBank:AAL63952)、Pyrodictium occultum(GenBank:BAA07579、BAA07580)、Thermococcus 9° Nm(GenBank:AAA88769、Q56366)、Thermococcus fumicolans(GenBank:CAA93738、P74918)、Thermococcus hydrothermalis(GenBank:CAC18555)、Thermococcus sp.GE8(GenBank:CAC12850)、Thermococcus sp.JDF−3(GenBank:AX135456;WO0132887)、Thermococcus sp.TY(GenBank:CAA73475)、Pyrococcus abyssi(GenBank:P77916)、Pyrococcus glycovorans(GenBank:CAC12849)、Pyrococcus horikoshii(GenBank:NP143776)、Pyrococcus sp.GE23(GenBank:CAA90887)、Pyrococcus sp.ST700(GenBank:CAC12847)、Thermococcus pacificus(GenBank:AX411312.1)、Thermococcus zilligii(GenBank:DQ3366890)、Thermococcus aggregans、Thermococcus barossii、Thermococcus celer(GenBank:DD259850.1)、Thermococcus profundus(GenBank:E14137)、Thermococcus siculi(GenBank:DD259857.1)、Thermococcus thioreducens、Thermococcus onnurineus NA1、Sulfolobus acidocaldarium、Sulfolobus tokodaii、Pyrobaculum calidifontis、Pyrobaculum islandicum(GenBank:AAF27815)、Methanococcus jannaschii(GenBank:Q58295)、Desulforococcus species TOK、Desulfurococcus、Pyrolobus、Pyrodictium、Staphylothermus、Vulcanisaetta、Methanococcus(GenBank:P52025)およびGenBank AAC62712、P956901、BAAA07579などの他の古細菌のBポリメラーゼ))が挙げられるが、これらに限定されない。さらなる代表的な温度安定性のファミリーAおよびファミリーBのポリメラーゼとして、例えば、好熱性細菌Thermus種(例えば、flavus、ruber、thermophilus、lacteus、rubens、aquaticus)、Bacillus stearothermophilus、Thermotoga maritima、Methanothermus fervidusから抽出されたポリメラーゼが挙げられる。
本発明に適したDNAポリメラーゼは、未だ単離されていないDNAポリメラーゼを含む。本発明に適したDNAポリメラーゼは、融合ポリメラーゼを含む。融合ポリメラーゼは、一般に、N末端またはC末端において、付加的ドメイン(extra domain)を持たないポリメラーゼと比較して融合ポリメラーゼの表現型を変化させるさらなるタンパク質ドメインを含有する。代表的なポリメラーゼとして、C末端またはN末端において融合した二本鎖DNA結合性ドメインを持つポリメラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。融合ポリメラーゼの他の例として、N末端またはC末端に融合したdUTPアーゼを持つものが挙げられる(米国特許出願第20070190538号)。
一部の実施形態では、本発明によるキメラDNAポリメラーゼは、少なくとも1つの明確な機能的特性を有する2つ以上のDNAポリメラーゼに由来する配列を含有する。代表的な機能的特性としては、プロセシビティー、延長速度、忠実度、塩またはPCR添加剤(例えば、PCRエンハンサー)に対する抵抗性、熱安定性、鎖の置き換え活性、エキソヌクレアーゼ活性、ウラシル先読み機能、ヌクレオチド選択性、修飾された類似体を取り込む能力、および逆転写酵素活性が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、一部のDNAポリメラーゼは、忠実度が高い特徴を有する。本明細書で使用する、「忠実度が高い」という用語は、エラー率が、4.45×10−6変異/nt/倍加より低い(例えば、4.0×10−6、3.5×10−6、3.0×10−6、2.5×10−6、2.0×10−6、1.5×10−6、1.0×10−6、0.5×10−6変異/nt/倍加より低い)ことを指す。一部のDNAポリメラーゼは、プロセシビティーが高い特徴を有する。本明細書で使用する、「プロセシビティーが高い」という用語は、プロセシビティーが、鋳型との会合/解離当たり20ntよりも高い(例えば、40nt、60nt、80nt、100nt、120nt、140nt、160nt、180nt、200nt、220nt、240nt、260nt,280nt、300nt、320nt、340nt、360nt、380nt、400ntよりも高いまたはそれを超えて高い)ことを指す。一部のDNAポリメラーゼは、延長速度が高い特徴を有する。本明細書で使用する、「延長速度が高い」という用語は、延長速度が、25nt/sよりも高い(例えば、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140nt/sよりも高い)ことを指す。一部の酵素は、塩に対する抵抗性(塩許容性とも称される)が高い特徴を有する。本明細書で使用する、「塩抵抗性が高い」(塩許容性が高いとも称される)という用語は、DNAポリメラーゼが、30mMよりも高い(例えば、35mM、40mM、45mM、50mMよりも高い)塩濃度においてその活性を実質的に維持できることを指す。さらに、一部の酵素は、PCR添加剤に対する抵抗性を特徴とする。ある特定のPCR添加剤は、PCRエンハンサーである。例えば、Kovarovaらは、TMA塩、DMSO、ベタインおよびホルムアミドがPCRエンハンサーの役割を果たすことを示した(KovarovaおよびDraber(2000年)、Nucl.Acids.Res.、28巻(13号)、e70)。PCRエンハンサーの他の例は、グリセロールである。一部の酵素は、PCRエンハンサー、特に、TMACに対する抵抗性(TMAC許容性とも称される)を特徴とする。本明細書で使用する、「TMAC許容性が高い」という用語は、DNAポリメラーゼが、10mMよりも高い(例えば、15mM、20mMよりも高い)TMAC(テトラメチルアンモニウムクロリド)濃度においてその酵素活性を実質的に維持できることを指す。代表的なDNAポリメラーゼのある種の特性を表1に示す。
一般には、塩許容性が高い酵素は、プロセシビティーおよび/または延長速度が高い特徴も有する。いかなる理論にも縛られることは望まないが、塩許容性はポリメラーゼとDNAの間の結合親和性に影響を及ぼし、それが今度はプロセシビティーまたは延長速度に影響を及ぼすと考えられている。一般には、ポリメラーゼのDNAへの結合は、正電荷を持つアミノ酸残基と負電荷を持つDNAの間の結合相互作用が関与する。高塩濃度では、ポリメラーゼ上の正電荷を持つアミノ酸残基に対する塩の陰イオンとの競合がDNA結合親和性の減少につながる。参照により本明細書に組み込まれている、Pavlovら(2002年)、Proc.Natl. Acad. Sci.、99巻(21号):13510〜13515頁を参照されたい。一方、DNAとポリメラーゼのさらなる接触点によりポリメラーゼのDNAに対する結合親和性が増加し、解離速度が低下することがあり、そのためポリメラーゼがDNAに長く会合したままになり、それが今度はプロセシビティーの増加につながるので、DNAとポリメラーゼの接触点が増加することによって、ポリメラーゼの塩抵抗性ならびにプロセシビティーまたは延長速度が増加し得る。例えば、Pavlovらは、トポイソメラーゼVからの、ヘリックス−ヘアピン−ヘリックス(HhH)モチーフをTaqおよびPfuに加えた。これらのモチーフは、トポイソメラーゼVにおけるDNA結合に関与する。Pavlovらは、PfuおよびTaqのどちらも、HhHモチーフと融合させると塩抵抗性が高まることを示した。Pavlovらは、TaqおよびPfuの双方に対するHhH融合によって、ポリメラーゼのプロセシビティーが増加することも示した。他の例として、dsDNA結合タンパク質、例えば、Sso7dをDNAポリメラーゼに融合させて、DNAとポリメラーゼの接触点の数を増加させることができる(Wangら(2004年)、Nucl.AcidsRes.、32巻(3号):1197〜1207頁、参照により本明細書に組み込まれている
)。Sso7dは、Sulfolobus solfataricusにおける、DNAの安定性および/またはDNAのパッキングを確実にすることに関与する配列非特異的なdsDNA結合性タンパク質である。Sso7dのTaqおよびPfuの双方への融合によって、ポリメラーゼの塩抵抗性およびプロセシビティーが増加した。
プロセシビティー、延長速度、熱安定性、塩許容性またはPCRエンハンサー許容性が高い特徴を有する代表的なDNAポリメラーゼとして、KODポリメラーゼ、TNA1ポリメラーゼ、Thermococcus sp.9°N−7、T4、T7、またはphi29が挙げられるが、これらに限定されない。忠実度が高い特徴を有する代表的なDNAポリメラーゼとして、Pyrococcus furiosus、P.abyssi、T.gorgonarius、T.litoralis、T.zilligii、T.sp.GT、またはP.sp.GB−Dから単離されたポリメラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。
これに限定するものでない例として、KOD、Pfu、T.gorgonarius、T.zilligii、T.litoralisおよびThermococcus sp.9N−7のポリメラーゼが、キメラDNAポリメラーゼを設計製作するために使用される(実施例のセクションを参照されたい)。
DNAポリメラーゼのドメイン
一般には、古細菌のDNAポリメラーゼは、少なくとも以下のドメインを含む:N末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメイン(例えば、3’→5’エキソヌクレアーゼドメイン)、掌、指および親指ドメイン(図1を参照されたい)。ドメインの構造、機能および共調(coordination)の知識は、主に結晶構造の研究および種々のDNAポリメラーゼ、特に、古細菌のDNAポリメラーゼの部位特異的変異誘発に基づいている。例えば、ファミリーBのDNAポリメラーゼの第1の結晶構造の中で得られたのはバクテリオファージRB69 DNAポリメラーゼのものである(Wangら(1997年)、Cell、89巻:1087〜1099頁、参照により本明細書に組み込まれている)。古細菌のDNAポリメラーゼの第1の結晶構造の中で、Tgo DNAポリメラーゼが解明された(参照により本明細書に組み込まれている、Hopfnerら、1999年、Proc.Natl.Acad. Sci.、96巻(7号)、3600〜3605頁を参照されたい)。最近、以下の古細菌のファミリーBのDNAポリメラーゼの結晶構造が報告されている:Thermococcus sp.9N−7からのDNAポリメラーゼ(Rodriguezら(2000年)、J.Mol. Biol.、299巻:447〜462頁、参照により本明細書に組み込まれている)、KOD1 DNAポリメラーゼ(Hashimotoら、2001年、J.Mol.Biol.、306巻(3
号)、469〜477頁、参照により本明細書に組み込まれている)、Pfu DNAポリメラーゼ(その全てが参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,948,663号;同第5,866,395号;同第5,545,552号;同第5,556,772号およびKimら(2008年)、Int.J.Biol. Macromol.、42巻(4号)、35
6〜61頁を参照されたい)。
基質結合、ヌクレオチド転移、触媒活性、校正などの種々の機能が、DNAポリメラーゼの構造機能分析に基づいて、種々のドメインに割り当てられている。これらのドメインが互いにしっかりと共調して、DNAの複製プロセスを完了することも示唆されている。
例えば、ポリメラーゼ活性は、掌ドメイン、指ドメインおよび親指ドメインと関連付けられている。特に、掌サブドメインは、ポリメラーゼの触媒部位であると考えられている。ポリメラーゼは、入ってくるdNTPのアルファリン酸塩がOHプライマー末端からの求核攻撃を受ける、リン酸転移反応を触媒する。一般には、3つのカルボキシレート側鎖がこの活性部位に重要である。これらの残基は、OH末端の脱プロトン化およびdNTPのアルファリン酸塩における遷移状態の形成を容易にし得る2つの金属イオン(Mg++)と結合し得る。親指ドメインは、新たに合成されたdsDNAの副溝(minor grove)と相互作用し、入ってくるヌクレオチドとも相互作用すると考えられている。親指ドメインは、保存性が少ないが、一般には大部分がらせん構造を有する。指ドメインは、鋳型の固定およびヌクレオチド特異性において役割を果たし得る。親指ドメインと同様、指ドメインは、入ってくるヌクレオチドと相互作用する可能性が高い。親指ドメインは、αヘリックスおよび/またはβ鎖を含有する可能性がある。結合していないDNAポリメラーゼは、指ドメインおよび親指ドメインの開放型の高次構造を形成し、DNAが結合したとき、2つのドメインは掌ドメインに向かって移動して、DNA鋳型およびプライマーをさらにしっかりと保持し、入ってくるヌクレオチドと鋳型ヌクレオチドの間のワトソンクリック塩基対合を探索すると考えられている。鋳型とワトソンクリック塩基対を形成するヌクレオチドが存在することにより、ポリメラーゼの活性部位の適切な高次構造の形成、およびその後の、このヌクレオチドの取り込みが容易になる。総説について、Hamiltonら(2001年)、BioTechniques、31巻:370〜383頁を参照されたい。掌
/指ドメインにおける変異誘発が、ヌクレオチドの選択性および親和性に影響を及ぼし得、また親指ドメインにおける変異誘発がdsDNAに対する結合親和性に影響を及ぼし得ることが報告された。掌ドメイン、指ドメインおよび親指ドメイン内の重要なアミノ酸は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第20060281109号に記載されている。
ウラシル先読み機能は、N末端ドメインと関連付けられている。例えば、古細菌のファミリーBのDNAポリメラーゼは、鋳型鎖内の未修復のウラシルを認識し、損傷の上流の重合を失速させてA−T変異を防止することができる。古細菌のDNAポリメラーゼのN末端ドメイン内の「ポケット」は、鋳型鎖と相互作用し、このウラシル先読み機能をもたらすように配置されていることが同定されている(Foggら(2002年)NatureStructural Biology、9巻(12号)、922〜927頁)。
エキソヌクレアーゼドメインは、間違って挿入されたヌクレオチドを除去するために必要な、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性、3’→5”エキソヌクレアーゼ活性のいずれか、またはその両方と関連付けられている。ミスマッチヌクレオチドが取り込まれた場合、鋳型/プライマー鎖は、ポリメラーゼへの結合が弱くなり、かつ/またはポリメラーゼの活性部位に対して位置がずれ(misaligned)、これによってミスマッチヌクレオチドがエキソヌクレアーゼドメインの活性部位に移動し、削除される。
忠実度は、ミスマッチヌクレオチドの存在下における解離速度、高次構造上の変化、およびヌクレオチドの取り込み速度に影響され得る、ポリメラーゼ活性とエキソヌクレアーゼ活性の比に影響されると考えられている。3’→5’エキソヌクレアーゼ活性とポリメラーゼ活性のバランスは、N末端ドメインおよびエキソヌクレアーゼドメインとC末端ポリメラーゼドメインの間(すなわち、掌ドメイン、指ドメインおよび親指ドメイン)に位置するY−GG/Aモチーフを含有する可動性ループによって媒介されることも示唆されている。Bohlkeら(2000年)、Nucl.Acids Res.、28巻(20号)、3910〜3917頁を参照されたい。エキソヌクレアーゼドメインの独特のループおよび上記親指の先端が、DNAポリメラーゼにおける校正の配位およびポリメラーゼ活性にとって重要である。このループ、特にKOD DNAポリメラーゼのH147における部位特異的変異誘発により、このループと上記親指の静電気的相互作用および疎水性相互作用がエキソヌクレアーゼ活性とポリメラーゼ活性の間の比、したがって忠実度に影響を及ぼすことが示唆された。Kuroitaら、J.Mol.Biol.(2005年)351巻、291〜298頁を参照
されたい。
ドメイン交換
本発明によれば、異なるDNAポリメラーゼ(例えば、少なくとも1つの明確な機能的特性を持つポリメラーゼ)からの異種ドメインを組み合わせてキメラポリメラーゼを形成することができる。適切なドメインとして、種々のDNAポリメラーゼに見られる、天然に存在するN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメイン、掌ドメイン、指ドメイン、および/または親指ドメインが挙げられる。種々のDNAポリメラーゼの、天然に存在するN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメイン、掌ドメイン、指ドメイン、および/または親指ドメインは良く定義されている。例えば、N末端ドメインは、KODポリメラーゼ(配列番号11)のアミノ酸残基26〜105に対応する配列を含み得る。エキソヌクレアーゼドメインは、KODポリメラーゼ(配列番号11)のアミノ酸残基156〜301に対応する領域を含み得る。親指ドメインは、KODポリメラーゼ(配列番号11)のアミノ酸残基612〜749に対応する領域を含み得る。掌および指ドメインは、Pfuポリメラーゼ(配列番号9)のアミノ酸残基394〜563に対応する領域を含み得る。
種々のDNAポリメラーゼにおける対応するドメインまたは位置は、アミノ酸配列のアライメントによって決定することができる。アミノ酸配列のアライメントは、当技術分野の技術の範囲内の種々の様式で、例えば、BLAST、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して実現することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアライメントを実現するために必要な任意のアルゴリズムを含めた、アライメントを評価するための適切なパラメータを決定することができる。WU−BLAST−2ソフトウェアを使用してアミノ酸配列の同一性を決定することが好ましい(Altschulら、Methodsin Enzymology、266巻、460〜480頁(1996年);http://blast.wustl/edu/blast/README.html)。WU−BLAST−2は、いくつかの検索パラメータを使用し、そのほ
とんどはデフォルト値に設定される。調整可能なパラメータは、以下の値に従って設定される:オーバーラップスパン(overlap span)=1、オーバーラップフラクション(overlap fraction)=0.125、ワード閾値(word threshold)(T)=11。HSPスコア(S)およびHSP S2パラメータは動的な値であり、プログラム自体によって確立されるが、特定の配列の組成によって、最小値は調整することができ、上記の通り設定される。アライメントの例を図1に示す。
一部の実施形態では、適切なドメインは、天然に存在するドメイン配列の変異体(例えば、変異体または断片)であってよい。例えば、適切なドメインは、対象のDNAポリメラーゼに見られる天然に存在するドメインのアミノ酸配列と少なくとも70%(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)の同一性を有する配列を有し得る。
N末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメイン、掌ドメイン、指ドメイン、および/または親指ドメインを規定している配列は、忠実度またはエラー率、延長速度、プロセシビティー、および塩抵抗性などのDNAポリメラーゼの特定の酵素特性と相互に関係付けることができることも企図されている。例えば、実施例のセクションに記載の通り、本発明者らは、N末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメインおよび/または親指ドメインを規定している配列が、延長速度、プロセシビティー、熱安定性、TMAC許容性および/または塩抵抗性に関連する特性と相互に関係付けることができ、また、掌ドメインおよび/または指ドメインを規定している配列が、DNAポリメラーゼの忠実度またはエラー率に関連する特性と相互に関係付けることができることを実証した。
さらに、種々のDNAポリメラーゼ間の配列アライメントに基づいて(例えば図1を参照されたい)、プロセシビティー、延長速度、熱安定性、TMAC許容性および/または塩抵抗性が高いことと相関関係にあるドメインは、以下のポジティブコンセンサス配列の1つまたは複数によって規定することができることも意図している:
ポジティブコンセンサス配列1(N末端ドメインを規定している)
、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
ポジティブコンセンサス配列2(エキソヌクレアーゼドメインを規定している)
、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
ポジティブコンセンサス配列3(親指ドメインを規定している)
、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
それに加えてまたはその代わりに、プロセシビティー、延長速度、熱安定性、TMAC許容性および/または塩抵抗性が高いことと相関関係にある(1つまたは複数の)ドメインは、以下のネガティブコンセンサス配列の1つまたは複数によって規定することができる。
ネガティブコンセンサス配列1(N末端ドメインを規定している)
、(ここでXはKではなく、XはHではなく、XはRではなく、XはIではなく、XはRではなく、XはKではなく、XはGではなく、XはKではなく、XはIではなく、X10はRではなく、X11はIではなく、X12はVではなく、X13はDではなく、X14はEではなく、X15はKではなく、X16はIではなく、X17はTではなく、X18はLではなく、X19はEではなく、X20はTではなく、X21はEではなく、X22はVではない。)
ネガティブコンセンサス配列2(エキソヌクレアーゼドメインを規定している)
、(ここでXはIではなく、XはNではなく、XはEではなく、XはKではなく、XはIではなく、XはEではなく、XはSではなく、XはIではなく、XはIではなく、X10はRではなく、X11はIではなく、X12はIではなく、X13はVではなく、X14はSではなく、X15はPではなく、X16はAではなく、X17はAではなく、X18はKではなく、X19はLではなく、X20はTではなく、X21はIではなく、X22はMではなく、X23はIではなく、X24はMではなく、X25はTではなく、X26はHではなく、X27はTではなく、X28はIではなく、X29はKではなく、X30はDではなく、X31はAではなく、X32はKではなく、X33はSではない。)
ネガティブコンセンサス配列3(親指ドメインを規定している)
、(ここでXはTではなく、XはIではなく、XはHではなく、XはEではなく、XはIではなく、XはQではなく、XはAではなく、XはNではなく、XはIではなく、X10はAではなく、X11はYではなく、X12はPではなく、X13はHではなく、X14はEではなく、X15はIではなく、X16はKではなく、X17はKではなく、X18はKではなく、X19はMではなく、X20はGではなく、X21はRではなく、X22はDではなく、X23はPではなく、X24はSではなく、X25はNではなく、X26はLではなく、X27はAではなく、X28はEではなく、X29はYではなく、X30はKではなく、X31はLではなく、X32はEではなく、X33はGではない。)
一部の実施形態では、忠実度が高いことと相関関係にあるドメインは、以下のポジティブコンセンサス配列(掌および指ドメインを規定している)によって規定することができる:
、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)。
それに加えてまたはその代わりに、忠実度が高いことと相関関係にあるドメインは、以下のネガティブコンセンサス配列(掌および指ドメインを規定している)によって規定することができる:
、(ここでXはRではなく、XはSではなく、XはRではなく、XはEではなく、XはVではなく、XはRではなく、XはFではなく、XはDではなく、XはKではなく、X10はAではなく、X11はIではなく、X12はRではなく、X13はKではなく、X14はRではなく、X15はIではなく、X16はYではなく、X17はRではなく、X18はEではなく、X19はTではなく、X20はMではなく、X21はTではなく、X22はIではなく、X23はIではなく、X24はYではなく、X25はIではなく、X26はSではなく、X27はFではなく、X28はFではなく、X29はAではなく、X30はDではなく、X31はAではなく、X32はTではなく、X33はVではなく、X34はMではない。)。
したがって、明確な機能的特性を持つDNAポリメラーゼから適切なドメインを取り出してまたは導き出して、望ましい組合せの機能的特性を持つキメラDNAポリメラーゼを設計製作することができる。一部の実施形態では、本発明による発明の方法は、(a)第1のDNAポリメラーゼに基づくN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメイン、および/または親指ドメインを提供する工程;(b)第2のDNAポリメラーゼに基づく掌および/または指ドメインを提供する工程;(c)工程(a)および工程(b)からのドメインを組み合わせてキメラポリメラーゼを形成する工程を含む。一部の実施形態では、第1および第2のDNAポリメラーゼは、少なくとも1つの明確な特性を特徴とする。例えば、第1のDNAポリメラーゼが、プロセシビティー、延長速度、熱安定性、TMAC許容性および/または塩抵抗性が高い特徴を有し、第2のDNAポリメラーゼが、忠実度が高い特徴を有してよい。一部の実施形態では、第1のDNAポリメラーゼは忠実度が高いことを特徴としてよく、第2のDNAポリメラーゼはプロセシビティー、延長速度、熱安定性、TMAC許容性および/または塩抵抗性が高い特徴ことを特徴としてよい。一部の実施形態では、本発明に従って設計製作したキメラポリメラーゼは、第1のDNAポリメラーゼのプロセシビティー、延長速度、熱安定性、TMAC許容性または塩抵抗性と実質的に同様のプロセシビティー、延長速度、熱安定性、TMAC許容性または塩抵抗性、および第2のDNAポリメラーゼの忠実度と実質的に同様の忠実度を有する。一部の実施形態では、本発明に従って設計製作したキメラポリメラーゼは、第1のDNAポリメラーゼの忠実度よりも高い忠実度を有し、第2のDNAポリメラーゼのプロセシビティー、延長速度または塩抵抗性よりも高いプロセシビティー、延長速度または塩抵抗性を有する。
本発明は、さらに、DNAポリメラーゼの忠実度、プロセシビティー、延長速度、熱安定性、TMAC許容性および/または塩抵抗性を改善する方法を企図している。一部の実施形態では、本発明による発明の方法は、対象のDNAポリメラーゼの掌−指ドメイン内の配列を、対象のDNAポリメラーゼと比較して忠実度が高い特徴を有する、異なるDNAポリメラーゼからの対応する配列で置き換える工程を含む。
それに加えてまたはその代わりに、一部の実施形態では、本発明による発明の方法は、対象のDNAポリメラーゼのN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメインおよび/または親指ドメイン内の配列を、対象のDNAポリメラーゼと比較してプロセシビティー、延長速度、熱安定性、TMAC許容性または塩抵抗性が高い特徴を有する、異なるDNAポリメラーゼからの対応する配列で置き換える工程を含む。
これに限定するものではない例として、本発明者らは、KODポリメラーゼおよびPfuポリメラーゼに基づいて、キメラDNAポリメラーゼであるKofuおよびその逆キメラであるPODを設計製作した(実施例のセクションを参照されたい)。実施例のセクションに記載の通り、Kofuは、KODポリメラーゼからのN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメインおよび親指ドメイン、ならびにPfuポリメラーゼからの掌−指ドメインを含有する。Kofuポリメラーゼの配列は、配列番号16に示されている。逆キメラPODは、PfuポリメラーゼからのN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメインおよび親指ドメイン、ならびにKODポリメラーゼからの掌−指ドメインを含有する。PODポリメラーゼの配列は配列番号15に示されている。
実施例のセクションに記載の通り、Kofuキメラポリメラーゼは、Pfuに近似した複製忠実度を示すが、KODと同様の延長速度、プロセシビティー、熱安定性、TMAC許容性およびPCR性能を示す。あるいは、Podキメラポリメラーゼは、KODに近似した複製忠実度を示すが、Pfuと同様の延長速度、プロセシビティー、熱安定性、TMAC許容性およびPCR性能を示す。
一部の実施形態では、本発明は、配列番号16(Kofuのアミノ酸配列)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)同一であるアミノ酸配列を含有する、Kofuキメラポリメラーゼの変異体を提供する。特定の実施形態では、本発明によるKofuキメラポリメラーゼの変異体は、Kofuと実質的に同様のプロセシビティー、延長速度、熱安定性、TMAC許容性および/または忠実度を有する。
一部の実施形態では、本発明によるKofuキメラポリメラーゼの変異体は、コンセンサス配列
、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
によって規定される。
一部の実施形態では、本発明によるKofuキメラポリメラーゼの変異体は、コンセンサス配列
、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
によって規定される。
一部の実施形態では、本発明は、配列番号15(Podのアミノ酸配列)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%)同一であるアミノ酸配列を含有する、PODキメラポリメラーゼの変異体を提供する。特定の実施形態では、本発明によるPODキメラポリメラーゼの変異体はPODと実質的に同様のプロセシビティー、延長速度、熱安定性、TMAC許容性および/または忠実度を有する。
本発明のキメラDNAポリメラーゼの発現
標準的な組換えDNAの技法(例えば、制限酵素による消化、ライゲーション、PCR)を使用して、本発明によるキメラDNAポリメラーゼを設計製作することができる。当技術分野で周知の方法を適用してキメラDNAポリメラーゼを発現させ、単離することができる。多くの細菌性発現ベクターは、外来配列によってコードされるタンパク質を高レベルで誘導性発現させることができる配列要素または配列要素の組合せを含有する。発現ベクターは、例えば、Novagen(http://www.emdbiosciences.com/html/NVG/AllTables.html#)から市販されている。
さらに、組み込まれた誘導型のT7 RNAポリメラーゼ遺伝子を発現している細菌を、T7プロモーターに連結されたキメラDNAポリメラーゼ遺伝子を持つ発現ベクターで形質転換することができる。適切な誘導物質、例えば、lac−誘導性プロモーターに対するイソプロピル−p−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加することによって、T7 RNAポリメラーゼを誘導することにより、T7プロモーターからキメラ遺伝子の高レベルの発現が誘導される。
適切な細菌宿主株は、当業者によって当技術分野において入手可能なものから選択することができる。これに限定するものではない例として、E.coliのBL−21株が、E.coliの他の株と比較してプロテアーゼ欠乏性であるので、外因性タンパク質を発現させるために一般に用いられている。特定のポリメラーゼ遺伝子についてのコドンの利用がE.coli遺伝子において通常見られるものと異なる状況のために、より希なアンチコドンを持つtRNAをコードするtRNA遺伝子(例えば、argU tRNA遺伝子、ileY tRNA遺伝子、leuW tRNA遺伝子およびproL tRNA遺伝子)を担持するように改変されたBL−21の株があり、クローニングされたキメラ遺伝子を高効率で発現させることを可能にする(希なコドンtRNAを担持しているいくつかのBL21−CODON PLUSTM細胞株は、例えばStratageneから入手可能である)。それに加えてまたはその代わりに、DNAポリメラーゼをコードする遺伝子は、E.coliにおける発現を容易にするためにコドン最適化をすることができる。コドン最適化された配列は、化学合成することができる。
本発明のキメラDNAポリメラーゼの精製に適した当業者に公知の多くの方法がある。例えば、Lawyerらの方法(1993年、PCR Meth. &App.、2巻:275頁)は、元々はTaqポリメラーゼを単離するために設計されたため、E.coliにおいて発現させたDNAポリメラーゼを単離するために良く適している。あるいは、宿主タンパク質を破壊するための熱変性工程、および、活性が高く、およそ80%純粋なDNAポリメラーゼを単離するための2カラム精製工程(DEAE−セファロースカラムおよびヘパリン−セファロースカラムを通じて)を使用するKongらの方法(1993年、J.Biol.Chem.、26
8巻:1965頁、参照により本明細書に組み込まれている)を用いることができる。
さらに、DNAポリメラーゼ変異体は、硫安分画し、続いてQセファロースカラムおよびDNAセルロースカラムによって、またはHiTrap Qカラムにおいて夾雑物を吸着し、続いてHiTrapヘパリンカラムから勾配溶出させることによって単離することができる。
本発明のキメラDNAポリメラーゼの使用
本発明のキメラDNAポリメラーゼは、ポリヌクレオチドの合成を伴う任意の方法に使用することができる。ポリヌクレオチドの合成方法は、当業者に周知であり、例えば、MolecularCloning、第2版、Sambrookら、Cold Spring Harbor Laboratory Press、ColdSpring Harbor、N.Y.(1989年)において見ることができる。 例えば、本発明のキメ
ラDNAポリメラーゼは、これらに限定されないが、ニックトランスレーションによるDNAの標識、cDNAクローニングにおける第2鎖cDNA合成、DNAの配列決定、およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用した核酸配列の増幅、検出、および/またはクローニングを含めた組換えDNA技術における種々の使用を有する。
一部の実施形態では、本発明は、PCRのための頑強、高速、かつ正確な酵素を提供する。PCRは、特異的なポリヌクレオチドの鋳型配列を増幅するためのin vitroにおける方法を指す。PCRの技法は、PCR:APractical Approach、M. J. McPhersonら
、IRL Press(1991年)、InnisらによるPCR Protocols: AGuide to Methods and Applications、AcademicPress(1990年)、およびPCR Technology:Principals and Applications for DNAAmplification、H. A. Erlich、Stockton Press(1989年)を含
めた多数の出版物に記載されている。PCRは、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,683,195号;同第4,683,202号;同第4,800,159号;同第4,965,188号;同第4,889,818号;同第5,075,216号;同第5,079,352号;同第5,104,792号;同第5,023,171号;同第5,091,310号;および同第5,066,584号を含めた多くの米国特許にも記載されている。
プロセシビティー、延長速度および/または忠実度が高いキメラDNAポリメラーゼにより、エラー率が低下し、長期増幅の効率および成功率が改善し(より高い収量で、より長く標的を増幅する)、および/またはDNA鋳型の必要量が減少することが予想される。
種々の特異的なPCR増幅の応用が当技術分野において利用可能である(総説について、例えば、そのそれぞれが参照により本明細書に組み込まれている、Erlich、1999年、RevImmunogenet.、1巻:127〜34頁; Prediger、2001年、MethodsMol. Biol.、160巻:49〜63頁; Jurecicら、2000年、Curr.Opin. Microbiol.、3巻:3
16〜21頁;Triglia、2000年、Methods Mol. Biol.、130巻:79〜83頁; MaClellandら、1994年、PCRMethodsAppl.、4巻:S66〜81; AbramsonおよびMyers
、1993年、Current Opinion in Biotechnology、4巻:41〜47頁を参照されたい
)。
これに限定するものでない例として、本発明は、これに限定されないが、i)非特異的な増幅を減少させるホットスタートPCR;ii)高いアニーリング温度で開始し、次いで、非特異的なPCR産物を減少させるための工程においてアニーリング温度を低下させるタッチダウンPCR;iii)外側のプライマーセットおよび内側のプライマーセットを使用して信頼度がより高い産物を合成するネステッドPCR;iv)既知配列に隣接している領域を増幅するための逆PCR。この方法では、DNAを消化し、所望の断片をライゲーションによって環状化し、その後、既知配列に相補的な外向きに伸長しているプライマーを使用したPCRを行なう。v)AP−PCR(任意開始(arbitrary primed))/RAPD(無作為増幅多型DNA)。これらの方法では、任意のオリゴヌクレオチドを使用して増幅することによって、あまり知られていない標的配列を持つ種からゲノムフィンガープリントを作成する。;vi)RNA指向性DNAポリメラーゼ(例えば、逆転写酵素)を使用してcDNAを合成し、その後cDNAをPCRに使用するRT−PCR。この方法は、組織または細胞中の特定の配列の発現を検出するために非常に感度が高い。この方法は、mRNA転写物を定量化するためにも使用することができる。:vii)RACE(cDNA末端の急速増幅)。これは、DNA/タンパク質の配列についての情報が限られている場合に使用される。この方法は、cDNAの3’末端または5’末端を増幅し、それぞれ特異的なプライマー1つのみにより(加えて1つのアダプタープライマー)cDNA断片を生成させる。次いで、オーバーラップRACE産物を組み合わせて全長cDNAを作出することができる;viii)異なる組織において示差的に発現された遺伝子を同定するために使用するDD−PCR(ディファレンシャルディスプレイPCR)。DD−PCRにおける最初の工程はRT−PCRを伴い、次いで短い、計画的な非特異的プライマーを使用して増幅を行う;ix)同じ検体中のDNA配列の2つ以上の独特な標的が同時に増幅されるマルチプレックスPCR。1つのDNA配列をPCRの質を検証するための対照として使用することができる;x)同じプライマーセットに対して、標的DNAと競合する(競合PCR)内部コントロールDNA配列(しかしサイズが異なる)を使用するQ/C−PCR(定量的比較);xi)遺伝子を合成するために使用する反復PCR(Recusive PCR)。この方法で使用されるオリゴヌクレオチドは、一続きの遺伝子(>80塩基)に対して、あるいは末端のオーバーラップ(−20塩基)を持つセンス鎖およびアンチセンス鎖に対して相補的である。;xii)非対称PCR;xiii)In Situ PCR;xiv)部位特異的PCR変異誘発;xv)全ゲノムを増幅するために、部分的に縮重した(degenerate)プライマーを使用するDOP−PCR;xvi)増幅を検出するためにSYBR greenまたはオリゴヌクレオチドプローブを使用する定量PCR;xvii)アダプターにライゲーションされたDNA断片ライブラリーを鋳型として使用する全ゲノム増幅、およびxviii)PCR産物中の変異の数が増加するように条件を最適化したエラープローンPCRを含めた、PCRの応用において使用することができる。
本発明は、いかなる特定の増幅システムにも限定されないことが理解されよう。他のシステムが開発されたとき、それらのシステムは、本発明の実行によって利益を得ることができる。
キット
本発明は、本発明のキメラDNAポリメラーゼおよびその組成物を含有する1つまたは複数の容器を有するパッケージユニットを含むキット形式も企図している。一部の実施形態では、本発明は、PCRにおける合成を含めた、ポリヌクレオチドを合成するために使用する種々の試薬の容器をさらに含むキットを提供する。
本発明による発明のキットは、以下の品目の1つまたは複数も含有してよい:ポリヌクレオチド前駆物質、プライマー、バッファー、説明書、およびコントロール。キットは、本発明による方法を実行するために適切な比率で互いに混合された試薬の容器を含んでよい。試薬の容器は、試薬を単位量で含有することが好ましく、それは、対象(subject)の方法を実行するときの計量工程(measuring step)を不要にする。
(実施例1)
KOD DNAポリメラーゼおよびPfu DNAポリメラーゼのキメラの設計
本発明者らが本実験に含めるために選出した2つの酵素は、Pyroccocus furiosusのDNAポリメラーゼ(Pfu)およびThermococcus Kodarensis(KOD)のDNAポリメラーゼであった。2つの酵素は類似のドメイン構造を有し、blastPアライメント用いたアミノ酸レベルで79%の同一性を有する(表2を参照されたい)。PfuおよびKODのドメイン構造を図1に示す。
PfuおよびKODは、特に、延長速度、プロセシビティーおよびエラー率に関して非常に明確な表現型の特性を有する(表3を参照されたい):
したがって、目的は、KODに匹敵するプロセシビティーおよび/または延長速度(それぞれ、約300nt/sおよび106〜138nt/s)を伴って、Pfuに匹敵するエラー率(2.0×10−6)を示す、これら2つの酵素のキメラの組合せを見つけることであった。上記の特性を持つ酵素は、PCRのための頑強、高速、かつ正確な酵素としての有用性を有する。
制限酵素部位を、KODポリメラーゼおよびPfuポリメラーゼのコドン最適化されたヌクレオチド配列の、上記酵素のポリメラーゼドメインにほぼ隣接する位置に挿入した(実施例2を参照されたい)。例えば、ポリメラーゼドメイン(掌ドメインおよび指ドメイン)に隣接しているPvuII部位およびEcoRI部位を使用して、PfuのポリメラーゼドメインをKODのポリメラーゼドメインで置き換えて、Podとみなされるキメラを発生させた(図2)。このキメラは、PfuのN末端ドメイン、3’−5’エキソヌクレアーゼドメインおよび親指ドメイン、ならびにKODの掌ドメインおよび指ドメインを含有する。キメラKofuを生じる逆交換(reciprocal swap)を、KODのポリメラーゼドメイン(掌および指)をPfuのポリメラーゼドメイン(掌および指)で置き換えることによって発生させた。
(実施例2)
Pyrococcus furiosusおよびThermococcus kodakarensisのDNAポリメラーゼのコドン最適化および合成
Pyrococcus furiosusのポリメラーゼI(配列番号1)およびThermococcus kodakarensisのポリメラーゼI(配列番号2)についての天然のDNA配列を、Genbankから検索した。これらの2つのDNA配列は、E.Coliにおいて発現させるために、in silicoにおいて、Codon Devices(Cambridge、Massachusetts)によってコドン最適化し、その結果、PfuポリメラーゼIのコドン最適化された遺伝子DNA配列に対して配列番号3、KODポリメラーゼIのコドン最適化された遺伝子DNA配列に対して配列番号4がもたらされた。2つのコドン最適化された遺伝子を化学合成し、Codon Devices(Cambridge、Massachusetts)によってpUC19にクローニングし、その結果、PfuポリメラーゼIに対して配列番号7、KODポリメラーゼIに対して配列番号8がもたらされた。
(実施例3)
コドン最適化されたKODポリメラーゼIおよびPfuポリメラーゼIの配列の発現ベクターpKBexpへのクローニング
KODポリメラーゼのコドン最適化されたpUC19構築物(配列番号8)およびPfuポリメラーゼのコドン最適化されたpUC19構築物(配列番号7)を、下記の通りpKBexpベクターにクローニングした:
pKBexpベクターは、非相補的な突出を持つ2つのEco31I部位を含有し、単一の制限酵素を使用した、挿入物の定方向クローニングを可能にする。KODポリメラーゼ遺伝子およびPfuポリメラーゼ遺伝子を、pKBexpへの定方向かつインフレームのクローニングを可能にする2つの隣接Eco31I部位を用いて設計した。
pKBexpベクターから精製したDNAを、Eco31Iを用いて消化し、アガロースゲルから精製した。KODおよびPfuのコドン最適化されたpUC DNA構築物(配列番号8および配列番号7)を、同様にEco31Iを用いて消化し、およそ2.3キロベースの挿入断片をアガロースゲルから切り取り、精製した。30ngのKODポリメラーゼ遺伝子またはPfuポリメラーゼ遺伝子と15ngの消化されたpKBexpを、T4 DNAリガーゼを使用してライゲーションした。ライゲーション反応物を精製し、適格なE.coli DH10Bを形質転換するために使用した。DNAミニプレップをアンピシリン抵抗性クローンで作製した。挿入物に隣接している2つの酵素であるXbaIおよびHindIIIを用いてミニプレップを消化することにより、挿入物の存在を確認した。KODポリメラーゼの遺伝子配列の、pKB11とみなされるpKBexpへのクローニングおよびPfuポリメラーゼ遺伝子の、pKB14とみなされるpKBexpへのクローニングを、DNAを配列決定することによって確認した。
(実施例4)
KODポリメラーゼI遺伝子およびPfuポリメラーゼI遺伝子からのDNA配列のドメイン交換
KODポリメラーゼI遺伝子(配列番号5)およびPfuポリメラーゼI遺伝子(配列番号3)のコドン最適化された配列を、KODポリメラーゼおよびPfuポリメラーゼの指ドメインおよび掌ドメインにほぼ隣接する制限酵素部位を用いて設計した。KODのコドン最適化された配列は、PvuII制限酵素部位およびEcoRI制限酵素部位を含有する。Pfuのコドン最適化された配列は、PvuII制限酵素部位およびEcoRI制限酵素部位を含有する。
pKB11およびpKB14から精製されたDNAをそれぞれ、制限酵素のEcoRIおよびPvuIIを用いて消化した。それぞれの消化物からの大きな断片(4.7kb)および小さな断片(0.7kb)をアガロースゲルから別々に抽出し、精製した。それぞれの制限酵素による消化物からの小さな断片は、それぞれ、KODおよびPfuの指ドメインおよび掌ドメインを含有した。消化および精製された大きな断片(発現ベクターおよび残存ポリメラーゼ断片を含有する)を、Shrimp Alkaline Phospateを使用して脱リン酸化した。PODとみなされる構築物を、4.7kbのPfuの大きな断片(Pfu DNAポリメラーゼのアミノ酸残基1〜335および567〜778)30ngと、0.7kbのKODの小さな断片(KOD DNAポリメラーゼ、配列番号11のアミノ酸残基336〜565に対応する)10ngをライゲーションすることによって創出した。したがって、PODは、Pfu DNAポリメラーゼからのN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメインおよび親指ドメイン、ならびにKODからの掌ドメインおよび指ドメインを含む。Kofuとみなされる構築物を、4.7kbのKODの大きな断片(KOD DNAポリメラーゼ、配列番号11のアミノ酸残基1〜335および566〜777に対応する)30ngと、0.7kbのPfuの小さな断片(Pfu DNAポリメラーゼ、配列番号11のアミノ酸残基336〜566に対応する)10ngをライゲーションすることによって作製した。したがって、Kofuは、KOD DNAポリメラーゼからのN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメインおよび親指ドメイン、ならびにPfuからの掌ドメインおよび指ドメインを含む。ライゲーション反応を用いてE.coli DH10Bを形質転換した。Pod(配列番号13)およびKofu(配列番号14)の構築を、DNAを配列決定することによって確認した。PODおよびKofuのドメイン構造を図1に示す。キメラポリメラーゼの発現および精製は、当技術分野で公知の方法、例えば、「発明を実施するための形態」に総説した方法を使用して行う。
(実施例5)
KOD、Pfu、KofuおよびPodの熱安定性
各酵素10ngを、20mMのTris−HCl、pH8.0、2mMのMgCl、6mMの(NH4)SO、25mMまたは50mMのKCl(PfuおよびPodに対して25mM、KODおよびKofuに対して50mM)を含有する10μlの体積中、98℃で240分、120分、60分、30分、15分、8分、4分、2分、1分または0分インキュベートした。加熱インキュベートした後、プライマー/鋳型混合物10μlを各チューブに加えた。プライマー鋳型混合物は、20mMのTris−HCl、pH8.0、2mMのMgCl、6mMの(NH4)SO、0.6mMのdNTP、0.6μMのそれぞれのプライマー、HPRT1−F1(5’−tttggaaacatctggagtcct−3’(配列番号40))およびHPRT1−R1(5’−gcccaaagggaactgatagtc−3’(配列番号:41))、1μl当たり2ngのヒトゲノムDNA、および25mMまたは50mMのKCl(PfuおよびPodに対して25mM、KODおよびKofuに対して50mM)を含有した。増幅を以下のサイクルプロトコールを用いて行った:95℃で3分、35×(98℃で20秒、60℃で20秒、72℃で20秒)、72℃で20秒。PCR産物をアガロースゲルにおいて分析した(図3を参照されたい)。図3に示したように、98℃で4時間、酵素をプレインキュベートした後、Pfuについて増幅は観察されなかった。対照的に、KOD、KofuおよびPodでは、試験した全ての時点でPCR産物を増幅することができた。
(実施例6)
忠実度アッセイ
酵素の忠実度を、Clineらおよびその中の参照文献(Nucl.Acids Res.、1996年、24巻(18号):3546〜3551頁)に記載の方法と同様の方法によって決定した。LacIをE.coliからPCR増幅し、pUC19にクローニングしてプラスミドpKB−LacIQZアルファ(配列番号17)を変性させた(degenerate)。pKB−LacIQZアルファは、忠実度アッセイにおいてLacIをPCR増幅するための鋳型としての役割、および青色/白色コロニースクリーニングを行うための、増幅LacIをその中にクローニングするベクターとしての役割の両方を果たした。
pKB−LacIQZアルファプラスミド鋳型70ng(lacI標的25ngと等価)および各酵素2.5Uを、1.386KbのlacIOZアルファ断片を増幅するために使用して、PCR反応物2×50μl(各酵素に対して)を供給した。PCR条件は以下の通りであった:PfuおよびPodを用いた増幅は、Pfuバッファー(Fermentas)中で行い;KODおよびKofuを用いた増幅は、NovagenのKODバッファー1中で行った。最終濃度は、2mMのMgCl、0.4μMのそれぞれのプライマー、M13−40(GTTTTCCCAGTCACGAC(配列番号42))およびPKBlac−1R(GGTATCTTTATAGTCCTGTCG(配列番号43))および0.2mMの各dNTP。PfuおよびPodに対するサイクルパラメータは、94℃で4分、30×(94℃で15秒、55℃で15秒、72℃で3分)、72℃で6分であった。KODおよびKofuに対するサイクルパラメータは、94℃で2分、30×(98℃で15秒、55℃で2秒、72℃で20秒)、72℃で30秒であった。
PCR産物の収量を、ゲル電気泳動によって定量化し、鋳型の倍加数を算出した。PCR産物をXbaI、NcoIおよびDpnIを用いて消化し、ゲル精製し(UV光に曝露させることなく)、XbaI−NcoIで消化したpKB−LacIQZアルファにライゲーションした。E.coliをライゲーション混合物で形質転換し、細胞をLB−Amp−X−galプレート上に播種した。青色コロニーの数、白色コロニーの数およびコロニーの総数を記録した。エラー率fをf=−ln(F)/(d×(bp))(ここで、F=白色コロニーの割合((全コロニー−青色のコロニー)/全コロニー)、d=鋳型の倍加数およびb=349(349bpのlacIアンプリコンのみをスコア化する))として算出した。代表的な結果を表4に要約している。表4に示したように、PfuおよびKofuは類似した忠実度を有し、それらの忠実度はKODおよびPodの忠実度よりも高い。
(実施例7)
プロセシビティーアッセイ
プロセシビティーは、(Wangら、Nucl. Acids Res、2004年、32巻(3号):1197〜1207頁;およびVon Hippelら、NYAcadSci、1994年;726巻:118〜131頁)に記載のアッセイを使用して決定し、算出することができる。簡単に述べると、0.8pモルの5’FAM標識したプライマー(−40M13LFF、5’FAM−GTTTTCCCAGTCACGACGTTGTAAAACGACGGCC−3’(配列番号44))を、体積16μL中、20mMのTris−HCl、pH8.0、25mMのKCl、2.5mMのMgCl2、0.3mMのdNTPの存在下で1.6pモルのssM13mp18 DNAに加える。プライマーを、サーモサイクラーにおいて95℃で2分間加熱した後、0.1℃/秒の速度で72℃までゆっくり冷却し、72℃で10分間インキュベートし、0.1℃/秒で4℃までさらに冷却することによって、鋳型にアニーリングする。ポリメラーゼを20mMのTris−HCl、pH8.0、25mMのKClに希釈する。刺激された(primed)鋳型および希釈されたポリメラーゼを72℃まで加熱し、希釈されたポリメラーゼ4μlを刺激された鋳型16μlに加えることによって反応を開始させる。ポリメラーゼを希釈して、ポリメラーゼ:鋳型の比を1:10〜1:10000にする。それぞれ異なる時点の後に、EDTAを最終濃度が10mMになるように加えることによって反応を終了させる。
伸長反応物を、ABI 3130XL Genetic Analyzerにおいて分析する。各反応物について産物の長さの中央値を決定する。産物の長さの中央値を、全ての産物の総蛍光強度が、全ての検出可能な産物の蛍光強度の和の50%と等しい長さに達する産物の長さとして定義する。ポリメラーゼの濃度またはインキュベーション時間の変化で産物の長さの中央値が変化しない試料についての極微量(trace)を用いて、VonHippelら(Von Hippelら、NY Acad Sci、1994年;726巻:118〜131頁)
に従ってプロセシビティーを算出する。バックグラウンドレベルを有意に超える蛍光レベルを持つ各ピーク(I)を積分してそのピークの蛍光強度(ni)をもたらす。総蛍光強度(nT)は、全てのピークの蛍光の和である。積分データをlog(ni/nT)対n−1(ここで、nは取り込まれたヌクレオチドの数である)としてプロットする。データを以下の方程式:log(ni/nT)=(n−1)logPi+log(1−Pi)に適合させる。Pi、顕微鏡的プロセシビティー係数(microscopic processivity factor)を、i位において伸長が終了しない確率として定義する。平均のプライマー伸長長を1/(1−Pi)から決定する。
(実施例8)
KOD、Pfu、KofuおよびPodの塩抵抗性
以前の研究(Pavlovら(2002年)、ProcNatl Acad Sci.、99巻(21号)、13510〜13515頁;Wangら(2004年)、NuclAcids Res.、32巻(3号)、1
197〜1207頁)により、ポリメラーゼの塩に対する許容性の増加とポリメラーゼのプロセシビティーの間に直接的な相関があることが示されている。試験した全てのポリメラーゼ(ファミリーAまたはファミリーBからのもの)について、塩許容性が増加したポリメラーゼは、プロセシビティーも増加したことが分かった。したがって、本発明者らは、プロセシビティーの代用として、キメラの塩許容性と親ポリメラーゼの塩許容性を比較した。
精製したKOD、Pfu、KofuおよびPodのタンパク質濃度を、Bioanalyzer 2100(Agilent、Santa Clara、CA、USA)を同じ供給業者のProtein 230 Kitと一緒に使用して決定した。ポリメラーゼを、加えるKClの量を次第に増加させて、リアルタイムPCRで試験した。反応を、20mMのTris−HCl、pH8.0、6mMの(NHSO、2mMのMgCl、3%のDMSO、10ngのポリメラーゼ、20ngのヒトゲノムDNA、0.3mMの各dNTP、0.25× SYBR Green(Invitrogen、Carlsbad、CA、USA.DMSO中希釈したストック20× SYBR Greenを作製した)、0.3μMのフォワードプライマーHPRT1−F1(5’−tttggaaacatctggagtcct−3’(配列番号40))および0.3μMのリバースプライマーHPRT1−R1(5’−gcccaaagggaactgatagtc−3’(配列番号41))を含有する体積20μl中で行った。KClを最終濃度が10mM、25mM、50mM、75mM、100mMまたは125mMになるように加えた。PCR増幅を、Corbett 6000 HRMリアルタイムサーモサイクラー(Corbett Life Science、Sidney、Australia)において、以下のサイクルプロトコールを用いて行った:95℃で3分、(95℃で10秒、60℃で20秒、72℃で20秒、データ収集)を40サイクル、その後、1℃のステップで72℃から95℃まで勾配させ、各ステップの終わりにデータ収集する前に5秒待つ、融解曲線分析のステップ。各試料8μlを1.5%アガロースゲルで分析した。Fermentas GeneRuler(商標)Mix、カタログ番号SM0333(Fermentas、Vilnius、Lithuania)5μlをDNAマーカーとしてゲルにローディングした。代表的な結果を図4に示す。
(実施例9)
KOD、Pfu、KofuおよびPodのTMAC許容性
Kovarovaら(Kovarova,M.およびDraber, P.;Nucl. Acids Res.(2000年)、28
巻(13号)、e70−)によって示されているように、テトラメチルアンモニウムを含有する塩により、PCR反応が増強される。そのような塩の1つはテトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)である。したがって、本発明者らは、本発明者らのキメラのTMAC許容性と親ポリメラーゼのTMAC許容性を比較した。
ポリメラーゼを、加えるTMACの量を次第に増加させて、リアルタイムPCRで試験した。反応を、20mMのTris−HCl、pH8.0、6mMの(NHSO、2mMのMgCl、25mMのKCl、10ngのポリメラーゼ、20ngのヒトゲノムDNA、0.3mMの各dNTP、0.25× SYBR Green(Invitrogen、Carlsbad、CA、USA.DMSO中、希釈したストック20× SYBR Greenを作製した)、0.3μMのフォワードプライマーHPRT1−F1(5’−tttggaaacatctggagtcct−3’(配列番号40))および0.3μMのリバースプライマーHPRT1−R1(5’−gcccaaagggaactgatagtc−3’(配列番号41))を含有する体積20μl中で行った。TMACを、最終濃度が0mM、10mM、20mM、40mM、60mM、80mM、100mMまたは120mMになるように加えた。PCR増幅を、Corbett 6000
HRMリアルタイムサーモサイクラー(Corbett Life Science、Sidney、Australia)において、以下のサイクルプロトコールを用いて行った:95℃で3分、(95℃で10秒、50℃で20秒、72℃で20秒、データ収集)を40サイクル、その後、1℃のステップで72℃から95℃まで勾配させ、各ステップの終わりにデータ収集する前に5秒待つ、融解曲線分析のステップ。各試料8μlを1.5%アガロースゲルで分析した。Fermentas GeneRuler(商標)Mix、カタログ番号SM0333(Fermentas、Vilnius、Lithuania)5μlをDNAマーカーとしてゲルにローディングした。代表的な結果を図5に示す。
(実施例10)
KODポリメラーゼおよびPfuポリメラーゼのさらなるキメラ
本実施例は、ドメイン間の交換を行う位置を変更することができることを示すために設計している。
KODポリメラーゼとPfuポリメラーゼの掌ドメインおよび指ドメインを、KofuおよびPodについての位置と比較して、その交換の正確な位置をわずかに変更して、さらなるキメラを作製する。Kofu−II(配列番号26)を、KOD(配列番号12)のアミノ酸残基305〜615をPfu(配列番号10)のアミノ酸305〜616で置き換えることによって作製する。Pod−II(配列番号27)を、Pfu(配列番号10)のアミノ酸305〜616をKOD(配列番号12)のアミノ酸305〜615で置き換えることによって作製する。
Kofu−III(配列番号28)を、KOD(配列番号12)のアミノ酸残基396〜564をPfu(配列番号10)のアミノ酸397〜565で置き換えることによって作製する。Pod−III(配列番号29)を、Pfu(配列番号10)のアミノ酸397〜565をKOD(配列番号12)のアミノ酸396〜564で置き換えることによって作製する。
キメラKofu−II、キメラPod−II、キメラKofu−IIIおよびキメラPod−IIIのアミノ酸配列を、E.coliにおいて発現させるために逆翻訳し、コドン最適化する。発現ベクターへのクローニングを容易にするために、Eco31I制限酵素部位を含有するさらなるヌクレオチド配列を構築物の5’末端および3’末端に加える。より詳細には、5’配列および3’配列を、Eco31Iを用いてDNAを消化した後、突出が、特定の発現ベクター(例えば、pKB)内の突出と相補的になるように設計することができる。コドン最適化および遺伝子合成を、GeneArt Gmbhによって行う。キメラポリメラーゼの発現および精製を、当技術分野で公知の方法、例えば「発明を実施するための形態」で総説した方法を用いて行う。キメラポリメラーゼの熱安定性、忠実度、プロセシビティー、塩抵抗性およびTMAC抵抗性を実施例5〜9に記載の通り決定する。
(実施例11)
T.litoralisのポリメラーゼと9°N−7のポリメラーゼのキメラ
キメラ9NliおよびキメラLi9Nを、図1のアライメントに基づいて設計する。これらは、T.litoralisのDNAポリメラーゼとThermococcus種9°N−7のDNAポリメラーゼの間で掌および指ドメインを交換することによって作製する。これら2つのポリメラーゼの間の全体的な配列同一性は、アミノ酸レベルで77%である。
キメラ9Nliは、9Nポリメラーゼの掌および指領域をT.litoralisのポリメラーゼの掌および指領域で置き換えることによって作製することができる。この特定の実施例では、9Nliは、9Nポリメラーゼ(配列番号18)のアミノ酸347〜580をT.litoralisのポリメラーゼ(配列番号19)のアミノ酸349〜583で置き換えることによって作製する。9Nliのコード領域の配列は、配列番号20で提供される。
キメラLiN9は、T.litoralisのDNAポリメラーゼの掌および指ドメインを9°NorthのDNAポリメラーゼの指ドメインで置き換えることによって作製することができる。この特定の実施例では、LiN9は、T.litoralisのポリメラーゼ(配列番号19)のアミノ酸349〜583を9°N−7ポリメラーゼ(配列番号18)のアミノ酸347〜580で置き換えることによって作製する。LiN9のコード領域の配列は、配列番号21で提供される。
(実施例12)
T.gorgonariusのB型DNAポリメラーゼとT.zilligiiのB型DNAポリメラーゼのキメラ
キメラGoZiおよびキメラZiGoを、図1のアライメントに基づいて設計する。これらは、T.gorgonariusのDNAポリメラーゼとT.zilligiiのDNAポリメラーゼの間で、掌および指ドメインを交換することによって作製する。これら2つのポリメラーゼの間の全体的な配列同一性はアミノ酸レベルで94%である。
キメラGoZiは、T.gorgonariusのポリメラーゼの掌および指領域をT.zilligiiのポリメラーゼの掌および指領域で置き換えることによって作製することができる。この特定の実施例では、GoZiは、T.gorgonariusのポリメラーゼ(配列番号22)のアミノ酸391〜559をT.zilligiiのポリメラーゼ(配列番号23)のアミノ酸391〜559で置き換えることによって作製する。得られたキメラGoZiの配列は、配列番号24で提供される。
キメラZiGoは、T.zilligiiのDNAポリメラーゼの掌および指ドメインをT.gorgonariusのDNAポリメラーゼの指ドメインで置き換えることによって作製することができる。この特定の実施例では、ZiGoは、T.zilligiiのポリメラーゼ(配列番号23)のアミノ酸391〜559をT.gorgonariusのポリメラーゼ(配列番号22)のアミノ酸391〜559で置き換えることによって作製する。ZiGoのコード領域の配列は、配列番号25で提供される。
等価物
当業者は、本明細書に記載の本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識する、または、常用の実験法だけを使用して確認することができる。本発明の範囲は上記の説明に限定されないものとするが、添付の特許請求の範囲に示す通りである。本明細書および特許請求の範囲において使用する「a(1つの)」、「an(1つの)」および「the(この)」という冠詞は、それに反することが明確に示されていない限り、複数の指示対象を含むと理解されるべきである。あるグループの1つまたは複数のメンバーの間に「または」を含む特許請求の範囲または説明は、それに反することが示されていない、または他に文脈から明らかでない限り、そのグループのメンバーの1つ、2つ以上または全部が、所与の産物またはプロセスに存在する、利用される、そうでなければ関連する場合に満たされるとみなされる。本発明は、まさに1つのグループメンバーが、所与の産物またはプロセスに存在する、利用される、そうでなければ関連する実施形態を含む。本発明は、そのグループのメンバーの2つ以上または全部が、所与の産物またはプロセスに存在する、利用される、そうでなければ関連する実施形態も含む。さらに、本発明は、特に指示のない限り、または矛盾もしくは不一致が生じることが当業者に明らかでない限り、請求項の1つまたは複数からの1つまたは複数の限定、要素、条項、説明的な用語などが、同じ基になる請求項に従属している別の請求項(または、関連した、任意の他の請求項)に導入されている、変形、組合せ、および並び替えを包含することが理解されよう。要素がリストとして、例えば、マルクーシェグループまたは類似の形式で提示されている場合、要素の各サブグループも開示され、任意の(1つまたは複数の)要素をそのグループから取り出すことができることが理解されよう。一般に、本発明または本発明の態様が、特定の要素、特徴などを含むと称される場合、本発明の特定の実施形態または本発明の態様は、そのような要素、特徴などからなる、または本質的になることが理解されよう。単純にする目的で、それらの実施形態は、本明細書において全ての場合を具体的に示していない。本発明の任意の実施形態、例えば、従来技術中に見られる任意の実施形態を、特定の除外について本明細書において列挙したかに関わらず、特許請求の範囲から除外することができることが理解されよう。
それに反することが明確に示されていない限り、2つ以上の動作を含む本明細書で特許請求された任意の方法では、方法の動作の順序は、必ずしも方法の動作が列挙された順序に限定されないが、本発明は、順序がそのように限定された実施形態も包含することが理解されよう。さらに、特許請求の範囲が組成物を列挙している場合、本発明は、その組成物を使用する方法およびその組成物を作製する方法を包含する。特許請求の範囲が組成物を列挙している場合、本発明は、その組成物を使用する方法およびその組成物を作製する方法を包含することが理解されよう。
参照文献の組み込み
本明細書において引用した全ての出版物および特許文献は、各出版物または特許文献のそれぞれの内容が本明細書に組み込まれたのと同じようにその全体が参照により組み込まれている。本発明は以下をも提供する。
(1) プロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、熱安定性またはTMAC許容性が高い特徴を有する第1のDNAポリメラーゼに見られるアミノ酸配列と少なくとも80%同一である配列を有する第1のドメイン;および
忠実度が高い特徴を有する第2のDNAポリメラーゼに見られるアミノ酸配列と少なくとも80%同一である配列を有する第2のドメイン
を含み、
忠実度が高く、プロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、熱安定性またはTMAC許容性が高い特徴を有する、キメラポリメラーゼ。
(2) 前記第1のDNAポリメラーゼが、KODポリメラーゼまたはTNA1ポリメラーゼ、Thermococcus sp.9°N−7、T4、T7、またはphi29から選択される、項目1に記載のキメラポリメラーゼ。
(3) 前記第1のDNAポリメラーゼがKODポリメラーゼである、項目2に記載のキメラポリメラーゼ。
(4) 前記第2のDNAポリメラーゼが、Pyrococcus furiosus、P.abyssi、T.gorgonarius、T.litoralis、T.zilligii、T.sp.GT、またはP.sp.GB−Dから単離されたポリメラーゼから選択される、項目1に記載のキメラポリメラーゼ。
(5) 前記第2のDNAポリメラーゼがPfuポリメラーゼである、項目4に記載のキメラポリメラーゼ。
(6) 前記第1のDNAポリメラーゼがKODポリメラーゼであり、前記第2のDNAポリメラーゼがPfuポリメラーゼである、項目1に記載のキメラポリメラーゼ。
(7) 前記第1のドメインが、エキソヌクレアーゼドメイン、N末端ドメイン、親指ドメインおよびそれらの組合せからなる群から選択される、項目1から6のいずれか一項に記載のキメラポリメラーゼ。
(8) 前記第2のドメインが掌および/または指ドメインである、項目1から7のいずれか一項に記載のキメラポリメラーゼ。
(9) 前記第1のDNAポリメラーゼに見られる前記アミノ酸配列が、KODポリメラーゼ(配列番号11)のアミノ酸残基156〜301に対応する、項目1から8のいずれか一項に記載のキメラポリメラーゼ。
(10) KODポリメラーゼ(配列番号11)のアミノ酸残基26〜105に対応するアミノ酸配列と少なくとも80%同一である配列を有する第3のドメインをさらに含む、項目9に記載のキメラポリメラーゼ。
(11) KODポリメラーゼ(配列番号11)のアミノ酸残基612〜749に対応するアミノ酸配列と少なくとも80%同一である配列を有する第4のドメインをさらに含む、項目10に記載のキメラポリメラーゼ。
(12) 前記第1のDNAポリメラーゼに見られる前記アミノ酸配列が、KODポリメラーゼ(配列番号11)のアミノ酸残基26〜105に対応する、項目1から8のいずれか一項に記載のキメラポリメラーゼ。
(13) KODポリメラーゼ(配列番号11)のアミノ酸残基612〜749に対応するアミノ酸配列と少なくとも80%同一である配列を有する第3のドメインをさらに含む、項目12に記載のキメラポリメラーゼ。
(14) 前記第1のDNAポリメラーゼに見られる前記アミノ酸配列が、KODポリメラーゼ(配列番号11)のアミノ酸残基612〜749に対応する、項目1から8のいずれか一項に記載のキメラポリメラーゼ。
(15) KODポリメラーゼ(配列番号11)のアミノ酸残基156〜301に対応するアミノ酸配列と少なくとも80%同一である配列を有する第3のドメインをさらに含む、項目14に記載のキメラポリメラーゼ。
(16) 前記第2のDNAポリメラーゼに見られる前記アミノ酸配列が、Pfuポリメラーゼ(配列番号9)のアミノ酸残基394〜563に対応する、項目1から15のいずれか一項に記載のキメラポリメラーゼ。
(17)(1)
、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
(2)

、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
(3)

、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
(4)

、(ここでXはKではなく、XはHではなく、XはRではなく、XはIではなく、XはRではなく、XはKではなく、XはGではなく、XはKではなく、XはIではなく、X10はRではなく、X11はIではなく、X12はVではなく、X13はDではなく、X14はEではなく、X15はKではなく、X16はIではなく、X17はTではなく、X18はLではなく、X19はEではなく、X20はTではなく、X21はEではなく、X22はVではない。)
(5)

、(ここでXはIではなく、XはNではなく、XはEではなく、XはKではなく、XはIではなく、XはEではなく、XはSではなく、XはIではなく、XはIではなく、X10はRではなく、X11はIではなく、X12はIではなく、X13はVではなく、X14はSではなく、X15はPではなく、X16はAではなく、X17はAではなく、X18はKではなく、X19はLではなく、X20はTではなく、X21はIではなく、X22はMではなく、X23はIではなく、X24はMではなく、X25はTではなく、X26はHではなく、X27はTではなく、X28はIではなく、X29はKではなく、X30はDではなく、X31はAではなく、X32はKではなく、X33はSではない。)
(6)

、(ここでXはTではなく、XはIではなく、XはHではなく、XはEではなく、XはIではなく、XはQではなく、XはAではなく、XはNではなく、XはIではなく、X10はAではなく、X11はYではなく、X12はPではなく、X13はHではなく、X14はEではなく、X15はIではなく、X16はKではなく、X17はKではなく、X18はKではなく、X19はMではなく、X20はGではなく、X21はRではなく、X22はDではなく、X23はPではなく、X24はSではなく、X25はNではなく、X26はLではなく、X27はAではなく、X28はEではなく、X29はYではなく、X30はKではなく、X31はLではなく、X32はEではなく、X33はGではない。)
およびそれらの組合せ
からなる群から選択されるコンセンサス配列を有する第1のドメイン、ならびに
(1)

、(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
(2)
、(ここでXはRではなく、XはSではなく、XはRではなく、XはEではなく、XはVではなく、XはRではなく、XはFではなく、XはDではなく、XはKではなく、X10はAではなく、X11はIではなく、X12はRではなく、X13はKではなく、X14はRではなく、X15はIではなく、X16はYではなく、X17はRではなく、X18はEではなく、X19はTではなく、X20はMではなく、X21はTではなく、X22はIではなく、X23はIではなく、X24はYではなく、X25はIではなく、X26はSではなく、X27はFではなく、X28はFではなく、X29はAではなく、X30はDではなく、X31はAではなく、X32はTではなく、X33はVではなく、X34はMではない。)
およびそれらの組合せ
からなる群から選択されるコンセンサス配列を有する第2のドメイン
を含み、
忠実度が高く、プロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、熱安定性またはTMAC許容性が高い特徴を有する、キメラポリメラーゼ。
(18) 配列番号16(Kofuのアミノ酸配列)と少なくとも85%同一であるアミノ酸配列を含む、キメラポリメラーゼ。
(19) 前記アミノ酸配列が、
(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
のコンセンサス配列を含む、項目18に記載のキメラDNAポリメラーゼ。
(20) 前記アミノ酸配列が配列番号16(Kofuのアミノ酸配列)と同一である、項目18に記載のキメラポリメラーゼ。
(21)

(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
のアミノ酸コンセンサス配列を含み、
KODの忠実度よりも高い忠実度を有し、Pfuのプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、熱安定性またはTMAC許容性よりも高いプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、熱安定性またはTMAC許容性を有する、キメラポリメラーゼ。
(22) 前記アミノ酸コンセンサス配列が、
(ここで、Xは、任意のアミノ酸またはペプチド結合である。)
である、項目21に記載の方法。
(23) 第1のDNAポリメラーゼのエキソヌクレアーゼドメイン、N末端ドメイン、および/または親指ドメインに見られるアミノ酸配列と少なくとも80%同一である配列を有する第1のドメイン;および
第2のDNAポリメラーゼの掌および/または指ドメインに見られるアミノ酸配列と少なくとも80%同一である配列を有する第2のドメイン
を含み、
前記第2のDNAポリメラーゼのプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、熱安定性またはTMAC許容性よりも高いプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、熱安定性またはTMAC許容性を有し、前記第1のDNAポリメラーゼの忠実度よりも高い忠実度を有する、キメラポリメラーゼ。
(24) 前記第1のDNAポリメラーゼが、KODポリメラーゼ、TNA1ポリメラーゼ、Thermococcus sp.9°N−7、T4、T7、またはphi29から選択される、項目23に記載のキメラポリメラーゼ。
(25) 前記第1のDNAポリメラーゼがKODポリメラーゼである、項目23に記載のキメラポリメラーゼ。
(26) 前記第2のDNAポリメラーゼが、Pyrococcus furiosus、P.abyssi、T.gorgonarius、T.litoralis、T.zilligii、またはP.sp.GB−Dから単離されたポリメラーゼから選択される、項目23に記載のキメラポリメラーゼ。
(27) 前記第2のDNAポリメラーゼがPfuポリメラーゼである、項目26に記載のキメラポリメラーゼ。
(28) 前記第1のDNAポリメラーゼがKODポリメラーゼであり、前記第2のDNAポリメラーゼがPfuポリメラーゼである、項目23に記載のキメラポリメラーゼ。
(29) 前記第1のDNAポリメラーゼがPfuポリメラーゼであり、前記第2のDNAポリメラーゼがKODポリメラーゼである、項目23に記載のキメラポリメラーゼ。
(30) 配列番号15(Podのアミノ酸配列)と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、キメラポリメラーゼ。
(31) 項目1から30のいずれか一項に記載のキメラポリメラーゼをコードするヌクレオチド配列。
(32) 項目31に記載のヌクレオチド配列を含むベクター。
(33) 項目31に記載のヌクレオチド配列を含む細胞。
(34) 項目1から30のいずれか一項に記載のキメラポリメラーゼを含むキット。
(35) 項目1から30のいずれか一項に記載のキメラポリメラーゼを使用してDNAを合成する方法。
(36) 項目1から30のいずれか一項に記載のキメラポリメラーゼを使用してDNA断片を増幅する方法。
(37) キメラポリメラーゼを設計製作する方法であって、
(a)第1のDNAポリメラーゼに基づくN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメイン、および/または親指ドメインを提供する工程;
(b)第2のDNAポリメラーゼに基づく掌および/または指ドメインを提供する工程;(c)工程(a)および工程(b)からのドメインを組み合わせて、キメラポリメラーゼを形成する工程、を含み、
前記キメラポリメラーゼが、前記第2のDNAポリメラーゼのプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、熱安定性またはTMAC許容性よりも高いプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、熱安定性またはTMAC許容性を有し、前記第1のDNAポリメラーゼの忠実度よりも高い忠実度を有する、方法。
(38) 前記第1のDNAポリメラーゼが、KODポリメラーゼ、またはTNA1ポリメラーゼ、Thermococcus sp.9°N−7、T4、T7、またはphi29から選択される、項目37に記載の方法。
(39) 前記第1のDNAポリメラーゼがKODポリメラーゼである、項目38に記載の方法。
(40) 前記第2のDNAポリメラーゼが、Pyrococcus furiosus、P.abyssi、T.gorgonarius、T.litoralis、T.zilligii、T.sp.GT、またはP.sp.GB−Dから単離されたポリメラーゼから選択される、項目38に記載の方法。
(41) 前記第2のDNAポリメラーゼがPfuポリメラーゼである、項目40に記載の方法。
(42) 前記第1のDNAポリメラーゼがKODポリメラーゼであり、前記第2のDNAポリメラーゼがPfuポリメラーゼである、項目37に記載の方法。
(43) 項目35から42のいずれか一項に記載の方法を用いて設計製作したキメラポリメラーゼ。
(44) DNAポリメラーゼの忠実度を改善する方法であって、対象のDNAポリメラーゼの掌および/または指ドメイン内の配列を、前記対象のDNAポリメラーゼと比較して、忠実度がより高い特徴を有する異なるDNAポリメラーゼからの対応する配列で置き換える工程を含む方法。
(45) DNAポリメラーゼのプロセシビティー、延長速度、塩抵抗性、熱安定性またはTMAC許容性を改善する方法であって、対象のDNAポリメラーゼのN末端ドメイン、エキソヌクレアーゼドメインおよび/または親指ドメイン内の配列を、前記対象のDNAポリメラーゼと比較して、プロセシビティー、延長速度、塩抵抗性またはPCRエンハンサー抵抗性が高い特徴を有する異なるDNAポリメラーゼからの対応する配列で置き換える工程を含む方法。
(46) 項目44または45に記載の方法によって改善されたDNAポリメラーゼ。

Claims (1)

  1. 本明細書に記載の発明。
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