JP2006513363A - 燃料噴射弁 - Google Patents

Abstract

燃料噴射弁（１）、特に内燃機関の燃料噴射装置に用いられる燃料噴射弁（１）は、電気的な線路（６）を介して励起可能な圧電式のまたは磁歪式のアクチュエータ（４）を有している。このアクチュエータ（４）は、ハウジング（２）内に配置された弁閉鎖体（２０）を操作する。この弁閉鎖体（２０）は、弁座面（２１）と協働してシール座を形成している。さらに、燃料噴射弁（１）は、ハイドロリック式のカップラ（１０）を有している。ハイドロリック式のカップラ（１０）は、アクチュエータ（４）と、弁閉鎖体（２０）および弁座面（２１）を有する弁アッセンブリ（１１）との間に定置に配置されている。

Description

背景技術
本発明は、独立請求項の上位概念部に記載した形式の燃料噴射弁から出発する。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第３５３３０８５号明細書に基づき、液体またはガスを調量するための調量弁、特に内燃機関に設けられた燃料噴射システムに用いられる噴射弁が公知である。この公知の調量弁はピエゾスタックアクチュエータを有している。励起電圧の印加時のピエゾスタックアクチュエータの長さ変化は、調量開口を制御する弁ニードルに伝達され、この弁ニードルのストローク量を規定する。調量したい物質は供給管路を介して供給される。この供給管路は深穴孔の形で弁ボディに形成されている。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第３５３３０８５号明細書に基づき公知の調量弁では、燃料流入通路とアクチュエータとの間のハイドロリック式のカップラの浮動支承が欠点である。これによって、カップラが燃料圧における変動にさらされている。アクチュエータのコンタクティングのために必要となる電気的な線路は、長さ変化によって引張り負荷されないために、手間をかけて敷設されなければならない。さらに、線路がカップラを取り囲むように敷設されなければならない。これによって、線路がより長くなるだけでなく、より多くの組込みスペースを要求する。これによって、弁ハウジングが大容積となり、それ自体、より大きな組込みスペースをシリンダヘッドに要求する。

発明の利点
独立請求項の特徴部に記載の特徴を備えた本発明による燃料噴射弁は従来のものに比べて、ハイドロリック式のカップラがアクチュエータと弁グループとの間に不動に配置されており、これによって、アクチュエータの電気的なコンタクティングがアクチュエータのそばを通って行われる必要がなく、カップラの位置変化によって生ぜしめられる長さ変化が排除されるという利点を有している。

従属請求項に記載した手段によって、独立請求項に記載した燃料噴射弁の有利な構成が可能となる。

有利には、アクチュエータが弁ハウジングに固く結合されている。これによって、ハウジングに対するアクチュエータの定置の相対的な位置が得られる。

さらに、有利には、電気的な線路が、アクチュエータベースに設けられた孔を通って延びていて、プラスチック被覆部によって位置固定されていて、防護されている。

有利には、内部に電気的な線路が配置されたコネクタがプラスチック被覆部に一体成形されている。

カップラが、有利には、球欠状部材を介して弁ニードルに作用し、これによって、ずれを補償することができる。

以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。

実施例の説明
以下に、本発明の有利な実施例を例示的に説明する。この場合、同じ構成部材には、全ての図面において同じ符号が付してある。

図１および図２に長手方向軸線に沿った互いに鉛直な２つの断面図で示した燃料噴射弁１は、混合気圧縮型の火花点火式の内燃機関の燃料噴射装置に用いられる燃料噴射弁１の形で形成されている。この燃料噴射弁１は、特に燃料を内燃機関の燃焼室（図示せず）内に直接噴射するために適している。

燃料噴射弁１はハウジング２を有している。このハウジング２内には、射出成形により形成されたアクチュエータ被覆部３を備えた圧電式のまたは磁歪式のアクチュエータ４が配置されている。このアクチュエータ４には、管状ばね５によってプレロードがかけられており、これによって、アクチュエータ４の破壊なしの組付けおよび再現可能な操作が可能となる。アクチュエータ４には、電気的な線路６によって電圧を供給することができる。アクチュエータ４は流入側でアクチュエータベース７に支持されていて、流出側でアクチュエータヘッド８に支持されている。アクチュエータ４はアクチュエータハウジング９内にカプセル封入されている。

本発明によれば、燃料噴射弁１はアクチュエータ４の流出側にハイドロリック式のカップラ１０を有している。このカップラ１０は圧力なしでアクチュエータ４と弁モジュール１１との間に支承されている。ハイドロリック式のカップラ１０は二次媒体カップラ１０として形成されていて、マスタピストン１２とスレーブピストン１３とを有している。このマスタピストン１２とスレーブピストン１３とはカップラばね１４によって互いに負荷されている。ハイドロリック式のカップラ１０は、たとえば波形管状のシール部材１５によって燃料噴射弁１の内室１６に対してシールされている。

ハイドロリック式のカップラ１０のスレーブピストン１３は球欠状部材１７に接触している。この球欠状部材１７は操作エレメント１８を介して弁ニードル１９と協働する。球欠状部材１７は、燃料噴射弁１の運転の間の弁ニードル１９のずれを補償するために働く。この弁ニードル１９はその流出側の端部に弁閉鎖体２０を有している。この弁閉鎖体２０は弁座面２１と協働してシール座を形成している。本実施例では、外向きに開放する燃料噴射弁１が考えられている。

アクチュエータ４が浮動に支承されておらず、不動に支承されていることによって、ハウジング２へのアクチュエータ４の熱的な固い結合を達成することが可能となる。これによって、アクチュエータ４とハウジング２との間のギャップを省略することができる。これによって、アクチュエータ４の温度をより良好な熱導出によって低下させることができる。さらに、アクチュエータ４の不動の支承によって、カップラ１０に沿ったアクチュエータ４と電気的な差込みコンタクト６との間の可動のケーブルガイドを省略することができる。

電気的な線路６はアクチュエータベース７を孔２２を通って貫通している。この孔２２はアクチュエータベース７に形成されている。ハイドロリック式のカップラ１０がアクチュエータ４の流出側に配置されていることによって、電気的な線路６をより短くかつ運動補償するケーブルガイドなしにアクチュエータ４に敷設することができる。これによって、弁ハウジング２が結果的によりスリムになり得る。なぜならば、電気的な線路６が、ハイドロリック式のカップラ１０を取り囲むように案内される必要がないからである。

燃料供給は中心の流入管片２３を介して行われる。この流入管片２３内にはフィルタ２４が配置されていてよい。孔２５と、アクチュエータハウジング９と弁ハウジング２との間に形成されたギャップ２６とを介して、燃料がシール座に案内される。流入管片２３は、図２では、射出成形により形成されたプラスチック被覆部２７を備えている。このプラスチック被覆部２７には、電気的な線路６のためのコネクタ２８が一体成形されている。

図３Ａおよび図３Ｂには、コネクタ２８の詳細図が、燃料の流出方向で見た燃料噴射弁１の平面図で示してある。

この場合、図３Ａには、図１に示したように、プラスチック被覆部２７なしの燃料噴射弁１が示してある。電気的な線路６は直接かつ真っ直ぐアクチュエータベース７内に案内され、孔２５に対して平行に延びている。この孔２５を通って、燃料が流入管片２３から供給される。

図３Ｂには、プラスチック２７の射出成形によって流入管片２３を取り囲んだ後のコネクタ２８の同じ図が示してある。この場合、プラスチック被覆部２７とコネクタ２８とは１回の方法ステップで簡単にかつ廉価に製作可能である。電気的な線路６はプラスチック被覆部２７によって流入管片２３にかつアクチュエータベース７に位置固定されていて、損傷に対して防護されている。

すでに図１および図２から明らかであるように、カップラ１０はアクチュエータヘッド８と弁ニードル１９との間で球欠状部材１７によって旋回可能に支承されている。この場合、この球欠状部材１７は、図１および図２では、ハイドロリック式のカップラ１０と、弁ニードル１９に作用結合された操作エレメント１８との間に配置されている。

図４には、ハイドロリック式のカップラ１０とアクチュエータヘッド８との間の球欠状部材１７の配置形式の別の可能性が示してある。両可能性は、燃料噴射弁１の運転時の弁ニードル１９のずれを補償するために働く。さもないと、このずれは、ずれ時の剪断力による弁ニードル１９の引っ掛かりまたはアクチュエータ４の破壊によって燃料噴射弁１の誤機能を生ぜしめ得る。

本発明は、図示の実施例に制限されておらず、燃料噴射弁１の任意の構造のために適している。

第１の断面平面に沿った本発明による燃料噴射弁の実施例の概略的な断面図である。 第２の断面平面に沿った本発明による燃料噴射弁の、図１に示した実施例の概略的な断面図である。 プラスチック被覆部なしの、本発明により形成された燃料噴射弁の差込みコンタクトを示す図である。 プラスチック被覆部を備えた、本発明により形成された燃料噴射弁の差込みコンタクトを示す図である。 図１および図２に示した本発明により形成された燃料噴射弁のアクチュエータと弁ニードルとの間のカップラの旋回可能な支承部の部分図である。

符号の説明

１ 燃料噴射弁、 ２ ハウジング、 ３ アクチュエータ被覆部、 ４ アクチュエータ、 ５ 管状ばね、 ６ 線路、 ７ アクチュエータベース、 ８ アクチュエータヘッド、 ９ アクチュエータハウジング、 １０ カップラ、 １１ 弁モジュール、 １２ マスタピストン、 １３ スレーブピストン、 １４ カップラばね、 １５ シール部材、 １６ 内室、 １７ 球欠状部材、 １８ 操作エレメント、 １９ 弁ニードル、 ２０ 弁閉鎖体、 ２１ 弁座面、 ２２ 孔、 ２３ 流入管片、 ２４ フィルタ、 ２５ 孔、 ２６ ギャップ、 ２７ プラスチック被覆部、 ２８ コネクタ

Claims (13)

1. 燃料噴射弁（１）、特に内燃機関の燃料噴射装置に用いられる燃料噴射弁（１）であって、少なくとも１つの電気的な線路（６）を介して励起可能な圧電式のまたは磁歪式のアクチュエータ（４）が設けられており、該アクチュエータ（４）が、ハウジング（２）内に配置された弁閉鎖体（２０）を操作するようになっており、該弁閉鎖体（２０）が、弁座面（２１）と協働してシール座を形成しており、さらに、ハイドロリック式のカップラ（１０）が設けられている形式のものにおいて、
   ハイドロリック式のカップラ（１０）が、アクチュエータ（４）と、弁閉鎖体（２０）および弁座面（２１）を有する弁アッセンブリ（１１）との間に定置に配置されていることを特徴とする、燃料噴射弁。
2. アクチュエータ（４）が、流入側の端部でアクチュエータベース（７）に支持されている、請求項１記載の燃料噴射弁。
3. アクチュエータベース（７）が、ハウジング（２）に結合されている、請求項２記載の燃料噴射弁。
4. アクチュエータ（４）が、流出側の端部でアクチュエータヘッド（８）に支持されている、請求項２または３記載の燃料噴射弁。
5. アクチュエータヘッド（８）が、ハイドロリック式のカップラ（１０）に結合されている、請求項４記載の燃料噴射弁。
6. ハイドロリック式のカップラ（１０）が、アクチュエータヘッド（８）に球欠状部材（１７）によって旋回可能に支承されている、請求項４記載の燃料噴射弁。
7. ハイドロリック式のカップラ（１０）が、弁ニードル（１９）に球欠状部材（１７）によって旋回可能に支承されている、請求項１から６までのいずれか１項記載の燃料噴射弁。
8. アクチュエータベース（７）に軸方向の少なくとも１つの孔（２２）が形成されている、請求項２から７までのいずれか１項記載の燃料噴射弁。
9. 電気的な線路（６）が、軸方向の少なくとも１つの孔（２２）内に配置されている、請求項８記載の燃料噴射弁。
10. 当該燃料噴射弁（１）が、流入側の端部にプラスチック被覆部（２７）を備えている、請求項１から９までのいずれか１項記載の燃料噴射弁。
11. プラスチック被覆部（２７）にコネクタ（２８）が一体成形されている、請求項１０記載の燃料噴射弁。
12. 電気的な線路（６）が、コネクタ（２８）内に通じている、請求項１１記載の燃料噴射弁。
13. 電気的な線路（６）が、当該燃料噴射弁（１）およびアクチュエータ（４）の長手方向軸線に対して軸線平行に延びている、請求項１２記載の燃料噴射弁。

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