JP2006504286A - 無線通信システムの効率的な選択と捕獲のための方法及び装置 - Google Patents

Abstract

【課題】システム捕獲の間に使用不可な無線通信システムを避ける為に移動局を適用する。
【解決手段】この移動局は、処理回路と、好ましいローミングリストとシステム回避データを格納するメモリとを含む。このシステム回避データは、使用不可なシステムを識別し、対応する回避基準を含む。この処理回路は、予め定めた捕獲手順に従って好ましいローミングリストからシステムを選択するように適用される。この選択されたシステムは、対応する回避基準が満たされた場合にはスキップされる。選択されたシステムが使用可能ならば、移動局は、捕獲を試み、選択したシステムを登録する。処理回路は、更に、通信失敗に応答してシステム回避データにシステムを加え、対応する回避基準がもはや満足されない場合にはシステム回避データからシステムを除去するように適用されている。この回避基準は、対応するシステムが使用不可である時間周期を含む。

Description

本発明は一般に無線通信に関し、特に好適な無線通信システムを効率的に選択し捕獲する方法及び装置に関する。

移動デバイスは、その地理的領域における一つ以上の無線通信システムにアクセスしなければならない。この移動デバイスに利用可能な無線サービスの品質は、各システムで使用される機器、移動デバイスの特徴、移動デバイスとローカル基地局との距離、ビルや丘などの物理的な障害物、及び各システムの通信トラフィックの量によってシステム毎に異なる。無線通信システムは、例えばコード分割多元アクセス（ＣＤＭＡ）、高帯域ＣＤＭＡ（ＷＣＤＭＡ）、先進移動電話サービス（ＡＭＰＳ）、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ（ＧＳＭ）、汎用パケット無線システム、又は高データ速度（ＨＤＲ）技術（例えばＩｘＥＶ技術）のような異なる多元アクセス無線通信プロトコルをもサポートする。さらに、移動デバイスのユーザに対して課せられる料金は、日時、無線通信システムとの接続の長さ、その移動デバイスが無線通信システムの加入者としてリストされているかによって変わりうる。

好ましい無線通信システムの選択を支援するために、従来の移動デバイスは、好ましいローミングリスト（ＰＲＬ）における知られているシステムを記載したデータを格納する。ＰＲＬは一般に、知られている無線通信システム毎にシステム識別子（ＳＩＤ）とネットワーク識別子（ＮＩＤ）とを格納しているシステムテーブルと、知られている無線通信システム毎に帯域、周波数、及びモードを含む捕獲パラメータを格納している捕獲テーブルとを含む。システムテーブル内では、無線通信システムは、地理的領域によってグループ化され、各領域において最も好ましいシステムから最も好ましくないシステムへソートされる。一般に、特定の地理的領域において最も好ましいシステムは加入者システムであるが、低コストで高品質なサービスの好ましい組み合わせを移動デバイスに提供するローミングシステムでもありうる。ローミングシステムは、無線サービスを、非加入者移動デバイスに、通常は、加入者サービスよりもはるかに高い料金で提供する。そして、移動デバイスが移動デバイスの加入者サービスのカバーエリアの外である地理的領域に入った場合、加入者サービスが妨害されたり利用できない場合、又は、加入者サービスが受け入れられないような低いレベルの品質である場合にのみ有効である場合が好ましいかもしれない。

移動デバイスのパワーアップシーケンスの間に、現在の地理的領域における移動デバイスに対して有効な最も好ましい無線通信システムの捕獲と登録が試みられる。あるアプローチでは、移動デバイスは、現在の地理的領域を認識し、システム捕獲と登録試行が成功するまで、認識された地理的領域における最も好ましいシステムから最も好ましくないシステムへと、システムテーブルのエントリを通る。この移動デバイスはまた、動作中の新たな無線通信システムへの捕獲と登録とを試みる。例えば、移動デバイスと現在の無線通信システムとの間の接続は、移動デバイスによって新たなシステムの捕獲が必要とされることによって失われるかもしれない。さらに、移動デバイスに有効な無線通信システムは、移動デバイスとその周囲の環境が変わることによって変化するかもしれない。移動デバイスのユーザに、高品質と低コストというベストな組み合わせを提供するために、多くの移動デバイスは、周期的にこの移動デバイスによって使用されている現在の無線通信システムよりもより好ましい無線通信システムの捕獲と登録とを試みる。移動デバイスは一般にその地理的領域内であって、この移動デバイスに使用されている現在のシステムよりもより好ましい無線通信システムのシステムテーブルを探索する。もしもより好ましシステムがこのシステムテーブル内で発見された場合には、移動デバイスは、現在の通信チャンネルから切り離し、より好ましいシステムのうちの一つを捕獲し登録するよう試みる。

上述したシステム捕獲シーケンスのようなシステム捕獲シーケンスは、最終的に一度システム捕獲と登録とが成功するまで、信号の捕獲と、対応する無線通信システムへの登録との試行を連続して失敗することがしばしある。これら失敗した登録／捕獲の試みは、共通であり、時間を浪費し（例えば、失敗した試行は、それぞれ２０秒にも及ぶ）、多くの要因によって引き起こされうる。例えば、パイロット信号が物理的障害物によって妨害されたり弱められたりした場合、あるいは移動デバイスが基地局のカバーエリア外にある場合には、移動デバイスは、システム基地局から送信されたパイロット信号を検出できなくなる場合がある。移動デバイスとシステムとが互換性のないプロトコルレビジョンとハードウェアとを使用した場合、あるいは、システムが移動デバイスの登録試行を拒否した場合には、システムへの登録が失敗するかもしれない。

上記を考慮して、無線通信システムを効率的に選択し、捕獲する方法及び装置に対する必要性が、当該技術分野にある。
米国特許第5,109,390号 米国特許第6,085,085号

本発明は、無線通信システムを効率的に選択し、捕獲するための方法及び装置である。好適な実施例において、移動局は、システム捕獲の間、使用不可能な無線通信システムを回避するように用いられる。移動局は、処理回路と、好ましいローミングリストとシステム回避データとを格納しているメモリとを含む。このシステム回避データは、使用不可能なシステムを識別し、対応する回避基準を含んでいる。処理回路は、好適には、予め定めたシステム捕獲手順に従って、好ましいローミングリストからシステムを選択するために用いられる。もしも対応する回避基準が満足された場合には、選択されたシステムはスキップされる。選択されたシステムが使用可能である場合には、移動局は、選択されたシステムの捕獲と、それへの登録とを試みる。処理回路は更に、通信失敗に応答してシステム回避データにシステムを追加し、対応する回避基準がもはや満足されない場合には、このシステム回避データからシステムを取り除く。

移動局は好ましくは、処理回路と、メモリと、通信トランシーバと、アンテナとを含む。処理回路は、移動局の動作を制御する制御プロセッサと、信号プロセッサと、サーチャと、システム判定ユニットと、時計とを含む。メモリは、好ましいローミングリスト（ＰＲＬ）を格納する。ＰＲＬは、無線通信システムの捕獲および、それへの登録の間に移動局によって使用される無線通信システムのリストを含む。ＰＲＬは、好適には、システム識別子、対応する好ましさ、及び地理的情報のリストを格納しているシステムテーブルと、システムテーブル内にリストされている無線通信システムの捕獲に必要な捕獲パラメータのリストを格納している捕獲テーブルとを含む。好適な実施例では、ＰＲＬは、移動局の無線サービスプロバイダのような外部ソースによって維持される。

処理回路は、メモリに格納される使用不可能なシステムのリストを生成し、維持するように適用されている。そして、複数のシステム識別子と、対応する回避基準とを含んでいる。各システム識別子は、一つ以上の無線通信システムを識別し、ＳＩＤ／ＮＩＤの組み合わせ、周波数、または他の識別子を含みうる。無線通信システムは、使用不可能なシステムのリスト内のシステム識別子によって識別され、対応する回避基準が満たされた場合には、使用不可能とみなされる。処理回路はまた、現在選択されている無線通信システムの通信失敗を検出し、使用不可能なシステムのリストに記録を追加するようにも適用されている。このリストは、失敗したシステムの識別子と、検出された通信失敗に基づく対応する回避基準とを含む
好適な実施例では、この回避基準は、現在時間に回避期間を加えたものに等しい回避時間を含む。回避期間は、複数の通信失敗のおのおのと、それに対応する回避期間のための入力を含むルックアップテーブル内で取得される。システム捕獲／登録試行が失敗した場合には、移動局は、この失敗の原因を識別し、ルックアップテーブル内における対応する回避期間を突き止める。対応する回避期間はその後、現在時間に加えられ、失敗したシステムに対する回避時間を生成する。この回避時間は、対応する無線通信システムが使用不可能である時間期間を識別する。この回避時間が満了した後、このシステムは使用可能になり、使用不可能なシステムのリストから削除される。

動作中、移動局は、予め定めたシステム捕獲手順に従って無線通信システムを捕獲するよう試みる。各システムはＲＰＬから選択されるので、移動局は、使用不可能なシステムのリストにおいて、選択されたシステムを探索する。そして、探索された場合には、対応する回避基準を分析し、選択されたシステムが使用不可能であるかを判定する。もしも選択されたシステムが使用不可能である場合には、このシステムは移動局によって回避され、予め定めたシステム捕獲手順に従ってＰＲＬから次のシステムが選択される。もしも使用可能なシステムが選択された場合には、信号を捕獲し、この選択されたシステムへの登録を行うための試行がなされる。システム捕獲／登録が成功した後、移動局は、以後の無線通信サービスのためにこのシステムを使用する。もしも捕獲／登録試行が不成功な場合には、この選択された無線通信システムが、使用不可能なシステムのリストに、対応する回避基準とともに追加される。

無線通信システムの効率的な選択と補足のための方法及び装置のより完全な理解は、以下に示す好適な実施例の詳細記述を検討することによって、付加的な利点及び目的の実現と同様、当該技術分野における熟練者に対して与えられよう。参照が、まず、手短に説明される添付図面に対してなされよう。

本発明の特徴、目的、利点は、同一の参照符号が用いられた図面とともに組み込まれた以下の詳細記載からより明らかになるであろう。

本発明の好適な実施例が、図１から図５に示されている。図１に示すように、移動局２は、少なくとも一つの基地局６によってサービスされる地理的領域４内で動作する。各基地局６は、例えばコード分割多元アクセス（ＣＤＭＡ）、高帯域ＣＤＭＡ（ＷＣＤＭＡ）、先進移動電話サービス（ＡＭＰＳ）、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ（ＧＳＭ）、汎用パケット無線システム、又は高データ速度（ＨＤＲ）技術（例えばＩｘＥＶ技術）のような少なくとも一つの多元アクセス無線通信プロトコルをサポートするより大規模な無線通信システムの一部であるネットワーク８に接続されている。移動局２は、例えば携帯電話、ページャ、ＰＤＡ、車両ナビゲーションシステム、又はポータブルコンピュータのような少なくとも一つの基地局６を備えた無線通信のために適用された固定型あるいは移動型であるあらゆる無線デバイスでありうる。

移動局２は、好適には、好ましいローミングリスト（ＰＲＬ）１０と、システム回避データ１２とを含む。ＰＲＬ１０は、移動局２の非揮発性メモリ内に格納されており、無線通信システムと、無線通信システムの捕獲とそれへの登録を試みている間に移動局２によって使用される捕獲パラメータのリストを含んでいる。好適な実施例では、ＰＲＬ１０は、移動局の無線サービスプロバイダによって更新され、その無線サービスプロバイダ、又は移動局２に対してローミングサービスを提供することに合意した他の無線サービスプロバイダによって移動局２に利用可能な無線通信システムのリストを含んでいる。システム回避データ１２は、移動局２によって維持され、無線通信システムと対応する回避基準のリストを含む。好適な実施例では、回避データ１２にリストされた各無線通信システムは、使用不可能であり、対応する回避基準が満足される限りは移動局２によって回避されよう。

動作中、移動局２は、予め定めたシステム捕獲手順に従って、無線通信システムを捕獲するよう試みる。このシステム捕獲手順は好適には、移動局の現在の地理的領域４における望ましい順に従った無線通信システムをＰＲＬ１０から選択することを含む。各システムが選択されると、移動局２は、回避データ１２において、選択されたシステムを探索する。そして、探索された場合には、対応する回避基準を分析し、選択されたシステムが使用不可能であるかを判定する。もしも選択されたシステムが使用不可能である場合には、このシステムは移動局２によって回避され、システム捕獲手順に従って次のシステムがＰＲＬ１０から選択される。もしも使用可能なシステムが選択された場合には、対応する信号の捕獲と、選択したシステムへの登録が試みられる。捕獲／登録の成功後、移動局２は、以降の無線通信サービスのために、選択されたシステムを使用する。もしも捕獲／登録の試みが不成功に終わった場合には、選択された無線通信システムが、対応する回避基準とともに回避データ１２に追加される。

図２に示すように、移動局２の好適な実施例が記載される。移動局２は、処理回路８０と、メモリ８２と、通信トランシーバ８４と、アンテナ８６とを含む。処理回路８０は、好適には、移動局２の動作を制御する制御プロセッサ９０と、信号プロセッサ９２と、サーチャ９４と、システム判定ユニット９６と、時計９８とを含む。メモリ８２は、好適には、揮発性及び非揮発性の両方のランダムアクセスメモリを含む。これは、システムテーブル１００、捕獲テーブル１０２、及び回避データ１０４を含む好ましいローミングリストを格納している。メモリ８２はまた一つ以上のルックアップテーブル１０６を格納する。

サーチャ９４は、アンテナ８６を介してトランシーバ８４によって受信されたパイロット信号、同期チャンネル、及びページングチャンネルのような有効な信号を識別するために適用されている。ＣＤＭＡ捕獲のためのサーチャハードウェアの設計および実装は、本発明の譲受人に譲渡されている「ＣＤＭＡ携帯電話システムにおける多様性受信器」と題された米国特許第5,109,390号（特許文献１）に記載されている。この文献は、ここでは、参考文献として組み込まれている。このシステム判定ユニット９６は、システムテーブル１００から一つ以上の無線通信システムを選択し、対応する捕獲パラメータを捕獲テーブル１０２から検索するために適用されている。このシステム判定ユニット９６は更に、捕獲パラメータを、一つの選択されたシステムを捕獲するよう試みるサーチャ９４に転送するために適用されている。別の実施例では、システム判定ユニット９６は、現在の無線通信システムが移動デバイスの現在の地理的領域内で最も好ましいシステムであるかを判定する。そして、より好ましいシステムが有効である場合には、移動局２による試行を開始し、より好ましいシステムを捕獲する。複数の地理的領域で動作可能な移動局内で好適なシステム選択を実行するための方法及び装置は、「好適なシステム選択を実行するための方法及び装置」と題された米国特許第6,085,085号（特許文献２）に記載されている。この発明は、本発明の譲受人に譲渡され、ここで参考文献として組み込まれている。

図２及び図３（ａ）に示すように、システムテーブル１００の好適な実施例が記載されている。このシステムテーブル１００は、無線移動局２が無線通信システムを捕獲し、これに登録するために、試行中に使用する無線通信システムのリストを含む。図示するように、システムテーブル１００における各レコードは好適には、システム識別子（ＳＩＤ）と、ネットワーク識別子（ＮＩＤ）と、このシステムが好適であるか又は否定的であるか（Ｐ／Ｎ）の表示と、地理的領域の識別子（Ｒｅｇｉｏｎ）と、捕獲テーブル１０２内のレコードに対するポインタ（ＡＴポインタ）とを含む。システムテーブル１００にリストされた各無線通信システムは、ユニークなＳＩＤ／ＮＩＤペアを介して識別され、ローミング中に移動デバイス２によって使用される好ましいシステムか、又はローミング中に移動デバイス２によって使用されるべきではない否定的なシステムのいずれかとして指定される。別の実施例では、システムテーブル１００にリストされた無線通信システムは、インターネットプロトコルバージョン６（ＩＰＶ６）アドレスか、又は公衆陸路モバイルネットワーク（ＰＬＭＮ：Public Land Mobile Network）識別子のような他のシステム識別子を使って識別される。無線通信システムは、好ましくは地理的領域によってグループ化され、各領域において最も好ましいシステムから最も好ましくないシステムへの順に格納されたシステムテーブル１００に格納される。各システムの好ましさは、システムを使用したコスト、システムによって提供された通信サービスの品質、システムによって使用されたプロトコル、ユニークな特徴に対するサポート、及び移動局２が無線通信システムの加入者であるかのような基準を使って判定される。別の実施例では、システムテーブル１００は、各システムに対する好ましさの割合（例えば、数値スコア）と、捕獲パラメータのような他の情報を含みうる。

図３（ｂ）に示すように、捕獲テーブル１０２の好ましい実施例が記載される。捕獲テーブル１０２は、システムテーブル１００にリストされた無線通信システムの捕獲のために必要なパラメータのリストを含む。図示したように、捕獲テーブル１０２における各レコードは、好ましくはモード、帯域、及び周波数を含む。しかしながら、他のシステム捕獲パラメータが使用されうることも認められよう。システムテーブル１００と捕獲テーブル１０２は好ましくは、非揮発性メモリ内に格納され、移動局の無線サービスプロバイダのような外部ソースによって、無線接続を横切るダウンロードや、別のデータ転送方法を介して周期的に更新される。

回避データ１０４の好適な実施例は、図２及び図３（ｃ）を参照して記載される。回避データ１０４は、移動局２の揮発性又は非揮発性いずれかのメモリにおけるテーブルとして格納される。回避データ１０４における各エントリは、ユニークなＳＩＤ／ＮＩＤペア又は周波数のような一つ以上の無線通信システムの識別子と、回避時間のような対応する回避基準とを含む。好適な実施例では、回避時間は、時計９８によって測定された時間である。そして、その後、対応する無線通信システムの捕獲を試みることが許される。第１の別の実施例では、図３（ｄ）に示すように、回避データテーブル１０６における各エントリは、以降のシステム捕獲の間に回避されるモード、帯域、及び周波数と、モード、帯域、及び周波数が回避される時間周期を定義する回避時間を含む。第２の別の実施例では、回避データは、各無線通信システムのための最も最近の捕獲／登録の失敗の識別子のような履歴情報を含む。

移動局２のための好ましいシステム捕獲シーケンスが、図２と、図４のフロー図とを参照して記載される。図示されたシステム捕獲シーケンスは好適には、無線通信システムを用いて捕獲及び登録する試行がなされる前に処理回路８０によって実行される。ステップ１５０では、移動局２は、予め定めたシステム捕獲シーケンスに従ってシステムテーブル１００からシステムを選択する。好適な実施例では、移動局の現在の地理的領域における最も好適なシステムが、好ましいローミングリストから選択される。ステップ１６０では、移動局２が、回避データ１０４内の選択されたシステムを探索する。そして、探索された場合には、対応する回避基準を分析し、選択されたシステムが使用不可能であるかを判定する。好適な実施例では、回避基準は、回避時間を含んでいる。この回避時間は、時計９８によって測定された現在時間と比較される。もしも回避時間が現在時間よりも大きい場合には、選択されたシステムは使用不可能となり、回避される。そして、制御はステップ１５０に戻り、ここでは、次に最も好適なシステムが、好ましいローミングリストから選択される。

選択されたシステムが回避データ１０４において取得されない場合か、又は選択されたシステムが回避データ１０４において取得され、回避時間が現在時間よりも小さい場合には、選択されたシステムは使用可能となり、制御はステップ１７０に進む。好適な実施例では、処理回路８０は、回避データ１０４から使用可能なシステムを取り除く。ステップ１７０では、選択されたシステムを用いて捕獲及び登録のための試行がなされる。もしもシステム捕獲／登録試行が成功した場合（ステップ１８０）には、移動局２は、以降の無線通信サービスのために、この選択されたシステムを使用する。この捕獲／登録試行が不成功であった場合には、ステップ１９０において、この選択されたシステムは、対応する回避時間とともに回避データ１０４に追加される。この回避時間は好適には、回避持続を、時計９８によって測定された現在時間に加えることによって計算される。回避データ１０４が更新された後、制御はステップ１５０に戻り、次に最も好ましいシステムが、好ましいローミングリストから選択される。

好ましい実施例では、回避時間を計算する為に使用される回避持続の値は、図５に示す回避持続ルックアップテーブル２００のようなルックアップテーブルから取得される。ルックアップテーブル２００は、エントリ２０２〜２１４にリストされた識別されたシステム捕獲及び登録失敗のような、複数の通信失敗のそれぞれのためのエントリを含む。そして、各エントリは、対応する回避持続を含む。システム捕獲／登録試行が失敗した場合には、移動局２は、この失敗の原因を識別し、ルックアップテーブル２００における対応する回避持続を突き止める。好適な実施例では、この失敗の原因は、捕獲／登録手続きが失敗したポイントを決定することによって識別される。対応する回避持続は、その後、現在時間に加えられ、失敗したシステムのための回避時間が生成される。別の実施例では、回避持続は、予め定めた定数、又は回避データ１０４における各新たなエントリに適用される関数である。

回避持続ルックアップテーブル２００は、好適には、移動局２によって検出可能な各システム捕獲／登録失敗に対応したレコードを含む。例えば、選択されたＣＤＭＡシステムへの捕獲／登録の試行は、移動局２がシステムのパイロット信号（レコード２０２）、同期チャンネル（レコード２０４）、又はページングチャンネル（レコード２０６）を取得することができない場合には失敗する。たとえ移動デバイス２が必要な信号を取得することができても、登録は、選択されたシステムによって拒絶することができる（レコード２０８）。さらに、選択されたシステムにアクセスする試みは、アクセス拒否、アクセスタイムアウト、最大アクセスプローブ送信、又はサポートされていないチャンネル割当によって失敗する。移動デバイス２は、頻繁な信号減衰（レコード２１０）を経るか、又は受信した信号の品質が不適切であると判定する。獲得／登録試行は、移動局２と、選択されたシステムとが、互換性がないプロトコルレビジョン及びハードウェア（レコード２１２）を使用する場合にも失敗する。通信失敗は、移動局２が選択されたシステムを捕獲し、それを登録した後にも起こりうる。例えば、移動局２は、ページングチャンネルにおける無効なリダイレクションメッセージ（レコード２１４）を受信しうる。

無線通信システムの効率的な選択及び捕獲のための方法及び装置の好適な実施例を記載することによって、当該技術分野における熟練者であれば、記載されたシステム内で、ある利点が達成されることが明らかになるであろう。様々な変形例、適用、及び別の実施例もまた、本発明の範囲及び思想内でなされうることが認められよう。例えば、移動局２は、回避データ１０４を無効にし、使用不可能なシステムを捕獲しようと試みることも考えられる。

本発明の範囲は、請求項によって定義される。

本発明の好適な実施例を示す図である。 本発明の好適な実施例に従った移動局である。 本発明の好適な実施例に従ったシステムテーブルと、捕獲テーブルと、回避データテーブルと、回避データテーブルの別の実施例とを示す図である。 好適なシステム捕獲手順を示すフロー図である。 本発明の好適な実施例に従った回避継続ルックアップテーブルを示す図である。

符号の説明

２…無線移動局、４…地理的領域、６…基地局、８…ネットワーク、１０…ローミングリスト、１２…システム回避データ、８０…処理回路、８２…メモリ、８４…通信トランシーバ、８６…アンテナ、９０…制御プロセッサ、９２…信号プロセッサ、９４…サーチャ、９６…システム判定ユニット、１００…システムテーブル、１０２…捕獲テーブル、１０４…回避データ、１０６…ルックアップテーブル、２００…回避持続ルックアップテーブル、２０２〜２１４…エントリ

Claims (21)

1. 好ましいローミングリストを含む移動局における、システム捕獲手順であって、
   使用不可能な無線通信システムのリストを維持することであって、前記使用不可能な無線通信システムのリストにおける各エントリは、システム識別子と、対応する回避基準とを含んでいることと、
   予め定めたシステム捕獲シーケンスに従って、前記好ましいローミングリストから無線通信システムを選択し、使用可能なシステムが選択されるまで、この選択するステップを繰り返すことと、
   前記選択された無線通信システムを捕獲し、これに登録することを試みることとを備え、
   使用不可能な無線通信システムのリストが対応するシステム識別子を含み、対応する回避基準が満足されている場合には、前記選択された無線通信システムは使用不可能である手順。
2. 請求項１に記載の方法において、各システム識別子は、少なくとも一つの無線通信システムを識別する方法。
3. 請求項２に記載の方法において、各無線システム識別子は、周波数を含む方法。
4. 請求項１に記載の方法において、各無線システム識別子は、無線通信システムをユニークに識別するシステム識別子／ネットワーク識別子のペアを含む方法。
5. 請求項１に記載の方法において、前記維持することは、
   無線通信システムへの通信失敗を検出することと、
   前記失敗した無線通信システムと対応する回避基準の識別子を含む新たなエントリを使用不可能な無線通信システムのリストに加えることとを備えた方法。
6. 請求項５に記載の方法において、前記維持することは更に、
   前記検出されたシステム失敗に回避持続を割り当てることと、
   これよりも前には前記失敗した無線通信システムが使用不可能であり、現在時間に前記回避持続を加えたものに等しく、前記回避基準に含まれている回避時間を計算することとを備えた方法。
7. 請求項６に記載の方法において、格納された回避時間が前記現在時間よりも大きい場合には、前記回避基準が満たされる方法。
8. 請求項７に記載の方法において、前記回避持続を割り当てることは、
   それぞれが、対応する回避持続を持っている検出可能な無線通信失敗のリストを維持することと、
   前記無線通信失敗のリストにおいて、前記検出したシステム失敗を突き止めることと、
   前記計算することにおいて対応する回避持続を使うこととを更に備えた方法。
9. 請求項８に記載の方法において、前記検出することは、前記選択された無線通信システムを捕獲し、それに登録することに失敗した試みを検出することを含む方法。
10. 請求項９に記載の方法において、前記選択することと、試みることとは、前記移動デバイスが、前記選択された無線通信を捕獲し、それに登録することが成功するまで繰り返される方法。
11. 請求項１に記載の方法において、前記無線通信システムは、予め定めた好ましい規則に従った好ましいシステムリストから選択される方法。
12. 移動局において、無線通信システムに使用不可能であるとマーキングする方法であって、
    使用不可能な無線通信システムのリストを維持することであって、前記使用不可能な無線通信システムのリストにおける各エントリは、システム識別子と対応する回避基準を含んでいることと、
    現在選択された無線通信システムに対応した通信失敗を検出することと、
    使用不可能なシステムの格納されたリストに、レコードを追加することであって、前記追加されたレコードは、現在選択された無線通信システムの識別子と、検出された通信失敗に基づく対応する回避基準とを含んでおり、現在選択された無線通信システムは使用不可能である一方、対応する回避基準が満足されることとを備えた方法。
13. 請求項１２に記載の方法において、各システム識別子は、少なくとも一つの無線通信システムと関連している方法。
14. 請求項１２に記載の方法において、前記追加することは、
    検出された通信失敗に回避持続を割り当てることと、
    これより前には、失敗した無線通信システムが使用不可能であり、現在時間に前記回避持続を加えたものに等しい回避時間を計算することと、
    前記回避時間を、対応する回避基準として格納することとを備えた方法。
15. 請求項１４に記載の方法において、回避持続を割り当てることは、
    各々が、対応する回避持続を持つ識別された無線通信のリストを維持することと、
    無線通信失敗のリストにおいて、検出されたシステム失敗を突き止めることと、
    前記計算することにおいて、対応する回避持続を使用することとを備えた方法。
16. 請求項１５に記載の方法において、識別された無線通信失敗のリストに格納された少なくとも二つの回避持続は、異なる値を持つ方法。
17. 移動局であって、
    第１の複数のシステム識別子と、対応する捕獲パラメータとを含む好ましいローミングリストを格納したメモリと、
    前記メモリに格納されており、第２の複数のシステム識別子と、対応する回避基準とを含む使用不可能なシステムのリストを生成し、維持するように適用された処理回路とを備え、
    無線通信システムは、使用不可能なシステムのリストにおけるシステム識別子によって識別され、対応する回避基準が満足される場合には、使用不可能である移動局。
18. 請求項１７に記載の移動局において、前記処理回路は、
    予め定めたシステム捕獲手順に従って、前記好ましいローミングリストから無線通信システムを選択し、使用可能である選択された無線通信システムを捕獲することを試みる
    ように適用されたシステム判定ユニットを備えた移動局。
19. 請求項１８に記載の移動局において、前記処理回路は更に、
    選択した無線通信システムの通信失敗を検出し、検出した通信失敗に応答して、使用不可能なシステムのリストに、前記選択された無線通信システムのためのシステム識別子と、前記選択された無線通信システムが使用不可能である持続を示す回避時間とを含むエントリを追加するように適用された移動局。
20. 請求項１９に記載の移動局において更に時計を備えており、前記メモリは更に、各対応する回避持続を持つ通信失敗のリストを含み、
    前記回避時間は、前記時計によって測定された現在時間に、対応する通信失敗のための回避持続を加えた値に等しい移動局。
21. 請求項２０に記載の移動局において、前記処理回路は更に、前記対応する回避時間が現在時間よりも小さい場合には、使用不可能な通信システムのリストからエントリを削除するように適用されている移動局。

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