JP2006500959A - 動的サンプリング結合によるポリヌクレオチド合成および標識化 - Google Patents

動的サンプリング結合によるポリヌクレオチド合成および標識化 Download PDF

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Abstract

結合すべきオリゴヌクレオチドに相補的、または部分的に相補的な骨格オリゴヌクレオチドの存在下での2種以上のオリゴヌクレオチドの結合を含む、ポリヌクレオチドの構築方法および/または標識方法およびそのためのキット。完全長のオリゴヌクレオチドのテンプレートは必要とされない。骨格オリゴヌクレオチドと結合すべき少なくとも1種のオリゴヌクレオチドとの間に安定な二重鎖を形成させない条件下で結合を実施できる。これら不安定な結合条件下では、これら2種のオリゴヌクレオチド調製物中の切断された、もしくは非結合性の混入物は、所望のオリゴヌクレオチド産物の形成をそれほど阻害しない。本発明の方法により、結合反応におけるオリゴヌクレオチドを精製することなく利用できる。また、本発明の方法により、標的オリゴヌクレオチドの一端または両端に対するオリゴヌクレオチドの末端特異的付加も可能となる。

Description

(関連出願に対するクロス・リファレンス)
本出願は、2002年9月30日出願の米国仮特許出願第60/415、043号および2003年2月7日出願の米国仮特許出願第60/446,184号の利益を主張し、それらの開示は参照としてそれらの全体を本明細書に組み込んである。
(発明の分野)
本発明は、分子生物学の分野にあり、遺伝的プローブとしての利用および他の目的に好適なポリヌクレオチドの構築に関する。より具体的には、本発明は、第一にオリゴヌクレオチド精製を必要路せずに、また、ポリヌクレオチドのテンプレートを必要とせずに、より短いオリゴヌクレオチドの結合によりポリヌクレオチドを構築する方法に関する。また本発明は、一本鎖ポリヌクレオチドの一端または両端にオリゴヌクレオチドを結合する方法に関する。
(発明の背景)
種々の現代分子生物学的方法は、比較的長い一本鎖プローブを必要としている。
例えば、国際公開第02/057491号およびHardenbolら、Nature Biotechnol.21(6):p.673−678(2003)に記載された遺伝子型法においては、各プローブが、核酸標的に相補的な少なくとも2つの標的ドメイン、および少なくとも1つの一般的プライミング部位を含み、またそれに加えてさらに、一般的プライミング部位、1つ以上の遺伝子型標識(「バーコード」配列)、および他の配列を含み得るため、プローブは長さが優に80nt超であり得る。種々の型の複合ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)、RNAプロファイリング法および遺伝子発現採点法も同様に長い一本鎖(「ss」)プローブを必要とする。
これらの種々の方法において、複数の長い一本鎖プローブを合わせて、混合物またはライブラリとして複合分析に用いる。
長い一本鎖ポリヌクレオチドを構築する現在の方法は、扱いにくく非効率的であり、特にこのようなプローブを複数含むライブラリの調製ではそうである。
必要な長さのポリヌクレオチドの直接的な化学合成では、全体的な収率が低く、ヌクレオチドの一端または両端における1種以上のヌクレオチドを欠如した切断オリゴヌクレオチド混入の割合が高い。例えば、1つの結合サイクル当たり99%の効率であっても、120塩基のオリゴヌクレオチド合成では、完全長産物の収率はわずか3%であり、30倍モル過剰の切断体を伴うと考えられる。低収率のため十分な最終産物を得るために費用のかかる大規模合成が必要であり、また、切断体の割合が高いため、完全長産物の精製が必要である。それらが低収率であることに加え、これらの化学的合成法では各プローブの個別の合成が必要であり、その後、複合分析用にそれらを合わせなければならない。
直接的化学合成の代替法であるPCR合成は、3’から5’エキソヌクレアーゼ活性を有するプルーフリーディングポリメラーゼを用いたとしてもエラーを生じ易い。さらに増幅に基づく合成法には、所望のプローブ配列の全体の長さに相補的なテンプレートポリヌクレオチドが必要である。プローブ長のテンプレートが天然源から入手できない場合は、このテンプレートを、典型的には化学合成しなければならず、長いオリゴヌクレオチドの直接的化学合成に本来含まれている問題や不利な点を繰り返すことになる。
直接的化学合成のもう1つの代替法であるテンプレート方向性結合(TDL)は、所望のポリヌクレオチド産物の全体の長さに相補的なポリヌクレオチドテンプレートに対するハイブリダイゼーションにより、結合のために整列する多数のオリゴヌクレオチドの結合を含む。米国特許第5,998,175号は、五量体オリゴヌクレオチドを用いてTDLに基づく方法を記載しているが、切断体はこのような短いオリゴヌクレオチドの合成産物の小フラクションしか含まないため、このような五量体オリゴヌクレオチドは、混入切断体から精製されることなく、結合する上で十分短い。しかし、PCRを用いる場合、一連のポリヌクレオチドプローブの各メンバーに対して異なった配列を有する別々のテンプレートが必要であるため、長い一本鎖プローブの合成にとってTDLは実行不可能であり、特にこのようなプローブの全体ライブラリの合成ではそうである。
また、完全長テンプレートが必要な方法は、同一の、または等価に近い長さのテンプレートからプローブを単離する問題も示す。
結合に基づく他の方法では、完全長テンプレートの必要性は除かれる。この方法では、2つの短い基質オリゴヌクレオチドが、結合すべき両端において各基質オリゴヌクレオチドに相補的な第3のオリゴヌクレオチドに対する安定なハイブリダイゼーションにより、結合に適切な区域に保持され、この第3のオリゴヌクレオチドは、サブテンプレートの長さである。
このような方法により、完全長テンプレートの必要性は除かれるが、基質オリゴヌクレオチドが、結合前に切断体から精製されることが必要である。混入切断体、特に結合すべき末端にわずか1つか2つの末端ヌクレオチドまたは末端リン酸塩基を欠いているものは、第3のオリゴヌクレオチドと安定して未生成複合体を形成することができ、所望の完全長ポリヌクレオチド産物を形成するための完全長オリゴヌクレオチドの結合を強く阻害するからである。
したがって、長い一本鎖ポリヌクレオチドを構築する効率的で経済的な方法に対する必要性が存在している。前記方法は、所望の各プローブに対する別々の完全長ポリヌクレオチドテンプレートの前構築を要するものであってはならない。前記方法は、混入切断体分子からの前精製なしでオリゴヌクレオチドを使用できなくてはならない。可能ならば、前記方法は、幾つかの分析法において、各プローブ分子における大多数の配列は、検出すべき遺伝変異体または分析すべき座に係らず同一であり、配列の変化は、プローブ内の十分規定された部分に特異的であるように限定されているという事実を利用すべきである。前記方法は、ライブラリにおける配列全体領域が別々の反応ではなく、同一の合成反応において、同時に創製できる複合フォーマットにおいて使用できるものでなければならない。前記方法は、高い結合効率を示し、所望のポリヌクレオチドプローブの高収率をもたらすものでなければならない。
(発明の概要)
本発明は、3種の短いオリゴヌクレオチドを結合することによって、遺伝子プローブとしての使用に好適なポリヌクレオチド構築のための方法を提供することにより、当業界におけるこれらの、および他の必要性を満たす。結合すべき3種のオリゴヌクレオチド全てに相補的、または部分的に相補的な骨格オリゴヌクレオチドが提供される。完全長テンプレート鎖は必要ない。すなわち、骨格オリゴヌクレオチドは、長さにおいてサブテンプレートである。骨格オリゴヌクレオチドは、前記3種の骨格オリゴヌクレオチドを結合のために適切に整列させる上で役立つが、所望の結合産物の全体の長さを伸長させることはない。前記骨格に対する外側オリゴヌクレオチドのアニーリングが不安定であるように、結合条件が選択される。このような条件により、結合反応は、オリゴヌクレオチド調製物における非結合性混入物による阻害に抵抗性となり、これは非精製オリゴヌクレオチドが使用できるということを意味する。
一実施形態において、結合すべき第1のオリゴ、中心オリゴおよび第2のオリゴを、中心オリゴの全長に相補的だが、その(骨格オリゴヌクレオチドの)末端においては、第1および第2のオリゴ各々の一端における短い領域に対してのみ相補的である骨格オリゴヌクレオチドにアニールする。骨格オリゴおよび中心オリゴを、それらの合成反応の混合産物中に存在する切断体および他の結合不完全体から精製する。第1のオリゴおよび第2のオリゴは、それら各々のオリゴヌクレオチド合成反応の、切断体および他の結合不完全混入物を含む全集団として、精製せずに用いられる。
結合条件およびオリゴヌクレオチド間の相補性領域の長さは、結合中に前記骨格が、第1および第2のオリゴに対して不安定にアニールされるように選択される。このような不安定なアニーリングは、第1および第2のオリゴヌクレオチドに対して、切断体を含む合成産物の集団をサンプリングする一つの過程であるが、このような条件下では、二重鎖体は迅速に形成し、解離する。混入している結合不完全オリゴによって形成した二重鎖は、結合にとって良好な基質とはならず、迅速に解離する。その結果、第1および第2のオリゴヌクレオチド合成反応混合物中の所望の完全長合成産物は、骨格と共に二重鎖を形成し、中心オリゴヌクレオチドに結合する。このような結合は、過剰な混合物の存在に係らず、リガーゼ酵素が所望の完全長合成産物と選択的に結合することのできるサンプリング過程である。このような条件下で実施される結合反応は、「サンプリング結合」と称することができる。
リガーゼ酵素と適切な補因子、塩および緩衝剤を加え、結合が実質的に完了するまで、前記反応液を適切な温度に温置する。次いで場合によっては、前記完全長結合産物を変性、および変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)またはカラムクロマトグラフィなどのサイズに基づく分離によって、骨格オリゴヌクレオチドおよび他の非結合オリゴヌクレオチドから単離できる。第1オリゴヌクレオチド、中心オリゴヌクレオチドおよび第2オリゴヌクレオチドの結合により構築された所望の完全長結合産物は、ポリヌクレオチド産物と称される。
前記方法は、オリゴヌクレオチドの連続的添加によって実施できるか、または、単一の工程で実施できる。骨格と第1または第2のオリゴとの間の相補性領域は、例えば、5ntから10ntの長さで変化でき、また結合は、例えば20℃から60℃の種々の温度で実施できる。骨格と第1および第2のオリゴとの間の不安定なアニーリングにとっての唯一の要件は、結合温度が安定な二重鎖形成を防ぐ上で十分高いことである。前記方法は、第1および第2のオリゴ各々に関する単一のオリゴヌクレオチド合成反応の産物と共に使用できるか、または、完全長産物の配列が互いに異なる複数のオリゴヌクレオチド合成と共に使用できる。5つから100の別個のオリゴヌクレオチド合成の産物をプールして、サンプリングすべき第1または第2のオリゴヌクレオチドの集団を形成できる。
また、本発明の方法は、オリゴヌクレオチドを標的ポリヌクレオチドの3’末端、5’末端またはそれら双方に結合することにより、標的一本鎖ポリヌクレオチドを伸長させるためにも用いることができる。3’末端および5’末端に関して、別個の骨格オリゴヌクレオチドを用い、標的ポリヌクレオチドの反対の末端に異なる伸長オリゴヌクレオチドを付加することが可能となる。結合は、骨格オリゴヌクレオチドが標的ポリヌクレオチドに不安定にアニールする条件下で実施できる。
標的ポリヌクレオチドに付加されたオリゴヌクレオチドは、PCRプライマー結合部位、バーコード配列、またはIIS型の制限エンドヌクレアーゼ結合部位などの引き続く実験操作において有用な配列を含有し得る。
また、前記方法は、例えば、放射性標識または蛍光標識の付加により、1つのオリゴヌクレオチド、または複数のオリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端のいずれかを標識化するために用いることもできる。
また、本発明の方法は、1種以上の切断体の10倍モル過剰までの存在下で2種以上のオリゴヌクレオチドを、切断体なしで実施された同一の結合反応に比して3倍未満の結合効率の低下で結合するためにも用いることができる。
(発明の詳細な説明)
図1に、ポリヌクレオチド構築の幾つかを先行法を概略的に示している。これらの先行法は、遺伝子プローブとしての使用に好適な異なる種のポリヌクレオチド種の全体ライブラリを生成するには非効率的である。図1Aは、米国特許第5,998,175号の方法の一実施形態を示し、図1Bは、米国特許第6,110,668号の方法の一実施形態を示しており、これらの開示は、参照としてそれらの全体を本明細書に組み込んである。これら2つの方法は、上に相補鎖、すなわちポリヌクレオチド産物を構築する完全長テンプレート鎖を必要とする。図1Cは、米国特許第5,380,831号の方法の一実施形態を示し、図1Dは、Chalmersら、2001年、Bio Techniques 30:p.249の方法の一実施形態を示しており、これらの開示は、参照としてそれらの全体を本明細書に組み込んである。後者のこれら2つの方法は、所望のポリヌクレオチド産物と共に、完全長テンプレートの合成を伴う。これら4つの方法は全て、ポリヌクレオチド産物が一本鎖遺伝子プローブとして使用できる前に、テンプレート鎖がポリヌクレオチド産物から分離され、除去されることを必要とする。
図1A〜1Dに示された方法もまた、ポリヌクレオチド産物の構築に使用されるオリゴヌクレオチドが使用前に構築されるか、または非常に短いオリゴヌクレオチドのみの使用を必要とする。このような精製には時間がかかり、また費用もかかる。各々を比較的少量のみ必要とする遺伝子プローブとして使用される多数の異なるポリヌクレオチド種のライブラリ構築にとって、完全長テンプレートと結合前のオリゴヌクレオチド精製を必要とする方法は不適当である。
本発明は、一態様において、遺伝子スクリーニングにおけるプローブとしての使用に好適なポリヌクレオチドのライブラリ構築の方法を提供する。前記方法は、3種の短いオリゴヌクレオチドの速度論的サンプリング結合を含むが、3種のうちの2種は精製せずに、遺伝子プローブとしての使用に好適な産物ポリヌクレオチドに入ってもよい。
図2Aおよび2Bは、前記方法の2つの態様を示している。図2Aについて述べると、第1および第2のオリゴを中心オリゴヌクレオチドの各々、5’末端および3’末端に結合させる。3種のオリゴヌクレオチドの結合は、中心オリゴヌクレオチドの全長に相補的であり、中心オリゴヌクレオチドの5’末端および3’末端の双方を越えて延長する骨格オリゴヌクレオチドの存在下で実施される。
中心オリゴヌクレオチドと骨格オリゴヌクレオチドのアニーリングによって形成した二重鎖をコア二重鎖と称する。コア二重鎖は、中心オリゴヌクレオチドと骨格オリゴヌクレオチドを第1および第2のオリゴヌクレオチドと接触させる(例えば、混合)前に、中心オリゴヌクレオチドを骨格オリゴヌクレオチドに部分的に二重鎖化することによって形成できる。(本明細書において、用語の接触、混合、調合は、同義に用いられる)。あるいは、コア二重鎖は、第1および第2のオリゴヌクレオチドの存在下で形成できる。
中心オリゴヌクレオチドの5’末端を越えて延長しているオリゴヌクレオチド骨格の塩基は、第1のオリゴに相補的であり、中心オリゴヌクレオチドの3’末端を越えて延長しているものは、第2のオリゴに相補的である。示された実施形態において、結合すべき3種のオリゴヌクレオチド全てが、骨格オリゴヌクレオチドと塩基対になっている場合、骨格上に対合していない塩基はなく、第1および第2のオリゴの末端は、各々中心オリゴヌクレオチドの5’末端および3’末端に対する効率的結合にとって適切に配置される。
結合に用いられるオリゴヌクレオチドは、典型的にはホスホラミダイト合成などの従来の固相自動化学合成によって得られるが、他の方法で得られたオリゴヌクレオチドを用いることもできる。前記方法により、未精製の第1および第2のオリゴヌクレオチド、すなわちオリゴヌクレオチドを固相支持体から開裂させた後、所望の完全長オリゴヌクレオチド合成産物から切断オリゴヌクレオチドもしくは不完全オリゴヌクレオチドを分離および除去する試みを行わなかったオリゴヌクレオチド合成反応産物の粗製集団の使用が可能となる。このような化学合成反応産物の混合物は、固相支持体からの開裂前に行われる脱保護、洗浄および濯ぎなどのいずれの工程に係らず、本明細書において未精製と称される。また、反応産物は、固相支持体からの開裂後に行われる脱塩または洗浄などの工程が切断合成産物の除去を意図したものではない限り、それらの工程に係らず、未精製と称される。
本明細書に用いられる用語の「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」は、特定の数々のヌクレオチドを表す意図はなく、同義に用いられる。すなわち、「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」の双方とも、任意の長さの分子を称し得る。本明細書に用いられる用語の「オリゴ」は、「オリゴヌクレオチド」と同義である。
たいていの適用において、骨格オリゴヌクレオチドは化学的に合成され、図2Aに示したように、他のオリゴヌクレオチドと所望の相補性を提供する必要はもはやない。しかし、他の実施形態において、天然源から得た一本鎖オリゴヌクレオチドを骨格オリゴヌクレオチドとして用いてもよい。このような骨格オリゴヌクレオチドは、それらの3’末端、5’末端または双方に追加のオリゴヌクレオチドを含み得る。これらの追加のオリゴヌクレオチドは、骨格オリゴヌクレオチドの相補性領域を越えて、第1および第2のオリゴヌクレオチドへと伸長し、結合反応の所望産物の配列に相補性はなく、ポリヌクレオチド産物の合成に役割を演じることはない。
次に、第1オリゴと第2オリゴが、骨格オリゴヌクレオチドと安定な二重鎖を形成しない条件下でコア二重鎖、第1オリゴおよび第2オリゴ、リガーゼ、塩類、緩衝剤および補因子を温置する。一実施形態においては、これらの条件下で中心オリゴヌクレオチドと骨格オリゴヌクレオチドは、安定なコア二重鎖を形成する。しかし、結合条件下で、コア二重鎖が安定か不安定かは、本発明の本質的な点ではない。
コア二重鎖と第1および第2オリゴとの間の安定な二重鎖形成を可能としない条件下での結合は、本明細書において、速度論的サンプリング結合または単にサンプリング結合と称され、図2Bに示される。簡略化するため、サンプリング結合は、第2のオリゴの結合に関してのみ示しており、点線の囲みは、コア二重鎖に関する部分を表している。コア二本鎖の他の末端では、第1のオリゴで類似の過程が行われる(示していない)。
示されるように、切断体を含む第2オリゴに関する合成産物の未精製混合物をコア二重鎖に加えると、コア二重鎖と切断体または完全長第2オリゴとの間の複合体となる。切断複合体はギャップを含み、それらが結合されることを防ぐが、一方、完全長複合体はそうではない。1個の塩基を欠如している切断体の1種のみを図2Bに示しているが、オリゴヌクレオチド合成産物の未精製混合物は、2つ以上の塩基を欠如している切断体も含有し得る。完全長第2オリゴヌクレオチドのみが結合して、所望のポリヌクレオチド産物を形成できる。次いで切断体オリゴヌクレオチドとの複合体に残留している未結合コア二本鎖は、残留している切断体および完全長の第2オリゴと再平衡化し、図2Bの最初の再平衡化工程に示されるように、切断体と完全長オリゴ複合体との混合物を再び生成する。そして再び、完全長の第2オリゴを含有している複合体のみが結合してポリヌクレオチド産物を形成することができる。
コア二重鎖に対して、過剰の完全長第2オリゴが存在するという条件で、このような結合と再平衡の多数のサイクル後、全ての、または相当なパーセンテージのコア二重鎖が、完全長第2オリゴと結合して所望のポリヌクレオチド産物を形成する。図2Bには、このような再平衡化工程の3つだけが示されているが、このような工程の実際の数は、限定はしないが、オリゴヌクレオチド合成産物混合物中の混入切断体の割合などの多数の実験変数に依存する。
前記結合反応は、所望の収量の完全長ポリヌクレオチド産物が得られるまで進行させるが、典型的には、数時間以下の長さで実施されることが典型的には好都合である。図2Bに関しては、結合と再平衡化の十分なサイクルを行って所望の収量のポリヌクレオチド産物を得るまで、反応を進行させる。前記反応条件は、結合反応が好都合な時間内に完了できる十分に迅速な再平衡化を保証するように選択される。前記反応の完了の程度は、生成した完全長ポリヌクレオチド産物量の定量的測定、例えば、ゲル電気泳動によって容易に評価できる。
結合条件としては、温度、塩濃度、イオン強度、分子密集化剤の有無、pHおよび核酸塩基対合の安定性に影響を与える他の全ての因子が挙げられる。第1または第2オリゴと骨格との間に形成した二重鎖の長さは、核酸二重鎖の安定性、したがってコア二重鎖と切断体および完全長の第1ならびに第2オリゴとの再平衡化の割合に影響を与える他の変数である。結合反応の時間枠に比して迅速に再平衡化する二重鎖は、不安定な二重鎖と言われる。
不安定な二重鎖化オリゴの結合は、完全長オリゴヌクレオチドの切断体を含有するオリゴヌクレオチドの混合物を結合させる場合、著しい利点を有する。このような切断体は、オリゴヌクレオチドの化学合成において常に生成し、合成されているオリゴヌクレオチドの長さが増加するにつれて切断体は、全反応産物のうちのより大きなパーセンテージを含む。切断体の存在が所望の反応を阻害する先行法においては、およそ20以上のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドを、使用前に混入切断体から典型的には精製しなければならない。このようなオリゴヌクレオチドの精製は、時間および労力集約的であり、したがって費用のかかる分取スケールの変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、典型的に達成される。
本発明の方法において、第1および第2のオリゴヌクレオチド合成産物の集団における非結合性混入物によって形成された不安定な二重鎖は、結合反応の時間に関して比較的迅速に解離し(すなわち、再平衡化が生じ)、したがって、完全長の第1または第2のオリゴによる二重鎖形成を永続的に妨害することはない。完全長の第1または第の2オリゴによって形成された二重鎖もまた、短命であるが、結合が不可逆的であるため、図2Bに示されるように、このような一時的な「不安定な」二重鎖の比較的まれな結合であっても結局、結合される得る核酸鎖の結合の全てとは言わなくてもほとんどのものとなる。
本発明によるサンプリング結合反応は動的である。すなわち、コア複式と第1および第2オリゴとの間の多くの短命な二重鎖が結合反応の進行中に形成され、解離する。結合反応の長さと同等の半減期を有する混入切断オリゴの長命な二重鎖形成を防ぐのは、この動的な再平衡化であり、これが完全長オリゴの結合を防ぐと考えられる。このようにして、速度論的サンプリング結合は、混入切断体による所望の完全長結合産物の形成阻害を防ぐ。本明細書の下記の実施例1は、本発明のサンプリング結合法の一実施形態を用いた遺伝子プローブとしての使用に好適なポリヌクレオチド構築を証明している。二重鎖形成が「安定」であるか「不安定」であるかを決定する実験法は下記で検討され、図3に示され、実施例3で証明されている。
安定な二重鎖条件下での伝統的結合とは異なり、本発明においては、切断体の存在が、所望の結合産物の形成を妨げない。この理由から、本発明により、切断体含有オリゴヌクレオチド合成産物の集団を第1および第2オリゴとして用いることが可能である。実施例3は、本発明のこの特徴を示している。
一実施形態において、本発明の方法において用いられる結合反応条件により安定なコア二重鎖が形成され、その温度は、リガーゼ活性を許容する上で十分低い。他の実施形態おいて、コア二重鎖における中心オリゴヌクレオチドと骨格オリゴヌクレオチドとの間の相補的な塩基数は、コア二重鎖と第1または第2のオリゴいずれかとの相補的な塩基数よりも多いため、コア複式は安定であるが、第1および第2オリゴとの複合体は不安定である結合温度が存在することになる。
本発明の一実施形態において、第1および第2のオリゴヌクレオチドの添加前の最初の工程において、中心オリゴヌクレオチドをオリゴヌクレオチド骨格にアニールさせてコア二重鎖を形成する。このように形成されたコア二重鎖を引き続き、幾つかの異なる合成反応に使用するために保存できる。
ハイブリダイゼーションと同様に、アニーリングは、核酸の相補鎖間の塩基対形成を言う。アニールされた鎖を二重鎖と称することができ、二重鎖を創製する過程を二重鎖化と称することができる。片方または双方の鎖の全塩基未満の塩基が対合する場合、この結果は部分的二重鎖となり、部分的二重鎖を創製する過程を、部分的二重鎖化と称することができる。アニーリング、塩基対合、ハイブリダイジングおよび二重鎖化は、本明細書においては同義に用いられ、アニールする、塩基対合する、ハイブリダイゼーションするおよび二重鎖化するも同様である。アニーリング、塩基対合、ハイブリダイジングおよび二重鎖化は、安定であるか、不安定であるかのいずれかであり得る。別に示されない限り、核酸の相補鎖は平行な二重鎖ではなく、逆平行の二重鎖を形成するとみなされる。
全ての配列の違いを第1および第2のオリゴに組み込み、その結果、プローブライブラリの全メンバーにとって中心オリゴヌクレオチドおよび骨格オリゴヌクレオチドが同じであるように遺伝子プローブライブラリをデザインできる場合、共通コア二重鎖の形成は、特に有利である。次いで、同じコア二重鎖を用い、用いられる第1および第2オリゴを単に交換するだけでプローブライブラリの全メンバーを構築することができる。他の実施形態では、中心オリゴヌクレオチドの単一種を種々の骨格オリゴヌクレオチドの混合物にアニールさせて、骨格の一本鎖「接着性末端」領域だけが異なるコア二重鎖のファミリーを形成することができる。
次に、前記複式に、第1オリゴ、第2オリゴまたは双方を加える。一実施形態において、第1および第2のオリゴの双方とも結合において、中心オリゴヌクレオチドの少なくとも5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、さらに少なくとも10倍モル過剰で存在する。
本発明の他の実施形態では、中心オリゴヌクレオチドおよび骨格オリゴヌクレオチドと共に第1オリゴ、第2オリゴまたは双方の同時添加を含む。しかし、第1、第2、中心および骨格オリゴヌクレオチドの添加順序は、本発明の本質的な点ではなく、いずれの順序も本発明の範囲内に入る。
次にリガーゼを、このリガーゼに必要な塩類、緩衝剤および補因子と共に加える。他の実施形態は、反応の異なった時点でのリガーゼ、塩類、緩衝剤および補因子の添加を含むが、添加のタイミングは、本発明の本質的な点ではない。結合は、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、大腸菌DNAリガーゼ、もしくは熱安定性Pfu DNAリガーゼ、または他の任意の生物の任意の酵素、またはオリゴヌクレオチドを繋ぎ合わせることのできる任意の合成酵素などのリガーゼ酵素を使用することによって実行できる。結合すべきオリゴヌクレオチドが、RNAリガーゼの基質である場合は、RNAリガーゼもまた使用できる。結合温度は、少なくとも20℃、25℃、30℃、35℃、42℃、50℃または60℃であり得る。
上記のとおり、中心オリゴヌクレオチドおよび骨格オリゴヌクレオチドを含むコア二重鎖は、比較的大量にバルクで調製でき、数種の異なる反応に使用するために保存でき、また、保存してそのアリコートを多数回使用できる。中心および骨格オリゴヌクレオチドは、コア形成前に切断体から精製できる。本発明の一実施形態において、中心および骨格オリゴヌクレオチドが遺伝子プローブライブラリの全メンバーに共通であるため、これら2種のオリゴヌクレオチドは、時間と労力の最少の消費で精製できる。例えば、50個の遺伝子プローブライブラリでは、50種の第1オリゴおよび50種の第2オリゴが必要とされるが、必要とされる中心オリゴヌクレオチドは1種だけであり、骨格オリゴヌクレオチドも1種だけであると考えられる。必要とされる102種のオリゴヌクレオチドのうち、精製が必要なものは2種だけである。これは、切断体の存在による複雑化を防ぐために各オリゴヌクレオチドの精製を必要とする先行法に較べて、精製の労力が98%節約されることを表している。
完全長の産物ポリヌクレオチドを形成するために第1オリゴヌクレオチド、中心オリゴヌクレオチドおよび第2オリゴヌクレオチドを結合した後、骨格オリゴヌクレオチドおよび他の未結合オリゴヌクレオチドを、産物ポリヌクレオチドから分離できるが、産物ポリヌクレオチドのその後の使用意図に依っては分離しない。一実施形態においては、骨格オリゴヌクレオチドおよび他のオリゴヌクレオチドを除去するために変性PAGEなどのサイズに基づく分離を用いることができる。骨格オリゴヌクレオチドは、完全長産物ポリヌクレオチドよりかなり短く、したがって容易に分離される。また、分離は、変性条件下での液体クロマトグラフィによっても実施できる。精製時に完全長産物を用意に検出できるようにするため、中心オリゴヌクレオチドを蛍光標識することができる。
結合されるオリゴヌクレオチドに存在している混入切断体による妨害を受け易い、ポリヌクレオチド構築の先行法に較べて、本発明は多数の利点を有している。多くの先行オリゴヌクレオチド合成法は、結合時の安定な二重鎖形成を保証するために、比較的低い温度、または伸長した相補性領域に頼っている。例えば、図1Cに例示した米国特許第5,380,831号では、15℃で4〜5塩基対の二重鎖結合を実施しているが、このような複式は、37℃から42℃よりも比較的安定である。図1Bに例示した米国特許第6,110,668号では、52℃において80から130のヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを結合する方法を開示している。これらのオリゴヌクレオチドの80から130の塩基の全てが、結合時に塩基対となっており、その結果、52℃でもこの様式は安定である。
先行結合法は、安定な二重鎖条件を採用した。なぜならば、結合のための基質として働く複合体が長命であれば、結合はより効率的であるであろうと考えられたからである。短命な複合体は、非効率的にしか結合しないと考えられたであろうし、したがって、本発明に用いられる不安定な結合条件で得られる結合産物は、ほんのわずかであるか、または全くないと考えられたかもしれない。驚くべきことに、本発明による不安定なサンプリング結合は、好結果の結合をもたらすのみならず、切断体が所望の完全長第1および第2オリゴの結合を妨害することを防ぐという予想外の利点を有している。
また、多くの先行法が完全長テンプレートの入手可能性または合成を必要とするが、本発明はそれを必要としない。テンプレートは、所望の産物鎖の実質的な全長に沿ってその産物鎖に相補的な一本鎖ポリヌクレオチドであり、したがって、所望の産物とほぼ同じ長さである。図1A〜1Dは、ポリヌクレオチド構築のそのような先行法の幾つかにおける完全長テンプレートの役割を例示している。
本発明の骨格オリゴヌクレオチドは、サブテンプレートの長さである。すなわち、それは、所望のポリヌクレオチド産物の実質的全長に沿って伸長していない骨格オリゴヌクレオチドは、中心オリゴヌクレオチドの全長に相補的であるが、その中心オリゴヌクレオチドの両端を越えて伸長するのは一般に少しだけである。このような一本鎖接着性末端は、第1および第2オリゴによる複式を簡便な実験室条件下で不安定にできるほど、典型的に十分短いことになる。本発明の実施形態では、5、6、7、8、9、10のヌクレオチドの骨格オリゴヌクレオチドの両端における一本鎖領域が用いられる。(上記で検討したように、本発明の幾つかの実施形態においては、所望の完全長結合産物に相補的でない骨格オリゴヌクレオチドの一端または両端から、追加のヌクレオチドが伸長することに注意されたい。それにもかかわらず、このような骨格オリゴヌクレオチドもまた、「サブテンプレート」の長さであると称される。速度論的サンプリング結合反応に関する領域、すなわち、他のオリゴに相補的な領域が、所望のポリヌクレオチド産物の実質的全長に伸長していないからである。そのような配列が、速度論的サンプリング結合反応に関与するオリゴヌクレオチドのアニーリングを妨害しないという条件で、骨格オリゴヌクレオチドの両端におけるこのような追加配列は、骨格としてのオリゴヌクレオチドの使用と無関係である)。
本発明の方法の一連の実施形態において、オリゴヌクレオチドの全ライブラリが、複合的結合を用いて同時に合成される。プローブのライブラリの全メンバーを創製するために、共通のコア二重鎖が用いられ、したがって、ライブラリのメンバーのうち、配列変異全ては、骨格オリゴヌクレオチドを越えて伸長している第1および/または第2のオリゴの部分に局在化する。第1および第2のオリゴ、したがって、完全長ポリヌクレオチド産物は、骨格オリゴヌクレオチドを越えて一端または両端において、10、15、20、25、30、50、75またはそれ以上のヌクレオチドだけ伸長できる。
幾つかの実施形態において、単一の予め決定された第2のオリゴ種の存在下、任意の数の種々の第1オリゴ種を、中心オリゴヌクレオチドに結合させることができるか、または単一の予め決定された第1のオリゴ種の存在下、任意の数の種々の第2オリゴ種を、中心オリゴヌクレオチドに結合させることができる。その結果、生じる反応産物は、一端に規定された配列を有し、他端に多数の配列変異体を有するポリヌクレオチド産物を含むこととなる。
例えば、同一の結合反応において、幾つかの異なる遺伝子座に特異的なプローブを創製するために、複合的結合を実施することが可能である。分析すべき各遺伝子座に関して、第1のオリゴ種と第2のオリゴ種を合成する。第1および/または第2のオリゴヌクレオチドは、一般にバーコードタグと称される1つ以上の遺伝子型標識などの配列を、場合によってはさらに含むことができる。各々のタグの相補体を有するミクロアレイ上の区別を最大化するためにアルゴリズム上、デザインされた短い配列であり、タグ配列と第1および/または第2のオリゴヌクレオチド間の1:1対応により、そのように標識された各オリゴヌクレオチドを、それと独自に会合しているバーコードの検出によって検出することができる。例えば、Shoemakerら、Nature Genet.14(4):p.450−6(1996);欧州特許第0799897号;Fanら、Genome Res.10:p.853−60(2000);および米国特許第6,150,516号を参照されたく、これらの開示は参照として全体が本明細書に組み込まれている。第1および/または第2のオリゴヌクレオチドは、さらにまた、場合によっては、1つ以上の増幅プライマー結合部位を含む。
また、第1および第2のオリゴは全て、骨格オリゴヌクレオチドの3’末端および5’末端各々における領域に相補的な末端領域も含む。第1および第2のオリゴの全ては、同一の反応混合物中で共通のコア二重鎖と結合する。生じた産物の混合物は、第1および第2のオリゴが供給される各遺伝子座に対する完全長遺伝子プローブを含有することになる。この実施形態は、比較的少数のみの遺伝子座に対するプローブの同時構築にとって特に十分好適である。
さらに他の実施形態においては、共通のコア二重鎖ではなくて異なる骨格オリゴヌクレオチドが用いられる。異なる骨格オリゴヌクレオチドの各々が中心オリゴヌクレオチドの全長に対して完全に相補的であるが、中心オリゴヌクレオチドを越えて伸長している一本鎖領域において、他の各骨格オリゴヌクレオチドと異なっている、幾つかの異なる骨格オリゴヌクレオチドに共通の中心オリゴヌクレオチドがアニールする。合成が望まれる各ポリヌクレオチドプローブに対して、異なる骨格オリゴヌクレオチドが含まれる。その結果、異なるコア複式の混合物となる。
次に最終結合混合物中に、各骨格オリゴヌクレオチド種に対して正確に1つの第1のオリゴ種および正確に1つの第2のオリゴ種が存在するように、第1および第2のオリゴの幾つかの異なる組を加えることができる。結合後、加えられた各骨格オリゴヌクレオチドに対して、1種の完全長ポリヌクレオチド産物が存在することになる。遺伝子座を探るためにポリヌクレオチドがデザインされる実施形態においては、関心対象の各遺伝子座に対して、1つの完全長プローブ種が存在することになる。この実施形態は、多数の遺伝子座に対するプローブの同時構築にとって典型的に好ましい。
あるいは、所与の標的遺伝子座に対して、第1および第2のオリゴ双方の幾つかの変異体を用いることができる。
本発明の多くの実施形態において、第1および第2のオリゴは、精製せずに用いられることから、実際には、単一の分子種ではなくて、用いられるオリゴヌクレオチド合成反応産物の混合物である。本明細書で用いられる用語の第1オリゴおよび第2オリゴは、このような産物の混合物を含む。第1または第2のオリゴの複数種の混合物は、合成された各種に関する合成反応産物の混合物を含む。本発明の種々の実施形態における複数の結合反応に用いることのできるこのようなオリゴヌクレオチド合成産物の混合物の数は、1つから、2、5、10、25、50、75、100またはそれ以上の範囲にある。
さらに他の実施形態においては、複数の骨格オリゴヌクレオチドの各々に対して、複数の第1オリゴ種と単一の第2オリゴ種、または複数の第2オリゴ種と単一の第1オリゴ種が含まれる。第1および/または第2のオリゴヌクレオチドが遺伝子座に相補的な領域を含む実施形態においては、生じた産物の混合物は、各関心対象座に対するプローブのライブラリを含み、このようなライブラリは、一端に単一の規定された配列を有し、他端に種々の配列を有する。
第1および第2のオリゴ全ての長さが、ほぼ同一の長さの完全長産物を与えるように選択されるという条件で、複合的結合の完全長ポリヌクレオチド産物の多様な種の全てを、変性PAGEまたは寒天ゲル電気泳動により、短い混入オリゴヌクレオチドおよび未反応オリゴヌクレオチドから精製することができる。変性PAGEまたは変性寒天ゲル電気泳動法は、種々の産物間の配列の違いに係らず、全ての完全長産物を短い混入物および未反応オリゴヌクレオチドから効果的に分割する。しかし、所望の完全長産物の精製は、本発明にとって本質的ではない。
任意の特定のオリゴヌクレオチド対によって形成された二重鎖が、何らかの所与の結合反応条件のセット下で安定か不安定化かは、結合競合実験によって評価することができる。結合競合は、図3を参照して理解できるであろう。このような結合競合の結果は、実施例3に示している。
結合競合反応を実施するためには、先ず骨格オリゴヌクレオチドへの中心オリゴヌクレオチドのアニーリングによりコア二重鎖を形成する。次に2つの結合反応を実施する。1つは、第2オリゴのみの添加によるものであり、他の1つは、第2オリゴと10倍モル過剰の非結合性競合オリゴの添加によるものである。図3は、5’末端から1個のヌクレオチドを欠いている第2オリゴの切断体の添加を例示しているが、5’リン酸塩基を欠くオリゴヌクレオチド(すなわち、5’−OH体)もまた、使用できる。図3では、1つの完全長第2オリゴヌクレオチドに対して、5つの非結合性競合体のみを示しているが、10倍過剰を示すことを意図している。特定の試験すべき結合条件下、例えば、T4DNAリガーゼを用いて、37℃〜42℃、30分で結合が実施される。次いで、生じた結合産物を、変性PAGEにより分析する。もし、10倍モル過剰の切断体(または5’−OHオリゴヌクレオチド)の存在により、3つ以上の因子によって形成された結合産物(中心オリゴと第2オリゴを含む)の量が減少すれば、この結合条件は、第2オリゴと骨格との間の安定な二重鎖形成を支持している。もし、10倍モル過剰の切断体(または5’−OHオリゴヌクレオチド)の存在下で、3つ以下の因子によって形成された結合産物の量が減少すれば、この結合条件は、第2オリゴと骨格との間の不安定な複式形成を支持している。
第1オリゴヌクレオチドの3’末端における1個のヌクレオチドを欠いている切断体の10倍過剰を添加することにより、第1オリゴヌクレオチドに対して、類似の結合競合(示していない)を実施することができる。
未精製オリゴヌクレオチド中の主な混入物は切断体であるため、本明細書に記載された結合競合試験によって評価されたとおり不安定な二重鎖形成が示されたことは、未精製オリゴヌクレオチド調製物中のこのような混入物は、試験された結合条件下で所望の結合産物の形成を有意に阻害しないことを示唆している。したがって、このような条件下では、結合すべきオリゴヌクレオチドを精製する必要はなく、その結果、時間、労力、費用の節約となる。
サンプリング結合、すなわち、第1および第2のオリゴが骨格に対して不安定に二重鎖化する条件での結合の利点は、実施例3で証明されている。前記実施例では、骨格に相補的な7個または18個の塩基を末端に有する第1および第2のオリゴの結合効率を比較している。前記反応条件(37℃と42℃)下では、7塩基対二重鎖が、18塩基対二重鎖よりもはるかに不安定であると予想されるであろう。以下の表1に示されるように、7個だけの相補性塩基を有するオリゴヌクレオチドの結合が有意に阻害されない条件下で、18個の相補性塩基を有するオリゴヌクレオチドの結合は、混入切断体によって阻害される。競合混入物の存在による影響を受けにくいことが、不安定二重鎖条件下での結合の主な利点である。
他の態様において、本発明は、3’末端、5’末端、または双方にオリゴヌクレオチドを結合することにより、一本鎖ポリヌクレオチドを伸長させるための速度論的サンプリング結合法に関する。
他の態様において、本発明は、このような伸長反応を実施するためのキットに関する。
3’末端および5’末端に隣接し、それらを含む一本鎖ポリヌクレオチドの部分は、各々、一本鎖ポリヌクレオチドの3’末端領域および5’末端領域と称される。これらの「伸長オリゴヌクレオチド」は、PCRプライマーに対する結合部位、バーコード、IIS型の制限エンドヌクレアーゼ、または所望の性質を有する他の任意の核酸配列を含み得る。(本明細書に用いられる「PCR」とは、使用される酵素に係らず、二重鎖核酸増幅の任意の方法を言う)。下記でさらに詳しく検討するように、伸長オリゴヌクレオチドは標識化することもできる。
幾つかの実施形態において、伸長オリゴヌクレオチドは、単一のオリゴヌクレオチド合成反応の産物である。他の実施形態において、伸長オリゴヌクレオチドは、複数のオリゴヌクレオチド合成産物の混合物であり、その完全長産物は、互いに配列が異なっている。5から100の別個のオリゴヌクレオチド合成産物は、伸長オリゴヌクレオチド混合物を形成するためにプールできる。
IIS型の制限酵素では、DNA結合ドメインと開裂ドメインとが異なる。すなわち、それらは、ある特定の配列を認識するが、ある一定の離れた距離で開裂する。Szybalskiら、Gene 100:p.13−26(1991)にレビューされ、その開示は、参照としてその全体を本明細書に組み込んである。本発明の目的に有用なIIS型の制限酵素としては、限定はしないが、Aarl、Acc36I、AclWI、Acul、Alw26I、AlwI、AlwXI、AsuHPI、BbsI、Bbv16I、BbvI、BbvII、BccI、BceAI、BcefI、BcgI、BciVI、Bco35I、BcoKI、BfiI、BfuI、BfuAI、BinI、BmrI、BpiI、BpmI、BpuAI、BpuEI、BsaI、BscAI、Bse3DI、BseGI、BseMI、BseMII、BseRI、BseXI、BsgI、BsmAI、BsmBI、BsmFI、Bso31I、BsoMAI、Bsp6II、Bsp22I、Bsp28I、Bsp432I、BspCNI、BspMI、BspPI、BstVI、BsrDI、BsrEI、Bst6I、Bst71I、BstF5I、BstV1I、BstV2I、BthII、BtsI、Bsu6I、CreI、Eam1104I、EarI、EciI、Wco31I、Eco57I、Eco57MI、Eco112I、Eco125I、Esp3I、FauI、FokI、FsfI、GsuI、HgaI、HinGUII、HphI、HpyII、Ksp632I、LlaI、LweI、MboII、MlyI、MmeI、MnlI、NcuI、NgoBI、NgoVIII、PleI、PpsI、Ral8I、RleAI、SapI、SceI、SchI、SfaNI、SmuI、Sth132I、StsI、TaqII、TceI、TspGWI、Tth111I、Uba1109IおよびVpak32Iが挙げられる。
図4Aに例示された一実施形態において、第1および第2のPCRプライマーに対する結合部位を含んでいる伸長オリゴヌクレオチドを、一本鎖標的ポリヌクレオチドの3’末端と5’末端の各々に結合する。簡略化のため、伸長すべきssポリヌクレオチドの1種だけが図4Aに示されているが、本法は多くの異なるssポリヌクレオチド種の混合物と共に使用し得る。図4Aに例示された実施形態では、標的ssポリヌクレオチド(「標的」)を、前形成された第1の伸長二重鎖(第1の伸長骨格オリゴにアニールした第1の伸長オリゴを含む)および前形成された第2の伸長二重鎖(第2の伸長骨格オリゴにアニールした第2の伸長オリゴを含む)と合わせる(例えば、混合する)。しかし、他の実施形態においては、いずれかの二重鎖種を前形成するか、または前形成せずに個々のオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドを任意の順序で添加し得る。
標的オリゴと伸長オリゴとが、各々の伸長骨格に塩基対合する際に、伸長オリゴと標的との接合部に塩基対合の「ギャップ」が存在しないように、図4Aに例示された伸長骨格オリゴは、それら(伸長骨格)の長さの一部に沿って、伸長オリゴに相補的であり、また、それら(伸長骨格)の長さの他の一部に沿って、標的ポリヌクレオチドに相補的である。伸長骨格による二重鎖形成により、標的ポリヌクレオチドと伸長オリゴヌクレオチドとは、効率的結合のために適切な方向と近接性を得る。このようなオリゴヌクレオチドは、結合に対して適切に整列化される。次いで、例えば、T4DNAリガーゼと適切な補因子の添加ならびに37〜42℃における30分温置によって、伸長オリゴを標的ポリヌクレオチドに結合する。
図4Aの骨格オリゴヌクレオチドは、伸長オリゴまたは標的のいずれかに相補的な塩基を越えて塩基を有さない。このような骨格オリゴヌクレオチドは、化学的に合成し得る。しかし、他の実施形態において、伸長オリゴまたは標的のいずれかに相補的でない追加塩基が、骨格オリゴヌクレオチドの第1の末端および/または第2の末端から伸長する。一実施形態において、骨格オリゴヌクレオチドは、ゲノムDNAの一本鎖断片を含む。
結合後、一本鎖ポリヌクレオチド産物は単離でき、直接使用できるか、または(部分的)二本鎖産物を得るために、相補体を合成できる。
伸長オリゴが、IIS型の制限エンドヌクレアーゼに対する結合部位を含む一実施形態において、図4Aの二本鎖結合産物は、IIS型の制限エンドヌクレアーゼによって消化でき、クローニングに好適な二本鎖DNA断片が得られる。3’末端で使用されるものとは異なる伸長配列を5’末端で使用することにより、前記分子の両端に異なる制限部位を導入することが可能となり、方向づけクローニングの助けとなる。
伸長オリゴがPCR結合部位を含む実施形態においては、図4Aに示された二本鎖産物は、PCRによって増幅できるか、または二重鎖産物を創製する別の工程なしに、単離された一本鎖産物を、PCR反応において直接増幅できる。
このような実施形態において、3’末端で使用されるものとは異なる伸長配列を5’末端で使用することにより、5’末端と3’末端とに異なるPCRプライマー結合部位を有することが可能となる。このことによって、各鎖の3’末端が必ず5’末端の逆の相補体である増幅すべきDNA断片の両端に、同一のプライマー結合配列が存在する場合に生じ得る型の擬似鎖内「ヘアピン」形成の可能性が減少する。一本鎖断片は屈曲でき、PCR増幅や制限消化などの引き続く操作を妨害し得るヘアピン(3’末端と5’末端との間の逆平行複式)を形成させる。さらに、ヘアピン形成は、前記断片の長さおよび配列組成に依存するため、全ての配列断片が等しく影響を受けるとは限らない。ヘアピン形成の可能性が著しく異なっている広範囲の断片混合物を用いる場合、この不等性は、結果のゆがみをもたらし得る。ゲノムDNAの全ての断片が等しくクローン化されていることをクローンライブラリが表していることが望ましいゲノム配列のランダムクローニング(下記に図4Bを参照して検討)などの操作において、ゆがみは特に有害である。末端に異なるPCRプライマー結合部位を有する断片は、このようなヘアピン関連物の影響を受けにくい。
伸長オリゴが、バーコード配列を含む実施形態においては、所与の任意の標的一本鎖ポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド産物は、関心対象の標的ポリヌクレオチドに結合した独特のバーコード配列に相補的なオリゴヌクレオチドを含有するアレイに対するハイブリダイゼーションによって検出できる。
図4Bは、図4Aに示された方法の実際的な一つの適用、すなわち、ゲノムDNAのランダムクローニングを示している。図示された前記実施形態において、関心対象の二本鎖DNAサンプルを、所望のサイズの断片を得る上で十分な時間、DNアーゼIにより消化する。次にその結果生じた、ランダムに刻みをつけられた二本鎖DNAを変性させて、図4Aで示した方法による伸長に好適な一本鎖ポリヌクレオチドの混入物を生成させる。
異なる種類の骨格オリゴヌクレオチドは、単一の知られた標的配列の伸長のために使用するよりもむしろ、ランダムクローニングに使用する。図4Aの方法に従って、単一の知られた配列を伸長しようとする時、骨格オリゴヌクレオチドの短い接着性末端を、標的ポリヌクレオチドの知られた配列に相補的であるように合成する。しかし、ゲノムDNAをランダムにクローニングする場合、伸長すべきDNアーゼ断片の両端の配列は可変的であり、一般に未知である。したがって、クローン化されるDNアーゼ断片の末端における可能な配列全てに対して相補的な骨格オリゴヌクレオチドが存在することを保証するために、接着性末端の各位置における4つの塩基全ての混合物と共に骨格オリゴヌクレオチドを合成する。一実施形態において、接着性末端は、7ヌクレオチド長であり、したがって、各骨格オリゴヌクレオチド混合物は、16,000種以上の異なる接着性末端配列を含有する。他の実施形態において、ランダム化した接着性末端は、4、5、6、8、10、12またはそれ以上のヌクレオチド長であり得る。
次にランダム化した接着性末端を有する骨格オリゴヌクレオチドの混合物を用い、また、標的ポリヌクレオチドとしてゲノムDNA断片の混合物を用いて、図4Aの方法を行う。IIS型の制限エンドヌクレアーゼ結合部位を任意に含む伸長配列を、ゲノムDNA断片に結合する。相補鎖を合成し、二本鎖産物を、適切な制限エンドヌクレアーゼによって消化する。2つの末端を開裂させる酵素が異なっており、異なる消化後に末端を提供する実施形態において、そのような制限断片を、一定の方向で、ベクター内にクローン化できる。
本発明の他の態様において、速度論的サンプリング結合法を用いて、5’末端もしくは3’末端のいずれか、または双方におけるポリヌクレオチドを標識化する。
他の態様において、本発明は、このような標識化反応を実施するためのキットに関する。
遺伝子プローブとして使用するポリヌクレオチドを創製する場合、プローブを標識化することが望ましい場合が多い。しかし、5’末端を標識化するために用いられる現行法は、5’末端と3’末端との間の固有な構造的な相違により、3’末端の標識化に用いられる方法とは著しく異なっている。例えば、標識ヌクレオチドの存在下、ポリメラーゼ反応または末端トランスフェラーゼ反応を用いて、ポリヌクレオチドの3’末端に放射性標識または蛍光標識を酵素的に付加できる。対照的に、ポリヌクレオチドの5’末端の標識化は、キナーゼ反応を用いる放射性標識化に限定されることが多い。ポリヌクレオチドの5’末端または3’末端のいずれかを標識化する化学的な代替法は存在するが、このような方法は費用がかかることが多く、ポリヌクレオチド自体を損傷する可能性がある。
本発明によるポリヌクレオチドの5’末端もしくは3’末端または双方を標識化する方法は、図5Aおよび5Bに示されており、実施例4および5で証明されている。図5Aおよび5Bは、サンプリング結合によるポリヌクレオチドの3’末端標識化に関する本発明の幾つかの方法を示している。当業者は、同じ原理を適用してポリヌクレオチドの5’末端を標識化するために前記方法を改造することもできるであろう。複合的標識法は示されていないが、本発明の範囲内にあり、同一の標識化反応における複数の異なるオリゴヌクレオチド種の同時標識化を含む。
図5Aおよび5Bに示された実施形態において、標識化反応は、1)3’末端に被標識オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド、2)好ましくは3’末端に、所望の標識ですでに標識化されている標識オリゴヌクレオチド、および3)標識骨格オリゴヌクレオチドから構成される。標識骨格オリゴヌクレオチドは、被標識オリゴヌクレオチドおよび標識オリゴヌクレオチドを、結合のために適切に整列化する目的で相補的塩基を提供するという点で、図2Aおよび上記に示した方法における骨格オリゴヌクレオチドと同じ役割を演じる。
図5Aに示した方法において、標識骨格は結合条件下、その3’末端に安定な二重鎖を形成する上で十分長い被標識オリゴヌクレオチドに相補的な領域を有し、その5’末端に安定な二重鎖を形成する上で十分な長さではない標識オリゴヌクレオチドに相補的な領域を有している。図5Bに示した方法において、標識骨格は結合条件下、その5’末端に、安定な二重鎖を形成する上で十分長い標識オリゴヌクレオチドに相補的な領域を有し、その3’末端に安定な二重鎖を形成する上で十分な長さではない被標識オリゴヌクレオチドに相補的な領域を有している。一実施形態において、標識骨格は、標識オリゴヌクレオチドに相補的な7nt領域を有し、標識化すべきオリゴヌクレオチドに相補的な20nt領域を有している。他の実施形態において、標識骨格は、被標識オリゴヌクレオチドに相補的な7nt領域を有し、標識オリゴヌクレオチドに相補的な20nt領域を有している。
標識オリゴヌクレオチドは、検出可能な標識付加などの、検出を助ける任意の方法において、それを標識化することにより検出可能にすることができる。
検出可能な標識としては、例えば、放射性核種、発蛍光団、蛍光共鳴エネルギー転移(「FRET」)タンデム発蛍光団、FRET供与体および/または受容体、または質量タグが挙げられる。間接的に検出可能な標識としては、例えば、酵素、遺伝子型標識、またはハプテンが挙げられる。
前記標識は、例えば、33P、32P、35S、およびHなどの放射性核種であり得る。
前記標識は、それらの代わりに発蛍光団であり得る。標識オリゴヌクレオチド内に容易に組み込まれる商品として入手可能な蛍光ヌクレオチド縁体としては、例えば、Cy3−dCTP、Cy3−dUTP、Cy5−dCTP、Cy3−dUTP(Amersham Biosciences、米国ニュージャージー州ピスカタウェイ所在)、フルオレセイン−12−dUTP、テトラメチルローダミン−6−dUTP、Texas Red(登録商標)−5−dUTP、Cascade Blue(登録商標)−7−dUTP、BODIPY(登録商標)FL−14−dUTP、BODIPY(登録商標)(商標)R−14−dUTP、BODIPY(登録商標)(商標)TR−14−dUTP、Rhodamin Green(商標)−5−dUTP、Oregon Green(登録商標)488−5−dUTP、Texas Red(登録商標)−12−dUTP、BODIPY(登録商標)630/650−14−dUTP、BODIPY(登録商標)650/665−14−dUTP、Alexa Fluor(登録商標)488−5−dUTP、Alexa Fluor(登録商標)532−5−dUTP、Alexa Fluor(登録商標)568−5−dUTP、Alexa Fluor(登録商標)594−5−dUTP、Alexa Fluor(登録商標)546−14−dUTP、フルオレセイン−12−UTP、テトラメチルローダミン−6−UTP、Texas Red(登録商標)−5−UTP、Cascade Blue(登録商標)−7−UTP、BODIPY(登録商標)FL−14−UTP、BODIPY(登録商標)TMR−14−UTP、BODIPY(登録商標)TR−14−UTP、Rhodamine Green(商標)−5−UTP、Alexa Fluor(登録商標)488−5−UTP、Alexa Fluor(登録商標)546−14−UTP(Molecular Probes社、米国オレゴン州ユージーン所在)が挙げられる。他の発蛍光団を有するヌクレオチドの慣例的合成に関するプロトコルは入手可能である。Hanegariuら、「Custom Fluorescent−Nucleotide Synthesis as an Alternative Method for Nucleic Acid Labeling」、Nature Biotechnol.18:p.345−348(2000)の開示は、参照としてその全体が本明細書に組み込まれている。
合成後、付加に関して入手可能な他の発蛍光団としては、とりわけAlexa Fluor(登録商標)350、Alexa Fluor(登録商標)532、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)647、BODIPY 493/503、BODIPY FL、BODIPY R6G、BODIPY 530/550、BODIPY TMR、BODIPY 558/568、BODIPY 558/568、BODIPY 564/570、BODIPY 576/589、BODIPY 581/591、BODIPY 630/650、BODIPY 650/665、Cascade Blue、Cascade Yellow、Dansyl、リサミンローダミンB、Marina Blue、Oregon Green 488、Oregon Green 514、Pacific Blue、ローダミン6G、ローダミングリーン、ローダミンレッド、テトラメチルローダミン、Texas Red(Molecular Probes社から入手できる、米国オレゴン州ユージーン所在)、およびCy2、Cy3.5、Cy5.5、およびCy7(Amersham Biosciences、米国ニュージャージー州ピスカタウェイ所在、および他社)が挙げられる。
PerCP−Cy5.5、PE−Cy5、PE−Cy5.5、PE−Cy7、PE−Texas Red、およびAPC−Cy7などのFRETタンデム発蛍光団もまた使用できる。
質量分析によって検出可能な標識、「質量タグ」もまた使用できる、質量タグは、質量分析で識別可能な数百の種を提供するようにデザインでき、極めて複合化した反応を可能にし、標識核酸から分割、典型的には光学的に分割できるようにデザインでき、分析を簡略化する。例えば、参照のため、その開示の全体が本明細書に組み込まれているKokorisら、Mol Diagn.5(4):p.329−40(2000)およびPuschら、Pharmacogenomics 3(4):p.537−48(2002)を参照されたい。
標識オリゴヌクレオチドは、それらの代わりに、またはそれらに追加して、少なくとも1種の間接的に検出可能な標識を含んでもよい。
例えば、前記オリゴヌクレオチドは、酵素を含んでもよい。
比色検出に有用な酵素はよく知られており、アルカリホスファターゼ、βーガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)およびウレアーゼが挙げられる。肉視検出可能な産物の製造および沈積のための典型的基質としては、o−ニトロフェニル−ベータ−D−ガラクトピラノシド(ONPG);o−フェニレンジアミンジヒドロクロリド(OPD);p−ニトロフェニルホスフェート(PNPP);p−ニトロフェニル−ベータ−D−ガラクトピラノシド(PNPG);3’,3’−ジアミノベンジジン(DAB);3−アミノ−9−エチルカルバゾール(AEC);4−クロロ−1−ナフトール(CN);5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−ホスフェート(BCIP);ABTS(登録商標);BluoGal;ヨードニトロテトラゾリウム(INT);ニトロブルーテトラゾリウムクロリド(NBT);フェナジンメトスルフェート(PMS);フェノールナフタレインモノホスフェート(PMP);テトラメチルベンジジン(TMB);テトラニトロブルーテトラゾリウム(TNBT);X−Gal;X−Gluc;およびX−グルコシドが挙げられる。
発光検出のために酵素を使用してもよい。
例えば、過酸化水素(H)の存在下、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)は、ルミノールなどの環状ジアシルヒドラジド類の酸化を触媒でき、その後発光を伴う。発光の強い増強が、フェノール性化合物などのエンハンサーによって生じ得る。Thorpeら、Methods Enzymol.133:p.331−53(1986);Krickaら、J.Immunoassay 17(1):p.67−83(1996);およびLundqvistら、J.Biolumin.Chemilumin.10(6):p.353−9(1995)の開示が参照として、その全体が本明細書に組み込まれている。核酸のこのような化学発光および増強化学発光検出のためのキットが商品として入手できる。
標識が、標識骨格に対する標識オリゴヌクレオチドのアニーリングまたは被標識オリゴヌクレオチドに対する標識オリゴヌクレオチドの結合を妨害しない限り、標識を標識オリゴヌクレオチドの末端または内部に付加することができる。一実施形態において、図5Aに関連して上記で検討したように、被標識オリゴヌクレオチドと標識骨格との間の安定な二重鎖形成を可能にするが、標識オリゴヌクレオチドと標識骨格との間では可能としない条件下で、結合反応を実施する。一実施形態において、37℃〜42℃で30分間、T4DNAリガーゼを用いて結合を実施する。次に被標識オリゴヌクレオチドに対する標識オリゴヌクレオチドの結合によって形成された産物量を、例えば、PAGEによって決定する。
一実施形態において、本発明による結合反応は、単一の結合混合物中、複合体において、すなわち、被標識複数のオリゴヌクレオチド種と共に実施される。複数のオリゴヌクレオチド種は、24、96またはそれ以上など、2つ以上のオリゴヌクレオチド種を含む。
相補的オリゴヌクレオチドのアレイに対するハイブリダイゼーションにより、または他の任意の好適な方法によりオリゴヌクレオチドの標識化効率を場合によっては評価してもよい。
標識化されたオリゴヌクレオチドは、分取変性PAGE、または変性寒天ゲル電気泳動により、場合によっては精製してもよい。分取電気泳動は、単一の標識化されたオリゴヌクレオチド、複合反応において標識化された複数のオリゴヌクレオチド、または2つ以上の標識化反応産物の混合物について実施できる。
以下の実施例は、例示のために提供されるものであって限定ではない。
(実施例1:単一のオリゴヌクレオチド合成反応の未精製産物を用いた遺伝子プローブとしての使用に好適なポリヌクレオチドの構築)
蛍光標識ゲル精製37nt中心オリゴヌクレオチドを、ゲル精製51nt骨格オリゴヌクレオチドにアニールし、中心オリゴヌクレオチドの全長にわたって前記骨格の各末端に7nt残存一本鎖を有する二重鎖を形成する。これらの一本鎖7nt領域は、接着性末端と称される。
一連の48対の第1および第2のオリゴヌクレオチドを合成し、精製することなく用いる。48対のオリゴヌクレオチドは、配列、長さ、および純度が変化する。第1のオリゴヌクレオチドの長さは、25ntから32ntまで変化し、第2のオリゴヌクレオチドの長さは、51ntから58ntまで変化する。オリゴヌクレオチド合成時に、単一の塩基添加の推定効率98%に基づいて、完全長産物収率は、32マーに関しては多くて52%、58マーに関しては30%であり残りは種々の切断体であるはずである。しかしながら、実際の合成では、完全長のオリゴヌクレオチド産物の収率は、かなり低くなり得、劇的に変化し得る。他に示さない限り、この例および他の例において、リン酸基が5’末端に存在するように、全てのオリゴヌクレオチドを合成する。
各完全長の第1オリゴは、その3’末端に骨格オリゴヌクレオチドの3’末端の7nt接着性末端に相補的な7nt領域を有し、また、各完全長の第2オリゴは、その5’末端に骨格オリゴヌクレオチドの5’末端の7nt接着性末端に相補的な7nt領域を有する。
48対の第1および第2の各オリゴをコア二重鎖の中心オリゴヌクレオチドに結合させるように個々の結合反応を実施する。50mMトリスアセテート(pH7.6)、10mM酢酸Mg、5mM DTT、25μg/mlウシ血清アルブミン(BSA)、および1mM ATPからなるリガーゼ緩衝液中、中心オリゴヌクレオチドと骨格オリゴヌクレオチド(各0.1μM)との間で予め形成されたコア複式溶液に第1および第2の各オリゴ(各1μM)を同時に加える。この例および他の例に掲げた全ての濃度は、全ての成分が加えられた後の最終反応混合物中の濃度である。前記結合反応混合物を42℃に加熱し、T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs社、米国マサチューセッツ州ビバリー所在)を8000単位/mlに加え、この反応を30分間進行させる。本明細書に用いられるリガーゼ単位は、New England Biolabsにより定義された接着性末端結合単位である。次いで反応産物を、変性7M尿素ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分割する。蛍光スキャナで前記ゲルを走査することによりバンドを検出する。
結果を図6に示す。バンドは、示されるように未結合中心オリゴヌクレオチドまたは第1オリゴ、第2オリゴまたは双方のオリゴに結合した中心オリゴヌクレオチドのいずれかを表している。いちばん左の5本のレーンは、(左から右へ)未結合中心オリゴヌクレオチド、1つの第2オリゴ種に結合した中心オリゴヌクレオチド、異なる第2オリゴ種に結合した中心オリゴヌクレオチド、1つの第1オリゴ種に結合した中心オリゴヌクレオチド、異なる第1オリゴ種に結合した中心オリゴヌクレオチドで装填されたコントロール群のレーンである。コントロール群の右端のレーンは空であり、続いてコア二重鎖および一連の対の第1オリゴおよび第2オリゴで実施された結合反応産物により装填された、各レーンごとに異なる48本のレーンである。16番目と32番目の結合反応混合物で装填されたレーンの右端のレーンは、装填されないままである。
48対の第1および第2のオリゴのうち46対は、使用された第1および第2のオリゴヌクレオチド合成反応産物の混合物中、配列、長さおよび純度が異なるにもかかわらず、形成された完全長産物の割合がほとんど変化せずに結合に成功し、完全長ポリヌクレオチド産物となっている。
(実施例2:完全長結合産物の精製)
本発明の方法に従って構築された完全長ポリヌクレオチド産物は、過剰の第1および第2のオリゴヌクレオチドおよび結合副産物などの結合反応の他の成分から任意に精製できる。ポリヌクレオチドは、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により精製できる。水または緩衝液中にゲルを浸漬することにより尿素を除去しない限り、変性ゲル中の尿素の存在は、臭化エチジウムまたはSYBR(登録商標)Green(Molecular Probes社、米国オレゴン州ユージーン所在)などの標準的なDNA染色剤を用いるDNAの検出を妨害する。提供したこの方法は、反応産物の直接的視覚化を含み、尿素を除去するためにゲルの浸漬を必要とせずに、バンドをゲルから切断することを可能にする。
一実験において、10μMの第1および第2のオリゴヌクレオチドを、50μL反応容量中、2μMのコア二重鎖複合体と混合する。反応は、実施例1に記載されたとおりに進める。等容量のホルムアミドを、反応の終末時に加える。この混合物を、95℃で2分間予め加熱してから、氷冷し、10%分取変性ポリアクリルアミドゲル上に装填する。分離完了後、ゲルをプラスチック製クリングラップの層間に置いて、蛍光TLCプレートに載せ、手持ち型UVランプの254nm UV光で照明する。ポリヌクレオチドは、UV光の陰影づけにより、すなわち、ポリヌクレオチドが位置するゲル領域下のTLCプレートの蛍光減少により見ることができる。完全長ポリヌクレオチドに相当する移動性バンドは、実施例1に記載された全ての結合反応において見ることができる。
中心オリゴヌクレオチドをフルオレセインで標識化する場合、UV光源上にゲルを置いて蛍光を検出することにより、上記の方法よりも少ない量の完全長ポリヌクレオチドを検出することが可能である。照明とフィルタ類との他の有効な組合わせは、フルオレセイン標識を視覚化するために任意に使用できる。検出手段が何であっても、完全長ポリヌクレオチド産物に相当するバンドをゲルから切断し、抽出する。
(実施例3:安定な結合条件下および不安定な結合条件下における非結合性競合オリゴヌクレオチドによる結合阻害)
7nt接着性末端を有するコア二重鎖を、実施例1のとおり作製する。2つの18nt接着性末端を有する異なるコア二重鎖は、同じ中心オリゴヌクレオチドを73nt骨格オリゴヌクレオチドにアニールすることに作製する。両方の骨格オリゴヌクレオチドの接着性末端は、第1オリゴの3’末端および第2オリゴの5’末端に完全に相補的である。2倍モル過剰の骨格骨格を蛍光標識された中心オリゴヌクレオチドに加え、80℃に2分間、次いで46℃でさらに30分間加熱することによりコア二重鎖を形成する。コア二重鎖は、最終結合反応において、凡そ0.1μMで使用される。
第1のオリゴ、第2のオリゴ、双方のオリゴ、またはオリゴなしを、7nt粘着性末端を有するコア二重鎖に加え、また、別個の反応において、18nt接着性末端を有するコア二重鎖に、各々の場合、1μM(コア二重鎖に対し10倍モル過剰)の濃度で加える。この結果は、第1のオリゴ、第2のオリゴ、双方のオリゴ、またはオリゴなしと、2つのコア二重鎖のうちの1つとを含んでなる8つの個々の結合反応である。
非結合性競合オリゴヌクレオチドを、第1のオリゴおよび第2のオリゴに対し10倍モル過剰(10μM)で加えること以外、上記のものとそれぞれ同一の条件で追加の結合反応を実施する。これらの非結合性オリゴは、混入物をシミュレートする。第1のオリゴに関して、非結合性競合オリゴは、3’末端においてヌクレオチドを1つ欠くこと以外、完全長第1オリゴと同一である。この競合性オリゴは、「第1(n−1)オリゴ」と称される。第2のオリゴに関して、非結合性競合オリゴは、5’末端においてリン酸基を1つ欠くこと以外、完全長第2のオリゴと同一である。この競合性オリゴは、「第2(5’−OH)のオリゴ」と称される。第1オリゴのみを含む反応は、第1(n−1)オリゴのみと競合し、第2オリゴのみを含む反応は、第2(5’−OH)オリゴのみと競合する。第1および第2のオリゴ双方を含む反応は、双方の非結合性競合オリゴと競合する。非結合性競合オリゴのみを含有するコントロール結合、すなわち、第1または第2のオリゴを加えないこと以外、前述のような結合もまた実施する。
400単位のT4 DNAリガーゼを各50μL反応液に加える。ATPおよびBSAを、それぞれ1mMおよび25μg/mlの最終濃度まで加える。前述の結合反応の全ての複製を、37℃で1回、他は42℃で実施する。10分と30分の時点で取り出し、ブロムフェノールブルーを含有する3倍容量ホルムアミドの添加により中止する。次いでサンプルを、7M尿素を含有する10%PAGEゲル上に装填する。ゲルの結果は、Molecular Dynamics(Amersham Biosciences)蛍光スキャナを用いて定量化する。スキャン後、各バンドの強度を、対応するピーク下面積の積算により決定する。10分と30分の結果平均を、表1に提供している。
(表1 完全長ポリヌクレオチド産物の形成パーセント)
Figure 2006500959
表1は、10倍モル過剰の非結合性競合オリゴヌクレオチドを含有する反応で得られた完全長結合産物量を競合性オリゴヌクレオチドを欠く同一の反応で得られた完全長結合産物量のパーセンテージとして提供している。37℃および42℃の双方において、第1(および第2)オリゴと骨格との間の不安定な二重鎖形成を含む反応、すなわち、7nt接着性末端を含む反応は、シミュレートされた混入物の存在による阻害が有意に少ない。10倍過剰の第1(n−1)オリゴは、中心オリゴヌクレオチドに対する第1オリゴの結合に何ら影響を及ぼさず、同様に過剰の第2(5’−OH)オリゴは、中心オリゴヌクレオチドに対する第2オリゴの結合を、12〜17%だけ減少させる。双方をシミュレートした混入物の存在は、不安定な7nt接着性末端を含む反応に対して完全長産物形成を19〜23%減少させる。
対照的に、18nt接着性末端を含む結合は、シミュレートされた混入物により大きく損なわれる。10倍過剰の第1(n−1)オリゴは、中心オリゴヌクレオチドに対する第1オリゴの結合を、3倍以上の68〜78%まで減少させる。同様に過剰の第2(5’−OH)オリゴは、中心オリゴヌクレオチドに対する第2オリゴの結合を、12倍から14倍減少させる。双方をシミュレートした混入物の存在は、42℃での反応に関しては30倍、37℃での反応に関しては検出限界以下(>40倍)まで完全長産物形成を減少させる。
不安定な結合を使用することのさらなる予想外の利点は、中心オリゴヌクレオチドのアデニル化がほとんど全く生じないことであり、一方、安定な結合条件ではかなりのアデニル化を生じる。アデニル化は、リガーゼ−AMP中間体から結合されるオリゴヌクレオチドのうちの1つの5’末端へのAMP部分の移動に関与する望ましくない副反応である。成功した結合反応において、AMP部分は、2つのオリゴヌクレオチド間のホスホジエステル結合形成時、すなわち、鎖の結合時に遊離する。しかしながら、幾つかの条件下での結合反応は、ホスホジエステル結合形成へと進行することができず、アデニル化5’末端を残す。このようなアデニル化鎖は、PAGEにおける特有の移動性に基づいて確認できる。
図7は、結合反応産物を装填したゲルのレーンの濃度測定走査を示しているが、アデニル化中心オリゴヌクレオチドの形成(矢印により示される)が示されている。番号は、ゲル上のレーンを指している。レーン2、3、6〜9、12および13における左端のピークは、完全長ポリヌクレオチド産物であり、全てのレーンにおける右端ピークは、中心オリゴヌクレオチドである。レーン1〜7は、反応条件(37℃)下で第1および第2オリゴと不安定な二重鎖を形成する7nt接着性末端を有するコア二重鎖を用いて実施された結合反応産物を示している。認められるほどの量のアデニル化中心オリゴヌクレオチド形成はない。レーン8〜13は、反応条件下で第1および第2オリゴと安定な二重鎖を形成する18nt接着性末端を有するコア二重鎖を用いて実施された結合反応産物を示している。レーン10〜13に示されているように、安定な二重鎖形成および第1オリゴの切断体を含む反応のみが、アデニル化中心オリゴヌクレオチドをかなり形成していることを示している。レーン10〜13に示される反応においては、中心オリゴヌクレオチドの80%までがアデニル化される。アデニル化されると、このようなオリゴヌクレオチドは、その後5’末端に結合できない。
理論に拘束される意図はないが、骨格オリゴヌクレオチドと17bp二重鎖を形成できる18nt接着性末端反応における第1(n−1)オリゴは、他の場合では結合すると考えられる末端間の一つの塩基ギャップにもかかわらず、安定な複合体を形成することが可能である。このギャップ形成二重鎖により、T4 DNAリガーゼ結合および中心オリゴヌクレオチドの5’末端へのAMP移動(アデニル化)を可能にするが、ホスジエステル結合形成はできないと考えられる。7nt接着性末端反応において第1(n−1)オリゴヌクレオチド間の類似の複合体は、6bp二重鎖のみを形成できるであろうが、それはT4 DNAリガーゼによる結合およびAMP移動を可能にするには不安定すぎると考えられる。分子機構がどうであろうと、本発明の方法は、不安定な結合条件(7nt接着性末端)を用いる場合、安定な結合条件(18nt接着性末端)を用いる場合のように、中心オリゴヌクレオチドが、アデニル化により不可逆的に不活化されることはないという利点を有する。
(実施例4:速度論的サンプリング結合による未精製オリゴヌクレオチドの3’末端または5’末端の標識化)
6種の異なる未精製オリゴヌクレオチドを、速度論的サンプリング結合により3’末端に標識化し、他の6種は、5’末端に標識化する。図5Aおよび5Bは、オリゴヌクレオチドの3’末端を標識化する2つの方法を示している。オリゴヌクレオチドの5’末端を標識化する類似の方法に関する図式は提供していない。
第1の6種のオリゴヌクレオチドの3’末端を標識するために、6種の個々の27nt標識骨格オリゴヌクレオチドおよび1種の標識オリゴヌクレオチドを合成する。骨格オリゴヌクレオチドの各々は、その3’末端に標識化される6種のオリゴヌクレオチドのうちの1種の3’末端に相補的な異なる20nt配列、およびその5’末端に標識オリゴヌクレオチドの5’末端に相補的な7ntの共通の配列を含有する。3’末端標識のための標識オリゴヌクレオチドは20ntの長さがあり、その3’末端に付加されたフルオレセインを有する。
第2の6種のオリゴヌクレオチドの5’末端を標識するために(図式は示していない)、6種の個々の27nt標識骨格オリゴヌクレオチドおよび1種の標識オリゴヌクレオチドを合成する。骨格オリゴヌクレオチドの各々は、その5’末端に標識化される6種のオリゴヌクレオチドのうちの1種の5’末端に相補的な異なる20nt配列、およびその3’末端に標識オリゴヌクレオチドの3’末端に相補的な7ntの共通の配列を含有する。5’末端標識のための標識オリゴヌクレオチドは10ntの長さがあり、その5’末端に付加されたフルオレセインを有する。
5’末端をフルオレセインで標識されるオリゴヌクレオチドを除いて、合成時にこの例で用いられる全てのオリゴヌクレオチドの5’末端にリン酸基を化学的に結合する。この例に用いられるオリゴヌクレオチドは、標識オリゴヌクレオチド以外は精製されない。
個々の反応において、3’末端に標識される52ntから58ntの長さの範囲の6種のオリゴヌクレオチドの各々、また、5’末端に標識される25ntから32ntの長さの範囲の6種のオリゴヌクレオチドの各々を、対応する標識骨格オリゴヌクレオチドにアニールする。被標識オリゴヌクレオチドは、0.1μMで使用され、標識骨格オリゴヌクレオチドは0.5μMで使用される。リガーゼ緩衝液を加え、3’末端または5’末端標識オリゴは、0.2μMまでそれぞれの反応に対して加える。反応液を42℃に加熱し、次いで400単位のT4 DNAリガーゼを、各50μLの反応液に添加する。42℃で30分間の温置後、反応産物を10%PAGEにより分析する。
実験結果を、図8に提供する。レーン1〜6は、6種の3’末端標識化反応の産物であり、レーン7〜12は、6種の5’末端標識化反応の産物である。各レーンにおけるバンドの下方のクラスタ群は、未反応標識オリゴヌクレオチドであり、各レーンにおける上方の濃いバンドは、所望の標識結合産物である。12種全てのオリゴヌクレオチドは、どちらの末端が標識されるとしても、等しく良好に標識化される。完全末端を有するオリゴヌクレオチドのみが、結合できることから、記載されたサンプリング結合による標識化は、各標識反応に関して1つの特異的結合産物をのみを生成する。任意の切断オリゴヌクレオチド混入物と標識オリゴヌクレオチドとの間のギャップは、標識骨格オリゴヌクレオチドにアニールされる際に残存して切断体の結合を防ぎ、したがって標識化も防ぐ。
(実施例5:速度論的サンプリング結合による未精製オリゴヌクレオチドの3’または5’末端の複合的標識)
本発明の標識反応の複合的態様においては、オリゴヌクレオチドをプールし、標識化は、別々の反応において各オリゴヌクレオチドに対してではなく、単一反応において混合物(複数のオリゴヌクレオチドを含有)に対して実施される。
500種以上の異なるオリゴヌクレオチドが、一連の24式の速度論的サンプリング結合反応において3’末端に標識される。5’末端を標識化する複合的速度論的サンプリング結合標識の操作法は記載していないが、実施例4(上記)と類似して実施される。オリゴヌクレオチドのデザイン、アニーリングおよび結合は、以下の変更を行って実施例4のとおり実施され、図5Bに例示される。
標識オリゴヌクレオチドは21ntの長さがあり、その3’末端に蛍光染料標識を有する。骨格オリゴヌクレオチドは28ntの長さであり、その5’末端は、標識オリゴヌクレオチドの全長に相補的である。標識オリゴヌクレオチドにアニールする際に、骨格オリゴヌクレオチドの3’末端に7ntの一本鎖領域が残る。
被標識オリゴヌクレオチドは、28塩基の長さであり、3’は全てのオリゴヌクレオチドで同一の大部分7ntを有する。この7nt領域は、骨格オリゴヌクレオチド(ここでは「標識骨格」とも呼ばれる)の3’、大部分7ntに相補的である。この結果は、全ての被標識オリゴヌクレオチドが、5’末端において21nt異なるが、全てが、3’末端において同一の骨格オリゴヌクレオチドにアニールできるということである。
標識オリゴヌクレオチドを、27μM標識オリゴヌクレオチド、32μM標識骨格オリゴヌクレオチドおよび4.1×T4プローブ緩衝液を含有する100μlの反応液中、骨格オリゴヌクレオチドにアニールする。10×T4プローブ緩衝液は、500mMトリスアセテートpH7.6、100mM酢酸Mgおよび50mM DTTを含んでなる。アニーリング反応は、80℃に2分間加熱してから、37℃で30分間加熱し、最後に氷冷する。標識オリゴヌクレオチドと骨格オリゴヌクレオチドとの対合から生じる二重鎖は、標識コア二重鎖と称される。
前記反応液を、1.5×T4プローブ緩衝液中、10μM標識コア二重鎖へと希釈する。次いで4μM標識コア二重鎖、合計で2μMの標識されるオリゴヌクレオチドおよび1×T4プローブ緩衝液を含有する反応液を調製する。24式の標識反応に関して、標識される個々のオリゴヌクレオチドは、それぞれ凡そ83nMで存在する。反応混合物を、42℃に加熱し、T4 DNAリガーゼを4単位/μlまで加え、反応液を42℃で30分間温置する。次にこの結合反応液を、70℃で10分間加熱し、4℃に冷却する。この結合により、3’末端に蛍光標識および5’末端に21ntの可変領域を有する一連の49ntオリゴヌクレオチドが生成する。24式全ての速度論的サンプリング標識反応の産物をプールし、PAGEにより精製する。
個々のオリゴヌクレオチド配列の標識の相対的効率は、混合物をオリゴヌクレオチドのアレイにハイブリダイズすることにより決定される。このアレイは、固体支持体上の個々の位置に固定された一連のオリゴヌクレオチドを含んでなる。このアレイに結合されたオリゴヌクレオチドの配列は、混合物の配列に相補的であるように選択される。各位置における蛍光シグナル強度は、その特定の位置に固定されたオリゴヌクレオチドに相補的な標識オリゴヌクレオチドの標識効率を反映する。
複合標識オリゴヌクレオチドサンプルを、6×SSPE(60mMリン酸ナトリウム、pH7.4、6mM EDTA二ナトリウム、900mM塩化ナトリウム)中、40℃で一晩オリゴヌクレオチドアレイにハイブリダイズさせる。次いで前記アレイを洗浄し、各位置における蛍光シグナル強度を定量化するために走査する。
図9は、各配列に関してプロットされた、任意の単位で蛍光強度を有するアレイハイブリダイゼーションの結果を示す。各配列は、データの提示を容易にするために任意の数的指定に割り当てる。全番号を数的指定に用いているのではない。すなわち、配列番号付けにはギャップがある。図9は、シグナル強度が全配列に関して比較的均一であることを示し、調べられた配列に関して比較的均一な標識効率を示している。
24式の速度論的サンプリング結合標識のさらなる試験として、一群のオリゴヌクレオチドを、単式法および24式法の双方を用いて標識化する。単式反応の産物をプー産物をプールし、24式標識の産物のように上記の相補的オリゴヌクレオチドの任意のアレイにハイブリダイズする。
両セットの標識オリゴヌクレオチドに関するシグナル強度分布を、図10に示している。規準化シグナルを、各オリゴヌクレオチドに関してプロットする:規準化値は、各オリゴヌクレオチドに関する蛍光シグナル強度(任意の単位で)を、同じ方法(すなわち、単式または多式)で標識された全てのオリゴヌクレオチドに関する平均値で割ることにより算出される。シグナル強度の分布は、個々に標識されたオリゴヌクレオチドと24式で標識されたものとの間で同等であり、オリゴヌクレオチドは、労力と費用が結果として節約される24式反応で十分に標識化できることを示している。24種以上のオリゴヌクレオチドもまた、恐らく複式で標識できると思われる。
具体的に述べない限り、本発明の方法のいずれの工程も、物質添加の特定の順序、または工程実施の特定の順序を必要としない。本明細書に挙げられた全ての特許、特許刊行物、および他の公表文献は、各々を参照として個々に、具体的に組入れたように、それらの全体が参照として本明細書に組入れてある。
本明細書に用いられる、オリゴヌクレオチドまたは配列の特定数(例えば、1つ、2つなど)存在の言及は、存在する分子数ではなくて存在する異なる種の数を指している。
実施例は、本発明を例示するために意図されており、本発明の請求項の範囲を実施例の詳細により限定するものではない。本発明の好ましい例示的実施形態を記載しているが、種々の変更および修飾が、本発明から逸脱することなく成し得ることは当業者に明らかであろう。また、本発明の真の精神および範囲に入るこのような全ての変更および修飾を包含することが、添付の請求項において意図されている。
本発明のこれら、および他の目的および利点は、付随する図面と合わせて、以下の詳細な説明を考慮すれば明らかとなろう。これら図面全てにおいて類似の図式は類似の構造を表す。
図1は、ポリヌクレオチドを構築するために用いられる、幾つかの先行法の略図である。図1Aは、米国特許第5,998,175号の方法を示しており;図1Bは、米国特許第6,110,668号の方法を示しており;図1Dは、Chalmersら、2001年、Bio Techniques 30:p.249の方法を示している。本明細書におけるこれらと全ての略図において、共に直線状に並んでいる垂直破線対は、一般に塩基対を示すことが意図されており、破線の数は、塩基対の特定の数を表す意図はない。また、略図は、描かれているオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドの相対的長さを正確に表す意図もない。全ての略図において、他に示されない限り、上鎖の左端は5’末端を表し、右端は3’末端を表す。下鎖の方向性は逆転しており、左端が3’末端を表し、右端が5’末端を表す。 図2Aは、本発明による結合法の略図である。 図2Bは、速度論的サンプリング結合の原理の略図である。この略図に係らず、本発明は理論に制限されない。 図3は、速度論的サンプリング結合反応において、完全長産物形成に及ぼす非結合混入オリゴヌクレオチドの効果を試験するためにデザインされた一組の結合反応の略図である。描かれているオリゴヌクレオチド分子の数は、この反応におけるそれらの分子比を正確に表すことを意図するものではない。 図4Aは、本発明による一本鎖ポリヌクレオチドの3’末端と5’末端双方を伸長させる方法の略図である。 図4Bは、ランダムクローニングのために、ゲノムDNAから一本鎖断片を調製する略図である。生成した断片は、図4Aに示した方法による伸長に好適である。 図5Aは、本発明によりオリゴヌクレオチドの3’末端を標識化する方法の略図である。標識は、標識オリゴヌクレオチドの3’末端に付加するように描かれているが、結合反応を妨害しないという条件で、標識オリゴヌクレオチドの他の位置に付加してもよい。 5Bは、本発明によりオリゴヌクレオチドの3’末端を標識化する方法の略図である。標識は、標識オリゴヌクレオチドの3’末端に付加するように描かれているが、結合反応を妨害しないという条件で、標識オリゴヌクレオチドの他の位置に付加してもよい。 図6は、本発明によって実施された結合反応産物のポリアクリルアミドゲルを示している。 図7は、結合反応時のアデニル化オリゴヌクレオチド形成を示す電気泳動ゲルレーンのデンシトメトリー走査を示している。 図8は、本発明によって実施された標識化反応産物のポリアクリルアミドゲルを示している。 図9は、本発明によって実施された一連の複合標識化反応の結果を示すプロットである。 図10は、複合標識化反応の結果を各々、本発明によって実施された同一オリゴヌクレオチドの単式標識化と比較するプロットである。

Claims (34)

  1. 切断体含有オリゴヌクレオチド合成産物の集団を用いてポリヌクレオチド産物を構築する方法であって:
    一本鎖領域を、骨格オリゴヌクレオチドの第1末端および第2末端の双方に残すように、該第1末端および該第2末端を有するサブテンプレート長の骨格オリゴヌクレオチドと5’末端および3’末端を有する中心オリゴヌクレオチドとを部分的に二重鎖化する工程;ならびに
    該部分的二重鎖化骨格オリゴヌクレオチドの両端に一本鎖領域を有する切断体含有オリゴヌクレオチド合成産物のそれぞれ第1および第2の集団をサンプリングすることにより該中心オリゴヌクレオチドの5’末端および3’末端にそれぞれ第1および第2のオリゴヌクレオチドを結合する工程、を包含し、
    該サンプリングは、該骨格オリゴヌクレオチドの両端における一本鎖領域に対する該第1および第2のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが不安定であり、該骨格オリゴヌクレオチドに対する該中心オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが安定である条件下、リガーゼの存在下で実施され、
    該第1のオリゴヌクレオチドは、該骨格オリゴヌクレオチドの第1末端における一本鎖領域に対する配列が完全相補的な領域を含み、該第2のオリゴヌクレオチドは、該骨格オリゴヌクレオチドの第2末端における一本鎖領域に対する配列が完全相補的な領域を含む、方法。
  2. 前記部分的二重鎖化および前記結合が、単一工程で実施される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記骨格オリゴヌクレオチドからのポリヌクレオチド産物のサイズを分離する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記骨格オリゴヌクレオチドの両端における一本鎖領域の各々が、10ヌクレオチド長以下である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記骨格オリゴヌクレオチドの両端における一本鎖領域の各々が、7ヌクレオチド長以下である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記骨格オリゴヌクレオチドの両端における一本鎖領域の各々が、5ヌクレオチド長以下である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記結合工程の条件が、少なくとも30℃の温度を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記結合工程の条件が、少なくとも42℃の温度を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記結合工程の条件が、少なくとも50℃の温度を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記ポリヌクレオチド産物が、前記骨格オリゴヌクレオチドの各々の末端を越えて少なくとも10ヌクレオチド伸長している、請求項1に記載の方法。
  11. 前記ポリヌクレオチド産物が、前記骨格オリゴヌクレオチドの各々の末端を越えて少なくとも25ヌクレオチド伸長している、請求項1に記載の方法。
  12. 前記ポリヌクレオチド産物が、前記骨格オリゴヌクレオチドの各々の末端を越えて少なくとも75ヌクレオチド伸長している、請求項1に記載の方法。
  13. 前記第1のサンプリング集団が、第1の複数のオリゴヌクレオチド合成の産物を含み、該第1の複数の合成の少なくとも2つの完全長合成産物の配列が異なっており、前記第2の集団が、第2の複数のオリゴヌクレオチド合成の産物を含み、該第2の複数合成の少なくとも2つの完全長合成産物の配列が異なっている、請求項1に記載の方法。
  14. 前記骨格オリゴヌクレオチドおよび前記中心オリゴヌクレオチドを前記第1および第2オリゴヌクレオチドと接触させる前に、該骨格オリゴヌクレオチドの第1末端および第2末端の双方に一本鎖領域が残るように、該骨格オリゴヌクレオチドが、該中心オリゴヌクレオチドに対し部分的に二重鎖化される、請求項1に記載の方法。
  15. 切断体含有オリゴヌクレオチド合成産物の集団を用いて少なくとも1種のポリヌクレオチド産物を構築する方法であって:
    中心オリゴヌクレオチド、少なくとも1種の第1のオリゴヌクレオチド、および少なくとも1種の第2のオリゴヌクレオチドを共に結合する工程を包含し、
    該第1オリゴヌクレオチド、該中心オリゴヌクレオチドおよび該第2のオリゴヌクレオチドが、結合時に共通の骨格オリゴヌクレオチドにアニールされ、
    該骨格オリゴヌクレオチドは、形成された該二重鎖が結合条件下で安定であるように、該中心オリゴヌクレオチドの全長に相補的であり、
    該骨格オリゴヌクレオチドは、形成された該二重鎖が結合条件下で不安定であるように、限定数のヌクレオチドの範囲にわたってのみ該第1および第2のオリゴヌクレオチドに相補的であり、
    該骨格オリゴヌクレオチドは、該第1のオリゴヌクレオチドの実質的完全長に沿って相補性ヌクレオチドを提供せず、かつ、該第2のオリゴヌクレオチドの実質的完全長に沿って相補性ヌクレオチドを提供しない、方法。
  16. 一本鎖ポリヌクレオチドの一端に少なくとも1種の伸長オリゴヌクレオチドを付加する方法であって:
    該伸長オリゴヌクレオチドと該一本鎖ポリヌクレオチドとを、骨格オリゴヌクレオチドと組合わせる工程であって、該一本鎖ポリヌクレオチドと該伸長オリゴヌクレオチドの双方が該骨格オリゴヌクレオチドに対して塩基対合する場合、結合のためにそれらが正しく整列されるように、該骨格オリゴヌクレオチドが、その長さの一部に沿って該一本鎖ポリヌクレオチドに対して相補的であり、また、該骨格オリゴヌクレオチドが、その長さの他の部分に沿って該伸長オリゴヌクレオチドに対して相補的である、工程;および
    該一本鎖ポリヌクレオチドに該伸長オリゴヌクレオチドを結合させる工程、
    を包含する方法。
  17. 前記骨格オリゴヌクレオチドが、前記一本鎖ポリヌクレオチドと不安定な二重鎖を形成し、該骨格オリゴヌクレオチドが、前記伸長オリゴヌクレオチドと安定な二重鎖を形成する溶液条件下で前記結合工程を実施する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記骨格オリゴヌクレオチドが、前記一本鎖ポリヌクレオチドと安定な二重鎖を形成し、該骨格オリゴヌクレオチドが、前記伸長オリゴヌクレオチドと不安定な二重鎖を形成する溶液条件下で前記結合工程を実施する、請求項16に記載の方法。
  19. 前記伸長オリゴヌクレオチドが、ポリメラーゼ連鎖反応増幅における使用のためのプライマー結合部位を含む、請求項16に記載の方法。
  20. 前記伸長オリゴヌクレオチドが、IIS型の制限エンドヌクレアーゼに対する結合部位を含む、請求項16に記載の方法。
  21. 前記伸長オリゴヌクレオチドが、バーコード配列を含む、請求項16に記載の方法。
  22. 前記伸長オリゴヌクレオチドが、標識オリゴヌクレオチドを含み、該標識オリゴヌクレオチドが検出可能である、請求項16に記載の方法。
  23. 一本鎖ポリヌクレオチドの5’末端に少なくとも1種の第1の伸長オリゴヌクレオチドを付加させ、該一本鎖ポリヌクレオチドの3’末端に少なくとも1種の第2の伸長オリゴヌクレオチドを付加させる方法であって:
    該第1の伸長オリゴヌクレオチドと該一本鎖ポリヌクレオチドとを、第1の骨格オリゴヌクレオチドと組合わせる工程であって、該一本鎖ポリヌクレオチドと該第1の伸長オリゴヌクレオチドとの双方が該第1の骨格オリゴヌクレオチドに対して塩基対合する場合、結合のためにそれらが正しく整列されるように、該第1の骨格オリゴヌクレオチドが、その長さの一部に沿って該一本鎖ポリヌクレオチドの5’末端領域に対して相補的であり、また、該第1の骨格オリゴヌクレオチドが、その長さの他の部分に沿って該第1の伸長オリゴヌクレオチドに対して相補的である、工程;
    該第2の伸長オリゴヌクレオチドと該一本鎖ポリヌクレオチドとを、第2の骨格オリゴヌクレオチドと組合わせる工程であって、該一本鎖ポリヌクレオチドと該第2の伸長オリゴヌクレオチドとの双方が該第2の骨格オリゴヌクレオチドに対して塩基対合する場合、結合のためにそれらが正しく整列されるように、該第2の骨格オリゴヌクレオチドが、その長さの一部に沿って該一本鎖ポリヌクレオチドの3’末端領域に対して相補的であり、また、該第2の骨格オリゴヌクレオチドが、その長さの他の部分に沿って該第2の伸長オリゴヌクレオチドに対して相補的である、工程;および
    該一本鎖ポリヌクレオチドに該第1および第2の伸長オリゴヌクレオチドを結合させる工程、を包含する方法。
  24. 前記第1および第2の骨格オリゴヌクレオチドが、前記一本鎖ポリヌクレオチドと不安定な二重鎖を形成し、該第1および第2の骨格オリゴヌクレオチドが、それぞれ前記第1および第2の伸長オリゴヌクレオチドと安定な二重鎖を形成する溶液条件下で前記結合工程を実施する、請求項23に記載の方法。
  25. 前記第1および第2の骨格オリゴヌクレオチドが、前記一本鎖ポリヌクレオチドと安定な二重鎖を形成し、該第1および第2の骨格オリゴヌクレオチドが、それぞれ前記第1および第2の伸長オリゴヌクレオチドと不安定な二重鎖を形成する溶液条件下で前記結合工程を実施する、請求項23に記載の方法。
  26. 前記第1および第2の伸長オリゴヌクレオチドの各々が、ポリメラーゼ連鎖反応増幅における使用のためのプライマー結合部位を含む、請求項23に記載の方法。
  27. 前記第1の伸長オリゴヌクレオチドのプライマー結合部位が、前記第2の伸長オリゴヌクレオチドのプライマー結合部位と同一ではない請求項26に記載の方法。
  28. 前記第1および第2の伸長オリゴヌクレオチドの各々が、IIS型の制限エンドヌクレアーゼに対する結合部位を含む、請求項23に記載の方法。
  29. 前記第1の伸長オリゴヌクレオチドのIIS型の制限エンドヌクレアーゼが、前記第2の伸長オリゴヌクレオチドのIIS型の制限エンドヌクレアーゼと同一ではない請求項28に記載の方法。
  30. 前記第1および第2の伸長オリゴヌクレオチドの各々が、バーコード配列を含む、請求項23に記載の方法。
  31. 前記第1の伸長オリゴヌクレオチドのバーコード配列が、前記第2の伸長オリゴヌクレオチドのバーコード配列と同一ではない請求項30に記載の方法。
  32. 1種以上の被標識オリゴヌクレオチドを標識化するキットであって:
    検出可能な、少なくとも1種の標識オリゴヌクレオチド;
    標識骨格オリゴヌクレオチドであって、該被標識オリゴヌクレオチドと該標識オリゴヌクレオチドとの双方が該標識骨格オリゴヌクレオチドに対して塩基対合する場合、結合のためにそれらが正しく整列されるように、該標識骨格オリゴヌクレオチドが、その長さの一部に沿って該被標識オリゴヌクレオチドに対して相補的であり、また、該標識骨格オリゴヌクレオチドが、その長さの他の部分に沿って該標識オリゴヌクレオチドに対して相補的である、標識骨格オリゴヌクレオチド;および
    該標識オリゴヌクレオチドと該被標識オリゴヌクレオチドとを、該標識骨格オリゴヌクレオチドと組合わせ;
    該標識骨格オリゴヌクレオチドが、該被標識オリゴヌクレオチドと安定な二重鎖を形成し、該標識骨格オリゴヌクレオチドが、該標識オリゴヌクレオチドと不安定な二重鎖を形成する溶液条件下で、該標識オリゴヌクレオチドを該被標識オリゴヌクレオチドに結合させるための;
    ユーザー向けの取扱い説明書
    を包含する、キット。
  33. 1種以上の被標識オリゴヌクレオチドを標識化するキットであって:
    検出可能な、少なくとも1種の標識オリゴヌクレオチド;
    標識骨格オリゴヌクレオチドであって、該被標識オリゴヌクレオチドと該標識オリゴヌクレオチドとの双方が該標識骨格オリゴヌクレオチドに対して塩基対合する場合、結合のためにそれらが正しく整列されるように、該標識骨格オリゴヌクレオチドがその長さの一部に沿って、該被標識オリゴヌクレオチドに対して相補的であり、また、該標識骨格オリゴヌクレオチドが、その長さの他の部分に沿って該標識オリゴヌクレオチドに対して相補的である該標識骨格オリゴヌクレオチド;および
    該標識オリゴヌクレオチドと該被標識オリゴヌクレオチドとを、該標識骨格オリゴヌクレオチドと組合わせ;
    該標識骨格オリゴヌクレオチドが、該被標識オリゴヌクレオチドと不安定な二重鎖を形成し、該標識骨格オリゴヌクレオチドが、該標識オリゴヌクレオチドと安定な二重鎖を形成する溶液条件下で、該標識オリゴヌクレオチドを該被標識オリゴヌクレオチドに結合させるための;
    ユーザー向けの取扱い説明書
    を包含する、キット。
  34. 少なくとも1種の第1のオリゴヌクレオチドを、第2のオリゴヌクレオチドに結合する方法であって:
    該第1のオリゴヌクレオチドを該第2のオリゴヌクレオチドと組合わせる工程;および
    該第1のオリゴヌクレオチドの10倍モル過剰の切断体の存在が、3つ未満の因子により、該第2のオリゴヌクレオチドに対する該第1のオリゴヌクレオチドの結合を阻害する条件下で、該第1のオリゴヌクレオチドを該第2のオリゴヌクレオチドに結合させる工程、を包含する、方法。
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