JP2006350568A - 車両制御システム - Google Patents

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善紀 見市
Shigeyuki Kido
滋之 城戸
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Abstract

【課題】 交差点における円滑な交通制御を実現することができる車両制御システムの提供を目的とする。
【解決手段】 本発明は、交差点に進入すべく交差点に接近する車両を検出する車両検出手段と、検出した各車両の交差点における交錯の可能性を判断する交錯可能性判断手段と、所定の優先度設定アルゴリズムに従って、交錯可能性のある各車両に対して優先度を設定する優先度設定手段と、設定した優先度に基づいて、優先度の高い車両が優先的に交差点に進入できるように、交差点への車両の接近態様を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、交差点における円滑な交通を確保するための車両制御システムに関する。
従来から、路側に設置したセンサから送信されるセンサ情報及び前記センサから送信されたセンサ情報を含む通信情報の少なくとも一方を用いて、衝突発生の有無を確率的手法によって予測し、この予測の結果、衝突が発生すると判定した場合には、運転者に向けて衝突発生にかかわる情報を提供し、又は車両が有する情報処理装置に向けて衝突を回避するための情報を送信することを特徴とする交差点衝突防止支援方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この交差点衝突防止支援方法においては、運転者のとる挙動のばらつきが影響して、確定的に予測することが困難な物理量を、当該物理量の過去のデータから計算した統計的な性質を利用して予測する手法を利用して、異なる方向から交差点に接近する車両間に衝突が発生することの予測を行う。
また、スムーズな制動制御を行うための手法として、交差点通過ではなく追従走行の場合であるが、先行車などの環境から自車両に及ぼされる環境力という概念を導入し、環境力に応じた減速が実現されるように制動力制御を行って先行車に衝突しないための制動をスムーズにする手法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−140799公報 特開平8−11579号公報
しかしながら、上述の特許文献1による従来技術では、交錯の可能性が高い車両間の衝突を回避する観点から減速制御等を行うものであり、交錯可能性の高い車両に対して、交差点における円滑な交通制御を実現する観点から適切な優先度を設定するものでないため、交差点における円滑な交通制御を実現することが困難である。
また、優先度を付与する構成においても、一律に優先度を設定するのでは、各車両の事情が考慮されず、適正な交通制御を実現することが困難である。
また、特に交通量が多い状況では、交差点における円滑で且つ効率的な交通制御を実現する観点からは、車両単位で優先度を設定するよりも、車群単位で優先度を付与する方が有効である。
本発明は、これらの点を鑑みて、交差点における円滑な交通制御を実現することができる車両制御システムの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、第1の発明は、交差点に進入すべく交差点に接近する車両を検出する車両検出手段と、
車両検出手段により検出した車両の中から、交差点において交錯の可能性がある車両を選別する対象車両選択手段と、
所定の優先度設定アルゴリズムに従って、交錯の可能性がある各車両に対して優先度を設定する優先度設定手段と、
設定した優先度に基づいて、優先度の高い車両が優先的に交差点に進入できるように、交差点への車両の接近態様を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明に係る車両制御システムにおいて、交錯の可能性がある各車両における個々の固有事情を取得する固有事情取得手段を備え、優先度設定手段は、前記固有事情取得手段により取得された固有事情を考慮して、前記優先度の設定を行うことを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明に係る車両制御システムにおいて、車両検出手段により検出した車両の中から、交差点に対して群をなして接近する車群を抽出する車群抽出手段を備え、
前記優先度設定手段は、交錯の可能性がある各車群に属する各車両に対して、各車群のそれぞれの属性を考慮して、前記優先度の設定を行うことを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明に係る車両制御システムにおいて、前記車群の属性は、車群の先頭車両から最後尾車両までの車群長さを含み、
前記優先度設定手段は、車群長さの長い車群に属する各車両に対して、高い優先度を付与することを特徴とする。
第5の発明は、第3の発明に係る車両制御システムにおいて、前記車群の属性は、車群全体としての移動速度である車群速度を含み、
前記優先度設定手段は、車群速度の大きい車群に属する各車両に対して、高い優先度を付与することを特徴とする。
第6の発明は、第3の発明に係る車両制御システムにおいて、交差点に同一方向から接近する複数の車両が車群を形成するように、車両の走行状態を制御する車群形成手段を備えることを特徴とする。
第7の発明は、第6の発明に係る車両制御システムにおいて、前記車群形成手段は、交差点の手前所定範囲内において所定の群状態の車群が形成されるように、車両の走行状態を制御することを特徴とする。
第8の発明は、第3又は4の発明に係る車両制御システムにおいて、前記車群の属性は、車群に属する各車両間の距離の積算値を含むことを特徴とする。
第9の発明は、第8の発明に係る車両制御システムにおいて、各車両には、前方車両との車間距離を測定する機能、及び、他の車両との車車間通信を行う機能が実装されており、
前記車群長さは、車群に属する車両間での車車間通信を介して得られる各車間距離情報に基づいて、導出されることを特徴とする。
第10の発明は、第3の発明に係る車両制御システムにおいて、前記車群の属性は、前記車群に属する一車両の速度履歴に基づいて判断されることを特徴とする。
第11の発明は、第10の発明に係る車両制御システムにおいて、前記優先度設定手段は、前記車群に属する一車両の車速が所定値以下である状態が所定時間以上継続した場合、該車群に属する各車両に対して、高い優先度を付与することを特徴とする。
第12の発明は、第1の発明に係る車両制御システムにおいて、前記優先度設定手段は、車速が所定値以下である車両に対して低い優先度を付与することを特徴とする。
第13の発明は、第1〜12の何れかの発明に係る車両制御システムにおいて、前記車両検出手段、前記対象車両選択手段、前記優先度設定手段及び前記制御手段の少なくとも一部の動作が、各車両に搭載される通信機能付き専用車載機器により協働して実現されることを特徴とする。更に、第3の発明に係る車両制御システムにおいては、前記車群抽出手段の少なくとも一部の動作が、各車両に搭載される通信機能付き専用車載機器により協働して実現されてもよい。また、第6の発明に係る車両制御システムにおいては、前記車群形成手段の少なくとも一部の動作が、各車両に搭載される通信機能付き専用車載機器により協働して実現されてもよい。
本発明によれば、交差点における円滑な交通制御を実現することができる車両制御システムを得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明による車両制御システムの一実施態様を示すシステム構成図である。図1には、車両側構成と、管制側構成とが示されている。図1に示す車両側構成は、1台の車両に係る構成であるが、本システムに関連する各車両には、同様の構成が搭載される。同様に、図1に示す管制側構成は、1つの交差点に係る構成であるが、本システムに関連する各交差点には、同様の構成が設定される。
図1に示すように、車両側構成は、車両に搭載され、車速記録装置10、高精度位置特定装置12、通信装置14、制駆動力発生装置16、及び、アクセルペダル反力発生装置18を備える。
車速記録装置10は、例えば車輪速センサのセンサ出力に基づいて車両の速度履歴を記録する。
高精度位置特定装置12は、例えばRTK−GPS(リアルタイム・キネマチック全地球測位システム)や搬送波位相式測位法などによる高精度測位機能を備える。高精度位置特定装置12は、GPS測位による自車位置情報と道路情報を参照して地図上の自車両現在位置を特定する。本実施態様において、道路情報は、適切なメモリに保持されるが、車載機器(例えばナビゲーション装置)などから取得してもよく、さらに、通信装置14を介して外部(他車両や外部の情報提供センタ)から取得してもよい。
通信装置14は、他車両及び/又は管制側と通信し、いわゆる車車間通信及び/又は路車間通信を実現する。アンテナの性能や形状並びに通信に利用する方式や周波数帯域などについては特段の制限はなく任意でよい。車車間通信及び路車間通信について様々な手法や装置構成が既に提案されており、通信装置14の更なる具体例は当業者には明らかである。
制駆動力発生装置16は、車輪毎に配されるブレーキ(機械ブレーキ)や、モータージェネレータによる回生ブレーキを含む制動力発生装置を含む。機械ブレーキの場合、各ブレーキは、それぞれに対して設けられるアクチュエータにより、運転者によるブレーキペダルの操作量に応じて電気的に制御され、また、必要に応じて、自動的に各車輪毎に個別に制御される。制駆動力発生装置16は、また、エンジンや電動モータのような駆動力発生装置を含む。尚、電動モータは、2次電池や燃料電池を電源として動作するものであってよい。
本実施態様では、制駆動力発生装置16は、後述するように、管制側から通信装置14を介して受信する制御信号に応じて、制動力及び/又は駆動力を発生させる。尚、かかる介入による加減速制御中においても、運転者による自主的なブレーキ操作が行われた場合には、ブレーキ操作による制動が優先的に実現される。これは、特に安全面を考慮して運転者による制動意思を最も優先させるべきであるからである。
アクセルペダル反力発生装置18は、運転者が足で操作するアクセルペダルに設定されたアクチュエータにより、アクセルペダルの反力を制御して、制駆動力発生装置16による介入制動状態に応じた大きさのアクセルペダル反力を発生させる。アクセルペダル反力の制御については様々な手法や装置構成が既に提案されており、具体例は当業者には明らかである。
管制側構成は、インフラとして設置される基地局又は中継局であり、交差点(特に信号機のない交差点。)毎に配置されてもよいし、複数の交差点を統括するように配置されてもよい。
管制側構成は、図1に示すように、環境力発生部20、優先度設定部22、座標変換部24、対象車両選択部26、車両検出部27、及び、通信装置28を備える。車両側と管制側とは、それぞれの通信装置14及び通信装置28を介して双方向通信(路車間通信)可能に構成される。
図2は、本実施態様に係る交差点通過判断アルゴリズムの流れを示すフローチャートである。この交差点通過判断アルゴリズムは、交差点に進入してくる複数の車両を時間的にずらして該交差点を通過させるものである。尚、以下では、車両側と管制側とが協働して、交差点通過判断アルゴリズムを実現している。しかしながら、車両側に各種機能部20〜26を設定し、複数の車両が協働して、車車間通信を介して自律的に交差点通過判断アルゴリズムを実現してもよいし、また、車両側に各種機能部20〜26の一部を設定することも可能である。尚、車両側に各種機能部20〜26の全てを設定する場合には、管制側、即ちインフラ自体が不要となる。
図2を参照するに、管制側は、通信装置28による各車両との路車間通信により、車両検出部27により交差点に接近してくる車両を検出する(S210)。例えば、管制側は、交差点中心から所定エリア又は所定時間半径内の車両を検出する。尚、複数の車両が協働して、車車間通信を介して自律的に交差点通過判断アルゴリズムを実現する構成では、各車両は、それぞれの車両位置情報と道路情報とに基づいて自車両の交差点への接近を検出する。
管制側は、通信装置28による各車両との路車間通信により、検出した各車両の位置及び速度を取得する(S220)。尚、複数の車両が協働して、車車間通信を介して自律的に交差点通過判断アルゴリズムを実現する構成では、各車両は、車車間通信を介して、他車両の位置及び速度を取得する。
次いで、管制側の対象車両選択部26は、交差点に接近してくる各車両のうち、交錯の可能性のある車両を選択する(S230)。ここで、用語“交錯”とは、“衝突”とは異なる。即ち、本実施態様では、以下詳説する如く、交差点手前で設定される適切な優先順位に従って各車両の交差点への接近態様が事前に制御されるので、交差点において衝突が起こる可能性は理論的にはゼロであり、従って、交錯の可能性のある車両とは、「交差点に対してそれぞれ異なる方向から接近して進入する車両」程度の意味しか持たない。交錯の可能性のある車両の選択の具体例を挙げると、例えば、ある着目車両に対して同じ車線を同じ方向に走行中の車両、着目車両が交差点を直進する場合の対向車両、着目車両の走行道路と立体交差した道路を走行中の車両、道路以外の場所を走行中の(例えば道路沿いの駐車場内を徐行中の)車両、及び、交差点から遠ざかって行っている車両などは対象外となり、着目車両と同様、交差点に向かって進行中の車両であって、着目車両との速度ベクトルの内積が0又は0に近い車両が選択対象となる。尚、複数の車両が協働して、車車間通信を介して自律的に交差点通過判断アルゴリズムを実現する構成では、自車両を着目車両として、該自車両と交錯の可能性のある他車両が選択されることになる。
次いで、管制側の優先度設定部22は、所定の優先度設定アルゴリズムに従って、交錯可能性のある各車両に対して優先順位ないし優先度(以下、単に「優先順位」という。)を決定する(S240)。優先度設定アルゴリズムは、基本的には、交差点における円滑で効率的な交通を実現する観点から構築される。優先順位は、2段階(即ち、優先権の有り、無し)で決定されてもよいし、3段階以上で決定されてもよい。以下では、優先順位を高い低いと表現するが、優先順位が2段階で表される構成の場合、高い優先順位とは優先権がある場合であり、低い優先順位とは優先権がない場合である。優先順位が3段階で表される構成の場合、高い優先順位とは、相対的に高いという程度、或いは、それよりも低い優先順位があるという程度の意味であり、特に明示しない限り、優先順位が最上位であることを必ずしも意味しない。また、以下で用いられる用語 “非優先車両”とは、優先権がない車両(優先順位が2段階で表される構成の場合。)、或いは、優先順位が最上位でない車両を意味し、“最優先車両” とは、優先権がある車両(優先順位が2段階で表される構成の場合。)、或いは、優先順位が最上位である車両を意味する。
本ステップ240における優先順位を決定する処理は、交差点に進入しているすべての車両において個々に行われる。尚、複数の車両が協働して、車車間通信を介して自律的に交差点通過判断アルゴリズムを実現する構成では、同じ交差点に向けて進行している交錯可能性を有する複数の車両は、通信により互いの位置情報(及び車速情報)を相互に把握していると共に、すべての車両が同じ優先度設定アルゴリズムに基づいて優先順位を決定するため、いずれの車両においても同じ結論が得られ、矛盾は生じない。
優先順位決定処理は、全車両に共通であって矛盾が生じない限り、任意の優先度設定アルゴリズムに基づくものであってよい。例えば、各車両の車速情報に基づいて、所定速度以下の車両は非優先車両とされる。次に、交差点で交差する各道路の特性によって判断される。道路幅に差があれば幅が広い道路の方が優先となる。道路情報に交差道路のうちいずれが優先道路か特別の指定がある場合、それに従ってもよい。次に、道路特性による優先度が同一の場合(例えば、道路幅が略等しい場合)、各車両の位置情報(及び車速情報)に基づいて、交差点に早く到達する順に優先順位が付される。次に、それでも優先順位が決まらないときは、左方優先の原則を適用し、左側から来る車両が優先される。尚、優先順位を決定する因子が数多くある場合は、各因子毎にポイント加算方式で各車両にポイントを付与し、ポイントの大きい車両から順に高い優先順位を付してもよい。
この優先順位決定処理は、各車両に関して、その車両が交差点を通過するまで繰り返し実行される。なぜなら、例えばある車両が前方障害物等により急減速又は急停止等した場合や道路沿いの駐車場等に入った場合に優先順位が変動し得るからである。また、最優先車両が交差点を通過し終えると、他の車両の優先順位が繰り上げられ、新たな最優先車両が決定される。
このようにして交錯可能性を有する複数の車両について優先順位が決定されると、最優先車両以外は非優先車両として最優先車両が交差点を通過するまで交差点を通過しないように時間差を生じさせるための処理に移行する。
即ち、優先順位付け(S240)後、座標変換部24は、非優先とされた車両を対象に座標変換処理を行う(S250)。尚、最優先とされた車両は、管制側による減速のための制御介入が何ら実行されず、運転者の操作するままの車速が許容される。この座標変換処理では、各対象車両の位置及び速度が、交差点形状に応じた直交座標系に変換される(即ち、各対象車両が、それぞれの速度ベクトルを持った座標点に変換される。)。
次いで、管制側の環境力発生部20は、非優先とされた車両を対象に環境力アルゴリズムを適用する。具体的には、環境力発生部20は、最優先車両に係る直交座標変換された位置及び速度を、最優先車両によりも優先順位が低い車両の走行道路上(即ち、最優先車両と交錯可能性のある車両が存在する道路上)に写像し、該写像した最優先車両を先行車両として見立て、後続の車両に関する追従環境力を算出する(S260)。追従環境力は、特開平8−115779号公報(特許文献2)に記載されるように、後続車両が先行車両に衝突しないように場から受ける環境力である。したがって、この仮想先行車両から追従環境力を受けるものとして仮想先行車両の後続車両(非優先車両)を減速させることにより、最優先車両が最優先車両より優先順位が高い車両と交差点において交錯しないようにすることができる。
ここで、上記特許文献2によれば、追従環境力Cは、
Figure 2006350568
と表される(特許文献2の段落[0055]の記載参照)。ここで、aは運転者固有の最大加速度であり、x及びx’は非優先車両の位置及び速度であり、x−1及びx’−1は先行車両の位置及び速度であり、Tは運転者固有の車間時間であり、Lは運転者固有の停止時車間距離であり、pは環境条件の有効な範囲の大きさを決めるパラメータである。
ここで、写像された仮想先行車両の位置及び速度をy−1及びy’−1とすると、上記式(1)は、仮想先行車両に対して、
Figure 2006350568
と書き換えることができる。ここで、Tcrossは運転者固有の交錯車間時間であり、Lcrossは運転者固有の交錯停止時車間距離である。
−1及びy’−1は、直交座標変換により、
Figure 2006350568
Figure 2006350568
である。ここで、y及びy’は仮想先行車両の位置及び速度であり、(Xsig,Ysig)は交差点位置である。ここで、式(4)の右辺には2階微分が入っているため、これを解くと解が2つ現れ、一方の解が発散してしまう。そこで、本実施態様では、便宜上、2階微分の項を丸めて、式(4)を
Figure 2006350568
と変形して用いるものとする。これによる実質的な問題は生じない。
このようにして、最優先車両を仮想先行車両とした場合に追従環境力を受ける各車両に対して、それぞれの追従環境力が算出されると、管制側は、この算出された環境力に応じて、各車両の制駆動力発生装置16に対して、それぞれ発生させるべき制動力を指示する(S270)。これに応じて各車両の制駆動力発生装置16が作動し、算出された環境力に応じた減速度及び/又は車速が実現され、各車両において、必要に応じた減速、徐行ないし一時停止線での停止が実現される。尚、各車両の追従環境力は、上述の算出方法の他、それぞれの車両の1つ上の優先順位を持つ車両を仮想先行車両として算出されてもよいし、該車両よりも上位順位の全ての車両をそれぞれ仮想先行車両として算出した各追従環境力を、積算することで算出されてもよい。
このステップ270では、アクセルペダル反力発生装置18は、車両側において速度制御中である旨を車両乗員(特に運転者)に伝達すべく、制駆動力発生装置16が発生する制動力に応じて、アクセルペダル反力を制御する。これにより、運転者(及び他の乗員)は、自動的にブレーキが掛かったことについて視覚的、聴覚的、及び/又は触覚的に伝達を受けるため、事態を把握できる。
各車両を時間差をもって交差点を円滑に通過させるために、下位の方の優先順位の車両が一時停止することも許容される。しかしながら、交通の円滑化の観点からは、できる限り一時停止する車両が生じないように非優先車両の車速が制御されることが好ましい。
もし一時停止した場合には、その車両については、横断発進判断支援アルゴリズムにより、一時停止状態から発進する際の発進支援が実行される(S280)。横断発進判断支援アルゴリズムについては様々な手法が既に提案されており、具体例は当業者には明らかである。例えば、簡易的には、管制側は、路車間通信により、待機中の各車両の進入方向(直進・右左折)を把握し、待機中の車両の優先順位が最上位になったときに、該車両のアクセルペダル反力制御が解除されるようアクセルペダル反力発生装置18に対して指示を出して、運転者に発進許可状態を把握させてもよい。
このように、本実施態様によれば、交錯可能性を有する2台以上の車両がそれぞれの車両の減速度を最小限に留めながら交差点を時間差をもって接触・衝突することなく通行することができるため、信号機のない交差点において同一の2次元平面上に存在しながらあたかも交差する道路が立体交差しているかのような円滑な交通が実現される。
次に、上述の基本実施態様を前提として、それに付加ないし変更を加えて実現できる幾つかの特徴的な実施例を説明していく。
実施例1は、上述の優先度設定部22における優先順位の設定方法(優先度設定アルゴリズム)に関するものである。実施例1では、各車両には、それぞれの車両における個々の固有事情を検出・取得する固有事情取得部19が設定される。各車両で取得された各々の固有事情は、路車間通信を介して優先度設定部22に取得され、優先度設定部22における優先順位の設定方法に反映される。
ここで、各々の固有事情とは、エンジン出力、エンジントルク、車両重量等を含む加減速性能などの車両性能に関する事情、及び、乗員数、急いでいるか否か等の乗員の事情を含む。尚、急いでいるか否か等の乗員の心理的な事情は、車内カメラの画像解析や、音声認識結果等に基づいて検出されてよい。
具体的には、優先度設定部22は、車両性能が良い車両や、急いでいる乗員が搭乗している車両、乗員数が多い車両に対して、高い優先順位を付与する。これにより、例えばか減速性能が良い車両に対して、比較的性能が劣る車両に応じた過大な制御マージンを想定する必要がなくなり、最適な優先順位決定を実現することができる。
このように、本実施例1によれば、車両毎に異なり得る固有事情を考慮することで、個々の固有事情に応じたフレキシブルな優先度設定が可能となり、より効率の良いシステムを構築することができる。
実施例2以降は、車両単位で優先度を設定するのではなく、車群単位で優先度を付与する実施例に関する。
図3は、本実施例2に係る車両制御システムの一実施例を示すシステム構成図である。このシステムは、図1に示すシステム構成に対して、管制側に車群抽出部40が設定されている点が異なる。
図4は、本実施例2に係る交差点通過判断アルゴリズムの流れを示すフローチャートである。この交差点通過判断アルゴリズムは、交差点に進入してくる複数の車両を車群単位で時間的にずらして該交差点を通過させるものである。尚、以下では、車両側と管制側とが協働して、交差点通過判断アルゴリズムを実現している。しかしながら、車両側に各種機能部20〜26、40を設定し、複数の車両が協働して、車車間通信を介して自律的に交差点通過判断アルゴリズムを実現してもよいし、また、車両側に各種機能部20〜26、40の一部を設定することも可能である。以下、図2と同様の処理が行われるステップについては、詳細な説明を省略する。
図4を参照するに、管制側は、通信装置28による各車両との路車間通信により、車両検出部27により交差点に接近してくる車両を検出する(S310)。
管制側は、通信装置28による各車両との路車間通信により、検出した各車両の位置及び速度を取得する(S320)。
次いで、管制側の対象車両選択部26は、交差点に接近してくる各車両のうち、交錯の可能性のある車両を選択する(S330)。例えば、上述と同様、交差点に向かって進行中の車両であって、車両同士の速度ベクトルの内積が0又は0に近い車両が選択対象となる。
次いで、管制側の車群抽出部40は、上記ステップ310、320で得た情報に基づいて、対象車両選択部26により選択された車両の中から、交差点に対して群(隊列)をなして接近する車群を抽出する(S335)。これにより、交錯の可能性のある各車群が特定される。ここで、車群とは、交差点に対して群をなして接近する複数車両の塊(集合)であり、例えば、所定車間距離且つ所定速度差を満たしつつ同一方向に走行する複数車両が、“車群”として抽出されてよい。尚、複数の車両が協働して、車車間通信を介して自律的に交差点通過判断アルゴリズムを実現する構成では、自車両が属する車群に対して交錯の可能性のある車群が特定されることになる。
次いで、管制側の優先度設定部22は、所定の優先度設定アルゴリズムに従って、交錯可能性のある各車両に対して優先順位を決定する(S340)。このとき、優先度設定部22は、車群単位で優先順位を決定し、同一車群に属する車両には、原則的に、同一の優先順位を付与する。尚、車群を形成していない車両に対しては、車群に属する車両よりも低い優先順位が付与されてよい。
ここで、車群単位での優先順位決定方法について、優先度設定部22は、基本的には、車群長さ(車群の先頭車両から最後尾車両までの長さ。)が長い車群に対して、高い優先順位を付与する。これは、車群長さが長い方を優先したほうが多くの車両(乗員)を効率良く交差点を通過させることができるためである。車群長さは、簡易的には、最後尾車両と先頭車両の位置情報に基づいて算出されてよい。
また、同様の観点から、上述の実施例1で説明したような固有事情が、車群毎に評価されてもよい。例えば、乗員数の多い車両(例えば、バス)が含まれている場合には、当該車両が含まれる車群に対して高い優先順位が付与されてもよい。これは、乗員数の多い方を優先したほうが多くの乗員が効率良く交差点を通過することができるためである。
また、優先度設定部22は、車群の移動速度(以下、「車群速度」という。)が大きい車群に対して、高い優先順位を付与する。これは、車群速度が大きい方を優先したほうが多くの車両(乗員)を効率良く交差点を通過させることができるためである。車群速度は、車群に属する各車両の車速の平均値であってよく、或いは、先頭車両などの適切な代表車両の車速であってもよい。
本ステップ340において、優先度設定部22は、具体的には、車群抽出部40により抽出された各車群に対して、それぞれの車群の属性(本例では車群長さ及び車群速度)を把握し、各車群の属性に応じた優先順位を付与する。
このようにして交錯可能性を有する複数の車両について優先順位が決定されると、最優先とされた車群以外の車群に属する車両又は車群に属しない車両を、非優先車両とし、最優先車両(最優先とされた車群に属する車両)が交差点を通過するまで非優先車両が交差点を通過しないように時間差を生じさせるための処理に移行する。
即ち、優先順位付け(S340)後、座標変換部24は、非優先車両を対象に座標変換処理を行う(S350)。尚、最優先車両は、管制側による減速のための制御介入が何ら実行されず、運転者の操作するままの車速が許容される。この座標変換処理では、各対象車両の位置及び速度が、交差点形状に応じた直交座標系に変換される。
次いで、管制側の環境力発生部20は、最優先車両に係る直交座標変換された位置及び速度を、最優先車両によりも優先順位が低い車両の走行道路上(即ち、最優先車両と交錯可能性のある車両が存在する道路上)に写像し、該写像した最優先車両を先行車両として見立て、後続の車両に関する追従環境力を算出する(S360)。このとき、上述の如く仮想先行車として写像される最優先車両は、最優先とされた車群の最後尾車両であってよい。また、環境力発生部20は、車群単位で追従環境力を算出してもよい。即ち、環境力発生部20は、優先順位の高い車群の最後尾車両を、優先順位の低い車群の先頭車両の走行道路上に写像し、当該先頭車両の受ける追従環境力を、当該先頭車両の属する車群の各車両に作用させることとしてもよい。
このようにして、最優先車両を仮想先行車両とした場合に追従環境力を受ける各車両に対して、それぞれの追従環境力が算出されると、追従環境力に応じた制動制御及びアクセルペダル反力制御が実行される(S370)。
もしステップ370による制動制御により車群の先頭車両が一時停止した場合には、その先頭車両及びその後続車両については、横断発進判断支援アルゴリズムにより、一時停止状態から発進する際の発進支援が実行される(S380)。例えば、管制側は、路車間通信により、待機中の各車両の進入方向(直進・右左折)を把握し、待機中の車両の優先順位が最上位になったときに、該車両のアクセルペダル反力制御が解除されるようアクセルペダル反力発生装置18に対して指示を出して、運転者に発進許可状態を把握させてもよい。
このように、本実施例によれば、交錯可能性を有する2つ以上の車群がそれぞれの車群としての減速度を最小限に留めながら交差点を時間差をもって接触・衝突することなく通行することができるため、信号機のない交差点において同一の2次元平面上に存在しながらあたかも交差する道路が立体交差しているかのような円滑な交通が実現される。
図5は、本実施例3に係る車両制御システムの一実施例を示すシステム構成図である。このシステムは、図3に示すシステム構成に対して、管制側に車群形成部42が設定されている点が異なる。
図6は、本実施例2に係る交差点通過判断アルゴリズムの流れを示すフローチャートである。この交差点通過判断アルゴリズムは、交差点に進入してくる複数の車両を車群単位で時間的にずらして該交差点を通過させるものである。尚、以下では、車両側と管制側とが協働して、交差点通過判断アルゴリズムを実現している。しかしながら、車両側に各種機能部20〜26、40、42を設定し、複数の車両が協働して、車車間通信を介して自律的に交差点通過判断アルゴリズムを実現してもよいし、また、車両側に各種機能部20〜26、40、42の一部を設定することも可能である。以下、図4と同様の処理が行われるステップについては、詳細な説明を省略する。
管制側は、通信装置28による各車両との路車間通信により、車両検出部27により交差点に接近してくる車両を検出する(S410)。
管制側は、通信装置28による各車両との路車間通信により、検出した各車両の位置及び速度を取得する(S420)。
次いで、管制側の対象車両選択部26は、交差点に接近してくる各車両のうち、交錯の可能性のある車両を選択する(S430)。例えば、上述と同様、交差点に向かって進行中の車両であって、車両同士の速度ベクトルの内積が0又は0に近い車両が選択対象となる。
次いで、管制側の車群抽出部40は、対象車両選択部26により選別された各車両の中から、車群を抽出すると共に、車群候補を抽出する(S440)。車群候補とは、現在車群を形成していないが、交差点までの区間内で車群を形成すべき或いは車群を形成可能な複数車両をいう。
次いで、管制側の優先度設定部22は、所定の優先度設定アルゴリズムに従って、交錯可能性のある各車両に対して優先順位を決定する(S450)。即ち、優先度設定部22は、車群候補を含む車群単位で優先順位を決定し、同一車群ないし車群候補に属する車両には、原則的に、同一の優先順位を付与する。このとき、優先度設定部22は、車群ないし車群候補の属性(例えば車群長さ及び車群速度)に基づいて、各車群ないし車群候補の優先順位を決定する。尚、車群ないし車群候補に属しない車両に対しては、車群に属する車両よりも低い優先順位が付与されてよい。
次いで、管制側の座標変換部24は、非優先車両及び車群候補内の車両を対象に座標変換処理を行う(S460)。
次いで、管制側の車群形成部42は、車群候補に対して、車群形成アルゴリズムを適用して所望の状態の車群を形成させる(S470)。この車群形成アルゴリズムは、簡易的には、所望の状態の車群を形成させるべく、車群候補に属する車両の車間距離を積極的に詰めたり、車群候補内の車両間での相対速度を積極的に減らしたりするアルゴリズムであってよい。例えば、各車両が制駆動力発生装置16による先行車追従機能(先行車両に対して所望の車間距離ないし車間時間で追従するように加減速度を制御できる機能。)を備える場合、車群候補内の各車両に対して路車間通信を介して指示を出して、通常の追従制御時の目標車間距離ないし目標車間時間よりも小さい目標値で追従制御を実行させてもよい。
この種の車群形成アルゴリズムは、交差点の手前所定エリア内において適用され、遅くても各車両が所定の群状態で交差点を通行できるように適用される。この適用エリアは、交差点の素性ないし属性(例えば、交差点間の間隔や、道路幅等)に応じて異なりうり、例えば交差点間の距離が長い場合には(即ち、交差点までの所要時間が十分ある場合は)、適用エリアが広くされ、スムーズな加減速による車群形成を可能とする。
本ステップ470では、車群形成部42は、優先度設定部22による付与される優先順位をも考慮して、車群形成アルゴリズムを適用する。即ち、上述の環境力算出と同様の考え方で、各車群ないし車群候補の全体としての目標移動態様に基づいて、優先順位の低い車群ないし車群候補の先頭車両に対して、環境力アルゴリズムを適用して、優先順位の低い車群ないし車群候補全体に環境力が作用するようにする。
このようにして、優先順位の低い車群ないし車群候補に対して車群形成アルゴリズム及び環境力アルゴリズムが適用されると、当該車群ないし車群候補に属する各車両において、加減速制御及びアクセルペダル反力制御が実行される(S480)。
もしステップ480による制動制御により車群の先頭車両が一時停止した場合には、その先頭車両及びその後続車両については、横断発進判断支援アルゴリズムにより、一時停止状態から発進する際の発進支援が実行される(S490)。例えば、管制側は、路車間通信により、待機中の各車両の進入方向(直進・右左折)を把握し、待機中の車両の優先順位が最上位になったときに、該車両のアクセルペダル反力制御が解除されるようアクセルペダル反力発生装置18に対して指示を出して、運転者に発進許可状態を把握させてもよい。
このように、本実施例によれば、車群形成アルゴリズム及び環境力アルゴリズムの双方を適用することで、多数の車両がまとまりなく交差点に接近してくる状況下でも、車群単位で効率的に交差点を通過させることができる。そして、交錯可能性を有する2つ以上の車群がそれぞれの車群としての減速度を最小限に留めながら交差点を時間差をもって接触・衝突することなく通行することができるため、信号機のない交差点において同一の2次元平面上に存在しながらあたかも交差する道路が立体交差しているかのような円滑な交通が実現される。
実施例4は、管制側の優先度設定部22において用いられる車群属性判断ロジックに関するものであり、上述の実施例2,3に適用可能である。
本実施例4では、優先度設定部22は、車両側の車速記録装置10で記録される車両の速度履歴に基づいて、該車両が車群ないし車群候補に属しているか否か、属している場合にはその車群ないし車群の属性(例えば車群長さ及び車群速度)を判断する。
図7は、車群に属する車両の速度履歴の一例を示す図であり、時刻t1から時刻tnまでの速度が棒グラフにて示されている。時刻tnは、優先度設定部22による優先順の判断が行われるタイミングを表す。一般的に、車両は、図7に示すように、前方の車群に吸収される際、徐々に速度が減少し、車群に属した後は、車群の全体の移動速度に合わせて概して一定の速度以下で走行を続ける。
そこで、本実施例4では、この速度傾向に着目し、ある車両の速度履歴に基づいて、該車両が車群ないし車群候補に属しているか否か、属している場合にはその車群ないし車群の属性(例えば車群長さ及び車群速度)を判断する。具体的には、優先度設定部22は、路車間通信を介して特定の車両の速度履歴を取得し、図7に示すように、当該車両に関して、所定の車群認識速度Vlow以下となっている時間Tcを算出し、時間Tcが所定時間以上である場合には、当該車両が車群ないし車群候補に属していると判断する。そして、優先度設定部22は、時間Tcの長さに基づいて、その車群ないし車群候補の属性(例えば車群長さ及び車群速度)を判断する。この場合、優先度設定部22は、図7(A)に示すように、時間Tcが長いほど車群長さが大きいと判断して、当該車両の属する車群ないし車群候補に対して高い優先順位を付与してよい。また、時間Tcが所定時間を超えた場合には、車群の動きが滞留していると判断して、当該車両の属する車群ないし車群候補に対して最も高い優先順位を付与してもよい。
或いは、優先度設定部22は、路車間通信を介して特定の車両の速度履歴を取得し、当該車両に関して、所定の車群認識速度Vlow以下となる頻度を算出してもよい。この場合、優先度設定部22は、図7(B)に示すように、所定の車群認識速度Vlow以下となる頻度の高いほど車群長さが大きいと判断して、当該車両の属する車群ないし車群候補に対して高い優先順位を付与してよい。また、頻度が所定回数を超えた場合には、車群の動きが滞留していると判断して、当該車両の属する車群ないし車群候補に対して最も高い優先順位を付与してもよい。尚、この頻度による判断手法の場合には、途中で一時的に車速が車群認識速度Vlow以上に大きくなっても、車群に属するとして判断される。
或いは、優先度設定部22は、路車間通信を介して特定の車両の速度履歴を取得し、当該車両に関して、所定計測期間中の平均車速を算出してもよい。この場合、優先度設定部22は、図7(C)に示すように、平均車速が小さいほど車群長さが大きいと判断して、当該車両の属する車群ないし車群候補に対して高い優先順位を付与してよい。また、平均車速が所定速度以下の場合には、車群の動きが滞留していると判断して、当該車両の属する車群ないし車群候補に対して最も高い優先順位を付与してもよい。
このように本実施例によれば、交差点に向かう道路上を走行する少なくとも1台の車両の速度情報を取得するだけで、当該道路上に車群ないし車群候補が存在するか否か及び車群ないし車群候補の属性を認識することができる。従って、本実施例が上述の実施例2,3に適用された場合には、上述の実施例2,3におけるステップ320,420の処理、即ち、各車両からそれぞれの速度情報を取得する処理が不要となりうる。また、動きが滞留している車群に対して最優先順位を付与することで、上述の実施例2,3により低い優先順位を付与されて環境力が作用された車群に対しても、適切な段階で交差点通過が可能となるので、優先順位の低い状態が継続して交差点通過が長時間許可されないような事態を回避することができる。
尚、本実施例において、1台の車両の速度情報だけでなく、それと同一方向で交差点に接近する他車両の速度履歴を複合的に用いて、認識・判断精度を高めてもよい。また、複数の車両が協働して、車車間通信を介して自律的に交差点通過判断アルゴリズムを実現する構成では、各車群ないし車群候補の例えば先頭車両同士が車車間通信を行い、それぞれの車群ないし車群候補の特定車両の速度履歴に基づいてそれぞれの車群ないし車群候補の属性を認識し合い、それぞれの優先順位を決定し合ってもよい。
実施例5は、車群ないし車群候補の属性を導出するアルゴリズムに関する。本アルゴリズムは、車群ないし車群候補に属する車両間での車車間通信を介して実行され、その結果、車群ないし車群候補の属性が自律的に導出される。
図8は、本実施例5に係る自律的属性判断アルゴリズムの流れを示すフローチャートである。
ステップ500では、車群ないし車群候補に属する後続車両から先行車両に対して、積算値I1が車車間通信を介して送られる。積算値I1を後続車両から受け取った先行車両においては、積算値I1に係数αを乗じてI2が算出され(S510)、更なる先行車が存在する場合には(S520のYES)、当該更なる先行車との車間距離Dが測定され(S530)、その逆数d=1/DをI2に足してI3が算出され(S540)、I3が積算値として、当該更なる先行車に車車間通信を介して送られる(S550)。当該更なる先行車においては、積算値I3を、上記積算値I1としてステップ500以降の処理が同様に行われる。尚、先行車との車間距離Dは、各車両に搭載されるレーダーセンサや画像センサにより計測されてよい。また、係数αは、交錯可能性のある車群ないし車群候補の交差点における交通が円滑になるように調整される適合値である。
一方、更なる先行車が存在しない場合には(S520のNo)、当該先頭車両においては、d=0として最終的な積算値I3が算出される(S560)。そして、当該先頭車両は、交錯可能性のある車群ないし車群候補の先頭車両と車車間通信を行い、それぞれの積算値I3の値に基づいてそれぞれの車群ないし車群候補の属性を認識し合い、それぞれの優先順位を決定する(S570)。この場合、積算値I3が大きい車群ないし車群候補に対して、高い優先順が付与されてよい。
このように本実施例5によれば、車間距離の逆数の積算値により車群の属性を評価するので、例えば車間距離が一定以上開いている故に車群と看做されないような車両の塊についても、車群として対等に評価することができる。これにより、たまたま車間距離が一定以上開いている箇所があるために優先順位が下がり、本来優先順位が高く設定されるべき車両が最適な順位で交差点を通過できなくなるような事態を防止することができる。
また、本実施例では、複数の車両が協働して、車車間通信を介して自律的に交差点通過判断アルゴリズムが実現されているが、上述のように管制側との協働で交差点通過判断アルゴリズムを実現することも可能である。この場合、管制側の優先度設定部22は、各車群ないし車群候補からの得られる積算値I3に応じて、それぞれの優先順位を決定することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述した実施例では、環境力アルゴリズムや車群形成アルゴリズムの適用の結果として、各車両において制駆動力発生装置16による加減速のための介入制御が行われているが、介入制御に代えて又は加えて、運転者による自主的な操作を促す操作案内が行われてもよい。
本発明による車両制御システムの基本実施態様を示すシステム構成図である。 基本実施態様に係る交差点通過判断アルゴリズムの流れを示すフローチャートである。 実施例2に係る車両制御システムの一実施例を示すシステム構成図である。 本実施例2に係る交差点通過判断アルゴリズムの流れを示すフローチャートである。 実施例3に係る車両制御システムの一実施例を示すシステム構成図である。 本実施例3に係る交差点通過判断アルゴリズムの流れを示すフローチャートである。 車群に属する車両の速度履歴の一例を示す図である。 本実施例5に係る自律的属性判断アルゴリズムの流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10 車速記録装置
12 高精度位置特定装置
14 通信装置
16 制駆動力発生装置
18 アクセルペダル反力発生装置
19 固有事情取得部
20 環境力発生部
22 優先度設定部
24 座標変換部
26 対象車両選択部
28 通信装置
40 車群抽出部
42 車群形成部

Claims (13)

  1. 交差点に進入すべく交差点に接近する車両を検出する車両検出手段と、
    車両検出手段により検出した車両の中から、交差点において交錯の可能性がある車両を選別する対象車両選択手段と、
    所定の優先度設定アルゴリズムに従って、交錯の可能性がある各車両に対して優先度を設定する優先度設定手段と、
    設定した優先度に基づいて、優先度の高い車両が優先的に交差点に進入できるように、交差点への車両の接近態様を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする車両制御システム。
  2. 交錯の可能性がある各車両における個々の固有事情を取得する固有事情取得手段を備え、優先度設定手段は、前記固有事情取得手段により取得された固有事情を考慮して、前記優先度の設定を行う、請求項1に記載の車両制御システム。
  3. 車両検出手段により検出した車両の中から、交差点に対して群をなして接近する車群を抽出する車群抽出手段を備え、
    前記優先度設定手段は、交錯の可能性がある各車群に属する各車両に対して、各車群のそれぞれの属性を考慮して、前記優先度の設定を行う、請求項1に記載の車両制御システム。
  4. 前記車群の属性は、車群の先頭車両から最後尾車両までの車群長さを含み、
    前記優先度設定手段は、車群長さの長い車群に属する各車両に対して、高い優先度を付与する、請求項3に記載の車両制御システム。
  5. 前記車群の属性は、車群全体としての移動速度である車群速度を含み、
    前記優先度設定手段は、車群速度の大きい車群に属する各車両に対して、高い優先度を付与する、請求項3に記載の車両制御システム。
  6. 交差点に同一方向から接近する複数の車両が車群を形成するように、車両の走行状態を制御する車群形成手段を備える、請求項3に記載の車両制御システム。
  7. 前記車群形成手段は、交差点の手前所定範囲内において所定の群状態の車群が形成されるように、車両の走行状態を制御する、請求項6に記載の車両制御システム。
  8. 前記車群の属性は、車群に属する各車両間の距離の積算値を含む、請求項3又は4に記載の車両制御システム。
  9. 各車両には、前方車両との車間距離を測定する機能、及び、他の車両との車車間通信を行う機能が実装されており、
    前記車群長さは、車群に属する車両間での車車間通信を介して得られる各車間距離情報に基づいて、導出される、請求項8に記載の車両制御システム。
  10. 前記車群の属性は、前記車群に属する一車両の速度履歴に基づいて判断される、請求項3に記載の車両制御システム。
  11. 前記優先度設定手段は、前記車群に属する一車両の車速が所定値以下である状態が所定時間以上継続した場合、該車群に属する各車両に対して、高い優先度を付与する、請求項10に記載の車両制御システム。
  12. 前記優先度設定手段は、車速が所定値以下である車両に対して低い優先度を付与する、請求項1に記載の車両制御システム。
  13. 前記車両検出手段、前記対象車両選択手段、前記優先度設定手段及び前記制御手段の少なくとも一部の動作が、各車両に搭載される通信機能付き専用車載機器により協働して実現される、請求項1〜12の何れかに記載の車両制御システム。
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