JP2006348255A - 乳化重合用乳化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 重合安定性、機械安定性に優れるとともに、泡立ちが少なく、フィルムの光沢性に優れるポリマーエマルジョンが得られる乳化重合用乳化剤を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)で表されるアニオン界面活性剤であって、原料アルコールの分岐度が2.0〜2.4であり、多分散度Mw/Mnが1.10〜1.20である非イオン界面活性剤から得られるアニオン界面活性剤を含有する乳化重合用乳化剤とする。
−O−(AO)z−X (1)
(式中、Rは、炭素数が10であるアルキル基の含有量が80重量%以上であるアルキル基を表し、AOは炭素数が2〜4のオキシアルキレン基、zは1〜50の整数、Xはアニオン性親水基を表す。AOの付加形態はランダム付加、ブロック付加又はこれらの混合付加である。)

Description

本発明は、乳化重合する際に用いられる乳化剤に関する。
従来、乳化重合用乳化剤としては、ノニルフェノール、オクチルフェノール等のアルキルフェノールにエチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加してなるアルキルフェニルエーテル型の非イオン性界面活性剤や、これを硫酸エステル化したアニオン界面活性剤が広く用いられていた。しかし、近年、アルキルフェノールは難生分解性であるため、環境に対する負荷が大きいという問題が指摘されている。そのため、乳化重合用乳化剤の疎水基原料としても、アルキルフェノールから脂肪族アルコールへ移行してきている。
これに対し、下記特許文献1には、疎水基が脂肪族アルコール残基である乳化重合用乳化剤として、オキソ法によって合成された炭素数10のアルコールに、アルキレンオキサイドを付加してなるエーテル型の非イオン又はアニオン界面活性剤が開示されている。
乳化重合用乳化剤に要求される性能としては、重合時の乳化安定性、得られるポリマーエマルジョンの機械安定性等があり、上記特許文献1に開示された乳化剤であると、これらの改善効果が認められるものの、なお不十分であった。また、得られるポリマーエマルジョンを塗料用途に用いる場合には、ポリマーエマルジョンの泡立ちが少ないこと、また該エマルジョンから形成されるフィルムの光沢性に優れることが求められるが、上記従来の乳化剤で重合したポリマーエマルジョンはこれらの点でも不十分なものであった。
特開2002−308912号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、重合時の乳化安定性、得られるポリマーエマルジョンの機械安定性に優れるとともに、泡立ちが少なく、更にフィルムの光沢性に優れるポリマーエマルジョンが得られる乳化重合用乳化剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の点に鑑み鋭意検討していく中で、疎水基原料として特定範囲の分岐度の脂肪族アルコールを用いるとともに、原料非イオン界面活性剤の多分散度を特定の範囲内に設定することにより、上記の課題が解決されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る乳化重合用乳化剤は、下記一般式(1)で表されるアニオン界面活性剤であって、原料アルコールの分岐度が1.8〜2.4であり、多分散度Mw/Mnが1.10〜1.20である非イオン界面活性剤から得られるアニオン界面活性剤を含有するものとする(請求項1)。
−O−(AO)z−X (1)
(式中、Rは、炭素数が10であるアルキル基の含有量が80重量%以上であるアルキル基を表し、AOは炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を表し、zは1〜50の整数であり、Xはアニオン性親水基を表す。AOの付加形態はランダム付加、ブロック付加又はこれらの混合付加である。)
上記アニオン界面活性剤としては、一般式(1)におけるRがプロピレントリマー型オレフィンのオキソ反応から得られたアルコールから誘導されたものを用いることができる(請求項2)。
さらにアニオン界面活性剤は、一般式(1)におけるXとして下記一般式(2)〜(6)のいずれかで表される基を有するものであることが好ましい(請求項3)。
Figure 2006348255
(式中、Mはそれぞれ独立に水素、アルカリ金属、NH又はアルカノールアミン残基であり、Rは上記一般式(1)のX以外の残基である。)
本発明の乳化重合用乳化剤によれば、重合安定性、機械安定性が良好であり、泡立ちの少ないポリマーエマルジョンが得られる。また、得られるポリマーエマルジョンの粒子径分布が狭く、塗料用途に用いた場合に良好な光沢を有するフィルムを得ることができる。
上記一般式(1)において、Rは、炭素数10のアルキル基を表し、具体的にはイソデシル基である。本発明では炭素数10の分岐脂肪族アルコールを疎水基の原料アルコールとして用いる。疎水基原料はイソデシルアルコールと他のアルコールとの混合物であってもよい。この場合の他のアルコールとしては、本発明の効果を損なわない範囲内で炭素数が10でない分岐脂肪族アルコールを用いることもできる。炭素数が10でない分岐脂肪族アルコールを混合する場合、その比率は20重量%未満であることが好ましい。
原料アルコールの好適な例としては、プロピレントリマー型オレフィン及びプロピレン・ブテンオリゴマー型オレフィンのオキソ反応から得られたアルコールが挙げられる。
一般式(1)において、(AO)zは、上記した原料アルコールに、プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドを付加重合させることにより形成されるポリオキシアルキレン部分である。プロピレンオキサイドとエチレンオキサイドの付加形態は、ランダム重合鎖でも、ブロック重合鎖でも、又はこれらの組み合わせでもよい。より好ましくは、アルコール残基側がオキシプロピレン基部分となるように、原料アルコールに対して、まずプロピレンオキサイドを付加し、次いでエチレンオキサイドをブロック付加する。すなわち、上記アニオン界面活性剤は下記一般式(7)で表されることがより好ましい。このようなブロック付加形態を採用することにより、乳化重合時の重合安定性が良好で、得られるポリマーエマルジョンの機械安定性やフィルムの光沢性が良好なものとなる。
−O−(PO)m(EO)n−X (7)
ここで、式中、Rは、炭素数が10であるアルキル基を表し、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、mは0〜4、nは1〜50の整数である。
上記アルキル部分において、分岐度は1.8〜2.4の範囲である。分岐度が1.8未満では、得られるポリマーエマルジョンの泡立ちが多くなる。逆に、分岐度が2.4より大きい場合、得られるポリマーエマルジョンの粒子径分布が粗くなり、塗料用途に用いた場合に良好な光沢を有するフィルムが得られ難くなる。一方、EOの付加モル数nは1〜50であり、より好ましくは3〜30である。
上記一般式(7)で表されるアニオン界面活性剤は、下記一般式(8)で表される非イオン界面活性剤を原料として合成されるものであり、即ち、この原料非イオン界面活性剤の水酸基の水素原子Hをアニオン性親水基Xで置換してなるものである。
−O−(PO)m(EO)n−H (8)
ここで、式中のR、PO、EO、m、nは上記一般式(7)と同じである。
上記アニオン性親水基Xとしては、下記一般式(2)〜(6)のいずれかで表される基が好ましい例として挙げられる。
Figure 2006348255
ここで、式中のMは、それぞれ独立に、水素、リチウム,ナトリウム,カリウム等のアルカリ金属、NH、又はエタノールアミン,ジエタノールアミン,プロパノールアミン等のアルカノールアミンの残基を表す。また、Rは上記一般式(1)のX以外の残基であり、従って、上記式(3)はリン酸モノエステルを、上記式(4)はリン酸ジエステルをそれぞれ示す。
本発明では、上記原料非イオン界面活性剤として、平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比で表される多分散度(Mw/Mn)が1.10〜1.20の範囲内にあるものを用いる。多分散度Mw/Mnが1.20より大きいと、得られるポリマーエマルジョンの粒子径分布が粗くなり、塗料用途に用いた場合に良好な光沢を有するフィルムが得られ難くなる。逆に、多分散度Mw/Mnが1.10より小さいと、乳化重合に使用できるモノマーが限定されるだけでなく、乳化力不足のために重合安定性が不十分になる。ここで、原料非イオン界面活性剤の多分散度はアルキレンオキサイドの付加重合による分布に基づくものであるため、該非イオン界面活性剤にアニオン性親水基を導入して得られるアニオン界面活性剤でも基本的には同様の多分散度となるが、アニオン性親水基の分子量の大小による影響を排除するため、本発明では原料非イオン界面活性剤の多分散度として規定している。なお、この多分散度を上記範囲内に設定するためには、疎水基原料であるアルコールにアルキレンオキサイドを付加させる際の触媒の種類及び量、並びに反応温度等の反応条件を調整すればよい。
本発明の乳化剤は、上記した一般式(1)で表されるアニオン界面活性剤からなるものであり、この乳化剤は各種モノマーの乳化重合に適用することができる。適用可能なモノマーの種類は特に限定されないが、例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル系モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族系モノマー、酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化オレフィン系モノマー、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジオレフィン系モノマー等、その他、エチレン、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、マレイン酸メチル等が挙げられる。これらのモノマーは、1種または2種以上を用いることができる。
本発明の乳化剤の使用量は、通常、モノマー総量に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜5重量%である。
本発明の乳化剤を用いる乳化重合には、従来公知の重合開始剤が特に制限なく使用できる。代表的な例としては、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等が挙げられる。
また、重合促進剤として、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第1鉄アンモニウム等を用い、レドックス重合を行うこともできる。
また、連鎖移動剤として、α−メチルスチレンダイマー、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素類などを用いてもよい。
本発明の乳化剤は、他の界面活性剤と併用することもでき、そのような他の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等の非イオン界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の他のアニオン界面活性剤などが挙げられる。
本発明の乳化剤を用いて得られるポリマーエマルジョンは、例えば、印刷インキ、塗料(建築用、家庭用、缶用、電着塗装用等)等のバインダー、インクジェット用メディアのバインダー、接着剤、粘着剤、被覆剤、含浸補強剤等として、木材、金属、紙、布、プラスチック、セラミック、その他コンクリート等に適用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例中、「部」は特に記載がない限り質量基準である。
〔原料非イオン界面活性剤の合成〕
下記表1に示す原料非イオン界面活性剤[A]〜[J]を次のようにして合成した。
<製造例1>
オートクレーブに、イソデシルアルコール(分岐度2.1)158部(1モル)と水酸化カリウム0.38部(0.007モル、対粗製物あたり0.1%)を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換した後、撹拌しながら70℃で減圧して、反応器内の内圧が2.7kPaに到達後、引き続き30分間減圧脱水を継続した。次に、温度120℃、反応圧0.25MPaでエチレンオキサイド220部(5モル)を導入した後、反応温度を維持しつつ、内圧が低下して一定になるまで熟成させた。その後、反応液を70℃まで冷却した後、氷酢酸0.44部(0.007モル、対水酸化カリウムあたり1.1モル等量)で中和して、原料非イオン界面活性剤[A]を得た。
<製造例2>
エチレンオキサイドの導入量を下記表1に記載の割合に変更し、(表中の%は重量%)、それに合わせて触媒量も変更した(対粗製物あたり0.1%)以外は製造例1と同様にして、原料非イオン界面活性剤[B]を得た。
<製造例3>
オートクレーブに、イソデシルアルコール(分岐度2.1)158部(1モル)と水酸化カリウム0.88部(0.016モル、対粗製物あたり0.1%)を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換した後、撹拌しながら70℃で減圧して、反応器内の内圧が2.7kPa到達後、引き続き30分間減圧脱水を継続した。ついで110℃まで昇温した後、反応圧0.20MPaでプロピレンオキサイド58部(1モル)を導入した。プロピレンオキサイドの導入後、反応温度を維持して、内圧が低下して一定になるまで熟成させた。次に、温度120℃、反応圧0.25MPaでエチレンオキサイド660部(15モル)を導入した後、反応温度を維持しつつ、内圧が低下して一定になるまで熟成させた。その後、反応液を70℃まで冷却した後、85重量%乳酸1.82部(0.017モル、対水酸化カリウムあたり1.1モル等量)で中和して、原料非イオン界面活性剤[C]を得た。
<製造例4>
イソデシルアルコール(分岐度2.1)を下記表1に記載のアルコールに変更し、エチレンオキサイドの導入量を下記表1に記載の割合に変更し、それに合わせて触媒量も変更した(対粗製物あたり0.1%)以外は製造例2と同様にして原料非イオン界面活性剤[F][H]〜[J]を得た。
<製造例5>
オートクレーブに、イソデシルアルコール(分岐度2.1)158部(1モル)と三フッ化ホウ素0.38部(0.006モル、対粗製物あたり0.1%)を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換した。次に、温度70℃、反応圧0.25MPaでエチレンオキサイド220部(5モル)を導入した後、反応温度を維持しつつ、内圧が低下して一定になるまで熟成させた。その後、反応液を60℃まで冷却し、原料非イオン界面活性剤[D]を得た。
<製造例6>
オートクレーブに、イソデシルアルコール(分岐度2.1)158部(1モル)と水酸化カリウム1.04部(0.018モル、対粗製物あたり0.1%)を仕込み、オートクレーブ内を窒素置換した後、撹拌しながら70℃で減圧して、反応器内の内圧が2.7kPa到達後、引き続き30分間減圧脱水を継続した。次に、温度170℃、反応圧0.25MPaでエチレンオキサイド880部(20モル)を導入した後、反応温度を維持しつつ、内圧が低下して一定になるまで熟成させた。その後、反応液を70℃まで冷却した後、氷酢酸1.22部(0.020モル、対水酸化カリウムあたり1.1モル等量)で中和して、原料非イオン界面活性剤[E]を得た。
<製造例7>
イソデシルアルコール(分岐度2.1)をイソデシルアルコール(分岐度2.9)に変更した以外は製造例3と同様にして原料非イオン界面活性剤[G]を得た。
[多分散度測定]
次の条件によるGPC測定を行うことにより、界面活性剤の分子量分布の広狭の程度である多分散度Mw/Mnを求めた。
カラム:Megapak GEL 201FP×1
+Megapak GEL 201F×2(ともに日本分光(株)製)
移動相:THF(3mL/分)
カラム温度:40℃
検出器:RI
サンプル注入:5重量%溶液100μL
[原料アルコールの分岐度]
−NMR測定によりメチル基数を求め、末端メチル基部位相当の1を引いて得た数値を分岐度とした。
Figure 2006348255
〔乳化剤の合成〕
上記で得られた原料非イオン界面活性剤を用いて、下記表2に示す乳化剤である本発明品[1]〜[7]と比較品[1]〜[10]を次のようにして合成した。
<製造例8>
原料非イオン界面活性剤[A]378部(1モル)とスルファミン酸97.1部(1モル)を120℃、5時間の条件にて反応させ、本発明品[1]を得た。
<製造例9>
20℃に冷却した原料非イオン界面活性剤[A]378部(1モル)にクロロスルホン酸117部(1モル)を滴下した。滴下後、反応により発生するHClを真空ポンプで吸引し、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、本発明品[2]を得た。
<製造例10>
原料非イオン界面活性剤[A]を下記表2に記載の原料非イオン界面活性剤に変更した以外は製造例8と同様にして、本発明品[3]〜[4]、比較品[1][3]〜[6]を得た。
<製造例11>
原料非イオン界面活性剤[A]378部(1モル)と無水マレイン酸98部(1モル)を80℃で2時間反応させた後、水3000部を投入し、30℃以下にて水酸化ナトリウム水溶液により中和した。次に亜硫酸水素ナトリウム104部(1.1モル)を仕込み、70℃で3時間反応を行い、本発明品[5]を得た。
<製造例12>
原料非イオン界面活性剤[B]1038部(1モル)とモノクロル酢酸ナトリウム117部(1モル)を室温で30分かけて混合し、反応容器内を40℃に保ち水酸化ナトリウム44部(1.1モル)を3時間かけて添加し、さらに40℃にて17時間反応させた。次に75重量%リン酸で中和した後、塩化メチレン400mLと水200mLを加え、水洗を行った。更に水200mLを使用した水洗を2回行った後、有機層の塩化メチレンを留去した。その後、水酸化ナトリウム水溶液でpH8まで中和して、本発明品[6]を得た。
<製造例13>
原料非イオン界面活性剤[A]945部(2.5モル)と無水リン酸142部(1モル)を80℃で5時間反応させた後、水酸化ナトリウム水溶液により中和して、本発明品[7]を得た。
<製造例14>
原料非イオン界面活性剤[A]を原料非イオン界面活性剤[D]に変更した以外は製造例9と同様にして、比較品[2]を得た。
<製造例15>
原料非イオン界面活性剤[A]を原料非イオン界面活性剤[H]に変更した以外は製造例11と同様にして、比較品[7]を得た。
<製造例16>
原料非イオン界面活性剤[B]を原料非イオン界面活性剤[J]に変更した以外は製造例12と同様にして、比較品[8]を得た。
<製造例17>
原料非イオン界面活性剤[A]を原料非イオン界面活性剤[I]に変更した以外は製造例13と同様にして、比較品[9]を得た。
<製造例18>
原料非イオン界面活性剤[A]をラウリルアルコールに変更した以外は製造例9と同様にして、比較品[10]を得た。
Figure 2006348255
<実施例1〜4及び比較例1〜4>
撹拌機、還流冷却機、温度計及び滴下漏斗を備えた反応容器に蒸留水134部、緩衝剤として炭酸水素ナトリウム0.5部を仕込み、80℃まで昇温させ、窒素ガスにて溶存酸素を除去した。これとは別にスチレン75部、メタクリル酸メチル50部、アクリル酸ブチル121部、アクリル酸4部、乳化剤5部、蒸留水110部とを混合して、モノマーエマルジョンを調製した。次に、上記で調製したモノマーエマルジョン40部を一括して上記反応容器に添加し、10分間撹拌後、重合開始剤である過硫酸アンモニウム0.5部を加え、10分間撹拌した。次に残りのモノマーエマルジョンを3時間かけて滴下して重合反応を行い、40℃まで冷却後、アンモニア水でpH8〜9に調整してポリマーエマルジョンを得た。使用した乳化剤は下記表3に示す通りである。
得られたポリマーエマルジョンについて、重合安定性、機械安定性、粒子径、粒子径分布、フィルムの光沢性をそれぞれ評価した。評価方法は以下の通りであり、結果を表3に示す。
[重合安定性]
重合後のポリマーエマルジョンを80メッシュの濾布を用いて濾過し、濾布上の残渣を水洗後、105℃×3時間で乾燥した。乾燥後の残渣の重量を測定し、全固形分に対する重量比率(%)で表示した。
[機械安定性]
ポリマーエマルジョン50gをマーロン型試験機(荷重:10kg、回転数:1000rpm、時間:5分)にて測定した。発生した凝集物を80メッシュの金網で濾過し、残渣を水洗後、105℃×3時間で乾燥させ、その重量を全固形分に対する重量比率(%)で表示した。
[粒子径]
動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装製MICROTRAC UPA 9340)にて測定し、μmで表示した。
[粒子径分布]
動的光散乱式粒度分布測定にて得られた粒子径分布から標準偏差を求め、それをメディアン径で割った値、つまり相対標準偏差(%)で表示した。
[フィルムの光沢性]
ガラスプレート上に0.5mm(wet)のエマルジョン膜を作り、室温で18〜20時間放置してフィルムを作成した。このフィルムの光沢性を目視にて、○(優)、△(可)、×(不可)の3段階で評価した。
Figure 2006348255
<実施例5,6及び比較例5〜7>
撹拌機、還流冷却機、温度計及び滴下漏斗を備えた反応容器に蒸留水134部、緩衝剤として炭酸水素ナトリウム0.5部を仕込み、80℃まで昇温させ、窒素ガスにて溶存酸素を除去した。これとは別にアクリル酸2−エチルヘキシル171部、アクリル酸エチル75部、アクリル酸4部、乳化剤5部、蒸留水110部とを混合し、乳化剤を含むモノマーエマルジョンを調製した。次に、上記で調製したモノマーエマルジョン40部を一括して上記反応容器に添加し、10分間撹拌後、重合開始剤である過硫酸カリウム0.5部を加え、10分間撹拌した。次に残りのモノマーエマルジョンを3時間かけて滴下して重合反応を行い、40℃まで冷却後、アンモニア水でpH8〜9に調整してポリマーエマルジョンを得た。使用した乳化剤は下記表4に示す通りである。
得られたポリマーエマルジョンについて、重合安定性、粒子径、泡立ち性をそれぞれ評価した。泡立ち性の評価方法は以下の通りであり、それ以外の評価方法は上記実施例1と同じである。結果を表4に示す。
[泡立ち]
室温でポリマーエマルジョン20mLと水10mLを100mLネスラー管に入れ、振盪(15回;1回/2秒)により起泡させ、2分間静置した後の泡量(mL)で表示した。
Figure 2006348255
<実施例7〜9及び比較例8〜10>
オートクレーブに蒸留水238部、過硫酸アンモニウム1部、乳化剤6部、α−メチルスチレンダイマー3部、t−ドデシルメルカプタン1部、炭酸水素ナトリウム1部を仕込み、70℃まで昇温させ、窒素ガスにて溶存酸素を除去した。次に反応液を70℃に保ちつつブタジエン90部、スチレン120部、アクリロニトリル35部、イタコン酸5部を3時間かけて別々に導入し、導入終了後も3時間反応を行った。その後、40℃まで冷却し、水酸化ナトリウム水溶液でpH8〜9に調整してポリマーエマルジョンを得た。使用した乳化剤は下記表5に示す通りである。
得られたポリマーエマルジョンについて、重合安定性、粒子径をそれぞれ評価した。評価方法は上記実施例1と同じである。結果を表5に示す。
Figure 2006348255
上記実施例及び比較例により示されるように、本発明品の乳化剤は特に限定した範囲の分岐度でかつ特に限定したアルキレンオキサイド付加形態であるため、重合安定性、機械安定性が良好であり、泡立ちの少ないポリマーエマルジョンが得られた。また、フィルムの光沢性にも優れていた。
これに対し、原料アルコールの分岐度が1.8未満の比較品[4]では、比較例5に示されるように、ポリマーエマルジョンの泡立ちが大きかった。また、原料アルコールの分岐度が2.4より大きい比較品[5]では、比較例4に示されるようにフィルムの光沢性にも劣るものであった。多分散度が1.20を越える比較品[3]では、比較例3に示されように、フィルムの光沢性に劣っていた。また、多分散度が1.10未満の比較品[1][2]では、比較例1,2に示されるように重合安定性及び機械安定性が不十分であった。
本発明の乳化剤は、上記した優れた作用効果を有するものであるため、各種モノマーを乳化重合する際の乳化剤として好ましく使用することができる。特に泡立ちが少なく、またフィルムの光沢性に優れるポリマーエマルジョンを得ることができるため、塗料用途に用いるポリマーエマルジョンを乳化重合するための乳化剤として特に好ましく使用することができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表されるアニオン界面活性剤であって、原料アルコールの分岐度が1.8〜2.4であり、多分散度Mw/Mnが1.10〜1.20である非イオン界面活性剤から得られるアニオン界面活性剤を含有する乳化重合用乳化剤。
    −O−(AO)z−X (1)
    (式中、Rは、炭素数が10であるアルキル基の含有量が80重量%以上であるアルキル基を表し、AOは炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を表し、zは1〜50の整数であり、Xはアニオン性親水基を表す。AOの付加形態はランダム付加、ブロック付加又はこれらの混合付加である。)
  2. アニオン界面活性剤が、前記一般式(1)におけるRがプロピレントリマー型オレフィンのオキソ反応から得られたアルコールから誘導されたものであることを特徴とする、請求項1に記載の乳化重合用乳化剤。
  3. アニオン界面活性剤が、前記一般式(1)におけるXとして下記一般式(2)〜(6)のいずれかで表される基を有するものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の乳化重合用乳化剤。
    Figure 2006348255
    (式中、Mはそれぞれ独立に水素、アルカリ金属、NH又はアルカノールアミン残基であり、Rは前記一般式(1)のX以外の残基である。)
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