JP2006342479A - 紙塗工用樹脂及び塗工組成物 - Google Patents

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Junji Kato
淳史 加藤
Toshishige Hamaguchi
利重 浜口
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Abstract

【課題】 従来の塗工組成物よりも優れた耐水性を有し、さらに優れた印刷光沢を付与することができる紙塗工用樹脂、塗工組成物および前記塗工組成物を塗工した塗工紙を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリルアミド類(A)を含有するモノマーを重合して得られる(メタ)アクリルアミド系重合体であって、詳しくは(メタ)アクリルアミド系重合体が(メタ)アクリルアミド類(A)単独重合体、もしくは(メタ)アクリルアミド類(A)と共重合可能なモノマー、特に芳香族ビニル化合物(B)及び/または(メタ)アクリル酸エステル類(C)を共重合して得られる(メタ)アクリルアミド系重合体からなる紙塗工用樹脂(I)および前記紙塗工用樹脂(I)と、顔料および水性バインダーとを含むことを特徴とする塗工組成物を原紙に塗工することにより、従来の塗工組成物よりも優れた耐水性を有し、さらに優れた印刷光沢を塗工紙に付与することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、紙塗工用樹脂に関するものである。さらに詳しくは、(A)(メタ)アクリルアミド類を含有するモノマーを重合して得られる(メタ)アクリルアミド系重合体より成る紙塗工用樹脂(I)、優れた印刷光沢を付与することができ、かつ、塗工紙の耐水性も向上させることができる該紙塗工用樹脂(I)を含有する塗工組成物および前記塗工組成物を塗工した塗工紙に関する。
一般に塗工紙は、原紙上に顔料と水性バインダーを主成分とする塗工組成物を塗布乾燥して製造され、塗工組成物の塗工量や塗工紙の仕上げ方法によって、キャストコート紙、アート紙、コート紙、微塗工紙等に分類される。これら塗工紙は、これに多色印刷又は単色印刷を施して、チラシ、パンフレット、ポスター等の商業用印刷物として、あるいは書籍、雑誌等の出版物として広く使用されている。近年、印刷物のビジュアル化、カラー化が進み、塗工紙の印刷光沢度が以前にも増して重要視されている。
従来、塗工組成物の顔料としては、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、水酸化アルミニウム、酸化チタン、サチンホワイト、コロイダルシリカ、酸化亜鉛等の鉱物顔料が使用されている。さらに場合によっては例えばスチレンを主体としたプラスチックピグメント(含むバインダーピグメント、以下PPと記す。) を単体或いは2種以上を組み合わせて使用される。PPはカレンダー仕上げにより形状が変化し、塗工紙表面を平滑にして、白紙及び印刷後の光沢を向上させる。また、他の無機顔料に比較して、嵩高な塗工層を得ることができるため不透明度、多孔性に優れる塗工紙を得ることができるといった利点がある。
例えば、強光沢塗工紙として、塗工組成物中に粒径が0.8〜1.3μmで、ガラス転移温度が100℃以上の中空有機顔料を顔料100重量部中5〜20重量部配合し、これを塗布、乾燥した後、低温でスーパーカレンダー仕上げして成り、粒径の大きい中空有機顔料を配合することで、加熱カレンダー処理により塗被層表面の構造を緻密にすることなく、強光沢を有する塗工紙を製造する方法(特許文献1)が開示されている。
ところが、近年印刷技術の発達および用途の広がりに伴い、上記特許文献に開示された方法で得られる塗工紙よりも、さらに印刷光沢や耐水性を改善することができる紙塗工用樹脂および塗工組成物の開発が望まれていた。
特開平6−192996号公報
本発明の目的は、従来の塗工組成物よりも優れた耐水性(ウェットピック強度)を有し、さらに優れた印刷光沢を付与することができる紙塗工用樹脂(I)、塗工組成物および前記塗工組成物を塗工した塗工紙を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく種々の共重合体樹脂および共重合体樹脂組成物について鋭意検討した結果、(A)(メタ)アクリルアミド類の単独重合体、(A)から選ばれる少なくとも2種以上のモノマーを重合成分として含有して成る共重合体もしくは、(A)および(A)と共重合可能な(A)以外のモノマーをそれぞれ少なくとも1種以上重合成分として含有して成る共重合体から選ばれた少なくとも1種以上の(メタ)アクリルアミド系重合体からなる紙塗工用樹脂(I)および前記紙塗工用樹脂(I)と、顔料および水性バインダーとを含むことを特徴とする塗工組成物を原紙に塗工することにより、従来の塗工組成物よりも優れた耐水性を有し、さらに優れた印刷光沢を塗工紙に付与することができることを見い出し、本発明を完成させた。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における紙塗工用樹脂(I)の(メタ)アクリルアミド系重合体に用いられるモノマーのうち、(A)(メタ)アクリルアミド類としては、アクリルアミド類及びメタクリルアミド類があり、具体的には、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アセトンアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等が挙げられる。これらのうち、アクリルアミド、メタクリルアミド、アセトンアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド好ましく、アクリルアミドが更に好ましい。
本発明における紙塗工用樹脂(I)において、必要に応じて用いられる(A)(メタ)アクリルアミド類と共重合可能な(A)以外のモノマーは特に制約していないが、例えば、芳香族ビニル化合物類、(メタ)アクリル酸類、共役ジエン類、不飽和ニトリル類、ハロゲン化ビニル化合物、ハロゲン化ビニリデン化合物、ビニルアルキルエーテル類、ビニルエステル類などが挙げられ、中でも、(B)芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸類が好ましい。
本発明における紙塗工用樹脂(I)の(メタ)アクリルアミド系重合体に必要に応じて用いられるモノマーのうち、(B)芳香族ビニル化合物としては、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。これらのうちスチレンが好ましい。
本発明における紙塗工用樹脂(I)の(メタ)アクリルアミド系重合体に必要に応じて用いられるモノマーのうち、(メタ)アクリル酸類としては、(メタ)アクリル酸、(C)(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミノエステル類が挙げられ、中でも好ましいのは(C)(メタ)アクリル酸エステル類であり、具体的には、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸−n−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸−iso−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸−n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸−iso−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸−n−アミルエステル、(メタ)アクリル酸−tert−アミルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸−n−オクチルエステル、(メタ)アクリル酸−tert−オクチルエステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ビニル、イタコン酸ビニル、(メタ)アクリル酸アリル、イタコン酸アリル、メタクリロイル酢酸ビニル、メタクリロイルプロピオン酸ビニル、メタクリロイルプロピオン酸アリル、メタクリル酸ビニルオキシカルボニルメチルエステル、アクリル酸ビニルオキシカルボニルメチルオキシカルボニルエチレンエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸トリメチルアミノエチルエステルクロライド等が挙げられる。 これらのうち、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸−n−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸−iso−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸−n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸−iso−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸−n−オクチルエステル、(メタ)アクリル酸−tert−オクチルエステルが好ましく、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステルが更に好ましい。
本発明における紙塗工用樹脂(I)の(メタ)アクリルアミド系重合体としては、例えば、(A)(メタ)アクリルアミド類に含まれる1種のモノマーによる単独重合体、(A)(メタ)アクリルアミド類に含まれる2種以上のモノマーによる共重合体、(A)(メタ)アクリルアミド類と(B)芳香族ビニル化合物や(C)(メタ)アクリル酸エステル類等の(A)と共重合可能なモノマーとの共重合体が挙げられる。 これら(メタ)アクリルアミド系重合体が含有する共重合成分の割合は特に制限されないが、例えば(B)芳香族ビニル化合物や(C)(メタ)アクリル酸エステル類との重合は、通常、(A)/(B)/(C)=1〜100/0〜99/0〜99モル%であり、好ましくは(A)/(B)/(C)=20〜100/0〜79/0〜70であり、更に好ましくは、(A)/(B)/(C)=20〜98/1〜79/1〜70である。
本発明においては上記の共重合体に必須のモノマー成分以外にも第四成分として共重合可能なモノマーを印刷光沢の向上や耐水性(ウェットピック強度)の向上などの本来の性質を阻害しない範囲で使用する事ができる。
本発明における紙塗工用樹脂(I)の(メタ)アクリルアミド系重合体の合成法に関しては公知の水溶性ポリマーの重合方法に従えばよく、特に制約はないが、ラジカル重合が好ましく、通常はラジカル重合開始剤の存在下、重合溶液を所定温度範囲に保つことにより重合を行う。重合方法としては、全モノマーを反応容器に一括で仕込み、重合する回分重合、単量体モノマーの一部を重合中に連続で添加する半回分重合法のどちらの方法でも良いが、半回分重合法の方が好まれる。重合中、同一温度に保つ必要はなく、重合の進行にともない適宣変えてよく、必要に応じて加熱あるいは除熱しながら行う。重合温度は使用するモノマーの種類や重合開始剤の種類などにより異なり、単一開始剤の場合には概ね10〜100℃の範囲であり、レドックス系重合開始剤の場合にはより低く、一括で重合を行う場合には概ね−5〜+50℃であり、逐次添加する場合には概ね30〜90℃である。重合時間には特に限定はないが、概ね1〜40時間であるが、好ましくは、単一開始剤で40〜90℃の温度で1〜20時間程度行われる。重合器内の雰囲気は特に限定はないが、一般には窒素ガスなどの不活性ガスの雰囲気中で行うのが好ましい。
重合溶剤としては、通常、水を用いるが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、エチレングリコール等の他の水溶性溶媒と水との混合物であっても差支えない。またこの水系溶媒中に、後述する重合開始剤、連鎖移動剤が存在することはもちろん可能である。
2種以上のモノマーを用いて重合を行う場合、半回分重合法では、それぞれのモノマーの添加速度は、同じであっても異なっていてもよい。また、(A)成分と他の重合可能なモノマーの添加開始時期は、同時であっても異なっていてもよいが、他のモノマーの添加が終了する前に、添加を開始するのが好ましい。
(メタ)アクリルアミド系重合体を合成する際に必要に応じて使用する界面活性剤(乳化剤)については特に制限はなく、ノニオン系、アニオン系、両性イオン系および重合性界面活性剤を使用することができる。具体的には、ドデシル硫酸ナトリウムなどの高級アルコールの硫酸エステル塩、(ジ)アルキルジフェニルエーテル(ジ)スルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホン酸塩型アニオン系界面活性剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル、アルキルフェノールエーテル、アルキルエーテルなどのノニオン系界面活性剤などを使用することができる。両性イオン系界面活性剤としては、アニオン部としてカルボン酸塩、リン酸塩、リン酸エステル塩をもち、カチオン部としてアミン塩、第四級アンモニウム塩をもつものなどを挙げることができる。具体的にはベタイン型、グリシン型等の両性イオン系界面活性剤などが挙げられる。重合性界面活性剤の例として具体的には、プロペニル−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンエステルリン酸エステル等のアニオン性の重合性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルベンゼンエーテル(メタ)アクリル酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(メタ)アクリル酸エステル等のノニオン性の重合性界面活性剤等が挙げられる。これらは単独または2種以上組み合わせて用いられる。添加量は、モノマーに対して、通常、0.1〜2.0重量%の範囲であり、好ましくは0.2〜1.0重量%である。
(メタ)アクリルアミド系重合体を合成する際に必要に応じて使用する重合開始剤としては、一般の水溶性の開始剤が使用できる。具体的には、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類、過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス−N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド、2,2’−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)−プロパンおよびその塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸およびその塩等のアゾ化合物が挙げられる。この場合、単独でも使用できるが、亜硫酸塩のような還元性物質や、アミン類等を組合せてレドックス型の開始剤にして使用することも可能である。この場合の還元剤の例として、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の有機アミン、更にアルドース、ケトース等の還元糖を挙げることができる。また、上記した重合開始剤を2種類併用することも可能である。重合開始剤の添加量は、モノマーに対して、通常は0.00001〜10.0重量%であり、好ましくは0.5〜20重量%の範囲である。また、レドックス系の場合には、重合開始剤に対して還元剤の添加量はモル基準で0.1〜100%、好ましくは0.2〜80%である。
(メタ)アクリルアミド系重合体を合成する際に必要に応じて使用する重合開始剤は、モノマーを添加すべき水系溶媒中に予め添加しておいてもよいし、また各モノマーと同時に、連続的に反応系へ添加していってもよいが、水系溶媒中に予め添加しておくのが好ましい。
(メタ)アクリルアミド系重合体を合成する際に必要に応じて使用する連鎖移動剤の制限は特にないが、水溶性の連鎖移動剤が好ましい。開始剤の具体的な例として、次亜リン酸および次亜リン酸ナトリウム等の次亜リン酸塩類、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸およびそれらのナトリウム塩もしくはカリウム塩等のアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩、アリルアミン、アリルアルコール等のアリル化合物、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸等のメルカプタン類、システアミン等が挙げられる。
また、(メタ)アクリルアミド系重合体の合成反応終了後、必要に応じてpH調整が行われる。pH調整には、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アンモニア、塩酸および硫酸等が使用され、これらのうち水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硫酸が好ましい。
本発明における紙塗工用樹脂は、上述の合成法で得られた(メタ)アクリルアミド系重合体にさらに印刷光沢の向上や耐水性の向上などの本来の性質を阻害しない範囲で種々の化合物を添加する事ができる。
本発明の塗工組成物とは、このようにして得られる紙塗工用樹脂、顔料および水性バインダーからなるものである。
本発明の塗工組成物を調製するにあたり、顔料と水性バインダーの組成割合は、用途や目的に応じて決定され、当業界で一般に採用されている組成と特に異なるところはない。両者の好ましい組成割合は、顔料100重量部に対して、水性バインダーが1〜200重量部程度、より好ましくは5〜50重量部程度である。紙塗工用樹脂の固形分は、顔料100重量部に対し、0.05〜10重量部程度配合するのが好ましく、更に好ましくは、0.1〜5重量部程度である。
本発明の塗工組成物の成分となる顔料は、紙の塗工に従来から一般に用いられているものでよく、白色無機顔料及び白色有機顔料が使用できる。白色無機顔料としては、例えば、カオリン、タルク、炭酸カルシウム(重質又は軽質)、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、酸化チタンなどが挙げられる。また白色有機顔料としては、例えば、ポリスチレン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。これらの顔料は、それぞれ単独又は2種以上を混合して用いることができる。
水性バインダーも、紙の塗工に従来から一般に用いられているものでよく、水溶性のバインダーや水乳化系のバインダーが使用できる。水溶性バインダーとしては、例えば、酸化でんぷんやリン酸エステル化でんぷんをはじめとする無変性の、又は変性されたでんぷん類、ポリビニルアルコール、カゼインやゼラチンをはじめとする水溶性プロテイン、カルボキシメチルセルロースをはじめとする変性セルロース類などが挙げられる。また水乳化系バインダーとしては、例えば、カルボキシル基含有スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、メチルメタクリレート樹脂などが挙げられる。これらの水性バインダーは、それぞれ単独又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明の塗工組成物は、紙塗工用樹脂(I)に加えて、他の耐水化剤や印刷適性向上剤などの樹脂成分を必要に応じて含有させることもできる。さらには、その他の成分として、例えば、分散剤、粘度・流動性調整剤、消泡剤、防腐剤、潤滑剤、保水剤、また染料や有色顔料のような着色剤などを、必要に応じて配合させることができる。
本発明の塗工組成物は、従来より公知の方法、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター、キャストコーターなど、公知の各種コーターを用いる方法により、紙に塗布される。その後必要な乾燥を行い、さらに必要に応じてスーパーカレンダーなどで平滑化処理を施すことにより、本発明の塗工紙を製造することができる。
本発明の紙塗工用樹脂(I)を含有する塗工組成物を用いることにより、従来の塗工組成物よりも優れた耐水性及び優れた印刷光沢が付与された塗工紙を得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中、含有量又は使用量を表す%及び部は、特に断らないかぎり重量基準である。
pHは、ガラス電極式水素イオン濃度計[東亜電波工業(株)製]を用い、調製直後の試料のpHを25℃にて測定した値である。
粘度は、B型粘度計[(株)東京計器製、BL型]を用い、1号ローター12rpm、25℃で、調整直後の試料の粘度を測定した値である。
温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにイオン交換水323.8gと乳化剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.64gとを仕込み、70℃で過硫酸アンモニウム5.89gを添加した。そこへ(B)芳香族ビニル化合物である、スチレン44.8g(0.4モル)と(メタ)アクリル酸類であるアクリル酸メチルエステル3.70g(0.04モル)との混合物(A1)を、系内の温度を70℃に保ちながら5時間かけて滴下した。この混合物(A1)の滴下開始と同時に、(A)(メタ)アクリルアミド類である50%アクリルアミド水溶液544.1g(3.8モル)に次亜リン酸ナトリウム5.47gを溶解させたもの(B1)の滴下を開始し、系内の温度を70℃に保ちながら滴下を続け、5時間後に滴下を終了した。混合物A1と水溶液B1の滴下終了後、系内の温度を80℃まで昇温、80℃に保ちながら過硫酸アンモニウムを添加し、見かけの残存アクリルアミドの量を600ppm以下とした後、系内温度を30℃以下まで降温した。水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整した後、イオン交換水116.7gを添加し希釈を行い、ポリマー成分30%のエマルションで、不揮発分32.8%、25℃におけるB型粘度が358mPa・s、pH 7.0の紙塗工用樹脂S1を得た。
(実施例2〜12)
実施例1における(A)(メタ)アクリルアミド類、(B)芳香族ビニル化合物および(メタ)アクリル酸類の各成分、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、次亜リン酸ナトリウムおよびイオン交換水の量を表1〜3に示したとおり変更する以外は、実施例1と同様の操作を行ない、紙塗工用樹脂S2〜S12を得た。
以上の実施例1〜12でで得られた紙塗工用樹脂S1〜S12の性状、不揮発分(%)、粘度(20℃)およびpHを表1〜3に示す。
(実施例13)
<塗工組成物の製造例>
ウルトラホワイト90(顔料、米国エンゲルハードミネラルズ社製のクレー)60重量部、カービタル90(顔料、富士カオリン(株)製の炭酸カルシウム)40重量部、ポリアクリル酸系顔料分散剤0.2重量部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(水性バインダー)9.5重量部及び市販のリン酸エステル化でんぷん3量部を混合し、水を加えて、固形分57.8%となるようにマスターカラーを調製した。続いて、マスターカラーの顔料100重量部に、前記実施例に記載した紙塗工用樹脂(S1)の固形分が0.6重量部となる割合で添加し、固形分を57.8%に調整し、pH 9.5、粘度 690mPa・sの塗工組成物T1を得た。
(実施例14〜24)
実施例14における紙塗工用樹脂S1を表5〜8に記載の紙塗工用樹脂に変更する以外は実施例14と同様の操作を行ない、塗工組成物T2〜T12を得た。
塗工組成物T1〜12のpH、粘度などの物性を表4〜6に示す。
(比較例1)
実施例14において紙塗工用樹脂S1を配合しない以外は、実施例14と同様に塗工組成物を調製し、塗工紙を得、各測定試験を行った。試験結果を表7に示す。
(比較例2)
実施例14において紙塗工用樹脂S1を配合する代わりにPP(HP―1055 , Rohm and Haas社製)を10部配合する以外は、実施例14と同様に塗工組成物を調製し、塗工紙を得、各測定を行った。試験結果を表7に示す。
<塗工紙の製造例および試験方法>
塗工組成物を、米坪量82g/mの上質紙の片面に、ワイヤーロッドを用いて塗工量が15g/mとなるように塗布した。塗布後ただちに、130℃にて10秒間熱風乾燥し、さらに温度60℃、線圧45kN/mの条件で1回スーパーカレンダー処理を施して、塗工紙を得た。こうして得た塗工紙につき、印刷光沢度及び耐水性(ウェットピック法(WP法))を測定し、測定結果を表4〜7に示す。なお、測定方法は以下のとおりである。
<印刷光沢度>
RI試験機(明製作所製)を使用して、一定量のインキを試料に印刷した後、村上式光沢度計を入射60゜―反射60゜として光沢度の測定を行った。
印刷光沢度 (劣)1〜5(優)
<耐水性>(ウェットピック法(WP法))
RI試験機(明製作所製)を使用して、塗工面を給水ロールで湿潤させた後に印刷し、紙むけ状態を肉眼で観察して判定した。判定基準は次のように行った。
耐水性 (劣)1〜5(優)


























Figure 2006342479
アクリル酸類
A:アクリル酸メチルエステル
B:アクリル酸ブチルエステル
C:アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル






Figure 2006342479
Figure 2006342479





Figure 2006342479
Figure 2006342479
Figure 2006342479
Figure 2006342479

Claims (4)

  1. (A)(メタ)アクリルアミド類の単独重合体、(A)から選ばれる少なくとも2種以上のモノマーを重合成分として含有して成る共重合体もしくは、(A)および(A)と共重合可能な(A)以外のモノマーをそれぞれ少なくとも1種以上重合成分として含有して成る共重合体から選ばれた少なくとも1種以上の(メタ)アクリルアミド系重合体からなる紙塗工用樹脂(I)
  2. (A)(メタ)アクリルアミド類、(B)芳香族ビニル化合物類及び(C)(メタ)アクリル酸エステル類の共重合体からなることを特徴とする請求項1記載の紙塗工用樹脂(I)。
  3. 請求項1〜2に記載の紙塗工用樹脂(I)と、顔料と、水性バインダーとを含む塗工組成物。
  4. 請求項3に記載の塗工組成物を紙に塗工してなる塗工紙。
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