JP2006336597A - 膨張機 - Google Patents

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Hiroshi Hasegawa
寛 長谷川
Masaru Matsui
大 松井
Atsuo Okaichi
敦雄 岡市
Tomoichiro Tamura
朋一郎 田村
Yuji Ogata
雄司 尾形
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Abstract

【課題】偏心部からピストンの上下端面を通過して作動室に流入したオイルが作動流体と混合することにより、膨張機のオイル吐出量が増加していた。
【解決手段】ピストン107の上下端面と摺動する軸受105、106に環状溝401、402を設け、その中にシール材403を設置することにより、偏心部103a近傍から作動室110a、110bに流入するオイルを低減する。また、冷凍サイクルに用いる膨張機は、作動流体が超臨界相あるいは液相から気液二相へと膨張するために、オイルが液相の作動流体に希釈されて粘度が下がり、シール材403の摩耗が懸念される。このため、ピストン107の外周面にベーン108の先端が嵌合する係合溝107aなどの自転防止機構を設けることにより、シール材403とピストン107の上下端面との間の摺動速度を低減し、シール材403の摩耗を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高圧の圧縮性流体の膨張エネルギーを回収することによって動力等を発生する膨張機に関し、特に、冷凍サイクルにおける絞り機構部と置き換えて冷媒の膨張動力を回収する膨張機に関するものである。
冷凍サイクル装置の冷媒が膨張する際の膨張エネルギーを回収する目的で用いられる膨張機として、ロータリ型の膨張機が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
従来の特許文献1に示されるようなロータリ型膨張機の構成について、以下に説明する。ただし、説明を簡略化するために、1ピストンタイプとしている。
図9は従来のロータリ型膨張機100の構成を示す縦断面図であり、図10は図9の膨張機100のD1−D1線における横断面図である。発電機101は、密閉容器102に固定されたステータ101aと、シャフト103に固定されたロータ101bからなり、ロータ101bの回転によってステータ101aの巻き線との間に起電力を発生させて電力を得る。シャフト103は、シリンダ104を貫通し、軸受105、106によって回転自在に支持されている。シャフト103には偏心部103aが設けられ、偏心部103aにはシリンダ104の内部に配置されたピストン107が嵌合する。また、シャフト103の縦軸方向には軸方向流路103bが、偏心部103aには、軸方向流路103bと開口部103cを結ぶ、径方向流路103dが設けられている。
図10に示すように、ピストン107の外周面には係合溝107aが形成されるとともに、シリンダ104にはベーン溝104aが形成されている。ベーン溝104aにより往復動自在に保持されたベーン108は、先端が係合溝107aに係合し、ばね109による力や、ベーン108の先端側と背面側の圧力差による力によって、常時、ピストン107側に密着している。シリンダ104とピストン107により形成される三日月形状の空間は、ベーン108により、2つの作動室110a、110bに区画される。ピストン107に設けられた吸入孔107bは、作動室110aに連通しており、シリンダ104に設けられた吐出孔104bは、作動室110bに連通している。
高圧の作動流体は、吸入管111から密閉容器102の内部に流入した後、シャフト103の軸方向流路103bと径方向流路103dを経て開口部103cに達する。開口部103cはシャフト103の回転運動とともに回転するが、ピストン107は自転運動を伴わない偏心回転運動、いわゆる揺動運動を行う。このため、ピストン107に設けられた吸入孔107bと、偏心部103aに設けられた開口部103cは、シャフト103の回転運動に伴い、連通と非連通を繰り返す。開口部103cと吸入孔107bが連通している間に、作動流体は作動室110aに吸入される。その後、開口部103cと吸入孔107bが非連通となると、吸入行程が終了する。作動流体は圧力を下げながら膨張し、作動室110aの容積が拡大する方向へとシャフト103を回転させ、発電機101を駆動する。シャフト103の回転に伴い、作動室110aは作動室110bへと移行し、吐出孔104bに連通すると膨張行程が終了する。そして、低圧となった作動流体は吐出孔104bから吐出管112へと吐出される。
膨張機を潤滑するためのオイルは、密閉容器102の下部のオイル溜り113に蓄えられており、シャフト103の回転に伴い、軸受105、106のシャフト103との摺動面に設けた螺旋形状のオイル溝105a、106aによって発生する動圧により汲み上げられ、シャフト103と軸受105、106との間の摺動面、偏心部103aとピストン107内面との間を潤滑する。また、偏心部103a付近のオイルは、より圧力の低くなる作動室110a、110bへと流れる際にピストン107の上下面の摺動面の潤滑を行う。そして、ピストン107の上下端面を潤滑したオイルは作動室110a、110bに流入し、作動流体と混合され、共に吐出管112から吐出される。
次に、従来の非特許文献1に示されるようなロータリ型膨張機の構成について、以下に説明する。なお、非特許文献1のロータリ型膨張機は、特許文献2に示される圧縮機に対して、冷媒の流れとシャフトの回転方向が逆であるが、基本構成は同じである。
図11は従来のロータリ型膨張機200の構成を示す縦断面図であり、図12(a)は図11の膨張機200のD2−D2線における横断面図、図12(b)は図11の膨張機200のD3−D3線における横断面図である。発電機201は、密閉容器202に固定されたステータ201aと、シャフト203に固定されたロータ201bからなる。シャフト203は、中板204によってそれぞれ独立するように仕切られた第1のシリンダ205と第2のシリンダ206を貫通し、軸受207、208によって回転自在に支持されている。シャフト203には、シャフト203の軸に対する偏心方向が同じである第1の偏心部203aと第2の偏心部203bが設けられ、第1の偏心部203aには第1のシリンダ205の内部に配置された第1のピストン209が、第2の偏心部203bには第2のシリンダ206の内部に配置された第2のピストン210が嵌合する。
第1のシリンダ205と第1のピストン209、および、第2のシリンダ206と第2のピストン210の高さや径は、第1のシリンダ205と第1のピストン209により形成される三日月形状の空間が、第2のシリンダ206と第2のピストン210により形成される三日月形状の空間よりも小さくなるように設定する。第1のシリンダ205および第2のシリンダ206には、ベーン溝205aおよび206aがそれぞれ形成されている。ベーン溝205a、206aにより、それぞれ往復動自在に保持された第1のベーン211および第2のベーン212は、ばね213、214による力や、各ベーン211、212の先端側と背面側の圧力差による力によって、それぞれ各ピストン209、210側に密着している。第1のシリンダ205と第1のピストン209により形成される三日月形状の空間は、第1のベーン211により、2つの作動室215a、215bに、また、第2のシリンダ206と第2のピストン210により形成される三日月形状の空間は、第2のベーン212により、2つの作動室216a、216bに区画される。第1のシリンダ205に設けられた吸入孔205bは、作動室215aに連通しており、作動室215bと作動室216aは、第1のベーン211と第2のベーン212の間を通過するように、中板204に斜め方向に設けられた連通孔204aで連通して1つの空間を形成している。また、第2のシリンダ206に設けられた吐出孔206bは、作動室216bに連通している。
高圧の作動流体は、吸入管217から密閉容器202の内部に流入した後、吸入孔205bから、第1のシリンダ205内の作動室215aに吸入される。シャフト203の回転運動に伴って作動室215aの容積は拡大し、やがて、第1のシリンダ205側の連通孔204aと連通する作動室215bへと移行し、吸入行程が終了する。作動室215bは、連通孔204aを通じて第2のシリンダ206の作動室216aと連通して1つの作動室を形成しており、高圧の作動流体は、連通した作動室全体の容積が増加する方向、すなわち、作動室215bの容積が減少し、作動室216aの容積が増加する方向へとシャフト203を回転させ、発電機201を駆動する。シャフト203の回転に伴い、作動室215bは消滅し、作動室216aは吐出孔206bと連通する作動室216bへと移行し、膨張行程が終了する。そして、低圧となった作動流体は吐出孔206bから吐出管218へと吐出される。
膨張機を潤滑するためのオイルは、密閉容器202の下部のオイル溜り219に蓄えられており、シャフト203の回転に伴い、軸受207、208のシャフト203との摺動面に設けた螺旋形状のオイル溝207a、208aによって発生する動圧により汲み上げられ、シャフト203と軸受207、208との間の各摺動面、第1の偏心部203aと第1のピストン209内面との間、第2の偏心部203bと第2のピストン210内面との間を潤滑する。また、各偏心部203a、203b付近のオイルは、より圧力の低くなる作動室215a、215b、216a、216bへと順に流れる際に、各ピストン209、210の上下端面の摺動面の潤滑を行う。そして、各ピストン209、210の上下端面を潤滑したオイルは作動室215a、215b、216a、216bへと順に流入し、作動流体と混合され、共に吐出管218から吐出される。
上述した特許文献1の膨張機と、非特許文献1の膨張機において、吐出管から作動流体と共にオイルが吐出されると、密閉容器102、202下部のオイル溜り113、219のオイルが枯渇し、摺動部の潤滑ができなくなり、膨張機の信頼性が低下する。また、同様の理由で隙間をシールするオイルが不足し、膨張機の性能も低下する。従って、各ピストン107、209、210の上下端面から作動室に流入するオイルの量を減らす必要がある。
従来の膨張機と類似の構成を有する従来の圧縮機において、特許文献3、特許文献4にピストンの上下端面から作動室に流入するオイルの量を減らす構成が開示されている。図13に特許文献3の従来の圧縮機を示す。本構成では、ピストン301の上下端面に対向する軸受部材302、303の摺動面にシール材304、305を設けている。図14に特許文献4の従来の圧縮機を示す。本構成では、スウィングピストン306の上下端面にシール材307、308を設けている。
特開平08−338356号公報 特開2003−343467号公報 特開昭61−215482号公報 特開平09−100791号公報 「エネルギー有効利用基盤技術先導研究開発 CO2空調機用二相流膨張機・圧縮機の開発」成果報告書 平成16年3月 (独)新エネルギー・産業総合開発機構
しかしながら、冷凍サイクルに用いる膨張機においては、作動流体が液相あるいは超臨界相から気液二相へと膨張するため、オイルが液相の作動流体に希釈され、オイル粘度が大幅に低下する。図13に示す特許文献3の圧縮機のような構成でシール材を用いると、ピストンの自転により、シール材とピストンの上下端面との間の摺動速度が非常に大きくなるので、特に膨張機の場合はシール材の摩耗が顕著となり、信頼性が低下していた。
また、図14に示す特許文献4の圧縮機のような構成でシール材を用いる場合、ピストンの上下端面にシール材と嵌合する溝を設ける必要があるが、ピストン端面は狭いために加工が難しく、加工コストの上昇や、加工精度の確保が課題となる。また、溝を設けたことにより、ピストンの上下端面の内外周のエッジ近傍の強度が低下し、ピストンに作用する作動流体の圧力で変形することにより、ピストンのエッジが相手側摺動面をこじて異常摩耗の原因となる。
また、図13、図14に示す従来の圧縮機では、作動室を出た作動流体は一旦、密閉容器の内部空間に吐出され、遠心力や重力などにより作動流体からオイルを分離させた後、混合するオイルを十分に低減させた作動流体が吐出管から圧縮機の外部に吐出されるため、オイル溜りのオイルは常に保持されるが、図9〜図12に示す特許文献1や非特許文献1に記載される従来の膨張機では、作動室を出た作動流体は、遠心力や重力などによりオイルを分離することなしに、吐出管から吐出される。従って、従来の膨張機は従来の圧縮機に比べて、密閉容器下部のオイル溜りのオイルが枯渇しやすくなり、潤滑不足による信頼性の低下や、シール不足による性能の低下が顕著であった。また、膨張機から吐出されたオイルは冷凍サイクルの熱交換器の伝熱管の内部に付着し、伝熱性能を低下させるため、冷凍サイクルのCOPが低下していた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、冷凍サイクルに用いる膨張機において、簡単で信頼性の高い構成によりオイル吐出量を低減し、高効率で高信頼性の膨張機、および、高効率の冷凍サイクルを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明の膨張機は、少なくとも、偏心部を有するシャフトと、前記シャフトの前記偏心部に連結されて偏心回転運動するピストンと、内面が円筒形状であるとともに前記内面の一部が前記ピストンと接するように配設されたシリンダと、前記シリンダの両端面を塞ぐ閉塞部材と、前記シリンダと前記ピストンと前記閉塞部材により構成される三日月形状の空間を吸入側空間と吐出側空間に分割する仕切り部材と、前記ピストンの自転を防止する機構とを備え、前記閉塞部材の前記ピストンとの摺動面に設けた溝と、前記溝にシール材を設けたことを特徴とする。
また、本発明の膨張機に、前記ピストンの外周面に凹部を設け、前記仕切り部材の先端が前記凹部に嵌合することにより前記ピストンの自転を防止することを特徴とする。
また、本発明の膨張機に、前記ピストンと前記仕切り部材が一体形成されていることを特徴とする。
本発明の膨張機は、前記ピストンの径方向の幅は、前記シャフトの偏心部の偏心量の幅の2倍に、前記溝の径方向の幅を加えた値より大きいことを特徴とする。
本発明の膨張機は、前記閉塞部材の前記溝に設けたばねにより、前記シール材を前記ピストンの摺動面に押し付けることを特徴とする。
本発明の膨張機は、前記閉塞部材の前記溝の外周側壁面にテーパを設けたことを特徴とする。
本発明の膨張機は、二酸化炭素を作動流体とすることを特徴とする。
本発明の膨張機によれば、簡単な構成でオイルが作動室に流入する量を大幅に低減することが可能であるので、膨張機のオイル吐出量を低減し、高効率で高信頼性の膨張機、および、高効率の冷凍サイクルを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の膨張機400の構成を示す縦断面図であり、図2は図1の膨張機400のD1−D1線における横断面図、図3は図1の膨張機400のシール材の斜視図である。本実施の形態1の膨張機400の構成は、シール材を設置したことを除いて、図9、図10を用いて説明した従来の膨張機100と同様の構成である。また、同一機能部品については同一番号を使用し、従来例と同一の構成および作用の説明は省くことにする。
本実施の形態1の膨張機400では、軸受105、106のピストン107の上下端面との摺動面に環状溝401、402を設け、その中にシール材403を設置している。シール材403は、ポリイミド(べスペルPS−1)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂製が望ましい。また、図3(a)のような環状のシール材403でも良いが、図3(b)のように1箇所に切れ目403aを設けたシール材403の方がより望ましい。ピストン107の径方向の幅wの範囲は、シャフト103の軸から偏心部103aの軸までの距離である偏心量eと、シール材403の幅sとの間で、w>2e+sの関係を満たすようにする。
このような構成とすることにより、シール材403は、その内面側に圧力を受けて環状溝401、402の外周面に密着する。そして、環状溝401、402の外周面に密着することにより、環状溝401、402の底面とシール材403との間に入り込んだ高圧のオイルが圧力の低い作動室110a、110bに漏れることを防止する。また、これら高圧のオイルは、シール材403をピストン107の上下端面に押し付ける。このため、シール材403とピストン107の上下面との間を通過し、偏心部103aから作動室110a、110bに流れ込むオイルの量を大幅に低減することができる。このとき、シール材403の幅sを調整することにより、流れ込むオイル量をコントロールし、潤滑に必要な最低限のオイルのみを流すことにより、信頼性を確保することができる。従って、オイルが作動流体と混合して吐出管112から流出する量、すなわち、オイル吐出量を大幅に低減し、高効率で信頼性の高い膨張機となるとともに、オイルによる冷凍サイクルの性能低下を防止することができる。
また、切れ目403aを設けることにより、シール材403の直径と環状溝401、402の外周面の直径に加工誤差による差がある場合でも、確実にシール材403を環状溝401、402の外周面に密着させることができる。
また、本実施の形態1では、ピストン107の自転運動は、ベーン108がピストン107の係合溝107aに嵌合することによって防止されているので、シール材403とピストン107の上下端面の摺動速度を抑えることができ、シール材403の摩耗を防止し、信頼性を高めることができる。
また、ピストン107の径方向の幅wと、偏心量eおよびシール材403の幅sが、w>2e+sの関係を満たすことにより、図2に破線で示すピストン107の内周側の点Qの軌跡と、ピストン107の外周側の点Pの軌跡がシール材403の上を通過しない構成でシール材403を設置することが可能となる。言い換えれば、シール材403はシャフト103の回転角度に関わらず、ピストン107の内周側の点Qと外周側の点Pとの間、すなわち、ピストン107の上下端面上の範囲内にある。従って、シール材403による、軸受105、106とピストン107の上下端面との間のシールを確実にするとともに、ピストン107の上下端面の内周側あるいは外周側のエッジが、シール材403に擦れてシール材403を破損させることを防止することができる。
なお、シール材403は必ずしも環状である必要はなく、軸受105、106に形成する溝401、402の形状をシール材403と同じにし、シール材403がピストン107の上下端面と接していれば、同様の効果が得られることは言うまでもない。
なお、本実施の形態1の膨張機は、ベーン108の先端がピストン107の係合溝107aに嵌合することにより、ピストン107が自転しない構成となっているが、ベースとなる膨張機にピストン107が自転する構造が備わっていない場合は、ピストン107に係合溝107aを追加するなどして、ピストン107の自転を防止する必要がある。
なお、冷凍サイクルが、作動流体として二酸化炭素を用いる超臨界サイクルの場合には、冷凍サイクルの高圧側と低圧側の圧力差が非常に大きくなるため、膨張機400においてシール材403を設ける効果がより顕著になることは言うまでもない。
(実施の形態2)
本実施の形態2は、シール材403と共に、ばね404を環状溝401、402に設置した点を除き、実施の形態1と同様の構成である。
図4は、本発明の実施の形態2における膨張機の軸受106、シール材403、およびばね404の斜視図である。本実施の形態2では、軸受106の環状溝402に、初めにばね404を挿入し、その後にシール材403を嵌合させる。ばね404は、リング形状かつ波状の凹凸を有する薄板ばねである。軸受105の環状溝401にも同様に、ばね404を挿入した後に、シール材403を嵌合させる。
このような構成とすることにより、ばね404によりシール材403をピストン107の上下端面に押し付ける効果があることは言うまでもなく、さらに、ばね404により環状溝401、402の底面とシール材403との間に確実に隙間が生じるので、シール材403と環状溝401、402の底面との間に高圧のオイルが流れ込むことでシール材403をピストン107の上下端面に押しつけるという、実施の形態1で説明した効果を、より確実なものとすることができる。このため、シール材403とピストン107の上下面との間を通過し、偏心部103aから作動室110a、110bに流れ込むオイルの量をさらに低減することができる。
なお、ばね404は、必ずしも薄板ばねである必要はない。環状溝401、402の底面とシール材403との間に隙間を設けることができれば、同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、シール材413の外周面と、環状溝411、412の外周面をテーパ面とした点を除き、実施の形態1と同様の構成である。
図5は、本発明の実施の形態3における膨張機の膨張機構部の拡大縦断面図である。本実施の形態3では、シール材413は、実施の形態1と同様に環状であるが、シール材413の外周面413aは、外周面413aの直径がピストン107側に近づくほど大きくなるようなテーパ面となっている。同様に、軸受105、106に設けた環状溝411、412の外周面411a、412aも、シール材413の外周面413aと同じ傾斜を持つテーパ面とする。
このような構成とすることにより、シール材413は、その内面側に圧力を受けて環状溝411、412の外周面411a、412aにそれぞれ密着するが、そのとき、シール材413の外周面413aが環状溝411、412の外周面411a、412aから受ける反力は、シール材413の外周面413aに対して垂直であり、ピストン107側への分力を有するため、この分力によりシール材413はピストン107の上下端面に押し付けられる。このため、環状溝411、412の底面とシール材413との間に確実に隙間が生じるので、シール材413と環状溝411、412の底面との間に高圧のオイルが流れ込むことでシール材413をピストン107の上下端面に押しつけるという、実施の形態1で説明した効果を、より確実なものとすることができる。このため、シール材413とピストン107の上下面との間を通過し、偏心部103aから作動室110a、110bに流れ込むオイルの量をさらに低減することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4は、シール材423の形状を除き、実施の形態1と同様の構成である。
図6は、本発明の実施の形態4における膨張機の膨張機構部の拡大縦断面図である。本実施の形態4では、シール材423は、実施の形態1と同様に環状であるが、シール材423の内周側断面を凹形状となるように形成している。
このような構成とすることにより、シール材423の内周側の凹部に高圧が作用し、外周側に低圧が作用するので、シール材423は上下に押し広げられ、ピストン107の上下端面と環状溝421、422の底面の双方に密着する。従って、シール材423とピストン107の上下面との間を通過し、偏心部103aから作動室110a、110bに流れ込むオイルの量を大幅に低減することができる。
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5の膨張機430の構成を示す縦断面図であり、図8(a)は図7の膨張機のD2−D2線における横断面図、図8(b)は図7の膨張機のD3−D3線における横断面図である。本実施の形態5の膨張機430の構成は、各ピストン209、210が自転しない構成としたことと、シール材435を設置したことを除いて、図11、図12を用いて説明した従来の膨張機200と同様の構成である。また、同一機能部品については同一番号を使用し、従来例と同一の構成および作用の説明は省くことにする。
本実施の形態5の膨張機430では、軸受207、中板204の第1のピストン209の上下端面との各摺動面に環状溝431、432を、軸受208、中板204の第2のピストン210の上下端面との各摺動面に環状溝433、434を設け、その中にシール材435をそれぞれ設置している。シール材435の材質は実施の形態1と同様である。また、第1のピストン209の外周面に第1のベーン211の先端が嵌合する係合溝436、第2のピストン210の外周面に第2のベーン212の先端が嵌合する係合溝437を設置する。各ピストン209、210の径方向の幅wと偏心量e、およびシール材435の幅sの関係は、実施の形態1と同様である。
このような構成とすることにより、シール材435を設けたため、実施の形態1と同様の理由で、オイルが作動室215a、215b、216a、216bの作動流体と混合して吐出管218から流出する量、すなわち、オイル吐出量を大幅に低減し、高効率で信頼性の高い膨張機となるとともに、オイルによる冷凍サイクルの性能低下を防止することができる。
また、各ピストン209、210の自転運動は、各ベーン211、212が係合溝436、437にそれぞれ嵌合することで防止されるので、シール材435と各ピストン209、210の上下端面との間の摺動速度を抑えて、シール材435の摩耗を低減し、信頼性を確保することができる。
なお、本実施の形態5では、第1のピストン209と第2のピストン210の両方に対してシール材435を設置したが、第2のシリンダ206の吐出孔206b側に形成される作動室216bの圧力が、全ての作動室215a、215b、216a、216bの中で圧力が最も低くなるため、各偏心部203a、203b側との差圧が大きい。従って、作動室216bに隣接する第2のピストン210のみにシール材435を設置すると、第1のピストン209のみにシール材435を設置する場合よりも、より顕著なオイル吐出量の低減効果が得られる。
なお、本実施の形態5では、第1のピストン209と第2のピストン210の自転を防止するために、係合溝436、437を設けたが、各ピストン209、210と各ベーン211、212がそれぞれ一体形成されるスウィングピストンのような構成を用いても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
本発明の膨張機は、冷凍サイクルにおける冷媒の膨張エネルギーを回収して動力回収手段として有用であるとともに、冷凍サイクル以外の圧縮性流体からのエネルギー回収手段として有用である。
本発明の実施の形態1における膨張機の縦断面図 図1に示す膨張機のD1−D1線における横断面図 (a)図1に示す膨張機のシール材の斜視図(b)図1に示す膨張機の別のシール材の斜視図 本発明の実施の形態2における膨張機の軸受、シール材、およびばねの斜視図 本発明の実施の形態3における膨張機の膨張機構部の拡大縦断面図 本発明の実施の形態4における膨張機の膨張機構部の拡大縦断面図 本発明の実施の形態5における膨張機の縦断面図 (a)図7に示す膨張機のD2−D2線における横断面図(b)図7に示す膨張機のD3−D3線における横断面図 従来の膨張機の縦断面図 図9に示す膨張機のD1−D1線における横断面図 従来の膨張機の縦断面図 (a)図11に示す膨張機のD2−D2線における横断面図(b)図11に示す膨張機のD3−D3線における横断面図 従来の圧縮機の圧縮機構部の拡大縦断面図 従来の圧縮機のピストンおよびシール材の斜視図
符号の説明
100,200,400,430 膨張機
101,201 発電機
101a,201a ステータ
101b,201b ロータ
102,202 密閉容器
103,203 シャフト
103a 偏心部
103b 軸方向流路
103c 開口部
103d 径方向流路
104 シリンダ
104a,205a,206a ベーン溝
104b,206b 吐出孔
105,106,207,208 軸受
105a,106a,207a,208a オイル溝
107 ピストン
107a,436,437 係合溝
107b,205b 吸入孔
108 ベーン
109,213,214,404 ばね
110a,110b,215a,215b,216a,216b 作動室
111,217 吸入管
112,218 吐出管
113,219 オイル溜り
203a 第1の偏心部
203b 第2の偏心部
204 中板
204a 連通孔
205 第1のシリンダ
206 第2のシリンダ
209 第1のピストン
210 第2のピストン
211 第1のベーン
212 第2のベーン
301 ピストン
302,303 軸受部材
304,305,307,308,403,413,423,435 シール材
306 スウィングピストン
401,402,411,412,421,422,431,432,433,434 環状溝
403a 切れ目
411a,412a 環状溝の外周面
413a シール材の外周面

Claims (7)

  1. 少なくとも、偏心部を有するシャフトと、
    前記シャフトの前記偏心部に連結されて偏心回転運動するピストンと、
    内面が円筒形状であるとともに前記内面の一部が前記ピストンと接するように配設されたシリンダと、
    前記シリンダの両端面を塞ぐ閉塞部材と、
    前記シリンダと前記ピストンと前記閉塞部材により構成される三日月形状の空間を吸入側空間と吐出側空間に分割する仕切り部材と、
    前記ピストンの自転を防止する機構とを備え、
    前記閉塞部材の前記ピストンとの摺動面に設けた溝と、前記溝にシール材を設けたことを特徴とする膨張機。
  2. 前記ピストンの外周面に凹部を設け、前記仕切り部材の先端が前記凹部に嵌合することにより前記ピストンの自転を防止することを特徴とする、
    請求項1に記載の膨張機。
  3. 前記ピストンと前記仕切り部材が一体形成されていることを特徴とする、
    請求項1に記載の膨張機。
  4. 前記ピストンの径方向の幅は、前記シャフトの偏心部の偏心量の幅の2倍に、前記溝の径方向の幅を加えた値より大きいことを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれかに記載の膨張機。
  5. 前記閉塞部材の前記溝に設けたばねにより、前記シール材を前記ピストンの摺動面に押し付けることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれかに記載の膨張機。
  6. 前記閉塞部材の前記溝の外周側壁面にテーパを設けたことを特徴とする、
    請求項1〜5のいずれかに記載の膨張機。
  7. 二酸化炭素を作動流体とすることを特徴とする、
    請求項1〜6のいずれかに記載の膨張機。
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