JP2006336463A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】密閉型回転圧縮機では、圧縮機の信頼性及び冷凍サイクルの高効率化の観点から、油分離効率を向上して密閉容器外への冷凍機油の吐出を極力抑える必要がある。
【解決手段】回転電動機部の回転子12の下端面12a近傍に遮蔽部材51を設けて、圧縮機構部の上軸受部材7の吐出孔7aから吐出管15に至る密閉容器1内部での作動流体の主たる流れ場を、回転電動機部の下側空間17において、回転子12の下端面12aから隔離することにより、回転子12の回転運動に起因する撹拌を抑制し、作動流体に混入している冷凍機油の油滴が撹拌により微細化するのを防止し、下側空間17で油滴を重力で下方に落として作動流体から分離することを促進する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧縮機構部と回転電動機部を密閉容器内に備えた圧縮機に関する。
密閉型回転圧縮機は、そのコンパクト性や構造が簡単なことから、冷凍冷蔵庫や空調機等に多く用いられている。ロータリ圧縮機やスクロール圧縮機等の密閉型回転圧縮機の構成については、非特許文献1に記載されている。以下に、密閉型回転圧縮機の構成を、ロータリ圧縮機とスクロール圧縮機を例に図8から図10を用いて説明する。図8は、従来のロータリ圧縮機の縦断面図である。
図に示すロータリ圧縮機は、密閉容器1と、偏心部2aを有するシャフト2と、シリンダ3と、ローラ4と、ベーン5と、バネ6と、吐出孔7aを有する上軸受部材7と、下軸受部材8と、上下端面11a,11bからそれぞれ突出したコイルエンド11c,11dを有する固定子11と、シャフト2に嵌合する回転子12とを含み構成される。
上記構成のうち、固定子11と回転子12から構成される部分を回転電動機部と、シリンダ3の内部に吸入室及び圧縮室(図示せず)を形成し回転子12の回転運動に伴い作動流体を圧縮する部分を圧縮機構部と呼称する。
また、固定子11の外周側には、作動流体の流路とするための複数の切欠き11eが設けられ、固定子11と回転子12の間に、隙間18が設けられている。密閉容器1の上部に、密閉容器1の外部から回転電動機部に通電するための導入端子13と作動流体を密閉容器1の内部から冷凍サイクルに吐出する吐出管15とが設けられ、密閉容器1の側面に、作動流体を冷凍サイクルから圧縮機構部に導く吸入管14が設けられている。そして、密閉容器1の底部の油溜り16に冷凍機油が貯留される構成となっている。
上記構成のロータリ圧縮機の動作について説明する。
導入端子13を介して固定子11に通電して回転子12を回転させると、偏心部2aによりローラ4は偏心回転運動を行い、吸入室と圧縮室の容積が変化する。これに伴い作動流体は、吸入管14から吸入室に吸入され、圧縮室にて圧縮される。圧縮された作動流体は、油溜り16から供給されて圧縮機構部を潤滑した冷凍機油の油滴を混合した状態で、吐出孔7aを経て回転電動機部の下側空間17に噴出する。
この噴出した作動流体は、回転子12の下端面12aに対して衝突した後、回転子12の回転運動により強い旋回流となる。作動流体に含まれる油滴の一部は、作動流体が下側空間17に旋回流れとして滞留している間に、遠心力で密閉容器1の内壁に付着、あるいは、重力で下方に落ちて分離され油溜り16に戻る。
また、作動流体は、分離されずにいる油滴を含んだ状態で、下側空間17から切欠き11eや、隙間18を通過し、回転電動機部の上側空間19に噴出する。この噴出した作動流体は、吐出管15へと向かうが、その際に一部の作動流体が回転子12の上端面12bの近傍を通過し、その回転運動の影響で旋回流となる。作動流体に含まれる油滴の一部は、作動流体が上側空間19に滞留している間に、遠心力で密閉容器1の内壁に付着、あるいは、重力で下方に落ちて分離され、密閉容器1の内壁や固定子11の壁面を伝って油溜り16に戻る。そして、作動流体は、なおも分離されずにいる油滴を含んだ状態で吐出管15から吐出する。
一方、図9は、従来のスクロール圧縮機の縦断面図である。図に示すスクロール圧縮機は、密閉容器31と、偏心部32aを有するシャフト32と、渦巻き形状のラップ33a及び吐出孔33bを有する固定スクロール33と、渦巻き形状のラップ34aを有して偏心部32aの偏心回転運動に伴い旋回運動する可動スクロール34と、吐出孔36cを有してシャフト32の一方を支える上軸受部材36と、右左端面39a,39bからそれぞれ突出したコイルエンド39c,39dを有して密閉容器31の内部に焼嵌めされた固定子39と、シャフト32に焼嵌めされた回転子40と、シャフト32の他方を支える副軸受部材41とを含み構成される。
そして、ラップ33a及びラップ34aが噛み合って固定スクロール33と可動スクロール34の内部には複数の吸入室37、圧縮室38が形成されている。上記構成のうち、固定子39と回転子40から構成される部分を回転電動機部と、吸入室37と圧縮室38を形成して回転電動機部の回転運動に伴い作動流体を圧縮する部分を圧縮機構部と呼称する。
また、固定子39の外周側には、作動流体の流路とするための複数の切欠き39eが設けられ、固定子39と回転子40の間に、隙間48が設けられている。密閉容器31には、密閉容器31の外部から回転電動機部に通電するための導入端子42と、作動流体を冷凍サイクルから吸入室37に導く吸入管43と、作動流体を密閉容器31の内部から冷凍サイクルに吐出する吐出管44とが設けられている。そして、密閉容器31の下部の油溜り45に冷凍機油を貯留し、この油溜り45から冷凍機油を給油ポンプ46で汲み上げ、圧縮機構部に給油する構成となっている。
上記構成のスクロール圧縮機の動作について説明する。
導入端子42を介して固定子39に通電して回転子40を回転させると、可動スクロール34は旋回運動を行い、吸入室37と圧縮室38の容積が変化する。これに伴い作動流体は、吸入管43から吸入室37に吸入され、圧縮室38にて圧縮される。圧縮された作動流体は、油溜り45から供給されて圧縮機構部の摺動面を潤滑した冷凍機油の油滴を混合した状態で、吐出孔33b,36cを経て回転電動機部の右側空間47に噴出する。
この噴出した作動流体は、回転子39の右端面40aの回転運動により旋回流となる。作動流体に含まれる油滴の一部は、作動流体が右側空間47に旋回流れとして滞留している間に、遠心力で密閉容器1の内壁に付着、あるいは、重力で落下し、作動流体から分離されて油溜り45に戻る。
また、作動流体は、分離されずにいる油滴を含んだ状態で、右側空間47から切欠き39eや、隙間48を通過し、回転電動機部の左側空間49に噴出する。この噴出した作動流体は、吐出管44へと向かうが、その際に一部の作動流体が回転子40の左端面40bの近傍を通過し、その回転の影響で旋回流となる。ここでも、作動流体に含まれる油滴の一部は、作動流体が左側空間49に滞留している間に、遠心力で密閉容器1の内壁に付着、あるいは、重力で下方に落ちて分離され、油溜り45に戻る。そして、作動流体は、なおも分離されずにいる油滴を含んだ状態で吐出管44から吐出する。
以上のようなロータリ圧縮機やスクロール圧縮機等の密閉型圧縮機では、圧縮機構部の摺動面を潤滑して隙間をシールするために、油溜りに貯留されている冷凍機油の一部は、圧縮機の運転の過程で圧縮機の密閉容器1,31の外部に吐出されているが、冷凍機油の吐出が多い圧縮機では、油溜り16,45における冷凍機油の油面が低下するため、供給油量が不足し、圧縮機構部の潤滑が不十分となり信頼性が低下したり、圧縮機構部のシールが不十分となり効率が低下したりする。また、圧縮機から吐出された冷凍機油は、熱交換器の伝熱管の内壁に付着して作動流体と伝熱管内の壁面との間の熱伝達率を低下させるので、冷凍サイクルの性能が低下する。従って、圧縮機の密閉容器1,31の内部における作動流体からの油分離効率を向上し、冷凍機油の吐出量を削減している。
この作動流体から冷凍機油を分離する構成としては、例えば特許文献1に示されているように、ロータリ圧縮機の回転子12の上部に設けた油分離板を用いる方法がある。図10に油分離板の周辺の詳細断面図を示す。回転子12には永久磁石20の挿入孔を閉塞する上側端板21a及び下側端板21bが具備されるとともに、回転子12に上下方向に貫通形成された複数の貫通孔12cと、貫通孔12cの出口の上方に配されて回転子12の上端面との間に油分離空間22を形成する油分離板23とが、固定部材24によって回転子12に固定されている。
このように構成された圧縮機では、圧縮機構部から回転電動機の下側空間17に吐出され た油滴を含む作動流体の一部は、回転子12に設けられた貫通孔12cを通って油分離空間22に流入する。そして、ここで遠心力により油分離板23の外周出口から作動流体が放射状に吐出し、固定子11のコイルエンド11dに吹き付けられて作動流体に含まれた冷凍機油を分離する。そして、冷凍機油を分離した作動流体だけが上昇して、密閉容器1内の上部に設けられた吐出管15から外部に吐出する。一方、固定子11のコイルエンド11dに付着した冷凍機油は下方へ伝わって落ち、密閉容器1の底部の油溜り16に戻る。
「冷凍空調便覧、新版第5版、II巻 機器編」、日本冷凍協会、平成5年、第30項〜第43項 特開平8−28476号公報(第6項、図1〜図3)
前述のように、従来のロータリ圧縮機では、圧縮機構部の吐出孔7aから回転電動機部の下側空間17に噴出した作動流体は、回転子12の回転運動により強い旋回流となる。また、上側空間19に噴出した作動流体も、回転子12の回転運動の影響で旋回流となる。同様に、スクロール圧縮機の右側空間47及び左側空間49に噴出した作動流体は、回転子40の回転運動の影響で旋回流となる。
このとき作動流体に含まれる冷凍機油の油滴は、旋回流により撹拌されて微細化されるため、下側空間17及び上側空間19や右側空間47及び左側空間49での旋回流による遠心力と重力による分離方法では、完全な分離が困難であった。
また、回転子12の下端面12a及び上端面12bには、シャフト2の偏心部2a及びローラ4のアンバランスを打ち消すためのバランサ12dが設けられている。同様に、回転子40の右端面40a及び左端面40bにバランサ40cが設けられている。また、DCブラシレスモータの場合、回転子を形成する積層鋼板やマグネット等を固定するためのボルトやリベット(図示せず)が突出している。
その結果、回転子の端面には多数の凹凸が形成されており、これらの凹凸が回転することにより、作動流体を撹拌する効果を増大させるので、作動流体に含まれる冷凍機油の油滴は、より微細化されて作動流体からの分離が困難となっていた。
一方、撹拌されて微細化された油滴を作動流体から分離する方法として、図10に示す構成が用いられるが、この場合、回転電動機部の下側空間17から上側空間19へ流れる作動流体のうち、回転子12に設けられた貫通孔12cを通過する作動流体に対してしか機能せず、固定子11の切欠き11eや、固定子11と回転子12の間の隙間18を通過する作動流体から油滴を分離することは不可能である。また、油分離板23を回転子の上端面12bに設けることにより、油分離板23の回転運動により回転電動機部の上側空間19での作動流体の撹拌を促進してしまい、上側空間19での冷凍機油の分離をかえって困難にしてしまうという課題もあった。
また、他の方法として、回転電動機部の下側空間17や上側空間19の容積を拡大して作動流体がこれらの空間に滞留する時間を延ばし、重力により冷凍機油の油滴の分離を促進させる場合もあるが、この場合でも撹拌の影響をなくすことは困難であり、また、圧縮機が大型化してしまうという弊害を生じる。
また、以上の課題は、縦型のロータリ圧縮機や横型のスクロール圧縮機を例に説明したが、縦型と横型の違いや、圧縮方式の違いに関らず、圧縮機構部から吐出された冷媒が密閉容器に設けられた吐出管から吐出されるまでの間に、作動流体が回転子の端面の近傍を通過する場合には、同様の課題が生じる。
また、以上の課題は作動流体の種類に関らず生じるが、特に、二酸化炭素を主成分とした作動流体を用いる冷凍サイクルの場合、圧縮室から吐出される作動流体の圧力が臨界圧力を越えるため、密閉容器の内部の作動流体は超臨界状態となり、作動流体に対する冷凍機油の溶解量が増し、特に密閉容器の内部での油分離が一層困難になるという課題が生じる。
従って本発明は、上記問題を解決するためのものであり、回転電動機部の効率を低下させることなく、簡易かつ低コストに油分離効率を高めて、密閉容器の外部に持ち出される冷凍機油の量を低減し、圧縮機の信頼性を向上させ、かつ高効率の冷凍サイクルを得ることができる圧縮機を提供することを目的としている。
請求項1記載の本発明の圧縮機は、圧縮機構部と、固定子及び回転子から構成された回転電動機部と、前記圧縮機構部及び前記回転電動機部を内包する密閉容器とを備えた圧縮機において、前記圧縮機構部で圧縮され前記密閉容器から吐出するまでの作動流体の主たる流れ場を、前記回転子の少なくとも一方の端面から隔離したことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の圧縮機において、少なくとも一方の前記端面に相対して、当該端面を覆う遮蔽部材を設けたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の圧縮機において、前記遮蔽部材を前記回転子を除く箇所に取付けたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項3に記載の圧縮機において、前記遮蔽部材を前記固定子に取付けたことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載の圧縮機において、前記固定子は積層された鋼板とコイルとから構成され、前記遮蔽部材は鋼板から構成され、前記遮蔽部材を前記固定子に積層したことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項3に記載の圧縮機において、前記遮蔽部材を前記圧縮機構部に取付けたことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項6に記載の圧縮機において、前記圧縮機構部は、前記回転子が固定されたシャフトと前記シャフトを支持する軸受部材とを備え、前記遮蔽部材を前記軸受部材に取付けたことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項7に記載の圧縮機において、前記軸受部材は前記回転電動機部側に突出部を有し、前記遮蔽部材を前記突出部の外周面に設けた溝に装着したことを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項1から請求項4、あるいは請求項6から請求項8のいずれかに記載の圧縮機において、前記固定子はコイルエンドを有し、前記遮蔽部材が前記コイルエンドの内側に位置する構成としたことを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項3に記載の圧縮機において、前記遮蔽部材を前記密閉容器の内壁に取付けたことを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項3に記載の圧縮機において、前記圧縮機構部は、前記回転子が固定されたシャフトと、前記シャフトを支持する軸受部材と、前記回転子に関して前記軸受部材の反対側にて前記軸受部材とともに前記シャフトを両持ち支持する副軸受部材とを備え、前記遮蔽部材を前記副軸受部材に取付けたことを特徴とする。
請求項12記載の本発明は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の圧縮機において、前記遮蔽部材を非磁性体としたことを特徴とする。
請求項13記載の本発明は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の圧縮機において、前記遮蔽部材を絶縁体としたことを特徴とする。
請求項14記載の本発明は、請求項1に記載の圧縮機において、前記圧縮機構部は、前記回転子が固定されたシャフトと、前記シャフトを支持する軸受部材とを備え、前記軸受部材が前記回転子の一方の端面を覆う構成としたことを特徴とする。
請求項15記載の本発明は、請求項1に記載の圧縮機において、前記圧縮機構部は、前記回転子が固定されたシャフトと、前記シャフトを支持する軸受部材と、前記回転子に関して前記軸受部材の反対側にて前記軸受部材とともに前記シャフトを両持ち支持する副軸受部材とを備え、前記副軸受部材が前記回転子の一方の端面を覆う構成としたことを特徴とする。
請求項16記載の本発明は、請求項1から請求項15のいずれかに記載の圧縮機において、前記作動流体として二酸化炭素を用いたことを特徴とする。
請求項17記載の本発明は、請求項1から請求項16のいずれかに記載の圧縮機において、前記圧縮機構部の形式をロータリ式としたことを特徴とする。
請求項18記載の本発明は、請求項1から請求項16のいずれかに記載の圧縮機において、前記圧縮機構部の形式をスクロール式としたことを特徴とする。
以上述べてきたように、本発明によれば、回転電動機部の回転子の端面近傍に遮蔽部材を設けて、圧縮機構部から吐出されて吐出管に至る密閉容器内部での作動流体の主たる流れ場を、縦型圧縮機の場合は回転電動機部の下側空間と上側空間、横型圧縮機の場合は電動機部の右側空間と左側空間において、回転子の両端面から隔離することにより、回転子の回転運動に起因する旋回流による撹拌や、回転子の端面に設けられたバランサ等の凹凸が回転することによる撹拌を抑制し、作動流体に混入している冷凍機油の油滴が撹拌により微細化するのを防止する。
これによって、作動流体が回転電動機部の下側空間と上側空間、あるいは、右側空間と左側空間に滞留している間に、油滴が重力で下方に落ちて作動流体から分離される効果を促進し、油分離効率を向上させることが可能となり、圧縮機やそれを用いた冷凍サイクルの信頼性と効率を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態による圧縮機は、圧縮機構部で圧縮され密閉容器から吐出するまでの作動流体の主たる流れ場を、回転子の少なくとも一方の端面から隔離したものである。本実施の形態によれば、端面を隔離することにより、作動流体の主たる流れ場において、回転子の回転運動に起因する旋回流が発生しない。従って、旋回流の撹拌による油滴の微細化が防止されて、作動流体からの油滴の重力落下が促進され、油分離性を向上することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による圧縮機において、少なくとも一方の端面に相対して、当該端面を覆う遮蔽部材を設けたものである。本実施の形態によれば、遮蔽部材が端面を隔離するので、主たる流れ場における作動流体の旋回流による撹拌を防止することができる。
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態による圧縮機において、遮蔽部材を回転子を除く箇所に取付けたものである。本実施の形態によれば、回転子を除く箇所は回転しないので遮蔽部材も回転しない。従って、主たる流れ場における作動流体に対して旋回流を発生させないという利点がある。
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態による圧縮機において、遮蔽部材を固定子に取付けたものである。本実施の形態によれば、回転子を除く箇所である固定子に遮蔽部材を取付けることにより、旋回流の発生がなく、且つ簡単な構成で完全に回転子の端面を覆うことができる。
本発明の第5の実施の形態は、第4の実施の形態による圧縮機において、固定子は積層された鋼板とコイルとから構成され、遮蔽部材は鋼板から構成され、遮蔽部材を固定子に積層したものである。本実施の形態によれば、遮蔽部材を固定子に、例えば圧着あるいは溶接して取付けられるので、安価に製造することができる。
本発明の第6の実施の形態は、第3の実施の形態による圧縮機において、遮蔽部材を圧縮機構部に取付けたものである。本実施の形態によれば、回転子を除く箇所である圧縮機構部に遮蔽部材を取付けることにより、旋回流の発生がなく、且つ回転電動機部を変えることなくそのまま利用することができる。
本発明の第7の実施の形態は、第6の実施の形態による圧縮機において、圧縮機構部は、回転子が固定されたシャフトと、シャフトを支持する軸受部材とを備え、遮蔽部材を軸受部材に取付けたものである。本実施の形態によれば、軸受部材を利用して取付けることにより、遮蔽部材を支持する支柱などが不要となるので、簡単な構成で回転子の端面を覆うことができる。
本発明の第8の実施の形態は、第7の実施の形態による圧縮機において、軸受部材は回転電動機部側に突出部を有し、遮蔽部材を突出部の外周面に設けた溝に装着したものである。本実施の形態によれば、溝に遮蔽部材を装着することにより、例えばボルトなしの組立てが可能となり、安価に製造することができる。
本発明の第9の実施の形態は、第1から第4の実施の形態、あるいは第6から第8の実施の形態による圧縮機において、固定子はコイルエンドを有し、遮蔽部材がコイルエンドの内側に位置する構成としたものである。本実施の形態によれば、遮蔽部材をコイルエンドの内側に位置させると、遮蔽部材と回転子の端面との間の側面(径方向)の隙間をコイルエンドで覆うことができ、作動流体の主たる流れ場に対する回転子の回転運動による撹拌の影響を低減するので、さらに油分離効率を高めることができる。
本発明の第10の実施の形態は、第3の実施の形態による圧縮機において、遮蔽部材を密閉容器の内壁に取付けたものである。本実施の形態によれば、回転子を除く箇所である密閉容器の内壁に遮蔽部材を取付けることにより、旋回流の発生がなく、且つ回転電動機部及び圧縮機構部を作り変えることなくそのまま利用することができる。
本発明の第11の実施の形態は、第3の実施の形態による圧縮機において、圧縮機構部は、回転子が固定されたシャフトと、シャフトを支持する軸受部材と、回転子に関して軸受部材の反対側にて軸受部材とともにシャフトを両持ち支持する副軸受部材とを備え、遮蔽部材を副軸受部材に取付けたものである。本実施の形態によれば、回転子を除く箇所である副軸受部材に遮蔽部材を取付けることにより、旋回流の発生がなく、且つ回転電動機部を作り変えることなくそのまま利用することができる。
本発明の第12の実施の形態は、第1から第11の実施の形態による圧縮機において、遮蔽部材を非磁性体としたものである。本実施の形態によれば、遮蔽部材が非磁性体であれば、回転電動機部の磁気回路に与える影響が少なく、回転電動機部の効率を低下させることなく、油分離効率を向上させることができる。
本発明の第13の実施の形態は、第1から第11の実施の形態による圧縮機において、遮蔽部材を絶縁体としたものである。本実施の形態によれば、遮蔽部材が絶縁体であれば、電気絶縁性を考慮する必要がないので、例えば遮蔽部材を固定子やコイルエンドに接して取付け、隙間のない構成とすることが可能となる。この隙間のない構成によって、旋回流の影響が作動流体の主たる流れ場に及ぶのを防止し、さらに撹拌の影響を低減し、油分離効率を向上させることができる。
本発明の第14の実施の形態は、第1の実施の形態による圧縮機において、圧縮機構部は、回転子が固定されたシャフトとシャフトを支持する軸受部材とを備え、軸受部材が回転子の一方の端面を覆う構成としたものである。本実施の形態によれば、軸受部材を回転子の端面を覆う部材として利用することにより、簡単かつ低コストの構成で端面を隔離することが可能となり、主たる流れ場における作動流体からの油滴の重力落下を促進して、油分離性を向上することができる。
本発明の第15の実施の形態は、第1の実施の形態による圧縮機において、圧縮機構部は、回転子が固定されたシャフトと、シャフトを支持する軸受部材と、回転子に関して軸受部材の反対側にて軸受部材とともにシャフトを両持ち支持する副軸受部材とを備え、副軸受部材が回転子の一方の端面を覆う構成としたものである。本実施の形態によれば、副軸受部材を回転子の端面を覆う部材として利用することにより、簡単かつ低コストの構成で端面を隔離することが可能となり、主たる流れ場における作動流体からの油滴の重力落下を促進して、油分離性を向上することができる。
本発明の第16の実施の形態は、第1から第15の実施の形態による圧縮機において、作動流体として二酸化炭素を用いたものである。本実施の形態によれば、作動流体として環境に優しい二酸化炭素を用いることができる。
本発明の第17の実施の形態は、第1から第16の実施の形態による圧縮機において、圧縮機構部の形式をロータリ式としたものである。本実施の形態によれば、作動流体が回転子端面に直接衝突する流れ場を有する構成のロータリ式圧縮機に対して、流れ場における作動流体の旋回流による撹拌を、より顕著に防止し、油分離性を向上することができる。
本発明の第18の実施の形態は、第1から第16の実施の形態による圧縮機において、圧縮機構部の形式をスクロール式としたものである。本実施の形態によれば、スクロール式圧縮機に対して、旋回流による撹拌を防止し、油分離性を向上することができる。
本発明の第1の実施例の圧縮機は、ロータリ圧縮機であり、図8で説明した従来のロータリ圧縮機とほぼ同様な構成であり、同一機能部品については同一の符号を適用する。
図1は、本発明の第1の実施例におけるロータリ圧縮機の縦断面図であり、図2は、図1に示すロータリ圧縮機のZ―Z矢視の横断面図である。
図に示すロータリ圧縮機は、密閉容器1と、この密閉容器1内部の下方に配置された圧縮機構部と、その上部に配置された回転電動機部とから構成される。圧縮機構部は、中心軸Lを中心に回転可能なシャフト2と、シリンダ3と、シャフト2の偏心部2aに嵌合されてシャフト2の回転に伴いシリンダ3の内側で偏心回転運動を行うローラ4と、ローラ4に先端を接しながらシリンダ3のベーン溝3aの内部を往復運動するベーン5と、ベーン5をローラ4に押し付けるバネ6と、吐出孔7aを有しシリンダ3の上側でシャフト2を支える上軸受部材7と、シリンダ3の下側でシャフト2を支える下軸受部材8とを含み構成される。そして、上軸受部材7及び下軸受部材8に挟まれたシリンダ3とローラ4との間の空間には、ベーン5により分割されて吸入室9と圧縮室10とが形成されている。
回転電動機部は、密閉容器1の内部に焼嵌めされた固定子11と、シャフト2に焼嵌めされた回転子とを含み構成される。この固定子11には、固定子11の下端面11aから突出したコイルエンド11cと、上端面11bから突出したコイルエンド11dとが設けられている。また、固定子11は、その下端面11aから上端面11bまで鋼板を積層して形成されている。一方、回転子12の下端面12aや上端面12bには、必要に応じてバランサ12dが設けられている。そして、固定子11の下端面11aには、回転子12の下端面12aを覆うように遮蔽部材51が取付けられている。
また、固定子11の外周側と密閉容器1の内壁の間には、作動流体の流路とするための複数の切欠き11eが設けられ、固定子11と回転子12の間に、隙間18が設けられている。密閉容器1の上部には、密閉容器1の外部から固定子11に通電するための導入端子13と、作動流体を冷凍サイクルから吸入室9に導く吸入管14と、作動流体を密閉容器1の内部から冷凍サイクルに吐出する吐出管15とが設けられている。そして、密閉容器1の底部の油溜り16に、冷凍機油が貯留される構成となっている。
さらに、本実施例のロータリ圧縮機の特徴は、図8に示す従来のロータリ圧縮機と比較すると、固定子11の下端面11aを、回転子12の下端面12aよりも下側に位置させ、固定子11の下端面11aに遮蔽部材51を積み重ねており、遮蔽部材51が回転子12の下端面12aを覆う構成である。また、遮蔽部材51は、シャフト2が貫通する穴51aと、コイルエンド11cが貫通する切欠き(図示せず)とを有した円板形状であり、遮蔽部材51の周縁部には、密閉容器1内壁との隙間51bが設けられた構成である。
上記構成のロータリ圧縮機の動作について説明する。
導入端子13を介して固定子11に通電して回転子12を回転させると、シャフト2の偏心部2aにより、ローラ4は偏心回転運動を行い、吸入室9と圧縮室10の容積が変化する。これに伴い作動流体は、吸入管14から吸入室9に吸入され、圧縮室10にて圧縮される。圧縮された作動流体は、油溜り16から供給されて圧縮機構部の摺動面を潤滑し、且つ隙間をシールする冷凍機油の油滴を混合した状態で、上軸受部材7に設けた吐出孔7aから、回転電動機部の下側空間17に噴出する。
下側空間17に噴出した作動流体は、遮蔽部材51によって回転子12の下端面12aから隔離されて下側空間17に滞留する。そして、作動流体が下側空間17に滞留している間に、作動流体に含まれる油滴の一部は、密閉容器1の内壁に付着し、あるいは、重力で下方に落ちて分離されて油溜り16に戻る。その後、分離されない油滴を含んだ状態の作動流体は、下側空間17から、隙間51bと切欠き11eを通過し、また穴51aと隙間18を通過して、回転電動機部の上側空間19に流入する。切欠き11eから上側空間19に流入した作動流体は、吐出管15へ向かう流れとなるが、その際に一部の作動流体が回転子12の上端面12bの近傍を通過して、その回転運動の影響で旋回流となる。また、隙間18から上側空間19に流入した作動流体も、吐出管15へ向かう流れとなるが、その際に回転子12の回転運動の影響で旋回流となる。
一方、作動流体に含まれる油滴の一部は、旋回流の遠心力で密閉容器1の内壁に付着し、あるいは、重力で落下し、作動流体から分離されて密閉容器1の内壁や固定子11の壁面を伝って油溜り16に戻る。そして、作動流体は、なおも分離されない油滴を含んだ状態で吐出管15から吐出する。
以上のような構成にしたことにより、回転子12の下端面12aが回転電動機部の下側空間17から分離され、吐出孔7aから吐出されて吐出管15に至るまでの作動流体の主たる流れ場を、回転子12の下端面12aから隔離することができ、且つ遮蔽部材51は回転子12以外の箇所に固定されて回転運動を行わないので、作動流体の主たる流れ場としての下側空間17では旋回流が生じなくなる。
従って、本実施例のロータリ圧縮機では、下側空間17において、旋回流そのものによる撹拌や、回転子12の下端面12aのバランサ12d等の凹凸が回転することによる撹拌を防止することができ、冷凍機油の油滴が微細化されるのを防止することができるので、作動流体が下側空間17に滞留している間に油滴が重力で下方に落ちて分離される効果を促進し、油分離効率を向上させることができる。
また、本実施例では、固定子11の下端面11aに遮蔽部材51を設置するので、固定子11の内面と遮蔽部材51により、簡単な構成で、完全に回転子12の下端面12a側を覆うことができるという利点がある。
なお、遮蔽部材51は回転子12の下端面12aを完全に覆う必要はなく、一部に穴や切欠きを設けた形状や、下端面12aの一部分だけを覆う形状の遮蔽部材であっても良く、撹拌の影響を低減し、油分離効率を向上させることができることは言うまでもない。
また、遮蔽部材51を鋼板で形成する場合、固定子11の積層鋼板の下端面11aに積み重ねて、固定子11の積層鋼板とともに圧着あるいは溶接させて遮蔽部材51を固定することができ、安価に製造することができる。
また、遮蔽部材51を非磁性体で形成すれば、回転電動機部の磁気回路に与える影響が少なく、回転電動機部の効率を低下させることなく油分離効率を向上させることができる。
また、遮蔽部材51を絶縁性のある樹脂あるいはセラミックス等の絶縁体で構成することにより、固定子11のコイルエンド11cに接して遮蔽部材51を設置することができるので、電気絶縁性を考慮してコイルエンド11cとの間に隙間を設ける必要性がない。従って、コイルエンド11cとの間に設けた僅かな隙間から、回転子12の下端面12aの回転運動の影響が下側空間17に及ぶのを防止することができ、さらに撹拌の影響を低減し、油分離効率を向上させることができる。
また、本実施例では遮蔽部材51を固定子11の下端面11aに設けたが、固定子11において、下端面11a以外の例えばコイルエンド11cの下端面などの箇所に設ける構成でも良く、回転子12の下端面12aを覆えば同様の効果を得ることができるのは言うまでもない。
以上、本実施例では縦型のロータリ圧縮機を例に説明したが、縦型と横型の違いや、圧縮方式の違いに関らず、圧縮機構部から吐出された冷媒が密閉容器1に設けられた吐出管15から吐出されるまでの間の主たる流れ場が、回転子12の近傍を通過する場合には同様の効果を得ることができるのは言うまでもない。
また、従来のロータリ圧縮機のように、吐出孔7aから噴出する作動流体が回転子12の下端面12aに直接的に衝突する構成の圧縮機では、遮蔽部材51により回転子12の下端面12aを覆い撹拌を防止する効果がより顕著であることは言うまでもない。
本発明の第2の実施例の圧縮機は、図1で説明した第1の実施例のロータリ圧縮機、及び図8で説明した従来のロータリ圧縮機とほぼ同様な構成であり、同一機能部品については同一の符号を適用する。そして、同様な構成及びその動作についての説明を省略する。
図3は、本発明の第2の実施例におけるロータリ圧縮機の縦断面図である。
本実施例のロータリ圧縮機において、図8に示す従来のロータリ圧縮機と異なる点は、回転電動機部の固定子11の上端面11bを、回転子12の上端面12bよりも上側に位置させており、固定子11の上端面11bに遮蔽部材52を積み重ね、遮蔽部材52が回転子12の上端面12bを覆っている。また、遮蔽部材52は、シャフト2が貫通するための穴52aと、コイルエンド11dが貫通する切欠き(図示せず)とを有した円板形状であり、遮蔽部材52の周縁部には、密閉容器1内壁との隙間52bが設けられている。
上記構成のロータリ圧縮機の動作について、作動流体や油の流れから説明する。
圧縮機構部で圧縮された作動流体は、吐出孔7aから下側空間17に噴出する。この噴出した作動流体は、回転子12の回転運動の影響で旋回流となり、一方、作動流体に含まれる油滴の一部は、旋回流の遠心力で密閉容器1の内壁に付着し、あるいは、重力で落下し、作動流体から分離されて密閉容器1の内壁や固定子11の壁面を伝って油溜り16に戻る。
その後、作動流体は、下側空間17から、切欠き11eと隙間52bを通過し、また隙間18と穴52aを通過して、上側空間19に流入する。この流入した作動流体は、遮蔽部材52によって回転子12の上端面12bから隔離されて上側空間19に滞留する。作動流体が上側空間19に滞留している間に、作動流体に含まれる油滴の一部は、密閉容器1の内壁に付着し、あるいは、重力で下方に落ちて分離されて油溜り16に戻る。そして、作動流体は、吐出管15へ向かって流れる。
以上のような構成にしたことにより、回転子12の上端面12bが回転電動機部の上側空間19から分離され、吐出孔7aから吐出されて吐出管15に至るまでの作動流体の主たる流れ場を、回転子12の上端面12bから隔離することができ、且つ遮蔽部材52は回転子12以外の箇所に固定されて回転運動を行わないので、作動流体の主たる流れ場としての上側空間19では旋回流が生じなくなる。
従って、本実施例のロータリ圧縮機では、上側空間19において、旋回流そのものによる撹拌や、回転子12の上端面12bのバランサ12d等の凹凸が回転することによる撹拌を防止することができ、冷凍機油の油滴が微細化されるのを防止することができるので、作動流体が上側空間19に滞留している間に油滴が重力で下方に落ちて分離される効果を促進し、油分離効率を向上させることができる。
また、本実施例では、第1の実施例との相違が、遮蔽部材51,52の取り付け位置が固定子11の下端面11aか上端面11bかという点だけであり、第1の実施例で得られた効果と同様の効果が固定子11の上端面11b側で得られることは言うまでもない。
なお、本実施例の固定子11の上端面11b側の遮蔽部材52と、第1の実施例の下端面11a側の遮蔽部材51とを組み合わせる構成の圧縮機により、さらに油分離効率が向上することは言うまでもない。
本発明の第3の実施例の圧縮機は、第1の実施例及び従来のロータリ圧縮機とほぼ同様な構成であり、同一機能部品については同一の符号を適用する。そして、同様な構成及びその動作についての説明を省略する。
図4は、本発明の第3の実施例におけるロータリ圧縮機の縦断面図である。
本実施例のロータリ圧縮機において、図8に示す従来のロータリ圧縮機と異なる点は、回転子12の下端面12aの近傍まで突出した上軸受部材7の突出部7bの先端付近に遮蔽部材53を設置し、回転子12の下端面12aを覆っている。また、遮蔽部材53は、樹脂製の円板形状であり、中央に上軸受部材7の突出部7bが貫通する孔(図示せず)が設けてあり、突出部7bに設けた溝7cに装着されて固定されている。また、遮蔽部材53の外径は、回転子12の外径と略同一であり、コイルエンド11cの内側空間に配置されている。
上記構成のロータリ圧縮機の動作について、作動流体や油の流れから説明する。
圧縮機構部で圧縮された作動流体は、吐出孔7aから下側空間17に噴出する。この噴出した作動流体は、遮蔽部材53によって回転子12の下端面12aから隔離されて下側空間17に滞留する。作動流体が下側空間17に滞留している間に、作動流体に含まれる油滴の一部は、密閉容器1の内壁に付着し、あるいは、重力で下方に落ちて分離されて油溜り16に戻る。
その後、作動流体は、下側空間17から、切欠き11eや隙間18を経て、上側空間19に流入する。この流入した作動流体は、回転子12の回転運動の影響で旋回流となり、一方、作動流体に含まれる油滴の一部は、旋回流の遠心力で密閉容器1の内壁に付着し、あるいは、重力で落下し、作動流体から分離されて密閉容器1の内壁や固定子11の壁面を伝って油溜り16に戻る。そして、作動流体は、吐出管15へ向かって流れる。
以上のような構成にしたことにより、第1の実施例の場合と同様に、回転子12の下端面12aが回転電動機部の下側空間17から分離され、吐出孔7aから吐出されて吐出管15に至るまでの主たる流れ場を、回転子12の下端面12aから隔離することができ、且つ遮蔽部材53は回転子12以外の箇所に固定されて回転運動を行わないので、下側空間17では旋回流が生じない。
従って、本実施例のロータリ圧縮機では、下側空間17に対して、旋回流そのものによる撹拌や、回転子12の下端面12aのバランサ12d等の凹凸が回転することによる撹拌の影響を低減することができるので、冷凍機油の油滴が微細化されるのを防止し、作動流体が下側空間17に滞留している間に、油滴が重力で下方に落ちて分離される効果を促進し、油分離効率を向上させることができる。
また、本実施例では、遮蔽部材53を圧縮機構部に取付けたことにより、従来の圧縮機に使用していた回転電動機部をそのまま利用することができるという利点がある。
また、遮蔽部材53を圧縮機構部の突出部7bに取付けたことにより、支柱などの新たな支持部を構成することなく、簡単な構成で、回転子12の下端面12aの近傍に遮蔽部材53を設置することができる。
また、突出部7bの外周に設けた溝7cに遮蔽部材53を装着する構成としたことにより、ボルト等の固定部品なしに組立てが可能となり、安価に構成することができる。
また、遮蔽部材53をコイルエンド11cの内側に設置したことにより、遮蔽部材53と回転子12の下端面12aとの間の側面の隙間を、コイルエンド11cで覆うことができ、下側空間17に対する回転子12の回転運動による撹拌の影響を低減し、さらに油分離効率を高めることができる。
なお、本第3の実施例では遮蔽部材を樹脂製としたが、いかなる材料を用いても油分離効率を低減する効果は同じである。ただし、コイルエンド11cの近傍に設けるので、漏電に対する信頼性の向上の観点から、遮蔽部材は絶縁体であることが望ましく、また、回転電動機部の効率の観点から、磁気回路に影響しない非磁性体が遮蔽部材として望ましい。
本発明の第4の実施例の圧縮機は、第1の実施例及び従来のロータリ圧縮機とほぼ同様な構成であり、同一機能部品については同一の符号を適用する。そして、同様な構成及びその動作についての説明を省略する。
図5は、本発明の第4の実施例におけるロータリ圧縮機の縦断面図である。
本実施例のロータリ圧縮機において、図8に示す従来のロータリ圧縮機と異なる点は、固定子11の下端側のコイルエンド11cの下側に、回転子12の下端面12aを覆う遮蔽部材54を設け、この遮蔽部材54によって作動流体の主たる流れ場としての下側空間17を下端面12aから隔離している。また、固定子11の上端側のコイルエンド11dの上側に、回転子12の上端面12bを覆う遮蔽部材55を設け、この遮蔽部材55によって作動流体の主たる流れ場としての上側空間19を上端面12bから隔離している。
また、遮蔽部材54,55は、密閉容器1の内壁に固定されている。また、遮蔽部材54の中央部に、上軸受部材7の突出部7bが貫通する穴54aが設けられ、周縁部に、下側空間17と固定子11の切欠き11eとを連通する切欠き部54bが設けられている。また、遮蔽部材55の周縁部に、固定子11の切欠き11eと上側空間19とを連通する切欠き部55aが設けられている。
上記構成のロータリ圧縮機の動作について、作動流体や油の流れから説明する。
圧縮機構部で圧縮された作動流体は、吐出孔7aから下側空間17に噴出する。この噴出した作動流体は、遮蔽部材54によって回転子12の下端面12aから隔離されて下側空間17に滞留する。作動流体が下側空間17に滞留している間に、作動流体に含まれる油滴の一部は、密閉容器1の内壁に付着し、あるいは、重力で下方に落ちて分離されて油溜り16に戻る。
その後、作動流体は、下側空間17から、切欠き部54b、穴54a、切欠き11e、隙間18、切欠き部55a等を経て、上側空間19に流入する。この流入した作動流体は、遮蔽部材55によって回転子12の上端面12bから隔離されて上側空間19に滞留する。作動流体が上側空間19に滞留している間に、作動流体に含まれる油滴の一部は、密閉容器1の内壁に付着し、あるいは、重力で下方に落ちて分離され、密閉容器1の内壁や固定子11の壁面を伝って油溜り16に戻る。そして、作動流体は、吐出管15へ向かって流れる。
以上のような構成にしたことにより、第1の実施例の場合と同様に、回転子12の下端面12aが回転電動機部の下側空間17から分離され、吐出孔7aから吐出されて吐出管15に至るまでの主たる流れ場を、回転子12の下端面12aから隔離することができ、且つ遮蔽部材54は回転子12以外の箇所に固定されて回転運動を行わないので、下側空間17では旋回流が生じない。
また、第2の実施例と同様に、回転子12の上端面12bが回転電動機部の上側空間19から分離され、吐出孔7aから吐出されて吐出管15に至るまでの主たる流れ場を、回転子12の上端面12bから隔離することができ、且つ遮蔽部材55は回転子12以外の箇所には回転しないので、上側空間19では旋回流が生じない。
従って、本実施例のロータリ圧縮機では、旋回流そのものによる撹拌や、回転子12の下端面12aのバランサ12d等の凹凸が回転することによる撹拌を防止することができ、冷凍機油の油滴が微細化されるのを防止することができる。これにより作動流体が下側空間17に滞留している間に、油滴が重力で下方に落ちて分離される効果を促進し、油分離効率を向上させることができる。
また、旋回流そのものによる攪拌や、回転子12の上端面12bのバランサ12d等の凹凸による攪拌を防止することができ、冷凍機油の油滴が微細化されるのを防止することができる。これにより作動流体が上側空間19に滞留している間に、油滴が重力で下方に落ちて分離される効果を促進し、油分離効率を向上させることができる。
また、本実施例では、遮蔽部材54,55を密閉容器1の内壁に取付けたことにより、従来の圧縮機に使用していた回転電動機部及び圧縮機構部をそのまま利用することができるという利点がある。
なお、遮蔽部材54または遮蔽部材55のいずれか一方を設ける構成の圧縮機でも良く、回転電動機部の遮蔽部材を設けた側において、油分離効率が向上することは言うまでもない。
また、固定子12の下端面12aを覆う第1の実施例の遮蔽部材51や第3の実施例の遮蔽部材53と、固定子12の上端面12bを覆う本第4の実施例の遮蔽部材55とを組み合わせる構成により、第1の実施例あるいは第3の実施例のロータリ圧縮機の油分離効率を、さらに向上させることができる。
本発明の第5の実施例の圧縮機は、スクロール圧縮機の実施例であり、図9で説明した従来のスクロール圧縮機とほぼ同様な構成であり、同一機能部品については同一の符号を適用する。
図6は、本発明の第5の実施例におけるスクロール圧縮機の縦断面図である。
図に示すスクロール圧縮機は、密閉容器31と、この密閉容器31内部の右方に配置された圧縮機構部と、その左方に配置された回転電動機部とから構成される。圧縮機構部は、中心軸Lを中心に回転可能で偏心部32aを備えたシャフト32と、インボリュート等の渦巻き形状のラップ33a及び吐出孔33bを備えた固定スクロール33と、渦巻き形状のラップ34aを備え固定スクロール33と相対してラップ33a,34aが噛み合うように配置されて偏心部32aの偏心回転運動に伴い旋回運動する可動スクロール34と、可動スクロール34の回転を防止するオルダムリング35と、突出部36a及び吐出孔36cを備えシャフト32を支える軸受部材36とを含み構成される。そして、固定スクロール33と可動スクロール34の間には複数の吸入室37、圧縮室38が形成されている。
回転電動機部は、密閉容器31の内部に焼嵌めされた固定子39と、シャフト32に焼嵌めされた回転子40とを含み構成される。この固定子39には、固定子39の右端面39aから突出したコイルエンド39cと、左端面39bから突出したコイルエンド39dとが設けられている。また、固定子39は、その右端面39aから左端面39bまで鋼板を積層して形成されている。そして、回転子40の右端面40aや左端面40bには、必要に応じてバランサ40cが設けられている。
一方、軸受部材36の突出部36aには、回転子40の右端面40aを覆うように遮蔽部材56が装着されている。また、回転電動機部の左方には、回転子40に関して軸受部材36の反対側にあってシャフト32を支える副軸受部材41が配設され、この副軸受部材41の突出部41aには、回転子40の左端面40bを覆うように遮蔽部材57が装着されている。
また、固定子39の外周側と密閉容器31の内壁の間には、作動流体の流路とするための複数の切欠き39eが設けられ、固定子39と回転子40の間に、隙間48が設けられている。また、副軸受部材41には、穴41cが設けられている。
また、密閉容器31の壁部には、密閉容器1の外部から固定子39に通電するための導入端子42と、作動流体を冷凍サイクルから吸入室37に導く吸入管43と、作動流体を密閉容器31の内部から冷凍サイクルに吐出する吐出管44とが設けられている。そして、密閉容器31の底部の油溜り45に、冷凍機油が貯留され、給油ポンプ46で油溜り45から冷凍機油を汲み上げてシャフト32の給油孔(図示せず)を介して圧縮機構部に給油する構成となっている。
さらに、本実施例のスクロール圧縮機の特徴は、図9に示す従来のスクロール圧縮機と比較すると、回転子40の右端面40aの近傍まで突出した軸受部材36の突出部36aの先端付近に、遮蔽部材56を設置することにより、遮蔽部材56が回転子40の右端面40aを覆う構成である。また、回転子40の左端面40bの近傍まで突出した副軸受部材41の突出部41aの先端付近に、遮蔽部材57を設置することにより、遮蔽部材57が回転子40の左端面40bを覆う構成である。
また、遮蔽部材56は、樹脂製の円板形状であり、中央に軸受部材36の突出部36aが貫通する穴(図示せず)が設けてあり、突出部36aの外周面に設けた溝36bに遮蔽部材56が装着されて固定されている。遮蔽部材56の外径は、回転子40の外径と略同一であり、コイルエンド39cの内側空間に配置されている構成にある。また、遮蔽部材57は、樹脂製の円板形状であり、中央に副軸受部材41の突出部41aが貫通する穴(図示せず)が設けてあり、突出部41aの外周面に設けた溝41bに遮蔽部材57が装着されて固定されている。遮蔽部材57の外径は、回転子40の外径と略同一であり、コイルエンド39cの内側空間に配置されている構成である。
上記構成のスクロール圧縮機の動作について説明する。
導入端子42を介して固定子39に通電し回転子40を回転させると、可動スクロール34は旋回運動を行い、固定スクロール33と可動スクロール34のラップ33a,34aの間に形成された吸入室37と圧縮室38の容積が変化する。これに伴い作動流体は、吸入管43から吸入室37に吸入され、圧縮室38にて圧縮される。圧縮された作動流体は、油溜り45から給油されて圧縮機構部の摺動面を潤滑し、且つ隙間をシールする冷凍機油の油滴を混合した状態で、吐出孔33b,36cから回転電動機部の右側空間47に噴出する。
右側空間47に噴出した作動流体は、遮蔽部材56によって回転子40の右端面40aから隔離され右側空間47に滞留する。そして、作動流体が右側空間47に滞留している間に、作動流体に含まれる油滴の一部は、密閉容器1の内壁に付着し、あるいは、重力で下方に落ちて分離されて油溜り45に戻る。
その後、分離されない油滴を含んだ状態の作動流体は、右側空間47から、切欠き39eや隙間48、穴41cを通過し、回転電動機部の左側空間49に流入する。左側空間49に流入した作動流体は、遮蔽部材57によって回転子40の左端面40bから隔離されて左側空間49に滞留する。
作動流体が左側空間49に滞留している間に、作動流体に含まれる油滴の一部は、密閉容器1の内壁に付着し、あるいは、重力で下方に落ちて分離されて油溜り45に戻る。そして、作動流体は、なおも分離されずにいる油滴を含んだ状態で吐出管44から吐出する。
以上のような構成にしたことにより、回転子40の右端面40aが右側空間47から分離され、吐出孔36cから吐出されて吐出管44に至るまでの作動流体の主たる流れ場を、回転子40の右端面40aから隔離することができ、且つ遮蔽部材56は回転子40以外の箇所に固定されて回転運動を行わないので、右側空間47では旋回流が生じない。
また、本実施例では、従来のスクロール圧縮機に特有の構成である副軸受部材41を用いて遮蔽部材57を回転子40の左端面40bの近傍に設置することにより、回転子40の左端面40bが左側空間49から分離され、吐出孔36cから吐出されて吐出管44に至るまでの作動流体の主たる流れ場を、回転子40の左端面40bから隔離することができ、且つ遮蔽部材57は回転子40以外の箇所に固定されて回転運動を行わないので、左側空間49では旋回流が生じない。
従って、本実施例のスクロール圧縮機では、右側空間47において、旋回流そのものによる撹拌や、回転子40の右端面40aのバランサ40c等の凹凸が回転することによる撹拌を防止することができ、冷凍機油の油滴が微細化されるのを防止することができるので、作動流体が右側空間47に滞留している間に油滴が重力で下方に落ちて分離される効果を促進し、油分離効率を向上させることができる。また、左側空間49においても、旋回流そのものによる撹拌や、回転子40の左端面40bのバランサ40c等の凹凸が回転することによる撹拌を防止することができ、冷凍機油の油滴が微細化されるのを防止することができるので、作動流体が左側空間49に滞留している間に油滴が重力で下方に落ちて分離される効果を促進し、油分離効率を向上させることができる。
また、本実施例では、遮蔽部材56,57を圧縮機構部の一部である軸受部材36あるいは副軸受部材41に取付けたことにより、従来の圧縮機に使用していた回転電動機部をそのまま利用することができるという利点がある。
また、遮蔽部材56を軸受部材36の突出部36aに、遮蔽部材57を副軸受部材41の突出部41aに取付けたことにより、支柱などの新たな支持部を構成することなく、簡単な構成で、回転子40の右端面40a及び左端面40bの近傍に、遮蔽部材56及び遮蔽部材57を設置することができる。
また、突出部36a,41aの外周に設けた溝36b,41bに遮蔽部材56,57を装着する構成としたことにより、ボルト等の固定部品なしに組立てが可能となり、安価に構成することができる。
また、遮蔽部材56,57をコイルエンド39c,39dの内側に設置させたことにより、遮蔽部材56,57と回転子40の端面40a,40bとの間の側面の隙間を、コイルエンド39c,39dで覆うことができ、右側空間47及び左側空間49に対する回転子40の回転運動による撹拌の影響を低減し、さらに油分離効率を高めることができる。
なお、遮蔽部材56または遮蔽部材57のいずれか一方を設ける構成の圧縮機でも良く、回転電動機部の遮蔽部材を設けた側において、油分離効率が向上することは言うまでもない。
本発明の第6の実施例の圧縮機は、図6で説明した第1の実施例のスクロール圧縮機、及び図9で説明した従来のスクロール圧縮機とほぼ同様な構成であり、同一機能部品については同一の符号を適用する。そして、同様な構成及びその動作についての説明を省略する。
図7は、本発明の第6の実施例におけるスクロール圧縮機の縦断面図である。
本実施例のスクロール圧縮機において、図9に示す従来のスクロール圧縮機と異なる点は、軸受部材36の突出部36dを、回転子40の外径とほぼ同等の径を有して回転子40の右端面40aの近傍まで突出する形状にすることにより、回転子40の右端面40aを覆う遮蔽部材としている。また、副軸受部材41の突出部41dを、回転子40の外径とほぼ同等の径を有して回転子40の左端面40bの近傍まで突出する形状にすることにより、回転子40の左端面40bを覆う遮蔽部材としている。
上記構成のロータリ圧縮機の動作について、作動流体や油の流れから説明する。
圧縮機構部で圧縮された作動流体は、吐出孔33b,36cから右側空間47に噴出する。この噴出した作動流体は、遮蔽部材としての軸受部材36の突出部36dによって回転子40の右端面40aから隔離されて右側空間47に滞留する。そして、作動流体が右側空間47に滞留している間に、作動流体に含まれる油滴の一部は、密閉容器1の内壁に付着し、あるいは、重力で下方に落ちて分離されて油溜り45に戻る。
その後、作動流体は、右側空間47から、切欠き39eや隙間48、副軸受部材41に設けた穴41cを経て、左側空間49に流入する。この流入した作動流体は、遮蔽部材としての副軸受部材41の突出部41dによって回転子40の左端面40bから隔離されて左側空間49に滞留する。
作動流体が左側空間49に滞留している間に、作動流体に含まれる油滴の一部は、密閉容器1の内壁に付着し、あるいは、重力で下方に落ちて分離されて油溜り45に戻る。そして、作動流体は、吐出管44へ向かって流れる。
以上のような構成にしたことにより、第5の実施例の場合と同様に、回転子40の右端面40aが右側空間47から分離され、吐出孔36cから吐出されて吐出管44に至るまでの主たる流れ場を、回転子40の右端面40aから隔離することができ、右側空間47では旋回流が生じない。
また、回転子40の左端面40bが左側空間49から分離され、吐出孔36cから吐出されて吐出管44に至るまでの主たる流れ場を、回転子40の左端面40bから隔離することができ、左側空間49では旋回流が生じない。
従って、本実施例のスクロール圧縮機では、右側空間47及び左側空間49において、旋回流そのものによる撹拌、回転子40の右端面40aのバランサ40c等の凹凸が回転することによる撹拌、及び回転子40の左端面40bのバランサ40c等の凹凸が回転することによる撹拌を防止することができ、冷凍機油の油滴が微細化されるのを防止することができる。
これにより作動流体が右側空間47及び左側空間49に滞留している間に、油滴が重力で下方に落ちて分離される効果を促進し、油分離効率を向上させることができる。
また、本実施例のスクロール圧縮機は、遮蔽部材を追設せずに、軸受部材36の突出部36dと副軸受部材41の突出部41dの形状を変更するだけで、回転子40の端面40a,40bを覆う構成であるため、簡単かつ低コストである。
なお、本実施例の軸受部材36の突出部36dまたは副軸受部材41の突出部41dのいずれか一方を遮蔽部材として用いる構成の圧縮機でも、回転電動機部の遮蔽部材を用いた側において、油分離効率が向上することは言うまでもない。
また、作動流体を二酸化炭素とした場合には、作動流体に溶け込む冷凍機油が多くなるが、この二酸化炭素と本発明の第1の実施例から第6の実施例の圧縮機とを組み合わせて用いる構成により、回転子の端面を覆い撹拌を防止することができるため、冷凍機油の油分離効率を高めることが可能となる。これによって、圧縮機の信頼性、及び圧縮機を用いた冷凍サイクルの効率を高めることができるとともに、環境に優しい冷媒としての二酸化炭素が使用できるという利点がある。
以上のように、本発明は、潤滑油を有する圧縮機に適用され、例えば、冷凍冷蔵庫、空調機、給湯機などの冷凍サイクルに用いられる圧縮機として適している。
本発明の第1の実施例におけるロータリ圧縮機の縦断面図 図1に示すロータリ圧縮機のZ―Z矢視の横断面図 本発明の第2の実施例におけるロータリ圧縮機の縦断面図 本発明の第3の実施例におけるロータリ圧縮機の縦断面図 本発明の第4の実施例におけるロータリ圧縮機の縦断面図 本発明の第5の実施例におけるスクロール圧縮機の縦断面図 本発明の第6の実施例におけるスクロール圧縮機の縦断面図 従来のロータリ圧縮機の縦断面図 従来のスクロール圧縮機の縦断面図 従来の圧縮機の油分離板の周辺の詳細断面図
符号の説明
1,31 密閉容器
2,32 シャフト
7 上軸受部材
7a 吐出孔
7b,36a,36d,41a,41d 突出部
7c,36b,41b 溝
11,39 固定子
12,40 回転子
12a 回転子の下端面
12b 回転子の上端面
17 下側空間
19 上側空間
36 軸受部材
40a 回転子の右端面
40b 回転子の左端面
41 副軸受部材
47 右側空間
49 左側空間
51,52,53,54,55,56,57 遮蔽部材

Claims (18)

  1. 圧縮機構部と、固定子及び回転子から構成された回転電動機部と、前記圧縮機構部及び前記回転電動機部を内包する密閉容器とを備えた圧縮機において、前記圧縮機構部で圧縮され前記密閉容器から吐出するまでの作動流体の主たる流れ場を、前記回転子の少なくとも一方の端面から隔離したことを特徴とする圧縮機。
  2. 少なくとも一方の前記端面に相対して、当該端面を覆う遮蔽部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記遮蔽部材を前記回転子を除く箇所に取付けたことを特徴とする請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記遮蔽部材を前記固定子に取付けたことを特徴とする請求項3に記載の圧縮機。
  5. 前記固定子は積層された鋼板とコイルとから構成され、前記遮蔽部材は鋼板から構成され、前記遮蔽部材を前記固定子に積層したことを特徴とする請求項4に記載の圧縮機。
  6. 前記遮蔽部材を前記圧縮機構部に取付けたことを特徴とする請求項3に記載の圧縮機。
  7. 前記圧縮機構部は、前記回転子が固定されたシャフトと前記シャフトを支持する軸受部材とを備え、前記遮蔽部材を前記軸受部材に取付けたことを特徴とする請求項6に記載の圧縮機。
  8. 前記軸受部材は前記回転電動機部側に突出部を有し、前記遮蔽部材を前記突出部の外周面に設けた溝に装着したことを特徴とする請求項7に記載の圧縮機。
  9. 前記固定子はコイルエンドを有し、前記遮蔽部材が前記コイルエンドの内側に位置する構成としたことを特徴とする請求項1から請求項4、あるいは請求項6から請求項8のいずれかに記載の圧縮機。
  10. 前記遮蔽部材を前記密閉容器の内壁に取付けたことを特徴とする請求項3に記載の圧縮機。
  11. 前記圧縮機構部は、前記回転子が固定されたシャフトと、前記シャフトを支持する軸受部材と、前記回転子に関して前記軸受部材の反対側にて前記軸受部材とともに前記シャフトを両持ち支持する副軸受部材とを備え、前記遮蔽部材を前記副軸受部材に取付けたことを特徴とする請求項3に記載の圧縮機。
  12. 前記遮蔽部材を非磁性体としたことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の圧縮機。
  13. 前記遮蔽部材を絶縁体としたことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の圧縮機。
  14. 前記圧縮機構部は、前記回転子が固定されたシャフトと、前記シャフトを支持する軸受部材とを備え、前記軸受部材が前記回転子の一方の端面を覆う構成としたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  15. 前記圧縮機構部は、前記回転子が固定されたシャフトと、前記シャフトを支持する軸受部材と、前記回転子に関して前記軸受部材の反対側にて前記軸受部材とともに前記シャフトを両持ち支持する副軸受部材とを備え、前記副軸受部材が前記回転子の一方の端面を覆う構成としたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  16. 前記作動流体として二酸化炭素を用いたことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の圧縮機。
  17. 前記圧縮機構部の形式をロータリ式としたことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれかに記載の圧縮機。
  18. 前記圧縮機構部の形式をスクロール式としたことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれかに記載の圧縮機。
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