JP2006336289A - 電磁波シールド部材の接合構造 - Google Patents

Abstract

【課題】電磁波シールド特性が良好な，電磁波シールド部材の隣接シート間の接合構造を提供する。
【解決手投】絶縁体層（ガラスクロス）２０の表裏両面に導電体層（アルミニウム箔）１０を接着して構成した電磁波シールド部材１同士を接合する接合構造において，それぞれの電磁波シールド部材１の端部を折り返し，折り返した側が互いに対向した状態で接合し，一方の電磁波シールド部材１の何れの導電体層１０も他方の電磁波シールド部材１の何れかの導電体層１０に電気的に接続されている。
【選択図】 図１

Description

本発明は，電磁波シールドルームに用いる電磁波シールド部材の接合構造に関する。
特に，床面に使用する際に好適な電磁波シールド部材の接合構造に関する。

ＭＲＩ（磁気共鳴イメージング）検査装置等はＭＲＩ検査装置からの電磁波の漏洩や，外部からの電磁波の影響を排除するため，電磁波シールドルーム内に設置されている。

この電磁波シールドルームを施工する際に床面に使用する電磁波シールド部材には０．１ｍｍ前後の銅板が使用されてきた。シールドルームの床等の施工の際には，これらをシールドルームの大きさに合わせて切断し、繋ぎ目はハンダで溶接して電磁波シールドルームを構成する方法が採られていた。この銅板による施工では，厚い物は重量があり扱い難く，薄い物は破れ易い等の問題があり，また，銅板の鋭利な切断面で人体を損傷することや，銅板の接合に使われるハンダに含まれる鉛が環境問題で忌避される状況にあり、これらの使用に代わる物や処理方法が求められてきた。

上記課題を解決するための電磁波シールド部材として，ガラスクロスの両面にアルミ箔を接着した電磁波シールドシートが提案されている（特許文献１）。これは，複数本のガラス繊維を引揃えて形成した無撚繊維糸条などで織成したガラスクロスの表面の両面にアルミ箔を接着したシート状の電磁波シールド部材である。機械的強度にすぐれ，かつ柔軟性があり部材同士の密着性が良いので、ハンダに代わるシールドテープの使用や釘止め等でも、銅板と同等の電磁波シールド性能が期待できる。

このアルミ箔・ガラスクロスの電磁波シールド部材をシールドルームに使用するためには，シールドルームの大きさに合わせて部材同士を接合する必要がある。この接合は，電磁波に対するシールド効果を達成するためにアルミ箔の導電層を電気的に接合することが必要である。この接合構造としては，図５に示すような電磁波シールド部材１の端部を重ね合わせて，両面接着テープ８０で接着後，アルミ接着テープ２で止めた構造がある（特許文献１の第３図に図示）。このように，シールド性能を向上するためには，電磁波シールド部材そのものの性能ばかりでなく，それらの接合部分の構造を工夫する必要がある。

特開２００２−１３４９８９（電磁波遮蔽用シート）

しかしながら，図５に示す接合構造では，下側の電磁波シールド部材１Ａの下側導電層１０Ｂは，上側の電磁波シールド部材１Ｂの何れの導電層（１０Ｃ，１０Ｄ）とも電気的に接合されていない。従って，絶縁体層の表裏両面に導電体層を備えた電磁波シールド部材を使用したとしても高い電磁波シールド性能を得ることは困難という問題があった。

本発明は，このような問題点を解決し，取扱いが容易な電磁波シールド部材を用いて，電磁波シールド部材同士の接合部において高い電磁波シールド性能を得る構造とし，接合された電磁波シールド部材全体として高い電磁波シールド性能を達成することを目的とする。

上記課題を解決するために，本発明の内請求項１に記載の発明は，絶縁体層の表裏両面に導電体層を接着して構成した電磁波シールド部材同士を接合する接合構造において，それぞれの電磁波シールド部材の端部を折り返し，折り返した側が互いに対向した状態で接合し，一方の電磁波シールド部材の何れの導電体層も他方の電磁波シールド部材の何れかの導電体層に電気的に接続されていることを特徴とする。

請求項２に記載の発明は，請求項１記載の接合構造において，それぞれの電磁波シールド部材の端面は離隔させて接合したことを特徴とする。

請求項３に記載の発明は，請求項１記載の接合構造において，それぞれの電磁波シールド部材の端面を他の部材の折り曲げ部に入れ込んだ状態で接合したことを特徴とする。

本発明の請求項１の発明によれは，一方の電磁波シールド部材の何れの導電体層も他方の電磁波シールド部材の何れかの導電体層に電気的に接続されているので，本シールド部材を用いて，電磁波シールド特性を活かした接合構造とすることができ，高い電磁波シールド性能を確保でき，高い電磁波シールド性能を要求されるシールドルームの構築に対応できる。
さらに，両方のシールド部材の端部を単に折り曲げておいたものを重ねて固定すればよいので作業効率を高めることができる。

請求項２の発明では，接合が簡単に行え，表裏各導電体層が絶縁した状態に近い接合構造なので，二重シールド効果と類似の状態となるので，高い電磁波シールド効果が期待できる。

請求項３の発明では，両方のシールド部材同士の密着度合いが高いので，電気的接合が確実で，高い電磁波シールド効果が期待できる。

以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図１に，本実施形態にかかる電磁波シールド部材の接合構造の一例を示す。この図１は電磁波シールド部材の接合構造を示すもので，１は電磁波シールド部材，この電磁波シールド部材１は，ガラスクロス（絶縁体層）２０の両面にアルミニウム箔（導電体層）１０を接着したシート状の構造を備えている。ガラスクロス１０の厚さは１００〜１５０μｍ，アルミニウム箔の厚さは７〜３０μｍ程度であり，柔軟性を備えている。

各電磁波シールド部材１は，各々端部を所定長さ５０ｍｍ程度折り返し，折り返した側が互いに対向した状態で接合する。この際，両方の電磁波シールド部材の端面３０は互いに離隔させた状態で接合する。このように接合することにより，導電層１０が電気的に直接接合され，電磁波シールド部材が持つ電磁波シールド性能と同等の性能（１００ｄＢ程度）が得られる。本実施の形態においては５０は釘，タッカー等の係止部材で，これにより電磁波シールド部材を接合しているが，導電性の粘着テープや導電性接着剤で接合を行っても良い。

図２に，本実施形態にかかる電磁波シールド部材の接合構造の他の一例を示す。電磁波シールド部材１は，図１と同様ものである。先の実施例と同様に各電磁波シールド部材は，各々端部を所定長さ折り返し，折り返した側が互いに対向した状態で接合する。この際，両方の電磁波シールド部材の端面３０は互いの折り曲げ部４０に入れ込んだ状態で接合する。このように接合することにより，導電層１０が電気的に直接接合され。先の実施例と同等のシールド性能（１００ｄＢ程度）が得られる。先の実施例と同様に釘，タッカー等の係止部材を導電性の粘着テープや導電性接着剤で接合を行っても良い。

〔その他の実施例１〕
また，図３のような，シールド部材の繋ぎ目の上面と下面に電磁シールドテープや金属板等の結合部材を介し釘またはタッカー５０等により止める構造とすることが出来る。

〔その他の実施例２〕
また，図４のように，双方のシールド部材を約９０度同一方向に折り曲げ，板バネクリップ７０で止めて接合する構造とすることが出来る。このような構造では，壁ボードの隙間に埋め込んで使用することが出来る。

本発明の一実施形態を示す断面図である。 本発明の一実施形態を示す断面図である。 本発明の一実施形態を示す断面図である。 本発明の一実施形態を示す断面図である。 従来例を示す断面図である。

符号の説明

１ 電磁波シールド部材
２ 電磁波シールドテープ
１０ 導電体層，アルミニウム箔
２０ 絶縁体層，ガラスクロス
３０ 端面
４０ 折り曲げ部
５０ 止め具（釘またはタッカー）

Claims (3)

1. 絶縁体層の表裏両面に導電体層を接着して構成した電磁波シールド部材同士を接合する接合構造において、それぞれの電磁波シールド部材の端部を折り返し，折り返した側が互いに対向した状態で接合し，一方の電磁波シールド部材の何れの導電体層も他方の電磁波シールド部材の何れかの導電体層に電気的に接続されていることを特徴とする電磁波シールド部材の接合構造。
2. 請求項１記載の接合構造において，それぞれの電磁波シールド部材の端面は離隔させて接合したことを特徴とする電磁波シールド部材の接合構造。
3. 請求項１記載の接合構造において，それぞれの電磁波シールド部材の端面を他の部材の折り曲げ部に入れ込んだ状態で接合したことを特徴とする電磁波シールド部材の接合構造。

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