JP2006336074A - 化成処理性に優れた高強度高延性鋼板 - Google Patents

化成処理性に優れた高強度高延性鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】 高強度という特性に加えて延性が良好で穴拡げ性に優れ、更には化成処理性やめっき性にも優れた鋼板を提供すること。
【解決手段】 結晶粒内に、第2相組織として平均粒径500nm以下の残留オーステナイトが占積率で3〜20%含まれ、且つSi濃度が0.8質量%以下である高強度で延性に優れ、且つ化成処理性やめっき性に優れた鋼板を開示する。上記第2相組織は、オーステナイト安定化元素を含んでおり、該第2相組織中のオーステナイト安定化元素の含有率は、鋼板全体のオーステナイト安定化元素の含有率よりも10質量%以上高いものがよい。

Description

本発明は、化成処理性に優れた高強度高延性鋼板に関し、具体的には、たとえば約700MPa級以上の高強度を示すと共に、延性が良好で穴拡げ性に優れ、且つ化成処理性やめっき性にも優れた高強度鋼板に関するものである。
自動車などの軽量化と安全性の向上を狙って、たとえば700MPa級以上、更には900MPa級以上の高強度鋼板であって、延性が良好で穴拡げ性(λ)や化成処理性に優れた高強度鋼板が切望されている。
強度と延性の両立を図った鋼板としては、母相をフェライト組織とし、該フェライトの3重点に粗大な島状マルテンサイトが分散したフェライト・マルテンサイトの複合組織鋼板[Dual−Phase(DP)鋼板]が知られている(例えば特許文献1など)。このDP鋼板は、低降伏比(YR)で引張強度(TS)が高く、しかも伸び(El)特性にも優れているが、粗大なマルテンサイトが破壊の起点となるため、伸びフランジ性(穴拡げ性:λ)に劣る。
また最近では、TRIP(TRansformation Induced Plasticity;変態誘起塑性)鋼板が注目されている。このTRIP鋼板は、組織中に残留オーステナイト(γ)を生成させ、このγが加工変形中に誘起変態(歪み誘起変態;TRIP)して優れた延性を発揮するものであり、例えばポリゴナルフェライト+ベイナイト+残留オーステナイト組織からなるTRIP型複合組織鋼(PF鋼)や、ベイネティックフェライト+残留オーステナイト+マルテンサイトからなるTRIP型ベイナイト鋼(BF鋼)が知られている。しかしこれらは、延性、特に伸びフランジ性が劣るという欠点がある。
そこで、残留オーステナイトによる優れた強度・延性バランスを維持しつつ成形性にも優れた鋼板を提供すべく、種々の検討がなされている。本出願人も、この様な要求特性を兼ね備えた高強度高延性鋼板として、焼戻マルテンサイト、焼戻ベイナイトなどを母相組織とし、残留オーステナイトを第2相組織とするTRIP鋼板を先に提案している(特許文献2〜5)。これらの鋼板は、熱間圧延後の冷却速度の調整などによってマルテンサイトやベイナイト(更にはフェライト)を導入し、フェライト−オーステナイト2相域温度から特定のパターンで冷却して残留オーステナイトを生成させることにり製造される。
一方、ナノレベルの微細な第2相組織とすることによって機械的特性を改善した技術も提案されている。
例えば非特許文献1には、ナノレベル(破壊の起点とならない大きさ)サイズの炭化物(セメンタイト)で析出強化した高強度熱延鋼板における、スラブ加熱時の炭化物挙動が報告されている。この報文では、スラブ加熱時に全ての炭化物が溶解する熱処理を施しているので、ナノレベルの炭化物が結晶粒内に微細分散した熱延鋼板を得ることができ、その結果、伸びフランジ性も改善されると予想される。しかしこの文献には、結晶粒内にナノレベルの炭化物を微細分散させる技術が開示されているに過ぎず、炭化物は硬質であるため延性不足となる。
また非特許文献2の「Fig.10」には、セメンタイトを粒内で球状化させる所謂球状化処理の活用によって、第2相の残留オーステナイトを微細分散させたTRIP鋼板の写真が示されている。ところが、「Fig.9」の模式図にも示されている如く残留オーステナイトはマトリックス中に分散しておらず、しかも、当該残留オーステナイトの周囲を硬質の炭化物が取り巻いているため、強度は約590MPa程度と低いにも拘らず、伸びは約25%と小さく、残留オーステナイトによる優れた延性効果が得られていない(「Table 2」参照)。
特開昭55−122821号公報 特開2002−309334号公報 特開2002−302734号公報 特開2003−73773号公報 特開2003−171735号公報 材料とプロセス、2003年、16巻、1419頁 クラウス エバール、ピエール キャンチニーズおよびフィリップ ハーレット(Klaus Eberle,Pierre Cantineauz and Philippe Harlet)著、鋼研究(Steel Research)、「変態誘起塑性(TRIP)を示す高強度低合金多相鋼を製造するための新しいサーモメカニカル戦略(New thermomechanical strategies for the production of high strength low alloyed multiphase steel showing a transformation induced plasticity(TRIP)effect)」1999年、70巻、6号、第233−238頁
本発明者らは上記の様な状況の下で、強度−延性バランスを従来材よりも更に高いレベルに改善された高強度TRIP鋼板の提供を目的として研究を進め、先に特願2003−418354号に記載の技術を開発した。
この発明は、鋼成分中にCu,Ni等のオーステナイト安定化元素を適量含有させ、結晶粒内に第2相として微細な残留オーステナイトを生成させることにより、高強度でしかも延性が良好で成形性にも優れた鋼板を提供するものである。しかしこの先願発明は、化成処理性やめっき性については考慮が払われていない。
ちなみに、上記特願2003−418354号に開示した発明では、強度と延性を高めるための手段として、結晶粒内に残留オーステナイトを微分散させている。ところが、残留オーステナイトは一般に安定性が低く、分解してフェライトに変態し易いので、残留オーステナイトを安定に保つため一定量のC(通常は0.1%程度以上)が添加される。
一方でCは、Feと反応してセメンタイトと呼ばれる炭化物を形成し易い元素であり、Cがセメンタイトを形成する場合、Cはオーステナイトの安定化に寄与できなくなる。そのため残留オーステナイトを微分散させたTRIP鋼板では、Cのセメンタイトとしての析出を抑えるため、相対的に多くのSiが添加されている。ちなみに、Siは速度論的にセメンタイトの生成を遅らせる作用を有しているため、Siを増量するとCとFeの反応によるセメンタイトの形成が抑えられ、残留オーステナイトが安定化されるからである。
ところが反面、Siは非常に酸化され易い元素であるため、鋼板の表層部に濃化して表面にSiを含む酸化物を形成し、化成処理性やめっき性を著しく阻害する。こうしたこともあって、強度−延性に優れた残留オーステナイト分散型のTRIP鋼板は一般に化成処理性やめっき性が悪く、これらの特性が重視される用途にTRIP鋼板を適用することはできなかった。
本発明は上記の様な状況の下で更に研究を重ねた結果完成されたものであって、その目的は、前記先願発明の技術思想を有効に活用し、高強度高延性という特性に加えて化成処理性やめっき性にも優れた特性を発揮し得る様な鋼板を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る化成処理性に優れた高強度高延性鋼板は、結晶粒内に、第2相組織として平均粒径500nm以下の残留オーステナイトが占積率で3〜20%分散しており、且つSi含量が0.8質量%以下であるところに特徴を有している。
本発明に係る上記高強度高延性鋼板において、Si含量が0.2質量%以下に抑えられたものは、化成処理性はもとより、めっき性においても優れた性能を発揮するので好ましく、また前記第2相は、オーステナイト安定化元素を含んでおり、該第2相組織中のオーステナイト安定化元素の含有率が、鋼板全体のオーステナイト安定化元素の含有率よりも10質量%以上高いものが好ましい。尚、上記オーステナイト安定化元素として好ましいのは、Cu,Ni,Ag,Au,Pt,Pd等であり、これらは単独添加できる他、必要に応じて2種以上を任意の組合せで併用することができる。
本発明によれば、結晶粒内にナノサイズ(500nm以下)の第2相組織(残留オーステナイト)を存在させることで、優れた強度・伸びバランスを有し、しかもSi含量を0.8質量%レベル以下に低減することで優れた化成処理性を確保し、更にはSi含量を0.2質量%レベル以下に抑えたものは、化成処理性はもとよりめっき性にも優れたものとなり、強度、延性(成形性)、化成処理性、めっき性の全てに優れた鋼板を提供できる。
本発明者らは、前掲の先願発明において、高強度鋼板の延性を高めるに当たり、「従来のDP鋼板やTRIP鋼板が、延性(伸び)は良好であるのに伸びフランジ性(λ)に劣る理由は、これら鋼板の第2相組織(残留オーステナイト)が粗大なため、破壊の起点として作用するからである」という点に着目し、検討を重ねてきた。その結果、所定の特性を得るには
(i)上記第2相組織のサイズをナノレベルまで微細化し、マトリックス(母相組織)として第2相組織との界面における応力集中を低減すれば、当該第2相組織は破壊の起点として作用しなくなること;
(ii)「この様なナノサイズの第2相組織は、脆弱なマトリックス界面(粒界)ではなく、マトリックス内(結晶粒内)に生成させればよい」
という知見の下に、「如何にしてナノレベルの第2相組織を安定して結晶粒内に分散させるか」という観点から更に研究を重ねてきた。その結果、上記知見を具現化するには、予め結晶粒内に数nm〜数百nmサイズでオーステナイト安定化元素の偏析部(濃化域)を導入しておけば、その後の熱処理工程で、当該偏析部が消失しない様に留意して熱処理をすることによって、延性、特に伸びフランジ性(λ)が顕著に改善された高強度鋼板が得られることを明らかにした。本発明においても、これらの基本思想は該先願発明と本質的に変わりがない。
具体的には、鋼中にCu,Ni等のオーステナイト安定化元素を添加し、結晶粒内に当該オーステナイト安定化元素を微細に偏析(濃化)させてから所定の熱処理を行なえば、結晶粒内にナノサイズの残留オーステナイトを含む高強度高延性のTRIP鋼板が得られる。
即ち、上記の方法で得られる高強度高延性鋼板は、結晶粒内に、第2相として平均粒径が500nm以下の残留オーステナイトを生成させたもので、これにより、延性、特に伸びフランジ性を著しく高めることができた。ここで、「結晶粒内」とは、結晶粒界を除いた結晶粒内を意味し、例えば結晶粒内のブロック界面や当該ブロック内のラス界面なども含まれる。但し、伸びフランジ性を一層向上させるには、これらのブロック界面やラス界面を除く領域とするのがよい。
また上記「第2相組織」は、残留オーステナイトである。当該第2相組織は母相組織との関係で決定されるが、本発明は主としてTRIP鋼板(前述した特許文献2〜5に記載の鋼板)を対象としており、TRIP鋼板(母相組織が焼戻マルテンサイト若しくはベイナイトの単独組織;または、焼戻マルテンサイトとフェライト若しくはベイナイトとフェライトの混合組織、またはフェライトの単独組織)の場合、第2相組織は残留オーステナイトとなる。尚、本発明における上記組織(母相および第2相)は、実質的に上述した組織で形成されているのが好ましいが、製造工程で不可避的に残存する他の組織(パーライト、母相組織が焼戻マルテンサイトである場合におけるベイナイト、母相組織がベイナイトである場合における焼戻マルテンサイトなど)や析出物の混入を排除するものではない。
更に上記「第2相組織」の平均粒径は、500nm以下を満足するものである。平均粒径の測定は、まず、鋼板をナイタールで腐食し、透過型電子顕微鏡(TEM;倍率4万倍)観察によって上記第2相組織を同定した後、2.3μm×1.9μmの視野に存在する当該第2相組織の粒径(最大径)の平均値を算出し、同様にして合計5視野における平均粒径を算出する。そして、これらの平均値を「第2相組織の平均粒径」としている。
この様にして測定される第2相組織の平均粒径が500nmを超えると、当該第2相組織が破壊の起点となり、満足のいく延性が得られなくなる。従って、上述した第2相組織の観察方法(4万倍のTEM観察)によって組織を同定することができ、平均粒径を算出し得る程度のものが、概ねその下限となる。
更に、全組織中の上記「第2相組織」の占積率は3〜20%の範囲に定めている。第2相組織の占積率が3%未満では、第2相組織形成による延性などの改善効果が有効に発揮されず、一方、第2相組織の占積率が20%を超えると、第2相粒子同士が近接もしくは合体してクラスターを形成し、破壊の起点となり易くなるからである。第2相組織のより好ましい占積率は5%以上、15%以下である。
次に、母相組織について説明すると、TRIP鋼板における母相組織は、焼戻マルテンサイト、ベイナイトもしくはフェライトの単独組織;または、焼戻マルテンサイトとフェライトもしくはベイナイトとフェライトの混合組織の合計5種類が挙げられる。
TRIP鋼板における母相組織の一つである焼戻マルテンサイトは、前述した特許文献2〜5に記載した通りであり、当該焼戻マルテンサイトは、本発明で意図する特性(強度と延性)を確保するのに極めて有用である。即ち焼戻マルテンサイトは、結晶粒がラス状で硬度は高いが、通常のマルテンサイトに較べると転位密度が少なく軟質である点に特徴がある。本発明における「焼戻マルテンサイト」と、通常の「マルテンサイト」とは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)観察などによって区別できる。
またTRIP鋼板における母相組織には、これら焼戻マルテンサイトおよびベイナイトに加えてフェライトを含む混合組織も包含される。このフェライトは、正確にはポリゴナルフェライト、即ち転位密度の少ないフェライトを意味し、フェライトの生成により延性は一段と向上する。
本発明鋼板における上記母相組織の占積率は、上述した第2相組織とのバランスによって制御し、所定の特性が得られるよう適切に調整するのがよい。
次に、本発明鋼板における成分について説明する。以下、化学成分の単位は全て質量%である。
C:0.12%以下
Cは強度の確保に有用であり、特にTRIP鋼板の場合は、所定の残留オーステナイトを確保するために重要な元素である。しかし、本発明で強度や延性などに加えて他の重要な特性として意図する化成処理性やめっき性に関する限り、Cは明らかにマイナス作用を示す。従って、化成処理性やめっき性の確保を重要な課題とする本発明では、C含量を極力少なく抑えるのがよく、多くとも0.12%以下に抑える。より好ましくは0.10%未満、更に好ましくは0.08%以下である。
なお鋼材のCは、上述した如く強度向上元素、更には残留オーステナイト安定化元素として重要な役割を担っており、従って本発明では、C量の低減によるそれらの作用不足を何らかの形で補うことが必要になる。ところが本発明では、残留オーステナイトを確保するために添加する後記オーステナイト安定化元素(Cu、Ni、Ag、Au、Pt、Pdの1種以上)がマトリックス中に微分散状態で析出することで、C量の低減を補って余りある強化効果を発揮し、高レベルの強度を確保できる。従って本発明では、C含量を多くとも0.12%以下、好ましくは0.10%未満に抑えることを規定しており、下限は特に規定しないが、上記Cの作用を考慮すると、少なくとも0.001%程度は含有させることが望ましい。
Si:0.8%以下
Siは、フェライト相中の固溶C量を減少させて延性向上に寄与すると共に、固溶強化元素としても有用な元素であるが、反面、化成処理性を劣化させるばかりでなく、めっき性にも顕著な悪影響を及ぼす。従って、TRIP鋼板として実用レベルの化成処理性を確保するには、Si含量を多くとも0.8%以下、より好ましくは0.6%以下に抑えるのがよい。またSiは、めっき性にも更に顕著な影響を及ぼし、満足のいくめっき性を確保するには0.2%以下に抑えるべきであり、より好ましくは0.05%以下に抑えるのがよい。
Mn:0.7〜4%
MnもSiと同様に固溶強化元素として有用であり、冷却過程で生じる組織変態を抑制してオーステナイト相を安定化するために不可欠の元素である。またTRIP鋼板の場合は、Siと同様に残留オーステナイトの生成に寄与する。これらの作用を有効に発揮させるには0.7%以上含有させねばならない。好ましくは1.0%以上、更に好ましくは1.5%以上である。しかし、それらの効果は約4%で飽和するので、それを超える過剰量の添加は経済的に無駄である。好ましくは3.0%以下、更に好ましくは2.0%以下である。
オーステナイト安定化元素(Cu、Ni、Ag、Au、Pt、Pd)の1種以上:
これらの元素は強度−延性バランスを高く保持したまま、高強度化を実現するのに有効な元素であり、特にTRIP鋼板ではオーステナイト安定化元素として有用である。これらの元素は、単独で添加してもよいし、2種以上を任意の組合せで併用しても構わない。TRIP鋼板の場合、特にCuとNiを夫々単独で、或いは複合添加するのがよく、それらの好ましい添加量は各々0.1%以上である。一方、これらの元素が過剰になると、熱延時に割れが生じるなど生産性を害するので、合計で10%以下(好ましくは、Ni,Cu共に2%以下)に抑えるのがよい。
本発明は基本的に上記成分を含有し、残部は実質的にFeである。実質的にとは、鋼原料や資材、製造設備などから不可避的に持ち込まれることのある不純物の混入を許容する趣旨であり、例えばPは0.02%程度以下、Sは0.01%程度以下、Nは0.008%程度以下含まれていてもよい。また、上述した本発明の作用に悪影響を及ぼさない範囲で、例えば下記の様な元素を積極的に含有させてもよい。
Cr:1.0%以下
Crは強度向上に寄与する元素であり、その作用を有効に発揮させるため0.1%以上(より好ましくは0.2%以上)添加することができる。しかし、その効果は1.0%程度で飽和するばかりか、多過ぎると延性を劣化させ、またTRIP鋼板の場合、過剰量のCrは炭化物を生成して残留オーステナイト(γ)の生成を阻害する。従ってCrは1.0%以下に抑えるのがよい。より好ましくは0.8%以下である。
Al:2.0%以下
Alは脱酸に寄与する元素であるが、2.0%を超えると連鋳時に割れを生じ易くなるので、それ以下に抑えるべきであり、より好ましくは1.0%以下である。
Ti、Nb、Vよりなる群から選択される少なくとも1種:合計で0.1%以下
これらの元素は、いずれも析出強化元素として作用し、その作用を有効に発揮させるには、上記元素の少なくとも1種(1種でもよいし、2種以上併用してもよい)を、合計で0.01%以上(より好ましくは0.05%以上)添加するのがよい。但し、合計量が0.1%を超えると、炭化物が生成して好適なγ量を確保できなくなるので、より好ましくは合計で0.08%以下に抑えるのがよい。
次に、本発明鋼板の製造方法について説明する。
本発明において、第2相組織を結晶粒内に安定して微分散状態で生成させる方法としては、オーステナイト安定化元素を添加する方法が採用される。すなわち、鋼中にオーステナイト安定化元素(具体的にはCu、Ni、Ag、Au、Pt、Pdよりなる群から選択される少なくとも1種)を添加し、これらの元素が過飽和に固溶したマトリックスを生成させた後、所定の時効処理によって当該オーステナイト安定化元素を金属相または炭化物相として析出させ、ナノサイズ(数nm〜数百nm)の偏析部(濃化域)を導入する。そして最後に、当該偏析部が消失しない様に留意しながら所定の熱処理(前述した特許文献2〜5に記載の方法)を施すことにより、第2相組織として残留オーステナイトを含むTRIP鋼板を製造する方法である。
この方法が、上述した特許文献2〜5に記載の方法と大きく異なる点は、上記方法では、熱延前に、オーステナイト安定化元素が過飽和に固溶したマトリックスを予め生成させ、当該オーステナイト安定化元素がナノサイズで析出した偏析部(濃化域)を導入する工程[具体的には、後述する溶体化処理、(必要に応じて)焼入れ処理、及び時効処理]を付加した点である。
この工程は、オーステナイト安定化元素の拡散が炭素に比べて遅いという特性を活用している。即ち、オーステナイト安定化元素は置換型元素であって、炭素の様な侵入型元素に比べて拡散係数が遅く、熱処理中でも炭素等に比べて拡散し難いため、結晶粒内に所定量の残留オーステナイトを容易に生成させることができる。
以下、各工程に沿って説明する。
(1)マトリックス中に、ナノサイズのオーステナイト安定化元素の偏析部(濃化域)を導入する工程
まず、上記化学成分(但し、オーステナイト安定化元素を必須成分とする)を含む鋼材を溶体化処理する。この溶体化処理(ソーキング)は、Mn等の中心偏析を防止し、鋼中成分を全て均一に溶解させる手段として極めて有用であり、最終的にオーステナイト安定化元素の偏析にも寄与するので重要な工程である。
この様な作用を有効に発揮させるには、溶体化処理の温度と時間を適切に制御することが重要であり、本発明では、1100℃程度以上で5時間以上の溶体化処理を施す。温度が低過ぎると十分な効果が得られず、また、時間が短すぎても、溶質元素が均一分布するまでの拡散時間が不足するため、やはり満足な効果が得られない。これら温度と時間は、両者が適切に制御されて初めて所定の効果が発揮されるもので、好ましくは1150℃以上で10時間以上、より好ましくは1200℃以上で15時間以上とするのがよい。尚その上限は、Mnの偏析防止などの観点からは特に限定されず、処理温度は高く処理時間も長い程よいが、生産性やコスト等を考慮すると、1400℃以下で20時間以下に抑えるのがよい。
次に、熱間圧延、及び必要に応じて冷間圧延することにより薄鋼板とした後、必要に応じて焼入処理し、更に時効処理を行なう。
このうち焼入処理は、オーステナイト安定化元素が過飽和に固溶したマトリックスを得るために行なうもので、上記溶体化処理によって当該マトリックスが既に得られている場合は、この焼入処理を省略してもよい。焼入処理条件は特に限定されず、通常実施される条件(オーステナイト化温度まで加熱した後、急冷する)を採用することができる。
次いで時効処理を施すと、マトリックス中に過飽和に固溶したオーステナイト安定化元素が、数〜数百nmの金属または炭化物としてマトリックス中に析出し、当該オーステナイト安定化元素の偏析部(濃化域)が形成される。この時効処理は、最終的に500nm以下の残留オーステナイトを結晶粒内に安定して微細分散させるのに重要な工程であり、当該時効処理を省略すると、結晶粒内ではなく結晶粒界やラス界面に500nmを超える粗大な残留オーステナイトが生成し、本発明で意図するレベルの強度や延性が得られなくなることを確認している。
上記時効処理の条件(温度及び時間)は、添加するオーステナイト安定化元素の種類や含有量等によっても変わり、また、当該時効処理の条件によって、得られる残留オーステナイト等の大きさも変化するので一義的に決められないが、概ね、400〜750℃で20〜720分間の範囲が好ましい。
上記処理を行なった後は、所定の熱延処理によってオーステナイト安定化元素がナノサイズで偏析(濃化)したオーステナイトを生成させ、必要に応じて冷延処理を行なうと、ベイナイトやフェライトを母相組織とし、目的とする第2相組織を有するTRIP鋼板が得られる。いずれにしても、前記方法でマトリックス中に形成されたオーステナイト安定化元素の偏析部(濃化域)は、その後の熱処理で拡散・消失しない様に、特に熱延温度などを制御して熱処理することにより、本発明で意図するTRIP鋼板を得ることができる。
尚、母相組織を焼戻マルテンサイト(フェライトを含んでいてもよい)とする場合は、熱延処理によってマルテンサイト(焼戻されていないマルテンサイト)を得ると共に、オーステナイト安定化元素の偏析部(濃化部)が導入されたオーステナイトを得る際に採用した方法を実施すればよい。
まず、鋼板をオーステナイト領域に加熱するが、加熱温度と時間は、概ね加熱温度を800〜1000℃、加熱時間を1〜20分とするのがよい。高温で長時間加熱し過ぎると、上記工程でせっかく生成したオーステナイト安定化元素の偏析部が拡散し、消失してしまうからである。
次いで、この鋼板をMs点以下の温度まで急冷することによってマルテンサイトを生成させる。尚、マルテンサイトに加えてフェライトも生成させたい場合は、連続冷却変態曲線(CCT曲線)におけるフェライト変態領域を通過するように冷却速度を制御すればよい。但し、パーライト組織は本発明にとって望ましくないので、パーライト変態領域を避ける様に冷却速度を適切に制御するのがよい。
上記冷却速度は、マルテンサイトのみを生成させたい(フェライトの生成なし)場合には、所定温度まで急冷する方法(一段冷却法)が簡便である。しかし、更にフェライトも生成させたい場合は、一段冷却でフェライトを安定に生成させることが難しいので、冷却速度を複数回に分けて設定する多段冷却法を採用するのがよく、特にオーステナイト−フェライト2相域温度で保持した後、再度冷却する方法が推奨される。上述した一段冷却法および多段冷却法のいずれの冷却パターンを採用する場合でも、冷却速度は10℃/秒以上(好ましくは20℃/秒以上)とするのがよい。
この様な熱延処理により、マルテンサイト(更にはフェライト)が導入された鋼板であって、マトリックス内にオーステナイト安定化元素の偏析部(濃化部)を有する鋼板が得られる。
次に、この鋼板をA点以上の温度で加熱する。これにより、オーステナイト安定化元素の偏析部のみが逆変態によってオーステナイト化し、当該偏析部を除く部分は、マルテンサイト(焼戻マルテンサイト)のまま維持される。
この時の加熱温度は1000℃以下とするのがよい。加熱温度が高いと、前記方法でマトリックス中に形成されたオーステナイト安定化元素の偏析部(濃化域)が拡散し、消失してしまうからである。
また加熱時間は、目的とする第2相組織(残留オーステナイト)の設定量に応じて適宜選択するのがよく、加熱温度やその後の冷却速度等によっても変わってくるので、一律に規定することはできないが、通常は10秒以上(好ましくは20秒以上、さらに好ましくは30秒以上)、600秒以下(好ましくは500秒以下、さらに好ましくは400秒以下)の範囲から選択される。加熱時間が短いと残留オーステナイトが不足し、長過ぎると、焼戻マルテンサイト不足となるか、或いは、焼戻マルテンサイトの特徴であるラス状組織が損なわれると共に、残留オーステナイトが粗大化したり、残留オーステナイトの分解により炭化物が生成し易くなる。
次いでその鋼板を、フェライト変態とパーライト変態を避けながら室温まで空冷する。これにより、前掲の加熱によって生成したオーステナイト部分がオーステナイト(残留オーステナイト)のまま維持して冷却されることになり、最終的に、焼戻マルテンサイトを母相とし、第2相組織(結晶粒内に、500nm以下の残留オーステナイトを含む)を有するTRIP鋼板が得られる。
上記の様にして得られる第2相組織には、オーステナイト安定化元素が偏析(濃化)しており、該第2相組織に占めるオーステナイト安定化元素の含有率は、鋼板全体に占めるオーステナイト安定化元素の含有率に比べて10質量%以上高いものとなる。
ちなみに前掲の特許文献2〜5では、焼鈍工程で、「C濃化域を生成させて残留オーステナイトを安定化させる」という目的で所謂オーステンパ処理を施しているが、本発明で採用する上記方法では、オーステンパ処理は必ずしも必須でない。本発明では、オーステナイト安定化元素の添加により、当該オーステナイトの濃化域が予め形成されている為、上記非特許文献の如くC濃化域を積極的に付与するオーステンパ処理を施さなくとも、残留オーステナイトは安定化するからである。勿論、残留オーステナイトを一層安定化させる目的で、上記オーステンパ処理を施しても構わない。
実操業を考えると、冷間圧延後の上記焼鈍処理は、連続焼鈍設備またはバッチ式焼鈍設備を用いて行うのが簡便である。また冷間圧延板にめっきを施す場合には、めっき条件が上記熱処理条件を満たすように設定し、該めっき工程で上記熱処理を行ってもよい。
母相組織をベイナイトまたはフェライトとする場合は、上記鋼板を前記と同様に加熱した後、Ms点以上Bs点以下の温度まで、フェライト変態及びパーライト変態を避けながら急冷し、当該温度で所定のオーステンパ処理(ベイナイト変態)を行なう。この処理によりベイナイトが生成すると共に、オーステナイト安定化元素の偏析部はオーステナイトのまま維持される。
尚、ベイナイトに加えてフェライトも生成させたい場合は、連続冷却変態曲線(CCT曲線)におけるフェライト変態領域を通過するように冷却速度を制御すればよい。但し、パーライト組織は本発明にとって望ましくないので、パーライト変態領域を避ける様に冷却速度を適切に制御する。この時の冷却速度は、前記と同様に制御すればよい。
ここで、Ms点以上Bs点以下の温度[例えば300℃以上(好ましくは350℃以上)480℃以下(好ましくは450℃以下)の温度]まで冷却した後、当該温度域で所定時間保持(オーステンパ処理)するのは、母相をベイナイト変態させつつ所定量の残留オーステナイト量を確保するためである。当該温度域での保持時間は、目的とするTRIP鋼板における残留オーステナイトの量に応じて適宜設定でき、一律に規定することはできないが、例えば10秒以上(好ましくは50秒以上)とする。なお保持時間が長すぎるとベイナイト変態が進行し、残留オーステナイト量が減少する。従って保持時間は1200秒以下、好ましくは600秒以下とするのがよい。
更に上記オーステンパ処理の後に室温まで空冷すると、オーステナイト安定化元素の偏析部がそのまま維持されて所望の残留オーステナイトを含む第2相組織が得られる。この様にして得られる第2相組織は、結晶粒内に500nm以下の残留オーステナイトを所定量含有するものとなる。
尚、上述した一連の熱処理は、連続焼鈍設備またはバッチ式焼鈍設備を用いて行うのが簡便である。また冷間圧延板にめっきを施す場合は、めっき条件が上記熱処理条件を満足するように設定し、該めっき工程で上記熱処理を行ってもよい。
以下、実験例を挙げて本発明の構成および作用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実験例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、下記実験例で採用した物性試験法は下記の通りである。
[引張強さ(TS)及び全伸び(El)]
JIS5号試験片を用いて測定した。
[穴拡げ率(λ)]
縦70mm×横70mm×厚さ2.0mmの試験片を作製し、中央に直径10mmの穴をパンチ打ち抜きした後、60°円錐パンチを用いてバリ上で穴拡げ加工し、亀裂貫通した時点での穴拡げ率(λ)を測定した(鉄鋼連盟規格JFST 1001)。
[組織観察]
各鋼材中の母相組織(焼戻マルテンサイト及びベイナイト)の面積率は、鋼材をナイタールで腐食し、走査型電子顕微鏡(SEM:倍率1000倍または2000倍)観察により組織を同定した後に測定した。なお残留オーステナイトは、飽和磁化測定法によって体積率(%)を測定した[特開2003−90825号公報、R&D神戸製鋼技報/Vol.52,No.3(Dec.2002)参照]。
[化成処理性]
各供試鋼板の表面を下記の条件で化成処理した後、鋼板表面を1000倍でSEM観察し、任意に選択した10視野について燐酸亜鉛結晶の付着状況を調べ、下記の基準で化成処理性を評価した。
化成処理液:日本パーカライジング社製の処理液「パルボンドL3020」を使用、
化成処理工程:脱脂→水洗→表面調整→化成処理、
評価基準:
○…10視野の全てに燐酸亜鉛結晶が95%以上の面積で付着している、
×…10視野のうち1視野でも燐酸亜鉛結晶の未付着部(スケと称する)が5%
以上存在する。
[めっき性]
0.13%のAlを含有する温度約450℃の溶融亜鉛浴中に各供試鋼板を浸漬することによって溶融亜鉛めっきを行い、得られた各めっき鋼板の表面を500mm×500mmの領域で10視野を目視観察し、めっきが付着していない領域(不めっきと称する)の有無により下記の基準で評価した。
○:10視野の全てに不めっきが見られない、
×:10視野のうち1視野でも不めっきが存在する。
実験例1〜7
表1に示した成分組成の鋼材を溶製し鋳造した後、加熱温度1100℃で粗圧延して厚さ30mmのスラブを得、1200℃で24時間ソーキングしてから炉冷した。次いで表面の酸化スケールを研削除去した後、仕上げ温度900℃で熱間圧延を行い、厚さ3.2mmの熱延鋼板を得た。酸洗ののち冷間圧延して厚さ1.2mmの薄鋼板を得、これを950℃で5分間加熱してから水焼入れした後、500℃×10時間の時効処理を行なった。この試料を再度920℃で5分間加熱し、400℃まで急冷してから同温度で4分間保持した後空冷した。
得られた鋼板の特性は表1に示す通りであり、結晶粒内に約20nmの残留オーステナイトが分散した組織を有しており、残留オーステナイト分率は夫々表1に示す通りであった。表1からも明らかな如く、符号1〜5は本発明の規定要件を全て満たす実施例であり、優れた化成処理性を有している。これらに対し、符号6,7はSi含量が規定要件を超える比較例であり、化成処理性が悪い。
Figure 2006336074
実験例8〜13
表2に示した成分組成の鋼材を溶製し鋳造した後、加熱温度1100℃で粗圧延して厚さ30mmのスラブを得、1200℃で24時間ソーキングしてから炉冷した。次いで表面の酸化スケールを研削除去した後、仕上げ温度900℃で熱間圧延を行なって厚さ3.2mmの熱延鋼板を得た。酸洗ののち冷間圧延して厚さ1.2mmの薄鋼板を得、これを950℃で5分間加熱してから水焼入れした後、500℃×10時間の時効処理を行った。この試料を再度920℃で5分間加熱し、400℃まで急冷してからめっき浴に進入させた後、めっき液から取り出して400℃で4分間保持した後空冷した。
得られた鋼板の特性は表2に示す通りであり、結晶粒内に約20nmの残留オーステナイトが分散しており、残留オーステナイト分率は同表に示す通りであった。表2からも明らかな如く、符号8〜11は本発明の規定要件を満たす実施例であり、優れためっき性を有している。これらに対し符号12,13は、Si含量が0.2質量%を超えるもので、めっき性が悪い。
Figure 2006336074

Claims (4)

  1. 結晶粒内に、第2相組織として平均粒径500nm以下の残留オーステナイトが占積率で3〜20%分散しており、且つSi含量が0.8質量%以下であることを特徴とする化成処理性に優れた高強度高延性鋼板。
  2. 結晶粒内に、第2相組織として平均粒径500nm以下の残留オーステナイトが占積率で3〜20%分散しており、且つSi含量が0.2質量%以下であることを特徴とするめっき性に優れた高強度高延性鋼板。
  3. 前記第2相は、オーステナイト安定化元素を含んでおり、該第2相組織中のオーステナイト安定化元素の含有率が、鋼板全体のオーステナイト安定化元素の含有率よりも10質量%以上高いものである請求項1または2に記載の高強度高延性鋼板。
  4. 前記オーステナイト安定化元素は、Cu,Ni,Ag,Au,Pt,Pdよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項3に記載の高強度高延性鋼板。
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