JP2006335956A - コークス乾式消火設備の余剰オフガス回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素なプロセスで効率よく余剰オフガスのエネルギー(顕熱及び燃焼熱)を回収できるコークス乾式消火設備の余剰オフガス回収方法を提供する。
【解決手段】コークス乾式消火設備から排出される水素などの可燃成分を含有する余剰オフガスを、集塵器を通すことなく石炭乾燥予熱設備の熱風発生器23に導き、燃焼させた後、当該燃焼ガスを、乾燥予熱器20でコークス用原料石炭21を乾燥、予熱するための加熱ガスとして用いる。オフガス中のダストは最終的に石炭乾燥予熱設備のサイクロン集塵機27及びバグフィルター集塵機28で除去されるので、利用に際し集塵機を通す必要がなく、また、オフガス中の微量の塩化水素に起因するガス導管等の腐食についての危惧もない。
【選択図】図1
【解決手段】コークス乾式消火設備から排出される水素などの可燃成分を含有する余剰オフガスを、集塵器を通すことなく石炭乾燥予熱設備の熱風発生器23に導き、燃焼させた後、当該燃焼ガスを、乾燥予熱器20でコークス用原料石炭21を乾燥、予熱するための加熱ガスとして用いる。オフガス中のダストは最終的に石炭乾燥予熱設備のサイクロン集塵機27及びバグフィルター集塵機28で除去されるので、利用に際し集塵機を通す必要がなく、また、オフガス中の微量の塩化水素に起因するガス導管等の腐食についての危惧もない。
【選択図】図1
Description
本発明は、コークス乾式消火設備の循環冷却ガスから余剰ガスとして抜き出される水素などの可燃成分を含有するガス(以下、「余剰オフガス」又は単に「オフガス」という)を回収する方法に関する。
コークス炉から押し出された赤熱コークスは、従来散水冷却(湿式消火)されていたが、近年では、赤熱コークスが有する顕熱を回収することができ、しかも消火時に粉塵の発生のない乾式消火が採用される場合が多い。
図2は、通常使用されているコークス乾式消火設備の概略構成と冷却ガスの循環系統を例示する図である。同図に示すように、コークス乾式消火設備の冷却塔1は、上部のプレチャンバー2と下部の冷却チャンバー3を有しており、コークス装入口4からプレチャンバー2に装入された赤熱コークス7は、窒素等の不活性ガスを主体とする循環冷却ガスと熱交換しながら徐々に冷却チャンバー3内を下降し冷却されてコークス排出口6から冷却コークス8として排出される。
循環冷却ガスは、冷却チャンバー3の下部から供給され、下降してくるコークスと向流接触しながら上昇して約800℃の高温のガスになり、プレチャンバー2と冷却チャンバー3の境界部でプレチャンバー2の外周に環状に形成された円環煙道5に導出され、この煙道5を通過し、除塵器9でコークス粉等のダストが取り除かれた後、熱回収ボイラー10に導かれる。高温のガスは、熱回収ボイラー10で蒸気を発生させてその顕熱が回収され、温度が通常は150〜200℃まで低下し、サイクロン11で粉塵が除去された後、循環ブロワ12により循環冷却ガスとして再び冷却チャンバー3内に送り込まれる。
冷却チャンバー3内では赤熱コークスが循環冷却ガスにより冷却されるが、その過程で、赤熱コークスから放出される水素や一酸化炭素を主成分とするガスにより循環冷却ガスの量が徐々に増加する。そのため、以下に大別する二つの方法(第1及び第2の方法)のいずれかが採用され、循環冷却ガス量がほぼ一定に保たれて操業の安定性が維持されている。
第1の方法は、増加するガス量に応じた量を余剰オフガスとして冷却ガスの循環系統外へ抜き出し、高炉ガスなどに混合して燃料ガスとして利用する方法である。
また、第2の方法は、図2に例示した方法で、円環煙道5等で空気吹き込み導管13を通して空気吹き込みブロワ14により空気等を供給し、循環冷却ガス中の可燃成分を燃焼させて当該ガスの温度を高め、熱回収ボイラー10での発生蒸気を増産する方法である。この場合、循環ガス系統から分岐したオフガス抜き出し管15から抜き出される余剰オフガスは、水素、一酸化炭素などの可燃成分を殆ど含まないので、集塵機16でダストが取り除かれた後、大気中に放散される。
前記第1の方法について詳述すると、余剰オフガスは水素や一酸化炭素を含む可燃性ガスであり、加熱装置などの燃料として利用できる可能性を有しているので、従来から、その回収を効果的に行うための技術開発がなされてきた。例えば、特許文献1には、半成コークスをコークス乾式消火設備のプレチャンバー内で空気を導入し焼成して成品コークス化する際に、乾式消火設備の循環ガス管路から取り出した放散ガス(余剰オフガス)を当該設備の給水予熱用燃焼炉の燃料として用い、又は、放散ガス高カロリー時には燃料ガスとして回収する方法が開示されている。
特許文献2においては、可燃性ガスの回収量の変動を緩和する目的で、コークス乾式消火設備のコークス装入口が閉じているとき(非装入時)にはプレチャンバーの上方空間部に空気又は酸素含有燃焼排ガスを吹込み、コークス装入口が開いているとき(装入時)はプレチャンバーのコークス層下部に燃焼排ガスを吹き込む方法が開示されている。
特許文献3には、冷却室を流れる循環ガス及び冷却室で発生するガスとは別に、コークス乾式消火設備のプレチャンバーからガスを取り出すことにより、乾式消火設備のボイラーでの回収蒸気量を低減させることなく、水素濃度の高い高カロリーのガスを得る方法が開示されている。
また、特許文献4においては、余剰オフガスを簡便に除塵することを目的として、余剰オフガスを集塵するバッグフィルターの下部に連続的にダストを抜き出す排出手段を設け、コークス乾式消火設備のボイラーと除塵器との間を結ぶ配管にダスト輸送管を接続した装置が開示されている。
しかし、これら特許文献1〜4に記載される方法においては、回収されたガスが燃料ガスとして各種の加熱炉などに広範囲に利用されるため、オフガスに含まれるコークス粉などの微細なダストを取り除く必要があり、そのためのバグフィルター等の集塵機を要する。また、回収されたオフガスを汎用的な燃料ガスとして用いる場合、特に、長距離の導管輸送を行う際には、その途中でのガス温度の大気温度近くまでの低下が避けられず、オフガス中に含まれる微量の塩化水素がガス中の水分と結びつき塩酸となって凝縮し、ガス導管や燃焼機器の腐食を促進するという問題も抱えている。したがって、これらの方法は、余剰オフガスの回収利用方法として必ずしも有利であるとは言えない。
なお、微細なダストを除去できるバグフィルター等の集塵機の設置は、熱回収ボイラーでの発生蒸気の増産を図り、そのあと余剰オフガスを大気中に放散する前記第2の方法においても、環境保全の観点から欠くことができない。
本発明は、前述のような従来技術における問題を解決し、コークス乾式消火設備から排出される余剰オフガスのエネルギー(すなわち、余剰オフガスの顕熱及びこれを燃焼させた場合の燃焼熱)を、簡素なプロセスで効率よく、またオフガス中の微量の塩化水素に起因するガス導管や燃焼機器の腐食を生じさせることなく、回収、利用する方法の提供を目的としている。
本発明者らは、前記の課題、すなわち、余剰オフガスを回収して燃料ガスとして利用するに際し、バグフィルター等の集塵機が必須であり、また、回収したガスの利用条件等(例えば、長距離にわたる導管輸送)によってはオフガス中の微量の塩化水素に起因してガス導管等の腐食が促進されるという問題を解決するために、余剰オフガスが有しているエネルギー、すなわち顕熱及び燃焼熱を直接かつ有効に利用する方法の開発を志向して検討を重ねた。
その結果、余剰オフガスを直接、すなわち集塵機を通さず導管によってそのまま石炭乾燥予熱設備の熱風発生器に導き、燃焼させた後、当該燃焼ガスを、コークス用原料炭を乾燥、予熱するための加熱ガスとして用いることにより、余剰オフガスが保有しているエネルギーを、前記の問題を生じさせることなく効率よく(つまり、大掛かりな設備を要せず、簡素なプロセスで)回収できることを知見し、本発明をなすに至った。
本発明の要旨は、下記のコークス乾式消火設備の余剰オフガス回収方法にある。
すなわち、コークス乾式消火設備から排出される水素などの可燃成分を含有する余剰オフガスを、集塵器を通すことなく石炭乾燥予熱設備の熱風発生器に導き、燃焼させた後、当該燃焼ガスを、コークス用原料炭を乾燥、予熱するための加熱ガスとして用いるコークス乾式消火設備の余剰オフガス回収方法である。
すなわち、コークス乾式消火設備から排出される水素などの可燃成分を含有する余剰オフガスを、集塵器を通すことなく石炭乾燥予熱設備の熱風発生器に導き、燃焼させた後、当該燃焼ガスを、コークス用原料炭を乾燥、予熱するための加熱ガスとして用いるコークス乾式消火設備の余剰オフガス回収方法である。
ここで、「余剰オフガス」とは、コークス乾式消火設備の冷却ガス循環系内を循環するガス量をほぼ一定に保つために余剰ガスとして系外へ抜き出されるガスである。また、「水素などの可燃成分を含有する」とは、この余剰オフガスは、コークス冷却用の窒素だけではなく、赤熱コークスから発生した水素や一酸化炭素などの可燃成分が含まれることを意味する。
また、「石炭乾燥予熱設備」は、コークス炉の炭化室内における石炭の嵩密度を増大、均等化させ、乾留熱量の低減等を図るために従来から使用されているコークス用原料炭の乾燥予熱を実施するための設備で、一般に加熱ガス直接接触式の乾燥予熱器を備えている。
この本発明の余剰オフガス回収方法において、前記余剰オフガスが、体積%で5〜35%の水素及び5〜20%の一酸化炭素を含む(以下、ガス組成の「%」は「体積%」を意味する)ものであれば、発熱量が大きく、多量の加熱ガスが得られるので望ましい。
本発明のコークス乾式消火設備の余剰オフガス回収方法によれば、コークス乾式消火設備の熱回収ボイラーから排出される循環冷却ガスが保有しているエネルギー(顕熱及び燃焼熱)を、簡素なプロセスで、石炭乾燥予熱設備において加熱ガスとして回収、利用することができる。オフガスを石炭乾燥予熱設備の熱風発生器に直接導入するので、従来のオフガス回収方法で必要とされている集塵機を通す必要がなく、また、オフガス中の微量の塩化水素に起因するガス導管等の腐食を生じさせることもない。
本発明のコークス乾式消火設備の余剰オフガス回収方法は、前記のように、コークス乾式消火設備から排出される水素などの可燃成分を含有する余剰オフガスを、集塵器を通すことなく石炭乾燥予熱設備の熱風発生器に導き、燃焼させた後、当該燃焼ガスを、コークス用原料炭を乾燥、予熱するための加熱ガスとして用いる方法である。
系外へ排出される余剰オフガスは可燃成分として水素などを含んでいるので、これを石炭乾燥予熱設備の熱風発生器で燃焼させ、得られる高温の燃焼ガスを加熱用のガス(加熱ガス)としてコークス用原料炭の乾燥、予熱に用いるのである。
図3は、通常使用されている石炭乾燥予熱設備の概略構成と加熱ガスの流れを例示する図である。
図3に示すように、石炭乾燥予熱設備は、連続横型流動層方式の乾燥予熱器20、サイクロン集塵機27、バグフィルター集塵機28、排気ブロワ29、及び熱風発生器23を備えている。乾燥予熱器20の流動床20a(目板)上に連続的に供給される原料石炭21は、乾燥予熱器20の下方部から導入される加熱ガスによって流動床20a上で流動層を形成しており、加熱ガスと接触して乾燥・予熱され、乾燥予熱石炭22として排出される。
前記加熱ガスは、熱風発生器23でコークス炉ガス等の燃料ガス24を燃焼用空気25で燃焼させた高温の燃焼ガスを希釈用空気26で所定温度になるように希釈して得られるガスで、乾燥予熱器20の下方部から流動床20aへ向けて供給される。
流動床20aを通過し、その直上の流動状態にある原料石炭21との熱交換により温度が低下した加熱ガスは、サイクロン集塵機27及びバグフィルター集塵機28で石炭粉等のダストが取り除かれた後、排気ブロワ29で吸引され、排気筒30を通過して大気中に放散される。
空気で希釈して前記所定温度の加熱ガスを生成させる場合は、加熱ガス中の酸素濃度が高くなることが避けられない。そのため、加熱ガス中に含まれる酸素による石炭の酸化などの変質を避ける必要がある場合は、乾燥予熱器20から排出された加熱ガスの一部を排ガス循環管路31により循環させて空気に代わる希釈用のガスとして用い、加熱ガス中の酸素濃度を下げる方法が採用される。
図3に示すように、石炭乾燥予熱設備は、石炭粉等のダストを取り除くためのサイクロン集塵機27及びバグフィルター集塵機28を備えている。したがって、余剰オフガスを石炭乾燥予熱設備の熱風発生器に、直接、すなわち集塵機を通さずにそのまま導入し、燃焼させた後、当該燃焼ガスを加熱ガスとして用いることができる。
前掲の特許文献1〜4に記載される方法では、回収されたガスの燃料ガスとしての利用範囲が各種の加熱炉など多岐にわたるため、オフガスに含まれるコークス粉などの微細なダストを予めバグフィルター等の集塵機で取り除く必要がある。しかし、本発明の方法では回収されたオフガスを利用する設備が特定されており、そこでダストも除去されるので、前記の集塵機を通す必要がなく、本発明の方法における大きな利点の一つである。
本発明の余剰オフガス回収方法において、得られる加熱ガスの温度が高すぎる場合は、所定温度になるように希釈用空気を混合してもよいし、加熱ガスの温度が低すぎ、またガス量が足りない場合は、コークス炉ガス等の燃料ガスで熱量を補充してもよい。前記コークス炉ガス等の燃料ガスの燃焼により得られる加熱ガスを主体とし、前記オフガスの燃焼により得られる加熱ガスを適宜使用するという実施形態を採ることもできる。
前記本発明の余剰オフガス回収方法において、余剰オフガスが、5〜35%の水素及び5〜20%の一酸化炭素を含むものであれば、発熱量が大きく、高温のガスが得られ、これを希釈して多量の加熱ガスを得ることができるので望ましい。
本発明の余剰オフガス回収方法は、前述のように、コークス乾式消火設備の循環冷却ガスから抜き出される余剰オフガスを、コークス炉用石炭乾燥予熱設備の熱風発生器に導入して燃焼させ、得られる高温の燃焼ガスを加熱ガスとして利用する方法であり、加熱ガス生成のために熱風発生器を使用する装置に適用することができる。したがって、本発明の方法は図3に例示した流動層方式の石炭乾燥予熱設備に限定されるものではなく、例えば、気流塔式石炭乾燥予熱設備などにも適用することが可能である。また、前記循環冷却ガスから抜き出されるオフガスはコークス乾式消火設備の熱回収ボイラーを通過した後ではあるが、なお顕熱を有しており、この顕熱も同時に利用できる。
以上説明したように、本発明の余剰オフガス回収方法によれば、余剰オフガス中のコークス粉等の微細なダストは生成する加熱ガス中に移行し、最終的に石炭乾燥予熱設備のサイクロン集塵機27及びバグフィルター集塵機28で除去されるので、余剰オフガスを集塵機を通さずに直接石炭乾燥予熱設備の熱風発生器で燃料ガスとして利用することができる。
また、系外へ抜き出された余剰オフガスは導管によって直ちに乾燥予熱設備の熱風発生器に導入されるので、温度降下が小さい。したがって、通常は特別の対策をとることなく、オフガス中の微量の塩化水素に起因するガス導管や燃焼機器の腐食を抑制することができる。対策が必要な場合であっても、簡易な保温措置等を講じることにより塩酸の凝縮生成を防止でき、ガス導管などの腐食を回避することが可能である。
このように、本発明の余剰オフガス回収方法によれば、オフガスが保有しているエネルギー(燃焼熱及び顕熱)を、簡素なプロセスで、直接かつ有効に利用することができる。
以下に、本発明のコークス乾式消火設備の余剰オフガス回収方法の実施形態の一例を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の余剰オフガス回収方法を実施する際に使用するコークス乾式消火設備及びコークス用石炭乾燥予熱設備の概略構成とガスの流れを例示する図である。
図1に示すように、コークス乾式消火設備は前記図2に示した乾式消火設備と、またコークス用石炭乾燥予熱設備は図3に示した乾燥予熱設備とほぼ同じ構成を有しているが、図2における集塵機16の代わりに送風ブロワ35が取り付けられ、オフガス導管36を介して図3の石炭乾燥予熱設備の熱風発生器23と接続されている点で相違している。
この装置を用いて本発明の余剰オフガス回収方法を実施するには、コークス乾式消火設備の循環冷却ガスからオフガス抜き出し管15を通して抜き出された余剰オフガスを送風ブロワ35により昇圧してオフガス導管36によって石炭乾燥予熱設備の熱風発生器23に導入する。
導入されたオフガスは、熱風発生器23内で燃焼用空気25と反応して燃焼し、希釈用空気26と混合され、所定の温度に調整された後、加熱ガスとして乾燥予熱器20に送り込まれる。
加熱ガス中に含まれる酸素による石炭の酸化などの変質を避ける必要がある場合は、前記希釈用空気26の代わりに排ガス循環管路31によって導かれる循環排気ガス(乾燥予熱器20から排出された加熱ガスの一部)を用いることができる。
乾燥予熱器20に送り込まれた加熱ガスは、流動床20aの直上で流動化状態の石炭粒子と接触してこれを乾燥、予熱し、加熱ガス自身の温度は低下して乾燥予熱器20から排出される。なお、排出された加熱ガスは、サイクロン集塵機27及びバグフィルター集塵機28でダストが除去された後、排気筒30から大気中に放散される。
この過程を通じて、当該オフガスが有している燃焼熱及び顕熱を石炭の乾燥予熱に利用することが可能になり、オフガスを導入しなかった場合に比べて、石炭乾燥予熱設備の熱風発生器23で必要となる燃料ガス24量を低減することができる。
一方、オフガスは水素や一酸化炭素などの可燃成分と窒素等の不活性ガスからなっており、オフガスを導入することによって希釈用空気26の一部がこの不活性ガスにより置き換えられ、その分の希釈用空気が不要となる。そのため、オフガスの導入によって加熱ガス量が増加することはない。希釈用空気26の代わりに乾燥予熱器20から排出された加熱ガスの一部を排ガス循環管路31によって循環させ使用する場合も、その循環ガスの一部が前記窒素等の不活性ガスにより代替されるだけで、加熱ガスの量バランスに変化はない。
したがって、本発明の余剰オフガス回収方法を実施するために追加設置しなければならない装置は、送風ブロワ35とオフガス導管36のみであり、逆に、従来のオフガス回収で必要とされるバグフィルター等の集塵機を設ける必要がなく、簡素なプロセスでオフガスを回収し、有効に利用することができる。また、オフガス抜き出し管15を通して抜き出された余剰オフガスは直ちに乾燥予熱設備の熱風発生器23に導入されるので、温度降下が小さく、オフガス中の微量の塩化水素に起因するガス導管等の腐食が促進されることもない。
更に、図1に示した例では、円環煙道5に空気吹き込み導管13が取り付けられており、これを用いれば、蒸気が必要な場合には、ブロワ14により空気等を吹き込んで循環冷却ガス中の可燃成分を燃焼させ、熱回収ボイラー10での発生蒸気を増産させることが可能である(但し、この場合は、オフガス中に可燃成分はほとんど含まれない)。本発明の余剰オフガス回収方法は前述したような簡易なプロセスで実施できるので、そのときの状況に応じて、本発明方法を適用するか、蒸気の回収を優先させるか、その使い分けが容易であり、本発明方法の利点の一つと言える。
本発明のコークス乾式消火設備の余剰オフガス回収方法によれば、オフガスが保有しているエネルギー(燃焼熱及び顕熱)を、従来必要とされている集塵機を用いない簡素なプロセスで、石炭乾燥予熱設備において加熱ガスとして回収、利用することができる。オフガス中の微量の塩化水素に起因するガス導管等の腐食についての危惧もない。したがって、コークス乾式消火設備の余剰オフガス回収に好適に利用することができる。
1:冷却塔
2:プレチャンバー
3:冷却チャンバー
4:コークス装入口
5:円環煙道
6:コークス排出口
7:赤熱コークス
8:冷却コークス
9:除塵機
10:熱回収ボイラー
11:サイクロン
12:循環ブロワ
13:空気吹き込み導管
14:空気吹き込みブロワ
15:オフガス抜き出し管
16:集塵機
20:乾燥予熱器
20a:流動床
21:原料石炭
22:乾燥予熱石炭
23:熱風発生器
24:燃料ガス
25:燃焼用空気
26:希釈用空気
27:サイクロン集塵機
28:バグフィルター集塵機
29:排気ブロワ
30:排気筒
31:排ガス循環管路
35:送風ブロワ
36:オフガス導管
2:プレチャンバー
3:冷却チャンバー
4:コークス装入口
5:円環煙道
6:コークス排出口
7:赤熱コークス
8:冷却コークス
9:除塵機
10:熱回収ボイラー
11:サイクロン
12:循環ブロワ
13:空気吹き込み導管
14:空気吹き込みブロワ
15:オフガス抜き出し管
16:集塵機
20:乾燥予熱器
20a:流動床
21:原料石炭
22:乾燥予熱石炭
23:熱風発生器
24:燃料ガス
25:燃焼用空気
26:希釈用空気
27:サイクロン集塵機
28:バグフィルター集塵機
29:排気ブロワ
30:排気筒
31:排ガス循環管路
35:送風ブロワ
36:オフガス導管
Claims (2)
- コークス乾式消火設備から排出される水素などの可燃成分を含有する余剰オフガスを、集塵器を通すことなく石炭乾燥予熱設備の熱風発生器に導き、燃焼させた後、当該燃焼ガスを、コークス用原料炭を乾燥、予熱するための加熱ガスとして用いることを特徴とするコークス乾式消火設備の余剰オフガス回収方法。
- 前記余剰オフガスが、体積%で5〜35%の水素及び5〜20%の一酸化炭素を含むことを特徴とする請求項1に記載のコークス乾式消火設備の余剰オフガス回収方法。
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