JP2006334626A - 往復ミルへのビレット挿入方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 往復ミルへのビレットの挿入操作を自動化して、圧延加工の安定化、ひいては生産性の向上を図ることができる往復ミルへのビレット挿入方法を提供する。
【解決手段】 加熱されたビレットBを往復ミル1、2、3の一方の面から挿入して他方の面側に通過させ、ついで当該ビレットBを他方の面から挿入して一方の面側に通過させる工程を含んでいる。前記一方の面の少なくとも一部を検知領域とする第1画像センサCAMを設けるとともに、前記他方の面の少なくとも一部を検知領域とする第2画像センサCAMを設け、両画像センサCAMによって各検知領域におけるビレットBの存在を検知する。画像センサCAMによるビレットBの検知信号又は非検知信号に基づいて、当該ビレットBの前記往復ミル1、2、3への挿入操作を自動的に行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 加熱されたビレットBを往復ミル1、2、3の一方の面から挿入して他方の面側に通過させ、ついで当該ビレットBを他方の面から挿入して一方の面側に通過させる工程を含んでいる。前記一方の面の少なくとも一部を検知領域とする第1画像センサCAMを設けるとともに、前記他方の面の少なくとも一部を検知領域とする第2画像センサCAMを設け、両画像センサCAMによって各検知領域におけるビレットBの存在を検知する。画像センサCAMによるビレットBの検知信号又は非検知信号に基づいて、当該ビレットBの前記往復ミル1、2、3への挿入操作を自動的に行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は往復ミルへのビレット挿入方法に関する。さらに詳しくは、加熱されたビレットを往復ミルの圧延ロールで圧延して所定断面形状の長尺材を製造するに際し、前記圧延ロールへのビレットの挿入を自動的に行う方法に関する。
H形鋼、I形鋼、山形鋼等の各種鋼材の製造に際しては、加熱炉で所定温度に加熱したビレットを熱間圧延工程で所望の断面形状になるように圧延加工している。すなわち、複数の圧延ローラが上下方向に配置された往復ミルを用い、この往復ミルの隣接する2本の圧延ローラ間にビレットを挿入し、通過させることで圧延加工をしている。その際、ビレットは、往復ミルの一方の面(上下方向に配設された複数の圧延ローラは一種の面を構成しているものと考えられる)側から挿入されて他方の面側へ通過した後に、今度は、他方の面側から往復ミルに挿入されて一方の面側へ通過する。また、隣接する圧延ローラ間の隙間の形状は、当該ローラの軸方向において一端側から他端側に向けて、より所定の断面形状に近づくように段階的に変化している。そして、通常は複数の往復ミルが並設されており、ビレットの圧延ローラへの挿入位置を横送り装置を用いて上流側(加熱炉側)から下流側に移動させることで、徐々に初期の断面形状(矩形)から前述したH形、I形等の所定の断面形状に圧延加工している。
前記ビレットの往復ミルへの挿入は、当該往復ミルの圧延ローラを回転させるとともに、前記往復ミルの前後に配設されている、正逆回転可能な複数のローラからなるローラテーブルを回転させることにより行っている。そして、従来においては、このローラテーブルの正転又は逆転操作、及び前記横送り装置(1つの往復ミルにおいてビレットを上流側から下流側に移動させる装置と、並設する往復ミル間でビレットを上流側から下流側に移動させる装置との両方を含む)の操作をオペレータが行っている。
しかしながら、前述した操作は、製造ライン上のビレットの位置をオペレータが目視にて確認し、その位置に応じて前記ローラテーブルの正転又は逆転操作、及び前記横送り装置の操作をしており、集中力を要する作業であることから、圧延操作の安定化には限界があった。その結果、生産性を向上させることが難しかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、往復ミルへのビレットの挿入操作を自動化して、圧延加工の安定化、ひいては生産性の向上を図ることができる往復ミルへのビレット挿入方法を提供することを目的としている。
本発明の往復ミルへのビレット挿入方法は、加熱されたビレットを往復ミルの一方の面から挿入して他方の面側に通過させ、ついで当該ビレットを他方の面から挿入して一方の面側に通過させる工程を含んでおり、
前記一方の面の少なくとも一部を検知領域とする第1画像センサを設けるとともに、前記他方の面の少なくとも一部を検知領域とする第2画像センサを設け、両画像センサによって各検知領域におけるビレットの存在を検知し、
画像センサによるビレットの検知信号又は非検知信号に基づいて、当該ビレットの前記往復ミルへの挿入操作を自動的に行うことを特徴としている。
前記一方の面の少なくとも一部を検知領域とする第1画像センサを設けるとともに、前記他方の面の少なくとも一部を検知領域とする第2画像センサを設け、両画像センサによって各検知領域におけるビレットの存在を検知し、
画像センサによるビレットの検知信号又は非検知信号に基づいて、当該ビレットの前記往復ミルへの挿入操作を自動的に行うことを特徴としている。
本発明では、画像センサを用いてビレットの位置を確認しており、この画像センサによるビレットの検知信号又は非検知信号に基づいて、当該ビレットの前記往復ミルへの挿入操作を行っている。具体的には、往復ミルの前後に配設されており、前記ビレットを往復ミル側に移送して当該ビレットを往復ミルに挿入したり、また往復ミルからのビレットを引き出すためのローラテーブルの回転操作(正転又は逆転操作)を、前記検知信号又は非検知信号に基づいて行っている。
画像センサはビレットの色を検知対象としており、予め登録しておいたビレットの色が所定の検知領域に確認されるか否かによって、ビレットが当該検知領域に存在するか否かを検知するものである。したがって、ビレットに近接した位置に設置する必要はなく、通常、数メートル離れた位置に設置しても充分にその機能を発揮することができる。このため、圧延現場(実際にビレットが圧延ローラに噛み込まれている付近)における発生蒸気、スケール、振動等の環境の影響をほとんど受けることがなく、長期に亘って誤動作なく確実にビレットの有無を検知することができる。また、画面に複数の領域(ウインドウ)を設定することができる画像センサの場合、1台の画像センサで複数の場所におけるビレットの有無を検知することができる。具体的には、1台の画像センサで往復ミルの一方の面におけるビレットの存在を検知することができ、最小限の台数でビレットの挿入を自動制御することができる。
前記往復ミルの一方の面側及び他方の面側に、正逆回転可能な複数のローラからなるローラテーブルをそれぞれ配設し、前記画像センサによるビレットの検知信号又は非検知信号に基づいて、前記複数のローラの少なくとも一部を回転駆動させ、前記ビレットを往復ミルに挿入することができる。また、2以上の往復ミルを並設し、隣接するミル間のビレットの移動を横送り装置によって行うことができる。
本発明の往復ミルへのビレット挿入方法によれば、往復ミルへのビレットの挿入操作を自動化して、圧延加工の安定化、ひいては生産性の向上を図ることができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の往復ミルへのビレット挿入方法(以下、単に挿入方法ともいう)の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の挿入方法を採用した圧延ラインの一例の平面説明図である。この圧延ラインでは4台の圧延ミル、すなわちラインの上流側から下流側に向けて粗往復ミル1、第1往復ミル2、第2往復ミル3及び仕上ミル4が並設されている。また、各ミルの前後(図1において左右)には、複数の回転可能なローラからなるローラテーブル5、6、7、8、9、10、11、12が配設されており、このうち粗往復ミル1前後のローラテーブル5、6、第1往復ミル2の下流側(図1において右側。最初に当該ミルにビレットが入ってくる場合を規準として上流、下流を決めるものとする。以下同様)のローラテーブル8及び第2往復ミル3の上流側(図1において右側)のローラテーブル10は、ミル側の端部を昇降させることができるチルチングテーブルとされている。さらに、ローラテーブル上において、又は隣接するローラテーブル間でビレットBを横移動させるための公知の横送り装置13(図8参照)が配設されている。連続式加熱炉14において所定温度(例えば、1000℃)に加熱されたビレットBは、加熱炉抽出テーブル15によってローラテーブル5まで移送され、前記粗往復ミル1、第1往復ミル2、第2往復ミル3及び仕上ミル4により所定の断面形状及びサイズになるように順次圧延加工される。
図1は本発明の挿入方法を採用した圧延ラインの一例の平面説明図である。この圧延ラインでは4台の圧延ミル、すなわちラインの上流側から下流側に向けて粗往復ミル1、第1往復ミル2、第2往復ミル3及び仕上ミル4が並設されている。また、各ミルの前後(図1において左右)には、複数の回転可能なローラからなるローラテーブル5、6、7、8、9、10、11、12が配設されており、このうち粗往復ミル1前後のローラテーブル5、6、第1往復ミル2の下流側(図1において右側。最初に当該ミルにビレットが入ってくる場合を規準として上流、下流を決めるものとする。以下同様)のローラテーブル8及び第2往復ミル3の上流側(図1において右側)のローラテーブル10は、ミル側の端部を昇降させることができるチルチングテーブルとされている。さらに、ローラテーブル上において、又は隣接するローラテーブル間でビレットBを横移動させるための公知の横送り装置13(図8参照)が配設されている。連続式加熱炉14において所定温度(例えば、1000℃)に加熱されたビレットBは、加熱炉抽出テーブル15によってローラテーブル5まで移送され、前記粗往復ミル1、第1往復ミル2、第2往復ミル3及び仕上ミル4により所定の断面形状及びサイズになるように順次圧延加工される。
図1に例示した圧延ラインにおける粗往復ミル1、第1往復ミル2及び第2往復ミル3は、いずれも回転可能な圧延ローラが上下方向に3本重ねられた構成である(図2〜5参照)。そして、3本のローラのうち中央のローラ16bがモータ(図示せず)に連結された駆動ローラであり、残りのローラ16a、16cは適宜の連動機構を介して前記駆動ローラに連結されており、中央の駆動ローラ16bの回転に連動して回転するようになっている。隣接するローラ間の隙間をビレットBが通過することでビレットBに圧延加工が施される。
本発明の特徴は、前記往復ミルへのビレットBの挿入を自動化するに際し、ビレットBの存在を画像センサにより検知し、当該ビレットBの存在を検知した検知信号又は非検知信号に基づいて往復ミルへのビレットBの挿入操作を行なうようにしたことである。画像センサは所定の検知領域に検知対象物(本発明におけるビレットB)が存在するか否かを当該検知対象物の色を利用して行うものである。すなわち、予め登録しておいた色(本発明の場合、加熱されたビレットBの色)が検知領域内で一定の面積以上測定された場合、この検知領域内に検知対象物が存在すると判断して検知信号を発する。画像センサとしては、例えばCCDを用いた画像センサカメラを採用することができる。
本実施の形態では、図1に示されるように、6台の画像センサカメラCAM1〜6が採用されており、このうち画像センサカメラCAM1〜3が粗往復ミル1、第1往復ミル2及び第2往復ミル3のそれぞれ一方の側(図1において左側)の斜め上方に配置されており、画像センサカメラCAM4〜6が粗往復ミル1、第1往復ミル2及び第2往復ミル3のそれぞれ他方の側(図1において右側)の斜め上方に配置されている。
図6は画像センサカメラCAM2、5の設置例を示す側面説明図であり、図7は図6のA部詳細図である。画像センサカメラCAMは、山形鋼等の支持部材30(図7参照)を用いる等して建屋の構造材31に固定することができる。画像センサカメラCAMは、往復ミルにおけるビレットB噛み込み部分から数メートル(例えば、5〜8メートル)離れた場所に設置されているので、前記噛み込み部分における発生蒸気、スケール、振動等の環境の影響をほとんど受けることがなく、長期に亘って誤動作なく確実にビレットBを検知することができる。
また、本実施の形態で用いた画像センサカメラCAMは、画面に複数の領域(ウインドウ)を設定することができ、1台の画像センサカメラCAMで複数の場所におけるビレットBの有無を検知することができる。例えば、図2は粗往復ミル1を上流側から見た正面図であるが、1台の画像センサカメラCAM1で2つのウインドウW1、W2が設定されている。ウインドウW1は最下段の圧延ローラ16aと中央の圧延ローラ16bとの隙間周辺を検知領域としており、一方、ウインドウW2は中央の圧延ローラ16bと最上段の圧延ローラ16cとの隙間周辺を検知領域としている。なお、粗往復ミル1の下流側を検知する画像センサカメラCAM4も、前記ウインドウW1、W2に対応する2つのウインドウが設定されている(画像センサカメラCAM4のウインドウW1、W2をカッコ内に表記している)。また、第1往復ミル2及び第2往復ミル3では、図4〜5に示されるように1台の画像センサカメラCAMでそれぞれ3つのウインドウW1〜3が設定されている。なお、図2、4及び5において、例えばCAM1W1とは、画像センサカメラCAM1のウインドウW1を示している。
そして、各ウインドウにおいて、前述したように予め登録しておいた色が一定の面積以上測定された場合、当該ウインドウ内にビレットBが存在すると判断して検知信号を発する。このように、1台の画像センサカメラCAMで往復ミルの一方の面におけるビレットBの存在を検知することができるので、最小限の台数でビレットBの挿入を自動制御することができる。
つぎに、図9を参照しつつ、本発明のビレット挿入方法を含むビレットBの圧延プロセスの例を説明する。なお、図9において、1〜19の数字はビレットBのポジション(位置)を示している。
(1)粗往復ミルでの圧延操作
まず、加熱炉14において所定温度に加熱されたビレットBは、適宜の手段により当該加熱炉14から抽出され、加熱炉抽出テーブル15によってローラテーブル5上に搬送される(位置1〜2)。この場合、粗往復ミル1前後のローラテーブル5、6で先行するビレットBが処理中であるときは、前記加熱炉抽出テーブル15の終端付近でビレットBは一旦停止する。
ついで、ローラテーブル5、6が北向き回転をする。このとき、チルチングテーブルであるローラテーブル5、6が下降位置にないときは、当該ローラテーブル5、6を回転させることができないように設定されている(粗往復ミル1では、図3において矢印で示されるように、ビレットBは、下段のローラ16aと中央のローラ16bとの隙間を通過して上流側から下流側に移送され、一方、中央のローラ16bと上段のローラ16cとの隙間を通過して下流側から上流側に移送される)。なお、「北向き回転」とは、分かり易くするために便宜上用いた表現であり、ローラテーブル上に載置されているビレットBが北方向(東西南北については図9参照)に移送されるようにローラが回転することをいう。後出する「南向き回転」についても同様である。
まず、加熱炉14において所定温度に加熱されたビレットBは、適宜の手段により当該加熱炉14から抽出され、加熱炉抽出テーブル15によってローラテーブル5上に搬送される(位置1〜2)。この場合、粗往復ミル1前後のローラテーブル5、6で先行するビレットBが処理中であるときは、前記加熱炉抽出テーブル15の終端付近でビレットBは一旦停止する。
ついで、ローラテーブル5、6が北向き回転をする。このとき、チルチングテーブルであるローラテーブル5、6が下降位置にないときは、当該ローラテーブル5、6を回転させることができないように設定されている(粗往復ミル1では、図3において矢印で示されるように、ビレットBは、下段のローラ16aと中央のローラ16bとの隙間を通過して上流側から下流側に移送され、一方、中央のローラ16bと上段のローラ16cとの隙間を通過して下流側から上流側に移送される)。なお、「北向き回転」とは、分かり易くするために便宜上用いた表現であり、ローラテーブル上に載置されているビレットBが北方向(東西南北については図9参照)に移送されるようにローラが回転することをいう。後出する「南向き回転」についても同様である。
ローラテーブル5の北向き回転によりビレットBは粗往復ミル1の前面側入口付近に到達し、当該粗往復ミル1に噛み込まれる(挿入される)。ここで、「前面側」及び「後面側」とは、各ミルについて、図9において左側を「前面側」、右側を「後面側」とする。請求の範囲における「一方の面側」及び「他方の面側」は、この「前面側」又は「後面側」に対応している。
そして、ビレットBの先頭部が粗往復ミル1の前面側入口付近に到達した時点で、粗往復ミル1の前面側を検知領域とする、第1画像センサであるカメラCAM1のウインドウW1がビレットBの存在を検知しON信号を発し、ビレットBが粗往復ミル1に挿入されて、その先頭部が粗往復ミル1の後面側から出てくると、粗往復ミル1の後面側を検知領域とする、第2画像センサであるカメラCAM4のウインドウW1がビレットBの存在を検知しON信号を発する。ビレットBの噛み込みが終了し、カメラCAM1のウインドウW1がOFF信号となり所定時間経過すると、ローラテーブル5、6の北向き回転を停止する。このとき、ビレットBは位置3にある。なお、ローラテーブル5、6を北向き回転させて所定時間経過してもカメラCAM1のウインドウW1がOFF信号であるときは、ビレットBの搬送異常であると考えられる。また、カメラCAM1のウインドウW1がON信号を発してから所定時間経過してもカメラCAM4のウインドウW1がOFF信号のままであるときは、噛み込み異常であると考えられる。さらに、カメラCAM1のウインドウW1がOFF信号となり所定時間経過してもカメラCAM4のウインドウW1がON信号のままであるときは、ビレットBの抜け異常であると考えられる。これらの場合には、警報信号が発せられる。
そして、ビレットBの先頭部が粗往復ミル1の前面側入口付近に到達した時点で、粗往復ミル1の前面側を検知領域とする、第1画像センサであるカメラCAM1のウインドウW1がビレットBの存在を検知しON信号を発し、ビレットBが粗往復ミル1に挿入されて、その先頭部が粗往復ミル1の後面側から出てくると、粗往復ミル1の後面側を検知領域とする、第2画像センサであるカメラCAM4のウインドウW1がビレットBの存在を検知しON信号を発する。ビレットBの噛み込みが終了し、カメラCAM1のウインドウW1がOFF信号となり所定時間経過すると、ローラテーブル5、6の北向き回転を停止する。このとき、ビレットBは位置3にある。なお、ローラテーブル5、6を北向き回転させて所定時間経過してもカメラCAM1のウインドウW1がOFF信号であるときは、ビレットBの搬送異常であると考えられる。また、カメラCAM1のウインドウW1がON信号を発してから所定時間経過してもカメラCAM4のウインドウW1がOFF信号のままであるときは、噛み込み異常であると考えられる。さらに、カメラCAM1のウインドウW1がOFF信号となり所定時間経過してもカメラCAM4のウインドウW1がON信号のままであるときは、ビレットBの抜け異常であると考えられる。これらの場合には、警報信号が発せられる。
つぎに、ローラテーブル5、6の粗往復ミル1側端部が上昇を開始し、所定位置まで上昇すると、当該ローラテーブル5、6が南向き回転をする。ローラテーブル5の南向き回転によりビレットBは粗往復ミル1の後面側入口付近に到達し、当該粗往復ミル1に噛み込まれる(挿入される)。そして、前記とは逆に、ビレットBの先頭部が粗往復ミル1の後面側入口付近に到達した時点で、カメラCAM4のウインドウW2がビレットBの存在を検知しON信号を発し、ビレットBが粗往復ミル1に挿入されて、その先頭部が粗往復ミル1の前面側から出てくると、カメラCAM1のウインドウW2がビレットBの存在を検知しON信号を発する。ビレットBの噛み込みが終了し、カメラCAM4のウインドウW2がOFF信号となり所定時間経過すると、ローラテーブル5、6を停止する。このとき、ビレットBは位置2にある。なお、ローラテーブル5、6を南向き回転させて所定時間経過してもカメラCAM4のウインドウW2がOFF信号であるときは、ビレットBの搬送異常であると考えられる。また、カメラCAM4のウインドウW2がON信号を発してから所定時間経過してもカメラCAM1のウインドウW2がOFF信号のままであるときは、噛み込み異常であると考えられる。さらに、カメラCAM4のウインドウW2がOFF信号となり所定時間経過してもカメラCAM1のウインドウW2がON信号のままであるときは、ビレットBの抜け異常であると考えられる。これらの場合には、警報信号が発せられる。
そして、各製品の圧延パターンにしたがって前述したビレットBの往復挿入操作が所定回数繰り返される。最終的な挿入操作が終わると(このときビレットBは位置2にある)、ローラテーブル5、6は南向き回転をするとともに下降し、ビレットBは粗前面固定ローラ20に搬送される(位置4)。ローラテーブル5、6と同時に粗前面固定ローラ20が南向き回転を開始してから所定時間経過後にローラテーブル5、6の回転が停止され、後続のビレットBの受け入れが可能となる。
ついで、位置4にあるビレットBは横送り装置(図示せず)によって第1往復ミル2の前面固定ローラ21上に移送される(位置5)。
ついで、位置4にあるビレットBは横送り装置(図示せず)によって第1往復ミル2の前面固定ローラ21上に移送される(位置5)。
(2)第1往復ミルでの圧延操作
ビレットBの位置5への移送が完了すると、前記前面固定ローラ21、ローラテーブル7、ローラテーブル8及び第1往復ミル2の後面固定ローラ22が北向き回転を開始する。このとき、チルチングテーブルであるローラテーブル8が下降位置にないとき(第1往復ミル2では、ビレットBは、最初に下段のローラ16aと中央のローラ16bとの隙間を通過して上流側から下流側に移送される)、前面固定ローラ21、ローラテーブル7、ローラテーブル8及び後面固定ローラ22は回転できないように設定されている。
前面固定ローラ21、ローラテーブル7、ローラテーブル8及び後面固定ローラ22の北向き回転によりビレットBは位置5から第1往復ミル2の前面側入口付近に到達し(位置6)、ついで当該第1往復ミル2に噛み込まれる(挿入される)。
ビレットBの位置5への移送が完了すると、前記前面固定ローラ21、ローラテーブル7、ローラテーブル8及び第1往復ミル2の後面固定ローラ22が北向き回転を開始する。このとき、チルチングテーブルであるローラテーブル8が下降位置にないとき(第1往復ミル2では、ビレットBは、最初に下段のローラ16aと中央のローラ16bとの隙間を通過して上流側から下流側に移送される)、前面固定ローラ21、ローラテーブル7、ローラテーブル8及び後面固定ローラ22は回転できないように設定されている。
前面固定ローラ21、ローラテーブル7、ローラテーブル8及び後面固定ローラ22の北向き回転によりビレットBは位置5から第1往復ミル2の前面側入口付近に到達し(位置6)、ついで当該第1往復ミル2に噛み込まれる(挿入される)。
そして、ビレットBの先頭部が第1往復ミル2の前面側入口付近に到達した時点で、第1往復ミル2の前面側を検知領域とするカメラCAM2のウインドウW1がビレットBの存在を検知しON信号を発し、ビレットBが第1往復ミル2に挿入されて、その先頭部が第1往復ミル2の後面側から出てくると、第1往復ミル2の後面側を検知領域とするカメラCAM5のウインドウW1がビレットBの存在を検知しON信号を発する。ビレットBの噛み込みが終了し、カメラCAM2のウインドウW1がOFF信号となり所定時間経過すると、前記前面固定ローラ21、ローラテーブル7、ローラテーブル8及び後面固定ローラ22の北向き回転を停止する。このとき、ビレットBは位置7にある。なお、前面固定ローラ21、ローラテーブル7、ローラテーブル8及び後面固定ローラ22を北向き回転させて所定時間経過してもカメラCAM2のウインドウW1がOFF信号であるときは、ビレットBの搬送異常であると考えられる。また、カメラCAM2のウインドウW1がON信号を発してから所定時間経過してもカメラCAM5のウインドウW1がOFF信号のままであるときは、噛み込み異常であると考えられる。さらに、カメラCAM2のウインドウW1がOFF信号となり所定時間経過してもカメラCAM5のウインドウW1がON信号のままであるときは、ビレットBの抜け異常であると考えられる。これらの場合には、警報信号が発せられる。
ついで、横送り操作13によって位置7にあるビレットBが位置8まで横送りされた後、ローラテーブル8の第1往復ミル2側端部が上昇を開始し、所定位置まで上昇すると、ローラテーブル7、8及び後面固定ローラ22が南向き回転をする。ローラテーブル8及び後面固定ローラ22の南向き回転によりビレットBは第1往復ミル2の後面側入口付近に到達し、当該第1往復ミル2に噛み込まれる(挿入される)。そして、前記とは逆に、ビレットBの先頭部が第1往復ミル2の後面側入口付近に到達した時点で、カメラCAM5のウインドウW2がビレットBの存在を検知しON信号を発し、ビレットBが第1往復ミル2に挿入されて、その先頭部が第1往復ミル2の前面側から出てくると、カメラCAM2のウインドウW2がビレットBの存在を検知しON信号を発する。ビレットBの噛み込みが終了し、カメラCAM5のウインドウW2がOFF信号となり所定時間経過すると、ローラテーブル7、8及び後面固定ローラ22が南向き回転を停止する。このとき、ビレットBは位置9にある。
ついで、横送り装置13によって位置9にあるビレットBが位置10まで横送りされた後、ローラテーブル8が下降を開始し、所定位置まで下降すると、ローラテーブル7、8及び後面固定ローラ22が北向き回転をする。このとき、ローラテーブル8が下降位置にないとき、前面ローラテーブル7、8及び後面固定ローラ22は回転できないように設定されている。
ローラテーブル7、ローラテーブル8及び後面固定ローラ22の北向き回転によりビレットBは第1往復ミル2の前面側入口付近に到達し、ついで当該第1往復ミル2に噛み込まれる(挿入される)。
ローラテーブル7、ローラテーブル8及び後面固定ローラ22の北向き回転によりビレットBは第1往復ミル2の前面側入口付近に到達し、ついで当該第1往復ミル2に噛み込まれる(挿入される)。
そして、ビレットBの先頭部が第1往復ミル2の前面側入口付近に到達した時点で、カメラCAM2のウインドウW3がビレットBの存在を検知しON信号を発し、ビレットBが第1往復ミル2に挿入されて、その先頭部が第1往復ミル2の後面側から出てくると、カメラCAM5のウインドウW3がビレットBの存在を検知しON信号を発する。ビレットBの噛み込みが終了し、カメラCAM2のウインドウW3がOFF信号となり所定時間経過すると、前記ローラテーブル7、ローラテーブル8及び後面固定ローラ22の北向き回転を停止する。このとき、ビレットBは位置11にある。
ついで、位置11にあるビレットBは横送り装置によって第2往復ミル2のローラテーブル10及び後面固定ローラ23上に移送される(位置12)。
なお、ビレットBの位置8から9、及び位置10から11への圧延を伴う移送時においても、前記位置6から7への圧延を伴う移送時と同様の異常が検知可能にされており、異常が検知されたときには警報が発せられる。
ついで、位置11にあるビレットBは横送り装置によって第2往復ミル2のローラテーブル10及び後面固定ローラ23上に移送される(位置12)。
なお、ビレットBの位置8から9、及び位置10から11への圧延を伴う移送時においても、前記位置6から7への圧延を伴う移送時と同様の異常が検知可能にされており、異常が検知されたときには警報が発せられる。
(3)第2往復ミルでの圧延操作
ビレットBの位置12への移送が完了すると、ローラテーブル9、ローラテーブル10及び第2往復ミル3の後面固定ローラ23が南向き回転を開始する。このとき、チルチングテーブルであるローラテーブル10が上昇位置にないとき(第2往復ミル3では、ビレットBは、最初に上段のローラ16acと中央のローラ16bとの隙間を通過して上流側から下流側に移送される)、ローラテーブル9、ローラテーブル10及び後面固定ローラ23は回転できないように設定されている。
ローラテーブル9、ローラテーブル10及び後面固定ローラ23の南向き回転によりビレットBは位置12から第2往復ミル3の後面側入口付近に到達し、ついで当該第2往復ミル3に噛み込まれる(挿入される)。
ビレットBの位置12への移送が完了すると、ローラテーブル9、ローラテーブル10及び第2往復ミル3の後面固定ローラ23が南向き回転を開始する。このとき、チルチングテーブルであるローラテーブル10が上昇位置にないとき(第2往復ミル3では、ビレットBは、最初に上段のローラ16acと中央のローラ16bとの隙間を通過して上流側から下流側に移送される)、ローラテーブル9、ローラテーブル10及び後面固定ローラ23は回転できないように設定されている。
ローラテーブル9、ローラテーブル10及び後面固定ローラ23の南向き回転によりビレットBは位置12から第2往復ミル3の後面側入口付近に到達し、ついで当該第2往復ミル3に噛み込まれる(挿入される)。
そして、ビレットBの先頭部が第2往復ミル3の後面側入口付近に到達した時点で、第2往復ミル3の後面側を検知領域とするカメラCAM6のウインドウW1がビレットBの存在を検知しON信号を発し、ビレットBが第2往復ミル3に挿入されて、その先頭部が第2往復ミル3の前面側から出てくると、第2往復ミル3の前面側を検知領域とするカメラCAM3のウインドウW1がビレットBの存在を検知しON信号を発する。ビレットBの噛み込みが終了し、カメラCAM6のウインドウW1がOFF信号となり所定時間経過すると、前記ローラテーブル9、ローラテーブル10及び後面固定ローラ23を停止する。このとき、ビレットBは位置13にある。なお、ローラテーブル9、ローラテーブル10及び後面固定ローラ23を南向き回転させて所定時間経過してもカメラCAM6のウインドウW1がOFF信号であるときは、ビレットBの搬送異常であると考えられる。また、カメラCAM6のウインドウW1がON信号を発してから所定時間経過してもカメラCAM3のウインドウW1がOFF信号のままであるときは、噛み込み異常であると考えられる。さらに、カメラCAM6のウインドウW1がOFF信号となり所定時間経過してもカメラCAM3のウインドウW1がON信号のままであるときは、ビレットBの抜け異常であると考えられる。これらの場合には、警報信号が発せられる。
ついで、横送り操作13によって位置13にあるビレットBが位置14まで横送りされた後、ローラテーブル10の第2往復ミル3側端部が下降を開始し、所定位置まで下降すると、ローラテーブル9、10及び後面固定ローラ23が北向き回転をする。ローラテーブル9、10及び後面固定ローラ23が北向き回転によりビレットBは第2往復ミル3の前面側入口付近に到達し、当該第2往復ミル3に噛み込まれる(挿入される)。そして、前記とは逆に、ビレットBの先頭部が第2往復ミル3の前面側入口付近に到達した時点で、カメラCAM3のウインドウW2がビレットBの存在を検知しON信号を発し、ビレットBが第2往復ミル3に挿入されて、その先頭部が第2往復ミル3の前面側から出てくると、カメラCAM6のウインドウW2がビレットBの存在を検知しON信号を発する。ビレットBの噛み込みが終了し、カメラCAM3のウインドウW2がOFF信号となり所定時間経過すると、ローラテーブル9、10及び後面固定ローラ23が北向き回転を停止する。このとき、ビレットBは位置15にある。
ついで、横送り操作13によって位置15にあるビレットBが位置16まで横送りされた後、ローラテーブル10が上昇を開始し、所定位置まで上昇すると、ローラテーブル9、10及び後面固定ローラ23が南向き回転をする。このとき、ローラテーブル10が上昇位置にないとき、前記ローラテーブル9、10及び後面固定ローラ23は回転できないように設定されている。
ローラテーブル9、ローラテーブル10及び後面固定ローラ23の南向き回転によりビレットBは第2往復ミル3の後面側入口付近に到達し、ついで当該第2往復ミル3に噛み込まれる(挿入される)。
ローラテーブル9、ローラテーブル10及び後面固定ローラ23の南向き回転によりビレットBは第2往復ミル3の後面側入口付近に到達し、ついで当該第2往復ミル3に噛み込まれる(挿入される)。
そして、ビレットBの先頭部が第2往復ミル3の後面側入口付近に到達した時点で、カメラCAM6のウインドウW3がビレットBの存在を検知しON信号を発し、ビレットBが第2往復ミル3に挿入されて、その先頭部が第2往復ミル3の前面側から出てくると、カメラCAM3のウインドウW3がビレットBの存在を検知しON信号を発する。ビレットBの噛み込みが終了し、カメラCAM6のウインドウW3がOFF信号となり所定時間経過すると、前記ローラテーブル9、ローラテーブル10及び後面固定ローラ23の南向き回転を停止する。このとき、ビレットBは位置17にある。
ついで、位置17にあるビレットBは横送り装置によって仕上げミル4のローラテーブル11上に移送される(位置18)。
なお、ビレットBの位置14から15、及び位置16から17への圧延を伴う移送時においても、前記位置12から13への圧延を伴う移送時と同様の異常が検知可能にされており、異常が検知されたときには警報が発せられる。
ついで、位置17にあるビレットBは横送り装置によって仕上げミル4のローラテーブル11上に移送される(位置18)。
なお、ビレットBの位置14から15、及び位置16から17への圧延を伴う移送時においても、前記位置12から13への圧延を伴う移送時と同様の異常が検知可能にされており、異常が検知されたときには警報が発せられる。
(4)仕上ミルでの圧延操作
ビレットBの位置18への移送が完了すると、ローラテーブル11及びローラテーブル12が北向きに回転をし、ビレットBは仕上ミル4に挿入され、所定の断面形状に圧延された後、位置19に移送される。
なお、前述した往復ミルの配置及び数、並びに圧延ローラの外周面の形状は、単なる例示にすぎず、他の配置等を採用することも可能である。
ビレットBの位置18への移送が完了すると、ローラテーブル11及びローラテーブル12が北向きに回転をし、ビレットBは仕上ミル4に挿入され、所定の断面形状に圧延された後、位置19に移送される。
なお、前述した往復ミルの配置及び数、並びに圧延ローラの外周面の形状は、単なる例示にすぎず、他の配置等を採用することも可能である。
1粗往復ミル
2第1往復ミル
3第2往復ミル
4仕上ミル
5、6
7、8
9、10
11、12ローラテーブル
13横送り装置
Bビレット
CAM画像センサカメラ
2第1往復ミル
3第2往復ミル
4仕上ミル
5、6
7、8
9、10
11、12ローラテーブル
13横送り装置
Bビレット
CAM画像センサカメラ
Claims (3)
- 加熱されたビレットを往復ミルの一方の面から挿入して他方の面側に通過させ、ついで当該ビレットを他方の面から挿入して一方の面側に通過させる工程を含んでおり、
前記一方の面の少なくとも一部を検知領域とする第1画像センサを設けるとともに、前記他方の面の少なくとも一部を検知領域とする第2画像センサを設け、両画像センサによって各検知領域におけるビレットの存在を検知し、
画像センサによるビレットの検知信号又は非検知信号に基づいて、当該ビレットの前記往復ミルへの挿入操作を自動的に行うことを特徴とする往復ミルへのビレット挿入方法。 - 前記往復ミルの一方の面側及び他方の面側には、正逆回転可能な複数のローラからなるローラテーブルがそれぞれ配設されており、前記画像センサによるビレットの検知信号又は非検知信号に基づいて、前記複数のローラの少なくとも一部を回転駆動させ、前記ビレットを往復ミルに挿入する請求項1に記載の往復ミルへのビレット挿入方法。
- 2以上の往復ミルが並設されており、隣接するミル間のビレットの移動を横送り装置によって行う請求項1〜2のいずれかに記載の往復ミルへのビレット挿入方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005161682A JP2006334626A (ja) | 2005-06-01 | 2005-06-01 | 往復ミルへのビレット挿入方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006334626A true JP2006334626A (ja) | 2006-12-14 |
Family
ID=37555607
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005161682A Pending JP2006334626A (ja) | 2005-06-01 | 2005-06-01 | 往復ミルへのビレット挿入方法 |
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JP (1) | JP2006334626A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2005
- 2005-06-01 JP JP2005161682A patent/JP2006334626A/ja active Pending
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