JP2006331824A - 同軸ケーブル、絶縁ケーブル及びその接続加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、ケーブルにおける絶縁体の経時的な伸縮を抑制するようにした同軸ケーブルを提供する。
【解決手段】 かゝる本発明は、内部導体21の絶縁体22外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層23aを有する金属ラミネートテープ23からなる外部導体を設けた同軸ケーブルにおいて、絶縁体22と金属ラミネートテープ23のプラスチックテープ層23a間に溶融温度の低い低融点プラスチック層26を設けた同軸ケーブルC1にあり、低融点プラスチック層26の溶融により、絶縁体22の経時的な伸縮を抑制することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 かゝる本発明は、内部導体21の絶縁体22外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層23aを有する金属ラミネートテープ23からなる外部導体を設けた同軸ケーブルにおいて、絶縁体22と金属ラミネートテープ23のプラスチックテープ層23a間に溶融温度の低い低融点プラスチック層26を設けた同軸ケーブルC1にあり、低融点プラスチック層26の溶融により、絶縁体22の経時的な伸縮を抑制することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ケーブルにおける絶縁体の経時的な伸縮を抑制するようにした同軸ケーブル、絶縁ケーブル、及びこれらのケーブルを用いた接続加工方法に関する。
絶縁ケーブル、特に同軸ケーブルにあっては、高周波電気信号の伝送用ケーブルとして、屋内、屋外、機器内、車両などの至るところで広く使用されている。そして、同軸ケーブルの場合、その殆どがコネクタを端末に取り付けて用いられている。つまり、コネクタ接続により他の電子機器と接続することが多い。
このコネクタ接続時には、ケーブル端末を口出しして、例えば、図9に示すように、その内側から、内部導体11、絶縁体12、外部導体13、外被14の順に露出させて、コネクタの接続口に差し込んで接続している。外部導体13にあっては、通常金属編組を用いたり、金属編組と共にその内側に、さらにプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープを外部導体として、併用する構造のものなどがある。
ところが、このような同軸ケーブルのコネクタ接続状態において、外気の温度変化があると、絶縁体12と他の部材との熱膨張率が異なることから、絶縁体12が当初の位置(切断面)から伸びて突き出たり、逆に収縮して引き込まれたりする。また、配線(布設)状態における機械的な力、例えば、曲げやねじり、引っ張りなどの力が繰り返し負荷されることによっても、絶縁体12が当初の位置から突き出たり、引き込まれたりする。
このため、絶縁体12の伸長時には、内部導体11側も一緒に伸びるため、既にコネクタ端子などに接続固定されている内部導体11部分には、余長が生じ、屈曲するなどして、他の金属部位に接触する恐れがあり、短絡(ショート)が生じる懸念があった。
逆に、絶縁体12が収縮すると、内部導体11側も一緒に収縮しようとするため、既にコネクタ端子などに固定されている内部導体11部分には、張力が掛かり、断線する懸念があった。
逆に、絶縁体12が収縮すると、内部導体11側も一緒に収縮しようとするため、既にコネクタ端子などに固定されている内部導体11部分には、張力が掛かり、断線する懸念があった。
このようなことから、従来構造の同軸ケーブルにおいても、結果として、絶縁体と外部導体を接着層により一体化することで、絶縁体側の伸縮動作を抑制する構造のものが提案されている(特許文献1)。しかし、この構造の場合、ケーブルの製造時の段階からその全長に渡って接着層により一体化するものであるため、ケーブルの通常の特性、特に可撓性が損なわれるなどの問題がある。つまり、コネクタの接続部分以外、即ち、非接続部分においては、通常のケーブル特性が得られた方が望ましいからである。さらに、この従来構造の場合は、絶縁体12と外部導体13が最初から接着されているので、端末加工の際に各部材を分離し難いという問題もある。
特開平09−102225号
このため、本発明者等は、鋭意検討したところ、絶縁ケーブルや同軸ケーブルにおいて、絶縁体の外周に溶融温度の低い低融点プラスチック層を介して、プラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープを、このプラスチックテープ層側を内側(絶縁体側)にして設け、或いは、金属ラミネートテープのプラスチックテープ層側を低融点プラスチックとして、コネクタ接続などの際、外部からの加熱により、低融点プラスチック層を溶融させると、絶縁体と金属ラミネートテープとが一体化して、絶縁体側の伸縮作用が効果的に抑制できることを見い出した。
つまり、絶縁体単独の熱膨張率や強度に対して、複合テープ構造からなる、金属ラミネートテープの場合、金属の熱膨張率は一般にプラスチックより1桁小さいために、その複合体である金属ラミネートテープの熱膨張率は小さく、かつ、強度が大きいことから、上述したように、絶縁体とこの金属ラミネートテープとを、低融点プラスチック層を一種の接着層として、一体化すると、経時的な温度変化があったり、ケーブルに外力が加わったりしても、絶縁体側の伸縮作用が効果的に抑制されるものと推測される。
また、絶縁体と金属ラミネートテープが一体化されるのは、ケーブルの接続部分のみであるため、非接続部分にあっては、通常のケーブル特性が得られ、可撓性などが何ら損なわれることはない。
また、絶縁体と金属ラミネートテープが一体化されるのは、ケーブルの接続部分のみであるため、非接続部分にあっては、通常のケーブル特性が得られ、可撓性などが何ら損なわれることはない。
本発明は、このような着想によりなされたものであり、絶縁体の外周に予め低融点プラスチック層を介して金属ラミネートテープを設け、或いは、金属ラミネートテープのプラスチックテープ層側を低融点プラスチックとした同軸ケーブルや絶縁ケーブルと、これらのケーブルの接続時における接続加工方法を提供するものである。
請求項1記載の本発明は、内部導体の絶縁体外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープからなる外部導体を設けた同軸ケーブルにおいて、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層間に溶融温度の低い低融点プラスチック層を設けたことを特徴とする同軸ケーブルにある。
請求項2記載の本発明は、内部導体の絶縁体外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープからなる外部導体を設けた同軸ケーブルにおいて、前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層が溶融温度の低い低融点プラスチックであることを特徴とする同軸ケーブルにある。
請求項3記載の本発明は、前記金属ラミネートテープの外周に金属編組を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の同軸ケーブルにある。
請求項4記載の本発明は、絶縁体の外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープを設けた絶縁ケーブルにおいて、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層間に溶融温度の低い低融点プラスチック層を設けたことを特徴とする絶縁ケーブルにある。
請求項5記載の本発明は、絶縁体の外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープを設けた絶縁ケーブルにおいて、前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層が溶融温度の低い低融点プラスチックであることを特徴とする絶縁ケーブルにある。
請求項6記載の本発明は、内部導体の絶縁体外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープからなる外部導体を設けた同軸ケーブルの接続加工方法において、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層間に溶融温度の低い低融点プラスチック層を設け、前記同軸ケーブルの口出し時、又は口出し時後に前記低融点プラスチック層を溶融させて、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープとを溶着させる特徴とする同軸ケーブルの接続加工方法にある。
請求項7記載の本発明は、内部導体の絶縁体外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープからなる外部導体を設けた同軸ケーブルの接続加工方法において、前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層が溶融温度の低い低融点プラスチック層であり、前記同軸ケーブルの口出し時、又は口出し時後に前記低融点プラスチック層を溶融させて、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープとを溶着させる特徴とする同軸ケーブルの接続加工方法にある。
請求項8記載の本発明は、絶縁体の外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープを設けた絶縁ケーブルの接続加工方法において、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層間に溶融温度の低い低融点プラスチック層を設け、前記絶縁ケーブルの口出し時、又は口出し時後に前記低融点プラスチック層を溶融させて、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープとを溶着させる特徴とする絶縁ケーブルの接続加工方法にある。
請求項9記載の本発明は、絶縁体の外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープを設けた絶縁ケーブルの接続加工方法において、前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層が溶融温度の低い低融点プラスチック層であり、前記絶縁ケーブルの口出し時、又は口出し時後に前記低融点プラスチック層を溶融させて、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープとを溶着させる特徴とする絶縁ケーブルの接続加工方法にある。
本発明に係る同軸ケーブルや絶縁ケーブルでは、絶縁体と金属ラミネートテープのプラスチックテープ層間に溶融温度の低い低融点プラスチック層を設け、或いは、金属ラミネートテープのプラスチックテープ層側を低融点プラスチックとしてあるため、コネクタ接続などの際、低融点プラスチック層を溶融させることにより、絶縁体と金属ラミネートテープとを簡単に一体化することができる。これにより、絶縁体側の伸縮動作を効果的に抑制することができる。勿論、ケーブルの非接続部分にあっては、通常のケーブル特性が得られ、可撓性が損なわれることもない。
本発明に係る同軸ケーブルや絶縁ケーブルの接続加工方法では、上記したように、絶縁体と金属ラミネートテープのプラスチックテープ層間に溶融温度の低い低融点プラスチック層を設け、或いは、金属ラミネートテープのプラスチックテープ層側を低融点プラスチックとして、これをコネクタ接続などの際、溶融させるものであるため、バーナなどの簡単な加熱手段で迅速にコネクタ接続などを行うことができる。
図1は本発明に係る同軸ケーブルの一態様を示し、図2は本発明に係る同軸ケーブルの接続加工方法の一態様を示したものである。
図1の同軸ケーブルC1において、21は銅撚線導体などからなる中心の内部導体、22はポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、又はこれらの発泡体などからなる絶縁体、23はポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのプラスチックテープ層23aと銅箔などの金属テープ23bなどを貼り付けた金属ラミネートテープ(外部導体)、24は金属ラミネートテープ23の外周に設けた銅線などの金属編組からなる外部導体、25は最外層のPVCなどからなる外被(シース)、26は絶縁体22と金属ラミネートテープ23の間に設けた溶融温度の低い低融点プラスチック層である。なお、金属編組からなる外部導体24は、ケーブルの用途によっては、省略することが可能である。
上記絶縁体22は、押出成形により被覆させる。上記低融点プラスチック層26は、ポリエチレンやポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンメタクリル酸共重合体、及びこれらの酸変性物などのプラスチック材料からなり、その融点は、例えばバーナなどの加熱手段により、容易に溶融させることができ、かつ、自然状態では溶融しない温度(100〜150℃程度)である。そして、被覆にあたっては、例えば10〜100μm程度の厚さとして、押出により被覆させるとよい。なお、低融点プラスチックテープを縦添えや巻付けなどにより被覆させることもできる。上記金属ラミネートテープからなる外部導体23にあっては、プラスチックテープ層23a側を、絶縁体22側、即ち、低融点プラスチック層26側にして、縦添えや巻付けなどにより被覆させる。この金属ラミネートテープからなる外部導体23上には、さらに、金属編組からなる外部導体24を施した後、PVCなどからなる外被25を押出により被覆させる。
このような構成からなる同軸ケーブルC1を用いて、本発明に係る同軸ケーブルの接続加工方法を実施するには、次のようにして行う。
例えば、コネクタ接続などの場合、図2に示すように、ケーブル端部を口出しし、この部分を、バーナなどの外部の加熱手段100により、加熱する。そうすると、低融点プラスチック層26が溶融するため、この層が接着層となって、絶縁体22と金属ラミネートテープ23側のプラスチックテープ層23aとが一体的に接着(密着)される。このとき、低融点プラスチック層26の両側はいずれもプラスチック材料であるため、良好に接着される。例えば、これら3者のプラスチック材料がポリエチレン系樹脂などの同種材料の場合、より良好な接着が得られる。なお、低融点プラスチック層26の溶融にあたっては、ケーブル端部を高温加熱された高温液槽に入れて行うこともできる。この場合、一度に多数のケーブル端部を溶融させることができる利点がある。
例えば、コネクタ接続などの場合、図2に示すように、ケーブル端部を口出しし、この部分を、バーナなどの外部の加熱手段100により、加熱する。そうすると、低融点プラスチック層26が溶融するため、この層が接着層となって、絶縁体22と金属ラミネートテープ23側のプラスチックテープ層23aとが一体的に接着(密着)される。このとき、低融点プラスチック層26の両側はいずれもプラスチック材料であるため、良好に接着される。例えば、これら3者のプラスチック材料がポリエチレン系樹脂などの同種材料の場合、より良好な接着が得られる。なお、低融点プラスチック層26の溶融にあたっては、ケーブル端部を高温加熱された高温液槽に入れて行うこともできる。この場合、一度に多数のケーブル端部を溶融させることができる利点がある。
このように溶融(熱溶着)により、一体化されたケーブル口出し部分を、所望のコネクタの接続部などにセットして接続すればよい。このケーブル口出し部分の長さは、用途などにより特に限定されないが、5〜10mm程度とすれば十分である。
このようにコネクタ接続する前に接続加工する場合の他に、本発明では、コネクタ接続などした後に、外部の加熱手段100により、加熱して、ケーブル口出し部分を熱溶着させることもできる。
この低融点プラスチック層26の溶融による熱溶着により、少なくとも絶縁体22側と金属ラミネートテープ23側とが一体化されるため、絶縁体22側の温度変化や外力の変動による伸縮動作(作用)が効果的に抑制されることになる。
つまり、金属テープ23b部分を有する金属ラミネートテープ23の熱膨張率は、絶縁体22側のそれに比較して、小さいため、温度変化による絶縁体22側の伸縮動作(作用)が抑えられる。また、金属ラミネートテープ23の複合構造により、その強度が、絶縁体22側のそれに対して、大きいため、外力変動による絶縁体22側の伸縮動作(作用)が抑えられる。
つまり、金属テープ23b部分を有する金属ラミネートテープ23の熱膨張率は、絶縁体22側のそれに比較して、小さいため、温度変化による絶縁体22側の伸縮動作(作用)が抑えられる。また、金属ラミネートテープ23の複合構造により、その強度が、絶縁体22側のそれに対して、大きいため、外力変動による絶縁体22側の伸縮動作(作用)が抑えられる。
図3は本発明に係る他の同軸ケーブルの一態様を示し、図4は本発明に係る同軸ケーブルの接続加工方法の他の一態様を示したものである。
この同軸ケーブルC2の構造は、上記図1の同軸ケーブルC1において、金属ラミネートテープ23のプラスチックテープ層23a側自体を、溶融温度の低い低融点プラスチックとして、低融点プラスチック層26を省略した形のものである。
この低融点プラスチックは、上記同軸ケーブルC1と同様の材料からなり、その融点も、同軸ケーブルC1と同様の温度(100〜150℃程度)である。そして、この同軸ケーブルC2も基本的には、上記図1の同軸ケーブルC1と同様にして製造することができる。ただし、低融点プラスチック層26の被覆工程が不要となるため、コストダウンが可能となる。
そして、このような構成からなる同軸ケーブルC2を用いて、本発明に係る同軸ケーブルの接続加工方法を実施するには、上記図2の場合と同様にして、行えばよい。
つまり、コネクタ接続などの場合、図4に示すように、ケーブル端部を口出しし、この部分を、バーナなどの外部の加熱手段100により、加熱する。そうすると、金属ラミネートテープ23のプラスチックテープ層23aが溶融するため、この層が接着層となって、絶縁体22と金属ラミネートテープ23とが一体的に接着(密着)される。このとき、絶縁体22とプラスチックテープ層23aの両者はいずれもプラスチック材料であるため、良好に接着される。例えば、これら両者のプラスチック材料がポリエチレン系樹脂などの同種材料の場合、より良好な接着が得られる。なお、低融点プラスチック層23aの溶融にあたっては、ケーブル端部を高温加熱された高温液槽に入れて行うこともできる。この場合、一度に多数のケーブル端部を溶融させることができる利点がある。
つまり、コネクタ接続などの場合、図4に示すように、ケーブル端部を口出しし、この部分を、バーナなどの外部の加熱手段100により、加熱する。そうすると、金属ラミネートテープ23のプラスチックテープ層23aが溶融するため、この層が接着層となって、絶縁体22と金属ラミネートテープ23とが一体的に接着(密着)される。このとき、絶縁体22とプラスチックテープ層23aの両者はいずれもプラスチック材料であるため、良好に接着される。例えば、これら両者のプラスチック材料がポリエチレン系樹脂などの同種材料の場合、より良好な接着が得られる。なお、低融点プラスチック層23aの溶融にあたっては、ケーブル端部を高温加熱された高温液槽に入れて行うこともできる。この場合、一度に多数のケーブル端部を溶融させることができる利点がある。
このようにコネクタ接続する前に接続加工する場合の他に、本発明では、コネクタ接続などした後に、外部の加熱手段100により、加熱して、ケーブル口出し部分を熱溶着させることもできる。
この金属ラミネートテープ23のプラスチックテープ層23aの溶融による熱溶着により、上記図1の同軸ケーブルC1の場合と同様、少なくとも絶縁体22側と金属ラミネートテープ23側とが一体化されるため、絶縁体22側の温度変化や外力の変動による伸縮動作(作用)が効果的に抑制されることになる。
図5は本発明に係る絶縁ケーブルの一態様を示し、図6は本発明に係る絶縁ケーブルの接続加工方法の一態様を示したものである。
本発明に係る絶縁ケーブルの構造は、特に限定されないが、図5の絶縁ケーブルC3にあっては、上記図1の同軸ケーブルC1から金属編組からなる外部導体24が除去された単心の絶縁ケーブルとしてある。なお、本発明に係る絶縁ケーブルの場合、内部導体が多心構造でもよい。多心構造の場合、必要により導体外周に介在を入れて、ケーブルの真円化を図ることもできる。また、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのプラスチックテープ層23aと銅箔などの金属テープ23bなどを貼り付けた金属ラミネートテープ23と最外層のPVCなどからなる外被25との間には必要により、他のケーブル構成材、例えば引き裂き紐、布テープ、電磁遮蔽テープなどを入れることも可能である。
この図5の絶縁ケーブルC2も基本的には、上記図1の同軸ケーブルC1と同様にして製造することができる。
この図5の絶縁ケーブルC2も基本的には、上記図1の同軸ケーブルC1と同様にして製造することができる。
そして、このような構成からなる絶縁ケーブルC3を用いて、本発明に係る絶縁ケーブルの接続加工方法を実施するには、上記図2の場合と同様にして、行えばよい。
つまり、コネクタ接続などの場合、図6に示すように、ケーブル端部を口出しし、この部分を、バーナなどの外部の加熱手段100により、加熱する。そうすると、低融点プラスチック層26が溶融するため、この層が接着層となって、絶縁体22と金属ラミネートテープ23側とが一体的に接着(密着)される。このとき、低融点プラスチック層26の両側はいずれもプラスチック材料であるため、良好に接着される。例えば、これら3者のプラスチック材料がポリエチレン系樹脂などの同種材料の場合、より良好な接着が得られる。なお、低融点プラスチック層26の溶融にあたっては、ケーブル端部を高温加熱された高温液槽に入れて行うこともできる。この場合、一度に多数のケーブル端部を溶融させることができる利点がある。
つまり、コネクタ接続などの場合、図6に示すように、ケーブル端部を口出しし、この部分を、バーナなどの外部の加熱手段100により、加熱する。そうすると、低融点プラスチック層26が溶融するため、この層が接着層となって、絶縁体22と金属ラミネートテープ23側とが一体的に接着(密着)される。このとき、低融点プラスチック層26の両側はいずれもプラスチック材料であるため、良好に接着される。例えば、これら3者のプラスチック材料がポリエチレン系樹脂などの同種材料の場合、より良好な接着が得られる。なお、低融点プラスチック層26の溶融にあたっては、ケーブル端部を高温加熱された高温液槽に入れて行うこともできる。この場合、一度に多数のケーブル端部を溶融させることができる利点がある。
このようにコネクタ接続する前に接続加工する場合の他に、本発明では、コネクタ接続などした後に、外部の加熱手段100により、加熱して、ケーブル口出し部分を熱溶着させることもできる。
この低融点プラスチック層26の溶融による熱溶着により、上記図1の同軸ケーブルC1の場合と同様、少なくとも絶縁体22側と金属ラミネートテープ23側とが一体化されるため、絶縁体22側の温度変化や外力の変動による伸縮動作(作用)が効果的に抑制されることになる。
図7は本発明に係る他の絶縁ケーブルの一態様を示し、図8は本発明に係る絶縁ケーブルの接続加工方法の他の一態様を示したものである。
この絶縁ケーブルC4の構造は、上記図5の絶縁ケーブルC3において、金属ラミネートテープ23のプラスチックテープ層23a側自体を、溶融温度の低い低融点プラスチックとして、低融点プラスチック層26を省略した形のものである。
この低融点プラスチックは、上記絶縁ケーブルC3と同様の材料からなり、その融点も、絶縁ケーブルC3と同様の温度(100〜150℃程度)である。そして、この絶縁ケーブルC4も基本的には、上記図5の絶縁ケーブルC3と同様にして製造することができる。ただし、低融点プラスチック層26の被覆工程が不要となるため、コストダウンが可能となる。
そして、このような構成からなる絶縁ケーブルC4を用いて、本発明に係る絶縁ケーブルの接続加工方法を実施するには、上記図2の場合と同様にして、行えばよい。
つまり、コネクタ接続などの場合、図8に示すように、ケーブル端部を口出しし、この部分を、バーナなどの外部の加熱手段100により、加熱する。そうすると、金属ラミネートテープ23のプラスチックテープ層23aが溶融するため、この層が接着層となって、絶縁体22と金属ラミネートテープ23とが一体的に接着(密着)される。このとき、絶縁体22とプラスチックテープ層23aの両者はいずれもプラスチック材料であるため、良好に接着される。例えば、これら両者のプラスチック材料がポリエチレン系樹脂などの同種材料の場合、より良好な接着が得られる。なお、低融点プラスチック層23aの溶融にあたっては、ケーブル端部を高温加熱された高温液槽に入れて行うこともできる。この場合、一度に多数のケーブル端部を溶融させることができる利点がある。
つまり、コネクタ接続などの場合、図8に示すように、ケーブル端部を口出しし、この部分を、バーナなどの外部の加熱手段100により、加熱する。そうすると、金属ラミネートテープ23のプラスチックテープ層23aが溶融するため、この層が接着層となって、絶縁体22と金属ラミネートテープ23とが一体的に接着(密着)される。このとき、絶縁体22とプラスチックテープ層23aの両者はいずれもプラスチック材料であるため、良好に接着される。例えば、これら両者のプラスチック材料がポリエチレン系樹脂などの同種材料の場合、より良好な接着が得られる。なお、低融点プラスチック層23aの溶融にあたっては、ケーブル端部を高温加熱された高温液槽に入れて行うこともできる。この場合、一度に多数のケーブル端部を溶融させることができる利点がある。
このようにコネクタ接続する前に接続加工する場合の他に、本発明では、コネクタ接続などした後に、外部の加熱手段100により、加熱して、ケーブル口出し部分を熱溶着させることもできる。
この金属ラミネートテープ23のプラスチックテープ層23aの溶融による熱溶着により、上記図5の同軸ケーブルC3の場合と同様、少なくとも絶縁体22側と金属ラミネートテープ23側とが一体化されるため、絶縁体22側の温度変化や外力の変動による伸縮動作(作用)が効果的に抑制されることになる。
因みに、本発明ケーブルの代表として、図1の同軸ケーブルC1において、低融点プラスチック層を50μmの低融点ポリエチレン層(融点=150℃)を、絶縁体と同時押出により形成した。そして、この同軸ケーブルをほぼ1mの長さに切断して、5本用意すると共に、そのケーブル端部の一方を加熱して、低融点プラスチック層を溶融させた。
比較のため、低融点プラスチック層の図9の同軸ケーブルも製造し、これもほぼ1mの長さに切断して、5本用意した。
比較のため、低融点プラスチック層の図9の同軸ケーブルも製造し、これもほぼ1mの長さに切断して、5本用意した。
このようにしてなる各5本のケーブルを、温度変動が繰り返されるヒートサイクル槽に投入して、各ケーブル端末の変化状況をテストした。なお、ヒートサイクル条件は、−40℃1時間、+100℃1時間、温度変更時間1時間とし、4時間を1サイクルとした。そして、テストサイクル数は100サイクルとしてテストした。
この結果、図9の従来型の同軸ケーブルでは、絶縁体は外部導体に対して、平均3mmの収縮が見られた。これに対して、本発明の図1の同軸ケーブルC1では、絶縁体の収縮は殆どなかった。
この結果、図9の従来型の同軸ケーブルでは、絶縁体は外部導体に対して、平均3mmの収縮が見られた。これに対して、本発明の図1の同軸ケーブルC1では、絶縁体の収縮は殆どなかった。
C1・・・同軸ケーブル、C2・・・絶縁ケーブル、21・・・内部導体、22・・・絶縁体、23・・・金属ラミネートテープ、23a・・・プラスチックテープ層、23b・・・金属テープ、24・・・金属編組、25・・・外被、26・・・低融点プラスチック層
Claims (9)
- 内部導体の絶縁体外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープからなる外部導体を設けた同軸ケーブルにおいて、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層間に溶融温度の低い低融点プラスチック層を設けたことを特徴とする同軸ケーブル。
- 内部導体の絶縁体外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープからなる外部導体を設けた同軸ケーブルにおいて、前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層が溶融温度の低い低融点プラスチックであることを特徴とする同軸ケーブル。
- 前記金属ラミネートテープの外周に金属編組を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の同軸ケーブル。
- 絶縁体の外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープを設けた絶縁ケーブルにおいて、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層間に溶融温度の低い低融点プラスチック層を設けたことを特徴とする絶縁ケーブル。
- 絶縁体の外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープを設けた絶縁ケーブルにおいて、前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層が溶融温度の低い低融点プラスチックであることを特徴とする絶縁ケーブル。
- 内部導体の絶縁体外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープからなる外部導体を設けた同軸ケーブルの接続加工方法において、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層間に溶融温度の低い低融点プラスチック層を設け、前記同軸ケーブルの口出し時、又は口出し時後に前記低融点プラスチック層を溶融させて、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープとを溶着させる特徴とする同軸ケーブルの接続加工方法。
- 内部導体の絶縁体外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープからなる外部導体を設けた同軸ケーブルの接続加工方法において、前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層が溶融温度の低い低融点プラスチック層であり、前記同軸ケーブルの口出し時、又は口出し時後に前記低融点プラスチック層を溶融させて、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープとを溶着させる特徴とする同軸ケーブルの接続加工方法。
- 絶縁体の外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープを設けた絶縁ケーブルの接続加工方法において、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層間に溶融温度の低い低融点プラスチック層を設け、前記絶縁ケーブルの口出し時、又は口出し時後に前記低融点プラスチック層を溶融させて、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープとを溶着させる特徴とする絶縁ケーブルの接続加工方法。
- 絶縁体の外周に少なくとも当該絶縁体側にプラスチックテープ層を有する金属ラミネートテープを設けた絶縁ケーブルの接続加工方法において、前記金属ラミネートテープのプラスチックテープ層が溶融温度の低い低融点プラスチック層であり、前記絶縁ケーブルの口出し時、又は口出し時後に前記低融点プラスチック層を溶融させて、前記絶縁体と前記金属ラミネートテープとを溶着させる特徴とする絶縁ケーブルの接続加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005153217A JP2006331824A (ja) | 2005-05-26 | 2005-05-26 | 同軸ケーブル、絶縁ケーブル及びその接続加工方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005153217A JP2006331824A (ja) | 2005-05-26 | 2005-05-26 | 同軸ケーブル、絶縁ケーブル及びその接続加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=37553305
Family Applications (1)
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JP2005153217A Pending JP2006331824A (ja) | 2005-05-26 | 2005-05-26 | 同軸ケーブル、絶縁ケーブル及びその接続加工方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006331824A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101120365B1 (ko) | 2010-02-02 | 2012-02-24 | 성균관대학교산학협력단 | 코팅형 금속 차폐층을 포함하는 마이크로 동축케이블 및 이의 제조방법 |
-
2005
- 2005-05-26 JP JP2005153217A patent/JP2006331824A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101120365B1 (ko) | 2010-02-02 | 2012-02-24 | 성균관대학교산학협력단 | 코팅형 금속 차폐층을 포함하는 마이크로 동축케이블 및 이의 제조방법 |
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