JP2006329141A - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクトな液分離装置で圧縮機のオイル循環率低減、小型化、軽量化を図ること。
【解決手段】圧縮機構部主軸受42から供給される潤滑油7を主軸受部材51の後端、または、駆動軸14のツバ14bに潤滑油7の拡散を防止する液分離壁19を設けることにより、潤滑油7を含んだ圧縮ガスが液分離壁19への衝突作用によって分離し、分離後の潤滑油7はバランスウエイト5cの回転によって攪拌され吐出口へ流入することなく貯油部6へと回収されることで、圧縮ガスと潤滑油の分離性能を向上させ、圧縮機のオイル循環率低減、小型化、軽量化ができる。
【選択図】図1
【解決手段】圧縮機構部主軸受42から供給される潤滑油7を主軸受部材51の後端、または、駆動軸14のツバ14bに潤滑油7の拡散を防止する液分離壁19を設けることにより、潤滑油7を含んだ圧縮ガスが液分離壁19への衝突作用によって分離し、分離後の潤滑油7はバランスウエイト5cの回転によって攪拌され吐出口へ流入することなく貯油部6へと回収されることで、圧縮ガスと潤滑油の分離性能を向上させ、圧縮機のオイル循環率低減、小型化、軽量化ができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、容器内に、冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動するモータと、圧縮機構部を含む摺動部への潤滑などを図る潤滑油を貯留する貯油部を備えたスクロール圧縮機の液分離装置に関するものである。
従来、この種の圧縮機は容器が冷凍サイクルに接続されることにより密閉状態になる。圧縮機構部が駆動されると容器の吸入口を通じて冷凍サイクル内の冷媒を吸入し、これを圧縮して容器内に吐出した後、容器の吐出口から冷凍サイクルに供給することを繰り返す。これに併せ、容器内の貯留部に貯留されている潤滑油が、圧縮機構部を含む摺動部に直接および冷媒による持ち運びによって供給され、前記摺動部の潤滑を行う。このような潤滑機構によって圧縮機構部から吐出され冷凍サイクルに供給される冷媒中には潤滑油が含まれる。冷凍サイクルに供給される冷媒中に含まれる潤滑油は冷凍サイクルに性能低下をもたらす。また、同時に冷凍サイクルに多くの潤滑油が循環すると、容器内での摺動部の潤滑が不足するので、これを補うには貯油部および注油量の増大を招き圧縮機が大型化し重量化する。
そこで、従来の技術として、図4に従来のスクロール圧縮機の圧縮機構部の要部拡大断面図を示す。図4において、圧縮機構部101の軸受102から吐出した潤滑油が含まれる圧縮ガスを、主軸受部材103に取り付けた潤滑油飛散防止用の円筒状のカバー104により、圧縮ガスに混入する潤滑油を分離し圧縮機から冷凍サイクルに吐出される潤滑油の量を減らす技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−182471号公報
ところで、前記のような容器に内蔵した圧縮機が自動車の冷暖房用に搭載されるようになり、一部ルームエアコン用の電動圧縮機も用いられているが、環境やエネルギー問題の高まりの中で、車両の軽量化が求められている。特に電気自動車やハイブリッド車での電動走行時にガソリン車レベルの駆動力が得られないことから、車両の軽量化は最重要課題となっている。そこで、比較的重量物である圧縮機、特に、大型化、重量化する電動機をも併せ内蔵した電動圧縮機は、車両に搭載するうえで車両同様に小型、軽量化が重要課題になっている。
しかしながら、前記従来の圧縮機が採用している円筒状カバーによる潤滑油飛散防止は、円筒状カバー構造が複雑化しているため、圧縮機の容器内に占める軸線方向スペースが大きくなるので、小型化や軽量化の妨げになるという課題を有している。更に円筒状カバー固定による部品数の増加のため、コスト増加になるという課題も有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、小さなスペースで潤滑油の分離ができ、スクロール型圧縮機から外部へ吐出される潤滑油の量を低減することができ、小型化や軽量化が図れる圧縮機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の圧縮機は、容器内に、冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と、圧縮機構部を駆動するモータとを備え、圧縮機構部はモータによって駆動される旋回スクロールと、旋回スクロールと組み合わされる固定スクロー
ルと、旋回スクロールを挟んで固定スクロールと組み合わされるとともに、モータを構成する駆動軸を軸支する主軸受を有する主軸受部材とを備え、圧縮機構部を含む摺動部への潤滑などを図る潤滑油が主軸受に供給される電動圧縮機において、主軸受部材の後端に主軸受を覆うように液分離壁を設けたものである。
ルと、旋回スクロールを挟んで固定スクロールと組み合わされるとともに、モータを構成する駆動軸を軸支する主軸受を有する主軸受部材とを備え、圧縮機構部を含む摺動部への潤滑などを図る潤滑油が主軸受に供給される電動圧縮機において、主軸受部材の後端に主軸受を覆うように液分離壁を設けたものである。
また、液分離壁を駆動軸に主軸受を覆うように一体に形成したものである。
これによって、圧縮機構部の主軸受け部材から容器内に吐出される潤滑油を含んだ冷媒を、吐出直後に液分離壁への衝突作用によって分離し、潤滑油を含んだ冷媒が回転子のバランスウエイトの回転によって攪拌されるのを防止することが出来、液分離壁により分離をした潤滑油は前記主軸受後端部に設けた溝を伝って下部の貯油部へ落とされる。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、小さなスペースで潤滑油の分離ができ、スクロール型圧縮機から外部へ吐出される潤滑油の量を低減することができ、部品点数を減らすことができるため、小型化、軽量化が図れる圧縮機を提供することを目的とする。
第1の発明は、容器内に、冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と、圧縮機構部を駆動するモータとを備え、圧縮機構部はモータによって駆動される旋回スクロールと、旋回スクロールと組み合わされる固定スクロールと、旋回スクロールを挟んで固定スクロールと組み合わされるとともに、モータを構成する駆動軸を軸支する主軸受を有する主軸受部材とを備え、圧縮機構部を含む摺動部への潤滑などを図る潤滑油が前記主軸受に供給される電動圧縮機において、主軸受部材の後端に主軸受を覆うように液分離壁を設けたことにより、コンパクトな液分離装置で、圧縮機構部の主軸受から容器内に吐出される潤滑油を含んだ圧縮ガスを、液分離壁への衝突作用によって分離し、前記主軸受後端部に設けた溝を伝って下部の貯油部へ落とされる。
第二の発明は、液分離壁を、駆動軸のツバを法線方向に拡張して駆動軸に一体で形成し、更なる部品点数減や、小型化、軽量化することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における圧縮機の断面図を示すものである。
図1は、本発明の第1の実施の形態における圧縮機の断面図を示すものである。
図1において、スクロール圧縮機1の胴部の周りにある取付け脚2によって横向きに設置される横型のスクロール圧縮機の場合の1つの例を示しており、スクロール圧縮機1はその本体ケーシング3内に圧縮機構部4およびこれを駆動するモータ5を内蔵し、圧縮機構部4を含む各摺動部の潤滑に供する液を貯留する貯油部6を備え、モータ5を図示しないモータ駆動回路部によって駆動するようにしている。取り扱う冷媒はガス冷媒であり、各摺動部の潤滑や圧縮機構部4の摺動部のシールに供する液としては潤滑油7などの液を採用している。また、潤滑油7は冷媒に対して相溶性のあるものである。しかし、本発明はこれらに限られることはない。基本的には、冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部4と、この圧縮機構部4を駆動するモータ5と、圧縮機構部4を含む各摺動部の潤滑に供する潤滑油7を貯留する貯油部6を本体ケーシング3に内蔵し、モータ5をモータ駆動回路部により駆動するスクロール圧縮機1であればよく、以下の説明は特許請求の範囲の記載を限定するものではない。
本実施の形態のスクロール圧縮機1の圧縮機構部4は、図1に示すように固定スクロール11と旋回スクロール12を噛み合わせて形成した圧縮空間10が、旋回スクロール12をモータ5により駆動軸14を介して固定スクロール11に対し旋回運動をさせたときに、移動を伴い容積を変化させることにより外部サイクルから帰還する冷媒の吸入、圧縮および外部サイクルへの吐出を、サブケーシング80に設けた吸入口8および本体ケーシング3に設けた吐出口9を通じて行う。
これに併せ、本体ケーシング3の貯油部6に貯留されている潤滑油7が容積型ポンプ13などを駆動軸14にて駆動するか本体ケーシング3内の差圧を利用するなどして、駆動軸14の給油路15を通じ旋回スクロール12の旋回運動に伴い旋回スクロール12の背面の液溜り21および液溜り22、図に示す例では液溜り21に供給し、この液溜り21に供給した潤滑油7の一部は旋回スクロール12の外周部の側背面に、旋回スクロール鏡板12aを通じ、絞り23などによる所定の制限の基に供給して旋回スクロール12をバックアップしながら、潤滑油7を旋回スクロール12を通じ旋回スクロール12の渦巻状ラップにおける先端の固定スクロール11との間のシール部材の一例であるチップシール24を保持する保持溝25に供給して固定、旋回スクロール11、12間のシールおよび潤滑を図る。また、液溜り21に供給した潤滑油7の別の一部は、偏心軸受43、液溜り22、主軸受42を経ながら、それら軸受42、43を潤滑した後、液分離壁19で分離され、圧縮ガスはモータ5側に流出し、潤滑油7は主軸受部材51の後端に設けた溝を伝って貯油部6へと回収される。
さらに、本体ケーシング3内の軸線方向の一方の端部壁3a側からポンプ13、副軸受41、モータ5、主軸受42を持った主軸受部材51を配置してある。ポンプ13は端部壁3aの外面から収容してその後に嵌め付けた蓋体52との間に保持し、蓋体52の内側に貯油部6に通じるポンプ室53を形成して吸上げ通路54を介して貯油部6に通じるようにしてある。副軸受41は端部壁3aにて支持し、駆動軸14のポンプ13に連結している側を軸受するようにしてある。モータ5は固定子5aを本体ケーシング3の内周に焼き嵌めなどして固定し、駆動軸14の途中まわりに固定した回転子5bとによって駆動軸14を回転駆動できるようにしている。
主軸受部材51はサブケーシング80の内周にボルト17などにて固定し、駆動軸14の圧縮機構部4側を主軸受42により軸受している。主軸受部材51の外面には固定スクロール11を図示しないボルトなどによって取付け、これら主軸受部材51と固定スクロール11との間に旋回スクロール12を挟み込んでスクロール圧縮機を構成している。主軸受部材51と旋回スクロール12との間には旋回スクロール12の自転を防止して旋回運動させるためのオルダムリング57が設けられている。
駆動軸14の圧縮機構部4側には偏心軸14aが一体形成されており、偏心軸14aにはブッシュ30が嵌め合せて支持されている。ブッシュ30には旋回スクロール12が固定スクロール11と対向するように偏心軸受43を介して旋回運動可能に支持されている。旋回スクロール12の旋回スクロール鏡板12aの背面には筒部12bが突設されており、偏心軸受43は筒部12b内に収容されている。偏心軸受43の内輪43aはブッシュ30に嵌め合されており、偏心軸受43の外輪43bは筒部12bに嵌め合されている。
圧縮機構部4のサブケーシング80からの露出部分は、サブケーシング80と開口どうしを突き合わせてボルト18にて固定した本体ケーシング3により覆い、端部壁3aと軸線方向に反対側の端部壁80aを形成している。圧縮機構部4はサブケーシング80の吸入口8と本体ケーシング3の吐出口9との間に位置し、自身の吸入孔16がサブケーシング80の吸入口8と接続され、自身の吐出孔31がリード弁31aを介して端部壁82a
の側に開口して相互間を吐出室62としている。吐出室62は固定スクロール11および主軸受部材51ないしはこれらと本体ケーシング3との間に形成した連絡通路63を通じて圧縮機構部4と端部壁3aとの間の、吐出口9を持ったモータ5側に通じている。
の側に開口して相互間を吐出室62としている。吐出室62は固定スクロール11および主軸受部材51ないしはこれらと本体ケーシング3との間に形成した連絡通路63を通じて圧縮機構部4と端部壁3aとの間の、吐出口9を持ったモータ5側に通じている。
以上によって、モータ5はモータ駆動回路部によって駆動され、駆動軸14を介して圧縮機構部4を旋回運動させるとともに、ポンプ13を駆動する。このとき圧縮機構部4はポンプ13により貯油部6の潤滑油7を供給されて潤滑およびシール作用を受けながら、サブケーシング80の吸入口8さらに自身の固定スクロール11に設けた吸入孔16を通じ冷凍サイクルからの帰還冷媒を吸入して、圧縮し、自身の吐出孔31から吐出室62に吐出する。吐出室62に吐出された冷媒は連絡通路63を通じてモータ5側に入り、モータ5を冷却しながら本体ケーシング3の吐出口9から吐出されるまでの過程で、冷媒は衝突、絞りなどの気液分離を図って潤滑油7の分離を受けながらも、随伴している一部潤滑油7によって副軸受41の潤滑も行う。
ここで、本発明の実施の形態では、図2に示すように主軸受部材51のモータ5側の後端に液分離壁19を設けたことを基本としている。
以上のような構成によると、潤滑油7を含んだ圧縮ガスが、液分離壁19への衝突作用によって潤滑油7と圧縮ガスに分離し、分離後の潤滑油7は主軸受51後端部に設けた溝17を伝って落ち、回転子5bに設けられたバランスウエイト5cの回転によっての攪拌や、吐出口9へ流入することなく貯油部6へと回収される。これにより、小さなスペースで潤滑油の分離ができ、スクロール型圧縮機から外部へ吐出される潤滑油の量を低減することができ、部品点数を減らすことができるため、小型化、軽量化が図ることができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態における圧縮機の断面図を示すものである。
図3は、本発明の第2の実施の形態における圧縮機の断面図を示すものである。
本実施の形態では、液分離壁は、駆動軸14のツバ14bを主軸受42を覆うように法線方向に拡張して一体で形成したものである。これにより、潤滑油7を含んだ圧縮ガスが衝突作用によって潤滑油7と圧縮ガスに分離し、分離後の潤滑油7は遠心力で振り落とされ、バランスウエイト5cの回転によって攪拌や、吐出口9へ流入することなく貯油部6へと回収される。
このように駆動軸14と一体化することにより、部品数の低減、小型化、軽量化ができる。
以上のように、本発明にかかるスクロール圧縮機は、コンパクトな液分離装置で潤滑油の分離性能を向上させることが可能となるので、モータを内臓しないスクロール型圧縮機にも適用できる。
1 スクロール圧縮機
4 圧縮機構部
5 モータ
6 貯油部
7 潤滑油
10 圧縮空間
11 固定スクロール
12 旋回スクロール
12a 旋回スクロール鏡板
14 駆動軸
14b ツバ
15 油通路
19 液分離壁
42 主軸受
51 主軸受部材
4 圧縮機構部
5 モータ
6 貯油部
7 潤滑油
10 圧縮空間
11 固定スクロール
12 旋回スクロール
12a 旋回スクロール鏡板
14 駆動軸
14b ツバ
15 油通路
19 液分離壁
42 主軸受
51 主軸受部材
Claims (2)
- 容器内に、冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動するモータとを備え、前記圧縮機構部は前記モータによって駆動される旋回スクロールと、前記旋回スクロールと組み合わされる固定スクロールと、前記旋回スクロールを挟んで前記固定スクロールと組み合わされるとともに、前記モータを構成する駆動軸を軸支する主軸受を有する主軸受部材とを備え、前記圧縮機構部を含む摺動部への潤滑などを図る潤滑油が前記主軸受に供給される電動圧縮機において、前記主軸受部材の後端に前記主軸受を覆うように液分離壁を設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
- 容器内に、冷媒の吸入、圧縮および吐出を行う圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動するモータとを備え、前記圧縮機構部は前記モータによって駆動される旋回スクロールと、前記旋回スクロールと組み合わされる固定スクロールと、前記旋回スクロールを挟んで前記固定スクロールと組み合わされるとともに、前記モータを構成する駆動軸を軸支する主軸受を有する主軸受部材とを備え、前記圧縮機構部を含む摺動部への潤滑などを図る潤滑油が前記主軸受に供給される電動圧縮機において、液分離壁を前記駆動軸に前記主軸受を覆うように一体で形成したことを特徴とするスクロール圧縮機。
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Applications Claiming Priority (1)
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2005
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-
2006
- 2006-05-29 WO PCT/JP2006/310694 patent/WO2006129617A1/ja active Application Filing
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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