JP2006329129A - エンジン制御装置 - Google Patents
エンジン制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006329129A JP2006329129A JP2005156159A JP2005156159A JP2006329129A JP 2006329129 A JP2006329129 A JP 2006329129A JP 2005156159 A JP2005156159 A JP 2005156159A JP 2005156159 A JP2005156159 A JP 2005156159A JP 2006329129 A JP2006329129 A JP 2006329129A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ignition
- command
- microcomputer
- fuel injection
- injection
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Abstract
【課題】簡易な構成でありながら、マイクロコンピュータの異常時にも、機関特性を維持した車両のより円滑な退避走行を可能とするエンジン制御装置を提供する。
【解決手段】第2のマイクロコンピュータ20は、異常の検出された第1のマイクロコンピュータ10を強制リセットしてその噴射指令及び点火指令を無効制御するとともに、車載エンジンの回転速度等に基づき燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80の噴射指令及び点火指令を時系列的に生成してこれをシリアル通信にて出力ドライバ30に送信する。出力ドライバ30は、噴射指令及び点火指令が受信される都度これをシフトレジストするシフトレジスタを備え、このシフトレジスタの各ステージに一時保持されている噴射指令及び点火指令と第1のマイクロコンピュータ10から電気的に並列に入力される噴射指令及び点火指令との論理和条件に基づいて燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80を駆動する。
【選択図】 図1
【解決手段】第2のマイクロコンピュータ20は、異常の検出された第1のマイクロコンピュータ10を強制リセットしてその噴射指令及び点火指令を無効制御するとともに、車載エンジンの回転速度等に基づき燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80の噴射指令及び点火指令を時系列的に生成してこれをシリアル通信にて出力ドライバ30に送信する。出力ドライバ30は、噴射指令及び点火指令が受信される都度これをシフトレジストするシフトレジスタを備え、このシフトレジスタの各ステージに一時保持されている噴射指令及び点火指令と第1のマイクロコンピュータ10から電気的に並列に入力される噴射指令及び点火指令との論理和条件に基づいて燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80を駆動する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車載エンジンの燃料噴射や点火時期等を制御するエンジン制御装置に関するものである。
周知のように、この種のエンジン制御装置は通常、エンジンや車両の運転状態をモニタする各種センサの出力に基づいて同エンジンの燃料噴射制御や点火制御を行うマイクロコンピュータや、このマイクロコンピュータを監視して同マイクロコンピュータの異常の有無を検出する監視装置等を備えて構成されている。また、こうしたエンジン制御装置には、上記マイクロコンピュータの異常が検出されたとき、該マイクロコンピュータ以外の手段にて燃料噴射制御や点火制御を行って、いわゆる車両の退避走行を可能とする機能が搭載されていることも多い。すなわちこのようなエンジン制御装置では、例えば退避走行用のバックアップICを備え、上記マイクロコンピュータの異常時には、この退避走行用のバックアップICを通じて回転速度センサから入力されるエンジンの回転速度信号に基づく燃料噴射制御や点火制御を実行し、車両の退避走行を行うようにしている。
特開平5−163998号公報
ところで、上記バックアップICを備えるエンジン制御装置によれば、確かに退避走行は実現されるものの、このバックアップICを通じて実行される燃料噴射制御は、上記エンジンの回転速度信号のみに基づく固定量での全気筒同時噴射となる。このため、正常時に上記マイクロコンピュータを通じて行われる燃料噴射制御に比べて極めて簡易な制御しか行うことができず、例えばオフロードなどの悪路での退避走行時には、車両の走行に必要とされる十分なトルクを得ることができないなどの不都合も生じかねない。
なお従来、こうした退避走行を可能とする機能が搭載されたエンジン制御装置としては、例えば特許文献1に記載のものなども知られてはいるが、これは単に2つのマイクロコンピュータを備え、一方の異常時には他方でその処理(制御)を代用するものでしかなく、エンジン制御装置としての装置規模の増大が避けられない。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その目的は、回路規模やコストの増大を招くことのない簡易な構成でありながら、マイクロコンピュータの異常時にも、機関特性を維持した、車両のより円滑な退避走行を可能とするエンジン制御装置を提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車載エンジンの回転速度情報及び吸気量情報に基づいて当該エンジンの複数の燃料噴射弁及び複数の点火装置に対する噴射指令及び点火指令を生成するマイクロコンピュータと、この生成された噴射指令及び点火指令に基づいて前記複数の燃料噴射弁及び複数の点火装置を駆動する出力ドライバと、前記マイクロコンピュータの動作の異常の有無を監視する監視装置とを備えるエンジン制御装置として、前記監視装置では、前記マイクロコンピュータの異常時、該マイクロコンピュータを強制リセットしてマイクロコンピュータから発せられる前記噴射指令及び点火指令を無効制御するとともに、前記車載エンジンの回転速度情報に基づき前記複数の燃料噴射弁及び複数の点火装置に対する噴射指令及び点火指令を時系列的に生成してこれをシリアル通信にて前記出力ドライバに送信することとし、前記出力ドライバでは、前記監視装置から噴射指令及び点火指令がシリアル通信にて受信される都度これをシフトレジストするシフトレジスタを備える構成として、このシフトレジスタの各ステージに一時保持されている噴射指令及び点火指令と前記マイクロコンピュータから電気的に並列に入力される噴射指令及び点火指令との論理和条件に基づいて前記複数の燃料噴射弁及び複数の点火装置を駆動することとした。
前述のように、いわゆる退避走行機能を有するエンジン制御装置では、噴射指令及び点火指令を出力するマイクロコンピュータの異常時、同マイクロコンピュータを停止して他の手段により燃料噴射制御及び点火制御を行うものの、回路規模やコストの増大を避けるべく、固定量での全気筒同時噴射という簡易的な燃料噴射制御を行うにとどまっている。この点、上記マイクロコンピュータの異常時、上記監視装置が上記各燃料噴射弁及び各点火装置に対する噴射指令及び点火指令を時系列的に生成してこれをシリアル通信により上記出力ドライバに出力する上記構成によれば、この時系列的に生成される噴射指令及び点火指令によって、各点火装置はもとより、各燃料噴射弁をも各別に制御することができるようになる。このため、回路規模やコストの増大を招くことのない簡易な構成でありながらも、退避走行時の燃料噴射制御を上記マイクロコンピュータの正常時に近いかたちで実現することができ、円滑な退避走行が可能となる。
また、このような請求項1に記載のエンジン制御装置において、請求項2に記載の発明では、前記監視装置では、前記マイクロコンピュータから出力されるウォッチドッグ信号の推移に基づいて同マイクロコンピュータの動作の異常の有無を監視し、ひとたび前記マイクロコンピュータの異常を検出した後は、同マイクロコンピュータから発せられる前記噴射指令及び点火指令についての無効制御をイグニッションスイッチがオフ操作されるまで継続することとした。
このような構成によれば、上記マイクロコンピュータの異常が検出されたとき、上記複数の燃料噴射弁及び複数の点火装置の駆動制御の主体として、同マイクロコンピュータから上記監視装置への切り替えが円滑且つ、的確に行われるようになるとともに、それらマイクロコンピュータと監視装置の間で制御ハンチングが生じるようなこともなくなる。
また、これら請求項1または2に記載のエンジン制御装置において、請求項3に記載の発明では、前記監視装置は、前記車載エンジンのアクセル開度情報を併せて取り込み、該取り込んだアクセル開度情報を加味して前記噴射指令の生成を行うこととした。
このような構成によれば、退避走行にありながらも、運転者の意志が反映されたアクセル開度に応じて燃料噴射量が制御されるようになるため、退避走行時の燃料噴射制御をより円滑に行うことができるようになるとともに、車両のその都度の走行に必要とされるトルクも得られやすくなる。
また、これら請求項1〜3のいずれかに記載のエンジン制御装置において、請求項4に記載の発明では、前記監視装置は、前記車載エンジンの吸気量情報を併せて取り込み、該取り込んだ吸気量情報を加味して前記噴射指令の生成を行うこととした。
このような構成によれば、退避走行にありながらも、車載エンジンの実際の吸入空気量に応じて燃料噴射量が制御されるようになるため、これによっても退避走行時における燃料噴射制御が、より円滑に実現されるようになる。また、このような構成が特に上記請求項3に記載の構成と組み合わせられる場合には、その都度必要とされるトルクも含め、マイクロコンピュータの正常時により近いかたちで車両の退避走行が実現されるようにもなる。
また、これら請求項1〜4のいずれかに記載のエンジン制御装置において、請求項5に記載の発明では、前記出力ドライバを、前記複数の燃料噴射弁及び複数の点火装置の各々についてその駆動に伴う電流を抽出する手段と、それら抽出される電流の状態をシリアル信号として時系列的に前記監視装置に転送する手段とをさらに備えるものとして構成し、前記監視装置では、前記転送されるシリアル信号に基づき、前記抽出される電流の状態が異常となっている燃料噴射弁あるいは点火装置についてはその対応する噴射指令あるいは点火指令を無効とする制御を併せて実行することとした。
このような構成によれば、各燃料噴射弁及び各点火装置の駆動に伴い抽出される電流の状態を時系列的に示す上記シリアル信号に基づき、上記マイクロコンピュータによる燃料噴射制御及び点火制御時に限らず、上記監視装置による燃料噴射制御及び点火制御時においても、上記複数の燃料噴射弁及び複数の点火装置の異常を各別に検出することができるようになる。そして、異常の検出された燃料噴射弁あるいは点火装置についてはその対応する噴射指令あるいは点火指令が無効とされるため、異常のある燃料噴射弁あるいは点火装置の駆動が禁止され、好適なフェールセーフが図られるようになる。
また、上記請求項5に記載のエンジン制御装置において、請求項6に記載の発明では、前記監視装置による前記噴射指令あるいは点火指令を無効とする制御を、前記抽出される電流の状態が異常となっている燃料噴射弁あるいは点火装置の駆動時期に対応して同監視装置から前記出力ドライバに対しシャットダウン指令を出力することに基づき行うこととし、前記出力ドライバでは、前記シフトレジスタの各ステージに一時保持されている噴射指令及び点火指令と前記マイクロコンピュータから電気的に並列に入力される噴射指令及び点火指令との論理和条件によって得られる信号と前記シャットダウン指令の論理反転信号との論理積条件に基づいて各対応する燃料噴射弁及び点火装置を駆動することとした。
このような構成によれば、上記出力ドライバとしての駆動信号を出力する上での最終段階である上記論理積条件の1つとして上記シャットダウン指令が入力されるため、同シャットダウン指令を通じて容易、且つ的確に上記燃料噴射弁あるいは点火装置の無効制御が行われるようになる。
また、これら請求項1〜6のいずれかに記載のエンジン制御装置において、請求項7に記載の発明では、前記複数の燃料噴射弁についてその各々の通電状態をモニタする噴射モニタ手段をさらに備えることとし、前記監視装置では、このモニタされる通電状態に基づいて前記燃料噴射弁の状態を併せて監視することとした。
このような構成によれば、上記噴射指令に対する応答として得られる上記噴射モニタ手段からの信号に基づき、上記複数の燃料噴射弁のいずれかに常時通電等の異常が生じた場合であれ、同異常をハードウェア的な面から的確に検出することができるようになる。
また、請求項1〜7のいずれかに記載のエンジン制御装置において、前記監視装置としてはこれを、例えば請求項8に記載の発明によるように、専用ICとして構成することもできるし、あるいは請求項9に記載の発明によるように、補助マイクロコンピュータにより構成することもできる。特に、同監視装置を補助マイクロコンピュータにより構成する場合であれ、前記マイクロコンピュータの異常時には、車載エンジンの回転速度情報に基づき複数の燃料噴射弁及び複数の点火装置に対する噴射指令及び点火指令を時系列的に生成してこれをシリアル通信にて前記出力ドライバに送信する構成とすることで、回路規模の増大を好適に抑制することが可能となる。
以下、本発明にかかるエンジン制御装置の一実施の形態について図1〜図6を参照して説明する。
図1は、本実施の形態のエンジン制御装置についてその電気的な構成を示すものである。この図1に示すように、本実施の形態のエンジン制御装置は、大きくは第1のマイクロコンピュータ10、第2のマイクロコンピュータ(監視装置)20、出力ドライバ30、及び噴射モニタ(噴射モニタ手段)40を備えて構成されている。また、このエンジン制御装置の端子P1には回転速度センサ50が、端子P2には吸気量センサ60が、端子P3にはアクセルセンサ70がそれぞれ接続されている。そして、上記回転速度センサ50及び吸気量センサ60の信号が上記第1のマイクロコンピュータ10及び第2のマイクロコンピュータに入力されるとともに、上記アクセルセンサ70の信号が上記第2のマイクロコンピュータ20に入力されている。また、このエンジン制御装置の端子S1〜S4には、車載エンジンの各気筒#1〜#4に対応して設けられた燃料噴射弁IJ1〜IJ4が、端子S5〜S8には、車載エンジンの各気筒#1〜#4に対応して燃料点火を行う点火プラグやイグナイタ等を備えて構成される点火装置80がそれぞれ接続されている。そして、これら各燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80が、上記端子S1〜S8を介して上記出力ドライバ30にそれぞれ接続されている。
図1は、本実施の形態のエンジン制御装置についてその電気的な構成を示すものである。この図1に示すように、本実施の形態のエンジン制御装置は、大きくは第1のマイクロコンピュータ10、第2のマイクロコンピュータ(監視装置)20、出力ドライバ30、及び噴射モニタ(噴射モニタ手段)40を備えて構成されている。また、このエンジン制御装置の端子P1には回転速度センサ50が、端子P2には吸気量センサ60が、端子P3にはアクセルセンサ70がそれぞれ接続されている。そして、上記回転速度センサ50及び吸気量センサ60の信号が上記第1のマイクロコンピュータ10及び第2のマイクロコンピュータに入力されるとともに、上記アクセルセンサ70の信号が上記第2のマイクロコンピュータ20に入力されている。また、このエンジン制御装置の端子S1〜S4には、車載エンジンの各気筒#1〜#4に対応して設けられた燃料噴射弁IJ1〜IJ4が、端子S5〜S8には、車載エンジンの各気筒#1〜#4に対応して燃料点火を行う点火プラグやイグナイタ等を備えて構成される点火装置80がそれぞれ接続されている。そして、これら各燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80が、上記端子S1〜S8を介して上記出力ドライバ30にそれぞれ接続されている。
次に、上記エンジン制御装置を構成する各要素について説明する。
上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記センサ50及び60等から入力される信号に基づき、各燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80に対応する噴射指令及び点火指令を生成し、この生成した噴射指令及び点火指令を上記出力ドライバ30に出力するものである。この第1のマイクロコンピュータ10は、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80に対応した8本の信号線により上記出力ドライバ30と接続されており、各燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80に対応する上記噴射指令及び点火指令がこれら8本の信号線を介して電気的に並列に出力される。
上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記センサ50及び60等から入力される信号に基づき、各燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80に対応する噴射指令及び点火指令を生成し、この生成した噴射指令及び点火指令を上記出力ドライバ30に出力するものである。この第1のマイクロコンピュータ10は、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80に対応した8本の信号線により上記出力ドライバ30と接続されており、各燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80に対応する上記噴射指令及び点火指令がこれら8本の信号線を介して電気的に並列に出力される。
また、上記第2のマイクロコンピュータ20は、上記第1のマイクロコンピュータ10の補助マイクロコンピュータとして上記アクセルセンサ70等から入力されるアクセル開度情報等に基づいて電子スロットル制御を行うものである。また、この第2のマイクロコンピュータ20は、上記第1のマイクロコンピュータ10から入力されるウォッチドッグ信号の推移に基づいて上記第1のマイクロコンピュータ10の異常を検出する。そして、第1のマイクロコンピュータ10の異常が検出されたとき、この第2のマイクロコンピュータ20は、上記第1のマイクロコンピュータ10を強制リセットして同第1のマイクロコンピュータ10から出力される上記噴射指令及び点火指令を無効制御する。これにより、上記第1のマイクロコンピュータ10による燃料噴射制御及び点火制御が停止されることとなる。なお、この無効制御は車載エンジンの始動スイッチであるイグニションスイッチがオフ操作されるまで継続される。
また、この第2のマイクロコンピュータ20は、上述のようにして異常が検出されてその噴射指令及び点火指令が無効制御される上記第1のマイクロコンピュータ10に代わって、退避走行として燃料噴射制御及び点火制御を行うものである。この第2のマイクロコンピュータ20は、上記センサ50、60及び70から得られる情報に基づいて、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80に対応する噴射指令及び点火指令を時系列的に示す8ビットのシリアル駆動指令を生成し、これをシリアル通信にて上記出力ドライバ30に出力する。なお、この第2のマイクロコンピュータ20から上記出力ドライバ30に対するシリアル駆動指令の送信は、例えば1ms(ミリ秒)毎の周期で行われる。またこのときの通信速度としては、上記シリアル駆動指令の受信時間を考慮する必要があり、上記1msの送信周期に対しては、例えば1Mbps(Mega bit per second:メガビット/秒)の通信速度が採用される。また、上記第1のマイクロコンピュータ10が正常であるときは、上記第2のマイクロコンピュータ20から上記出力ドライバ30へ入力される上記シリアル駆動指令は、その噴射指令及び点火指令の全てが「0」として維持される。
なお、上記第2のマイクロコンピュータ20から上記出力ドライバ30に対しては、上記シリアル駆動指令以外に、上記出力ドライバ30がシリアル駆動指令を受信する際に必要となるクロックや上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80に異常がある場合にその異常のあるものを無効制御して非駆動とするためのシャットダウン指令が出力される。一方、上記出力ドライバ30から上記第2のマイクロコンピュータ20に対しては、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80の駆動状態を示すフェイルステータス信号がシリアル通信にて出力される。なお、上記シャットダウン指令及びフェイルステータス信号については後に詳述する。
また、上記噴射モニタ40は、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4についてその各々の通電状態をモニタするものであり、ダイオード40a〜40d、分圧抵抗41a及び41b、及びコンパレータ42を備えて構成されている。上記コンパレータ42の非反転入力端子には、上記分圧抵抗41a及び41bにより分圧された電圧が入力され、上記コンパレータ42の反転入力端子には、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4の電流経路における電圧がダイオード40a〜40dを介して入力される。これにより、上記コンパレータ42からは上記各燃料噴射弁IJ1〜IJ4の通電若しくは非通電に応じた信号が出力され、このコンパレータ42の出力が入力される上記第2のマイクロコンピュータ20において上記各燃料噴射弁IJ1〜IJ4の常時通電異常等が検出されるようになっている。
図2は、上記出力ドライバ30の電気的な構成を示すものである。この図2に示すように、この出力ドライバ30は、上記第1のマイクロコンピュータ10が出力する上記噴射指令を気筒#1〜#4に対応する端子Q1〜Q4を介して入力するとともに、上記第1のマイクロコンピュータ10が出力する上記点火指令を気筒#1〜#4に対応する端子Q5〜Q8を介して入力する。なお、同図2では、これら端子Q1〜Q8を介して入力される噴射指令及び点火指令の処理回路は全て同じ構成であるため、上記端子Q4を介して入力される噴射指令の処理回路のみを図示し、他は割愛している。そして、上記第1のマイクロコンピュータ10から上記端子Q4を介して入力された噴射指令は、シュミットトリガ回路31に入力されて波形整形された後、OR回路33に入力される。なお、上記シュミットトリガ回路31への入力経路に設けられる定電流源32aは、イニシャル時の位相を確定すべく信号レベルをローレベルに落とすためのものである。
また、上記出力ドライバ30は、上記第2のマイクロコンピュータ20が出力する上記シリアル駆動指令を端子Q9を介して入力する。この端子Q9を介して入力される上記シリアル駆動指令は、フリップフロップ34a〜34hにより構成されるシフトレジスタ34にて受信される。そして、このシフトレジスタ34では、端子Q10を介して上記入力される上記クロックに基づき、受信される噴射指令及び点火指令がフリップフロップ34a〜34hの各ステージに一時保持される。
ここで、上記第2のマイクロコンピュータ20と上記出力ドライバ30との間における上記シリアル駆動指令の授受について図3を併せ参照して説明する。図3(a)に示すように、上記第2のマイクロコンピュータ20では、最下位ビットLSB(Least Significant Bit)側4ビットを気筒#1〜#4の点火指令、最上位ビットMSB(Most Significant Bit)側4ビットを気筒#1〜#4の噴射指令とする8ビットのシリアル駆動指令が生成される。そして、このようにして生成されたシリアル駆動指令が、最上位ビットMSB側から順に送信されるMSBファーストにより上記第2のマイクロコンピュータ20から上記出力ドライバ30に送信される。一方、上記出力ドライバ30では、上記第2のマイクロコンピュータ20から入力される上記クロックに従って、上記シリアル駆動指令が上記各フリップフロップ34a〜34hにてシフトレジストされる。そして、上記シリアル駆動指令のデータシフトが完了すると、図3(b)に示すようなかたちで各フリップフロップ34a〜34hに噴射指令及び点火指令が保持される。なお同図3(a)及び(b)では、気筒#1の噴射指令がオンのときのシリアル駆動指令、及び気筒#1の点火指令がオンのときシリアル駆動指令を例示している。
また、上記出力ドライバ30では、上記フリップフロップ34a〜34hの各ステージへのデータのシフトが完了した後、上記シリアル駆動指令の上記送信周期(例えば1ms)に合わせて、各フリップフロップ34a〜34hに保持される噴射指令及び点火指令が8ビットの信号として一斉に読み出される。なお、図2では、各フリップフロップ34a〜34hから読み出される噴射指令及び点火指令の処理回路は全て同じ構成であるため、気筒#4に対応するフリップフロップ34hから読み出される噴射指令の処理回路についてのみ図示し、他の回路は割愛している。なお、シリアル駆動指令の入力経路に設けられる定電流源32bは、上記定電流源32aと同じく、イニシャル時の位相を確定すべく信号レベルをローレベルに落とすためのものである。
そして、上記フリップフロップ34hから読み出された気筒#4に対応する噴射指令は、同じく気筒#4に対応する上記第1のマイクロコンピュータ10からの噴射指令とともにOR回路33に入力される。これにより、上記第1のマイクロコンピュータ10による気筒#4に対する噴射指令と上記第2のマイクロコンピュータ20による気筒#4に対する噴射指令との論理和条件が上記OR回路33において判断されることとなる。なお上述したように、上記第1のマイクロコンピュータ10の異常が検出されない限り、上記第2のマイクロコンピュータ20の噴射指令及び点火指令は全て「0」に維持されているため、上記第1のマイクロコンピュータ10が正常である場合には、同第1のマイクロコンピュータ10の噴射指令が上記OR回路33の出力としてそのまま反映されることとなる。一方、上記第1のマイクロコンピュータ10の異常時には、上述したように上記第2のマイクロコンピュータ20により上記第1のマイクロコンピュータ10の噴射指令及び点火指令が無効制御されてこれら噴射指令及び点火指令の信号レベルがローレベルとされるため、上記第2のマイクロコンピュータ20の噴射指令及び点火指令が上記OR回路33の出力としてそのまま反映されることとなる。そして、このOR回路33の出力はAND回路35に入力される。
また、上記出力ドライバ30は、上記第2のマイクロコンピュータ20が出力する上記シャットダウン指令を端子Q11を介して入力する。この端子Q11を介して入力されるシャットダウン指令は、燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80の全てをシャットダウンするものであり、上記OR回路33の出力とともにAND回路35に入力されて論理積条件が判断される。なお、上記第2のマイクロコンピュータ20は、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4や点火装置80の異常がない限り、上記シャットダウン指令の信号レベルをハイレベルに維持するため、上記OR回路33の出力が上記AND回路35の出力としてそのまま反映される。一方、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4や点火装置80の異常時、上記第2のマイクロコンピュータ20は、その異常の検出された燃料噴射弁あるいは点火装置の駆動タイミングに合わせて上記シャットダウン指令の信号レベルをローレベルに落とすため、このシャットダウン指令により上記AND回路35の出力が無効とされる。
そして、上記出力ドライバ30では、こうしたAND回路35の出力信号に基づき、上記燃料噴射弁IJ4への通電をオン若しくはオフするスイッチング素子36をオン若しくはオフする。そして、上記AND回路35からハイレベルの信号が出力されて上記スイッチング素子36がオンされたとき、バッテリBから上記燃料噴射弁IJ4に電流が流れて同燃料噴射弁IJ4から気筒#4に燃料が噴射される。なお、他の燃料噴射弁IJ1〜IJ3及び点火装置80も上記燃料噴射弁IJ4と同様にして駆動される。
また、上記出力ドライバ30は、電流検出抵抗37、コンパレータ38、及びシリアルアウト回路39を備えている。上記電流検出抵抗37は上記燃料噴射弁IJ4の電流経路のうち、上記スイッチング素子36の下流側に設けられている。上記コンパレータ38は、上記スイッチング素子36と電流検出抵抗37との間の電圧を所定の電圧V1と比較してその結果を気筒#4噴射状態信号として出力するものであり、上記燃料噴射弁IJ4が通電状態にあるときはローレベルの信号を、上記燃料噴射弁IJ4が非通電状態にあるときはハイレベルの信号を出力する。また、燃料噴射弁IJ1〜IJ3及び点火装置80の通電状態も同様にして、気筒#1〜#3噴射状態信号及び気筒#1〜#4点火状態信号として上記シリアルアウト回路39に入力される。そして、このシリアルアウト回路39は、上記気筒#1〜#4噴射状態信号及び気筒#1〜#4点火状態信号出力に基づき、各燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80の通電状態を時系列的に示す8ビットのフェイルステータス信号を生成し、これを端子Q12を介してシリアル通信により上記第2のマイクロコンピュータ20に転送する。なお、このフェイルステータス信号を図4に示す。この図4に示すように、このフェイルステータス信号は、駆動された燃料噴射弁あるいは点火装置に対応するビットを「1」とするものであり、同図4では、一例として燃料噴射弁IJ4による燃料噴射が実行されたときのものを示す。
これに対し、上記第2のマイクロコンピュータ20では、上記出力ドライバ30から入力される上記フェイルステータス信号に基づき、各燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80の状態を監視する。ここで、上記燃料噴射弁IJ4をオンとする噴射指令を送信したにも関わらず、気筒#4の噴射に対応するビットが「1」のフェイルステータス信号が入力されないとき、上記第2のマイクロコンピュータ20は、上記燃料噴射弁IJ4が異常であると判断する。そして、上記第2のマイクロコンピュータ20は、上記燃料噴射弁IJ4の異常を検出して以降、上記燃料噴射弁IJ4の駆動タイミングに合わせて上記シャットダウン指令の信号レベルを「1」から「0」に落として上記燃料噴射弁IJ4の駆動を無効とする。なお、他の燃料噴射弁IJ1〜IJ3あるいは点火装置80に対しても、上記フェイルステータス信号に基づきこれらの異常を検出し、上記シャットダウン指令による無効制御が実行される。
次に、こうした構成からなるエンジン制御装置において、上記第1のマイクロコンピュータ10により燃料噴射制御及び点火制御が行われる場合、上記第1のマイクロコンピュータ10の異常時、退避走行として上記第2のマイクロコンピュータ20により燃料噴射制御及び点火制御が行われる場合のそれぞれについて説明する。なお、本実施の形態のエンジン制御装置では、気筒#1、#3、#4、#2のサイクルで燃料噴射制御及び点火制御を行うこととしている。
(第1のマイクロコンピュータ10による燃料噴射制御及び点火制御)
上記第1のマイクロコンピュータ10は、回転速度センサ50から入力されるクランク信号の立下がりタイミング毎に割り込みを発生させて回転数の算出やクランク角の現在位置の確認等を行う。この第1のマイクロコンピュータ10では、予めクランク信号のどの位置で噴射あるいは点火を行うかが各気筒#1〜#4ごとにほぼ決まっており、車載エンジンの負荷状態(回転数、吸気量等)に応じた燃料噴射時間や点火時間、及び燃料噴射終了時間や点火終了時間がベースルーチンにより常時算出されている。以下、こうした第1のマイクロコンピュータ10による燃料噴射制御及び点火制御について図5(a)〜(j)に示す各種信号のタイムチャートを用いて説明する。
(イ)まず、気筒#1の噴射を行うにあたって上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記回転速度センサ50から入力されるクランク信号(図5(a))の下、気筒#2の噴射終了タイミングから所定時間経過後のタイミングt11までに、車載エンジンの負荷状態に基づいて燃料噴射時間及び燃料噴射終了タイミングt13を算出する。そして、上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記算出した燃料噴射終了タイミングt13から燃料噴射時間を差し引いて燃料噴射開始タイミングt12を決定する。
(ロ)続いて、上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記燃料噴射開始タイミングt12となると、上記算出した燃料噴射時間が経過するまで上記気筒#1の噴射指令の出力レベルをハイレベルとする。これにより、上記出力ドライバ30を介して上記燃料噴射弁IJ1が図5(b)に示すような通電状態で駆動される。そして、上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記燃料噴射時間の経過後、上記気筒#1の噴射指令の出力レベルをローレベルに落とす。
(ハ)上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記気筒#1の燃料噴射が終了した後、同気筒#1の点火制御を実行する。この点火制御は、上記(イ)、(ロ)に示す燃料噴射制御と同様にして行われる。すなわち、上記回転速度センサ50から入力される上記クランク信号(図5(a))の下、点火時間及び点火終了タイミングを算出し、この点火終了タイミングから点火時間を差し引いて点火開始タイミングt14を決定する。そして、上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記点火開始タイミングt14となると、上記算出した点火時間が経過するまで上記気筒#1の点火指令の出力レベルをハイレベルとする。そして、上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記点火時間の経過後、上記気筒#1の点火指令の出力レベルをローレベルに落とす。これにより、上記第1のマイクロコンピュータ10から上記出力ドライバ30に対して、図5(g)に示す点火指令が出力されて、上記点火装置80により気筒#1における燃料点火が行われる。
上記第1のマイクロコンピュータ10は、回転速度センサ50から入力されるクランク信号の立下がりタイミング毎に割り込みを発生させて回転数の算出やクランク角の現在位置の確認等を行う。この第1のマイクロコンピュータ10では、予めクランク信号のどの位置で噴射あるいは点火を行うかが各気筒#1〜#4ごとにほぼ決まっており、車載エンジンの負荷状態(回転数、吸気量等)に応じた燃料噴射時間や点火時間、及び燃料噴射終了時間や点火終了時間がベースルーチンにより常時算出されている。以下、こうした第1のマイクロコンピュータ10による燃料噴射制御及び点火制御について図5(a)〜(j)に示す各種信号のタイムチャートを用いて説明する。
(イ)まず、気筒#1の噴射を行うにあたって上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記回転速度センサ50から入力されるクランク信号(図5(a))の下、気筒#2の噴射終了タイミングから所定時間経過後のタイミングt11までに、車載エンジンの負荷状態に基づいて燃料噴射時間及び燃料噴射終了タイミングt13を算出する。そして、上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記算出した燃料噴射終了タイミングt13から燃料噴射時間を差し引いて燃料噴射開始タイミングt12を決定する。
(ロ)続いて、上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記燃料噴射開始タイミングt12となると、上記算出した燃料噴射時間が経過するまで上記気筒#1の噴射指令の出力レベルをハイレベルとする。これにより、上記出力ドライバ30を介して上記燃料噴射弁IJ1が図5(b)に示すような通電状態で駆動される。そして、上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記燃料噴射時間の経過後、上記気筒#1の噴射指令の出力レベルをローレベルに落とす。
(ハ)上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記気筒#1の燃料噴射が終了した後、同気筒#1の点火制御を実行する。この点火制御は、上記(イ)、(ロ)に示す燃料噴射制御と同様にして行われる。すなわち、上記回転速度センサ50から入力される上記クランク信号(図5(a))の下、点火時間及び点火終了タイミングを算出し、この点火終了タイミングから点火時間を差し引いて点火開始タイミングt14を決定する。そして、上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記点火開始タイミングt14となると、上記算出した点火時間が経過するまで上記気筒#1の点火指令の出力レベルをハイレベルとする。そして、上記第1のマイクロコンピュータ10は、上記点火時間の経過後、上記気筒#1の点火指令の出力レベルをローレベルに落とす。これにより、上記第1のマイクロコンピュータ10から上記出力ドライバ30に対して、図5(g)に示す点火指令が出力されて、上記点火装置80により気筒#1における燃料点火が行われる。
そして、上記第1のマイクロコンピュータ10では、気筒#3、#4、#2に対しても上記(イ)〜(ハ)と同様にして燃料噴射及び点火が実行される。
すなわち、これら気筒#3、#4、#2の燃料噴射制御では、1つ前の気筒の燃料噴射終了後からタイミングt31、t41、t21までの間において、車載エンジンの負荷状態に基づき気筒#3、#4、#2の燃料噴射時間及び燃料噴射終了タイミングt33、t43、t23が算出される。そして、この燃料噴射終了タイミングt33、t43、t23までの時間から上記算出された燃料噴射時間の分を差し引いた燃料噴射開始タイミングt32、t42、t22が決定される。そして、この燃料噴射開始タイミングt32、t42、t22となると、上記算出された燃料噴射時間が経過するまで上記気筒#3、#4、#2の噴射指令の出力レベルがハイレベルとされる。これにより、上記出力ドライバ30を介して上記燃料噴射弁IJ3、IJ4、IJ2が図5(c)〜(e)に示すような通電状態で駆動される。そして、上記燃料噴射時間の経過後、上記気筒#3、#4、#2の噴射指令の出力レベルがローレベルに落とされる。
すなわち、これら気筒#3、#4、#2の燃料噴射制御では、1つ前の気筒の燃料噴射終了後からタイミングt31、t41、t21までの間において、車載エンジンの負荷状態に基づき気筒#3、#4、#2の燃料噴射時間及び燃料噴射終了タイミングt33、t43、t23が算出される。そして、この燃料噴射終了タイミングt33、t43、t23までの時間から上記算出された燃料噴射時間の分を差し引いた燃料噴射開始タイミングt32、t42、t22が決定される。そして、この燃料噴射開始タイミングt32、t42、t22となると、上記算出された燃料噴射時間が経過するまで上記気筒#3、#4、#2の噴射指令の出力レベルがハイレベルとされる。これにより、上記出力ドライバ30を介して上記燃料噴射弁IJ3、IJ4、IJ2が図5(c)〜(e)に示すような通電状態で駆動される。そして、上記燃料噴射時間の経過後、上記気筒#3、#4、#2の噴射指令の出力レベルがローレベルに落とされる。
一方、上記気筒#3、#4、#2の点火制御においても同様に、点火時間及び点火終了タイミングが算出され、この点火終了タイミングから上記算出した点火時間を差し引いて点火開始タイミングt34、t44、t24が決定される。そして、上記点火開始タイミングt34、t44、t24となると、上記算出した点火時間が経過するまで上記気筒#3、#4、#2の点火指令の出力レベルがハイレベルとされる。そして、上記点火時間の経過後、上記気筒#3、#4、#2の点火指令の出力レベルがローレベルに落とされる。これにより、上記第1のマイクロコンピュータ10から上記出力ドライバ30に対して、図5(h)〜(j)に示す点火指令が出力されて、上記点火装置80により気筒#3、#4、#2における燃料点火が行われる。
なお、上記噴射モニタ40のコンパレータ42から上記第2のマイクロコンピュータ20に対しては、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4の駆動に応じて図5(f)に示す信号が出力される。そして、上記第2のマイクロコンピュータ20では、この信号に基づいて燃料噴射弁IJ1〜IJ4の常時通電などの異常が監視される。
(第2のマイクロコンピュータ20による燃料噴射制御及び点火制御)
上記第2のマイクロコンピュータ20は、回転速度センサ50から入力されるクランク信号の立下がりタイミング毎に割り込みを発生させて回転数の算出やクランク角の現在位置の確認等を行う。この第2のマイクロコンピュータ20では、予めクランク信号のどの位置で噴射あるいは点火を行うかが各気筒#1〜#4ごとにほぼ決まっており、車載エンジンの負荷状態に応じた燃料噴射時間や点火時間、及び燃料噴射終了時間や点火終了時間がベースルーチンにより常時算出されている。以下、こうした第2のマイクロコンピュータ20による燃料噴射制御及び点火制御について図6(a)〜(l)に示す各種信号のタイムチャートを用いて説明する。
(ニ)まず、気筒#1の噴射を行うにあたって上記第2のマイクロコンピュータ20は、上記回転速度センサ50から入力されるクランク信号(図6(a))の下、気筒#2の噴射終了タイミングから所定時間経過後のタイミングt101までに、車載エンジンの負荷状態に基づいて燃料噴射時間及び燃料噴射終了タイミングt103を算出する。そして、上記第2のマイクロコンピュータ20は、上記算出した燃料噴射終了タイミングt103から燃料噴射時間を差し引いて燃料噴射開始タイミングt102を決定する。
(ホ)続いて、上記第2のマイクロコンピュータ20は、上記燃料噴射開始タイミングt102となると、上記算出した燃料噴射時間に応じて、気筒#1に対応するビットが「1」にセットされた噴射指令(図6(b))を含むシリアル駆動指令(図3(a))をシリアル通信により上記出力ドライバ30に送信する。なお、上記第2のマイクロコンピュータ20から上記出力ドライバへ30へのシリアル駆動指令の送信周期が例えば1msであるとして、上記算出された燃料噴射時間が5msのときは、図6(b)に示すように、上記シリアル駆動指令が5回送信されることとなる。これにより、上記出力ドライバ30を介して燃料噴射弁IJ1が図6(c)に示すような通電状態で駆動される。
(ヘ)上記第2のマイクロコンピュータ20は、上記気筒#1の燃料噴射が終了した後、同気筒#1の点火制御を実行する。この点火制御は、上記(ニ)、(ホ)に示す燃料噴射制御と同様にして行われる。すなわち、上記回転速度センサ50から入力される上記クランク信号(図6(a))の下、点火時間及び点火終了タイミングを算出し、この点火終了タイミングから点火時間を差し引いて点火開始タイミングt104を決定する。そして、上記第2のマイクロコンピュータ20は、上記点火開始タイミングt104となると、気筒#1に対応するビットが「1」にセットされた点火指令(図6(h))を含むシリアル駆動指令(図3(a))をシリアル通信により上記出力ドライバ30に送信する。なお、シリアル駆動指令の送信周期が例えば1msであるとして、上記算出された点火時間が3msであるときは、図6(h)に示すように、上記シリアル駆動指令が3回送信されることとなる。そしてこれにより、上記出力ドライバ30のフリップフロップ34aから図6(i)に示す気筒#1の点火信号が出力されて、上記点火装置80により気筒#1における燃料点火が実行される。
上記第2のマイクロコンピュータ20は、回転速度センサ50から入力されるクランク信号の立下がりタイミング毎に割り込みを発生させて回転数の算出やクランク角の現在位置の確認等を行う。この第2のマイクロコンピュータ20では、予めクランク信号のどの位置で噴射あるいは点火を行うかが各気筒#1〜#4ごとにほぼ決まっており、車載エンジンの負荷状態に応じた燃料噴射時間や点火時間、及び燃料噴射終了時間や点火終了時間がベースルーチンにより常時算出されている。以下、こうした第2のマイクロコンピュータ20による燃料噴射制御及び点火制御について図6(a)〜(l)に示す各種信号のタイムチャートを用いて説明する。
(ニ)まず、気筒#1の噴射を行うにあたって上記第2のマイクロコンピュータ20は、上記回転速度センサ50から入力されるクランク信号(図6(a))の下、気筒#2の噴射終了タイミングから所定時間経過後のタイミングt101までに、車載エンジンの負荷状態に基づいて燃料噴射時間及び燃料噴射終了タイミングt103を算出する。そして、上記第2のマイクロコンピュータ20は、上記算出した燃料噴射終了タイミングt103から燃料噴射時間を差し引いて燃料噴射開始タイミングt102を決定する。
(ホ)続いて、上記第2のマイクロコンピュータ20は、上記燃料噴射開始タイミングt102となると、上記算出した燃料噴射時間に応じて、気筒#1に対応するビットが「1」にセットされた噴射指令(図6(b))を含むシリアル駆動指令(図3(a))をシリアル通信により上記出力ドライバ30に送信する。なお、上記第2のマイクロコンピュータ20から上記出力ドライバへ30へのシリアル駆動指令の送信周期が例えば1msであるとして、上記算出された燃料噴射時間が5msのときは、図6(b)に示すように、上記シリアル駆動指令が5回送信されることとなる。これにより、上記出力ドライバ30を介して燃料噴射弁IJ1が図6(c)に示すような通電状態で駆動される。
(ヘ)上記第2のマイクロコンピュータ20は、上記気筒#1の燃料噴射が終了した後、同気筒#1の点火制御を実行する。この点火制御は、上記(ニ)、(ホ)に示す燃料噴射制御と同様にして行われる。すなわち、上記回転速度センサ50から入力される上記クランク信号(図6(a))の下、点火時間及び点火終了タイミングを算出し、この点火終了タイミングから点火時間を差し引いて点火開始タイミングt104を決定する。そして、上記第2のマイクロコンピュータ20は、上記点火開始タイミングt104となると、気筒#1に対応するビットが「1」にセットされた点火指令(図6(h))を含むシリアル駆動指令(図3(a))をシリアル通信により上記出力ドライバ30に送信する。なお、シリアル駆動指令の送信周期が例えば1msであるとして、上記算出された点火時間が3msであるときは、図6(h)に示すように、上記シリアル駆動指令が3回送信されることとなる。そしてこれにより、上記出力ドライバ30のフリップフロップ34aから図6(i)に示す気筒#1の点火信号が出力されて、上記点火装置80により気筒#1における燃料点火が実行される。
そして、上記第2のマイクロコンピュータ20では、気筒#3、#4、#2に対しても上記(ニ)〜(ヘ)と同様にして燃料噴射及び点火が実行される。
すなわち、これら気筒#3、#4、#2の燃料噴射制御では、1つ前の気筒の燃料噴射終了後からタイミングt301、t401、t201までの間において、車載エンジンの負荷状態に基づき気筒#3、#4、#2の燃料噴射時間及び燃料噴射終了タイミングt303、t403、t203が算出される。そして、この燃料噴射終了タイミングt303、t403、t203までの時間から上記算出された燃料噴射時間の分を差し引いた燃料噴射開始タイミングt302、t402、t202が決定される。そして、この燃料噴射開始タイミングt302、t402、t202となると、気筒#3、#4、#2に対応するビットが「1」にセットされた噴射指令(図6(b))を含むシリアル駆動指令(図3(a))が、上記算出された燃料噴射時間(例えば5ms)に応じた分だけシリアル通信により上記出力ドライバ30に送信される。これにより、上記出力ドライバ30を介して燃料噴射弁IJ3、IJ4、IJ2が図6(d)〜(f)に示すような通電状態で駆動される。
すなわち、これら気筒#3、#4、#2の燃料噴射制御では、1つ前の気筒の燃料噴射終了後からタイミングt301、t401、t201までの間において、車載エンジンの負荷状態に基づき気筒#3、#4、#2の燃料噴射時間及び燃料噴射終了タイミングt303、t403、t203が算出される。そして、この燃料噴射終了タイミングt303、t403、t203までの時間から上記算出された燃料噴射時間の分を差し引いた燃料噴射開始タイミングt302、t402、t202が決定される。そして、この燃料噴射開始タイミングt302、t402、t202となると、気筒#3、#4、#2に対応するビットが「1」にセットされた噴射指令(図6(b))を含むシリアル駆動指令(図3(a))が、上記算出された燃料噴射時間(例えば5ms)に応じた分だけシリアル通信により上記出力ドライバ30に送信される。これにより、上記出力ドライバ30を介して燃料噴射弁IJ3、IJ4、IJ2が図6(d)〜(f)に示すような通電状態で駆動される。
一方、上記気筒#3、#4、#2の点火制御においても同様に、点火時間及び点火終了タイミングが算出され、この点火終了タイミングから上記算出した点火時間を差し引いて点火開始タイミングt304、t404、t204が決定される。そして、この点火開始タイミングt304、t404、t204となると、気筒#3、#4、#2に対応するビットが「1」にセットされた点火指令(図6(h))を含むシリアル駆動指令(図3(a))がシリアル通信により上記出力ドライバ30に送信される。そしてこれにより、上記出力ドライバ30のフリップフロップ34b〜34dから図6(j)〜(l)に示す気筒#3、#4、#2に対応する点火信号が出力されて、上記点火装置80により気筒#3、#4、#2における燃料点火が実行される。
なお、上記噴射モニタ40のコンパレータ42から上記第2のマイクロコンピュータ20に対しては、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4の駆動に応じて図6(g)に示す信号が出力される。そして、上記第2のマイクロコンピュータ20では、この信号に基づいて燃料噴射弁IJ1〜IJ4の常時通電などの異常が監視される。
以上説明した実施の形態によれば、以下に列記する効果が得られるようになる。
(1)上記第1のマイクロコンピュータ10の異常時、上記第2のマイクロコンピュータ20が上記各燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80に対する噴射指令及び点火指令を時系列的に生成してこれをシリアル通信により上記出力ドライバ30に出力することとした。このため、この時系列的に生成される噴射指令及び点火指令によって、上記点火装置80はもとより、各燃料噴射弁IJ1〜IJ4をも各別に制御することができるようになる。このため、回路規模やコストの増大を招くことのない簡易な構成でありながらも、退避走行時の燃料噴射制御を上記第1のマイクロコンピュータ10の正常時に近いかたちで実現することができ、円滑な退避走行が可能となる。
(1)上記第1のマイクロコンピュータ10の異常時、上記第2のマイクロコンピュータ20が上記各燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80に対する噴射指令及び点火指令を時系列的に生成してこれをシリアル通信により上記出力ドライバ30に出力することとした。このため、この時系列的に生成される噴射指令及び点火指令によって、上記点火装置80はもとより、各燃料噴射弁IJ1〜IJ4をも各別に制御することができるようになる。このため、回路規模やコストの増大を招くことのない簡易な構成でありながらも、退避走行時の燃料噴射制御を上記第1のマイクロコンピュータ10の正常時に近いかたちで実現することができ、円滑な退避走行が可能となる。
(2)上記第1のマイクロコンピュータ10の異常が検出された後は、上記第2のマイクロコンピュータ20が同第1のマイクロコンピュータ10から発せられる噴射指令及び点火指令についての無効制御をイグニッションスイッチがオフ操作されるまで継続することとした。このため、上記第1のマイクロコンピュータ10の異常が検出されたとき、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80の駆動制御の主体として、上記第1のマイクロコンピュータ10から第2のマイクロコンピュータ20への切り替えが円滑且つ、的確に行われるようになる。また、上記第1のマイクロコンピュータ10と第2のマイクロコンピュータ20との間で制御ハンチングが生じるようなこともなくなる。
(3)上記第2のマイクロコンピュータ20が、退避走行時においても上記吸気量センサ60やアクセルセンサ70から入力される吸気量情報やアクセル開度情報を加味して噴射指令を生成することとした。このため、退避走行にありながらも、車載エンジンの実際の吸入空気量やアクセル開度に応じて燃料噴射量が制御されるようになるため、その都度必要とされるトルクも含め、上記第1のマイクロコンピュータ10の正常時により近いかたちで車両の退避走行が実現されるようになる。
(4)上記第2のマイクロコンピュータ20が、上記フェイルステータス信号に基づき異常の検出された燃料噴射弁あるいは点火装置の駆動時期に対応して上記シャットダウン指令を出力することとした。これにより、異常の検出された燃料噴射弁あるいは点火装置についてはその対応する噴射指令あるいは点火指令が無効とされるため、異常のある燃料噴射弁あるいは点火装置の駆動が禁止され、好適なフェールセーフが図られるようになる。
(5)上記出力ドライバ30として、上記シフトレジスタ34の各ステージに一時保持されている噴射指令及び点火指令と上記第1のマイクロコンピュータ10から電気的に並列に入力される噴射指令及び点火指令との論理和条件(OR回路33)によって得られる信号と上記シャットダウン指令の論理反転信号との論理積条件(AND回路35)に基づいて、各対応する燃料噴射弁及び点火装置を駆動するものを採用した。これにより、上記出力ドライバ30としての駆動信号を出力する上での最終段階である上記論理積条件の1つとして上記シャットダウン指令が入力されるため、同シャットダウン指令を通じて容易、且つ的確に、異常のある燃料噴射弁あるいは点火装置の無効制御が行われるようになる。
(6)上記第2のマイクロコンピュータ20が、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4の通電状態をモニタする噴射モニタ40を通じて上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4の状態を監視することとした。このため、上記噴射指令に対する応答として得られる上記噴射モニタ40からの信号に基づき、上記複数の燃料噴射弁IJ1〜IJ4のいずれかに常時通電等の異常が生じた場合であれ、同異常をハードウェア的な面から的確に検出することができるようになる。
なお、上記実施の形態は以下のように変更して実施することもできる。
・上記実施の形態では、上記第2のマイクロコンピュータ20が上記第1のマイクロコンピュータ10を監視してその異常時には同第1のマイクロコンピュータ10に代わって燃料噴射制御及び点火制御を行うことで退避走行を実現することとした。これに代えて、上記第2のマイクロコンピュータ20と同等の機能をカスタムLSI化した監視専用のICを用いて退避走行を実現するようにしてもよい。この場合、例えば図7に示すように、エンジン制御全般を担うマイクロコンピュータ100と、退避走行制御部200aを有する監視IC200とを備える構成とする。そして、上記監視IC200が上記マイクロコンピュータ100の異常を監視し、その異常時には上記退避走行制御部200aが上記実施の形態と同様にして燃料噴射制御及び点火制御を行う。これにより、上記実施の形態と同様、円滑な退避走行が実現される。また、このように監視専用のICを用いる場合において、アクセル開度に応じて燃料噴射量を変更する場合には、例えば図8に示す回路を搭載した監視IC200を採用することで可能となる。すなわち、同図8に示すように、上記アクセルセンサ70の信号電圧と分圧抵抗202及び203により分圧される所定の電圧V2とをコンパレータ201により比較して、上記アクセルセンサ70の信号電圧が上記分圧電圧より大きいときには燃料噴射量を増加する。なお、吸入空気量に応じて燃料噴射量を変更する場合も同様の構成にて実現することができる。また、このように監視専用のICを用いる場合、上記回転速度センサ50から入力されるクランク信号に応じて燃料噴射量を変更することも可能であり、例えば、高回転時には上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4の開弁時間を短くして噴射量を調整する。
・上記実施の形態では、上記第2のマイクロコンピュータ20が上記第1のマイクロコンピュータ10を監視してその異常時には同第1のマイクロコンピュータ10に代わって燃料噴射制御及び点火制御を行うことで退避走行を実現することとした。これに代えて、上記第2のマイクロコンピュータ20と同等の機能をカスタムLSI化した監視専用のICを用いて退避走行を実現するようにしてもよい。この場合、例えば図7に示すように、エンジン制御全般を担うマイクロコンピュータ100と、退避走行制御部200aを有する監視IC200とを備える構成とする。そして、上記監視IC200が上記マイクロコンピュータ100の異常を監視し、その異常時には上記退避走行制御部200aが上記実施の形態と同様にして燃料噴射制御及び点火制御を行う。これにより、上記実施の形態と同様、円滑な退避走行が実現される。また、このように監視専用のICを用いる場合において、アクセル開度に応じて燃料噴射量を変更する場合には、例えば図8に示す回路を搭載した監視IC200を採用することで可能となる。すなわち、同図8に示すように、上記アクセルセンサ70の信号電圧と分圧抵抗202及び203により分圧される所定の電圧V2とをコンパレータ201により比較して、上記アクセルセンサ70の信号電圧が上記分圧電圧より大きいときには燃料噴射量を増加する。なお、吸入空気量に応じて燃料噴射量を変更する場合も同様の構成にて実現することができる。また、このように監視専用のICを用いる場合、上記回転速度センサ50から入力されるクランク信号に応じて燃料噴射量を変更することも可能であり、例えば、高回転時には上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4の開弁時間を短くして噴射量を調整する。
・上記実施の形態では、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4の常時通電等の異常をハードウェア的な面から検出すべく、噴射モニタ40を備える構成について示したが、この噴射モニタ40を省略する構成であってもよい。この場合であれ、上記第2のマイクロコンピュータ20は上記出力ドライバ30から入力されるフェイルステータス信号に基づき上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4の異常を検出することは可能である。また、上記噴射モニタ40をこうした燃料噴射弁IJ1〜IJ4の異常検出に用いるだけでなく、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4の開弁時間をモニタするために用い、このモニタされる開弁時間に基づいてその都度の燃料噴射量を併せて監視するようにしてもよい。
・また、逆に上記フェイルステータス信号を省略する構成であってもよい。この場合であれ、上記噴射モニタ40と同じものを点火装置80側にも設けることにより、上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80の異常を検出することは可能である。
・上記実施の形態では、異常の検出された燃料噴射弁あるいは点火装置の駆動タイミングに合わせてシャットダウン指令を出力することにより、該異常の検出された燃料噴射弁あるいは点火装置の無効制御を行うこととした。これに代えて、単に上記第2のマイクロコンピュータ20が異常の検出された燃料噴射弁あるいは点火装置に対応する噴射指令あるいは点火指令を送信しないことで、無効制御を実行してもよい。
・上記実施の形態では、上記第1のマイクロコンピュータ10の異常をウォッチドッグ信号を通じて検出することとしたが、上記第1のマイクロコンピュータ10の異常検出についてはウォッチドッグ信号以外の他の手段を通じて検出するようにしてもよい。
・上記実施の形態では、上述のようにフリップフロップ34a〜34hにより構成されるシフトレジスタ34等を備える出力ドライバ30について示したが、他の構成からなる出力ドライバを採用することもできる。要は、上記第2のマイクロコンピュータ20から入力される噴射指令及び点火指令をシフトレジストするシフトレジスタを備え、このシフトレジスタの各ステージに一時保持されている噴射指令及び点火指令と上記第1のマイクロコンピュータ10から電気的に並列に入力される噴射指令及び点火指令との論理和条件に基づいて上記燃料噴射弁IJ1〜IJ4及び点火装置80を駆動するものであれば他のものを採用することができる。
10…第1のマイクロコンピュータ、20…第2のマイクロコンピュータ、30…出力ドライバ、31…シュミットトリガ回路、32a、32b…定電流源、33…OR回路、34…シフトレジスタ、34a〜34h…フリップフロップ、35…AND回路、36…スイッチング素子、37…電流検出抵抗、38…コンパレータ、39…シリアルアウト回路、40…噴射モニタ、40a〜40d…ダイオード、41a、41b…分圧抵抗、42…コンパレータ、50…回転速度センサ、60…吸気量センサ、70…アクセルセンサ、80…点火装置、100…マイクロコンピュータ、200…監視IC、200a…退避走行制御部、201…コンパレータ、202、203…分圧抵抗、IJ1〜IJ4…燃料噴射弁、P1〜P3、S1〜S8、Q1〜Q12…端子。
Claims (9)
- 車載エンジンの回転速度情報及び吸気量情報に基づいて当該エンジンの複数の燃料噴射弁及び複数の点火装置に対する噴射指令及び点火指令を生成するマイクロコンピュータと、この生成された噴射指令及び点火指令に基づいて前記複数の燃料噴射弁及び複数の点火装置を駆動する出力ドライバと、前記マイクロコンピュータの動作の異常の有無を監視する監視装置とを備えるエンジン制御装置において、
前記監視装置は、前記マイクロコンピュータの異常時、該マイクロコンピュータを強制リセットしてマイクロコンピュータから発せられる前記噴射指令及び点火指令を無効制御するとともに、前記車載エンジンの回転速度情報に基づき前記複数の燃料噴射弁及び複数の点火装置に対する噴射指令及び点火指令を時系列的に生成してこれをシリアル通信にて前記出力ドライバに送信し、前記出力ドライバは、前記監視装置から噴射指令及び点火指令がシリアル通信にて受信される都度これをシフトレジストするシフトレジスタを備え、このシフトレジスタの各ステージに一時保持されている噴射指令及び点火指令と前記マイクロコンピュータから電気的に並列に入力される噴射指令及び点火指令との論理和条件に基づいて前記複数の燃料噴射弁及び複数の点火装置を駆動する
ことを特徴とするエンジン制御装置。 - 前記監視装置は、前記マイクロコンピュータから出力されるウォッチドッグ信号の推移に基づいて同マイクロコンピュータの動作の異常の有無を監視し、ひとたび前記マイクロコンピュータの異常を検出した後は、同マイクロコンピュータから発せられる前記噴射指令及び点火指令についての無効制御をイグニッションスイッチがオフ操作されるまで継続する
請求項1に記載のエンジン制御装置。 - 前記監視装置は、前記車載エンジンのアクセル開度情報を併せて取り込み、該取り込んだアクセル開度情報を加味して前記噴射指令の生成を行う
請求項1または2に記載のエンジン制御装置。 - 前記監視装置は、前記車載エンジンの吸気量情報を併せて取り込み、該取り込んだ吸気量情報を加味して前記噴射指令の生成を行う
請求項1〜3のいずれか一項に記載のエンジン制御装置。 - 前記出力ドライバは、前記複数の燃料噴射弁及び複数の点火装置の各々についてその駆動に伴う電流を抽出する手段と、それら抽出される電流の状態をシリアル信号として時系列的に前記監視装置に転送する手段とをさらに備え、前記監視装置は、前記転送されるシリアル信号に基づき、前記抽出される電流の状態が異常となっている燃料噴射弁あるいは点火装置についてはその対応する噴射指令あるいは点火指令を無効とする制御を併せて実行する
請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジン制御装置。 - 前記監視装置による前記噴射指令あるいは点火指令を無効とする制御は、前記抽出される電流の状態が異常となっている燃料噴射弁あるいは点火装置の駆動時期に対応して同監視装置から前記出力ドライバに対しシャットダウン指令が出力されることに基づき行われるものであり、前記出力ドライバは、前記シフトレジスタの各ステージに一時保持されている噴射指令及び点火指令と前記マイクロコンピュータから電気的に並列に入力される噴射指令及び点火指令との論理和条件によって得られる信号と前記シャットダウン指令の論理反転信号との論理積条件に基づいて各対応する燃料噴射弁及び点火装置を駆動する
請求項5に記載のエンジン制御装置。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載のエンジン制御装置において、
前記複数の燃料噴射弁についてその各々の通電状態をモニタする噴射モニタ手段をさらに備え、前記監視装置は、このモニタされる通電状態に基づいて前記燃料噴射弁の状態を併せて監視する
ことを特徴とするエンジン制御装置。 - 前記監視装置が専用ICからなる
請求項1〜7のいずれか一項に記載のエンジン制御装置。 - 前記監視装置が補助マイクロコンピュータからなる
請求項1〜7のいずれか一項に記載のエンジン制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005156159A JP2006329129A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | エンジン制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005156159A JP2006329129A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | エンジン制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006329129A true JP2006329129A (ja) | 2006-12-07 |
Family
ID=37551066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005156159A Pending JP2006329129A (ja) | 2005-05-27 | 2005-05-27 | エンジン制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006329129A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009035181A1 (de) | 2009-03-26 | 2010-10-07 | Mitsubishi Electric Corporation | Motorsteuervorrichtung |
WO2010119731A1 (ja) * | 2009-04-14 | 2010-10-21 | ヤンマー株式会社 | 電子制御式エンジン |
JP2011032948A (ja) * | 2009-08-03 | 2011-02-17 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 内燃機関制御装置 |
CN103670876A (zh) * | 2012-09-10 | 2014-03-26 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 发动机气缸停用时控制发动机点火序列以减少振动的***和方法 |
WO2014080722A1 (ja) * | 2012-11-26 | 2014-05-30 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 制御装置 |
JP2016186309A (ja) * | 2016-05-19 | 2016-10-27 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 制御装置 |
-
2005
- 2005-05-27 JP JP2005156159A patent/JP2006329129A/ja active Pending
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102009035181A1 (de) | 2009-03-26 | 2010-10-07 | Mitsubishi Electric Corporation | Motorsteuervorrichtung |
US8412444B2 (en) | 2009-03-26 | 2013-04-02 | Mitsubishi Electric Corporation | Engine control apparatus |
DE102009035181B4 (de) * | 2009-03-26 | 2016-06-09 | Mitsubishi Electric Corporation | Motorsteuervorrichtung |
WO2010119731A1 (ja) * | 2009-04-14 | 2010-10-21 | ヤンマー株式会社 | 電子制御式エンジン |
JP2011032948A (ja) * | 2009-08-03 | 2011-02-17 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 内燃機関制御装置 |
CN103670876A (zh) * | 2012-09-10 | 2014-03-26 | 通用汽车环球科技运作有限责任公司 | 发动机气缸停用时控制发动机点火序列以减少振动的***和方法 |
JP2014105590A (ja) * | 2012-11-26 | 2014-06-09 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 制御装置 |
CN104797802A (zh) * | 2012-11-26 | 2015-07-22 | 日立汽车***株式会社 | 控制装置 |
WO2014080722A1 (ja) * | 2012-11-26 | 2014-05-30 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 制御装置 |
US9719481B2 (en) | 2012-11-26 | 2017-08-01 | Hitachi Automotive Systems, Ltd. | Control device |
CN108104967A (zh) * | 2012-11-26 | 2018-06-01 | 日立汽车***株式会社 | 车载控制装置 |
US10197037B2 (en) | 2012-11-26 | 2019-02-05 | Hitachi Automotive Systems, Ltd. | Control device |
CN108104967B (zh) * | 2012-11-26 | 2020-12-01 | 日立汽车***株式会社 | 车载控制装置 |
JP2016186309A (ja) * | 2016-05-19 | 2016-10-27 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 制御装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4573884B2 (ja) | 車載電子制御装置の電源異常検出回路 | |
JP2006329129A (ja) | エンジン制御装置 | |
US7912600B2 (en) | In-vehicle electronic control apparatus having monitoring control circuit | |
US20060247835A1 (en) | Electric control unit | |
JP2009166549A (ja) | 車両用電子制御装置 | |
JP2006226135A (ja) | マニホルド圧力センサの故障診断方法および装置 | |
US9129067B2 (en) | Position detector | |
KR20090048488A (ko) | 드라이브 시스템 및 정역학 드라이브를 모니터하기 위한 방법 | |
US7305283B2 (en) | On-vehicle electronic control device | |
CN112740121B (zh) | 用于车辆的控制架构 | |
CN109923011A (zh) | 开关电路及其故障检测方法以及控制装置 | |
JP2013025570A (ja) | 電子制御ユニット | |
US8164214B2 (en) | Vehicle control apparatus having function for preventing erroneous operation due to delay in activation of other vehicle control apparatus | |
JP3883842B2 (ja) | 車両用電子制御装置 | |
JP2002106447A (ja) | スタータ保護装置 | |
CN110872998A (zh) | 用于验证cvvd位置学习结果的方法以及用于验证cvvd位置学习结果的cvvd*** | |
JP3952562B2 (ja) | グロープラグの断線検出システム | |
US10323600B2 (en) | Method for diagnosing failure of power stage of electronic waste gate actuator | |
US20170022922A1 (en) | Method for shutting down an electrically controlled component of a vehicle in a case of error of a processing unit controlling the component | |
JPH10252539A (ja) | 燃料噴射装置の故障診断方法及びその装置 | |
JP2005201248A (ja) | 誘導型電気アクチュエータ用の動作装置 | |
JP2003158782A (ja) | 制御装置および電子制御システムでの自己診断方法 | |
JP2001152882A (ja) | 内燃機関の電磁駆動バルブの異常診断装置 | |
JP2880364B2 (ja) | 自動車用エンジン制御装置 | |
KR100715105B1 (ko) | 전자식 쓰로틀 제어 시스템에서 가속 페달 센서 접촉 저항진단 방법 |