JP2006328625A - パンツ - Google Patents

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桂子 吉田
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Abstract

【課題】腰脇から背中にかけての‘浮き’の発生のみではなく、腹部へのくい込みを防止して腹部の迫り出しを抑止でき、穿き心地や装着感の改善、及びファッション性をも高めることが可能なパンツを提供する。
【解決手段】本発明によるパンツ、特にジーンズパンツは、前身頃及び後身頃を有する胴部の上部開口縁に、平面視において直状又は略直状の帯体で形成された前身ベルト部、及び、平面視において弧状又は略弧状の帯体で形成された後身ベルト部を有するベルトが設けられたものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、パンツ又はスラックスに関する。より詳しくは、本発明は、デニム地又はジーンズからなるジーンズパンツに関し、なかでも女性用(レディース)のジーンズパンツに特に好適なものである。
種々あるパンツやスラックスのなかでも、デニム地又はジーンズからなるジーンズパンツは、世代を問わず広く普及しており、カジュアルウェアとしての必須アイテムの一つである。また、単にカジュアルウェアとして定番なだけではなく、多様な形態を有して種々のファッションシーンを彩るアイテムとしても定着しており、長い歴史の中で、手軽さ、堅牢さ、穿き心地の良さ・気軽さといった特徴だけでなく、殊に最近では、それらと同時に高いファッション性も切望されている。
特に、女性用(レディース)のジーンズパンツに対しては、男性用(メンズ)のジーンズパンツに対するよりも、ジーンズパンツを穿いた状態で身体のシルエットをより美しくみせたいとか、体型をより良く見せて印象をよくしたいとか、更には、体型の歪みを矯正してその効果を持続したいといった、審美性及びファッション性に優れたものへの要求が非常に高まっている。
このような女性特有の趣向は、本来的には、女性と男性の美意識の相違に因るものであり潜在的なニーズであったとも考えられるが、ジーンズパンツに対するそのような要求がこれまでも常に顕在化していたとか、供給元である製造者がそのことを意識していたかと言うと甚だ疑問である。却って、そのような要求の高まりは、ワードローブを充実されるファッションアイテムとしてのジーンズパンツに対する女性の感性、意識、或いは嗜好性の変化の顕れ又は多様化に応じたものであって、男性用にはない、女性用のジーンズパンツへの進化の欲求が、近時、急激に高まってきたことを表したものと言える。
しかし、これまでの技術の延長線上で単にデザインに工夫を凝らしたり、素材を改良したりといった方策では、かかる女性消費者の高度な要請に十分に応えることはできない。
例えば、特に女性は、身体のウェスト部分やいわゆる腰まわりと言われる部分の穿き心地や見た目を気にかける傾向にあり、ウェスト部分にあたるパンツのベルトの形状や形態によって装着者の感触が異なるとともに、ウェスト部分のみならず全体的なシルエットにも影響が及ぶ。
これに対し、一般に、パンツやスラックスの上部開口部つまり腰ベルトには、いわゆるストレートベルトやカーブベルトが採用されている。ストレートベルトとは、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているような直線状に延びた帯体であり、言い換えると、長辺の両方(両縁)の長さが同等のものである。このストレートベルトを用いたパンツを着用すると、通常、人の身体は、ヒップ(臀部)よりも後身の背中にかけての部位の方が細い(くびれている)ので、パンツの後身と着用者の腰の部位に隙間ができてしまう。一概に言えないが、この傾向は、男性よりも女性の方が顕著であろう。
ここで、図5乃至図7は、それぞれ、ストレートベルトが設けられた従来のパンツを着用した状態を示す正面図、側面図、及び背面図である。図示のごとく、ストレートベルト101を備えるジーンズパンツ100の場合、腰脇H1から背中H2にかけてストレートベルト101と身体Sとの間に間隙Kが生じ易いことがわかる(ベルトに隠れた背中のラインを点線で示す。)。このような間隙Kは‘浮き’と呼ばれ、穿き心地、装着感(フィット感)、更には腰及び臀部周りの視認感(見た目の印象)が悪くなってしまう。また、図6に示すように背中に‘浮き’が生じると、着用者がしゃがんだ際に下着が露呈し易くなってしまう。特に、股丈が比較的短いようなパンツ、例えばローライズのジーンズパンツの場合、それが顕著である。
そこで、そのような‘浮き’を防止する方策の一つとして、従来、特許文献3に記載されているようなカーブベルトを胴回りの全周に設けたパンツが広く普及している。カーブベルトとは、弧状に延びた帯体であり、言い換えると、長辺の一方(パンツを穿いたときの上縁)の長さが他方(下縁)の長さよりも短いものである。
特開2002−275709号公報 特開2000−160410号公報 特開2001−226854号公報
ここで、図8は、カーブベルトが設けられた従来のパンツを着用した状態を示す側面図である。図示のごとく、カーブベルト102を備えるジーンズパンツ200の場合、カーブベルト102の上縁の周長が下縁の周長より短いことにより、ベルトが全周にわたって内側(身体側)に傾斜した錐状面が形成されるので、ジーンズパンツ200が身体の腰まわりに密着して上述したような‘浮き’の発生が防止される。
ところが、カーブベルトは、前身においても内側(身体側)へ傾斜するように装着されるので、ベルトが腹部H3へくい込み易くなる。これは人の身体の構造上、避けられない現象であるが、こうなると、腹部H3が圧迫されて苦しくなり穿き心地が悪化してしまう。また、それだけでなく、着用者の体型によっては、腹部H3が押さえられてはみ出てしまい、前身や脇身の視認感(見た目の印象)が悪化してしまうことがある。
これに対し、上記の如く、従来はパンツの後身の‘浮き’を防止することを大きな目的としてベルト部分の改良がなされてきており、それが言わば当該事業分野の常識となっていて、こうした腹部への圧迫や前身部分の見た目の印象の悪さを積極的に改善しようとする動向はこれまで見られなかった。
また、近時、ローライズと呼ばれる股上の浅いパンツ、特に、ローライズジーンズパンツのようなデニム地やジーンズ生地でできたローライズパンツが消費者(やはり特に女性の消費者)に強く支持され、多種多様なものが製造・販売されるに至っている。
しかし、かかるローライズパンツにカーブベルトを採用すると、股上がより深い普通のパンツに比べて、パンツの腰位置が下がるので、ベルトの前身の部分が腹部に食い込むように密着することにより、腹部がベルトの上に乗り上げたような或いは覆いかぶさるようにはみ出した状態になり易い。すなわち、腹部がパンツにきれいに収まらなくなり、見た目の印象ひいてはファッション性が更に悪化してしまう。このことは、着用者、特に、上述したように男性よりも見た目の印象やシルエットを気にする女性にとってみれば、憚れる由々しき問題であり、更なる改善が切望されている。
そのための方策として、例えばベルトの寸法形状を工夫したり、ストレッチ素材の生地を用いてかかる不都合を緩和したりすることも考えられるが、人体の構造上、大きな改善効果は得られず、また、そもそも、パンツの質感や全体形状が変わってしまうので、穿き心地、シルエットや見た目の印象が変わってしまい、消費者、特に女性の上記ニーズに合致しないものとなってしまう。
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、身体に着用したときに、腰脇から背中にかけての‘浮き’の発生のみならず、腹部へのくい込みを防止でき、これらにより、素材の質感を変えることなく、しかも、股上の浅いパンツであっても、穿き心地や装着感の改善、及びファッション性を高めることができるパンツ、特に女性用のジーンズパンツとして好適なパンツを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によるパンツは、人体の構造に合った構成を達成でき、殊に最近の人の体型の変化にも対応できるように鋭意検討がなされた結果実現されたものである。すなわち、本発明によるパンツは、身頃開口縁に帯状を成すベルトが設けられたものであって、ベルトは、前身のうち少なくとも一部が、平面視において直状又は略直状に延在する第1のベルト部で形成され、後身のうち身体背面中心を跨ぐ部位の少なくとも一部が、平面視において弧状又は略弧状に延在する第2のベルト部で形成されたものである。
換言すれば、本発明によるパンツは、ベルトのうち前身頃の上縁に設けられた部位の一部又は全部が、平面視において略直状に延在する帯体(第1のベルト部)で形成されており、且つ、後身頃の上縁に設けられた部位のうち身体の中心線を跨ぐ部位、すなわち、背中の中心(背骨位置)を横切る部位の少なくとも一部が、平面視において弧状又は略弧状に延在する帯体(第2のベルト部)で形成されたものである。
或いは、本発明によるパンツは、身頃開口縁に帯状を成すベルトを備えるものであって、ベルトは、当該パンツが身体に着用され該着用者が起立静止した状態において、着用者の腹部に向かって内側に傾斜しないように上方に向かって略真っ直ぐに設けられた第1のベルト部を有する前身と、着用者の臀部から背中へのラインに沿って上方に向かって内側へ傾斜するように設けられた第2のベルト部を有する後身とを有するものである。
なお、本発明のパンツにおける前後は、パンツを着用した(穿いた)ときの「前後」を示す。また、「平面視」とは、ベルトを平面に展開したもの(平面展開図)を上面から見た状態をいう。さらに、ベルトは、一体に構成されていてもよく、或いは、例えば、前身部分と後身部分とを別体の部材で構成して縫着等によって一体化してもよい。
このように構成されたパンツでは、ベルトの前身に設けられた第1のベルト部が直状又は略直状を成す帯体で形成されているので、ベルトの前身部分が全体としてストレートベルトと同等の機能を発現し得る。また、ベルトの後身に設けられた第2のベルト部が弧状又は略弧状を成す帯体を含むので、ベルトの後身部分が全体としてカーブベルトと同等の機能を発現し得る。
ここで、服飾分野のいわゆる当業者の常識からすれば、経済性の観点から、生地の利用率を高めて無駄を省くためには、一つの生地からより多くの部材片を裁断することが望まれ、ストレートベルトならそれのみ、カーブベルトとならそれのみを切り取るのが通常である。この点に鑑みると、形状の異なるストレートベルトとカーブベルトを混在して裁断するようなことは、従来では、型紙を作成する設計段階において、通常は排除されるものであった。これに対し、本発明のパンツは、かかる常識的事項に反したものであるとも言える。
また、本発明によるパンツは、前身と後身との間(すなわち脇身)に接ぎが設けられたものであると好ましい。具体的には、例えば前身を第1のベルト部で構成し、かつ、後身を第2のベルト部で構成し、両者を側身で接ぐようにすると好適である。すなわち、第1のベルト部が前身の全部又は略全部を構成するものであり、第2のベルト部が後身の全部又は略全部を構成するものであるとより好ましい。換言すれば、パンツの基本構造である左右二分された前身部分が、ストレートベルトとして機能する第1のベルト部で形成され、それらの間つまり後身部分が、カーブベルトとして機能する第2のベルト部で形成されると好適である。
通常、パンツは、これも生地からの部材片の取り方の常識として、全体として側身の左右で分けられており、接ぎは後身の中心つまり着用者の背骨にあたる部位に設けられることが多い。これは、従来の型取りが、背中の中心部分を基準にしてきたことと関係する。これに対し、本発明では、第1のベルト部と第2のベルト部とを接ぐことにより、従来とは機能が異なる顕著な作用を奏するパンツを構成することが可能となる。この点においても、本発明のパンツは、従来の常識に反したものであると言える。
また、この場合、ベルトが表地と裏地で構成されており、表地のみに接ぎが設けられ、裏地が一体に形成されて接ぎを有しないものであると、より好ましい。すなわち、裏地に接ぎある場合には、その縫い代の部分が厚くなってしまい、着用者がその縫い代部分の厚さを肌で感じてしまうと、人によっては違和感を生じてしまうことがある。これに対し、裏地が一体に形成されて接ぎがない場合、そのような不都合が解消される。逆に、表地にのみ、身体の側部にあたる脇身に接ぎを設けることにより、デザイン性(意匠性)が高まり、消費者のニーズに一層合ったパンツを実現できる。上述した経済的な成功は、このことも如実に示すものである。
さらに、本発明によるパンツは、デニム地又はジーンズからなる、特に女性用のもの(例えば、女性用のジーンズパンツ)として極めて有用である。
なお、本発明における「デニム地」とは、綾織りの木綿布、又はこれで仕立てられた衣服の生地を示し、「ジーンズ」とは、綾織り又は繻子織りにした先染めの綿織物を示す。
さらに、別の観点に立てば、第1のベルト部は、延在方向における一方縁(つまり長辺の一方)の長さと他方縁(つまり長辺の他方)の長さとが同等又は略同等となるように形成されたものであり、第2のベルト部は、延在方向における一方縁の長さと他方縁の長さとが異なるように形成されたものであると好ましい。
このようにすれば、第1のベルト部及び第2のベルト部が、それぞれストレートベルト、及びカーブベルトとしての機能をより発現し易くなる。
またさらに、第2のベルト部の全部又は略全部が、平面視において弧状又は略弧状に延在する部位から成るとより好ましい。
ここで、ベルトが織物生地から裁断されたものの場合、ベルトの前身とベルトの後身で地の目が同配向となり易く、例えば、従来のストレートベルトの場合には、裁断の方向によっては、図6に示すような地の目M1,M2となり得る。活動時の腹部の圧迫感を緩和すべく、ベルト部の前身部分では、身体Sの横方向(図5における矢印Xの方向)の伸縮性が十分確保されることが望ましいが、図6に示す前身の地の目M1のような場合には、ベルトが伸縮し易い方向つまり緯糸の方向が、矢印X方向に対してやや傾いてしまう。こうなると、パンツの前身の伸縮性を十分に確保することが困難となり、動きが制限されるとか穿き心地が悪化してしまう。
また、従来のカーブベルトでは、例えば生地から弧状に裁断された場合、平面において地の目が一定なので、ベルト状に周回したときに、前身の地の目が所望の配向方向から更にずれてしまい、伸縮性を確保することが一層困難となり易い。
そこで、本発明においては、第1のベルト部及び第2のベルト部が織物であるときに、第1のベルト部の地の目の配向と第2のベルト部の地の目の配向とが異なるものであると、従来のストレートベルと及びカーブベルトで生じ得る上記の不都合を解消し得るので、一層有用である。なお、「地の目の配向」とは、縦糸又は緯糸の方向を示す。
なお、第1のベルト部及び第2のベルト部の地の目の配向をこのような関係にする場合、一つの生地から裁断できる量が少なくなったり、裁断に手間がかかってしまったりといったおそれがあるため、やはり、従来の常識からすれば、かかる本発明を適用することは困難であったと言える。
或いは、第1のベルト部の伸長弾性率が第2のベルト部の伸長弾性率以上であれば、ベルトの前身部分における伸縮性を確保し易くなるので好適である。また、ベルト部の前身部分全体の伸長弾性率が、ベルト部の後身部分全体の伸長弾性率以上であっても好適である。この場合、上述の如く、第1のベルト部の地の目の配向と第2のベルト部の地の目の配向とが異なるものであると更に好ましい。
また、それとは逆に、第1のベルト部の伸長弾性率が第2のベルト部の伸長弾性率未満であっても、或いは、ベルト部の前身部分全体の伸長弾性率が、ベルト部の後身部分全体の伸長弾性率未満であっても、別の観点から好ましい。
すなわち、このように構成すれば、第1のベルト部が第2のベルト部よりも伸縮し難くなり、ベルトの前身が比較的伸びずに腹部を押さえるような状態が保持される。これにより、パンツを穿いているだけで腹部の張り出しを矯正できる言わば体型補正効果を簡便に実現できる。
換言すれば、本発明のパンツに備わるベルトが第1のベルト部と第2のベルト部という複数の要素を有するが故に、それらの伸縮性の大小を適宜調節することにより、腹部に当たる部位の伸縮性を十分に確保して穿き心地を向上させたり、逆に、腹部に当たる部位の伸縮性を制限して、場合によっては実質的に非伸縮性となるようにして体型を補正したりといった異なる機能を所望に発現させることが可能となる。
なお、「伸長弾性率」は、その測定方法が特に制限されるわけではなく、例えば、JIS L1018に規定されるメリヤス生地試験方法の15のA法(定伸長法)に準じて測定することができる。具体的に例示すると、第1のベルト部の長さ10cmの試験片(その幅はパンツに縫着されるものと同じ幅)を、適宜の引張試験機(例えば定速伸長型の引張試験機)の試験片引張用の治具に取り付け、所定の引張速度(例えば30cm/分程度)にて引張試験機を操作し、一定長まで引き伸ばすことを複数回繰り返す。そして、伸びと荷重の相関関係より伸長弾性率を算出する。
同様にして第2のベルト部についても測定を実施する。第2のベルト部は、弧状又は略弧状をなすが、試験片の長さは弧に沿った長さとする。また、引き伸ばし長は、極端に小さいと測定値のばらつきが生じ易いので、例えば30%程度の伸長が好ましい。さらに、伸び方向は、第1のベルト部及び第2のベルト部の生地素材本来の地の目方向ではなく、パンツを着用して起立静止したときの横方向、すなわち後述する図1における矢印Yの方向(図5における矢印Xの方向と同じ)のことである。
本発明のパンツによれば、人体の構造上、ベルトのフィット感が高まり、穿き心地が非常によく、かつ、審美性・装飾性ひいてはファッション性を一層向上させることができる。具体的には、ベルトの前身に直状又は略直状の帯体を含む第1のベルト部を備えるので、腹部へのくい込み及びそれによる腹部の圧迫や迫り出しを抑制できるとともに、これにより、腹部の見た目の印象が格段に改善される。また、ベルトの後身に弧状又は略弧状の帯体を含む第2のベルト部を備えるので、脇身から背中にかけてベルトの‘浮き’を効果的に防止することができる。
さらに言えば、ジーンズパンツの業界は、日本では約50年、アメリカでは約150年の歴史があるが、そのベルトにはストレートベルトを採用することが、生産工程上、常識であり、ウェストへのフィットを想起することは全くなかった。ここで、図9に従来のジーンズパンツの型紙(一部)の一例を示すが、この型紙が示すように、従来は、全ての脇線をある一つの方向(例えば、全て左側か全て右側)に書き、そこを基点として逆方向へ移行・展開していくことが常識であった。すなわち、常に脇線を中心に考え、用尺(必要な生地の使用長さ)を少しでも少なくすること(つまり最も効率の良い用尺を達成すること)が基本であった。
これに反し、本発明は、特に女性向けに、腹部(前身)にはストレートベルトを、背中(後身)の後側にはカーブベルトをというようにベルトを区分することにより、ウェストにこれまでにないフィット感を求めた、従来の常識を超えた提案であり、現在、消費者(特に女性)は、かかる本発明を適用したジーンズパンツを既に着用し、年間ベースで100万着から150万着もの販売実績を挙げ、売り上げに多大な貢献をしている。このことは、本発明が、消費者(特に女性)の敏感な感性にマッチしたものであることを示していると言える。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限られるものではない。
図1、図2、及び図3は、それぞれ、本発明によるパンツの好適な一実施形態の着用状態を模式的に示す正面図、側面図、及び背面図である。ジーンズパンツ1(パンツ)は、特に女性用ジーンズパンツとして優れたものであり、前身頃21及び後身頃22を有する胴部2の上部開口縁(身頃開口縁)にベルト3が設けられたものである。前身頃21は、ファスナー等の開閉具Fによって股上部位が開閉自在に形成されると共に、左右前身から脇身にかけてフロントポケット4,4が設けられている。また、後身頃22の左右臀部位置にはバックポケット5,5が形成されている。
さらに、ベルト3は、前身頃21の左右各上端に二分して配置された前身ベルト部31,31(全体として第1のベルト部)の間に、後身部22の上端に配置された後身ベルト部32(全体として第2のベルト部)がダーツD(接ぎ)を介して縫着され、一体化されたものである。ベルト3は、ボタン等の止定具Bによって前身ベルト部31,31の端部で着脱されるようになっている。また、複数のベルトループ6が、ベルト3の周回方向に所定間隔で配設されている。
なお、各図において、破線はジーンズパンツに一般的に採用されているステッチを模式的に表すものであり、透視した状態を示すものではない。また、図3における一点鎖線は、身体の背面中心(仮想線)を示す(後述する図4において同じ)。
ここで、図4は、ベルト3のみを展開して示す模式平面図である。同図に示すように、前身ベルト部31,31は、所定の幅を有する略矩形状を成す帯体であり、ジーンズパンツ1の胴部2の開口部を画成する上縁31a(一方縁)の延在方向に沿う長さLaが、下縁31b(他方縁)の延在方向に沿う長さLbと略同等とされている。また、後身ベルト部32は、所定の幅を有する略弧状(鎌状、扇周状)を成す帯体であり、上縁32a(一方縁)の延在方向に沿う長さLcが、下縁32b(他方縁)の延在方向に沿う長さLdよりも有意に短くされている。また、後身ベルト部32は、着用時に身体背面中心CLを跨ぐ(横切る)ように配置されている。さらに、前身ベルト部31と後身ベルト32とは、それぞれの地の目J1,J2の配向が異なるように、縫着されている。
このように構成されたジーンズパンツ1によれば、ベルト3の前身ベルト部31が矩形を成し略直状に延在するので、ベルト3の前身全体がストレートベルトの機能を発現する。よって、腹部H3へのくい込みが抑止されるので、腹部H3の圧迫を防止できる。また、これにより、腹部H3がベルト3の上に覆いかぶさるような局所的なはみ出しを防止できるので、前身や脇身がすっきり見え、視認感(見た目の印象)が改善されて審美性・装飾性ひいてはファッション性を向上させることができる。
さらに、ベルト3の後身ベルト部32が弧状を成すので、ベルト3の後身全体がカーブベルトの機能を発現する。よって、腰脇H1から背中H2にかけてベルト3と身体Sとの間に間隙(‘浮き’)が生じてしまうことを防止できる。この効果は、起立した状態よりもしゃがんだ状態で顕著に実感され易く、その際、前身ベルト部31により腹部H3の圧迫が抑止されているので、腹部H3の苦しさも同時に低減される。特に、ジーンズパンツ1がローライズパンツのように股上が浅いものであっても、かかる間隙の発生や腹部H3への圧迫を十分に抑止できる。
すなわち、ベルト3が前身ベルト部31及び後身ベルト部32を備えるので、ジーンズパンツ1を穿いた着用者が起立静止した状態(図1〜3参照)において、ベルト3における後身部分が上方に向かって身体S側へ傾斜するようになって、脇身から背中にかけて身体Sへの密着性が高まる。また、それだけではなく、ベルト3の前身部分は、上方にむかって略直立するようになって、腹部H3ではベルト3が腹部H3にくい込まずかつ腹部H3が前身ベルト部31の上に迫り出さない程度に密着性が高まる。そして、かかるベルトの全周にわたる密着感がしゃがんだ状態でも維持される。
またさらに、ベルト3が、前身ベルト部31,31の間に後身ベルト部32が縫着されたものであるので、従来の如くストレートベルトのみ或いはカーブベルトのみから構成されるベルトに比して、前身において前身頃21と前身ベルト部31とを含む領域の面積を小さくし得る。例えば、ジーンズパンツ1を図5に示す従来のストレートベルト101を備えるジーンズパンツ100と比較すると、ジーンズパンツ1の前身領域R1は、ジーンズパンツ100の前身領域R2よりも小さくされる。よって、シーンズパンツ1の前身部分がコンパクト化され、前身や脇身が一層すっきり見え、視認感がより改善されて審美性・装飾性ひいてはファッション性を更に向上させることができる。
しかも、ダーツDが脇身に設けられているので、通常は後身の中心に接ぎがある従来のものに比して、穿き心地がよく、また、後身の見た目の印象を更に高めることができる。
さらにまた、前身ベルト部31の地の目J1と、後身ベルト部32の地の目J2とが、配向が互いに異なっており、図2に示す如く、前身ベルト部31の地の目J1は、前身ベルト部31の幅方向(図示鉛直方向)と延在方向(図示水平方向)に合致している。よって、身体Sの横方向(図1における矢印Y方向)の伸縮性を十分確保することが可能となる。よって、着用者の動きが制限されることを有効に防止でき、もって穿き心地を更に一層改善できる。
それから、前身ベルト部31の伸長弾性率が後身ベルト部32の伸長弾性率以上となるように構成した場合、ベルト3の前身部分における伸縮性を一層確保し易くなるので好適である。
或いは、その逆に、前身ベルト部31の伸長弾性率が後身ベルト部32の伸長弾性率未満となるようしても好ましい。こうすれば、前身ベルト部31が後身ベルト部32よりも伸縮し難くなり、ベルト3の前身が比較的伸びずに腹部H3を押さえるような状態(ただし上述の如く不都合に圧迫しない状態)が保持される。これにより、パンツ1を着用しているだけで腹部H3の張り出しを矯正でき、身体Sに対する体型補正効果を簡易に得ることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、前身ベルト部31はベルト3の前身部分の一部でもよく、身体Sの腹部H3の正面及びその周囲を前身ベルト部31で形成し、前身部分の残部をカーブベルトで形成してもよい。この場合、後身ベルト部32を前身側へ適度に延長、すなわち、ベルト3における後身ベルト部32の割合を適度に増大させてもよい。また、それとは逆に、前身ベルト部31を後方に適度に延長し、ベルト3における前身ベルト部31の割合を適度に増大させてもよい。
さらに、後身ベルト部32の一部をストレートベルトのように直状に形成してもよいが、全体を弧状に形成することがより好ましい。またさらに、後身ベルト部32における曲率は、後身ベルト部32全体で一定でもよく、部分的に異なっても構わず、上縁32aと下縁32bの曲率は同一でもよく、互いに異なっていてもよい。さらにまた、ベルト3の幅(帯幅)は、ベルト3の全体にわたって同じでもよく、部分的に異なっていても構わない。加えて、ダーツDは設けなくてもよく、その部位を一部切り欠いて(例えば、V字状に切り欠いて)装飾性を高めてもよい。
また、ベルト3を表地と裏地とで構成してもよい。この場合、表地のみを、前身ベルト部31と後身ベルト部32のように別体に型取りしダーツD(接ぎ)を介して縫着するとともに、裏地の前身部分と後身部分を一体に型取りして接ぎを設けず、表地と裏地を縫着すると好適である。つまり、ベルトの表地のみに接ぎが設けられ、裏地が一体に形成されて接ぎを有しないものであると好ましい。さらに、前身ベルト部31及び後身ベルト部32は、織物でなくてもよく、例えば不織布であってもよく、異なる繊維生地を組み合わせて用いても構わない。
本発明によるパンツは、穿き心地、及び装着感(フィット感)を向上でき、さらに、見た目の美しさを向上させてファッション性を高めることができるので、パンツやスラックス全般、及び、それのみならずベルトが設けられた衣料品全般、並びにそれらの製造に広く利用することができ、特に女性用のジーンズパンツ、更に股上の浅い女性用のローライズジーンズパンツに極めて有用である。
本発明によるパンツの好適な一実施形態の着用状態を模式的に示す正面図である。 本発明によるパンツの好適な一実施形態の着用状態を模式的に示す側面図である。 本発明によるパンツの好適な一実施形態の着用状態を模式的に示す背面図である。 ベルト3を展開して示す模式平面図である。 ストレートベルトが設けられた従来のジーンズパンツの着用状態を示す正面図である。 ストレートベルトが設けられた従来のジーンズパンツの着用状態を示す側面図である。 ストレートベルトが設けられた従来のジーンズパンツの着用状態を示す背面図である。 カーブベルトが設けられた従来のパンツを着用した状態を示す側面図である。 従来のジーンズパンツの型紙の一部を示す平面図である。
符号の説明
1…ジーンズパンツ(パンツ)、2…胴部、3…ベルト、4…フロントポケット、5…バックポケット、6…ベルトループ、21…前身頃、22…後身頃、22…後身部、31…前身ベルト部(第1のベルト部)、31a,32a…上縁、31b,32b…下縁、32…後身ベルト部(第2のベルト部)、100,200…ジーンズパンツ、101…ストレートベルト、102…カーブベルト、B…止定具、CL…身体背面中心、D…ダーツ(接ぎ)、F…開閉具、H1…腰脇、H2…背中、H3…腹部、J1,J2,M1,M2…地の目、K…間隙、R1…前身領域、R2…前身領域、S…身体、X,Y…矢印方向。

Claims (10)

  1. 身頃開口縁に帯状を成すベルトが設けられたパンツであって、
    前記ベルトは、前身のうち少なくとも一部が、平面視において直状又は略直状に延在する第1のベルト部で形成され、後身のうち身体背面中心を跨ぐ部位の少なくとも一部が、平面視において弧状又は略弧状に延在する第2のベルト部で形成されたものである、
    パンツ。
  2. 身頃開口縁に帯状を成すベルトを備えるパンツであって、
    前記ベルトは、当該パンツが身体に着用され該着用者が起立静止した状態において、該着用者の腹部に向かって内側に傾斜しないように上方に向かって略真っ直ぐに設けられた第1のベルト部を有する前身と、該着用者の臀部から背中へのラインに沿って上方に向かって内側へ傾斜するように設けられた第2のベルト部を有する後身と、を有するものである、
    パンツ。
  3. 前記前身と前記後身との間に接ぎが設けられたものである、
    請求項1又は2記載のパンツ。
  4. デニム地又はジーンズからなる、
    請求項1〜3のいずれか1項記載のパンツ。
  5. 前記第1のベルト部は、延在方向における一方縁の長さと他方縁の長さとが同等又は略同等となるように形成されたものであり、
    前記第2のベルト部は、延在方向における一方縁の長さと他方縁の長さとが異なるように形成されたものである、
    請求項1〜4のいずれか1項記載のパンツ。
  6. 前記第2のベルト部の全部又は略全部が、平面視において弧状又は略弧状に延在する部位から成る、
    請求項1〜5のいずれか1項記載のパンツ。
  7. 前記第1のベルト部が、前記前身の全部又は略全部を構成するものであり、
    前記第2のベルト部が、前記後身の全部又は略全部を構成するものである、
    請求項1〜6のいずれか1項記載のパンツ。
  8. 前記第1のベルト部及び前記第2のベルト部が織物であるときに、該第1のベルト部の地の目の配向と該第2のベルト部の地の目の配向とが異なるものである、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のパンツ。
  9. 前記第1のベルト部の伸長弾性率が前記第2のベルト部の伸長弾性率以上である、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のパンツ。
  10. 前記第1のベルト部の伸長弾性率が前記第2のベルト部の伸長弾性率未満である、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のパンツ。
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