JP2006327629A - 紙製成形容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 一枚の紙素材を絞り成形して、容器側面が上面開口側に向かって傾斜する容器の一部に段部を設け、その段部を利用して、安定性よくスタッキングをすることができる紙製成形容器を得る。
【解決手段】 底面、側面及びフランジを有し、前記側面には容器外側方向に向かう底面に略平行な段部が設けられており、また、該側面は、垂直に対するテーパー角αを有し、前記段部外縁に形成されたフランジのテーパー角βは、αより小であり、かつ容器の厚さ(紙厚)tと、前記段部とフランジの高さqの関係が、下記式を満たすことを特徴とする紙製成形容器である。
t/sinα−t<q<t/sinα
【選択図】 図1

Description

本発明は、食品等に使用される、一枚の紙素材を絞り成形してなる紙製容器に関する。特に、スタッキング可能な紙製成形容器に関するものである。
食品のパック用等に用いられる樹脂を原料として成形された各種成形容器の中でも、いわゆるトレーを例に挙げれば、発泡ポリスチレンビーズをモウルド成形、または発泡ポリスチレンシートをプレス成形したEPS(発泡スチロール)トレー、その他、PS(ポリスチレン)トレー、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)トレー等が広く用いられている。その他にも主にアルミニウム等の薄い金属をプレス成形したトレーが存在する。発泡プラスチック容器は極めて軽量であり、かつ、剛性が高いという利点を有する。
しかし近年の環境問題、リサイクル問題、省資源を考慮すると、従来の樹脂製、金属製のトレーに代わるものとして、リサイクルが可能で、廃棄された場合の焼却熱も低く、生分解性能を有する、紙パルプを主体原料とした成形容器が求められている。
紙パルプ、もしくは紙パルプを主体とする基材を使用し、三次元構造、例えばトレー状に成形された容器としては、従来、パルプモウルド製の容器が存在する。また、食品等に使用される紙を絞り成形してなる紙製容器も存在し、本出願人からも特許出願されている(後記特許文献1参照)。
こうした紙製絞り成形容器は、雌雄型の間に予め罫線を入れた基材紙を装填し、熱圧でプレス成形したものである。紙基材に、ごく浅くプレス成形を行った、いわゆる紙皿と呼ばれるものがこの範疇に入り、広く簡易皿等として使用されている。
しかるに、この種の紙製成形容器にあっては、容器の一部に突起や段部を設けることで、容器を安定したスタッキングを可能なものにすることが、容器の収納適性や包装時の作業適性、機械適性の向上を期す上で求められている。
安定したスタッキング性とは、容器を積重ねたときに容器同士がぐらつかず、垂直方向に真っ直ぐに、また一定の間隔を保って重なることである。
このスタッキング性は、容器に内容物を充填し、自動的に包装する上で特に重要である。
一般的に、トレー状の容器に自動的に内容物を充填包装する際には、トレー状容器を容器供給装置にスタッキングした状態で装填し、該トレーのフランジ部を装置で把持することによって一枚ずつ取り出し、ラインに供給するものである。このとき、容器が垂直にスタッキングされておらず、フランジが傾いていたり、フランジ同士の間隔が一定でないと、上記の取り出し時に重送(容器が一個ずつ送られずに、かさなって複数送りされる状態)等の把持ミスによるトラブルが発生する。
熱可塑性プラスチック、金属等を素材とする容器は、一般的に形状の自由度が高く、また成形後の形状も安定している。(後記特許文献2及び3参照)。
従って、容器の一部に突起や段部を設けることによって、スタッキング性を付与することは容易である。
しかし、一般に紙は、熱可塑性プラスチック、金属等を素材とするものと比較して延伸性、展延性、伸縮性に乏しいため、一枚の紙素材を絞り成形してなるトレー状容器においては、製造可能な形状に制限がある。
また、成形後の形状も上記熱可塑性プラスチック、金属等の素材のものに比較して不安定であり、スタッキング性の付与が困難であるため、紙製絞り成形容器は、自動充填装置によってトレーに内容物を充填する際の機械適性に問題があり、その用途が制限されるものであった。
特開2002−179044号公報 特開2004−196344号公報 特許第2869683号公報
そこで、本発明は、一枚の紙素材を絞り成形してなる紙製容器において、容器側面が上面開口側に向かって広がる(傾斜する)容器の一部に突起や段部を設け、その突起や段部を利用して、安定性よくスタッキングをすることができる紙製成形容器を得ることが課題である。
本発明者等は、種々研究した結果、一枚の紙素材をプレス成形して得るフランジ付き紙容器であって、その紙容器の厚みと、容器側面のテーパー角と、フランジの高さ等を特定の関係式を満たす形状とすることで、絞り成形が容易で、かつ安定性よくスタッキングができる紙製容器が得られることを見出した。
本発明は、上記課題を解決するために、次のような形状を有する紙製容器を提案するものである。
すなわち本発明の第1は、
一枚の基材紙をプレス成形してなる紙製容器であって、底面、側面及びフランジを有し、前記側面には容器外側方向に向かう底面に略平行な段部が設けられており、また、該側面は、垂直に対するテーパー角αを有し、前記段部外縁に形成されたフランジのテーパー角βは、αより小であり、かつ容器の厚さ(紙厚)tと、前記段部とフランジの高さ(段差)qの関係が、下記式を満たすことを特徴とする紙製成形容器である。
t/sinα−t<q<t/sinα
本発明の第2は、
一枚の基材紙をプレス成形してなる紙製容器であって、底面、側面及びフランジを有し、前記側面には容器外側方向に向かう底面に略平行な下方段部(第1の段部)と上方段部(第2の段部)とが設けられており、前記底面と下方段部(第1の段部)との間の下部側面(第1の側面)は、垂直に対するテーパー角αを有し、また前記上方段部外縁に形成されたフランジとの間の上部側面(第2の側面)は、垂直に対するテーパー角α’を有し、下方段部(第1の段部)と上方段部(第2の段部)間の段差間側面のテーパー角β’はαとα’のいずれよりも小であり、かつ、容器の厚さ(紙厚)tと、下方段部と上方段部の高さ(段差)q’の関係は、下記式を満たすことを特徴とする紙製成形容器である。
t/sinα−t<q’<t/sinα
本発明の第3は、
下方段部と上方段部の高さ(段差)q’、上方段部とフランジの高さ(段差)qの関係が、
q‘<qである、第2発明に記載の紙製成形容器である。
本発明により成形された容器は、スタッキングした際にぐらつかず、垂直方向に真っ直ぐ積み上げることが可能であり、容器のフランジ同士も等間隔に平行となる。したがって、機械適性に優れ、自動充填による包装に特に適するものである。また積上げた上方の容器と下方の容器とが噛合って抜けなくなることがない。更に、スタッキングにより、上方からの荷重を受けても容器形状が変形することがない。
次に図面を用いて本発明の絞り成形容器について、さらに説明する。本発明の容器は、食肉、野菜等の生鮮食料品や納豆、惣菜、弁とう、菓子、めん類などの各種加工食品を収容するのに用いられる他、化粧品、薬品、おもちゃ、電気器具など食料品以外のものを収容することも可能である。
なお、本発明の容器を納豆をパック詰めする容器に使用する場合、容器上部の大きさは一例として10cm×10cm、容器深さは3cm程度である。
<容器の形状について>
本発明の容器は、一枚の基材紙を、一対の凸型と凹型のプレス金型で絞り成形して得られる紙製容器であり、お椀(bowl)のように上に向かって広がるように開口している。そして開口の外縁端部にフランジを備えている。フランジは、その先端縁を上向き又は下向きにカーリング成形したものでもよい。
容器の外形は、平面図で表すと略正方形、長方形、円形、楕円形などである。角形の場合、容器の隅部分(コーナー部)は通常は丸みを帯びている。
図中、1は容器本体であり、2は開口、3はフランジである。また、本発明の容器は、略平坦な底面部4を有し、容器の側面部5は、上方に向かって広がるテーパー形状とされている。テーパー形状でなく、底面部と側面部とが垂直であると、絞り成型が困難であり、また、成型された容器を重ねて積上げることができない。テーパー角度としては、底面から側壁内側にかけて測定した角度で95〜130゜の範囲が好ましく、100〜130°がさらに好ましい。
角度95°以下であると、抜き取りがスムーズにゆかず、130°以上であるとスタッキング時に不安定になりやすい。
本発明の容器は、容器側面部に、底面に略平行な1段乃至2段の段部(ステップ)が設けられている。符号6aと6bは、段部(ステップ)を示す。
図1は容器の側面部に段部を1段設けた例である。この段部は、容器側面部に2段以上設けることも可能であるが、2段を越えて設ける必要はない。何故なら、段部を2段を越えて設けることは成形が難しくなることと、さらに実用上も2段以上設ける必要はないからである。
容器を積重ねたときに、背景技術の欄に説明したように、容器同士がぐらつかず、垂直方向に真っ直ぐ、また、一定の間隔を保って重なることが良好なスタッキング性を付与する条件である。
本発明の容器は、スタッキングしたとき、上下に重なる下の容器の段部外縁に形成されたフランジ3と、上の容器の段部6aと下の容器の側面部5の稜部とが接触し、且つ、段部6より下方の側面部5が互いに接触するので、容器を積重ねたときに、容器同士がぐらつかず、また、積上げた上方の容器と下方の容器とが噛合って抜けなくなることもなく、更にスタッキングにより上方からの荷重を受けても容器形状が変形することがない。同時に、上下に重なる容器は一定の間隔を保って、垂直方向に真っ直ぐ重なることとなる。従ってフランジ3が傾くということはなく、フランジ同士の間隔も一定となり、容器取り出し時の機械適性に優れ、自動充填による包装時に、重送等の把持ミスによるトラブルが発生することはない。
本発明の容器をスタッキングしたときの関係を、基準となる容器の底コーナ部を原点oとし、図1にグラフにより示す。このとき、容器の厚さ(紙厚)をt、上下容器の各底面間の距離をhとする。
グラフ上の点Pのx座標とy座標である(x、y)は、x=htanα、y=hである。
また、容器側面5の垂直に対するテーパー角をα、段部外縁に形成されるフランジ3の高さをq、フランジのテーパー角β<α、h=q+t、とした場合、
y=1/tanα・x
=sinα/cosα・x
である。
h=t/sinα
であるから、
q<h<q+t
h−t<q<h
である。
よって、本発明の第1の容器は、段部とフランジ高さqの関係が下記式を満たすことが特徴である。
t/sinα−t<q<t/sinα
このような関係を満足することによって、スタッキング時に、下の容器のフランジ3と、上の容器の段部6aと側面部5bとがなす稜部が接触すると同時に、側面部5同士が接するため、スタッキングが安定する。
なお、q≦t/sinα−tの場合は、スタッキングした際、段部より先に側面5同士が接触してしまい、段部6aが浮いてスタッキング性向上の効果がない。また、フランジ間の間隔が安定しなかったり、フランジ3が変形しやすい。このような関係を有する容器をスタッキングした状態を図3に示す。
一方、t/sinα≦qの場合、スタッキングした際、下の容器の側面部5bの外縁に形成されたフランジ3と、上の容器の段部6aと側面部5bとの稜部が接触した時点で、側面5aが浮いた状態になる(図4参照)ので、スタッキングが安定しないこととなる。またスタッキングした状態での強度が弱い。また容器の形が歪みやすい。
また、α<βの場合は、スタッキング時に、下の容器のフランジ部と上の容器の段部と側面部の稜部で接触が生じないため、スタッキング性が向上しない。
なお、本発明において、tの好適範囲は、具体的に500μm〜700μmである。500μm未満の場合、成形容器が充分な剛性が得られ場合があり、700μmを越えると成形加工性が劣る場合がある。
次に本発明の別の実施例を説明する。
図2は、容器側面部に段部(ステップ)を2段設けた本発明の第2の実施例である。本例の場合、図1と同一部分については同一の符号を付して示した。すなわち符号1は容器本体であり、2は開口、3はフランジである。また、本発明の容器は、略平坦な底面部4を有し、容器の側面部5は、上方に向かって広がるテーパー形状とされている。符号6aと6bは段部(ステップ)を示している。
本例の場合は、底面4と下方段部(ステップ)6aとの間の下部側面5a、及び上方段部(ステップ)6bとフランジ3との間の上部側面5cは、各々垂直に対するテーパー角α、テーパー角α’を有し、下方段部(ステップ)6aと上方段部(ステップ)6bとの間のステップ間側面部5bのテーパー角はβとする。テーパー角βは、αとα’のいずれよりも小である。
下方段部と上方段部の段差をq’とした場合、容器の厚さtとの関係が下記式を満たすことが特徴である。
t/sinα−t<q’<t/sinα
(但し、h=q’+t、)
図2で示したのは、上記q’と上方段部とフランジの距離qの関係がq‘<qの場合である。この関係にあるとき、スタッキングした容器は、段部同士に加えて、側面部5aと5cの2個所の側面でも接するため、より安定し望ましい。
t/sinα<q’の場合は、スタッキングの際、側面同士が離れて浮いた状態なる(図5参照)ので、スタッキングが安定しないこととなる。またスタッキングした状態での強度が弱い。また容器の形が歪みやすい。
なお、α=β=α’とした場合における、容器をスタッキングした状態を図6に示す。また、α<β とした際の、容器をスタッキングした状態を図7に示す。α<βの場合は、スタッキング時に下の容器の上方段部と、上の容器の下方段部が接触しないので、スタッキング性向上効果が生じない。
本発明における一段ないし二段のステップは、容器の全周に連続的に設けられていてもよいが、容器の形状に応じて少なくとも線対称に位置に2ヶ所設けられていればスタッキング性の向上には、効果を発揮するものである。
例えば4角形の容器の場合は、4ヶ所の角の部分に設けられていることが好ましい。なお、このようなステップ構造を設けることで、スタッキング性のみならず、容器の剛性や形状安定性も向上させることができる。
<容器の素材について>
本発明の上記した形態において、容器に対して実用的に必要な剛性を付与し、曲面部での破断を抑止するためには、絞り成形後の容器壁を構成する素材として低密度で強度の高い成形加工原紙を使用する必要がある。こうした成形加工原紙を得るためには、紙に使用するパルプとしてリグニンを多量に残留させた機械パルプを含有することが好ましい。なお、機械パルプ使用の有無を判定する手段としては、例えばTAPPI T401−os−74記載の方法で機械パルプを検出することが可能である。また、成形加工原紙に使用する紙中の機械パルプ使用量としては5〜100質量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは20〜80質量%での範囲で、最も好ましくは40〜70質量%の範囲である。機械パルプが5質量%以上の場合、成形加工原紙が低密度化させることができるので好ましい。また成形加工原紙に特に伸長性を持たせたい場合には機械パルプ使用量を80質量%以下、好ましくは70質量%以下とすることが好ましい。なお、紙中の機械パルプ使用量は、TAPPI T−401−os−74に記載された手段を用いて規定することができ、具体的には以下の方法をとる。まず、成形加工原紙を水または熱水で再離解する。次に、この再離解したパルプ繊維をスライドグラス上に分散させ、C染色液、Herzberg染色液、Sellegen染色液等のパルプ染色液を滴下してパルプ繊維を染色する。その後、上記スライドを顕微鏡で観察してパルプ繊維の染色性、形態的特徴に基づいて繊維組成を判別する。この時、同時にスライドを規則的に走査しながら、一定面積当たりに存在するパルプ繊維を各種別ごとに計数し、重み係数によって質量百分率に換算する。
前記した絞り成形後の容器壁材の物性を実現するためには、成形加工原紙に使用する紙の米坪が100〜500g/m2、密度が0.4〜0.7g/cm3、破断伸びが1.5%以上であることが好ましい。さらに、密度0.7〜0.9g/cm3である高密度層を少なくとも一層、及び、密度が0.2〜0.6g/cm3の少なくとも一層の低密度層を有することが好ましい。低密度層の密度は、さらに好ましくは0.3〜0.5g/cm3である。
以上の構成にすることにより、前記した米坪が100〜500g/m2、密度が0.4〜0.7g/cm3、破断伸びが1.5%以上である紙が得られる。伸びを1.5%以上にするために、必要であれば、外層に繊維長が長いNBKPを配合し、適切な叩解度まで叩解して使用することが可能である。
成形加工原紙に使用する紙としては、容器の外側となる側の外層を構成する原料パルプとして、該原料パルプを単層で抄紙した場合の破断伸びが3%以上となる原料を使用することがさらに望ましい。(この単層抄紙条件はTAPPI標準法による。)
容器の外側となる側の紙層は、絞り成形時に内側よりも多く延伸されるため、内側よりもさらに強い破断伸びが必要とされるが、このように外側に延伸しやすいパルプ原料を使用することによって、絞り成形における外側の紙層表面のひび割れ、破れを防止し、より深い絞り成形を可能とするものである。なお、成形加工原紙に使用する紙の破断伸びの調整は、前記と同様、繊維長の長いNBKPを配合し、叩解の程度を調節するなどの公知の方法で可能である。
<成形加工原紙の塗工層について>
本発明における成形加工原紙には、必要に応じてその片面、あるいは両面に顔料と接着剤からなる塗工層を設けることができる。前記塗工層に用いられる顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、酸化チタン、プラスチックピグメント等既知のものが任意に使用できる。前記塗工層に用いられる接着剤としては、澱粉、カゼイン、SBRラテックス、ポリビニルアルコールなど既知のものが任意に使用できる。これらの塗工層は単層、あるいは多層に形成することができる。またその塗工量は全体で20〜30g/m2程度が望ましい。また、このような塗工層を設ける場合は、塗工層直下の層は、叩解度を高め、表面をより平滑にしておくことがさらに好ましい。このような塗工層は、公知である各種の塗工装置を適宜用いて塗工することができる。また、このような塗工層の上に、さらに印刷層を設けることが可能である。
<成形方法について>
本発明の紙製成形容器の製造方法としては、成形加工原紙を容器ブランクシートに打ち抜き、必要箇所に罫線を入れ、雄型と雌型よりなるプレス型に該ブランクシートを挟み、加熱、加圧して成形する、いわゆる絞り成形という製造方法をとる。この時、成形加工原紙は、予め調湿し、原紙水分を調節することが必要である。原紙水分は10〜20%の範囲にする必要があり、好ましくは11〜17%、最も好ましくは12〜15%である。ここでいう原紙水分とは、加工原紙中の全パルプ分の絶乾質量に対する、水分の質量%をいう。原紙水分をこの好適範囲とすると、成形加工原紙の可塑化が起こって成形性が向上し、また、成形時の紙層の破壊を低減することができる。この結果、より深さがあり、外観が滑らかで美しく、しかも高い剛性を有した絞り成形容器を得ることができる。原紙水分が10%未満であると成形体に十分な剛性が得られず、また20%を越えると、成形加工原紙にブリスターが発生して原紙の紙層が剥離する、水分量が多くなるため乾燥に時間がかかり生産性が落ちる等の問題が発生し好ましくない。なお、原紙水分の調製方法として、プレス成形直前に原紙に水分を供与する方法や、紙の抄造時において、ドライヤーを出た後に加湿し、水分が維持される状態で輸送・保存する方法などが挙げられる。
次に、ブランクシートから成形容器を製造する工程について説明する。本発明で絞り成形は一対のプレス用金型により行う。一対の加熱プレス用金型とは、凸状で成形品の内容積部に対応する形状の凸型と、凹状で成形品の外形に対応する形状の凹型である。前記一対のプレス用金型は前後または上下方向に少なくとも片方の型が動くことにより成形品をプレスすることができる。
1段の段部を有する本発明の容器をスタッキングしたときの関係を示す半断面図である。 2段の段部を有する本発明の容器をスタッキングしたときのの関係を示す半断面図である。 1段の段部を有する本発明の容器の比較例を示す。 1段の段部を有する本発明の容器の比較例を示す。 2段の段部を有する本発明の容器の比較例を示す。 2段の段部を有する本発明の容器の比較例を示す。 2段の段部を有する本発明の容器の比較例を示す。
符号の説明
1 容器本体
2 開口
3 フランジ
4 底面部
5、5a,5b 側面部
6a、6b 段部

Claims (3)

  1. 一枚の基材紙をプレス成形してなる紙製容器であって、底面、側面及びフランジを有し、前記側面には容器外側方向に向かう底面に略平行な段部が設けられており、また、該側面は、垂直に対するテーパー角αを有し、前記段部外縁に形成されたフランジのテーパー角βは、αより小であり、かつ、容器の厚さ(紙厚)tと、前記段部とフランジの高さqの関係が、下記式を満たすことを特徴とする紙製成形容器。
    t/sinα−t<q<t/sinα
  2. 一枚の基材紙をプレス成形してなる紙製容器であって、底面、側面及びフランジを有し、前記側面には容器外側方向に向かう底面に略平行な下方段部と上方段部とが設けられており、前記底面と下方段部との間の下部側面、及び上方段部とフランジとの間の上部側面は、各々垂直に対するテーパー角α、テーパー角α’を有し、下方段部と上方段部間の段差間側面のテーパー角β’はαとα’のいずれよりも小であり、かつ、容器の厚さ(紙厚)tと、下方段部と上方段部の高さq’の関係は、下記式を満たすことを特徴とする紙製成形容器。
    t/sinα−t<q’<t/sinα
  3. 下方段部と上方段部の高さq’、上方段部とフランジの高さqの関係は、
    q‘<qである、請求項2記載の紙製成形容器。
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