JP2006327065A - インクジェット記録シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 インクジェット印刷において、優れた画像鮮明性と保存性を持ち、且つインクジェット印刷時の搬送性と印字画像の裏抜けに優れたインクジェット記録シートの提供。
【解決手段】 この課題は、支持体上の片面に、顔料とバインダーを主成分とする1層以上のインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層と反対側の支持体裏面に、タルク顔料を含むバック層を設けて、該バック層面と記録面との間でのJIS P 8147:1994に規定される静摩擦係数が0.3〜0.9でありかつ動摩擦係数が0.2〜0.7であり、バック層の絶乾塗工量が5〜25g/m2であることを特徴とするインクジェット記録シートによって解決される。
【選択図】なし
【解決手段】 この課題は、支持体上の片面に、顔料とバインダーを主成分とする1層以上のインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層と反対側の支持体裏面に、タルク顔料を含むバック層を設けて、該バック層面と記録面との間でのJIS P 8147:1994に規定される静摩擦係数が0.3〜0.9でありかつ動摩擦係数が0.2〜0.7であり、バック層の絶乾塗工量が5〜25g/m2であることを特徴とするインクジェット記録シートによって解決される。
【選択図】なし
Description
本発明は、インクを用いて記録するインクジェット記録シートに関するものである。さらに詳しくは、優れた画像鮮明性と保存性を持ち、且つ印刷時の搬送性と画像の裏抜けに優れたインクジェット記録シートを提供することに関するものでる。
インクジェット記録方式は、騒音が少なく、現像や定着等のプロセスを必要とせず、且つ容易にフルカラー記録が行える各種プリンターに利用され、近年急速に普及してきている。特に、コンピューターによって発色画像が形成されることと、記録装置を比較的小型にすることができること、その装置の保守が容易であり、なおかつ駆動音及び記録音の発生が非常に低いという利点によって、近年ファクシミリや各種プリンターの記録方式として利用されている。
更に最近では、インクジェット記録方式の高速化・高精細化などの要求による、インクジェット記録装置の性能向上や用途拡大に伴い、インクジェット記録シートに対してもより高度な特性が求められている。
まず、インクジェット記録シートとしては、画像の印字濃度が高く色調が明るく鮮明であること、インクの吸収が早く印字画像の重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの縦方向や横方向への拡散が必要以上に大きくなく且つ周辺が滑らかであることなど、画像鮮明性に優れていることが要求される。
また、保存性に関して、高湿度条件下などや、印字画像部が水に侵された場合にもインクが流れ出さないように、印字画像の耐水性に優れていることが要求される。
このような要求を満たすために、いわゆるコート紙タイプは、支持体である紙の上に、シリカなどの顔料を主体とするインク受理層を設けて、画像鮮明性などを向上させている。また、インク受理層にカチオン性高分子染料定着剤を含有することによって、印字画像の耐水性を向上させている。
インクジェット記録シートにおいては、平均粒子径が数十nm〜十数μm程度の合成非晶質シリカを主成分とした、数μmから数十μm厚さのインク吸収層を基材上に形成させることで、より大きなインク吸収容量と鮮やかな発色性を実現した、いわゆるインクジェット記録媒体が主流となっている。
しかし、上記のような平均粒子径を持つ合成非晶質シリカを用いたインクジェット記録媒体は、その記録層の表面の摩擦係数が大きく、プリンターに給紙される際に重送トラブルを発生しやすい。
このインクジェット記録媒体(インクジェット記録用シートも含む)における搬送性を解決する方法としては、記録面の反対面に適当量の滑剤を塗工してシートの表面と裏面の間の摩擦係数を下げる方法が従来提案されており、滑剤の種類としては、高級脂肪酸塩(例えば、特許文献1参照)、あるいはポリエチレンエマルジョン(例えば、特許文献2参照)が挙げられる。
また、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を用いたインクジェット記録用紙において、摩擦係数が低すぎてインクジェット記録用紙がスリップし給排紙が出来なくなるという搬送トラブルを防ぐために、インクジェット記録用紙の表面にロジンエステルエマルジョンを塗布して静摩擦係数を一定以上の値に保つ方法も提案されており、類似技術として挙げられる(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、インクジェット記録用紙の特性によって、いまだに給紙の際におけるピックアップ不良があり、重送や斜行、紙つまりなどの搬送性が十分ではないという問題がある。表面に印字した画像の裏抜けやコックリング(インクジェット記録用紙の波打ち)に対しても問題がある。
しかしながら、インクジェット記録用紙の特性によって、いまだに給紙の際におけるピックアップ不良があり、重送や斜行、紙つまりなどの搬送性が十分ではないという問題がある。表面に印字した画像の裏抜けやコックリング(インクジェット記録用紙の波打ち)に対しても問題がある。
インクジェット記録層表面の摩擦係数をコントロールする方法としては、記録層に特定の粒子径を有する有機球状粒子を含有せしめる方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、有機球状粒子は多孔質ではないためインクジェットインクの吸収性を有さず、大きな効果を得ようとして添加量を増やすほどインクジェット適性が悪化する上、塗工層からの脱落が問題となる恐れがある。
従って本発明の課題は、インクジェット印刷において、優れた画像鮮明性と保存性を持ち、且つインクジェット印刷時の搬送性と印字画像の裏抜けに優れたインクジェット記録シートを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明のインクジェト記録シートを発明するに至った。
即ち、本発明は、支持体上の片面に、顔料とバインダーを主成分とする1層以上のインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層と反対側の支持体裏面に、タルク顔料を含むバック層を設けて、該バック層面と記録面との間でJIS P 8147:1994「紙及び板紙の摩擦係数試験方法」に規定される静摩擦係数が0.3〜0.9でありかつ動摩擦係数が0.2〜0.7であり、バック層の絶乾塗工量が5〜25g/m2であることを特徴とするインクジェット記録シートであることを要旨とする。
本発明を実施することによって、優れた画像鮮明性と保存性を持ち、且つ印刷時の搬送性と印字画像の裏抜けに優れたインクジェット記録シートを提供することが可能となる。
上記の通り構成されたインクジェット記録シートは、インク受理層の反対面に、タルク顔料を含むバック層を設けることで、インクジェット記録シートの不透明度が高まり、インクがインクジェット記録シートの裏面に到達しにくくなり、印字した画像の裏抜けやコックリングが無くなる。さらに、バック層面と記録面との間でJIS P 8147:1994に規定される静摩擦係数が0.3〜0.9であるかまたは動摩擦係数が0.2〜0.7であることで、インクジェット記録シートの重送がなく、搬送性が良好となる。加えて、バック層の絶乾塗工量が5〜25g/m2であることで、コックリングおよび裏抜け、さらにはバック層の表面強度が更に良好となる。
バック層はタルク顔料を含み、更に一般塗工に用いられる別の顔料も含むことができる。タルクは滑石とも言われるように、滑りやすい特性を有する。一般にタルクは滑石を微粉砕したもので、粒子径1〜15μmが好ましく、さらに好ましくは、2〜12μmである。粒子径が1μmより小さいと、バインダー量を多く必要であり、塗工層の粉落ちの問題がある。粒子径が15μmより大きいと、塗工面の平滑性が低く、触感が劣るという問題がある。なお、顔料の平均粒子径は光散乱法またはレーザー回折法で測定されるが、ここでは顔料粒子を水に分散させた懸濁液状態でレーザー回折法を用いて測定している。一般塗工に用いることのできる上述の別の顔料にはカオリン、クレー、コロイダルシリカ、アルミナ、クレー焼成、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等、一般塗工紙分野で公知公用の各種顔料等がある。別の顔料としてはカオリンおよびクレーを用いるのが有利である。
バック層の顔料として、例えばタルクに対してカオリンおよび/またはクレーを適宜配合することで、バック層面と記録面との間の静摩擦係数及び動摩擦係数を調整可能である。JIS P 8147:1994に規定される静摩擦係数が0.3〜0.9であるか、または動摩擦係数が0.2〜0.7であることが好ましく、さらに好ましくは、静摩擦係数が0.4〜0.8でありかつ動摩擦係数が0.3〜0.5である。静摩擦係数が0.3より低いか、または動摩擦係数が0.2より低いと、インクジェット記録シートが滑りすぎてシートの揃えが悪く扱いにくいという問題がある。静摩擦係数が0.9より高いか、または動摩擦係数0.7より高いと、インクジェット記録シートの重送があり、搬送性が劣るという問題がある。
バック層の絶乾塗工量が5〜25g/m2であることが好ましく、さらに好ましくは、10〜20g/m2である。バック層の絶乾塗工量が5g/m2より低いと、印字画像の裏抜けが劣るという問題がある。25g/m2より大きいと、印字画像の裏抜けは良好であるが、塗工層の強度が劣るという問題がある。
バック層のバインダーには、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系共重合体ラテックス類、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系ラテックス類の一般に塗工紙に使用できるバインダーが挙げられ、これらを単独あるいは適宜組み合わせて使用してもよい。
バック層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、硬化剤等を適宜配合することもできる。
本発明におけるインク受理層の顔料には、充分なインク吸収性を得ることができれば、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、カオリン、クレー焼成、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等、一般塗工紙分野で公知公用の各種顔料を用いることができる。さらに好ましくは、インク吸収性に優れた合成非晶質シリカを用いることである。
本発明におけるインク受理層の顔料は、粒子径3〜16μmである合成非晶質シリカを主体とすることが好ましい。さらに好ましくは、粒子径6〜12μmである合成非晶質シリカを主体とすることである。粒子径が3μmより小さいと、インク吸収性が劣り、画像の鮮明性が劣る問題がある。粒子径が16μmより大きいと、インク吸収性は良いものの、ドットの形状が粗いために、滲みが劣り、画像の鮮明性を低下させるという問題がある。片面の絶乾塗工量が3〜25g/m2であることが好ましく、さらに好ましくは5〜20g/m2である。絶乾塗工量が3g/m2より少ないと、インク吸収容量の不足によってインクの溢れ、滲み、発色ムラ等を生じる。絶乾塗工量が25g/m2より多いと、記録層の強度が低下し、また過剰なインク吸収容量によって印字部のドット径が小さくなりすぎるために印字濃度を低下させてしまう問題がある。インク受理層上に、コロイダルシリカやアルミナ等の無機微粒子を主体とする光沢発現層を設けることもできる。
インク受理層のバインダーとして、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系共重合体ラテックス類、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系ラテックス類の一般に塗工紙に使用できるバインダーが挙げられ、これらを単独あるいは適宜組み合わせて使用してもよい。好ましくは、インク吸収性が良好で、画像の鮮明性に優れるポリビニルアルコールである。更に、受理層には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、硬化剤等を適宜配合することもできる。好ましくは、保存性向上の観点から、インクの定着性に優れたカチオン性の染料定着剤を用いることである。
特に、水性インクの染料分である水溶性直接染料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基などと不溶な塩を形成する第二アミン、第三アミン、第四アンモニウム塩からなるカチオン性染料定着剤を配合すると、インク受理層にて染料が捕獲されるために、色彩性の向上や不溶な塩の形成によって水の滴下や高湿度条件下によるインクの流れ出しや滲み出しを抑制するので好ましい。例えば、アクリルカチオンポリマーと第二アミンポリマー、アミンエピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドポリマー、アルキルアミン四級化物、ジシアンジアミド等が挙げられる。
インク受理層とバック層等の形成は、各層を形成する成分を適当な溶媒中に分散させて調液した塗工液を、各種公知の塗工または含浸する方法を用いてよい。例えば、各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、カーテンコータ等の各種装置のマシンで用いることができる。
セルロースパルプを主体とする支持体である紙は、特に限定するものではないが、使用される内添サイズ剤及び外添サイズ剤はとして、中性ロジンサイズ剤またはAKD、アルケニル無水コハク酸(ASA)、強化ロジンサイズ剤など各種公知のものが使用できる。サイズ剤を紙に内添及び外添する方法は、サイズ剤の種類によって適宜選択されて良い。
抄紙機としては、丸網式、長網式いずれでも可能である。表面サイズ剤の処理は、サイズプレス、ゲートロール、メタリングサイズプレス、エアーナイフコータ、ロッドコーターブレードコータなどいずれも可能である。
填料の歩留り向上剤、見た目の白さを向上させるための着色顔料や染料、蛍光染料などを使用できる。この歩留り向上剤として、例えば、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、カチオン化でんぷんなどを挙げることができる。さらに必要に応じて、抄紙工程における原料の発泡を防ぐために、消泡剤や抑泡剤を添加することも可能である。また、インクジェット記録シートの生産性及び保存安定性などを考慮して、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、界面活性剤、湿潤剤、保水剤、防腐剤などを添加してもよい。
(実施例)
(実施例)
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また実施例に於いて示す「部」及び「%」は特に明示しない限り絶乾の質量部及び絶乾の質量%を示す。
〔支持体の形成方法〕
広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)からなるパルプスラリー中の絶乾パルプ100%に対し、炭酸カルシウム(タマパールTP−121:奥多摩工業社製)5%、カチオン化でん粉(ケート308:日本NSC社製)0.8%、中性ロジンサイズ剤(サイズパインNT−85:荒川化学工業社製)0.4%の配合で調成し、坪量105g/m2の原紙を抄造し、支持体とする。
〔インク受理層の形成方法〕
平均粒子径9.5μmのシリカ(サイロジェットP−409:グレースジャパン社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ社製)30部、染料定着剤(SR−1001:住友化学工業社製)15部と水を混合し、固形分15%の塗工液とする。該インク受理層の塗工液を絶乾塗工量10g/m2となるように、前記支持体上に塗工して、インク受理層を形成する。
〔バック層の形成方法〕
平均粒子径7.7μmのタルク(LMS−100:富士タルク工業社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ社製)30部と水を混合し、固形分35%の塗工液とする。該バック層の塗工液を絶乾塗工量15g/m2となるように、インク受理層と反対側となる前記支持体の裏面に塗工して、バック層を形成する。
〔インクジェット記録シートの作成〕
支持体、インク受理層およびバック層を順次、前記の形成方法によって形成して行き、インクジェット記録シートを得た。
広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)からなるパルプスラリー中の絶乾パルプ100%に対し、炭酸カルシウム(タマパールTP−121:奥多摩工業社製)5%、カチオン化でん粉(ケート308:日本NSC社製)0.8%、中性ロジンサイズ剤(サイズパインNT−85:荒川化学工業社製)0.4%の配合で調成し、坪量105g/m2の原紙を抄造し、支持体とする。
〔インク受理層の形成方法〕
平均粒子径9.5μmのシリカ(サイロジェットP−409:グレースジャパン社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ社製)30部、染料定着剤(SR−1001:住友化学工業社製)15部と水を混合し、固形分15%の塗工液とする。該インク受理層の塗工液を絶乾塗工量10g/m2となるように、前記支持体上に塗工して、インク受理層を形成する。
〔バック層の形成方法〕
平均粒子径7.7μmのタルク(LMS−100:富士タルク工業社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA−117:クラレ社製)30部と水を混合し、固形分35%の塗工液とする。該バック層の塗工液を絶乾塗工量15g/m2となるように、インク受理層と反対側となる前記支持体の裏面に塗工して、バック層を形成する。
〔インクジェット記録シートの作成〕
支持体、インク受理層およびバック層を順次、前記の形成方法によって形成して行き、インクジェット記録シートを得た。
実施例1において、バック層の絶乾塗工量を10g/m2としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、バック層の絶乾塗工量を20g/m2としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、バック層の顔料を平均粒子径7.7μmのタルク(LMS−100:富士タルク工業社製)50部と平均粒子径3.3μmのカオリン(CAPIM−NP:イメリス ミネラルズ・ジャパン社製)50部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、バック層の顔料を平均粒子径7.7μmのタルク(LMS−100:富士タルク工業社製)90部と平均粒子径9.5μmのシリカ(サイロジェットP−409:グレースジャパン社製)10部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、インク受理層の絶乾塗工量を5g/m2としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、インク受理層の絶乾塗工量を18g/m2としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、バック層の顔料を平均粒子径9.5μmのシリカ(サイロジェットP−409:グレースジャパン社製)100部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、バック層の顔料を平均粒子径2.8μmのカオリン(アンシレックス93:エンゲルハード社製)100部としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、バック層の塗工液を水のみとし、この水を塗工したこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、バック層の絶乾塗工量を1g/m2としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、バック層の絶乾塗工量を30g/m2としたこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、インク受理層の絶乾塗工量を2g/m2とし、且つバック層の塗工液を水のみとし、この水を塗工したこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
実施例1において、インク受理層の絶乾塗工量を30g/m2とし、且つバック層の塗工液を水のみとし、この水を塗工したこと以外は実施例1と同じ方法でインクジェット記録シートを得た。
このようにして得られたインクジェット記録シートにおいて、画像鮮明性、滲み、表面強度、印字画像の裏抜け、コックリング、搬送性、静摩擦係数、動摩擦係数をそれぞれ下記の方法で評価し、表1及び表2に示した。インクジェットプリンターは、キヤノン社製PIXUS950i機を用いた。
「画像鮮明性」:
PIXUS950iで印字して、印字画像の鮮明性を目視評価した。
◎:印字画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしている。
○:印字画像が鮮明でコントラストがある。
△:印字画像が鮮明であるがコントラストがあまりはっきりしなく、やや白ボケ気味で あり、実用に耐えない。
×:印字画像が鮮明でなく、白ボケ気味であり、実用に耐えない。
PIXUS950iで印字して、印字画像の鮮明性を目視評価した。
◎:印字画像が非常に鮮明でコントラストがはっきりしている。
○:印字画像が鮮明でコントラストがある。
△:印字画像が鮮明であるがコントラストがあまりはっきりしなく、やや白ボケ気味で あり、実用に耐えない。
×:印字画像が鮮明でなく、白ボケ気味であり、実用に耐えない。
「滲み」:
PIXUS950iで印字して、印字の滲みを目視評価した。
◎:混色印字部の滲みがほとんどなく、非常に明瞭に文字が読み取れる。
○:混色印字部の滲みが少なく、明瞭に文字が読み取れる。
△:混色印字部の滲みがややあり、少し文字が読み取りにくく、実用に耐えない。
×:混色印字部の滲みがあり、文字が読み取りにくく、実用に耐えない。
PIXUS950iで印字して、印字の滲みを目視評価した。
◎:混色印字部の滲みがほとんどなく、非常に明瞭に文字が読み取れる。
○:混色印字部の滲みが少なく、明瞭に文字が読み取れる。
△:混色印字部の滲みがややあり、少し文字が読み取りにくく、実用に耐えない。
×:混色印字部の滲みがあり、文字が読み取りにくく、実用に耐えない。
「表面強度」:
塗工面を指で擦り、粉落ちを評価した。
◎:塗工面の粉落ちがなく、指にも付着せず非常に良好である。
○:塗工面の粉落ちが少なく、指にもあまり付着せず良好である。
△:塗工面の粉落ちがややあり、指に少し付着していて、実用に耐えない。
×:塗工面の粉落ちが多くあり、指にも付着していて、実用に耐えない。
塗工面を指で擦り、粉落ちを評価した。
◎:塗工面の粉落ちがなく、指にも付着せず非常に良好である。
○:塗工面の粉落ちが少なく、指にもあまり付着せず良好である。
△:塗工面の粉落ちがややあり、指に少し付着していて、実用に耐えない。
×:塗工面の粉落ちが多くあり、指にも付着していて、実用に耐えない。
「耐水性」:
ベタ印字部を水に5秒間浸し、濾紙でふき取り、インクの流れ出しを評価した。
◎:インクの流れ出しがなく、非常に耐水性が良好である。
○:インクの流れ出しが目立たず、耐水性が良好である。
△:インクの流れ出しが二次色で生ずるなど、耐水性がやや悪く、実用に耐えない。
×:インクの流れ出しが全般に生じ、耐水性が非常に悪く、実用に耐えない。
ベタ印字部を水に5秒間浸し、濾紙でふき取り、インクの流れ出しを評価した。
◎:インクの流れ出しがなく、非常に耐水性が良好である。
○:インクの流れ出しが目立たず、耐水性が良好である。
△:インクの流れ出しが二次色で生ずるなど、耐水性がやや悪く、実用に耐えない。
×:インクの流れ出しが全般に生じ、耐水性が非常に悪く、実用に耐えない。
「印字画像の裏抜け」:
PIXUS950iで印字して、インクジェット記録シート裏面から、インクの裏抜け度合いを評価した。
◎:インクの裏抜けがなく、非常に印字画像の裏抜けが良好である。
○:インクの裏抜けが目立たず、印字画像の裏抜けが良好である。
△:インクの裏抜けが二次色で生ずるなど、印字画像の裏抜けがやや悪く、実用に耐え ない。
×:インクの裏抜けが全般に生じ、印字画像の裏抜けが非常に悪く、実用に耐えない。
PIXUS950iで印字して、インクジェット記録シート裏面から、インクの裏抜け度合いを評価した。
◎:インクの裏抜けがなく、非常に印字画像の裏抜けが良好である。
○:インクの裏抜けが目立たず、印字画像の裏抜けが良好である。
△:インクの裏抜けが二次色で生ずるなど、印字画像の裏抜けがやや悪く、実用に耐え ない。
×:インクの裏抜けが全般に生じ、印字画像の裏抜けが非常に悪く、実用に耐えない。
「コックリング」:
PIXUS950iで印字して、インクジェット記録シートの波打ち度合いを評価した。
◎:インクジェット記録シートの波打ちがなく、非常にコックリングが良好である。
○:インクジェット記録シートの波打ちが目立たず、コックリングが良好である。
△:インクジェット記録シートの波打ちが二次色で生ずるなど、コックリングがやや悪 く、実用に耐えない。
×:インクジェット記録シートの波打ちが全般に生じ、コックリングが非常に悪く、実 用に耐えない。
PIXUS950iで印字して、インクジェット記録シートの波打ち度合いを評価した。
◎:インクジェット記録シートの波打ちがなく、非常にコックリングが良好である。
○:インクジェット記録シートの波打ちが目立たず、コックリングが良好である。
△:インクジェット記録シートの波打ちが二次色で生ずるなど、コックリングがやや悪 く、実用に耐えない。
×:インクジェット記録シートの波打ちが全般に生じ、コックリングが非常に悪く、実 用に耐えない。
「搬送性」:
インクジェット記録シートが、重送などがなく、スムーズに搬送されるかを評価した。
◎:重送がほとんどなく(100枚当り重送0〜1枚)、非常にスムーズに搬送され る。
○:重送は少しあるが(100枚当り重送2〜4枚)、スムーズに搬送される。
△:重送が多少あり(100枚当り重送5〜9枚)、あまりスムーズに搬送されず、実 用に耐えない。
×:重送が多く(100枚当り重送10枚以上)、スムーズに搬送されず、実用に耐え ない。
インクジェット記録シートが、重送などがなく、スムーズに搬送されるかを評価した。
◎:重送がほとんどなく(100枚当り重送0〜1枚)、非常にスムーズに搬送され る。
○:重送は少しあるが(100枚当り重送2〜4枚)、スムーズに搬送される。
△:重送が多少あり(100枚当り重送5〜9枚)、あまりスムーズに搬送されず、実 用に耐えない。
×:重送が多く(100枚当り重送10枚以上)、スムーズに搬送されず、実用に耐え ない。
「静摩擦係数」、「動摩擦係数」:
得られたインクジェット記録シートのバック面と記録面との間での静摩擦係数を、ストログラフ(商品名:STROGRAPH−R2、東洋精機社製)を用いてJIS P 8147(水平条件)に準じて測定した。
得られたインクジェット記録シートのバック面と記録面との間での静摩擦係数を、ストログラフ(商品名:STROGRAPH−R2、東洋精機社製)を用いてJIS P 8147(水平条件)に準じて測定した。
表1及び表2から、実施例1〜7は支持体上の片面に、顔料とバインダーを主成分とする1層以上のインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層と反対側の支持体裏面に、タルク顔料を含むバック層を設けて、JIS P8147:1994に規定される静摩擦係数が0.3〜0.9であるか、または動摩擦係数が0.2〜0.7でありそしてバック層の絶乾塗工量が5〜25g/m2であることを含むものであることを特徴とするインクジェット記録シートとして好ましい。比較例1〜7は上記条件から外れるもので、本発明のインクジェット記録シートとしては不適である。即ち、比較例1および2の場合には静摩擦係数が本発明の範囲より多く、搬送性が悪い。比較例3および6はバック層を設けていないために、印字画像の裏抜けコックリングおよび搬送性が悪く、比較例6では静摩擦係数も本発明の範囲を逸脱しており滲みまで生じている。比較例7の場合にはバック層を設けておらずかつ静摩擦係数も1.01と本発明の範囲から過剰方向に大きく逸脱しているために、搬送性だけでなくインク受理層の表面強度も不十分となっている。比較例4および5では、それぞれバック層の塗工量が過少方向または過剰方向に逸脱しており、過少の比較例4では印字画像の裏抜けが生じそして過剰の比較例5では塗工面の粉落ちが多く表面強度が実用に耐えない。
以上に説明した通り、本発明を実施することで、優れた画像鮮明性と保存性を持ち、且つ印刷時の搬送性と印刷画像の裏抜けに優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
Claims (1)
- 支持体上の片面に、顔料とバインダーを主成分とする1層以上のインク受理層を設けたインクジェット記録シートにおいて、該インク受理層と反対側の支持体裏面に、タルク顔料を含むバック層を設けて、該バック層面と記録面との間でのJIS P 8147:1994に規定される静摩擦係数が0.3〜0.9でありかつ動摩擦係数が0.2〜0.7であり、バック層の絶乾塗工量が5〜25g/m2であることを特徴とするインクジェット記録シート。
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