JP2006326786A - 機械の旋回運動精度測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久信頼性を向上することができるとともに、コストを低減することができる機械の旋回運動精度測定装置を提供する。
【解決手段】工作機械のベッドに設けたワーク支持テーブルに対し基準リング34を取り付ける。工作機械の主軸装置に装着した主軸22にエア噴射ノズル25を取り付ける。エア噴射ノズル25から基準リング34の基準内周面34aにエアを噴射しつつ、主軸22を旋回軸線O3を中心として旋回半径R22で旋回するとともに、主軸22を回転させてエア噴射ノズル25を基準内周面34aの法線方向に指向する。エア噴射ノズル25の先端部25aの先端面から基準内周面34aまでの隙間Gの距離Dgを前記エア噴射ノズル25から噴射されるエアの圧力変動によって測定する。前記隙間Gの距離Dgの変化によって主軸22の中心軸線O1の旋回軌跡Kの旋回運動精度を演算する。
【選択図】 図1
【解決手段】工作機械のベッドに設けたワーク支持テーブルに対し基準リング34を取り付ける。工作機械の主軸装置に装着した主軸22にエア噴射ノズル25を取り付ける。エア噴射ノズル25から基準リング34の基準内周面34aにエアを噴射しつつ、主軸22を旋回軸線O3を中心として旋回半径R22で旋回するとともに、主軸22を回転させてエア噴射ノズル25を基準内周面34aの法線方向に指向する。エア噴射ノズル25の先端部25aの先端面から基準内周面34aまでの隙間Gの距離Dgを前記エア噴射ノズル25から噴射されるエアの圧力変動によって測定する。前記隙間Gの距離Dgの変化によって主軸22の中心軸線O1の旋回軌跡Kの旋回運動精度を演算する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、機械の主軸装置の主軸に装着された工具の旋回運動の精度を測定するための旋回運動精度測定装置に関する。
工作機械においては、所定位置にクランプされたワークの加工穴の内周面を仕上げ加工する場合に、主軸装置を所定の旋回半径で旋回運動させるとともに、主軸を回転して該主軸に取り付けられた工具を前記ワークの加工穴の内周面に接触する加工方法が用いられている。前記主軸の旋回運動の精度を測定するための装置として、従来、工作機械の円弧精度テストとして国際的に認識されたダブルボールバー(DBB)システムが使用されている。このシステムは、旋回半径を計測する計測バーの一端にボールを介して工作機械のワークテーブルの所定位置、つまり主軸の旋回中心位置に装着されるボール支持具を連結し、前記計測バーの他端にボールを介して主軸の工具ホルダの装着穴に取り付けられる連結ピンを連結して構成された測定用ユニットを備えている。そして、前記計測バーの中間部に接続されたケーブルにより計測された旋回半径データを専用のソフトウエアを備えたコンピュータに送信して、このコンピュータにより主軸装置の旋回運動の精度を演算するようになっている。
ところが、上記従来のダブルボールバーシステムは、ワークテーブルに取り付けられたボール支持具と測定対象である主軸とが互いに機械的に連結されているので、測定用ユニット或いはケーブルを破損するおそれがあり、耐久信頼性が低いという問題があった。又、ダブルボールバーシステムは、複雑で精度を要求される高価な測定用ユニットと、専用の高価なソフトウエアが必要であるため、非常にコストが高いという問題もあった。さらに、ダブルボールバーシステムは、工作機械によるワークの加工を停止した後に、設置箇所の切屑を清掃して使用する必要があるので、ワークの加工中にインラインで主軸装置の旋回運動の精度を測定することができないという問題もあった。
本発明の主たる目的は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、耐久信頼性を向上することができるとともに、コストを低減することができる機械の旋回運動精度測定装置を提供することにある。
この発明の別の目的は、上記目的に加えて、ワークの加工中にインラインで主軸装置の旋回運動の精度を測定することができる機械の旋回運動精度測定装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ベッド又はワーク支持テーブルに装着され、かつ旋回運動精度の測定用の基準部材と、上記基準部材に形成された真円筒状の基準内周面又は基準外周面の中心軸線と平行なZ軸方向に相対移動する主軸の先端部に装着され、かつ前記主軸の軸線から基準内周面又は基準外周面までの距離を測定する測定子を備えた距離測定手段と、前記主軸を前記基準内周面又は基準外周面の中心軸線を旋回軸線として旋回運動させる旋回運動指示手段と、前記測定子を前記主軸の中心軸線を中心として回転運動させることにより前記測定子を前記基準内周面又は基準外周面の法線方向に指向させる回転運動指示手段と、前記距離測定手段からの測定信号に基づいて、前記主軸の旋回運動精度を演算する旋回運動精度演算手段とを備えたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記距離測定手段の測定子は、前記主軸の先端部に装着され、かつ前記基準内周面又は基準外周面に流体を噴射する流体噴射ノズルであり、前記距離測定手段は、前記流体噴射ノズルから前記基準内周面又は基準外周面に噴射された流体の圧力を測定する圧力測定手段と、該圧力測定手段からの測定信号に基づいて、前記流体噴射ノズルの先端と基準内周面又は基準外周面との間の前記法線方向の隙間の距離を演算する隙間距離演算手段とを備えたことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記距離測定手段の測定子は、前記主軸の先端部に装着され、かつ前記基準内周面又は基準外周面に接触する接触子を有するプローブであって、前記距離測定手段は、前記プローブからの測定信号に基づいて、前記主軸の中心軸線と基準内周面又は基準外周面との間の前記法線方向の距離を演算する距離演算手段を備えたことを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、ベッド又はワーク支持テーブルに装着され、かつ回転運動精度の測定用の基準部材と、上記基準部材の真円筒状の基準内周面の内側において、前記主軸の中心軸線を基準内周面の中心軸線と一致させた状態で、前記測定子を前記主軸の中心軸線を中心として回転運動させる回転運動指示手段と、上記回転運動指示手段による測定子の回転運動行程において、前記距離測定手段により測定された主軸の中心軸線と基準内周面との法線方向の距離データに基づいて、前記主軸の回転運動精度を演算する回転運動精度演算手段とを備えたことを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記回転運動精度演算手段により演算された主軸の回転精度データに基づいて、主軸の旋回運動精度を補正する旋回運動精度補正手段を備えていることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5において、旋回運動精度の測定用の基準部材と、前記回転運動精度の測定用の基準部材とは、同心状に、かつ直列に形成されていることを要旨とする。
請求項1に記載の発明は、旋回運動指示手段により主軸を旋回するとともに、回転運動指示手段により主軸に装着した測定子を回転させて前記測定子を前記旋回運動精度の測定用の基準部材の基準内周面又は基準外周面の法線方向に指向するようにした。このため、測定子が基準内周面又は基準外周面に接触あるいは非接触で旋回されるとともに回転されるので、測定子を基準部材に機械的に連結しなくてもよく、測定子の破損を防止することができ、耐久信頼性を向上することができる。
又、請求項1に記載の発明は、専用の部材として主軸に装着される測定子と、ベッド又はワーク支持テーブルに装着される基準部材とを用意し、距離測定手段により測定された前記主軸の軸線から基準内周面又は基準外周面までの距離データを、機械の制御装置のコンピュータに設けた旋回運動精度演算手段により解析することも可能となるので、従来のダブルボールバーシステムと比較してコストを大幅に低減することができる。
さらに、請求項1記載の発明は、基準部材が測定子と別に単体で形成されているので、該基準部材をベッド又はワーク支持テーブルのワークの加工に障害とならない位置に予め装着することもできる。この場合には悪環境下での基準部材の面倒な取付作業が不要になり、主軸の旋回運動精度を測定する作業を迅速に行うことができる。
請求項2記載の発明は、流体噴射ノズルから基準内周面又は基準外周面に流体を噴射するので、ワークの加工途中の悪環境下におてインラインで主軸装置の旋回運動の精度を測定する作業を行うことができる。
請求項3記載の発明は、基準内周面又は基準外周面にプローブの接触子を接触するので、主軸の中心軸線と基準内周面又は基準外周面との間の前記法線方向の距離を精度良く測定することができる。
請求項4記載の発明は、主軸の回転運動精度を測定することができる。
請求項5記載の発明は、回転運動精度演算手段により演算された主軸の回転精度データに基づいて、旋回運動精度補正手段により主軸の旋回運動精度を補正することができる。
請求項5記載の発明は、回転運動精度演算手段により演算された主軸の回転精度データに基づいて、旋回運動精度補正手段により主軸の旋回運動精度を補正することができる。
請求項6記載の発明は、旋回運動精度の測定用の基準部材と、前記回転運動精度の測定用の基準部材とは、同心状に、かつ直列に形成されているので、二種類の測定作業を迅速に行うことができる。
以下、本発明を具体化した機械の運動精度測定装置の一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図2に示すように、工作機械のベッド11の上面には、水平(Z軸:図2では左右)方向に互いに平行に敷設された二本のZ軸案内レール12を介してZ軸サドル13がZ軸駆動機構のZ軸サーボモータ14(図3参照)によりZ軸方向の往復動可能に装着されている。このZ軸サドル13の上面には水平(X軸:図2の紙面直交)方向に互いに平行に敷設されたZ軸案内レール15を介してX軸サドル16がX軸駆動機構のX軸サーボモータ17(図3参照)によりX軸方向の往復動可能に装着されている。このX軸サドル16の前面には、垂直(Y軸:図2の上下)方向に互いに平行に敷設されたY軸案内レール18を介してY軸サドル19がY軸駆動機構のY軸サーボモータ20(図3参照)によりY軸方向の往復動可能に装着されている。このY軸サドル19には、主軸装置21がZ軸方向に指向するように装着されている。
図2に示すように、工作機械のベッド11の上面には、水平(Z軸:図2では左右)方向に互いに平行に敷設された二本のZ軸案内レール12を介してZ軸サドル13がZ軸駆動機構のZ軸サーボモータ14(図3参照)によりZ軸方向の往復動可能に装着されている。このZ軸サドル13の上面には水平(X軸:図2の紙面直交)方向に互いに平行に敷設されたZ軸案内レール15を介してX軸サドル16がX軸駆動機構のX軸サーボモータ17(図3参照)によりX軸方向の往復動可能に装着されている。このX軸サドル16の前面には、垂直(Y軸:図2の上下)方向に互いに平行に敷設されたY軸案内レール18を介してY軸サドル19がY軸駆動機構のY軸サーボモータ20(図3参照)によりY軸方向の往復動可能に装着されている。このY軸サドル19には、主軸装置21がZ軸方向に指向するように装着されている。
前記主軸装置21に装着された主軸22は、回転駆動機構を構成する主軸サーボモータ23(図3参照)により回転可能に支持されている。前記主軸22の先端開口部には、常には工具ホルダ24を介して、図示しないドリル等の工具が装着されるようになっている。主軸22の先端開口部には、工具を把持した工具ホルダ24を取り外した状態で、前記工具ホルダ24と同様に構成されたノズルホルダ24を用いて、測定子としてのエア噴射ノズル25が装着されるようになっている。このエア噴射ノズル25の先端部25aは主軸22の中心軸線O1と直交するように偏向されている。前記エア噴射ノズル25には、圧縮エア供給源26からエア供給経路27を介して流体としてのエアが供給されるようになっている。このエア供給経路27にはエアの圧力を測定するための圧力測定手段としての圧力測定器28が設けられている。
前記ベッド11の上面には、ワーク支持テーブル31が装着されている。このワーク支持テーブル31の上面には、ワークをクランプするためのワーククランプ機構(図示略)が備えられている。又、ワーク支持テーブル31の上面には、水平面状の取付基準面31aが形成され、該取付基準面31aにリングホルダ32がボルト33により取り付けられている。このリングホルダ32の垂直取付基準面32aには、前記主軸22の旋回運動精度を測定する基準となる基準部材としての基準リング34がボルト35により取り付けられている。この基準リング34は、図1に示すように真円筒状の基準内周面34aを備えている。この基準リング34は、基準内周面34aの中心軸線O2がZ軸方向と平行になるようにワーク支持テーブル31に装着されている。
次に、図3に基づいて、主軸22の旋回運動精度測定装置の制御システムの構成を説明する。
制御装置41には、コンピュータが備えられ、このコンピュータには、各種の演算処理を行うための中央演算処理装置42(CPU:セントラル・プロセッシング・ユニット)が備えられ、この中央演算処理装置42には、例えばリード・オンリー・メモリ(ROM)等の工作機械の主軸装置21の各種の動作を制御する加工動作制御用ソフトウェア等を記憶するためのプログラム記憶部43が接続されている。又、前記中央演算処理装置42には、各種のデータを記憶するための例えば読み出し書き込み可能なランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記憶媒体としてのデータ記憶部44が接続されている。
制御装置41には、コンピュータが備えられ、このコンピュータには、各種の演算処理を行うための中央演算処理装置42(CPU:セントラル・プロセッシング・ユニット)が備えられ、この中央演算処理装置42には、例えばリード・オンリー・メモリ(ROM)等の工作機械の主軸装置21の各種の動作を制御する加工動作制御用ソフトウェア等を記憶するためのプログラム記憶部43が接続されている。又、前記中央演算処理装置42には、各種のデータを記憶するための例えば読み出し書き込み可能なランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記憶媒体としてのデータ記憶部44が接続されている。
前記中央演算処理装置42には、インターフェース45を介して前記圧力測定器28及び前記X軸サドル16の移動量を検出するX軸リニアスケール46が接続されている。又、中央演算処理装置42には、インターフェース45を介して前記Y軸サドル19の移動量を検出するY軸リニアスケール47及び前記Z軸サドル13の移動量を検出するZ軸リニアスケール48が接続されている。さらに、中央演算処理装置42には、インターフェース45を介して主軸22の回転角を検出するためのロータリーエンコーダ49が接続されている。
前記中央演算処理装置42には、インターフェース50及び駆動回路51を介して前記Z軸サーボモータ14、X軸サーボモータ17、Y軸サーボモータ20及び主軸サーボモータ23が接続されている。
前記中央演算処理装置42には、前記主軸22を図1に示す旋回軸線O3を中心として所定の旋回半径R22で旋回運動させる旋回運動指示手段としての旋回運動指示回路52が設けられている。この旋回運動指示回路52は予め記憶媒体(例えばROM43)に記憶された旋回プログラムデータに基づいて、X軸サーボモータ17及びY軸サーボモータ20を制御することにより主軸22を旋回運動させる。又、前記中央演算処理装置42には、前記主軸22及びエア噴射ノズル25を図1に示す主軸22の軸線O1を中心として回転運動させることにより前記エア噴射ノズル25の指向方向を前記基準内周面34aの法線方向に指向させる回転運動指示手段としての回転運動指示回路53が設けられている。前記旋回運動指示回路52による主軸22の旋回角αと、回転運動指示回路53によるエア噴射ノズル25の回転角βは、エア噴射ノズル25の先端部25aが常に基準リング34の基準内周面34aに対し法線方向を指向するように制御される。
前記中央演算処理装置42には、前記エア噴射ノズル25から基準リング34の基準内周面34aに噴射されたエアの背圧を圧力測定器28によって測定することによりエア噴射ノズル25の先端部25aの先端面から基準内周面34aまでの隙間Gの距離Dgを演算する隙間距離演算手段としての隙間距離演算回路54が設けられている。
さらに、前記中央演算処理装置42には、前記隙間距離演算回路54からの隙間距離の演算データに基づいて、前記主軸22の旋回運動精度を演算する旋回運動精度演算手段としての旋回運動精度演算回路55が設けられている。前記中央演算処理装置42には、前記旋回運動精度演算回路55からの旋回運動精度データに基づいて、前記主軸22の加工プログラムを補正する加工プログラム補正回路56が設けられている。
次に、前記のように構成した工作機械の旋回運動精度測定装置の動作について説明する。
図2は、ワーク支持テーブル31の取付基準面31aにリングホルダ32を介して基準リング34が所定位置に取り付けられ、主軸22にノズルホルダ24を介してエア噴射ノズル25が装着され、エア噴射ノズル25が後退位置に保持された状態を示す。この状態において、図3に示す前記制御装置41からの制御信号に基づいて、前記Z軸サーボモータ14が作動されて、主軸装置21がZ軸方向に前進され、エア噴射ノズル25の先端部25aが基準内周面34aの内側のZ軸方向に関して測定位置に移動される。
図2は、ワーク支持テーブル31の取付基準面31aにリングホルダ32を介して基準リング34が所定位置に取り付けられ、主軸22にノズルホルダ24を介してエア噴射ノズル25が装着され、エア噴射ノズル25が後退位置に保持された状態を示す。この状態において、図3に示す前記制御装置41からの制御信号に基づいて、前記Z軸サーボモータ14が作動されて、主軸装置21がZ軸方向に前進され、エア噴射ノズル25の先端部25aが基準内周面34aの内側のZ軸方向に関して測定位置に移動される。
次に、制御装置41からの制御信号によりX軸サーボモータ17及びY軸サーボモータ20が作動されて、主軸装置21がX軸及びY軸方向に移動され、主軸22の旋回軸線O3が基準内周面34aの中心軸線O2と一致する状態に移動される。又、制御装置41からの制御信号により主軸22が回転されて、図1に示すようにエア噴射ノズル25の先端部25aが基準リング34の基準内周面34aの法線方向を指向する位置に移動停止される。基準リング34の基準内周面34aからエア噴射ノズル25の先端部25aの先端面が隙間Gだけ離隔された位置となる。この位置は、主軸22及びエア噴射ノズル25の測定開始位置である。
上記の測定開始位置において、圧縮エア供給源26からエアをエア噴射ノズル25に供給し、先端部25aからエアを基準内周面34aに噴射するとともに、制御装置41の旋回運動指示回路52からの制御信号に基づいて、主軸22を旋回軸線O3(基準内周面34aの中心軸線O2)を中心として、旋回半径R22で前述したように図1の時計回り方向に旋回させるとともに、回転運動指示回路53からの制御信号に基づいて、主軸22をその中心軸線O1を中心として時計回り方向に回転させ、エア噴射ノズル25の先端部25aを常に基準内周面34aの法線方向に指向させる。
主軸22の旋回角αが0度〜360度の範囲において、前記圧力測定器28からの測定信号に基づいて、前記隙間距離演算回路54によってエア噴射ノズル25の先端部25aの先端面と基準内周面34aの隙間Gの距離Dgが演算される。
前記旋回運動精度演算回路55によって、図1において、前記主軸22の旋回軸線O3の回りでの旋回半径R22、エア噴射ノズル25の前記中心軸線O1からエア噴射ノズル25の先端面までのノズル長L25及び測定された前記隙間Gの距離Dgに基づいて、主軸22の旋回角αに対する主軸22の中心軸線O1の実際の旋回軌跡Kの精度(予め記憶された前記旋回プログラムデータとの差)が演算される。この演算された旋回軌跡Kの精度データに基づいて、加工プログラム補正回路56によって、ワークを加工する際に用いられる加工プログラムデータ(旋回プログラムデータ)が補正される。この加工プログラムデータの補正時には、主軸22のバックラッシュ補正やピッチエラー補正も行われる。
上記実施形態の機械の運動精度測定装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、旋回運動指示回路52により主軸22を旋回するとともに、回転運動指示回路53により主軸22に装着したエア噴射ノズル25を回転させて前記エア噴射ノズル25の先端部25aを基準リング34の基準内周面34aの法線方向に指向させるようにした。このため、エア噴射ノズル25が基準内周面34aに非接触で回転されるので、エア噴射ノズル25の破損を防止することができ、耐久信頼性を向上することができる。
(1)上記実施形態では、旋回運動指示回路52により主軸22を旋回するとともに、回転運動指示回路53により主軸22に装着したエア噴射ノズル25を回転させて前記エア噴射ノズル25の先端部25aを基準リング34の基準内周面34aの法線方向に指向させるようにした。このため、エア噴射ノズル25が基準内周面34aに非接触で回転されるので、エア噴射ノズル25の破損を防止することができ、耐久信頼性を向上することができる。
(2)上記実施形態では、専用の部材として主軸22に装着されるエア噴射ノズル25と、ワーク支持テーブル31に装着される基準リング34とを用意し、測定された前記主軸22の軸線から基準内周面34aまでの距離データを、制御装置41のコンピュータに設けた旋回運動精度演算回路55により解析するようにした。このため、従来のダブルボールバーシステムと比較してコストを大幅に低減することができる。
(3)上記実施形態では、ワーク支持テーブル31に対し単体の基準リング34を装着し、エア噴射ノズル25を使用するようにした。このため、該基準リング34をワークの加工作業に障害とならない位置に予め装着することができるとともに、エア噴射ノズル25からエアを基準リング34の基準内周面34aに噴射して清掃することができ、従って、ワークの加工途中の悪環境下においてインラインで、主軸22の旋回運動精度の測定作業を行うことができる。
(4)上記実施形態では、専用の部材として主軸22に装着されるエア噴射ノズル25、圧力測定器28及びベッド11に装着される基準リング34を用意すればよいので、ダブルボールバーシステムと比較して旋回運動精度測定装置のコストを大幅に低減することができる。
(5)上記実施形態では、旋回運動精度演算回路55により主軸22の旋回運動精度を演算し、この旋回運動精度データに基づいて、加工プログラム補正回路56により加工プログラムを補正するようにした。このため、ワークの加工精度を向上することができる。
次に、この発明の別の実施形態を図4及び図5に基づいて説明する。なお、この実施形態においては、工作機械の構成は、前記実施形態と同様の構成であるため図示を省略する。
この別の実施形態では、図4に示すように、ワーク支持テーブル31に対しリングホルダ32を介して回転運動精度の測定用の基準部材としての基準リング61が装着されている。
図5に示すように、前記制御装置41には、前記基準リング61の真円筒状の基準内周面61aの内側において、前記エア噴射ノズル25を前記主軸22の軸線O1を回転軸線として回転運動させる回転運動指示手段としての回転運動指示回路62が設けられている。又、制御装置41には回転運動指示回路62によるエア噴射ノズル25の回転運動行程において、前記隙間距離演算回路54により演算された隙間距離データに基づいて、前記主軸22の回転運動精度を演算する回転運動精度演算手段としての回転運動精度演算回路63が設けられている。さらに、制御装置41には、前記回転運動精度演算回路63により演算された主軸22の回転精度データに基づいて、前記旋回運動精度演算回路55によって演算された主軸22の旋回運動精度データを補正する旋回運動精度補正手段としての旋回運動精度補正回路64が設けられている。この実施形態では、前記回転精度とは、主軸22を支持するベアリングの回転精度に起因する回転角βに対する主軸22の中心軸線O1の半径方向の変位量のことを意味する。
この別例においては、最初に主軸22の回転精度データを測定演算し、次に、旋回運動精度データを測定演算し、その後に、回転精度データに基づいて、主軸22の旋回運動精度データを補正することができるので、精度の高い旋回運動精度データを得ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○前記距離測定手段の測定子として、図6に示すように前記主軸22の先端部に装着され、かつ前記基準リング34の基準内周面34aに接触する接触子71aを有するプローブ71を用いて、主軸22の中心軸線O1と基準内周面34aの距離L71を検出するようにしてもよい。
○前記距離測定手段の測定子として、図6に示すように前記主軸22の先端部に装着され、かつ前記基準リング34の基準内周面34aに接触する接触子71aを有するプローブ71を用いて、主軸22の中心軸線O1と基準内周面34aの距離L71を検出するようにしてもよい。
この場合には、図3又は図5に示す制御装置41の旋回運動精度演算回路55に、前記プローブ71からの測定された距離L71の信号を入力して、旋回運動精度データを演算する。
この別例において、図示しないが基準リング34の基準内周面34aを清掃するエア噴射ノズルを例えば主軸装置21に装着してもよい。この場合には、ワークの加工途中の悪環境下においてインラインで主軸22の旋回運動精度を測定することができる。
○図7に示すように、旋回運動精度の測定用の基準リング34の基準内周面34aと同心状に、かつ直列に回転運動精度の測定用の基準内周面34cを形成してもよい。この別例では、最初に基準内周面34cを用いて主軸22の回転運動精度を測定し、次に、基準内周面34aを用いて主軸22の旋回運動精度を測定し、この両方の測定データに基づいて前記旋回運動精度補正回路64により旋回運動精度データを補正することができ、測定動作を迅速に行うことができる。又、一つの基準リングとすることができ、部品点数を少なくして、コストを低減することができる。
○図示しないが、エア噴射ノズル25に代えて、クーラントを噴射する流体噴射ノズルとしてのクーラント噴射ノズルを用いてもよい。
○X軸方向又はZ軸方向にトラバースする方式のワーク支持テーブル31に前記基準リング34、基準リング61を取り付けるようにしてもよい。
○X軸方向又はZ軸方向にトラバースする方式のワーク支持テーブル31に前記基準リング34、基準リング61を取り付けるようにしてもよい。
○ベッド11に対し直接又は間接的に前記基準リング34、基準リング61を取り付けるようにしてもよい。
○ベッド11又はワーク支持テーブル31に対し、ワークの加工に障害とならない位置に基準リング34及び/又は基準リング61を常時取り付け固定してもよい。この場合には、主軸22の旋回運動精度又は回転運動精度の測定作業を迅速に行うことができる。
○ベッド11又はワーク支持テーブル31に対し、ワークの加工に障害とならない位置に基準リング34及び/又は基準リング61を常時取り付け固定してもよい。この場合には、主軸22の旋回運動精度又は回転運動精度の測定作業を迅速に行うことができる。
○基準リング34に形成された真円筒状の基準内周面34aに代えて、図示しないが真円筒状の基準外周面を用いて旋回運動精度を測定する構成としてもよい。又、基準リング34に基準内周面34a及び基準外周面を同心状に形成して、それらの少なくとも一方を用いて旋回運動精度を測定する構成としてもよい。
G…隙間、Dg,L71…距離、O1,O2…中心軸線、O3…旋回軸線、11…ベッド、22…主軸、25…測定子としてのエア噴射ノズル、25a…先端部、34a,34c,61a…基準内周面、71…測定子としてのプローブ、71a…接触子。
Claims (6)
- ベッド又はワーク支持テーブルに装着され、かつ旋回運動精度の測定用の基準部材と、
上記基準部材に形成された真円筒状の基準内周面又は基準外周面の中心軸線と平行なZ軸方向に相対移動する主軸の先端部に装着され、かつ前記主軸の軸線から基準内周面又は基準外周面までの距離を測定する測定子を備えた距離測定手段と、
前記主軸を前記基準内周面又は基準外周面の中心軸線を旋回軸線として旋回運動させる旋回運動指示手段と、
前記測定子を前記主軸の中心軸線を中心として回転運動させることにより前記測定子を前記基準内周面又は基準外周面の法線方向に指向させる回転運動指示手段と、
前記距離測定手段からの測定信号に基づいて、前記主軸の旋回運動精度を演算する旋回運動精度演算手段と
を備えたことを特徴とする機械の旋回運動精度測定装置。 - 請求項1において、前記距離測定手段の測定子は、前記主軸の先端部に装着され、かつ前記基準内周面又は基準外周面に流体を噴射する流体噴射ノズルであり、前記距離測定手段は、前記流体噴射ノズルから前記基準内周面又は基準外周面に噴射された流体の圧力を測定する圧力測定手段と、該圧力測定手段からの測定信号に基づいて、前記流体噴射ノズルの先端と基準内周面又は基準外周面との間の前記法線方向の隙間の距離を演算する隙間距離演算手段とを備えたことを特徴とする機械の旋回運動精度測定装置。
- 請求項1において、前記距離測定手段の測定子は、前記主軸の先端部に装着され、かつ前記基準内周面又は基準外周面に接触する接触子を有するプローブであって、前記距離測定手段は、前記プローブからの測定信号に基づいて、前記主軸の中心軸線と基準内周面又は基準外周面との間の前記法線方向の距離を演算する距離演算手段を備えたことを特徴とする機械の旋回運動精度測定装置。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、ベッド又はワーク支持テーブルに装着され、かつ回転運動精度の測定用の基準部材と、
上記基準部材の真円筒状の基準内周面の内側において、前記主軸の中心軸線を基準内周面の中心軸線と一致させた状態で、前記測定子を前記主軸の中心軸線を中心として回転運動させる回転運動指示手段と、
上記回転運動指示手段による測定子の回転運動行程において、前記距離測定手段により測定された主軸の中心軸線と基準内周面との法線方向の距離データに基づいて、前記主軸の回転運動精度を演算する回転運動精度演算手段と
を備えたことを特徴とする機械の旋回運動精度測定装置。 - 請求項4において、前記回転運動精度演算手段により演算された主軸の回転精度データに基づいて、主軸の旋回運動精度を補正する旋回運動精度補正手段を備えていることを特徴とする機械の旋回運動精度測定装置。
- 請求項4又は5において、旋回運動精度の測定用の基準部材と、前記回転運動精度の測定用の基準部材とは、同心状に、かつ直列に形成されていることを特徴とする機械の旋回運動精度測定装置。
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