次に、本発明の最良の形態によるパチスロ機1について説明する。
図1は本発明の最良の形態によるパチスロ機1の外観を示す正面図である。
パチスロ機1の本体中央部には、3個のリール2〜4が回転自在に設けられている。各リール2〜4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これらシンボルはパチスロ機1の正面の表示窓5〜7を通してそれぞれ3個ずつ観察される。この表示窓5〜7には、横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bが設けられている。また、表示窓5〜7の下方右側には、遊技価値であるメダルが投入されるメダル投入口8が設けられている。リール2〜4および表示窓5〜7は、複数のシンボルを表示する図柄表示手段を構成している。
ゲーム開始に先立って、遊技者がメダル投入口8から1枚のメダルを投入したときは、中央の横1本の入賞ラインL1が有効化される。また、2枚投入したときは、これに上下の横2本の入賞ラインL2A,L2Bが加わって横3本の入賞ラインL1,L2A,L2Bが有効化される。また、3枚投入したときは、これに斜め2本の入賞ラインL3A,L3Bが加わって5本の入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bの全てが有効化される。なお、以降、有効化された入賞ラインを有効化入賞ラインという。
また、表示窓5〜7の左方には、遊技動作表示器9〜12、BETランプ13〜15、貯留枚数表示部16、およびスタートランプ17が設けられている。各表示器9〜12およびBETランプ13〜15は遊技状況に応じて点灯制御され、そのときの遊技状況が遊技者に知らされる。貯留枚数表示部16は、3桁の7セグメントLEDからなり、機械内部のメダルカウンタに現在クレジットされているメダル数を表示する。スタートランプ17は各リール2〜4が作動可能な時に点滅する。
また、表示窓5〜7の右方には、上部から、ボーナスカウント表示部18、WINランプ19、配当枚数表示部20、およびインサートランプ21が設けられている。ボーナスカウント表示部18は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム作動時に、RBゲームの残り入賞可能回数などをデジタル表示する。WINランプ19は有効化入賞ラインにボーナスの作動に対応するシンボルが揃った時などに点灯する。配当枚数表示部20は、3桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払い出し枚数を表示する。インサートランプ21はメダル投入口8にメダルの投入が受付可能な時に点灯する。
また、表示窓5〜7の直ぐ下方には、液晶表示装置22が設けられている。液晶表示装置22の左側には十字キー23、「○」ボタン24、「×」ボタン25、1貯留メダル投入ボタン26、2貯留メダル投入ボタン27、および3貯留メダル投入ボタン28が設けられている。十字キー23は、上下左右の4方向の操作を検出して、液晶表示装置22に表示される情報項目を選択する際に使用される。「○」ボタン24は十字キー23によって選択された情報項目を決定するボタンであり、「×」ボタン25は十字キー23によって選択された情報項目をキャンセルするボタンである。また、貯留メダル投入ボタン26〜28は、貯留枚数表示部16にメダル数が表示され、クレジットされている際に、メダル投入口8へのメダル投入に代えて1回のゲームに1〜3枚のメダルを賭ける際に使用される。
また、液晶表示装置22の下方には、左側から、貯留メダル精算ボタン29、スタートレバー30および停止ボタン31〜33が設けられている。貯留メダル精算ボタン29は機械内部にクレジットされているメダルを精算する際に使用される。スタートレバー30が遊技者に操作されることにより各リール2〜4の回転が一斉に開始する。停止ボタン31〜33は、各リール2〜4に対応して配置されており、これら各リール2〜4の回転が一定速度に達したときに操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各リール2〜4の回転を停止する。
また、パチスロ機1の正面下部にはメダル受皿37が設けられている。このメダル受皿37はメダル払出口38から払い出されるメダルを貯めるものである。また、パチスロ機1の正面上部には、入賞に対してどれだけのメダルが払い出されるかを示す配当表示部39が設けられており、この配当表示部39の左右には一対のスピーカ96,96が設けられている。
各リール2〜4は図2に示す回転リールユニットとして構成されており、フレーム41にブラケット42を介して取り付けられている。各リール2〜4はリールドラム43の外周にリール帯44が貼られて構成されている。リール帯44の外周面にはシンボル列が描かれている。また、各ブラケット42にはステッピングモータ45が設けられており、各リール2〜4はこれらステッピングモータ45が駆動されて回転する。
各リール2〜4の構造は図3に示される。なお、同図において図2と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。同図(a)に示すように、リール帯44の背後のリールドラム43内部にはランプケース46が設けられており、このランプケース46の3個の各部屋にはそれぞれリールバックランプ47a〜47cが取り付けられている。これらバックランプ47a〜47cは、同図(b)に示すように、異なる複数の色を発光するLED47が基板48に取り付けられて構成されており、基板48はランプケース46の背面に取り付けられている。また、ブラケット42にはホトセンサ49が取り付けられている。このホトセンサ49は、リールドラム43に設けられた遮蔽板50がリールドラム43の回転に伴ってホトセンサ49を通過するのを検出する。
各バックランプ47a〜47cは後述するランプ駆動回路89(図6参照)によって点灯制御される。各バックランプ47a〜47cの点灯により、リール帯44に描かれたシンボルの内、各バックランプ47の前部に位置する3個のシンボルが背後から個別に照らし出され、各表示窓5〜7にそれぞれ3個ずつのシンボルが映し出される。
図4は、左,中,右の各リール2〜4の各リール帯44に表された複数種類のシンボルが、21個配列されたシンボル列を示している。各シンボルには“0”〜“20”のコードナンバーが付され、これらコードナンバーは、データテーブルとして後で説明するプログラムROM65(図5参照)に格納されている。各リール2〜4上には、“赤7”、“リプレイ”、“スイカ”、“ベル”、“チェリー”、“BAR”、および何も描かれていない「ブランク」のシンボルで構成されるシンボル列が表されている。各リール2〜4は、シンボル列が図の矢印方向に移動するように回転駆動される。
本実施形態によるパチスロ機1の遊技状態には、「一般遊技状態」、「BB(ビッグ・ボーナス)内部当選状態」および「RB遊技状態」がある。これら5種類の各遊技状態は、基本的に、内部当選する可能性のある役の種類、および、成立させることが可能なボーナスの種別により区別される。
BB1またはBB2に対応するシンボルの組合せが有効化入賞ライン上に表示されたことを契機として発生し得る、「RB遊技状態」により構成される遊技状態を総称して、以下「BB遊技状態」という。「BB内部当選状態」は、ボーナスに内部当選していまだそのボーナスに対応するシンボルの組合せが有効化入賞ラインに表示されていない状態であり、以下「内部当選状態」という。「BB1」のボーナス当たり要求フラグ、または「BB2」の当たり要求フラグは、フラグが立てられた以降の遊技に持ち越され、「BB1」または「BB2」のシンボル組み合わせが有効化入賞ラインに停止表示されてボーナスが実際に成立すると、ボーナス当たり要求フラグはクリアされる。また、ボーナス当たり要求フラグ以外のフラグは、フラグが立てられた遊技においてのみ有効であり、その遊技終了時にはクリアされて次遊技以降には持ち越されない。なお、内部当選役を持ち越すとは、内部抽選処理(図20,S8)で決定された内部当選役としての機能を次以降の単位遊技において発揮できるようにすれば足り、種々の態様が適宜可能である。例えば、本実施の形態のように、所定内部当選役のフラグをクリアし、他のフラグを利用して、内部当選役の機能が発揮されるまで、持ち越すこともできる。
図5および図6は、上述したパチスロ機1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板61およびサブ制御基板62に構成された回路構成を示している。
図5に示すメイン制御基板61における制御部はマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うメインCPU(中央演算処理装置)64と、プログラム記憶手段であるプログラムROM(リード・オンリ・メモリ)65およびバックアップ機能付き制御RAM(ランダム・アクセス・メモリ)66とを含んで構成されている。
メインCPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67および分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69および発生した乱数の1つを特定するサンプリング回路70とが接続されている。さらに、後述する周辺装置(アクチュエータ)との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。
プログラムROM65は、各種テーブルやシーケンスプログラム等を格納するように記憶部が区分されている。また、プログラムROM65内には図示しない入賞シンボル組合せテーブルが格納されている。この入賞シンボル組合せテーブルには、配当表示部39に示される各入賞シンボル組合せのシンボルコードや、「リーチ目」を構成するシンボル組合せのシンボルコード、各入賞を表す入賞判定コード、入賞メダル配当枚数等が記憶されている。ここで、リーチ目とは、内部当選状態のときに、遊技者にボーナスの作動に係るシンボルの組合せを表示可能であることを示唆するシンボル組合せである。この入賞シンボル組合せテーブルは、リール2〜4の停止制御時、および全リール停止後の表示役検索を行うときに参照される。さらに、プログラムROM65内には、このパチスロ機1でゲームを実行するためのシーケンスプログラムが格納されている。
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各リール2〜4を回転駆動するステッピングモータ45、各種ランプ(BETランプ13〜15、スタートランプ17、WINランプ19、インサートランプ21)、各種表示部(遊技動作表示器9〜12、貯留枚数表示部16、ボーナスカウント表示部18、配当枚数表示部20)、およびメダルを収納するホッパー72がある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、およびホッパー駆動回路76によって駆動される。これら駆動回路73〜76は、マイコン63のI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、メダル投入口8から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ8S、スタートレバー30の操作を検出するスタートスイッチ30S、貯留メダル投入ボタン26〜28の操作を検出する貯留メダル投入スイッチ26S〜28S、および貯留メダル精算ボタン29の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ29Sがある。スタートスイッチ30Sは、遊技者によるスタートレバー30の開始操作の検出を行う開始操作検出手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、ホトセンサ49からの出力パルス信号を受けて各リール2〜4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。ホトセンサ49は各リール2〜4の駆動機構に含まれており、同図では示されていない。
リール位置検出回路77は、リール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値を制御RAM66の所定エリアに書き込む。従って、制御RAM66内には、各リール2〜4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納されている。また、ホトセンサ49は各リール2〜4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してメインCPU64に与えられ、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。このクリア処理により、各シンボルの移動表示と各ステッピングモータ45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、およびマイコン63は、開始操作検出手段により行われる開始操作の検出に基づいて図柄表示手段により表示されるシンボルの変動を行う図柄変動手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、停止ボタン31〜33が押された時に対応するリール2〜4を停止させる信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、および図示しない払出完了信号発生回路がある。これらもI/Oポート71を介してメインCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、各表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達した時に、メダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。リール停止信号回路78は、遊技者による停止ボタン31〜33の停止操作の検出を行う停止操作検出手段を構成している。ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、リール停止信号回路78、およびマイコン63は、停止操作検出手段により行われる停止操作の検出と、後述する当選役決定手段により決定される当選役とに基づき、図柄変動手段により行われるシンボルの変動の停止制御を行う停止制御手段を構成している。マイコン63、ホッパー72、メダル検出部72s、ホッパー駆動回路76、および払出完了信号発生回路は、停止制御手段による停止制御の結果、図柄表示手段により予め定められたシンボル組合せが停止表示されると遊技価値をメダルとして付与する遊技価値付与手段を構成している。
また、I/Oポート71にはサブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図6に示すサブ制御基板62には、この信号を受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79およびメイン制御部通信ポート88間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる。本実施形態では、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される信号は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
サブ制御基板62は、メイン制御基板61からの制御信号に基づき所定の演出を行う。サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うサブCPU82と、プログラム記憶手段であるプログラムROM83およびバックアップ機能付き制御RAM84とを含んで構成されている。サブCPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85および分周器86が接続されており、さらに、上記のメイン制御部通信ポート88や後述するアクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87が接続されている。
また、マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとして、各リール2〜4に内蔵されたリールバックランプ47a〜47cがある。これらバックランプ47a〜47cの点灯は、I/Oポート87に接続されたランプ駆動回路89からの駆動信号によって制御される。
また、マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段として、前述した十字キー23、「○」ボタン24および「×」ボタン25がある。
また、I/Oポート87には画像制御ワークRAM98、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)90および音源IC91が接続されている。VDP90には、キャラクタ・データが記憶されたキャラクタROM92およびカラーディスプレイ表示用バッファメモリであるビデオRAM93が接続されており、画像制御ワークRAM98も接続されている。VDP90は、マイコン81の制御の下、液晶表示装置22に画像表示を行う。
また、音源IC91にはサウンド・データが記憶されたサウンドROM94が接続されており、音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ95を介してスピーカ96,96からサウンドを放音させる。マイコン81は、メイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91およびパワー・アンプ95を制御し、メダル投入音,スタートレバー操作音,停止ボタン操作音,ボーナスゲーム中の遊技音といった効果音をスピーカ96,96から出力させる。また、メイン制御基板61から取り込んだ遊技状態および当選フラグに基づいて選択した演出態様に基づく出音パターンで、スピーカ96,96から出音させる。
図7〜図14は、メイン制御基板61のプログラムROM65に記憶された各種テーブルを示す図である。
図7は、シンボル組合せテーブルを概念的に示す図である。
シンボル組合せテーブルは、後述するメインフローチャート(図20参照)のS15において、表示役およびメダル払出枚数を特定する際に用いられる。シンボル組合せテーブルは、左リール2,中リール3,右リール4について有効化入賞ライン上に表示されたシンボル組合せとメダル払出枚数(配当)と表示役との関係を記憶している。同図において各リール2〜4の欄に表されるシンボルの組合せが有効化入賞ライン上に表示されると、対応する払出枚数欄に表される枚数および表示役欄に表される表示役が、メダル払出枚数および表示役として特定される。
同図に示すように、“チェリー−ANY−ANY”が有効化入賞ラインに沿って並ぶと「チェリー」の小役が表示役として特定され、投入枚数が1枚および2枚の場合にはそれぞれ15枚、投入枚数が3枚の場合には4枚が払出枚数として特定される。なお、「ANY」はどのシンボルでもよいことを表す。また、投入枚数は単位遊技に賭けられているメダル枚数のことをいう。また、“ベル−ベル−ベル”が有効化入賞ラインに沿って並ぶと「ベル」の小役が表示役として特定され、投入枚数が1枚および2枚の場合にはそれぞれメダル15枚、投入枚数が3枚の場合には6枚が払出枚数として特定される。また、“スイカ−スイカ−スイカ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶと「スイカ」の小役が表示役として特定され、投入枚数が1枚〜3枚の何れの場合にも、12枚が払出枚数として特定される。また、“リプレイ−リプレイ−リプレイ”が有効化入賞ラインに沿って並ぶと、「リプレイ」が表示役として特定され、払出枚数としてメダル0枚が特定されてその単位遊技で遊技に賭けられた枚数と同じ枚数のメダルが、次の単位遊技で自動投入される。また、“赤7−赤7−赤7”が有効化入賞ラインに沿って並ぶと「BB1」が表示役として特定され、投入枚数が1枚〜3枚の何れの場合にも、払出枚数としてメダル0枚が特定されて、BB遊技状態が作動する。また、“BAR−BAR−BAR”が有効化入賞ラインに沿って並ぶと「BB2」が表示役として特定され、投入枚数が1枚〜3枚の何れの場合にも、払出枚数としてメダル0枚が特定されて、BB遊技状態が作動する。
図8は、内部抽選テーブル決定テーブルを概念的に示す図である。この内部抽選テーブル決定テーブルは、後述する内部抽選処理(図20,S8)において、内部当選役を抽選する回数を決定する際に用いられる。このテーブルでは、一般遊技状態およびRB遊技状態の各遊技状態毎に、抽選回数、および抽選に用いる内部抽選テーブルの種別を表す数値データが割り当てられている。後述する内部抽選処理では、各遊技状態に対応する内部抽選テーブルを用いて、数値データが表す抽選回数だけ抽選が行われる。一般遊技状態には、抽選回数6回および一般遊技状態用内部抽選テーブルを表すデータが割り当てられており、一般遊技状態中の各単位遊技では、抽選回数として6回、内部抽選テーブルとして一般遊技状態用内部抽選テーブルが決定される。RB遊技状態には、抽選回数3回およびRB遊技状態用内部抽選テーブルを表すデータが割り当てられており、RB遊技状態中の各単位遊技では、抽選回数として3回、内部抽選処理に用いられる内部抽選テーブルとしてRB遊技状態用内部抽選テーブルが決定される。
図9は、内部抽選テーブルを概念的に示す図である。
内部抽選テーブルは、後述するメインフローチャートの内部抽選処理(図20,S8)において、内部当選役を抽選する際に用いられる。内部抽選テーブルは、乱数発生器69で発生してサンプリング回路70で抽出された0〜65535の所定範囲の乱数を、各当選番号1〜6に区分けする数値データを下限値および上限値として記憶している。各当選番号は各内部当選役に対応づけられており、数値データは各投入枚数毎に記憶されている。各当選番号1〜6には、0〜65535の数値データの中から各数値範囲を規定する上限値および下限値が対で各遊技状態毎に割り当てられており、抽出された乱数値が属する数値範囲に割り当てられた当選番号が選択される。
同図(a)に示す一般遊技状態用内部抽選テーブルでは、「チェリー」の小役に対応する当選番号1には、投入枚数が1枚および2枚の場合にはそれぞれ下限値0,上限値0、投入枚数が3枚の場合には下限値0,上限値599の数値範囲が割り当てられている。投入枚数が1枚および2枚の場合の当選確率は1/65536、投入枚数が3枚の場合の当選確率は600/65536である。また、「ベル」の小役に対応する当選番号2には、投入枚数が1枚の場合には下限値28,上限値2027、投入枚数が2枚の場合には下限値118,上限値3117、投入枚数が3枚の場合には下限値2184,上限値7883の数値範囲がそれぞれ割り当てられている。投入枚数が1枚の場合の当選確率は2000/65536、投入枚数が2枚の場合の当選確率は3000/65536、投入枚数が3枚の場合の当選確率は5700/65536である。また、「スイカ」の小役に対応する当選番号3には、投入枚数が1枚の場合には下限値28,上限値28、投入枚数が2枚の場合には下限値118,上限値118、投入枚数が3枚の場合には下限値1785,上限値2184の数値範囲がそれぞれ割り当てられている。投入枚数が1枚の場合の当選確率は1/65536、投入枚数が2枚の場合の当選確率は1/65536、投入枚数が3枚の場合の当選確率は400/65536である。また、「リプレイ」に対応する当選番号4には、投入枚数が1枚の場合には下限値2027,上限値11006、投入枚数が2枚の場合には下限値3117,上限値12096、投入枚数が3枚の場合には下限値7883,上限値16862の数値範囲がそれぞれ割り当てられている。投入枚数が1枚の場合の当選確率は8980/65536、投入枚数が2枚の場合の当選確率は8980/65536、投入枚数が3枚の場合の当選確率は8980/65536である。また、「BB2」に対応する当選番号5には、投入枚数が1枚の場合には下限値1,上限値10、投入枚数が2枚の場合には下限値1,上限値40、投入枚数が3枚の場合には下限値579,上限値661の数値範囲がそれぞれ割り当てられている。投入枚数が1枚の場合の当選確率は10/65536、投入枚数が2枚の場合の当選確率は40/65536、投入枚数が3枚の場合の当選確率は83/65536である。また、「BB1」に対応する当選番号6には、投入枚数が1枚の場合には下限値19,上限値28、投入枚数が2枚の場合には下限値79,上限値118、投入枚数が3枚の場合には下限値1730,上限値1812の数値範囲がそれぞれ割り当てられている。投入枚数が1枚の場合の当選確率は10/65536、投入枚数が2枚の場合の当選確率は40/65536、投入枚数が3枚の場合の当選確率は83/65536である。なお、サンプリング回路70で抽出された乱数が当選番号1〜当選番号6に割り当てられた数値範囲に含まれない場合には、「ハズレ」が内部当選役として決定される。
同図(b)に示すRB遊技状態用内部抽選テーブルでは、「チェリー」の小役に対応する当選番号1には、投入枚数が1枚の場合に下限値0,上限値0の数値範囲が割り当てられており、抽出された乱数値がこの数値範囲に属すると当選番号1が選択される。当選番号1の当選確率は1/65536である。また、「ベル」の小役に対応する当選番号2には、投入枚数が1枚の場合に下限値28,上限値65535の数値範囲が割り当てられており、当選確率は65508/65536である。また、「スイカ」の小役に対応する当選番号3には、投入枚数が1枚の場合に下限値28,上限値28の数値範囲が割り当てられており、当選確率は1/65536である。なお、サンプリング回路70で抽出された乱数がこれらの当選番号に割り当てられた数値範囲に含まれない場合には、「ハズレ」が内部当選役として決定される。また、「リプレイ」に対応する当選番号4、「BB2」に対応する当選番号5、「BB1」に対応する当選番号6には、数値範囲が割り当てられておらず、このRB遊技状態用内部抽選テーブルが用いられた場合には、「リプレイ」、「BB1」、および「BB2」が内部当選役として選択されることはない。
プログラムROM65に記憶された上記の内部抽選テーブルは、所定の乱数範囲(0〜65535)に含まれる数値範囲の下限値および上限値を当選役に応じて規定する抽選値規定手段を構成している。抽選値規定手段は、ある当選役(本実施形態では、当選番号1のチェリーの小役)に応じた数値範囲(0〜599)と、ある当選役とは異なる他の当選役(本実施形態では、当選番号5のBB2)に応じた数値範囲(579〜661)とを、少なくとも一部(579〜599)において重複させており、ある当選役(本実施形態では、当選番号3のスイカの小役)に応じた数値範囲(1785〜2184)と、ある当選役とは異なる他の当選役(本実施形態では、当選番号6のBB1)に応じた数値範囲(1730〜1812)とを、少なくとも一部(1785〜1812)において重複させている。
サンプリング回路70は、開始操作検出手段により行われる開始操作の検出に基づいて、所定の乱数範囲の中から乱数を抽出する乱数抽出手段を構成している。メインCPU64は、乱数抽出手段により抽出された乱数の値を下限値と上限値との双方と比較して、乱数抽出手段により抽出された乱数が、数値範囲に属するか否かを判別する乱数値判別手段を構成している。また、メインCPU64は、乱数値判別手段により乱数抽出手段により抽出された乱数が数値範囲に属すると判別された場合には、その数値範囲に応じた当選役を決定する当選役決定手段を構成している。マイコン63は、当選役決定手段により当選役として決定されたある当選役(例えば、スイカ)および他の当選役(例えば、BB1)に対応するいずれかのシンボル組合せが図柄表示手段により停止表示されない場合には、停止表示されない当選役に対応するシンボル組合せが図柄表示手段により停止表示されるまで、その当選役に関する情報を持ち越す持越手段を構成している。停止制御手段は、持越手段により持ち越された当選役にも基づき、図柄表示手段によるシンボルの変動表示を停止制御する。
図10は、内部当選役決定テーブルを概念的に示す図である。
内部当選役決定テーブルは、後述するメインフローチャートの内部抽選処理(図20,S8)において、内部当選役を決定する際に用いられる。内部当選役決定テーブルは、内部抽選テーブル(図9)を用いて決定される各当選番号0〜6と、内部当選役の当選フラグとを対応づける16ビット・データを記憶している。この内部当選役決定テーブルでは、当選番号0には、「ハズレ」に対応する内部当選役1および内部当選役2として“00000000”がそれぞれ対応づけられている。また、当選番号1には、「チェリー」の小役に対応する内部当選役1として“00000000”,内部当選役2として“00000001”が対応づけられている。また、当選番号2には、「ベル」に対応する内部当選役1として“00000000”,内部当選役2として“00000010”が対応づけられている。また、当選番号3には、「スイカ」に対応する内部当選役1として“00000000”,内部当選役2として“00000100”が対応づけられている。また、当選番号4には、「リプレイ」に対応する内部当選役1として“00000001”,内部当選役2として“00000000”が対応づけられている。また、当選番号5には、「BB2」に対応する内部当選役1として“00000010”,内部当選役2として“00000000”が対応づけられている。また、当選番号6には、「BB1」に対応する内部当選役1として“00000100”,内部当選役2として“00000000”が対応づけられている。
図11は、停止テーブル決定テーブルを概念的に示す図である。
停止テーブル決定テーブルは、リール停止初期設定処理(図20,S9)において、左,中,右の各リール2〜4の停止制御に用いる停止テーブルを決定する際に用いられる。停止テーブル決定テーブルは、各内部当選役と、ストップ用セレクトカウンタの値と、リール2〜4の停止制御に用いる停止テーブルとを対応づけるデータを記憶している。
同図に示すように、内部当選役「ハズレ」には、ストップ用セレクトカウンタの値として“0”、停止テーブルとしてハズレ用停止テーブルが対応づけられている。ハズレ用停止テーブルは、「ハズレ」を停止表示させることができる停止テーブルである。また、内部当選役「チェリー」には、ストップ用セレクトカウンタの値として“1”、停止テーブルとしてチェリー用停止テーブルが対応づけられている。チェリー用停止テーブルは、「チェリー」の小役のシンボル組合せを停止表示させることができる停止テーブルである。また、内部当選役「ベル」には、ストップ用セレクトカウンタの値として“2”、停止テーブルとしてベル用停止テーブルが対応づけられている。ベル用停止テーブルは、「ベル」の小役のシンボル組合せを停止表示させることができる停止テーブルである。また、内部当選役「スイカ」には、ストップ用セレクトカウンタの値として“3”、停止テーブルとしてスイカ用停止テーブルが対応づけられている。スイカ用停止テーブルは、「スイカ」の小役のシンボル組合せを停止表示させることができる停止テーブルである。また、内部当選役「リプレイ」には、ストップ用セレクトカウンタの値として“4”、停止テーブルとしてリプレイ用停止テーブルが対応づけられている。リプレイ用停止テーブルは、「リプレイ」のシンボル組合せを停止表示させることができる停止テーブルである。また、内部当選役「BB2」には、ストップ用セレクトカウンタの値として“5”、停止テーブルとしてBB2用停止テーブルが対応づけられている。BB2用停止テーブルは、「BB2」のシンボル組合せを停止表示させることができる停止テーブルである。また、内部当選役「BB1」には、ストップ用セレクトカウンタの値として“6”、停止テーブルとしてBB1用停止テーブルが対応づけられている。BB1用停止テーブルは、「BB1」のシンボル組合せを停止表示させることができる停止テーブルである。
図12は、引込優先順位テーブルを概念的に示す図である。
引込優先順位テーブルは、内部抽選処理(図20,S8)において内部当選役が複数決定された場合に、リール停止制御処理(図20,S14)において優先するシンボルを決定する際に用いられる。引込優先順位テーブルは、内部当選役の種別と、優先順位とを対応づけるデータを記憶している。同図に示すように、優先順位1には内部当選役「リプレイ」、優先順位2には内部当選役「BB1」および「BB2」、優先順位3には内部当選役「チェリー」および「ベル」、優先順位4には内部当選役「スイカ」が対応づけられている。このため、内部抽選処理(図12,S8)で内部当選役が複数決定されたときには、内部当選役「リプレイ」に対応するシンボル“リプレイ”、内部当選役「BB1」,「BB2」に対応するシンボル“赤7”,“BAR”、内部当選役「チェリー」,「ベル」に対応するシンボル“チェリー”,“ベル”、内部当選役「スイカ」に対応するシンボル“スイカ”の優先順位で、有効化入賞ライン上にシンボルが引き込まれる。
図13は、RB作動時テーブルを概念的に示す図である。
このRB作動時テーブルは、後述するボーナス作動監視処理(図21)で用いられる。このテーブルは、データの格納領域と、この格納領域に格納されるデータとを対応づけて記憶している。同図に示すように、このテーブルでは、作動中フラグ格納領域には遊技状態を表すRB作動中フラグがデータとして対応づけられており、遊技可能回数格納領域にはRB遊技状態中に行える単位遊技数12回を表す数値、入賞可能回数格納領域にはRB遊技状態中に小役の入賞を成立させることができる回数6回を表す数値がデータとして対応づけられている。
図14は、BB作動時テーブルを概念的に示す図である。
このBB作動時テーブルは、表示役がBB1またはBB2の場合に後述するボーナス作動チェック処理(図20,S21)で用いられる。このテーブルでも、データの格納領域と、この格納領域に格納されるデータとを対応づけて記憶している。同図に示すように、このテーブルでは、作動中フラグ格納領域には遊技状態を表すBB作動中フラグ、ボーナス終了枚数カウンタ格納領域にはBB遊技状態中に払い出される上限のメダル枚数350枚を表す数値がデータとして対応づけられている。
次に、図15〜図19を参照して、メインCPU64が実行する遊技処理に用いられる制御RAM66の格納領域について説明する。
図15,図16は、内部当選役1格納領域,内部当選役2格納領域を概念的に示す図である。
この内部当選役格納領域1,2には、図10に示す内部当選役決定テーブルを参照して内部抽選処理(図20,S8)で決定された内部当選役1,2の種別を表すデータが格納される。同図に示すように、各内部当選役格納領域1,2はビット0〜ビット7の8ビットで構成されており、各ビットにはデータ欄に示される数値がセットされる。
図15に示す内部当選役1格納領域では、内部当選役1が「BB1」を表す“00000100”である場合、内部当選役1格納領域のビット0,ビット1,ビット3〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット2には数値“1”がセットされる。また、内部当選役1が「BB2」を表す“00000010”である場合、内部当選役1格納領域のビット0,ビット2〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット1には数値“1”がセットされる。また、内部当選役1が「リプレイ」を表す“00000001”である場合、内部当選役1格納領域のビット1〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット0には数値“1”がセットされる。
図16に示す内部当選役2格納領域では、内部当選役2が「スイカ」を表す“00000100”である場合、内部当選役2格納領域のビット0,ビット1,ビット3〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット2には数値“1”がセットされる。また、内部当選役1が「ベル」を表す“00000010”である場合、内部当選役2格納領域のビット0,ビット2〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット1には数値“1”がセットされる。また、内部当選役1が「チェリー」を表す“00000001”である場合、内部当選役2格納領域のビット1〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット0には数値“1”がセットされる。
図17は、持越役格納領域を概念的に示す図である。
この持越役格納領域には、内部抽選処理(図20,S8)で決定された持越役の種別を表す持越役フラグのデータが格納される。同図に示すように、持越役格納領域はビット0〜ビット7の8ビットで構成されており、各ビットにはデータ欄に示される数値がセットされる。
同図に示すように、持越役フラグが「BB1」を表す“00000100”である場合、持越役格納領域のビット0,ビット1,ビット3〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット2には数値“1”がセットされる。また、持越役フラグが「BB2」を表す“00000010”である場合、持越役格納領域のビット0,ビット2〜ビット7には数値“0”がセットされ、ビット1には数値“1”がセットされる。また、持越役フラグがセットされていない場合には、持越役格納領域の全てのビット0〜ビット7には数値“0”がセットされる。
図18は、ストップ用セレクトカウンタ格納領域を概念的に示す図である。
このストップ用セレクトカウンタ格納領域には、リール停止初期設定処理(図20,S9)において、主として内部抽選処理(図20,S8)で決定された当選番号を表すデータが、ストップ用セレクトカウンタの値として格納される。ストップ用セレクトカウンタの値が「ハズレ」に対応する当選番号0の場合、ストップ用セレクトカウンタ格納領域には数値“0”を表すデータがセットされる。ストップ用セレクトカウンタの値が「チェリー」に対応する当選番号1,「ベル」に対応する当選番号2,「スイカ」に対応する当選番号3,「リプレイ」に対応する当選番号4,「BB2」に対応する当選番号5,または「BB1」に対応する当選番号6の各場合、ストップ用セレクトカウンタ格納領域には、それぞれ数値“1”,数値“2”,数値“3”,数値“4”,数値“5”,または数値“6”を表すデータがセットされる。
また、内部抽選結果情報格納領域もこのストップ用セレクトカウンタ格納領域と同様の構成を有しているが、格納されるデータの内容は必ずしも一致しない。例えば、BB1やBB2が持ち越された場合には、内部抽選結果情報格納領域とストップ用セレクトカウンタ格納領域とでは、格納されるデータの内容がそれぞれ異なる。
図19は、乱数値格納領域を概念的に示す図である。
この乱数値格納領域には、図20,S6の処理で抽出された乱数値が格納される。同図に示すように、乱数値格納領域には、サンプリング回路70でサンプリングされた0〜65535のうちの何れかの乱数値を表すデータがセットされる。
次に、図20に示すメインフローチャートを参照して、メイン制御基板61のメインCPU64の制御動作について説明する。
初めに、メインCPU64は、遊技開始時の初期化処理を行う(図20,S1参照)。具体的には、制御RAM66の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いて1ゲーム終了時用初期化格納領域をセットする(S2)。
次に、メインCPU64は、前回のゲームに使用された制御RAM66における指定格納領域のクリア処理を行い(S3)、後述するボーナス作動監視処理を行い(S4)、後述するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S5)。次に、メインCPU64は、乱数発生器69で発生した抽選用の乱数をサンプリング回路70によって抽出し、抽出した乱数値を乱数値格納領域(図19参照)に格納する(S6)。次に、メインCPU64は、後述する遊技状態監視処理を行い(S7)、続いて、後述する内部抽選処理を行う(S8)。
次に、メインCPU64は、S8の内部抽選処理での抽選結果に基づき、今回の単位遊技のリール停止制御処理(S14)で用いる停止テーブルの決定等をするリール停止初期設定処理を行う(S9)。続いて、メインCPU64は、スタートコマンドをサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信する(S10)。「スタートコマンド」は、S7で識別した遊技状態、S8の内部抽選処理で抽選した当選役等の情報を含むコマンドである。
続いて、メインCPU64は、前回のリール回転開始から4.1秒が経過したか否かを判別する(S11)。この判別が“NO”のときは、4.1秒が経過するまで待ち時間消化処理(S12)が行われる。待ち時間消化処理では、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理(ここでは、リール2〜4の回転の開始を待機させる処理)が行われる。
前回のリール回転開始から4.1秒が経過すると、メインCPU64は、全リール2〜4の回転開始を要求し(S13)、全リール2〜4の回転を開始させ、続いて、後述するリール停止制御処理を行う(S14)。次に、メインCPU64は、後述する表示役検索処理を行う(S15)。
次に、メインCPU64は、「表示役コマンド」をサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信する(S16)。「表示役コマンド」は、有効化入賞ライン上に実際に揃って表示されているシンボルの組合せの種類などを含んだコマンドである。次に、メインCPU64は、メダル払出処理を行う(S17)。この処理では、クレジットで遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得したメダル数分、貯留枚数表示部16に表示される貯留枚数が増加され、また、メダル投入口8へのメダル投入で遊技が行われている状態であれば、入賞によって獲得した枚数のメダルがメダル受皿37へ払い出される。
S17の処理を行った後、メインCPU64は、メダルの払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S18)。つまり、ボーナス終了枚数カウンタが1以上であれば、メダルの払出枚数に応じて当該カウンタを減算する。次に、BB作動中フラグまたはRB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別し(S19)、何れかのフラグが“オン”である場合には、後述するボーナス終了チェック処理を行い(S20)、何れのフラグも“オン”でない場合には、後述するボーナス作動チェック処理を行う(S21)。S20の処理の後、遊技処理はS2に戻って次の新たな単位遊技が開始される。
次に、図21を参照して、図20,S4で行われるボーナス作動監視処理について説明する。
このボーナス作動監視処理では、まず、メインCPU64は、BB作動中フラグは“オン”であるか否かを判別する(図21,S31参照)。この判別が“YES”の場合、メインCPU64は、RB作動中フラグは“オン”であるか否かを判別する(S32)。この判別が“NO”の場合、メインCPU64は、RB作動時テーブルに基づいてRB作動時処理を行う(S33)。S31の判別が“NO”の場合、S32の判別が“YES”の場合、または、S33の処理を行った後、ボーナス作動監視処理は終了する。
次に、図22を参照して、図20,S5で行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。
このメダル受付・スタートチェック処理では、まず、メインCPU64は、自動投入カウンタの値は“0”であるか否か、つまり、前回の単位遊技において表示役が「リプレイ」でなく、メダルの自動投入が行われないか否かを判別する(図22,S41参照)。この判別が“YES”の場合、メインCPU64は、メダル投入口8からのメダル投入および貯留メダル投入ボタン26〜28の操作を許可するメダル投入許可処理を行う(S42)。一方、判別が“NO”の場合、メインCPU64は、自動投入カウンタに基づいて投入枚数を更新し(S43)、続いて、ベットコマンドをサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信する(S44)。このベットコマンドは、自動投入されたメダル枚数の情報を含むコマンドである。S42またはS44の処理の後、メインCPU64は、メダル投入が許可されているか否か、つまり、メダル投入口8からのメダル投入、または、貯留メダル投入ボタン26〜28の操作が許可されているか否かを判別し(S45)、この判別が“YES”の場合、メインCPU64は、メダルセンサ8Sおよび貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sのチェックを行う(S46)。続いて、メダルセンサ8Sでメダル投入を検出し、または、貯留メダル投入スイッチ26S〜28Sが貯留メダル投入ボタン26〜28の操作を検出したか否かを判別する(S47)。この判別が“YES”の場合、メインCPU64は、投入枚数カウンタの値に“1”を加算する(S48)。この処理において貯留メダル精算ボタン29の操作によってメダル投入口8からのメダル投入が禁止されている場合には、クレジットされているメダル枚数に検出された貯留メダル投入ボタン26〜28に応じたメダル枚数が加算される。続いて、ベットコマンドをサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信する(S49)。このベットコマンドは、メダル投入口8からのメダル投入または貯留メダル投入ボタン26〜28の操作により単位遊技に賭けられたメダル枚数の情報を含むコマンドである。
次に、メインCPU64は、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別し(S50)、この判別が“NO”の場合には、投入枚数カウンタの値は“3”であるか否かを判別する(S51)。S50またはS51の判別が“YES”の場合、メインCPU64は、メダル投入禁止処理を行う(S52)。この処理では、投入枚数カウンタの更新が禁止されて、以降にメダルが投入された場合には、投入されたメダル枚数分だけクレジットメダル枚数が更新される。S45、S47、またはS51の判別が“NO”の場合、または、S52の処理を行った後、メインCPU64は、メダルの投入枚数、つまり、単位遊技に賭けられているメダル枚数は1枚以上であるか否かを判別し(S53)、この判別が“YES”の場合には、スタートスイッチはオンである否か、つまり、スタートレバー30の操作に基づくスタートスイッチ30Sからの入力があるか否かを判別する(S54)。S53またはS54の判別が“NO”のときは、処理はS45に戻り、上述の処理が繰り返される。一方、判別が“YES”になると、メダル受付・スタートチェック処理は終了する。
次に、図23を参照して、図20,S7で行われる遊技状態監視処理について説明する。
この遊技状態監視処理では、まず、メインCPU64は、RB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する(図23,S61参照)。この判別が“YES”のとき、メインCPU64は、RB遊技状態の識別子を制御RAM64の所定領域にセットし(S62)、判別が“NO”のときは、一般遊技状態の識別子を制御RAM64の所定領域にセットする。S62またはS63の処理が行われると、遊技状態監視処理は終了する。
次に、図24,図25を参照して、図20,S8で行われる内部抽選処理について説明する。
この内部抽選処理において、まず、メインCPU64は、内部抽選テーブル決定テーブル(図8)を参照して、上記のS7でセットした遊技状態に基づいて、内部抽選テーブルの種別と抽選回数を決定する(図24,S71参照)。続いて、メインCPU64は、持越役格納領域(図17)にセットされた値は“0”であるか否か、つまり、持越役がないか否かを判別し(S72)、判別が“NO”の場合には抽選回数を“4”に変更する(S73)。次に、メインCPU64は、抽選回数と同じ値を当選番号としてレジスタにセットする(S74)。従って、一般遊技状態時には“6”、RB遊技状態時には“3”、内部当選状態(持越状態)時には“4”がセットされることになる。次に、S71で決定した内部抽選テーブル(図9参照)を参照して、セットした当選番号と投入枚数カウンタの値に対応する下限値Lを取得する(S75)。続いて、制御RAM66における乱数値格納領域に格納されている乱数値Rから下限値Lを減算(R−L)する(S76)。
次に、メインCPU64は、減算の結果桁かりが行われたか否かを判別する(S77)。この判別が“NO”の場合には、下限値より乱数値の方が大きいかまたは下限値と乱数値が等しく(L≦R)、次に、S71で決定した内部抽選テーブル(図9参照)を参照して、当選番号と投入枚数カウンタに対応する上限値Uを取得する(S78)。続いて、乱数値格納領域に格納されている乱数値Rから上限値Uを減算(R−U)する(S79)。
次に、メインCPU64は、減算の結果得られた値が“0”であるか否かを判別する(S80)。この判別が“NO”の場合には、乱数値は上限値に等しくなく、次に、減算の結果桁かりが行われたか否かを判別する(S81)。乱数値が上限値に等しくて(R=U)S80の判別が“YES”の場合、または桁かりが行われて乱数値が上限値を下回って(R<U)S81の判別が“YES”の場合、下限値Lおよび上限値Uによって規定される数値範囲に抽出乱数値Rが属するため(L≦R≦U)、メインCPU64は、当選番号を制御RAM66の内部抽選結果情報格納領域に格納する(S82)。続いて、内部当選役決定テーブル(図10)を参照し、当選番号に基づいて内部当選役1と内部当選役2を決定する(S83)。次に、メインCPU64は、S83で決定された内部当選役2と内部当選役2格納領域(図16)との論理和を内部当選役2格納領域に格納し(S84)、内部当選役2格納領域に当選した小役の種類に応じたビットを立てる。続いて、S83で決定された内部当選役1とボーナスチェックデータ(00000110)の論理積をとり、これと持越役格納領域(図17)との論理和を持越役格納領域に格納する(S85)。これにより、決定されたBB1またはBB2が持越役格納領域に格納される。次に、メインCPU64は、内部当選役1と持越役格納領域の論理和を内部当選役1格納領域(図15)に格納し(S86)、内部当選役1格納領域に当選したボーナスまたはリプレイに応じたビットを立てる。
S77の判別が“YES”で乱数値Rが下限値Lを下回った場合(R<L)、S81の判別が“NO”で乱数値Rの方が上限値Uより大きい場合(U<R)、または、S86の処理の後、メインCPU64は、抽選回数を“1”減算した後(S87)、抽選回数は“0”であるか否かを判別する(S88)。この判別が“NO”の場合には、処理はS74に戻って、上述の処理が繰り返される。一方、S88の判別が“YES”で抽選回数分だけ乱数値Rと下限値L,上限値Uとの大きさが比較された場合には、メインCPU64は、内部当選役決定テーブルを参照し、当選番号“0”に基づいて内部当選役1と内部当選役2を決定する(図25,S89参照)。続いて、決定された内部当選役2と内部当選役2格納領域の論理和を内部当選役2格納領域に格納する(S90)。これにより、乱数値Rがいずれの数値範囲にも属さず、S82〜S86が行われなかった場合には、基本的に、内部当選役2格納領域にハズレがセットされる。次に、メインCPU64は、内部当選役1とボーナスチェックデータとの論理積をとり、これと持越役格納領域との論理和を持越役格納領域に格納して(S91)、ボーナスの持越役を持越役格納領域にセットする。次に、メインCPU64は、内部当選役1と持越役格納領域の論理和を内部当選役1格納領域(図15)に格納し(S92)、内部当選役1格納領域にハズレまたは持ち越されているボーナスをセットして、内部抽選処理を終了する。
次に、図26を参照して、図20,S9で行われるリール停止初期設定処理について説明する。
このリール停止初期設定処理において、まず、メインCPU64は、内部抽選結果情報格納領域にセットされている値は“0”であるか、つまり、内部当選役がハズレであるか否かを判別する(図26,S101参照)。この判別が“YES”である場合には、次に、メインCPU64は、持越役格納領域(図17)にセットされている値は“0”であるか、つまり、持ち越されているボーナスがあるか否かを判別する(S102)。内部当選役がハズレでなくてS101の判別が“NO”の場合、または、内部当選役がハズレで持ち越されているボーナスがなくてS102の判別が“YES”の場合、メインCPU64は、確率抽選処理(図20,S8)で決定された当選番号をストップ用セレクトカウンタに格納する(S103)。内部当選役がハズレで持ち越されているボーナスがあってS102の判別が“NO”の場合、メインCPU64は、持越役格納領域のデータを番号化し、“3”を加算して、得られた値をストップ用セレクトカウンタに格納する(S104)。つまり、持越役格納領域のビット0がオンの場合には1、ビット1がオンの場合には2、ビット2がオンの場合には3と番号化し、番号化したこの値に3を加え、ビット0がオンの場合には4(リプレイ)、ビット1がオンの場合には5(BB2)、ビット3がオンの場合には6(BB1)と整数化した値をストップ用セレクトカウンタに格納する。S103またはS104の処理の後、メインCPU64は、停止テーブル決定テーブル(図11)を参照して、ストップ用セレクトカウンタに格納した当選番号に基づいて停止テーブルを決定し、決定した停止テーブルを制御RAM66の所定領域に格納し(S105)、リール停止初期設定処理を終了する。
次に、図27を参照して、図20,S14で行われるリール停止制御処理について説明する。
このリール停止制御処理において、まず、メインCPU64は、リール2〜4の回転が定速になっていずれかの停止ボタン31〜33が押圧操作され、有効なストップスイッチが“オン”されたか否かを判別する(図27,S111参照)。この判別が“NO”である場合には、次に、メインCPU64は、停止ボタン31〜33が操作されずに自動停止タイマの値が“0”となったか否かを判別する(S112)。この判別が“NO”である場合には、処理はS111に戻り、上述の処理が繰り返される。一方、自動停止タイマの値が“0”になってS112の判別が“YES”である場合には、メインCPU64は、停止制御対象としてより左側のリール2〜4の情報を取得する(S113)。有効なストップスイッチが“オン”されてS111の判別が“YES”の場合、または、S113の処理を終えると、続いて、リール停止初期設定処理(図20,S9)で決定された停止テーブルと、内部抽選処理(図20,S8)で決定された内部当選役1,2と、引込優先順位テーブル(図12)に基づいて滑りコマ数を決定する(S114)。次に、メインCPU64は、S114で決定された滑りコマ数と現在のシンボル位置に基づいて、シンボルの停止予定位置を決定し(S115)、決定した停止予定位置にシンボルが移動してくるのを待つ停止予定位置待ち状態に処理を移行する(S116)。次に、メインCPU64は、リール停止コマンドをサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62側へ送信し(S117)、続いて、現在回転中のリール2〜4は有るか否かを判別し(S118)、この判別が“YES”のときには、処理はS111に戻って上述の処理が繰り返される。一方、判別が“NO”のときには、停止制御処理を終了する。
次に、図28を参照して、図20,S15で行われる表示役検索処理について説明する。
この表示役検索処理において、まず、メインCPU64は、シンボル格納領域の先頭アドレスを取得する(図28,S121参照)。シンボル格納領域の各アドレスには、各入賞ラインL1,L2A,L2B,L3A,L3Bに揃えられているシンボル組合せがセットされている。続いて、メインCPU64は、有効ラインカウンタの値は“0”であるか否かを判別する(S122)。この判別が“NO”である場合には、当該アドレスに格納されているシンボルの組合せと、シンボル組合せテーブル(図7)に基づいて、表示役と払出枚数を特定する(S123)。続いて、有効ラインカウンタの値を“1”減算する(S124)と共に、シンボル格納領域の次のアドレスを取得する。その後、処理はS122に戻って上述の処理が繰り返され、有効化入賞ライン1本毎に表示役に対応するシンボル組合せが揃っているか否かが判別される。S122の判別が“YES”になると、全ての有効化入賞ラインについて表示役と払出枚数が特定されるので、表示役検索処理は終了する。また、表示役検索処理では、特定された表示役と内部当選役とが異なる場合、または、表示役が表示役判定データに含まれない場合には、配当枚数表示部20および液晶表示装置22にイリーガルエラーが表示される。
次に、図29を参照して、図20,S20で行われるボーナス終了チェック処理について説明する。
このボーナス終了チェック処理において、まず、メインCPU64は、RB作動中フラグは“オン”であるか否かを判別する(図29,S131参照)。この判別が“NO”である場合には、メインCPU64は、BB遊技状態中に払出可能なメダル枚数350枚をカウントするボーナス終了枚数カウンタ(図14参照)の値は“0”であるか否かを判別する(S132)。S131の判別が“YES”の場合、メインCPU64は、小役の入賞が成立したか否か、つまり、図20,S15の表示役検索処理で表示役として小役が特定されたか否かを判別する(S133)。この判別が“YES”である場合には、メインCPU64は、上記のボーナス終了枚数カウンタの値は“0”であるか否かを判別し(S134)、この判別が“YES”である場合は、RB作動中フラグや入賞可能回数および遊技可能回数をクリアする等のRB終了時処理を行う(S135)。S132の判別が“YES”の場合、または、S135の処理を行った後、メインCPU64は、BB作動中フラグやボーナス終了枚数カウンタをクリアする等のBB終了時処理を行う(S136)。
S134の判別が“NO”である場合、メインCPU64は、入賞可能回数を“1”減算し(S137)、続いて、入賞可能回数は“0”であるか否かを判別する(S138)。この判別が“NO”の場合、または、S133の判別が“NO”の場合、メインCPU64は、遊技可能回数を“1”減算し(S139)、続いて、遊技可能回数は“0”であるか否かを判別する(S140)。この判別またはS138の判別が“YES”の場合、メインCPU64は、上記のRB終了時処理を行う(S141)。S132またはS140の判別が“NO”の場合、または、S136もしくはS141の処理を行った後、ボーナス終了チェック処理を終了する。
次に、図30を参照して、図20,S21で行われるボーナス作動チェック処理について説明する。
このボーナス作動チェック処理では、まず、メインCPU64は、リール2〜4に実際に揃って表示されている表示役は「リプレイ」であるか否かを判別する(図30,S151参照)。この判別が“YES”である場合には、投入枚数を自動投入カウンタに複写する(S152)。つまり、その単位遊技に賭けられていた枚数と同数のメダルを表す数値データを自動投入カウンタの値にセットする。
S151の判別が“NO”の場合、メインCPU64は、表示役は「BB1」または「BB2」であるか否かを判別する(S153)。この判別が“YES”の場合、メインCPU64は、ボーナス作動時テーブルに基づいてBB作動時処理を行い(S154)、続いて、持越役をクリアする(S155)。BB作動時処理では、メインCPU64は、BB作動中フラグをセットすると共にボーナス終了枚数カウンタに350をセットする。S153の判別が“NO”である場合、または、S152若しくはS155の処理が行われた後、ボーナス作動チェック処理は終了する。
本実施形態によるパチスロ機1では、上述のように、図9(a)に示す一般遊技状態用内部抽選テーブルにおいて、「チェリー」の小役に対応する当選番号1には、投入枚数3枚の場合に下限値0,上限値599の数値範囲が割り当てられており、「BB2」に対応する当選番号5には、投入枚数3枚の場合には当選番号1の場合と一部重複する下限値579,上限値661の数値範囲が割り当てられている。また、「スイカ」の小役に対応する当選番号3には、投入枚数3枚の場合には下限値1785,上限値2184の数値範囲が割り当てられており、「BB1」に対応する当選番号6には、投入枚数3枚の場合には当選番号3の場合と一部重複する下限値1730,上限値1812の数値範囲が割り当てられている。
本実施形態によるパチスロ機1によれば、このように、ある当選役である「チェリー」または「スイカ」の小役に応じた数値範囲と、「チェリー」または「スイカ」の小役とは異なる他の当選役である「BB1」または「BB2」に応じた数値範囲とが、少なくとも一部において重複して規定されているので、乱数抽出手段により抽出された乱数がこの重複した数値範囲に属すると、各数値範囲に応じたある当選役と他の当選役との複数の当選役であるチェリーとBB2、またはスイカとBB1が同時に決定される。このため、1つの乱数値および1つの内部抽選テーブルのみを用いて、一度に複数の当選役を決定することが可能な新たな当選役の抽選方式を提供することができる。また、内部抽選テーブルを複数設ける必要がないので、プログラムROM65のメモリ容量を増やすようなハードウエア資源を増加させる必要もない。
また、各当選役に割り当てられる数値範囲は、図9に示すように下限値および上限値をもって定められるため、必ずしも順に設ける必要がなく、各数値範囲を重複させたり分散させて不規則に設けることが可能となる。このため、不正行為により一定のタイミングでスタートレバー30による開始操作が繰り返されても、抽出乱数値が入賞に係る当選役に応じた数値範囲に入り続けることはなくなる。よって、本来予定されている確率以上に入賞に係る当選役が決定され続けるといったことはなくなり、パチスロ機1を設置する遊技店の経営を悪化させてしまうことがなくなる。
この結果、当選役の新たな抽選方式をもたらすことにより遊技者の固定概念を打破して新たな面白味を生じさせると共に、不正行為への有効な対策を講じることが可能で、遊技者および遊技店の双方の要請を満足させることができるパチスロ機1を提供することが可能となる。
また、本実施形態によるパチスロ機1によれば、内部抽選処理(図20,S8)において、「チェリー」の小役と「BB2」、または、「スイカ」の小役と「BB1」が同時に内部当選役として決定されることがあるので、「チェリー」の小役または「スイカ」の小役の入賞が成立した場合には、その単位遊技において、「BB2」または「BB1」も内部当選役として決定されたのではないかという期待感を持たせることができる。
また、本実施形態によるパチスロ機1によれば、当選役として決定された例えば「BB2」が持越手段により持ち越された場合には、持ち越された当選役にも基づき、シンボルの変動表示が停止制御される。このため、複数の当選役例えば「チェリー」および「BB2」が決定された場合に、一方の当選役「チェリー」に応じたシンボルの変動表示の停止制御のみが行われて、遊技者が他方の当選役「BB2」に応じたシンボルの変動表示の停止制御を享受できなくなり、不利益を被る事態を防ぐことができる。
なお、上記実施形態の説明では、「チェリー」の小役と「BB2」、および、「スイカ」の小役と「BB1」とで、割り当てられた乱数範囲が一部重複する場合について説明した。しかし、割り当てられた乱数範囲が一部重複する役の種別は任意であり、適宜変更して差し支えない。
また、上記実施の形態の説明では、内部抽選処理(図20,S8)において、乱数値Rが数値範囲の下限値Lまたは上限値Uと等しい(R=LまたはR=U)場合にもその数値範囲が割り当てられた当選役を内部当選役として決定した。しかし、乱数値Rが数値範囲の下限値Lを上回り(L<R)、かつ、上限値を下回った(R<U)場合にのみ、その数値範囲が割り当てられた当選役を内部当選役として決定し、乱数値Rが数値範囲の下限値または上限値と等しい(R=LまたはR=U)場合には、乱数値Rが数値範囲に属しないと判別して、その数値範囲が割り当てられた当選役が内部当選役として決定されない構成としてもよい。