JP2006321716A - 中空状マイクロファイバー及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コイルのピッチが実質的に0である中空状カーボンマイクロコイル、及び、これらを金属化処理等をしてなる中空状セラミックマイクロコイル又は中空状セラミックマイクロファイバーを提供する。
【解決手段】本発明は、アセチレンの触媒活性化熱分解によりマイクロコイル状炭素を合成する際、反応条件を厳密に制御し、ファイバーの成長につれて基板を下げてゆくことを特徴とする、コイルが極めて密に規則正しく巻いた中空状カーボンマイクロコイルに関する。また、本発明は、これらを原料として、種々の金属成分、ケイ素、ホウ素、炭素、窒素及び/又は酸素原子などを含むガス中、800〜1700℃で高温反応/拡散処理を行うと、原料ガス成分が炭素と反応あるいは置換し、一方繊維軸中の空洞は完全に保持された中空状のセラミックス系マイクロコイル又はマイクロファイバーに関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、三次元強化複合材、電磁波吸収材、電極材料、触媒、触媒担体、吸着剤、マイクロメカニカル素子、マイクロスイッチング素子、マイクロセンサー、マイクロフィルターなどの材料として適用しうる中空状マイクロコイル又は中空状マイクロファイバーの製造法に関する。
これまで、炭素繊維、金属炭化物や窒化物の繊維やウイスカー(猫の髭状の細長い単結晶)は、金属触媒活性化CVD法により製造されているが、その形態はすべて繊維の芯まで完全に詰まった直線状繊維である。繊維軸に空洞のあるマイクロパイプ状の繊維は全く報告されていない。気相からのファイバーやウイスカーは、一般にVLS(気−液−固)機構により成長するが、この機構では理論的にパイプ状に成長することは不可能である。マイクロコイル状の繊維の製造法として、本発明者らは、先に金属触媒および微量のイオウあるいはリン系不純物の存在下で、アセチレンを熱分解することにより、マイクロコイル状の炭素繊維を製造する方法を提案した(特開平4−222228号参照)。またこのコイル状炭素繊維を高温で気相メタライジング/窒化同時処理することにより種々のマイクロコイル状金属窒化物繊維を製造する方法を提案した(申請中)。
マイクロコイル状カーボンファイバーは、金属触媒および微量のイオウあるいはリン系不純物の存在下で、炭化水素ガスを熱分解することにより、再現性良く高収率で製造することができる。そのコイル形態は、一般に不規則であり、また規則的に巻いたコイルもコイル間は密着しておらず隙間がある。そこで、コイル状カーボンファイバーの合成条件およびその後処理を詳細に検討した結果、合成条件を高度に制御すると、炭素繊維が非常に規則的に巻いてコイル間が完全に詰まり、コイル軸が空洞の中空状マイクロカーボンファイバーが得られることを見出し、さらにこれを原料とした種々の中空状セラミックマイクロファイバーの製造方法について検討した結果、本発明を完成させたものである。原料として、中空状の金属炭化物マイクロファイバー、金属窒化物マイクロファイバーあるいは金属炭窒化物ファイバーを用いることも出来る。本発明の目的は、種々の金属・金属間化合物およびセラミックス系化合物の中空状マイクロファイバーの新しい製造法を提供することである。
本発明は、繊維軸が空洞でコイル間が密着した中空状カーボンマイクロコイル、およびこれを金属、ケイ素、ホウ素、炭素、窒素あるいは酸素原子含有ガスを含む混合ガス中で、高温で気相メタライジング、ケイ化、ホウ化、炭化、窒化及び/又は酸化処理してなることを特徴とする中空状セラミックマイクロコイル又は中空状セラミックマイクロファイバー及びその製造法に関する。さらに、本発明は、中空状カーボンマイクロコイルが金属化されてなる中空状の金属炭化物マイクロコイルあるいは金属窒化物マイクロコイルを、さらに、金属、ケイ素、ホウ素、炭素、窒素あるいは酸素原子含有ガスを含む混合ガス中で、高温で気相メタライジング、ケイ化、ホウ化、炭化、窒化及び/又は酸化処理してなることを特徴とする中空状セラミックマイクロコイル又は中空状セラミックスマイクロファイバー及びその製造法に関する。より詳細には、本発明は、マイクロコイル状カーボンを合成する際、合成条件を高度に制御することによりコイル間が完全に密着した中空状カーボンマイクロコイルを提供すること、およびこの中空状カーボンマイクロコイルを原料とし、種々の金属、ケイ素、ホウ素、炭素、窒素及び/又は酸化原子含有ガスを含む混合ガス中、高温で気相拡散・反応処理することによる、炭素原子の一部あるいは全部がこれらの成分と物理的又は化学的に処理され、金属間化合物、金属ケイ化物、金属ホウ化物、金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物、あるいはこれらの複合化物となった中空状セラミックマイクロコイルを提供するものである。さらに、本発明は前記の高温での気相拡散・反応処理により、マイクロコイルの隣接するコイル形成部分の一部又は全部が融合してマイクロコイルの一部又は全部がファイバー状になった中空状セラミックマイクロファイバーを提供するものである。また、本発明は、公知のコイル間が密着していない中空状カーボンマイクロコイル又は中空状カーボンファイバー若しくは中空状カーボンマイクロファイバーを原料として、これを金属、ケイ素、ホウ素、炭素、窒素あるいは酵素原子含有ガスを含む混合ガス中で、高温、気相処理を一段階、又は二段階以上行うことにより、炭素原子の一部又は全部がこれらの成分と物理的又は化学的に処理され、金属間化合物、金属ケイ化物、金属炭化物、金属窒化物、金属酸化物、あるいはこれらの複合化物となった中空状セラミックマイクロコイル又は中空状セラミックマイクロファイバー、及びそれらの製造法を提供するものである。
本発明で使用しうる原料ガスのうち、金属成分としては、高温で高い蒸気圧を持つ金属単体、ハロゲン化物、水素化物、有機金属化合物など、ほとんどあらゆる遷移金属、典型金属、半金属の単体および化合物が使用できる。炭素源としては、主として炭素繊維の炭素そのものを使用するが、外部からメタン、エタンなどの炭化水素ガスや四塩化炭素などの炭素原子含有ガスを用いることもできる。窒素源としては、窒素、アンモニア、ヒドラジンなどのように窒素原子を多量に含む分子あるいは化合物が使用できる。ホウ素としては、三塩化ホウ素、ジボラン、ボラジンなどのホウ素原子を含む化合物ガスが使用できる。また、ケイ素としてはシラン、ジシラン、四塩化ケイ素、六塩化二ケイ素などのケイ素含有ガスが使用できる。また、反応系に水素を存在させることは特に必要ではないが、水素が存在することが望ましい。反応系に、He、Arなどの不活性ガスが存在してもよい。反応においては、触媒などは特に必要としないが、必要に応じて触媒を存在させることもできる。
本発明の中空状セラミックマイクロコイル又は中空状セラミックマイクロファイバーを製造する際に、使用し得る原料として、気相合成された中空状カーボンマイクロファイバー又は中空状カーボンマイクロコイル、これを熱処理して得た中空状のグラファイトファイバー、金属炭化物ファイバー、金属窒化物ファイバー、ポリアクリロニトリルやピッチなどの有機プリカーサーを規則的に緻密に巻いて中空状ファイバーに成型・加工・熱処理して得たものも使用できる。
本発明の中空状セラミックマイクロコイル又は中空状セラミックマイクロファイバーを製造する際の反応温度としては、700〜1800℃、好ましくは900〜1200℃である。メタライジング用の金属成分含有ガスの流量は1〜50cc/分、好ましくは5〜10cc/分である。また、窒化用の窒素あるいはアンモニアガス流量は、10〜500cc/分、好ましくは50〜200cc/分である。ケイ化用のケイ素含有ガスの流量は1〜50cc/s、好ましくは5〜20cc/sである。ホウ化用のホウ素含有ガスの流量は、1〜50cc/s、好ましくは5〜20cc/sである。水素ガスの存在下に行う場合の水素ガス流量は、250〜650cc/分、好ましくは350−450cc/分である。アンモニアを用いた場合には、水素ガスの導入は省略することが出来る。原料ガス中にアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを加えることも出来る。
本発明で得られる中空状マイクロコイル又は中空状マイクロファイバーのファイバー直径は、0.5〜15μm、中空径は0.01〜5μm、パイプ長さは0.01mm〜300mmの範囲であるが、これらに限定されるものではない。反応温度、反応時間あるいは原料ガス組成などを変化させることにより、炭素原子が一部残った中空状セラミックマイクロコイル又は中空状セラミックマイクロファイバーを得ることもできる。
本発明の中空状セラミックマイクロコイル又は中空状セラミックマイクロファイバーの各元素の存在状態は必ずしも明確ではないが、多元合金からなるコイル又はファイバーにおいては、それぞれの合金成分が完全に固溶・均一相となったもの、一部の成分あるいは合金成分が偏折したもの、あるいはすべての成分あるいは合金成分が完全に独立分散したものなど、様々な構造になっていると考えられる。他の化合物の場合にも同様である。
本発明の中空状マイクロコイル又は中空状マイクロファイバーは、既存の直線状の炭素繊維、炭化物、窒化物、ホウ化物繊維などが用いられている種々の用途に応用できる。特に、そのマイクロパイプ状という特異的形態からもたらされる種々の特性を利用して、FRPやFRMなどの三次元強化用繊維、電磁波吸収材、電極材料、マイクロメカニカル素子、マイクロスイッチング素子、マイクロセンサー、マイクロフィルター、高温耐蝕性パッキング、吸着剤、触媒材料、触媒担体など、種々の機能性材料として有用である。
以下、本発明を実施例に具体的に示すが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
実施例1
内径60mm、長さ1、000mmの縦型透明石英管からなる熱CVD装置の中央部に、ニッケル粉末(平均粒径5μm)を塗布したグラファイト基板をセットし、750℃で反応を行った。反応ガスとして、チオフェン不純物を1.51mol%含むアセチレンを80 cc/分、水素を400cc/分および窒素を200cc/分で上部より流し、常圧下で反応を行った。原料ガス導入口と成長したマイクロコイルの先端部分との距離は、1〜10mm、好ましくは2〜3mmとなるようにコイルの成長と共に基板の位置を下げた。成長したコイルは、ほとんどが二本のコイルが互いに巻き合いながら成長し、非常に規則正しく緻密に巻きコイル間の隙間の全く無い二重コイルであり、コイルの外径は0.1〜15μm、コイルピッチはゼロ、コイル長さは反応時間に依存して0.01〜200mmであり、繊維軸が空洞となった中空状カーボンマイクロコイルが得られた。
実施例2
触媒としてチタンおよびタングステン粉末(平均粒径5μm)を用いた以外は、実施例1と同じ条件で反応を行った。非常に緻密に巻きコイル間の隙間の全く無い二重コイルが得られ、コイルの長さは反応時間に依存し0.01〜200mmであった。
実施例3
内径23mm、長さ500mmの水平回転式不透明石英製反応管からなる回転式熱CVD装置の中央部に、実施例1で得られた中空状カーボンマイクロコイル100mgを入れた石英製ボートをセットし、アルゴンガス中、1200℃中まで加熱した後、四塩化チタンガスを10cc/分および水素を100cc/分で流し、2時間反応を行った。反応管の回転速度は、1〜300回転/分、好ましくは10〜60回転/分である。反応後試料の重量は500mgに増加した。カーボンマイクロコイルは気相チタナイジングすることにより、その外側から芯部分に向かって同心円状に次第にTiC化され、コイル間は完全に癒着されたが、繊維軸に沿った空洞形態は完全に保持されていた。その芯部分まで完全にチタナイジングされてTiC1.0 に変化した場合、その重量は約5倍に増加する。したがって、本実施例では、繊維の芯まで100%TiC化された中空状TiCマイクロファイバーが得られたことになる。
実施例4
内径23mm、長さ500mmの水平回転式不透明石英管からなる回転式熱CVD装置の中央部に、実施例1で得られた中空状カーボンマイクロコイル100mgを入れた石英製ボートをセットし、アルゴンガス中、1200℃中まで加熱した後、四塩化チタンガスを10 c c/分、窒素ガスを100cc/分で流して1時間反応を行った。反応後の試料は原料カーボンマイクロコイルの黒灰色から暗い黄褐色に変化し、重量は310mgに増加し、そのX線回折図には原料のカーボンマイクロコイルの非晶質相を示す幅広いピークと共に、窒化チタン(TiN)相の存在を示す鋭いピークが観察された。しかし、炭化チタン(TiC)相の存在を示すピークは全く観察されなかった。すなわち、本実施例においては、カーボンマイクロコイルの気相チタナイジングと窒化が同時に進行して、TiN化されたことを示している。カーボンマイクロコイルが完全TiN1.0 に変化した場合、重量は約5.2倍となる。したがって、本実施例の場合、重量増加から計算したTiN化率は、約50mol%である。また、反応後の試料表面および鏡面研磨断面を、それぞれ図−1および図−2に示す。試料表面には微粒多結晶性のTiN粒子が析出しており、コイルの溝はほとんど埋まり完全に癒着している。またその断面観察から、コイル表面および内側には連続した白く輝く膜部分が観察され、その部分にはチタンおよび窒素の存在が認められた。一方、暗い中心部分には炭素の存在のみが認められた。外側のドーナツ状のTiN部分と中心の炭素部分との面積比は約50%であった。すなわち、繊維の表面からその断面積の50%がTiN化され、芯の部分は炭素質のままであった。窒素ガスの代わりにアンモニアガスあるいはヒドラジンガスを用いてもほとんど同じ結果が得られた。
実施例5
反応時間を3時間とした以外は、実施例4と同じ条件で反応を行った。反応後の試料は、褐色がかった黄金色に変化した。その断面観察およびX線回折から、未反応の中空状カーボンマイクロコイルの炭素の存在は全く観察されず、原料のカーボンマイクロコイルは完全にTiN膜化された。一方、原料の中空状形態は完全に保持されてマイクロパイプ状になった。すなわち、中空状カーボンマイクロコイルは、完全にTiN化されてもその中空状形態は完全に保持され、中空状TiNマイクロファイバーが得られた。
実施例6
四塩化チタンの代わりに四塩化ジルコニウムを用い、反応時間を3時間とした以外、実施例4と同じ条件で反応を行った。反応後の試料は多少灰色がかった金色に変化し、重量は8.8倍に増加し、X線回折図からは原料の炭素繊維の非晶質相あるいはZrC相を示すピークは全く観察されず、ZrN相の存在を示す鋭いピークのみが観察された。したがって、本実施例では、原料の炭素繊維は100%ZrNに変化したことが分かる。中空状カーボンマイクロコイルは、完全にZrN化されてもその中空状形態は完全に保持され、中空状ZrNマイクロファイバーが得られた。
実施例7
四塩化チタンの代わりに、五塩化ニオブを用い、また反応時間を5時間とした以外、実施例4と同じ条件で反応を行った。反応後の試料のX線回折図からは原料の炭素繊維の非晶質相あるいはNbC相を示すピークは全く観察されず、NbN相の存在を示す鋭いピークのみが観察された。
実施例8
内径23mm、長さ500mmの水平回転式不透明石英製反応管からなる回転式熱CVD装置の中央部に、実施例3で得られた中空状TiCマイクロファイバー100mgを入れた石英製ボートをセットし、アルゴンガス中1200℃中まで加熱した後、アンモニアガスを100cc/分で流して2時間反応を行った。反応間の回転速度は、1〜300回転/分、好ましくは10〜60回転/分である。反応後、試料は金褐色に変化したが重量増加はほとんど観察されなかった。理論的にも炭化チタンから窒化チタンに変化しても重量増加はほとんどない。しかし、X線回折図には窒化チタン相のピークのみが観察され、炭化チタン相のピークは全く観察されなかった。また、窒化処理しても、中空状TiCマイクロファイバーの中空状形態はほとんど変化しなかった。鏡面研磨断面には、連続した厚いTiN膜の存在のみが観察され、その中心部には炭素の存在は全く確認されなかった。
実施例9
原料ガス中に余分にメタンを5 c c/分で加えた以外は、実施例4と同じ条件で反応を行った。反応後の試料の色の暗青色に変化し、重量は310mgに増加した。X線回折図には、窒化チタンの他、炭窒化チタンのピークも認められた。
実施例10
原料ガス中に余分に水蒸気を5cc/分で加えた以外は、実施例4と同じ条件で反応を行った。反応後の試料の色の変化はなく、重量は310gに増加した。X線回折図には、窒化チタンの他炭酸窒化チタンのピークが認められた。
実施例11
原料ガスとして、四塩化チタンを30cc/分、三塩化ホウ素を30cc/分、水素を500cc/分、アルゴンを100cc/分、用いた以外は、実施例3と同じ条件で反応を行った。反応後の試料には、X線回折図から原料の中空状マイクロカーボンファイバーの非晶性炭素のピークの他、二ホウ化チタン(TiB)のピークが観察された。鏡面研磨断面には、原料の中空状カーボンマイクロコイルの中空状形態は完全に保持されており、カーボンマイクロコイルの一部が未反応のまま残った中空状二ホウ化チタンマイクロファイバーが得られた。
実施例12
反応時間を12時間とした以外は、実施例11と同じ条件で反応を行った。反応後の試料のX線回折図には、二ホウ化チタンのピークのみが観察され、未反応の炭素の存在は全く観察されなかった。鏡面研磨断面には、連続した二ホウ化チタン膜のみが観察され、原料の中空状カーボンマイクロコイルの中空状形態は完全に保持されていた。すなわち、原料の中空状カーボンマイクロコイルは、完全に二ホウ化チタンに変化し、中空状二ホウ化チタンマイクロファイバーが得られた。
実施例13
内径23mm、長さ500mmの回転式不透明石英管製反応管からなる回転式熱CVD装置の中央部に、実施例1で得られた中空状カーボンマイクロコイルを入れ、アルゴンガス中、1200℃中まで加熱した後、原料ガスとして、三塩化鉄を30cc/分、水素を300cc/分、アルゴンを100cc/分、流して、3時間反応を行った。反応管の回転速度は、1〜300回転/分、好ましくは10〜60回転/分である。反応後の試料には、X線回折から未反応の炭素の他、鉄および炭化鉄(FeC)の存在が確認された。反応生成物の表面には、微小な結晶粒の成長が観察され、コイル間は完全に埋まっていた。研磨断面には未反応の炭素層と鉄および炭化鉄層の二層が観察され、また原料の中空状カーボンマイクロコイルの中空状形態は、反応後も完全に保持されていた。
実施例14
原料ガスとして、鉄カルボニルを3cc/分およびニッケルカルボニルを15cc/分、用いた以外は実施例13と同じ条件で反応を行った。反応後の試料には未反応の炭素、鉄、炭化鉄、およびFe−Ni合金(Ni:70 at%)の存在が確認された。原料の中空状カーボンマイクロコイルの中空状形態は、反応後も完全に保持されていた。
実施例15
反応時間を12時間とした以外は、実施例14と同じ条件で反応を行った。反応生成物中には未反応の炭素は観察されず、また鏡面研磨断面には、Fe−Ni合金単一層のみが観察された。
実施例16
実施例1で得られた中空状カーボンマイクロコイルの引っ張り強度を測定したところ、100〜350kg/mm(平均250kg/mm)の高い値を示した。
実施例17
実施例5で得られた中空状窒化チタンマイクロファイバーの引っ張り強度を測定したところ、50〜100kg/mm(平均70kg/mm)であった。
実施例18
実施例1で得られた中空状カーボンマイクロコイルの電気抵抗値を測定しところ、3×10−3Ωcmの金属的性質を示した。実施例3で得られた中空状炭化チタンマイクロファイバーの電気抵抗値は、1×10−4Ωcmで完全に金属的性質を示した。その他の金属炭化物、窒素化物、あるいは金属間化合物の場合も同様な金属的性質を示した。
以上述べたように、アセチレンの触媒活性化熱分解によりマイクロコイル状炭素を合成する際、反応条件を厳密に制御することにより、コイルが極めて密に規則正しく巻いた中空状でマイクロパイプ状のカーボンコイルが得られる。さらにこれを種々の金属成分、ケイ素、ホウ素、炭素、窒素あるいは酸素原子などを含む原料ガス中、800〜1800℃で反応を行うことにより、その表面の一部あるいは芯まで完全に反応したマイクロパイプ状のセラミック繊維を定量的に得ることができる。この際触媒は特に必要としない。
図面に代える写真で、実施例4で得られた中空状窒化チタンマイクロファイバーの表面の顕微鏡写真である。 図面に代える写真で、実施例4で得られた中空状窒化チタンマイクロファイバーの鏡面研磨断面の顕微鏡写真である。

Claims (9)

  1. コイルのピッチが実質的に0である、中空状カーボンマイクロコイル。
  2. 中空状カーボンマイクロコイルの一部又は全部が金属窒化物、金属炭化物又は金属炭窒化物である中空状セラミックマイクロコイル。
  3. 気相メタライジング、ケイ化、ホウ化又は酸化処理された請求項2に記載の中空状セラミックマイクロコイル。
  4. 請求項2又は3に記載の中空状セラミックマイクロコイルの隣接するコイル形成部分の一部又は全部が融合された中空状セラミックマイクロファイバー。
  5. 触媒活性化CVD法によりマイクロコイル状カーボンを気相合成する方法において、カーボンマイクロコイルが非常に緻密かつ規則的に巻かれてコイル間が密着し、マイクロコイル状カーボンの軸が中空状コイルになるように、マイクロコイルの成長につれて基板を下げていくことを特徴とする、中空状カーボンマイクロコイルの製造法。
  6. 中空状カーボンマイクロコイル又は中空状カーボンファイバーを金属原子を含んだガス中、700−1800℃の高温で気相メタライジング・炭化処理することを特徴とする一部又は全部が金属化された中空状セラミックマイクロコイルの製造法。
  7. ガスが窒素原子を含んだガスである請求項6に記載の中空状のセラミックマイクロコイルの製造法。
  8. 金属、ケイ素、ホウ素、炭素及び/又は酸素原子含有ガスを含むガス中で、高温で気相メタライジング、ケイ化、ホウ化、炭化及び/又は酸化処理された請求項6又は7に記載の中空状セラミックマイクロコイルの製造法。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項に記載の製造法による、マイクロコイルの隣接するコイル形成部分の一部又は全部が融合された中空状セラミックマイクロファイバーの製造法。
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