JP2006312745A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】力学的物性、寸法安定性、耐熱性、難燃性等に優れ、特に高温物性に優れた樹脂組成物、基板用材料、シート、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、プリント基板、プリプレグ及び接着シートを提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル系樹脂100重量部と無機化合物0.1〜65重量部とを含有する樹脂組成物であって、樹脂組成物のガラス転移温度よりも10℃高い温度から、樹脂組成物のガラス転移温度よりも50℃高い温度までの平均線膨張率(α2)が1.0×10-3[℃-1]以下である樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、力学的物性、寸法安定性、耐熱性、難燃性等に優れ、特に高温物性に優れた樹脂組成物、基板用材料、シート、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、プリント基板、プリプレグ、接着シート及び光回路形成材料に関する。
近年、電子機器の高性能化、高機能化、小型化が急速に進んでおり、電子機器に用いられる電子部品の小型化、軽量化の要請が高まっている。これに伴い、電子部品の素材についても、耐熱性、機械的強度、電気特性等の諸物性の更なる改善が求められており、例えば、半導体素子のパッケージ方法や半導体素子を実装する配線板についても、より高密度、高機能、かつ、高性能なものが求められている。
電子機器に用いられる多層プリント基板は、複数層の絶縁基板により構成されており、従来、この層間絶縁基板としては、例えば、熱硬化性樹脂をガラスクロスに含浸させた熱硬化性樹脂プリプレグや、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂からなるフィルムが用いられてきた。上記多層プリント基板においても高密度化、薄型化のために層間を極めて薄くすることが望まれており、薄型のガラスクロスを用いた層間絶縁基板やガラスクロスを用いない層間絶縁基板が必要とされている。そのような層間絶縁基板としては、例えば、ゴム(エラストマー)類、アクリル樹脂等で変性した熱硬化性樹脂材料、無機充填剤を大量に配合した熱可塑性樹脂材料等からなるものが知られており、下記特許文献1には、高分子量エポキシ重合体及び多官能エポキシ樹脂等を主成分とするワニスに、所定の粒子径を有する無機充填剤を配合し、支持体に塗布して絶縁層とする多層絶縁基板の製造方法が開示されている。
しかしながら、上記製造方法により作製された多層絶縁基板では、無機充填剤と高分子量エポキシ重合体や多官能エポキシ樹脂との界面面積を確保して機械的強度等の力学的物性を充分に向上させるために、多量の無機充填剤を配合する必要があり、製造工程の増加等の加工上の不具合が生じたり、層間を薄くすることが困難であったりするという問題点があった。
また、薄型のガラスクロスを用いた層間絶縁基板やガラスクロスを用いない層間絶縁基板には、耐熱性や寸法安定性等が不充分であるという問題点や、脆く割れやすいために製造工程で不具合が生じることが多いという問題点があった。
上記多層プリント基板は、層上での回路形成と積層とを繰り返すことにより多層積層板を得るビルドアップ法や、回路が形成された層を一括して積層する一括積層法等により製造されるが、いずれの製造方法においても、工程数が多いため材料の品質が歩留りに大きく影響し、メッキ工程、硬化工程、ハンダリフロー工程等の工程を含むことから、材料には、耐溶剤性、耐水性、耐熱性及び高温での寸法安定性等が要求される。具体的には、例えば、酸、アルカリ及び有機溶剤への耐性;電気特性に影響を与える吸湿が少ないこと;上下層間の高精度な回路接続に影響を与える高温時及び加熱後の寸法安定性;鉛フリーハンダでの実装に必要な260℃までの耐熱性;接続信頼性に影響を与える銅のマイグレーションが起こりにくいこと等が要求される。
例えば、ICパッケージに用いられるビルドアップ基板やプリント多層基板は、発熱による高温条件下になることがあり、このような環境下でも高い信頼性を維持できることが求められるが、高温時の樹脂寸法変化が大きいと、回路を形成する銅等の金属配線と剥離が発生し、ショートや断線を起こすという問題があった。また、最近、薄厚基板として注目されているフレキシブル多層基板でも、単層のフレキシブル基板同士を接着する接着層とフレキシブル基板を形成するポリイミドフィルム及び回路を形成する銅等の金属配線との熱寸法変化の差が大きいと、同様な問題が発生する。
下記特許文献1には、優れた耐熱性を有するエポキシ樹脂と、無機化合物とを併用することで高温物性を改善する技術が開示されているが、ガラス転移温度以上の温度では物性の改善効果はほとんど見られず、ガラス転移温度以下の温度でも改善効果は小さい。また、吸湿性や耐溶剤性の改善効果についても期待できない。
従来、ガラス転移温度以下の温度での線膨張率を低下させる方法としては、無機充填材を用いる方法が知られていたが、ハンダリフロー等の高温処理に対応したものではなかった。また、近年、環境に配慮して鉛フリーハンダが用いられるようになり、ハンダリフロー工程の更なる高温化が進んだため、単に耐熱性の高い樹脂を用いても、ガラス転移温度以上での線膨張率が大きく高温処理時に不具合が生じるという問題点があった。
近年半導体実装技術の進歩は著しいが、その中でもTAB(テープオートメーテッドボンディング)は、極めて高密度に導体パターンが形成できるために、多ピン化に容易に対応でき、またボンディングの際にはワイヤーを用いる事なく、リード全体を一度に半導体素子と配線接続することが可能であるため、高密度実装技術の開発が活発に進められている。
TAB用テープとしては、2層構造と3層構造との2種類あるが、3層構造(以下、3層TABと略す)は一般的に銅箔等の導体箔と耐熱性の樹脂フィルムを接着剤で張り合わせたものであり、耐熱性及び耐薬品性等の優れた特性を持つ樹脂フィルムを用いても耐熱性に劣る接着剤層を持つため、その特性を充分に生かすことが出来なかった。
一方、一般に2層構造TAB(以下、2層TABと略す)は、ベースフィルムに接着剤層を持たないためにTABとしての耐熱性に優れるが、その製造法の困難さ故に実用に供されることが少なかった。
ポリイミドフィルムは、種々の有機ポリマーのなかでも、その優れた耐熱性・低温特性・耐薬品性・電気特性などから、電気・電子機器用途の材料として、さらに宇宙、航空分野から電子通信分野まで、幅広く用いられている。
しかし、このポリイミドでも要求性能を充分に満足するものではなく、用途に応じて種々の性能を合わせもつことが要求されている。特に電子材料用途としては、高機能化、小型化に向け、吸水率の低いポリイミドが望まれている。吸水率を低くすることにより、吸水による誘電率などの電気特性の低下や吸湿膨張による寸法変化といった不具合を抑えることができる。また、吸水以外にもTAB用テープの製造を例にとって考えると、応力を受ける工程、温度変化を受ける工程を数多く含み、ベース材料の有機絶縁フィルムは、応力や温度変化による寸法の変化が小さいことが望まれる。
このように、高性能化、高機能化、小型化に伴い、TAB用テープやフレキシブルプリント基板用ベースフィルム、あるいは積層板用樹脂としては、耐熱性以外にも、熱、吸水に対する寸法変化が少なく、弾性率が高いことが望まれている。しかし、これらの性能を充分に満足するポリイミドフィルムは、現在のところ得られてはいない。
一方、ポリイミドフィルムといえば、東レ・デュポン(株)社製の商品名「カプトン」、宇部興産(株)社製の商品名「ユーピレックス」,鐘淵化学(株)社製の商品名「アピカル」等のポリイミドフィルムが使用されている。これらフィルムは、耐熱性は高いが、軟化温度に達する前に分解するため、溶液キャスト方式でフィルムを製膜している。そのた設備費・製造コストが高くなり、さらに、熱による成形加工が困難であるという問題を有している。
他方、近年、光通信技術の進展と共に、光通信機器の接続が安価に行われることが求められている。そのため、高分子材料からなる光通信用材料が注目されている。しかしながら、従来の高分子材料を光通信用材料として用いた場合、様々な問題があった。
光通信用高分子材料では、低損失、耐熱性に優れていること、熱線膨張係数が低いこと、透湿性が低いこと、並びに屈折率の制御が容易に行われることなどが求められる。
なお、低損失とは、光通信に使用される波長帯において高分子材料が吸収帯をほとんど有しないため、伝搬損失が少ないことを意味する。
下記特許文献2において、従来の高分子材料は熱線膨張係数が、半導体や金属材料の熱膨張係数の10倍近い値であり、シリコン等の熱膨張係数の小さい基板上に形成したポリマー光通信材料では、応力が加わり、光通信材料の偏波依存性の原因となったり、光通信材料と基板の反りが発生したり、ポリマー光通信材料端部が基板から剥離するといった不具合が発生することが記載されている。
特許文献3には、ファイバ素線(石英ガラス)と樹脂ケースの熱膨張係数差により、ファイバ素線がジャケットから突き出たり、応力集中によってファイバ素線にクラックが発生したりするという問題が記載されている。
また、特許文献4では光導波路基板と光ファイバーを接着剤を用いて接続する際に、光導波路基板と接続用部品との熱膨張差が大きいと、熱膨張による位置ずれが発生し、安定な光導波路との接続が実現できないことが記載されている。
透湿性については、特許文献3において、中空のケースの内部に水蒸気が浸透すると、光素子やファイバ素線の表面に結露し、光素子の腐食を引き起こしたり、クラックの成長を進行させてファイバ素線を破断させるという問題点があり、熱膨張と併せて、これらの要因は総合的に高分子材料を用いた光通信用部品の信頼性を低下させていることが記載されている。また、吸湿性が高いと、水分のO−H結合に起因する光吸収が起こり易く、このことからも低吸湿性である材料が必要とされる。
耐熱性については、光通信を端末機器まで導入しようとすると、光信号から電気信号への変換や電気信号から光信号への変換が必要となるため、プリント配線板または、その近傍で光通信用高分子材料は使用されることになる。従って、光通信用高分子材料は、プリント基板製造時のプロセス温度に対する耐熱性や使用時の電気回路からの発熱に対する耐熱性は必要である。非特許文献1には、はんだ耐熱性が要求特性として記載されている。
上述のように、透明性、耐熱性、低線膨張率、低吸湿性等の物性を満足させる材料が、光通信材料として望まれている。
他方、下記の特許文献5には、剛直な骨格を有するフッ素化ポリイミドが低熱線膨張率を達成する旨が記載されている。
下記の特許文献6には、コア層とコア層を囲むクラッド層とからなるポリマー光導波路において、クラッド層の外側に、クラッド層よりも熱膨張係数が小さい第2クラッド層を備えたポリマー光導波路が開示されている。ここでは、クラッド層と第2クラッド層を構成するポリマーを異ならせることにより、第2クラッド層熱膨張係数を相対的に低くし、電気・光素子との熱膨張係数差を低減し得る旨が示されている。
さらに、下記の特許文献2には、光通信材料の端面を樹脂で封止することにより、樹脂が光通信用材料を形成する絶縁膜と気とを接着し、応力が集中する端部における剥離を防止することができる旨が述べられている。
また、下記の特許文献7には、光導波路用樹脂として、特定の構造のポリイミド系フィルムを用いることにより、熱膨張係数を低くし得る旨が記載されている。
下記特許文献5に記載のフッ素化ポリイミドでは、他の種類のフッ素化ポリイミドに比べて透明性が劣り、屈折率が1.647と高く、光通信用材料のクラッド層を構成する材料として用いるのには適当ではなかった。
他方、下記特許文献6に記載の粒子を含有させた光導波路用樹脂では、低線膨張率及び透明性を両立し得る可能性が示唆されているが、実際に低線膨張率を実現するには、多量の粒子を添加しなければならない。従って、多量の粒子を添加した場合、十分な透明性を実現することが困難である。また、粒子を多量に含有させた場合、樹脂組成物が脆弱なものになるという問題もあった。加えて、粒子を大量に添加した場合、親水性が高まり、吸湿性が増大するおそれもある。
また、下記特許文献2に記載の構成では、製造工程が増加し、コストアップが避けられない。
他方、特許文献7に記載の特定の構造のポリイミド系フィルムを光導波路樹脂として用いた場合には、熱膨張係数を低くし得るものの、低吸湿性を実現することは困難であり、やはりコストが高くつかざるを得なかった。
従って、光回路形成材料においても透明性、耐熱性、低線膨張率及び低吸湿性に優れており、特に高い透明性を実現し得る材料の実現はいまだ困難であった。
特開2000−183539号公報 特開2001−183539号公報 WO98/45741号公報 特開平9−152522号公報 特許第2843314号公報 特開2001−108854号公報 特開2001−4850号公報 日立テクニカルレポートNo.37(2001年7月)、第7頁〜第16頁
本発明は、上記現状に鑑み、力学的物性、寸法安定性、耐熱性、難燃性等に優れ、特に高温物性に優れた樹脂組成物、基板用材料、シート、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、プリント基板、プリプレグ、接着シート及び光回路形成材料を提供することを目的とするものである。
本発明は、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂100重量部と無機化合物0.1〜65重量部とを含有する樹脂組成物であって、樹脂組成物のガラス転移温度よりも10℃高い温度から、樹脂組成物のガラス転移温度よりも50℃高い温度までの平均線膨張率(α2)が3.0×10-3[℃-1]以下である樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物のガラス転移温度(以下、Tgともいう)よりも10℃高い温度から、樹脂組成物のガラス転移温度よりも50℃高い温度までの平均線膨張率(以下、α2ともいう)が3.0×10-3[℃-1]以下である。3.0×10-3[℃-1]以下であることにより、本発明の樹脂組成物からなる樹脂材料は、高温で熱処理されたときの寸法変化が小さく、銅箔等と張り合わせた際に収縮率の違いから反りが発生したり、剥がれたりすることがない。好ましくは、1.0×10-3[℃-1]以下、より好ましくは、8.0×10-4[℃-1]以下であり、更に好ましくは5.0×10-4[℃-1]以下である。
なお、上記平均線膨張率は、JIS K7197に準じた方法により測定することができ、例えば、TMA(Thermomechanical Analysys)装置(セイコー電子社製、TMA/SS120C)を用いて、約3mm×15mmの試験片を昇温速度5℃/分で昇温することにより求めることができる。
本発明の樹脂組成物は、上記α2を、樹脂組成物のTgよりも50℃低い温度から、樹脂組成物のガラス転移温度よりも10℃低い温度までの平均線膨張率(以下、α1ともいう)で除して求めた平均線膨張率比(α2/α1)が70以下であることが好ましい。70以下であると、本発明の樹脂組成物からなる樹脂材料は、Tg付近での寸法変化が小さく、積層材料や張り合わせ材料としたときにTg付近でしわや反りが発生することがない。より好ましくは、15以下、さらに好ましくは、10以下であり、最も好ましくは、5以下である。
本発明の樹脂組成物は、50〜100℃での平均線膨張率が4.5×10-5[℃-1]以下であり、かつ、200〜240℃での平均線膨張率が7×10-5[℃-1]以下であることが好ましい。50〜100℃での平均線膨張率が4.5×10-5[℃-1]以下であり、かつ、200〜240℃での平均線膨張率が7×10-5[℃-1]以下であると、本発明の樹脂組成物からなる樹脂材料は、通常の使用条件下での寸法変化が小さく、精密な精度が必要とされる電子材料等に好適であり、かつ、ハンダリフロー等の高温処理を行う製造工程等においても、反りや剥がれを生じることがない。50〜100℃での平均線膨張率は、より好ましくは4.0×10-5[℃-1]以下であり、更に好ましくは3.5×10-5[℃-1]以下である。200〜240℃での平均線膨張率は、より好ましくは6.5×10-5[℃-1]以下であり、更に好ましくは5.5×10-5[℃-1]以下である。
本発明の樹脂組成物は、150〜200℃での平均線膨張率を、50〜100℃での平均線膨張率で除して求めた平均線膨張率比(1)が2.0以下であり、かつ、250〜300℃での平均線膨張率を、50〜100℃での平均線膨張率で除して求めた平均線膨張率比(2)が20以下であることが好ましい。平均線膨張率比(1)が2.0以下であり、かつ、平均線膨張率比(2)が20以下であると、本発明の樹脂組成物からなる樹脂材料は、加熱に対する寸法安定性がよく、鉛フリーハンダのリフロー等の高温処理を行う製造工程等においても、反りや剥がれが発生することがなく、高温で使用される用途に好適である。平均線膨張率比(1)は、より好ましくは1.5以下であり、更に好ましくは1.2以下である。平均線膨張率(2)は、より好ましくは15以下であり、更に好ましくは10以下である。
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物からなる樹脂片を25℃から300℃まで昇温したときの長さの変化量を、樹脂組成物からなる樹脂片の25℃での長さで除して求めた変化率が7%以下であることが好ましい。7%以下であると、本発明の樹脂組成物からなる樹脂材料は、温度に対する寸法安定性がよく、他の材料と積層して、又は、張り合わせて用いた場合にも、製造時や使用時に反りや剥がれを生じることがない。より好ましくは6%以下であり、更に好ましくは5%以下である。
本発明の樹脂組成物は、下記式(1)で表される平均線膨張率比(3)が1.5以下であることが好ましい。
Figure 2006312745
平均線膨張率比(3)が1.5以下であると、本発明の樹脂組成物からなる樹脂材料は、寸法安定性がよく、他の材料と積層して、又は、張り合わせた場合にも、製造時及び使用時に反りや剥がれを生じることがない。より好ましくは1.4以下であり、更に好ましくは1.3以下である。
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物のガラス転移温度よりも10℃高い温度から、樹脂組成物のガラス転移温度よりも50℃高い温度までの樹脂組成物の平均線膨張率(α2)を、上記樹脂のガラス転移温度よりも10℃高い温度から、上記樹脂のガラス転移温度よりも50℃高い温度までの上記樹脂の平均線膨張率で除して求めた改善率が0.50以下であることが好ましい。0.50以下であると、本発明の樹脂組成物からなる樹脂材料は、無機化合物による高温物性の充分な改善が得られており、高温処理を行う製造工程や高温での使用において不具合を生じることがない。より好ましくは0.35以下であり、更に好ましくは0.25以下である。
本発明の樹脂組成物は、上述のようにガラス転移温度以上の高温における平均線膨張率が低いことから、高温での寸法安定性等の高温物性を向上させて、メッキ工程、硬化工程、鉛フリーハンダのリフロー工程等の高温処理工程においても反りや剥がれを生じることがない樹脂材料に用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、引張弾性率が6GPa以上、1MHzでの誘電率が3.3以下であることが好ましい。本発明の樹脂組成物をTAB用テープとして用いる場合、引張弾性率が6GPa未満であると、必要な強度を確保するためには厚みを増す必要があり小型のTABを作製することができなくなることがあり、また、1MHzでの誘電率が3.3より大きいと、充分な信頼性を確保するためには厚みを増す必要があり小型のTABを作製することができなくなることがある。
本発明の樹脂組成物は、吸水率が1.0%以下、湿度線膨張率が1.5×10-5[%RH-1]以下であることが好ましい。吸水率が1.0%を超えると、本発明の樹脂組成物を用いて基板を作製する場合、絶乾時と吸水時で寸法変化が起こることから微細配線が困難となり、小型化し得ないことがある。より好ましくは0.7%以下、更に好ましくは0.3%以下である。湿度線膨張率が1.5×10-5[%RH-1]を超えると、得られる基板に反りが発生し、銅箔の変化率の違いから銅箔が剥がれてしまうことがある。より好ましくは1.2×10-5[%RH-1]以下であり、更に好ましくは1.0×10-5[%RH-1]以下である。
また、本発明の樹脂組成物は、吸水率が1.0%以下、1MHzでの誘電率が3.3以下かつ吸水処理後の誘電率が3.4以下であることが好ましい。吸水することにより電気特性が大きく変化すると信頼性が保てなくなることがあり、また、ハンダリフロー等の製造工程において材料が爆ぜてしまい歩留りが低下することがある。
なお、上記吸水率は、厚さ50〜100μmのフィルムを3×5cmの短冊状にした試験片について、80℃で5時間乾燥させたときの重さW1と、水に浸漬し25℃で24時間放置した後に表面をよく拭き取ってときの重さW2とを測定し、下記式により求めた値である。
吸水率(%)=(W2−W1)/W1×100
本発明の樹脂組成物は、ガラス転移温度が100℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が100℃以上であると、本発明の樹脂組成物を基板等に用いた場合、高温物性、特に鉛フリーハンダ耐熱性や加熱に対する寸法安定性が向上する。より好ましくは140℃以上、更に好ましくは200℃以上である。
本発明の樹脂組成物は、ガラス転移温度が100℃以上であり、かつ、1MHzでの誘電率が3.3以下であることが好ましい。ガラス転移温度が100℃以上であり、かつ、1MHzでの誘電率が3.3以下であることにより、本発明の樹脂組成物からなる樹脂材料は、高温物性、特に、鉛フリーハンダ耐熱性や加熱に対する寸法安定性が改善され、電子材料として必要な高い信頼性を得ることができ、かつ、高周波領域における信号の伝達速度においても、電子材料として必要な伝達速度が得られる。ガラス転移温度は、より好ましくは140℃以上であり、更に好ましくは200℃以上である。1MHzの誘電率は、より好ましくは3.2以下であり、更に好ましくは3.0以下である。
本発明の樹脂組成物は、上述の優れた高温物性を有するものであって、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂と無機化合物とを含有するものである。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂は、Fedorsの計算式を用いて求めた溶解度パラメーター(SP値)が42[J/cm31/2以上であることが好ましい。なお、上記Fedorsの計算式によれば、SP値は、各原子団のモル凝集エネルギーの和を体積で割ったものの平方根とされ、単位体積あたりの極性を示す。SP値が42[J/cm31/2以上であることにより、大きな極性を持つので、化学処理された層状珪酸塩等の無機化合物との相溶性がよく、無機化合物として層状珪酸塩を用いた場合であっても、層状珪酸塩の層間を広げ、一層ずつ分散させることができる。より好ましくは46.2[J/cm31/2以上であり、更に好ましくは52.5[J/cm31/2以上である。
上記ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂は、窒素雰囲気中での熱重量測定を行った場合に、10%重量減少温度が400℃以上であることが好ましい。400℃以上であることにより、本発明の樹脂組成物からなる樹脂材料は、鉛フリーハンダのリフロー工程等の高温処理工程において、アウトガスを発生することがなく、電子材料として好適なものとなる。より好ましくは450℃以上であり、更に好ましくは500℃以上である。
本発明の樹脂組成物は、無機化合物を含有するものである。
上記無機化合物としては、例えば、層状珪酸塩、タルク、シリカ、アルミナ、ガラスビーズ等が挙げられるが、なかでも、高温物性を向上させるためには層状珪酸塩が好適に用いられる。なお、本明細書において、層状珪酸塩とは、層間に交換性金属カチオンを有する層状の珪酸塩鉱物を意味し、天然物であってもよく、合成物であってもよい。
また、特に高い引張弾性率が必要な場合には、無機化合物として層状珪酸塩及びウィスカを含有することが好ましい。樹脂にウィスカを配合すると弾性率が向上することは知られているが、高い引張弾性率を達成できるほどにウィスカを配合した樹脂組成物は成形性が悪くなるという問題があった。本発明の樹脂組成物では、無機化合物として層状珪酸塩とウィスカとを併用することにより、少量のウィスカの配合でも充分な弾性率の向上が得られる。
ウィスカを層状珪酸塩と共に無機化合物として配合する場合、無機化合物100重量%中、ウィスカを25〜95重量%の割合とすることが望ましい。25重量%未満では、ウィスカを配合したことによる効果が十分でなく、95重量%を超えた場合には、層状珪酸塩の添加による効果が十分でないことがある。
また、特に低吸水率が必要となる場合は、無機化合物として層状珪酸塩及びシリカを含有することが好ましい。上記シリカとしては、特に限定されないが、例えば日本アエロジル社製のアエロジルなどが挙げられる。層状珪酸塩とシリカとを無機化合物として併用することにより、本発明の樹脂組成物から得られる高分子材料の吸湿性を効果的に低めることができる。樹脂にシリカを配合すると吸水率が向上することは知られているが、低吸水率を達成するほどにシリカを配合した樹脂組成物は、引張強度等の物性が低下するという問題点があった。本発明の樹脂組成物では、無機化合物として層状珪酸塩とシリカとを併用することにより、少量のシリカ配合でも充分な吸水率の低減効果が得られる。シリカの無機化合物中に占める割合は、25〜95重量%の範囲とすることが好ましい。25重量%未満では、シリカを層状珪酸塩と配合した効果が十分でなく、95重量%を超えると、層状珪酸塩の添加による効果が損なわれることがある。
上記層状珪酸塩としては、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スティブンサイト及びノントロナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、膨潤性マイカ、バーミキュライト、ハロイサイト等が挙げられる。なかでも、モンモリロナイト、ヘクトライト、膨潤性マイカ、及び、バーミキュライトからなる群より選択される少なくとも1種が好適に用いられる。これらの層状珪酸塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記層状珪酸塩の結晶形状としては特に限定されないが、平均長さの好ましい下限は0.01μm、上限は3μm、厚さの好ましい下限は0.001μm、上限は1μm、アスペクト比の好ましい下限は20、上限は500であり、平均長さのより好ましい下限は0.05μm、上限は2μm、厚さのより好ましい下限は0.01μm、上限は0.5μm、アスペクト比のより好ましい下限は50、上限は200である。
上記層状珪酸塩は、下記式(3A)で定義される形状異方性効果が大きいことが好ましい。形状異方性効果の大きい層状珪酸塩を用いることにより、本発明の樹脂組成物から得られる樹脂は優れた力学的物性を有するものとなる。
Figure 2006312745
上記層状珪酸塩の層間に存在する交換性金属カチオンとは、層状珪酸塩の薄片状結晶表面に存在するナトリウムやカルシウム等の金属イオンを意味し、これらの金属イオンは、カチオン性物質とのカチオン交換性を有するため、カチオン性を有する種々の物質を上記層状珪酸塩の結晶層間に挿入(インターカレート)することができる。
上記層状珪酸塩のカチオン交換容量としては特に限定されないが、好ましい下限は50ミリ等量/100g、上限は200ミリ等量/100gである。50ミリ等量/100g未満であると、カチオン交換により層状珪酸塩の結晶層間にインターカレートされるカチオン性物質の量が少なくなるために、結晶層間が充分に非極性化(疎水化)されないことがある。200ミリ等量/100gを超えると、層状珪酸塩の結晶層間の結合力が強固になりすぎて、結晶薄片が剥離し難くなることがある。
上記無機化合物として層状珪酸塩を用いて本発明の樹脂組成物を製造する場合、層状珪酸塩を化学修飾して樹脂との親和性を高めることにより樹脂中への分散性を向上されたものが好ましく、このような化学処理により樹脂中に層状珪酸塩を大量に分散することができる。本発明に用いられる樹脂、あるいは本発明の樹脂組成物を製造する際に用いられる溶媒に適した化学修飾を層状珪酸塩に施さない場合、層状珪酸塩は凝集しやすくなるので大量に分散させることができないが、樹脂あるいは溶媒に適した化学修飾を施すことにより、層状珪酸塩は10重量部以上添加した場合においても、樹脂中に凝集することなく分散させることができる。上記化学修飾としては、例えば、以下に示す化学修飾(1)法〜化学修飾(6)法によって実施することができる。これらの化学修飾方法は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化学修飾(1)法は、カチオン性界面活性剤によるカチオン交換法ともいい、具体的には、ポリフェニレンエーテル樹脂等の低極性樹脂を用いて本発明の樹脂組成物を得る際に予め層状珪酸塩の層間をカチオン性界面活性剤でカチオン交換し、疎水化しておく方法である。予め層状珪酸塩の層間を疎水化しておくことにより、層状珪酸塩と低極性樹脂との親和性が高まり、層状珪酸塩を低極性樹脂中により均一に微分散させることができる。
上記カチオン性界面活性剤としては特に限定されず、例えば、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられる。なかでも、層状珪酸塩の結晶層間を充分に疎水化できることから、炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオン、芳香族4級アンモニウムイオン又は複素環4級アンモニウムイオンが好適に用いられる。特に熱可塑性樹脂として熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂を用いる場合には、芳香族4級アンモニウムイオン又は複素環4級アンモニウムイオンが好適である。
上記4級アンモニウム塩としては特に限定されず、例えば、トリメチルアルキルアンモニウム塩、トリエチルアルキルアンモニウム塩、トリブチルアルキルアンモニウム塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、ジブチルジアルキルアンモニウム塩、メチルベンジルジアルキルアンモニウム塩、ジベンジルジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルメチルアンモニウム塩、トリアルキルエチルアンモニウム塩、トリアルキルブチルアンモニウム塩;ベンジルメチル{2−[2−(p−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキシ)エトキシ]エチル}アンモニウムクロライド等の芳香環を有する4級アンモニウム塩;トリメチルフェニルアンモニウム等の芳香族アミン由来の4級アンモニウム塩;アルキルピリジニウム塩、イミダゾリウム塩等の複素環を有する4級アンモニウム塩;ポリエチレングリコール鎖を2つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を2つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール鎖を1つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を1つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩等が挙げられる。なかでも、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩等が好適である。これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、例えば、ドデシルトリフェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、ラウリルトリメチルホスホニウム塩、ステアリルトリメチルホスホニウム塩、トリオクチルメチルホスホニウム塩、ジステアリルジメチルホスホニウム塩、ジステアリルジベンジルホスホニウム塩等が挙げられる。これらの4級ホスホニウム塩は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化学修飾(2)法は、化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、水酸基と化学結合し得る官能基又は水酸基との化学的親和性の大きい官能基を分子末端に1個以上有する化合物で化学処理する方法である。
上記水酸基と化学結合し得る官能基又は水酸基との化学的親和性の大きい官能基としては特に限定されず、例えば、アルコキシ基、グリシジル基、カルボキシル基(二塩基性酸無水物も包含する)、水酸基、イソシアネート基、アルデヒド基等が挙げられる。
上記水酸基と化学結合し得る官能基を有する化合物又は水酸基との化学的親和性の大きい官能基を有する化合物としては特に限定されず、例えば、上記官能基を有する、シラン化合物、チタネート化合物、グリシジル化合物、カルボン酸類、アルコール類等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記シラン化合物としては特に限定されず、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化学修飾(3)法は、化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面に存在する水酸基を、水酸基と化学結合し得る官能基又は水酸基と化学的親和性の大きい官能基と、反応性官能基を分子末端に1個以上有する化合物とで化学処理する方法である。
上記化学修飾(4)法は、化学修飾(1)法で化学処理された有機化層状珪酸塩の結晶表面を、アニオン性界面活性を有する化合物で化学処理する方法である。
上記アニオン性界面活性を有する化合物としては、イオン相互作用により層状珪酸塩を化学処理できるものであれば特に限定されず、例えば、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、不飽和アルコール硫酸エステル塩等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記化学修飾(5)法は、上記アニオン性界面活性を有する化合物のうち、分子鎖中のアニオン部位以外に反応性官能基を1個以上有する化合物で化学処理する方法である。
上記化学修飾(6)法は、化学修飾(1)法〜化学修飾(5)法のいずれかの方法で化学処理された有機化層状珪酸塩に、更に、例えば、無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル樹脂のような層状珪酸塩と反応可能な官能基を有する樹脂を用いる方法である。
上記層状珪酸塩は、本発明の樹脂組成物中に、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部の積層体が5層以下であるように分散していることが好ましい。上記平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部の積層体が5層以下であるように層状珪酸塩が分散していることにより、樹脂と層状珪酸塩との界面面積は充分に大きく、かつ、層状珪酸塩の薄片状結晶間の距離は適度なものとなり、高温物性、力学的物性、耐熱性、寸法安定性等において分散による改善効果を充分に得ることができる。
上記平均層間距離の好ましい上限は5nmである。5nmを超えると、層状珪酸塩の結晶薄片が層毎に分離して相互作用が無視できるほど弱まるので、高温での束縛強度が弱くなり、充分な寸法安定性が得られないことがある。
なお、本明細書において、層状珪酸塩の平均層間距離とは、層状珪酸塩の薄片状結晶を層とみなした場合における層間の距離の平均を意味し、X線回折ピーク及び透過型電子顕微鏡撮影、すなわち、広角X線回折測定法により算出することができるものである。
上記一部又は全部の積層体が5層以下であるように層状珪酸塩が分散しているとは、具体的には、層状珪酸塩の薄片状結晶間の相互作用が弱められて薄片状結晶の積層体の一部又は全部が分散していることを意味する。好ましくは、層状珪酸塩の積層体の10%以上が5層以下にして分散されており、層状珪酸塩の積層体の20%以上が5層以下にして分散されていることがより好ましい。
なお、5層以下の積層体として分散している層状珪酸塩の割合は、樹脂組成物を透過型電子顕微鏡により5万〜10万倍に拡大して観察し、一定面積中において観察できる層状珪酸塩の積層体の全層数X及び5層以下の積層体として分散している積層体の層数Yを計測することにより、下記式(4)から算出することができる。
Figure 2006312745
また、層状珪酸塩の積層体における積層数としては、層状珪酸塩の分散による効果を得るためには5層以下であることが好ましく、より好ましくは3層以下であり、更に好ましくは1層である。
本発明の樹脂組成物は、上記無機化合物として層状珪酸塩を用い、広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部の積層体が5層以下である層状珪酸塩が分散しているものとすることにより、樹脂と層状珪酸塩との界面面積が充分に大きくなって、樹脂と層状珪酸塩の表面との相互作用が大きくなり、溶融粘度が高まり成形性が向上することに加え、常温から高温までの広い温度領域で弾性率等の力学的物性が向上し、樹脂のTg又は融点以上の高温でも力学的物性を保持することができ、高温時の線膨張率も低く抑えることができる。かかる理由は明らかではないが、Tg又は融点以上の温度領域においても、微分散状態の層状珪酸塩が一種の疑似架橋点として作用しているためにこれら物性が発現すると考えられる。一方、層状珪酸塩の薄片状結晶間の距離も適度なものとなるので、燃焼時に、層状珪酸塩の薄片状結晶が移動して難燃被膜となる焼結体を形成しやすくなる。この焼結体は、燃焼時の早い段階で形成されるので、外界からの酸素の供給を遮断するのみならず、燃焼により発生する可燃性ガスをも遮断することができ、本発明の樹脂組成物は優れた難燃性を発現する。
更に、本発明の樹脂組成物では、ナノメートルサイズで層状珪酸塩が微分散していることから、本発明の樹脂組成物からなる基板等に炭酸ガスレーザ等のレーザにより穿孔加工を施した場合、樹脂成分と層状珪酸塩成分とが同時に分解蒸発し、部分的に残存する層状珪酸塩の残渣も数μm以下の小さなもののみでありデスミア加工により容易に除去できる。これにより、穿孔加工により発生する残渣によってメッキ不良等が発生するのを防止することができる。
樹脂中に層状珪酸塩を分散させる方法としては特に限定されず、例えば、有機化層状珪酸塩を用いる方法、樹脂と層状珪酸塩とを常法により混合した後に樹脂を発泡剤により発泡させる方法、分散剤を用いる方法等が挙げられる。これらの分散方法を用いることにより、樹脂中に層状珪酸塩をより均一かつ微細に分散させることができる。
上記樹脂と層状珪酸塩とを常法により混合した後に樹脂を発泡剤により発泡させる方法は、発泡によるエネルギーを層状珪酸塩の分散に用いるものである。
上記発泡剤としては特に限定されず、例えば、気体状発泡剤、易揮発性液状発泡剤、加熱分解型固体状発泡剤等が挙げられる。これらの発泡剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記樹脂と層状珪酸塩とを常法により混合した後に樹脂を発泡剤により発泡させる方法としては特に限定されず、例えば、樹脂と層状珪酸塩とからなる樹脂組成物に気体状発泡剤を高圧下で含浸させた後、この気体状発泡剤を上記樹脂組成物内で気化させて発泡体を形成する方法;層状珪酸塩の層間に予め加熱分解型発泡剤を含有させ、その加熱分解型発泡剤を加熱により分解させて発泡体を形成する方法等が挙げられる。
上記無機化合物の上記熱可塑性樹脂100重量部に対する配合量の下限は0.1重量部、上限は65重量部である。0.1重量部未満であると、高温物性や吸湿性の改善効果が小さくなる。65重量部を超えると、本発明の樹脂組成物の密度(比重)が高くなり、機械的強度も低下することから実用性に乏しくなる。好ましい下限は1重量部、上限は60重量部である。1重量部未満であると、本発明の樹脂組成物を薄く成形した際に充分な高温物性の改善効果が得られないことがある。60重量部を超えると、成形性が低下することがある。より好ましい下限は1.5重量部、上限は50重量部である。1.5〜50重量部であると、力学的物性、工程適性において問題となる領域はなく、充分な難燃性が得られる。
本発明の樹脂組成物のうち、無機化合物として層状珪酸塩を用いる場合、上記層状珪酸塩の配合量の下限は0.5重量部、上限は50重量部が好ましい。0.5重量部未満であると高温物性や吸湿性の改善効果が小さくなることがある。50重量部を超えると、本発明の樹脂組成物の密度(比重)が高くなり、機械的強度も低下することから実用性に乏しくなることがある。より好ましい下限は1重量部、上限は45重量部である。1重量未満であると本発明の樹脂組成物を薄く成形した際に充分な高温物性の改善効果が得られないことがある。45重量部を超えると、層状珪酸塩の分散性が悪くなることがある。さらに好ましい下限は1.5重量部であり、上限は40重量部である。1.5〜40重量部であると工程適性において問題となる領域はなく、充分な低吸水性が得られ、かつ、平均線膨張率の低減効果がα1およびα2の両方の領域でも充分に得られる。
本発明の樹脂組成物は、更に、ハロゲン系組成物を含有しない難燃剤を含有することが好ましい。なお、難燃剤の製造工程上の都合等により微量のハロゲンが混入することはかまわない。
上記難燃剤としては特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、2水和石こう、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;金属酸化物;赤リンやポリリン酸アンモニウム等のリン系化合物;メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート、リン酸メラミン及びこれらに表面処理を施したメラミン誘導体等の窒素系化合物;フッ素樹脂;シリコーンオイル;ハイドロタルサイト等の層状複水和物;シリコーン−アクリル複合ゴム等が挙げられる。なかでも、金属水酸化物及びメラミン誘導体が好適である。上記金属水酸化物のなかでも、特に水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが好ましく、これらは各種の表面処理剤により表面処理が施されたものであってもよい。上記表面処理剤としては特に限定されず、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、PVA系表面処理剤、エポキシ系表面処理剤等が挙げられる。これらの難燃剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記難燃剤として金属水酸化物を用いた場合、金属水酸化物の熱可塑性樹脂100重量部に対する好ましい配合量の下限は0.1重量部、上限は100重量部である。0.1重量部未満であると、難燃化効果が充分に得られないことがある。100重量部を超えると、本発明の樹脂組成物の密度(比重)が高くなりすぎて、実用性が乏しくなったり、柔軟性や伸度が極端に低下することがある。より好ましい下限は5重量部、上限は80重量部である。5重量部未満であると、本発明の樹脂組成物を薄く成形した際に充分な難燃化効果が得られないことがある。80重量部を超えると、高温処理を行う工程において膨れ等による不良率が高くなることがある。更に好ましい下限は10重量部、上限は70重量部である。10〜70重量部の範囲であると、力学的物性、電気物性、工程適性等で問題となる領域がなく、充分な難燃性を発現する。
上記難燃剤としてメラミン誘導体を用いた場合、メラミン誘導体の熱可塑性樹脂100重量部に対する好ましい配合量の下限は0.1重量部、上限は100重量部である。0.1重量部未満であると、難燃化効果が充分に得られないことがある。100重量部を超えると、柔軟性や伸度等の力学的物性が極端に低下することがある。より好ましい下限は5重量部、上限は70重量部である。5重量部未満であると、絶縁基板を薄くしたときに充分な難燃化効果が得られないことがある。70重量部を超えると、柔軟性や伸度等の力学的物性が極端に低下することがある。更に好ましい下限は10重量部、上限は50重量部である。10〜50重量部の範囲であると、力学的物性、電気物性、工程適性等で問題となる領域がなく、充分な難燃性を発現する。
本発明の樹脂組成物には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で特性を改質することを目的に、必要に応じて、熱可塑性エラストマー類、架橋ゴム、オリゴマー類、造核剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃助剤、帯電防止剤、防曇剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、着色剤等の添加剤が配合されてもよい。これらはそれぞれ単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱可塑性エラストマー類としては特に限定されず、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等が挙げられる。樹脂との相容性を高めるために、これらの熱可塑性エラストマーを官能基変性したものであってもよい。これらの熱可塑性エラストマー類は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記架橋ゴムとしては特に限定されず、例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。樹脂との相溶性を高めるために、これらの架橋ゴムを官能基変性したものであることが好ましい。上記官能基変性した架橋ゴムとしては特に限定されず、例えば、エポキシ変性ブタジエンゴムやエポキシ変性ニトリルゴム等が挙げられる。これらの架橋ゴム類は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記オリゴマー類としては特に限定されず、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレンオリゴマー等が挙げられる。これらのオリゴマー類は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の樹脂組成物を製造する方法としては特に限定されず、例えば、樹脂と無機化合物の各所定量と、必要に応じて配合される1種又は2種以上の添加剤の各所定量とを、常温下又は加熱下で、直接配合して混練する直接混練法、及び、溶媒中で混合した後、溶媒を除去する方法;予め上記樹脂又は上記樹脂以外の樹脂に所定量以上の無機化合物を配合して混練したマスターバッチを作製しておき、このマスターバッチ、樹脂の所定量の残部、及び、必要に応じて配合される1種又は2種以上の添加剤の各所定量を、常温下又は加熱下で、混練又は溶媒中で混合するマスターバッチ法等が挙げられる。
上記マスターバッチ法において、上記樹脂又は上記樹脂以外の樹脂に無機化合物を配合したマスターバッチと、マスターバッチを希釈して所定の無機化合物濃度とする際に用いる上記樹脂を含有するマスターバッチ希釈用樹脂組成物は同一の組成であっても、異なる組成であってもよい。
上記マスターバッチとしては特に限定されないが、例えば、無機化合物の分散が容易であるポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、及び、ポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましい。上記マスターバッチ希釈用樹脂組成物としては特に限定されないが、例えば、高温物性に優れた熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリペンゾイミダゾール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましい。
上記マスターバッチにおける無機化合物の配合量は特に限定されないが、樹脂100重量部に対する好ましい下限は1重量部、上限は500重量部である。1重量部未満であると、任意の濃度に希釈可能なマスターバッチとしての利便性が薄れる。500重量部を超えると、マスターバッチ自体における分散性や、特にマスターバッチ希釈用樹脂組成物によって所定の配合量に希釈する際の無機化合物の分散性が悪くなることがある。より好ましい下限は5重量部、上限は300重量部である。
また、例えば、遷移金属錯体類のような重合触媒(重合開始剤)を含有する無機化合物を用い、熱可塑性樹脂のモノマーと無機化合物とを混練し、上記モノマーを重合させることにより、熱可塑性樹脂の重合と樹脂組成物の製造とを同時に一括して行う方法を用いてもよい。
本発明の樹脂組成物の製造方法における混合物を混練する方法としては特に限定されず、例えば、押出機、2本ロール、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練する方法等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、樹脂と無機化合物とが組み合わせられ、分子鎖の拘束によるTgや耐熱変形温度の上昇が図られていることにより、高温での低い線膨張率を有し、耐熱性、力学的物性、透明性等に優れている。
更に、樹脂中では無機化合物に比べて気体分子の方がはるかに拡散しやすく、樹脂中を拡散する際に気体分子は無機化合物を迂回しながら拡散するので、ガスバリア性も向上している。同様にして気体分子以外に対するバリア性も向上し、耐溶剤性、吸湿性、吸水性等が向上している。これにより、例えば、多層プリント配線板での銅回路からの銅のマイグレーションを抑制することができる。更に、樹脂中の微量添加物が表面にブリードアウトしてメッキ不良等の不具合が発生することも抑制できる。
本発明の樹脂組成物において、上記無機化合物として層状珪酸塩を用いれば、多量に配合しなくとも優れた力学的物性が得られることから、薄い絶縁基板とすることができ、多層プリント基板の高密度化、薄型化が可能となる。また、結晶形成における層状珪酸塩の造核効果や耐湿性の向上に伴う膨潤抑制効果等に基づく寸法安定性の向上等が図られている。更に、燃焼時に層状珪酸塩による焼結体が形成されるので燃焼残渣の形状が保持され、燃焼後も形状崩壊が起こらず、延焼を防止することができ、優れた難燃性を発現する。
また、本発明の樹脂組成物において、ノンハロゲン難燃剤を用いれば、環境にも配慮しつつ、高い力学的物性と高い難燃性とを両立することができる。
本発明の樹脂組成物の用途としては特に限定されないが、適当な溶媒に溶解したり、フィルム状に成形したりして加工することにより、例えば、多層基板のコア層やビルドアップ層等を形成する基板用材料、シート、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、プリント基板、プリプレグ、ワニス等に好適に用いられる。かかる本発明の樹脂組成物を用いてなる基板用材料、シート、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、プリント基板、プリプレグ、接着シートもまた本発明の1つである。
上記成形の方法としては特に限定されず、例えば、押出機にて、溶融混練した後に押出し、Tダイやサーキュラーダイ等を用いてフィルム状に成形する押出成形法;有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させた後、キャスティングしてフィルム状に成形するキャスティング成形法;有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散して得たワニス中に、ガラス等の無機材料や有機ポリマーからなるクロス状又は不織布状の基材をディッピングしてフィルム状に成形するディッピング成形法等が挙げられる。なかでも、多層基板の薄型化を図るためには、押出成形法が好適である。なお、上記ディッピング成形法において用いる基材としては特に限定されず、例えば、ガラスクロス、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾオキサゾール繊維等が挙げられる。
本発明の基板用材料、シート、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、プリント基板、プリプレグ、接着性シート及び光回路形成材料は、本発明の樹脂組成物からなることにより、高温物性、寸法安定性、耐溶剤性、耐湿性及びバリア性に優れ、多工程を通じて製造される場合でも高い歩留りで得ることができる。なお、本明細書において、シートには自立性のないフィルム状のシートも含む。なお、これらのシートのすべりを良くするために表面にエンボス加工が施されていてもよい。
熱可塑性樹脂の場合、設備及び製造コストが安くすむだけでなく、上述の加工がシート成形時に同時に出来たり、簡易な方法で後加工できたりして賦形性に優れている。また、溶融することにより再利用可能であり、環境負荷低減といった利点もある。
また、本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂中に層状珪酸塩がナノメートルサイズで微分散していることから低線膨張率、耐熱性、低吸水率であることに加え、高い透明性をも実現できる。従って、本発明の樹脂組成物は、光パッケージの形成材料、光導波路材料、接続材料、封止材料等の光回路形成材料として好適に用いることができる。
本発明によれば、力学的物性、寸法安定性、耐熱性、難燃性等に優れ、特に高温物性に優れた樹脂組成物、基板用材料、シート、積層板、樹脂付き銅箔、銅張積層板、TAB用テープ、プリント基板、プリプレグ、接着シート及び光回路形成材料を提供できる。
以下に参考例及び実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(参考例1)
小型押出機(日本製鋼所社製、TEX30)中に、熱可塑性樹脂として変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(旭化成工業社製、ザイロン(PKL)X9102)100重量部、層状珪酸塩としてジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理が施された膨潤性フッ素マイカ(コープケミカル社製、ソマシフMAE−100)30重量部をフイードし、290℃で溶融混練してストランド状に押出し、押出されたストランドをペレタイザーによりペレット化することによりマスターバッチを作製した。次いで小型押出機(日本製鋼所社製、TEX30)中に、熱可塑性樹脂としてポリイミド樹脂(三井化学社製、オーラムPD−450)100重量部、得られたマスターバッチ9.5重量部をフイードし、窒素気流下、420℃で溶融混練して押出し、押出されたストランドをペレタイザーによりペレット化することにより樹脂組成物からなるペレットを得た。次いで、得られた樹脂組成物からなるペレットを窒素気流下、上下各420℃に温調した熱プレスでプレスすることにより圧延して、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(参考例2)
小型押出機(日本製鋼所社製、TEX30)中に、熱可塑性樹脂として変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(旭化成工業社製、ザイロン(PKL)X9102)100重量部、層状珪酸塩としてジステアリルジメチル4級アンモニウム塩で有機化処理が施された膨潤性フッ素マイカ(コープケミカル社製、ソマシフMAE−100)30重量部をフイードし、280℃で溶融混練してストランド状に押出し、押出されたストランドをペレタイザーによりペレット化することによりマスターバッチを作製した。次いで小型押出機(日本製鋼所社製、TEX30)中に、熱可塑性樹脂としてポリエーテルエーテルケトン100重量部、得られたマスターバッチ9.5重量部をフイードし、窒素気流下、400℃で溶融混練して押出し、押出されたストランドをペレタイザーによりペレット化することにより樹脂組成物からなるペレットを得た。次いで、得られた樹脂組成物からなるペレットを窒素気流下、上下各400℃に温調した熱プレスでプレスすることにより圧延して、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(参考例3)
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン66.12重量部を500mlセパラブルフラスコに秤取り、脱水したN−メチルピロリドン370重量部を添加し、窒素置換後、150rpmで約30分攪拌した。次いで、無水ピロメリット酸33.72重量部と脱水したN−メチルピロリドン40重量部を添加し、150rpmで1時間攪拌した。続いて、7.9%合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)含有N−メチルピロリドン溶液253.2重量部、アニリン0.001重量部、脱水N−メチルピロリドン40重量部を600rpmで4時間攪拌を行い、クレイ含有ポリアミック酸溶液を得た。
得られたポリアミック酸溶液を高温に加熱し、大半の溶剤を稀薄させてフィルムにしたあと、さらに高温に加熱して反応を進行させ、イミド化を行った。クレイ含有ポリイミドのマスターバッチを得た。次いで小型押出機(日本製鋼所社製、TEX30)中に、熱可塑性樹脂(商品名「オーラムPD−450」(三共化学社製)100重量部、得たマスターバッチ43重量部を投入し、窒素気流下、420℃で溶融混練して押出し、押出されたストランドをペレタイザーによりペレット化することにより、樹脂組成物のペレットを得た。次いで、得られた樹脂組成物のペレットを窒素気流下、上下各400℃に温調した熱プレスでプレスし圧延して、厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(参考例4)
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(和光純薬社製)47.24重量部を500mlセパラブルフラスコに秤取り、脱水したN−メチルピロリドン(和光純薬社製)370重量部を添加し、窒素置換後、150rpmで約30分攪拌した。次いで、3,3‘4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物(ダイセル化学社製、BTDA−BFS−06)52.60重量部と脱水したN−メチルピロリドン40重量部を添加し、150rpmで1時間攪拌した。続いて、3.9%合成マイカ(1,2−ジメチル−3−N−デシル−イミダゾリウム処理合成マイカ)含有N−メチルピロリドン溶液253.2重量部、アニリン(和光純薬社製)0.002重量部、脱水N−メチルピロリドン40重量部を600rpmで4時間攪拌を行い、クレイ含有ポリアミック酸溶液を得た。得たポリアミック酸溶液の溶剤乾燥、イミド化を行い、クレイ含有ポリイミドのマスターバッチを得た。次いで小型押出機(日本製鋼所社製、TEX30)中に、熱可塑性樹脂としてオーラム(三井化学社製、PD−450)100重量部、得たマスターバッチ25重量部を投入し、窒素気流下、420℃で溶融混練して押出し、押出されたストランドをペレタイザーによりペレット化することにより樹脂組成物のペレットを得た。次いで、得られた樹脂組成物のペレットを窒素気流下、上下各400℃に温調した熱プレスでプレスし圧延して、厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(参考例5)
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン66.12重量部を500mLセパラブルフラスコに秤取り、脱水ジメチルホルムアミド(DMF)370重量部を添加し、窒素置換後、150rpmで約30分間撹拌した。次いで、無水ピロメリット酸33.72重量部と脱水したジメチルホルムアミド(DMF)40重量部を添加し、150rpmで1時間撹拌した。続いて、7.9%合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)含有DMF溶液253.2重量部、アニリン0.001重量部、脱水DMF40重量部を600rpmで4時間撹拌を行い、クレイ含有ポリアミック酸溶液を得た。
得られたポリアミック酸溶液の溶剤乾燥、イミド化を行い、クレイ含有ポリイミドのマスターバッチを得た。次いで小型押出機(日本製鋼所社製、TEX30)中に、熱可塑性樹脂としてオーラム(三井化学社製、PD−450)100重量部、得られたマスターバッチ17.6重量部、ホウ酸アルミニウムウィスカー(四国化成工業株式会社製)10重量部を投入し、窒素気流下、420℃で溶融混練して押出し、押出されたストランドをペレタイザーによりペレット化することにより樹脂組成物のペレットを得た。次いで、得られた樹脂組成物のペレットを窒素気流下、上下各400℃に温調した熱プレスでプレスし圧延して、厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(参考例6)
1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン47.24重量部を500mLセパラブルフラスコに秤取り、脱水したN−メチルピロリドン(NMP)370重量部を添加し、窒素置換後、150rpmで約30分間撹拌した。次いで、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸2無水物52.60重量部と脱水したNMP40重量部を添加し、150rpmで1時間撹拌した。続いて、3.9%合成マイカ(コープケミカル社製、ソマシフMPE)含有NMP溶液253.2重量部、アニリン0.002重量部、脱水したNMP40重量部を600rpmで4時間撹拌を行い、クレイ含有ポリアミック酸溶液を得た。
得られたポリアミック酸溶液の溶剤乾燥、イミド化を行い、クレイ含有ポリイミドのマスターバッチを得た。次いで小型押出機(日本製鋼所社製、TEX30)中に、熱可塑性樹脂としてオーラム(三井化学社製、PD−450)100重量部、得たマスターバッチ25重量部、炭化ケイ素ウィスカー(東洋カーボン社製)8重量部を投入し、窒素気流下、420℃で溶融混練して押出し、押出されたストランドをペレタイザーによりペレット化することにより樹脂組成物のペレットを得た。次いで、得られた樹脂組成物のペレットを窒素気流下、上下各400℃に温調した熱プレスでプレスし圧延して、厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(参考例7)
小型押出機(日本製鋼所社製、TEX30)中に、熱可塑性樹脂としてオーラム(三井化学社製、PD-450M)100重量部、合成マイカ(コープケミカル社製、ソマシフMPE)3重量部、窒素気流下、330℃で溶融混練して押出し、押出されたストランドをペレタイザーによりペレット化することにより樹脂組成物のペレットを得た。次いで、得られた樹脂組成物のペレットを窒素気流下、上下各340℃に温調した熱プレスでプレスし圧延して、厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(参考例8)
小型押出機(日本製鋼所社製、TEX30)中に、熱可塑性樹脂としてオーラム(三井化学社製、PD-450)100重量部、合成マイカ(1,2−ジメチル−3−N−デシル−イミダゾリウム処理合成マイカ)3重量部、シリカ(アドマテックス社製、SO−E5)15重量部を投入し、窒素気流下、420℃で溶融混練して押出し、押出されたストランドをペレタイザーによりペレット化することにより樹脂組成物のペレットを得た。次いで、得られた樹脂組成物のペレットを窒素気流下、上下各400℃に温調した熱プレスでプレスし圧延して、厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(実施例1)
イソボルニルアクリレート92.3gを500mlフラスコに秤取し、このフラスコに合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)を10重量%含有するジメチルホルムアミド(DMF)溶液77.0gを加えた後、1時間撹拌を行い、クレイ含有イソボルニルアクリレート溶液を得た。次いで、80℃のオーブン気流下で得られたクレイ含有イソボルニルアクリレート溶液からDMFを留去し、クレイ含有イソボルニルアクリレートを得た。得られたクレイ含有イソボルニルアクリレートに光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル社製、イルガキュア651)0.9gを添加し、均一状態とした後、365nmの紫外線を1mW/cm2の照度にて10分間照射し、更に160℃の熱プレスを行い、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(実施例2)
メチルメタクリレート92.3gを1000mlフラスコに秤取し、このフラスコに合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)を10重量%含有するメチルエチルケトン(MEK)溶液77.0g及びMEK200gを加え、湯浴により80℃にした状態で撹拌を行った。次いで、湯浴により80℃にした状態で撹拌を行っているフラスコにアゾイソブチロニトリル(AIBN)2.5gとMEK100mlとからなるAIBN溶液を20mlずつ5回に分けて1時間おきに添加し、最後の添加後、更に2時間80℃に保持した。得られた反応混合物から減圧加熱乾燥によりMEKを留去した後、160℃の熱プレスを行い、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(比較例1)
膨潤性フッ素マイカ(コープケミカル社製、ソマシフMAE−100)を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(比較例2)
膨潤性フッ素マイカ(コープケミカル社製、ソマシフMAE−100)を配合しなかったこと以外は実施例2と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(比較例3)
合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)を配合しなかったこと以外は実施例3と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(比較例4)
合成マイカ(1,2−ジメチル−3−N−デシル−イミダゾリウム処理合成マイカ)を配合しなかったこと以外は実施例4と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(比較例5)
合成ヘクトライト(コープケミカル社製、ルーセンタイトSTN)を配合しなかったこと以外は実施例5と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(比較例6)
合成マイカ(コープケミカル社製、ソマシフMPE)を配合しなかったこと以外は実施例6と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(比較例7)
合成マイカ(コープケミカル社製、ソマシフMPE)を配合しなかったこと以外は実施例7と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(比較例8)
合成マイカ(1,2−ジメチル−3−N−デシル−イミダゾリウム処理合成マイカ)を配合しなかったこと以外は実施例8と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(比較例9)
シリカ(アドマテックス社製、SO−E5)の配合量を60重量部に変更し、合成マイカ(1,2−ジメチル−3−N−デシル−イミダゾリウム処理合成マイカ)を配合しなかったこと以外は実施例8と同様にして樹脂組成物、及び、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
(比較例10)
イソボルニルアクリレート92.3gに光重合開始剤(チバスペシャリティケミカル社製、イルガキュア651)0.9gを添加し、均一状態とした後、365nmの紫外線を1mW/cm2の照度にて10分間照射し、更に160℃で熱プレスを行い、樹脂組成物からなる厚さ2mm及び100μmの板状成形体を作製した。
<評価>
実施例1,2及び参考例1〜8、比較例1〜10で作製した板状成形体の性能を以下の項目について評価した。なお、参考例5、6及び比較例5、6で作製した板状成形体については弾性率も評価した。結果は表1,表2に示した。
(1)熱膨張係数の測定
板状成形体を裁断して3mm×25mmにした試験片を、TMA(Thermomechanical Analysys)装置(セイコー電子社製、TMA/SS120C)を用いて、昇温速度5℃/分で昇温し、平均線膨張率(以下、「CTE」と記載することがある)の測定を行い、以下の項目について評価を行った。
・樹脂組成物のガラス転移温度よりも10℃〜50℃高い温度での平均線膨張率(α2)[℃-1]。
・樹脂組成物のガラス転移温度よりも10℃〜50℃高い温度での平均線膨張率(α2)を、樹脂組成物のガラス転移温度よりも50℃〜10℃低い温度での平均線膨張率(α1)で除して求めた平均線膨張率比(α2/α1)。
・50〜100℃での平均線膨張率[℃-1]及び200〜240℃での平均線膨張率[℃-1]。
・150〜200℃での平均線膨張率を、50〜100℃での平均線膨張率で除して求めた平均線膨張率比(1)、及び、250〜300℃での平均線膨張率を、50〜100℃での平均線膨張率で除して求めた平均線膨張率比(2)。
・板状成形体を25℃から300℃まで昇温したときの長さの変化量を、板状成形体の25℃での長さで除して求めた変化率(%)。
・上記式(1)で表される平均線膨張率比(3)。
・樹脂組成物のTgよりも10℃〜50℃高い温度での平均線膨張率を、各実施例に対応する比較例で作製した樹脂組成物のTgよりも10℃〜50℃高い温度での平均線膨張率でそれぞれ除して求めた改善率。
(2)層状珪酸塩の平均層間距離
X線回折測定装置(リガク社製、RINT1100)を用いて、厚さ2mmの板状成形体中の層状珪酸塩の積層面の回折より得られる回折ピークの2θを測定し、下記式(5)のブラックの回折式により、層状珪酸塩の(001)面間隔dを算出し、得られたdを平均層間距離(nm)とした。
λ=2dsinθ ・・・式(5)
上記式(5)中、λは0.154であり、θは回折角を表す。
(3)5層以下の積層体として分散している層状珪酸塩の割合厚さ100μmの板状成形体を透過型電子顕微鏡により10万倍で観察し、一定面積中において観察できる層状珪酸塩の積層体の全層数X及び5層以下で分散している層状珪酸塩の層数Yを計測し、下記式(4)により5層以下の積層体として分散している層状珪酸塩の割合(%)を算出した。
Figure 2006312745
(4)吸水率の測定
厚さ100μmの板状成形体を3×5cmの短冊状にした試験片を作製し、80℃で5時間乾燥させた後の重さ(W1)を測定した。次いで、試験片を水に浸漬し、25℃の雰囲気下で24時間放置した後取り出し、ウエスで丁寧に拭き取った後の重さ(W2)を測定した。下記式により吸水率を求めた。
吸水率(%)=(W2−W1)/W1×100
(5)湿度線膨張率の測定
厚さ100μmの板状成形体を50℃30%Rhの恒温恒湿器に24時間放置後の寸法(L1)を測定した。次いで、板状成形体を50℃80%Rhの恒温恒湿器に24時間放置後の寸法(L2)を測定した。下記式により湿度線膨張率を求めた。
湿度線膨張率[%RH-1]=(L2−L1)/L1/(80−30)
(6)誘電率の測定
インピーダンス測定器(HP社製、HP4291B)を用いて、周波数1MHz付近の誘電率を測定した。
(7)弾性率の測定
JIS K 6301に準ずる方法により測定を行った。
(8)溶解度パラメーターの測定
Fedorsの計算式により算出した。
(9)加熱10%重量減少温度の測定
サンプル5〜10mgを150℃で5時間乾燥させた後、TG/DTA装置(セイコー電子社製、TG/DTA320)を用いて、以下の測定条件により測定した。
測定温度:25〜600℃
昇温速度:10℃/min
窒素ガス:200ml/min
Figure 2006312745
Figure 2006312745

Claims (32)

  1. ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂100重量部と無機化合物0.1〜65重量部とを含有する樹脂組成物であって、
    樹脂組成物のガラス転移温度よりも10℃高い温度から、樹脂組成物のガラス転移温度よりも50℃高い温度までの平均線膨張率(α2)が3.0×10-3[℃-1]以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 樹脂組成物のガラス転移温度よりも10℃高い温度から、樹脂組成物のガラス転移温度よりも50℃高い温度までの平均線膨張率(α2)が1.0×10-3[℃-1]以下であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 樹脂組成物のガラス転移温度よりも10℃高い温度から、樹脂組成物のガラス転移温度よりも50℃高い温度までの平均線膨張率(α2)を、樹脂組成物のガラス転移温度よりも50℃低い温度から、樹脂組成物のガラス転移温度よりも10℃低い温度までの平均線膨張率(α1)で除して求めた平均線膨張率比(α2/α1)が70以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 樹脂組成物のガラス転移温度よりも10℃高い温度から、樹脂組成物のガラス転移温度よりも50℃高い温度までの平均線膨張率(α2)を、樹脂組成物のガラス転移温度よりも50℃低い温度から、樹脂組成物のガラス転移温度よりも10℃低い温度までの平均線膨張率(α1)で除して求めた平均線膨張率比(α2/α1)が15以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  5. 50〜100℃での平均線膨張率が4.5×10-5[℃-1]以下であり、かつ、200〜240℃での平均線膨張率が7×10-5[℃-1]以下であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の樹脂組成物。
  6. 150〜200℃での平均線膨張率を、50〜100℃での平均線膨張率で除して求めた平均線膨張率比(1)が2.0以下であり、かつ、250〜300℃での平均線膨張率を、50〜100℃での平均線膨張率で除して求めた平均線膨張率比(2)が20以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の樹脂組成物。
  7. 樹脂組成物からなる樹脂片を25℃から300℃まで昇温したときの長さの変化量を、樹脂組成物からなる樹脂片の25℃での長さで除して求めた変化率が7%以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の樹脂組成物。
  8. 下記式(1)で表される平均線膨張率比(3)が1.5以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の樹脂組成物。
    Figure 2006312745
  9. 樹脂組成物のガラス転移温度よりも10℃高い温度から、樹脂組成物のガラス転移温度よりも50℃高い温度までの樹脂組成物の平均線膨張率を、前記樹脂のガラス転移温度よりも10℃高い温度から、前記樹脂のガラス転移温度よりも50℃高い温度までの前記樹脂の平均線膨張率で除して求めた改善率が0.50以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の樹脂組成物。
  10. 引張弾性率が6GPa以上、1MHzでの誘電率が3.3以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の樹脂組成物。
  11. 吸水率が1.0%以下、湿度線膨張率が1.5×10-5[%RH-1]以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の樹脂組成物。
  12. 吸水率が1.0%以下、1MHzでの誘電率が3.3以下かつ吸水処理後の誘電率が3.4以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の樹脂組成物。
  13. ガラス転移温度が100℃以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の樹脂組成物。
  14. 熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が100℃以上であり、かつ、1MHzでの誘電率が3.3以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の樹脂組成物。
  15. 熱可塑性樹脂は、ポリフェニレンエーテル樹脂、官能基変性されたポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂又は官能基変性されたポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン樹脂との混合物、脂環式炭化水素樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、及び、熱可塑性ポリベンゾイミダゾール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14記載の樹脂組成物。
  16. 熱可塑性樹脂は、Fedorsの計算式を用いて求めた溶解度パラメーターが42[J/cm31/2以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15記載の樹脂組成物。
  17. 熱可塑性樹脂は、窒素雰囲気中での熱重量測定を行った場合に、25℃での重量に対する10%重量減少温度が400℃以上であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13,14,15又は16記載の樹脂組成物。
  18. 無機化合物は、層状珪酸塩であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14,15、16又は17記載の樹脂組成物。
  19. 無機化合物は、ウィスカ及び、又はシリカのうち少なくとも1つと層状珪酸塩とからなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16又は17記載の樹脂組成物。
  20. 層状珪酸塩は、モンモリロナイト、ヘクトライト、膨潤性マイカ、及び、バーミキュライトからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項18又は19記載の樹脂組成物。
  21. 層状珪酸塩は、炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオン、芳香族4級アンモニウムイオン又は複素環4級アンモニウムイオンを含有することを特徴とする請求項18、19又は20記載の樹脂組成物。
  22. 広角X線回折測定法により測定した(001)面の平均層間距離が3nm以上であり、かつ、一部又は全部の積層体が5層以下である層状珪酸塩が分散していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20又は21記載の樹脂組成物。
  23. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする基板用材料。
  24. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とするシート。
  25. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする積層板。
  26. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする樹脂付き銅箔。
  27. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする銅張積層板。
  28. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とするTAB用テープ。
  29. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とするプリント基板。
  30. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とするプリプレグ。
  31. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする接着シート。
  32. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22記載の樹脂組成物を用いてなることを特徴とする光回路形成材料。
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KR101168246B1 (ko) 2011-12-27 2012-08-09 (주)청우산업개발 기능성 도료
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