JP2006305975A - 積層フィルムおよび包装袋ならびにシーラント層の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低分子量の有機化合物に対する非吸着性およびバリア性に優れ、内容品の変化やデラミネーションを防止でき、かつ安定的なヒートシール性を有し、かつ余分な触媒や添加剤を使用することなく経済的に生産可能な積層フィルムを提供する。
【解決手段】 基材17とシーラント層11を含む複数の層を有する積層フィルム10において、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる熱溶融状態の膜を急冷により固化させたものをシーラント層11とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、低分子量の有機化合物に対する非吸着性およびバリア性に優れ、かつ安定したヒートシールが可能なポリエチレンテレフタレート樹脂からなるシーラント層を有する積層フィルムと、これを用いた包装袋ならびに前記シーラント層の形成方法に関する。
従来、包装袋などに使用される包装フィルムのシーラントには、シール強度や耐衝撃性、充填適性などの点から、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が広く用いられてきた。ところがポリオレフィン系樹脂をシーラントとした包装フィルムは低分子量の有機化合物に対する非吸着性およびバリア性が劣り、飲食物や化粧品等の香気成分が吸着して風味が変化したり、化粧品や医薬品等の微量な有効成分が浸透あるいは吸着して効能が低下したりする欠点がある。逆に、包装フィルムに対する影響としては、内容品に含まれる香味成分やアルコール類、界面活性剤などが浸透することにより、包装フィルム内部の接着剤層やアンカー剤層、印刷層等に悪影響を及ぼして層間のラミネート強度を低下させ、デラミネーション(剥離)を起こすおそれがあるという問題もある。このため、低分子量成分の吸着や浸透が問題となる内容品に対しては、包装フィルムを用いることができずガラス瓶やポリエチレンテレフタレート(PET)製ボトルが多用されている。
一方、環境問題への配慮やリサイクルコストの低減を図るため、ガラス瓶や各種プラスチック製ボトルから軟包装材への転換が進められている。しかしながら、従来の包装フィルムには上述の問題があるため、軟包装材への転換が困難な内容品も多かった。
このような低分子量成分の非吸着性やバリア性を確保する場合、ポリアクリロニトリルフィルム(PAN)が有効であることが知られている。しかし、PANは高価な上、シール強度が低く、耐衝撃性も低いため、汎用的な包装に適さず、実用性に欠ける。このため、ポリエステル系樹脂をシーラント層として使用する方法が検討されている。
特許文献1には、非晶性ないし低結晶性のポリエステルのインフレーションフィルムにより形成されたヒートシール性ポリエステルフィルム樹脂層を有する包装材料が記載されている。しかしながら、非晶性ポリエステル樹脂では低分子量成分の非吸着性やバリア性が充分ではないため、依然として風味の変化やデラミネーションの問題が起こるおそれが残る。また、インフレーションフィルムは一般に空冷インフレーション法で製膜されるが、冷却効率が低いため製膜中に結晶化が進行して高結晶性ポリエステルとなりヒートシール性が失われる場合もある。
また、ポリエステル系樹脂フィルムは、特許文献2に記載されているように、そのままでは滑り性が悪く、滑剤や微粒子を配合することにより生産性を高める工夫もされている。しかしこのようなフィルムでは滑剤や微粒子が脱落し内容品に移行してしまうことが懸念される上、製造コストが高くなり経済的ではない。
特許文献3には、ペットボトル等の再生PET樹脂をプレポリマーとして、結合剤(エポキシ化合物)および触媒(有機酸金属塩)と混合し、溶融、反応させ、フィルムとして押出し急速冷却することにより熱融着性を発現させる方法が記載されている。しかし、この文献に記載の方法は再生PET樹脂を高分子量化する再生樹脂の利用方法であり、高機能の包装材料を得ることを目的とするものではない。したがって、得られるフィルムはシール強度が15N/15mm程度であり、液体などを包装する場合においては実用的なシール強度を有するとはいえない。また、低分子量の有機化合物に対する非吸着性およびバリア性について何ら考慮がなされていない。さらに、回収PET樹脂の分子量を増大させるために有機酸金属塩からなる触媒の添加を不可欠とするものであって、該触媒の溶出による内容品の汚染が懸念されることから、飲食物や化粧品、医薬品等の内容品が直接接触する用途の包装材料として適するとはいえないものである。
特許第3544231号公報 特開平3−81151号公報 特開2004−155176号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、低分子量の有機化合物に対する非吸着性およびバリア性に優れ、内容品の変化やデラミネーションを防止でき、かつ安定的なヒートシール性を有し、かつ余分な触媒や添加剤を使用することなく経済的に生産可能な積層フィルムと、これを用いた包装袋ならびに前記積層フィルムの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の発明者はポリエチレンテレフタレート系樹脂に着眼して種々検討したところ、意外なことに、特定の成型用ポリエチレンテレフタレート系樹脂に特定の処理を施してシーラント層を形成することにより、上記課題を解決しうるとの知見を得て、本発明を完成したのである。
すなわち本発明は、基材と、積層フィルムの一方の最表面となるシーラント層とを含む複数の層を有する積層フィルムにおいて、前記シーラント層は、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる熱溶融状態の膜を急冷により固化させたものであることを特徴とする積層フィルムを提供する。
前記シーラント層は、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる熱溶融状態の膜を冷却ロールを用いた急冷により固化させたものであることが好ましい。
前記冷却ロールは、粗面ロールであることが好ましい。
前記シーラント層は、押出ラミネート法によって形成されたものであることが好ましい。
前記シーラント層を構成するイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂の極限粘度が0.60dl/g〜0.85dl/gであることが好ましい。
前記シーラント層を構成するイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂のイソフタル酸成分の共重合比率が3モル%〜30モル%であることが好ましい。
前記シーラント層を構成するイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂の結晶化度が3%〜15%であることが好ましい。
また、本発明は、上述の積層フィルムからなり、前記シーラント層をヒートシールしてなるヒートシール部を有することを特徴とする包装袋を提供する。
上述の包装袋においては、ポリエチレンテレフタレート樹脂またはイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる注出口を、前記積層フィルムの前記シーラント層にヒートシートすることにより設けることができる。
また、本発明は、上述の積層フィルムのシーラント層を形成する方法であって、前記シーラント層は、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を熱溶融して膜状にした後、該熱溶融状態の膜を急冷により固化させることにより形成することを特徴とするシーラント層の形成方法を提供する。
上述のシーラント層の形成方法では、前記イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を熱溶融して膜状にする工程において、単軸押出機を用いて熱溶融したイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂をTダイから膜状に押し出すことができる。
本発明の積層フィルムは、低分子量の有機化合物(有効成分や香料等)に対する非吸着性およびバリア性に優れるので、内容品の変化やデラミネーションを起こすことなく長期保存が可能な包装材料が得られる。さらに、余分な触媒や添加剤を使用しないで安定的なヒートシール性を発現することができるので、添加剤等が内容品中に移行するおそれもない。
シーラント層を、粗面ロールを用いて急冷固化して形成した場合、シーラント層の表面が粗面となり、滑り性が良く生産性の高い積層フィルムが得られる。
イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂の溶融押出は、ポリオレフィン系樹脂の溶融押出に用いられる通常の単軸押出機およびTダイを用いて実施することが可能であるから、経済的に生産可能であり、コスト面でも有利である。
以下、最良の形態に基づいて本発明を説明する。
本発明の積層フィルムは、基材とシーラント層、必要に応じて他の中間層を積層したものである。すなわち、積層フィルムの一方の最表面となるシーラント層と基材、必要に応じて他の中間層、接着剤層やアンカー剤層などの複数の層を有する。そして、前記シーラント層が、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる熱溶融状態の膜を急冷により固化させたものであることを特徴とする。ここで、シーラント層とは、ヒートシールに用いられる層であり、包装材料としては内容品に接する最内層に配置されるものである。
基材または他の中間層とシーラント層との積層は接着剤層又はアンカー剤層を介しても良いし、基材に直接積層されていても良い。前記中間層としては、補強層、ガスバリア層、遮光層、印刷層など、適宜、一層または複数層を選択することができる。
本発明におけるイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂とは、ジカルボン酸成分とジオール成分との縮合重合によって得られる線状ポリエステル樹脂のうち、ジカルボン酸成分としてはテレフタル酸を第1の主成分、イソフタル酸を第2の主成分とし、ジオール成分としてはエチレングリコールを主成分とする共重合体である。
ここで、ジカルボン酸成分のうちテレフタル酸とイソフタル酸の共重合比率の和は、95モル%〜100モル%が好ましく、99モル%〜100モル%がより好ましい。また、ジオール成分のうちエチレングリコールの共重合比率は、95モル%〜100モル%が好ましく、99モル%〜100モル%がより好ましい。
従来、ヒートシール性ポリエステルとして知られる樹脂には、ジカルボン酸成分の少なくとも一部としてアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸を用いたものや、ジオール成分の少なくとも一部としてプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等、1分子中に3個以上の炭素原子を有する二価アルコールを用いた共重合体がある。このような公知のヒートシール性ポリエステルは、前者は樹脂の密度が低くなったり、後者は脂溶性の部位が増えるため、ビタミンA、E、Dなどの脂溶性ビタミンや、ユーカリエキス等の香料との相溶性が高くなる。この結果、いずれの樹脂も医薬品や化粧品中の有効成分、飲食物中の香料成分の吸着や透過を防止する性能が低下する。すなわち、前記有効成分や香料成分等の低分子量の有機化合物(本明細書では「低分子量成分」と略記することがある)の非吸着性やバリア性に劣り、好ましくないばかりか、樹脂の製造コストが高く、経済的でないという欠点を有する。
しかしながら、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールを使用した場合には、結晶化の速度が高いため、急冷して固化しても結晶化度を的確に制御することが難しく、低分子量成分の非吸着性やバリア性は充分であっても、ヒートシール性が得られにくいという問題がある。また、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸およびイソフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸を使用した場合には、樹脂の製造コストが高くなり、経済的でない。
そこで、本発明では、シーラント層を構成する樹脂としてイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用している。イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂は、ボトル等の成型用として一般的かつ大量に使用されているため安価に調達が可能であり、経済的に極めて合理的な原料樹脂である。
本発明の積層フィルムのシーラント層は、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる熱溶融状態の膜を急速に冷却することにより固化させたものである。
このようなシーラント層を形成する方法としては、Tダイより押し出された熱溶融状態の膜を直接、一定温度に保持された冷却ロールや金属の無端ベルト等で急冷して単層フィルムを得る方法、Tダイより熱溶融状態の膜を基材等のフィルム上に押し出して該フィルムとともに冷却ロールで急冷しつつピンチロール(本明細書では「バックアップロール」という場合もある)で圧着する押出ラミネート法、または水冷インフレーション法などが挙げられる。ここに例示した方法によれば、急冷が冷却ロールや冷却水との接触によりなされるので、冷却ロールや冷却水の温度制御によって周囲の環境温度の影響を抑制することができ、シーラント層として固化した後の結晶化の進行を回避して安定した製造が可能になる。
なかでも押出ラミネート法は、シーラント層の急冷固化と積層とを同時に行うことができるため、加工回数を減らすことができ、経済的である。また、シーラント層が基材等のフィルムと直ちに積層されることにより、シーラント層が実質的に無延伸のまま形成され、結晶化度が低い状態を維持することができるため、好ましい。
イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂の押出ラミネートは、ポリオレフィン系樹脂の押出ラミネートに用いられる通常の単軸押出機およびTダイを用いて実施することが可能である。よって、製造コストを抑制でき、経済的に生産が可能である。
押出ラミネート法による積層フィルムの製造は、例えば図4に示す方法により行うことができる。同図において、バックアップロール4と冷却ロール5との間には、基材や補強層等(詳しくは後述する。)を構成するフィルム3が搬送されている。バックアップロール4は少なくとも表面を、シリコーンゴムなどの耐熱性および樹脂からの剥離性に優れた材料から構成することが一般的である。また、前記冷却ロール5の材質としては、熱溶融状態の膜2およびシーラント層6が接触する冷却ロール5の表面をステンレス等の金属から構成することができる。押出ラミネートに際しては、熱溶融状態の膜2および/またはラミネートされるフィルム3の、すくなくとも接着される側の表面に対してオゾン処理、コロナ処理、プラズマ処理など接着性を向上する表面処理を施すことが望ましい。また、フィルム3のシーラント層6が形成される側の表面には、アンカー剤の塗布などによりアンカー剤層(図示略)が形成されていることが好ましい。
押出機(図示略)中で溶融されたイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂は、Tダイ1から広幅(図4の紙面に垂直な方向がTダイ1の幅方向である。)に押し出され、膜状に流下する。この熱溶融状態の膜2はバックアップロール4に支持されているフィルム3に接触し、バックアップロール4と冷却ロール5とに挟まれて膜2とフィルム3とが圧着される。圧着と同時に膜2が冷却ロール5の表面で急冷されることにより、フィルム3上で固化してシーラント層6となる。
熱溶融状態の膜2の温度は、使用したイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂の融点以上である必要がある。一般的には300℃程度が好ましい。
熱溶融状態の膜2を急冷する際、冷却ロール5の表面温度は、10℃〜40℃の範囲内であることが好ましい。冷却ロール5の表面温度が10℃未満では冷却ロール5上に結露が発生して熱溶融状態の膜2が水滴と接触するために、シーラント層6の外観異常が発生するおそれがある。また、冷却ロール5の表面温度が40℃を超えると充分な冷却効果が得られない場合がある。なお、本発明で用いる冷却ロール5の温度条件は、一般的に行われているポリオレフィン系樹脂の押出ラミネートと同様の条件で充分である。
前記冷却ロール5としては鏡面ロールを用いることもできるが、好ましくは粗面ロールを用いることが望ましい。ここで、粗面ロールとしては、表面に微細な凹凸を有するマット加工(つや消し)やエンボスを形成したものを用いることができる。粗面ロールの表面粗さについては、好ましくは十点平均粗さ(Rz)が1以上、より好ましくはRzが5以上である。Rzの上限は特に制限はないが、Rzがあまりに大きくなると、フィルム3の透明性が低下したり、冷却ロールからの剥離が悪くなることがある。ポリエチレンテレフタレート樹脂はポリオレフィン樹脂に比べて硬いのでRzをそれほど大きくしなくても必要な滑り性を確保することができる。したがって、Rzは大きくても20程度あれば充分である。
急冷に粗面ロールを用いた場合、粗面ロールの表面がシーラント層6のシール面(表面)に転写されることにより、該シール面が粗面に形成され、シーラント層6が積層されたフィルム3を巻き取るときに、フィルム3の外面に対するシーラント層6表面の滑り性が向上してブロッキングが起きにくくなる。このため、積層体としてロール形状に巻き取るに際し、円滑に巻き取ることができ、加工適性が向上する。また、シーラント層6,6同士の滑り性も向上するため、製袋や内容品の充填などの後工程でシーラント層同士の密着によるブロッキングが起きにくくなるため、これらの生産性も向上する。したがって、アンチブロッキング剤、スリップ剤等の添加剤を使用せずに済むため、前記添加剤の脱落や溶出などによる内容品の汚染がないという利点も生じる。さらに、前記添加剤を混練するためのマスターバッチの用意や、該マスターバッチを樹脂と混練する作業が必要ないため、樹脂の製造コストが安くなり経済的である。
なお、フィルムを形成する代表的な方法としては、空冷インフレーション法が挙げられる。しかし、空冷インフレーション法の場合には環状ダイから筒状に押し出された熱溶融状態の膜が空気中で徐冷されることになる。このため、急冷の場合よりもシーラント層の結晶化度が高くなり、ヒートシール性の向上の効果が充分でないばかりか、固化後において周囲の環境温度に影響されやすい。特に、気温の高い夏場には空冷効果も薄れるため、結晶化が進みすぎてヒートシール性が悪くなるため、好ましくない。
イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートを熱溶融状態から急冷固化すると、結晶化度の上昇が抑制され、結晶化度が低い樹脂が得られる。熱溶融状態のイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート膜を急冷固化して得られるフィルムは、驚くべきことに、充分なヒートシール性と、低分子量成分の非吸着性およびバリア性を兼ね備えた特異な性質を有するものであり、包装材料のシーラント層として用いたときには、内容品に含まれる低分子量成分の含有量変化や低分子量成分によるデラミネーションを防止できることが分かった。そこで本発明は、上述のシーラント層を有する積層フィルムを提供するものである。
急冷固化によって得られるシーラント層の結晶化度は、3%〜15%が好ましい。これにより、ヒートシール性、非吸着性、バリア性がいずれも優れたシーラント層となる。シーラント層の結晶化度が3%未満であるか、またはシーラント層が非晶性である場合には、低分子量成分の非吸着性およびバリア性が低下してしまい、シーラント層の結晶化度が15%を超える場合には、充分なヒートシール性が得られにくい。
本発明の積層フィルムにおいて、シーラント層の厚さは、包装材料の用途にも依存し、特に限定されるものではないが、通常は5μm〜150μm程度であり、好ましくは15μm〜80μmである。
シーラント層の極限粘度は、0.60〜0.85dl/gであることが好ましい。すなわち、押出成形の原料として、極限粘度が0.60〜0.85dl/gのイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いることが好ましい。本発明における極限粘度は、JIS K 7367−5に準じ、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(質量比1/1)混合溶媒中、30℃で測定される値である。前記極限粘度が0.60dl/g未満の場合には、樹脂の分子量が低すぎて充分な非吸着性およびバリア性を得にくく、前記極限粘度が0.85dl/gを超える場合には、熱溶融時の粘度が高すぎて押出加工が困難になり、生産性が低下するため、好ましくない。
シーラント層を構成するイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂において、イソフタル酸成分の共重合比率は、3モル%〜30モル%が好ましい。ここで、イソフタル酸成分の共重合比率とは、ジカルボン酸成分のうちイソフタル酸成分が占めるモル百分率である。イソフタル酸成分の共重合比率が3モル%未満の場合には、たとえ急冷固化したとしても結晶化の速度が高すぎて的確な結晶化度の制御ができないので、適当なシール温度条件では充分なヒートシール性を示さず、実用的なものにはならない。また、イソフタル酸成分の共重合比率が30モル%を超える場合には耐熱性が低くなり、ヒートシール時にシール部の周囲がブロッキングしてしまう(加熱用部材からの熱伝導によって、意図した範囲よりも広い範囲でシールされてしまう現象)ため、適切なヒートシールが難しくなる。
積層フィルムの基材としては、耐熱性や強度などの機械的特性、印刷適性に優れた延伸フィルムが好ましく、具体的には、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(O−PET)フィルム、2軸延伸ナイロン(O−Ny)フィルム、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム等を挙げることができる。前記基材の厚さは通常10μm〜50μmであり、好ましくは10μm〜30μmである。
シーラント層の内側には、シーラント層を基材または他のフィルムと接着するため、アンカー剤層または接着剤層が介在されることが好ましい。シーラント層を押出ラミネート法で形成する場合には、シーラント層の内側に接するアンカー剤層が形成される。基材としてO−PETを用いる場合にはアンカー剤層を用いなくとも良い。予め単層フィルムとして作製したシーラント層をドライラミネート法によって基材または他のフィルムと接着する場合には、シーラント層の内側に接する接着剤層が形成される。また、共押出法を用いる場合は酸変性ポリオレフィンなどの接着性樹脂を用いても良い。
前記アンカー剤層を構成するアンカー剤としては、ポリウレタン系、ポリエーテル系、アルキルチタネート(有機チタン化合物)系等、一般的に押出ラミネート法に使用されるアンカー剤が使用でき、積層フィルムの用途に合わせて選択可能である。
前記接着剤層を構成する接着剤としては、ポリウレタン系、ポリエーテル系等、一般的にドライラミネート法に使用される接着剤を使用でき、積層フィルムの用途に合わせて選択可能である。
前記シーラント層の内側のアンカー剤層または接着剤層と前記基材との間には、中間層としてガスバリア層や補強層などが存在していても構わない。
補強層は積層フィルムの強度特性を補完する役割であって、補強層を構成する樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系樹脂、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(O−PET)、2軸延伸ナイロン(O−Ny)、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)等を挙げることができる。補強層の厚みは、通常5μm〜50μmであり、好ましくは10μm〜30μmである。
ガスバリア層は、酸素や水蒸気等のガスが積層フィルムを透過することを遮断するためガスバリア性を付与する機能を有する。このようなガスバリア層としては、金属箔、アルミニウムや無機酸化物の蒸着層、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、塩化ビニリデン等のガスバリア性樹脂層が挙げられる。なお、バリア層を補強層として共用しても構わない。これらのガスバリア層は、基材または補強層を構成するフィルムの片面に設けることができ、一般には基材とシーラント層との間の中間層として設けられる。無機酸化物蒸着層の場合は、基材よりも外側の最外層(積層フィルムにおいてシーラント層の反対側の最表層)としても利用できる。
ガスバリア層の厚みは、金属箔またはガスバリア性樹脂層による場合は通常5μm〜50μmであり、好ましくは10μm〜30μmである。ガスバリア層として金属蒸着層または無機酸化物蒸着層を用いる場合には、これより薄くすることができる。
本発明の積層フィルムを製造する方法としては、特に限定されることなく、押出ラミネート法、ドライラミネート法、共押出法またはこれらの併用により、積層フィルムを構成する各層を適宜積層すればよい。具体的には、以下の(1)〜(3)に示す手順が例示できる。
(1)補強層またはガスバリア層を構成するフィルムの上に、アンカー剤を介してイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートからなるシーラント層を押出ラミネートしたのち、別途用意した基材、補強層またはガスバリア層、あるいは基材を有する積層フィルムを、順次接着剤を介してドライラミネート法で積層する方法。
例えば、図1に示す積層フィルム10は、アンカー剤層12を介してイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートからなるシーラント層11を補強層(フィルム)13上に押出ラミネートして作製した押出ラミネートフィルム10aと、ガスバリア層15を接着剤層16を介して基材17と積層したドライラミネートフィルム10bを用意し、シーラント層11および基材17がそれぞれ最外層となるように、押出ラミネートフィルム10aとドライラミネートフィルム10bとを接着剤層14を介してドライラミネート法で積層することにより製造できる。
(2)基材となる単層フィルムまたは基材を有するラミネートフィルム上にイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートからなるシーラント層を押出ラミネートする方法。
例えば、図2に示す積層フィルム20は、ガスバリア層23を接着剤層24を介して基材25と積層したドライラミネートフィルム20aを用意し、このガスバリア層23上に、アンカー剤層22を介してイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートからなるシーラント層21を押出ラミネートすることにより製造できる。
(3)イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートからなるシーラント層をあらかじめ単層フィルムとして作製し、該シーラント層を最表層として、基材、補強層、ガスバリア層等を接着剤層を介して順次ドライラミネート法で積層する方法。
例えば、図3に示す積層フィルム30は、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートからなるシーラント層31をあらかじめ単層フィルムとして作製するとともに、ガスバリア層33を接着剤層34を介して基材35と積層したドライラミネートフィルム30aを用意し、ドライラミネートフィルム30aとシーラント層31とを接着剤層32を介してドライラミネート法で積層することにより製造できる。
(4)イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート/酸変性ポリオレフィンなどの接着性樹脂/ナイロンやポリプロピレンなどの樹脂、必要に応じてエチレン−ビニルアルコール共重合体などのガスバリア性樹脂を多層に共押出して急冷固化させて積層することにより製造できる。
上述の積層フィルムは、ヒートシール性と加工適性がともに優れるので、通常の製袋機や製袋充填機を用いた製袋に適している。
本発明の包装袋は、上述の積層フィルムを前記シーラント層によりヒートシールしてなるものであり、低分子量成分の非吸着性およびバリア性にも優れているから、医薬品、化粧品、飲食物の包装袋として好適に利用できる。包装袋の形態は、三方袋、四方袋、合掌貼り袋、ガゼット袋、自立袋等の比較的小型の包装袋(パウチ)のほか、例えばバッグインボックス用の内袋やドラム缶内装袋などの大型の袋等、特に限定なく適用可能である。
本発明の包装袋に注出口を設ける場合、注出口としては、包装袋を構成する積層フィルムのシーラント層と接合して密封性が確保できれば好適に使用できるが、より好ましくは、前記積層フィルムのシーラント層とヒートシール可能な樹脂からなる注出口を用いて、注出口と積層フィルムとをヒートシールによって接合することが望ましい。このため、ポリエチレンテレフタレート樹脂、好ましくは、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂により形成された注出口を用いれば、本発明の積層フィルムのシーラント層と容易にヒートシールすることが可能であり、非吸着性やバリア性に優れるもので好ましい。積層フィルムと注出口をヒートシールする場合、シーラント層を内側として積層フィルムを重ね合わせた間に注出口を挿入してヒートシールしてもよいし、注出口の一端にフランジ部や舟形形状の融着基部を設け、このフランジ部や融着基部を積層フィルムに設けた穴の周縁や包装袋の開口部内面とヒートシールしてもよい。
成型用樹脂として一般的なポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン樹脂からなる注出口は、低分子量成分の非吸着性やバリア性の観点から好ましくなく、しかもイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートからなるシーラント層とヒートシールすることは困難である。また、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂を成形した注出口を用いることも考えられるが、該樹脂が高価な上、前記シーラント層を構成するイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂とのヒートシール性に乏しいため、たとえ非吸着性やバリア性に優れていても好ましくない。
(実施例1)
図1の層構成を有する積層フィルム10において、シーラント層11を構成する樹脂として、イソフタル酸の共重合比率が5モル%、極限粘度(フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンを質量比=1/1で混合した混合溶媒中、30℃で測定した。以下も同じ。)が0.74dl/gのイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートを用いた。
前記イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートを単軸押出機で熱溶融し、Tダイよりポリウレタン系アンカー剤層12を介して補強層13(2軸延伸PETフィルム、厚さ12μm、両面をコロナ放電処理したもの)上に100m/分の速度で押出ラミネートすることにより、厚さ30μmのシーラント層11を有する押出ラミネートフィルム10aを得た。熱溶融状態の樹脂温度は300℃、冷却ロールの水温は25℃であり、冷却ロールには粗面ロール(十点平均粗さRz:6.8)を使用した。この押出ラミネートフィルム10aのシーラント層11の結晶化度をX線法で測定したところ4%であった。
この積層フィルム10aとは別に、基材17(2軸延伸PETフィルム、厚み12μm)とガスバリア層15(厚み9μmのアルミニウム箔)をポリウレタン系接着剤層16を介してドライラミネートしガスバリア性フィルム10bを作製した。上記積層フィルム10aの補強層13の面と、ガスバリア性フィルム10bのガスバリア層15の面とをポリウレタン系接着剤層14を介してドライラミネートし、実施例1の積層フィルムを得た。
実施例1の積層フィルムをシーラント層を内側として重ね合わせ、図5に示すように開口部7を除く三辺を圧力0.2MPa、時間1秒、温度160℃でヒートシールし、外寸9cm×9cm、ヒートシール部8の幅が10mmのパウチ(三方袋)Pを作製した。なお、このパウチPは、開口部7より内容品を充填した後、開口部7の周縁部9(二点鎖線で示す部分)をヒートシールすることにより密封することができる。
(実施例2)
図1の層構成を有する積層フィルム10において、シーラント層11を構成する樹脂として、イソフタル酸成分の共重合比率が8モル%、極限粘度0.72dl/gのイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートを使用した以外は、実施例1と同様な方法で実施例2の積層フィルムを作製した。
また、実施例2の積層フィルムを用いて実施例1と同様にして、図5に示すパウチPを作製した。
(実施例3)
図2の層構成を有する積層フィルム20において、シーラント層21を構成する樹脂として、イソフタル酸成分5モル%、極限粘度0.74dl/gのイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートを使用した。
あらかじめ、基材25(2軸延伸PETフィルム、厚み12μm)とガスバリア層23(厚み9μmのアルミニウム箔)をポリウレタン系接着剤層24を介してドライラミネートしてガスバリア性フィルム20aを作製した。
前記イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートをポリウレタン系アンカー剤層22を介して前記ガスバリア性フィルム20aのガスバリア層23上に押出ラミネートして、厚さ30μmのシーラント層21を有する実施例3の積層フィルムを得た。押出ラミネートの際、冷却ロールには粗面ロール(十点平均粗さRz:6.8)を使用した。
また、実施例3の積層フィルムを用いて実施例1と同様にして、図5に示すパウチPを作製した。
(実施例4)
冷却ロールに鏡面ロール(十点平均粗さRz:0.021)を使用した以外は実施例1と同様に図1の層構成を有する積層フィルムを作製した。
また、実施例4の積層フィルムを用いて実施例1と同様にして、図5に示すパウチPを作製した。
(比較例1)
図3の層構成を有する積層フィルム30において、シーラント層31を構成する樹脂として、イソフタル酸成分5モル%、極限粘度0.80dl/gのイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートを使用した。
前記イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートを用いて空冷インフレーション法でシーラント層31を作製した。
別途、基材35(2軸延伸PETフィルム、厚み12μm)とガスバリア層33(厚み9μmのアルミニウム箔)をポリウレタン系接着剤層16を介してドライラミネートしガスバリア性フィルム30aを作製した。上記シーラント層31と、ガスバリア性フィルム30aのガスバリア層33の面とをポリウレタン系接着剤層32を介してドライラミネートし、比較例1の積層フィルムを作製した。この積層フィルムのシーラント層の結晶化度をX線法で測定したところ20%であった。
また、比較例1の積層フィルムを用いて実施例1と同様にして、図5に示すパウチPを作製した。
(比較例2)
図3の層構成を有する積層フィルム30において、シーラント層31を構成する樹脂として、テレフタル酸/エチレングリコール/1,4−シクロヘキサンジメタノール(モル比50:35:15)の従来代表的なヒートシール性ポリエステルである非晶性共重合ポリエステルを用いた。
前記非晶性共重合ポリエステルを用いて空冷インフレーション法でシーラント層31を作製した。
別途、基材35(2軸延伸PETフィルム、厚み12μm)とガスバリア層33(厚み9μmのアルミニウム箔)をポリウレタン系接着剤層16を介してドライラミネートしガスバリア性フィルム30aを作製した。上記シーラント層31と、ガスバリア性フィルム30aのガスバリア層33の面とをポリウレタン系接着剤層32を介してドライラミネートし、比較例2の積層フィルムを作製した。
また、比較例2の積層フィルムを用いて実施例1と同様にして、図5に示すパウチPを作製した。
(比較例3)
図2の層構成を有する積層フィルム20において、シーラント層21を構成する樹脂として直鎖状低密度ポリエチレンを使用した以外は実施例3と同様にして、比較例3の積層フィルムを作製した。
また、比較例3の積層フィルムを用いて実施例1と同様にして、図5に示すパウチPを作製した。
(評価方法)
上記各実施例および比較例に係る積層フィルムからなるパウチP(図5参照)について下記の(1)〜(4)に説明する評価を行った。
(1)シール強度
JIS Z 1526に準じて、パウチPのヒートシール部8のシール強度を引張速度300mm/分、幅15mmにて測定した。その結果を表1に示す。
(2)酢酸α−トコフェロールの吸着率
有効成分として酢酸α−トコフェロールを含む市販の化粧水5gをパウチP内に入れ、パウチPの開口部7を圧力0.2MPa、時間1秒、温度160℃でヒートシールして密封した。密封したパウチを40℃で1ヶ月保管した後に開封し、化粧水中の酢酸α−トコフェロールの残存量を高速液体クロマトグラフィ法で定量し、前記残存量をもとに有効成分の吸着率を算出した。その結果を表1に示す。
(3)ユーカリエキスによるラミネート強度の変化
ユーカリエキスを含む粒状入浴剤5gをパウチP内に入れ、パウチPの開口部7を圧力0.2MPa、時間1秒、温度160℃でヒートシールして密封した。密封したパウチを40℃で1週間、2週間、1ヶ月間保管した後に開封した。積層フィルムを短冊状に切り出して試験片を作製し、この試験片の一端を酢酸エチルに浸漬して剥離させ、アルミニウム箔(ガスバリア層15,23,33)とその内側のフィルム(ラミネートフィルム10aまたはシーラント層21,31)との間のラミネート強度をオートグラフA100(島津製作所製)で引張速度5mm/分、幅25.4mmにて測定した。その結果を表2に示す。
(4)40%エタノール水溶液によるラミネート強度の変化
40%エタノール水溶液5mlをパウチP内に入れ、パウチPの開口部7を圧力0.2MPa、時間1秒、温度160℃でヒートシールして密封した。密封したパウチを40℃で1週間、2週間、1ヶ月間保管した後に開封した。積層フィルムを短冊状に切り出して試験片を作製し、この試験片の一端を酢酸エチルに浸漬して剥離させ、アルミニウム箔(ガスバリア層15,23,33)とその内側のフィルム(ラミネートフィルム10aまたはシーラント層21,31)との間のラミネート強度をオートグラフA100(島津製作所製)で引張速度5mm/分、幅25.4mmにて測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2006305975
Figure 2006305975
Figure 2006305975
表1に示すように、実施例1〜4は、有効成分の吸着がほとんど無く、実用的なヒートシール性を有している。実施例4では滑りがやや悪いため巻き取り時の作業性に若干難があった。比較例1は実用的なシール強度を有さなかった。比較例2,3では有効成分の吸着率が高く、吸着防止の効果が劣る。
また、表2,3に示すように、実施例1,2はラミネート強度の低下が殆ど認められなかった。このことから、実施例1,2では、低分子量成分の透過による接着剤またはアンカー剤の劣化が殆どないものと考えられ、香料成分やアルコールなど低分子量成分に対する高いバリア性を確認できた。しかし、比較例2,3では低分子量成分が1週間以内に接着剤またはアンカー剤に浸透してしまい、ラミネート強度が急激に低下してしまった。
本発明は、特に、飲食物や化粧品、医薬品など、香料や有効成分を含有する内容品の包装に好適に利用することができる。
積層フィルムの第1の例を示す概略断面図である。 積層フィルムの第2の例を示す概略断面図である。 積層フィルムの第3の例を示す概略断面図である。 押出ラミネート法による積層フィルムの製造方法を説明する概略図である。 パウチの一例を示す正面図である。
符号の説明
P…包装袋(パウチ)、1…Tダイ、2…熱溶融状態の膜、5…冷却ロール、6…シーラント層、8…ヒートシール部、10,20,30…積層フィルム、11,21,31…シーラント層、12,22…アンカー剤層、32…接着剤層、17,25,35…基材。

Claims (11)

  1. 基材と、積層フィルムの一方の最表面となるシーラント層とを含む複数の層を有する積層フィルムにおいて、
    前記シーラント層は、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる熱溶融状態の膜を急冷により固化させたものであることを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記シーラント層は、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる熱溶融状態の膜を冷却ロールを用いた急冷により固化させたものであることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記冷却ロールは、粗面ロールであることを特徴とする請求項2に記載の積層フィルム。
  4. 前記シーラント層は、押出ラミネート法によって形成されたものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに積層フィルム。
  5. 前記シーラント層を構成するイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂の極限粘度が0.60dl/g〜0.85dl/gであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 前記シーラント層を構成するイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂のイソフタル酸成分の共重合比率が3モル%〜30モル%であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. 前記シーラント層を構成するイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂の結晶化度が3%〜15%であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の積層フィルムからなり、前記シーラント層をヒートシールしてなるヒートシール部を有することを特徴とする包装袋。
  9. ポリエチレンテレフタレート樹脂またはイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂からなる注出口が前記積層フィルムの前記シーラント層にヒートシートされていることを特徴とする請求項8に記載の包装袋。
  10. 請求項1ないし7のいずれかに記載の積層フィルムのシーラント層を形成する方法であって、
    前記シーラント層は、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を熱溶融して膜状にした後、該熱溶融状態の膜を急冷により固化させることにより形成することを特徴とするシーラント層の形成方法。
  11. 前記イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を熱溶融して膜状にする工程において、単軸押出機を用いて熱溶融したイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート樹脂をTダイから膜状に押し出すことを特徴とする請求項10に記載のシーラント層の形成方法。
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