JP2006301031A - オートフォーカス装置とオートフォーカス方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】合焦位置の方向の判別能力を向上させる。
【解決手段】撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の周波数成分を用いて評価値を算出する。ST11でウォブリング開始時の評価値が小さいと判別したときにはST12でウォブリングの振幅を拡大する。ST13で相対角度変化を検出して、検出した相対角度変化が小さいときにはST15からST16に進み、ウォブリングの振幅を拡大する。ST17でウォブリングを行い、評価値の変化に基づいて合焦位置の方向を判別する。検出した相対角度変化が大きいときにはST15からST17に進み、ウォブリングを行うことなく合焦位置の方向を決定する。合焦位置の方向にフォーカスレンズの移動を開始して、評価値に基づきフォーカス位置を合焦位置に移動する合焦動作を行う。
【選択図】 図8
【解決手段】撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の周波数成分を用いて評価値を算出する。ST11でウォブリング開始時の評価値が小さいと判別したときにはST12でウォブリングの振幅を拡大する。ST13で相対角度変化を検出して、検出した相対角度変化が小さいときにはST15からST16に進み、ウォブリングの振幅を拡大する。ST17でウォブリングを行い、評価値の変化に基づいて合焦位置の方向を判別する。検出した相対角度変化が大きいときにはST15からST17に進み、ウォブリングを行うことなく合焦位置の方向を決定する。合焦位置の方向にフォーカスレンズの移動を開始して、評価値に基づきフォーカス位置を合焦位置に移動する合焦動作を行う。
【選択図】 図8
Description
この発明は、オートフォーカス装置とオートフォーカス方法およびプログラムに関する。詳しくは、撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の周波数成分を用いて評価値の算出を行い、レンズをウォブリングさせたときの評価値の変化に基づいて合焦位置の方向を判別する際に、ウォブリング開始時の評価値の大きさや被写体方向と撮像方向との相対角度変化の大きさに応じて、ウォブリングの振幅を変化させるものである。
従来、ビデオカメラやディジタルカメラ等の撮像装置では、被写体に対して自動的にフォーカスを合わせるオートフォーカス機構が設けられている。このオートフォーカス機構では、例えば特許文献1に示すように、撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の高周波成分を加算して評価値を算出し、この評価値が極大となるようにフォーカスレンズが移動される。このため、特定領域を撮像画枠内の中央に設定しておき、被写体が撮像画枠内の中央に位置するように構図を決めて撮像を行うものとすれば、フォーカス位置が合焦位置に移動されて、自動的にフォーカスを被写体に合わせることができる。また、フォーカス位置を合焦位置に移動させる合焦動作を開始したとき、フォーカス位置が合焦位置とは逆方向に移動されないようにするため、ウォブリングレンズをウォブリングさせて、このときの評価値の変化からレンズの移動方向の判別が行われている。
ところで、映像信号の高周波成分を加算して得られる評価値は、被写体のコントラストが高いときには大きな値となり、コントラストが低いときには小さな値となる。このため、コントラストの低い被写体を撮像するときにウォブリングを行っても、評価値の変化が少ないことから、合焦位置の方向を判別することが困難となってしまう。
例えば、図13Aに示すように、コントラストの高い被写体を撮像している場合、フォーカス位置を移動したときの評価値の変化は図13Bに示すものとなる。また、図14Aに示すように、コントラストの低い被写体を撮像している場合、フォーカス位置を移動したときの評価値の変化は図14Bに示すものとなり、コントラストの高い被写体を撮像している場合よりも評価値の変化が小さい。従って、コントラストの高い被写体を撮像している場合にウォブリングを行ったときには、評価値の変化から合焦位置の方向を判別できるが、コントラストの低い被写体を撮像している場合には、ウォブリングを行っても評価値の変化が少ないことから合焦位置の方向を判別するは困難となる。
また、被写体が動いている場合や、撮像装置が揺れている場合、撮像方向を水平方向に振るパンニングが行われている場合等では、特定領域内の画像が変化して評価値の変動を生じてしまうことがある。このような場合、ウォブリングを行っても、評価値の変化がフォーカス位置の変動によるものであるか特定領域内の画像の変化によるものであるか、判別が困難であり、評価値の変化から合焦位置の方向を正しく判別することができない。
そこで、この発明では、合焦位置の方向の判別能力を向上させることができるオートフォーカス装置とオートフォーカス方法およびプログラムを提供するものである。
この発明に係るオートフォーカス装置は、レンズを駆動するレンズ駆動部と、撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の周波数成分を用いて評価値を算出する評価値算出部と、評価値に基づいてフォーカス位置を合焦位置に移動させる合焦動作を行う制御部とを有し、制御部は、レンズをウォブリングさせたときの評価値の変化に基づいて合焦位置の方向を判別し、該ウォブリングの振幅を評価値の大きさに応じて変化させるものである。
また、本発明に係る他のオートフォーカス装置は、レンズを駆動するレンズ駆動部と、撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の周波数成分を用いて評価値を算出する評価値算出部と、被写体方向と撮像方向との相対角度変化を検出する相対角度変化検出部と、評価値に基づいてフォーカス位置を合焦位置に移動させる合焦動作を行う制御部とを有し、制御部は、レンズをウォブリングさせたときの評価値の変化に基づいて合焦位置の方向を判別し、該ウォブリングの振幅を相対角度変化検出部で検出された相対角度変化の大きさに応じて変化させるものである。
この発明に係るオートフォーカス方法やプログラムでは、撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の周波数成分を用いて評価値の算出を行う評価値算出工程と、レンズをウォブリングさせたときの評価値の変化に基づいて合焦位置の方向を判別し、ウォブリングの振幅は被写体方向と撮像方向との相対角度変化に応じて変化させる合焦位置方向判別工程と、判別された合焦位置の方向にフォーカス位置の移動を開始して、評価値に基づきフォーカス位置を合焦位置に移動させる合焦動作を行うレンズ駆動処理工程とを有する、あるいはコンピュータで実行するものである。
また、この発明に係る他のオートフォーカス方法やプログラムでは、撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の周波数成分を用いて評価値の算出を行う評価値算出工程と、レンズをウォブリングさせたときの評価値の変化に基づいて合焦位置の方向を判別し、ウォブリングの振幅は被写体方向と撮像方向との相対角度変化に応じて変化させる合焦位置方向判別工程と、判別された合焦位置の方向にフォーカス位置の移動を開始して、評価値に基づきフォーカス位置を合焦位置に移動させる合焦動作を行うレンズ駆動処理工程とを有する、あるいはコンピュータで実行するものである。
この発明においては、撮像画枠内に設けた例えば評価枠内の映像信号の高周波成分を加算することで画像のボケに対応した値を示す評価値の算出が行われる。ここで、ウォブリングレンズをウォブリングさせたときの評価値の変化に基づいて合焦位置の方向を判別する際に、ウォブリング開始時の評価値や被写体方向と撮像方向との相対角度変化が小さいときには、ウォブリングの振幅を大きくしてウォブリングが行われる。この相対角度変化は、撮像画枠内に設けた評価枠における輝度成分を用いて算出した評価値を用いて検出される。
この発明によれば、レンズをウォブリングさせたときの評価値の変化に基づいて合焦位置の方向を判別する際に、ウォブリング開始時の評価値の大きさや被写体方向と撮像方向との相対角度変化の大きさに応じて、ウォブリングの振幅が変化される。このため、被写体のコントラストが低い場合や撮像時に揺れを生じたとき、評価値の変化が顕著となるようにウォブリングの振幅を変化させることで、合焦位置の方向の判別能力を向上させることができる。
以下、図を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1はオートフォーカス機構を有する撮像装置例えばビデオカメラ10の全体構成を示している。
ビデオカメラ10のレンズブロック20は、撮像レンズや撮像レンズの位置を検出するレンズ位置検出部および撮像レンズを駆動するレンズ駆動部等を用いて構成されている。なお、図1に示すレンズブロック20では、撮像レンズとして、被写体画像を撮像素子の撮像面上に合焦させるためのフォーカスレンズ21と、合焦位置の方向を判別するために使用されるウォブリングレンズ22を有する場合を示している。このようにフォーカスレンズ21とウォブリングレンズ22を設けるものとすれば、例えば業務用やプロ用のビデオカメラのようにフォーカスレンズが大きく、フォーカスレンズを光軸方向にウォブリングさせることが困難であるような場合でも、ウォブリングレンズを光軸方向にウォブリングさせることで、合焦位置の方向を判別することが可能となる。
フォーカスレンズ21に対しては、フォーカスレンズ21の位置すなわちフォーカス位置を検出する位置検出部21aと、レンズ位置を光軸方向に移動させるレンズ駆動部21bが設けられている。同様に、ウォブリングレンズ22に対しても、ウォブリングを正しく行うことができるようにするため、位置検出部22aとレンズ位置を光軸方向に移動させるレンズ駆動部22bが設けられている。また、レンズブロック20は、光量を調節するためのアイリス23を有しており、アイリス23に関しても、アイリス23の開口状態を検出するアイリス位置検出部23aと、アイリス23を開閉させるためのアイリス駆動部23bが設けられている。
レンズブロック制御部51には、位置検出部21aからフォーカス位置を示す検出信号RSf、位置検出部22aからウォブリング量を示す検出信号RSw、アイリス位置検出部23aからアイリスの開口状態を示す検出信号RSiがそれぞれ供給される。また、レンズブロック制御部51には、オートフォーカス動作モードの設定やオートフォーカス動作を開始させるためのユーザインタフェース55が接続されており、ユーザインタフェース55の操作に応じて操作信号PSLがレンズブロック制御部51に供給される。なお、レンズブロック制御部51には、ROM(またはEEPROM)等を用いて構成された記憶部(図示せず)が設けられており、フォーカスレンズ21およびウォブリングレンズ22の焦点距離データ,口径比データ、レンズブロックの製造メーカ名および製造番号等の情報が記憶されている。
レンズブロック制御部51は、記憶している情報や検出信号RSf,RSw,RSi,操作信号PSLおよび後述するカメラブロック制御部52から供給されたフォーカス制御信号CTfやウォブリング制御信号CTwに基づいて、レンズ駆動信号RDf,RDwの生成を行う。さらに、生成したレンズ駆動信号RDfをレンズ駆動部21bに供給して、所望の被写体にフォーカスが合うようにフォーカスレンズ21を移動させる。また、生成したレンズ駆動信号RDwをレンズ駆動部22bに供給して、合焦位置の方向を検出できるようにウォブリングレンズ22をウォブリングさせる。また、レンズブロック制御部51は、アイリス駆動信号RDiを生成してアイリス駆動部23bに供給することで、アイリスの開口量を制御する。
カメラブロック30の色分解プリズム31は、レンズブロック20からの入射光をR(赤),G(緑),B(青)の3原色に色分解して、R成分の光を撮像素子32R、G成分の光を撮像素子32G、B成分の光を撮像素子32Bにそれぞれ供給する。
撮像素子32Rは、光電変換によってR成分の光に応じた撮像信号SRを生成してプリアンプ部33Rに供給する。撮像素子32Gは、光電変換によってG成分の光に応じた撮像信号SGを生成してプリアンプ部33Gに供給する。撮像素子32Bは、光電変換によってB成分の光に応じた撮像信号SBを生成してプリアンプ部33Bに供給する。
プリアンプ部33Rは、撮像信号SRのレベルを増幅すると共に、相関二重サンプリングを行いリセット雑音を除去してA/D変換部34Rに供給する。A/D変換部34Rは、供給された撮像信号SRをディジタルの映像信号DRaに変換して前処理部35に供給する。プリアンプ部33Gは、撮像信号SGのレベルを増幅すると共に、相関二重サンプリングを行いリセット雑音を除去してA/D変換部34Gに供給する。A/D変換部34Gは、供給された撮像信号SGをディジタルの映像信号DGaに変換して前処理部35に供給する。プリアンプ部33Bは、撮像信号SBのレベルを増幅すると共に、相関二重サンプリングを行いリセット雑音を除去してA/D変換部34Bに供給する。A/D変換部34Bは、供給された撮像信号SBをディジタルの映像信号DBaに変換して前処理部35に供給する。
前処理部35は、供給された映像信号DRa,DGa,DBaのゲイン調整や黒レベルの安定化、ダイナミックレンジの調整等を行い、得られた映像信号DRb,DGb,DBbを信号処理部36と評価値算出部37に供給する。
信号処理部36は、前処理部35から供給された映像信号DRb,DGb,DBbに対して種々の信号処理を行い、映像出力信号DVoutを生成する。例えば、映像信号のあるレベル以上を圧縮するニー補正、映像信号のレベルを設定されたガンマカーブにしたがって補正するガンマ補正、映像信号の信号レベルが所定範囲となるように制限するホワイトクリップ処理やブラッククリップ処理等を行う。また信号処理部36では、輪郭強調処理やリニアマトリクス処理、所望のフォーマット形式の映像出力信号DVoutを生成するためのエンコード処理等を行う。
評価値算出部37は、映像信号DRb,DGb,DBbから撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号を用いて、この映像信号の周波数成分を用いて評価値IDを算出し、カメラブロック制御部52に供給する。
図2は、評価値算出部の構成を示している。評価値算出部37は、映像信号DRb,DGb,DBbに基づいて輝度信号DYを生成する輝度信号生成回路371と、例えば後述するように14種類の評価値ID0〜ID13を生成するための評価値生成回路372-ID0〜372-ID13、およびカメラブロック制御部52と通信を行い、生成した評価値をカメラブロック制御部52からの要求に応じて供給するインタフェース回路373を有している。
輝度信号生成回路371は、前処理部35から供給された映像信号DRb,DGb,DBbを用いて演算(DY=0.30DRb+0.59DGb+0.11DBb)を行い、輝度信号DYを生成する。このように輝度信号DYを生成するのは、フォーカスが合っているかずれているかを判断するためには、コントラストが高いか低いかを判断すればよく、コントラストの変化は輝度信号DYのレベル変化を検出すればよいからである。
評価値生成回路372-ID0は、評価値ID0の生成を行う。同様に、評価値生成回路372-ID1〜372-ID13は、評価値ID1〜ID13の生成を行う。これらの評価値は、基本的には撮像画枠内に設けた特定領域(以下「評価枠」という)における映像信号の周波数成分を合計したものであり、画像のボケに対応した値を示すものである。
評価値ID0 :評価値名「IIR1_W1_HPeak」
評価値ID1 :評価値名「IIR1_W2_HPeak」
評価値ID2 :評価値名「IIR1_W2_HPeak」
評価値ID3 :評価値名「IIR4_W3_HPeak」
評価値ID4 :評価値名「IIR0_W1_VIntg」
評価値ID5 :評価値名「IIR3_W1_VIntg」
評価値ID6 :評価値名「IIR1_W1_HIntg」
評価値ID7 :評価値名「Y_W1_HIntg」
評価値ID8 :評価値名「Y_W1_Satul」
評価値ID9 :評価値名「IIR1_W3_HPeak」
評価値ID10:評価値名「IIR1_W4_HPeak」
評価値ID11:評価値名「IIR1_W5_HPeak」
評価値ID12:評価値名「Y_W3_HIntg」
評価値ID13:評価値名「Y_W3_HIntg」
ここで、評価値ID0〜ID13には、評価値の属性(使用データ_評価枠サイズ_評価値算出法)を示す評価値名を付与している。
評価値ID1 :評価値名「IIR1_W2_HPeak」
評価値ID2 :評価値名「IIR1_W2_HPeak」
評価値ID3 :評価値名「IIR4_W3_HPeak」
評価値ID4 :評価値名「IIR0_W1_VIntg」
評価値ID5 :評価値名「IIR3_W1_VIntg」
評価値ID6 :評価値名「IIR1_W1_HIntg」
評価値ID7 :評価値名「Y_W1_HIntg」
評価値ID8 :評価値名「Y_W1_Satul」
評価値ID9 :評価値名「IIR1_W3_HPeak」
評価値ID10:評価値名「IIR1_W4_HPeak」
評価値ID11:評価値名「IIR1_W5_HPeak」
評価値ID12:評価値名「Y_W3_HIntg」
評価値ID13:評価値名「Y_W3_HIntg」
ここで、評価値ID0〜ID13には、評価値の属性(使用データ_評価枠サイズ_評価値算出法)を示す評価値名を付与している。
評価値名の使用データには大別して「IIR」および「Y」がある。輝度信号DYからHPF(ハイパスフィルタ)を使用して取り出した高周波成分のデータを使用するIIRと、HPFを使用しないで輝度信号DYの周波数成分をそのまま使用するYとがある。
HPFを使用する場合は、IIR型(無限長インパルス応答型)のHPFを使用している。HPFの種類によって、評価値IIR0,IIR1,IIR3およびIIR4に分けられ、これらは夫々異なったカットオフ周波数をもつHPFを表している。このように、異なるカットオフ周波数をもつHPFを設定することにより、例えば、合焦位置の近傍では、カットオフ周波数の高いHPFを用いることで、カットオフ周波数の低いHPFを用いる場合に比べて評価値の変化を大きくできる。また、フォーカスが大きくずれているところでは、カットオフ周波数の低いHPFを用いることで、カットオフ周波数の高いHPFを用いる場合に比べて評価値の変化を大きくできる。このように、オートフォーカス動作の過程で、フォーカス状態に応じて最適な評価値を選択できるようにするため、異なるカットオフ周波数をもつHPFを設定している。
評価枠サイズは、評価値生成に用いる画像領域の大きさである。評価枠サイズは、図3に示すように、例えば評価枠サイズW1〜W5の5種類が設けられており、各評価枠の中心は、撮像画像の中心に一致する。なお、図3では、1フィールドの画面サイズが768画素×240画素であるときの評価枠サイズW1〜W5を示している。
評価枠サイズW1:116画素× 60画素
評価枠サイズW2: 96画素× 60画素
評価枠サイズW3:232画素×120画素
評価枠サイズW4:192画素×120画素
評価枠サイズW5:576画素×180画素
評価枠サイズW2: 96画素× 60画素
評価枠サイズW3:232画素×120画素
評価枠サイズW4:192画素×120画素
評価枠サイズW5:576画素×180画素
このように、複数種の枠サイズを設定することにより、各枠サイズに対応した夫々異なる評価値を生成することができる。従って、目標被写体がどのような大きさであろうとも、評価値ID0〜ID13の内のいずれかにより、適切な評価値を得ることができる。
評価値算出法は、HPeak,HIntg,VIntgおよびSatulの各方式がある。HPeak方式はピーク方式の水平評価値算出法、HIntg方式は全積分方式の水平評価値算出法、VIntg方式は積分方式の垂直方向評価値算出法、そして、Satul方式は飽和輝度の個数を夫々示している。
HPeak方式は、水平方向の映像信号からHPFを用いて高周波成分を求める評価値算出法であり、評価値ID0,ID1,ID2,ID3,ID9,ID10およびID11の算出に使用されている。
図4は、HPeak方式に使用される水平方向評価値算出フィルタの構成を示したものである。水平方向評価値算出フィルタは、輝度信号生成回路の輝度信号DYから高周波成分だけを抜き出すHPF381と、この高周波成分の絶対値をとる絶対値処理回路382、絶対値化高周波成分に水平方向の枠制御信号WHを乗算する乗算回路383、1ライン当たり1つのピーク値を保持するラインピークホールド回路384と、評価枠内の全てのラインについて各ピーク値を垂直方向に積分する垂直方向積分回路386を有している。
輝度信号DYは、HPF381により高周波成分が抜き出され、絶対値処理回路382で絶対値化される。次に、水平方向の枠制御信号WHが乗算回路383で乗算され、評価枠内の絶対値化高周波成分とされる。すなわち、評価枠外で乗算値が「0」となる枠制御信号WHを乗算回路383に供給すれば、水平方向の評価枠内の絶対値化高周波成分のみを、ラインピークホールド回路384に供給できる。また、評価枠において枠周辺部で乗算値が小さくなるように枠制御信号WHを設定すれば、フォーカスが進むにつれて評価枠周辺部に位置する枠外エッジ(評価枠周囲にある高輝度なエッジ)の枠内への侵入の影響による評価値のノイズや被写体の揺れに伴う評価値の急激な変化等を排除することができる。ラインピークホールド回路384は、ライン毎にピーク値をそれぞれホールドする。
垂直方向積分回路386は、垂直方向の枠制御信号WVに基づき垂直方向の評価枠内の各ラインについて、ホールドされているピーク値を加算して評価値とする。この方式は、水平方向(H)のピークが一旦ホールドされるのでHPeak方式と称する。
HIntg方式は、全積分方式で求める水平方向の評価値算出法である。図5は、全積分方式水平方向評価値算出フィルタの構成を示す。このフィルタは、図4のHPeak方式の水平方向評価値算出フィルタと比較すると、乗算回路383までは同じであるが、水平方向加算回路385で、水平方向の評価枠内の絶対値化高周波成分を全て加算し、その後、垂直方向積分回路386で評価枠内における垂直方向の全ラインの加算結果を垂直方向に積分する点で異なっている。
この全積分方式水平方向評価値算出フィルタは、評価値ID6,ID7,ID12およびID13の算出に使用されている。HPeak方式と比較すると、HPeak方式が1ライン当たり1つのピーク値を求めて、それらを垂直方向に加算しているのに対して、HIntg方式では、各ラインの水平方向の評価枠内の絶対値化高周波成分を全て加算して、それらを垂直方向に加算している点で相違する。
HIntg方式には、使用データが高周波成分を使用するIIR1と、輝度信号DY自体をそのまま使用するYとに分類される。なお、輝度加算値は、図5の全積分方式水平方向評価値算出フィルタからHPF381を取り外した輝度加算値算出フィルタ回路で得られる。
VIntg方式は、全積分方式の垂直方向評価値算出法であり、評価値ID4およびID5に使用される。HPeak方式およびHIntg方式はいずれも、水平方向に加算して評価値を生成しているものであるが、VIntg方式は高周波成分を垂直方向に加算して生成された評価値である。例えば画面の上半分が白色で下半分が黒色の映像,水平線の映像等シーンによっては垂直方向の高周波成分のみとなり水平方向の高周波成分が無い場合、HPeak方式水平方向評価値は有効に機能しない。そこで、VIntg方式の評価値は、このようなシーンにもオートフォーカスが有効に機能するように定めている。
図6は、垂直方向評価値を算出する垂直方向評価値算出フィルタの構成を示している。垂直方向評価値算出フィルタは、水平方向平均値算出フィルタ391と、IIR型HPF392と、絶対値処理回路393と、積分回路394を有している。
水平方向平均値算出フィルタ391は、各ラインの輝度信号DYから枠制御信号WHcに基づき水平方向の評価枠内の中心部にある画素(例えば64画素)の輝度信号を選択して平均値(合計値でも同じ。)を算出し、1水平期間に1回出力する。ここで、中心部の64画素としたのは、評価枠周辺部のノイズを除去するためである。ここでは、単に64画素分だけ逐次蓄積して最終的に1つの平均値を出力しているため、ラインメモリまたはフレームメモリ等のメモリ装置を必要としない簡易な構成となる。次に、これを、ライン周波数で同期を取ってHPF392により高周波成分を抜き出し、絶対値処理回路393で絶対値化高周波成分とする。さらに、積分回路394で垂直方向の枠制御信号WVに基づき垂直方向の評価枠内の全てのラインに関して積分している。
Satul方式は、評価枠内の飽和した(具体的には、輝度レベルが所定量以上の)輝度信号DYの個数を求める算出法であり、評価値ID8の算出に使用される。評価値ID8のい算出では、輝度信号DYと閾値αとを比較して、輝度信号DYが閾値α以上の画素数が評価枠内で何画素あるか1フィールド毎に計数して評価値ID8とする。
基準信号生成部40では、ビデオカメラ10における各部の動作の基準となる垂直同期信号VD,水平同期信号HDおよび基準信号CLKを生成して撮像素子駆動部42に供給する。撮像素子駆動部42は、供給された垂直同期信号VD,水平同期信号HDおよび基準信号CLKに基づいて駆動信号RIRを生成して撮像素子32Rに供給して、撮像素子32Rを駆動する。同様に、駆動信号RIG,RIBを生成して撮像素子32G,32Bに供給して、撮像素子32G,32Bを駆動する。なお、プリアンプ部33R,33G,33BやA/D変換部34R,34G,34B,前処理部35,信号処理部36,評価値算出部37等は、前段から供給される映像信号に同期した垂直同期信号VD,水平同期信号HDおよび基準信号CLKを用いて処理を行う。これらの信号は、基準信号生成部40から供給してもよく、また映像信号とともに前段から供給するものとしてもよい。
カメラブロック制御部52には、ユーザインタフェース56が接続されており、ユーザインタフェース56から供給された操作信号PSC等に基づいて制御信号を生成して、各部に供給することで、ビデオカメラ10の動作が操作信号PSC等に基づいた動作となるように制御する。
また、上述のレンズブロック制御部51とカメラブロック制御部52は、予め定めたフォーマットやプロトコル等を用いて通信ができるようになされており、レンズブロック制御部51とカメラブロック制御部52によって、オートフォーカス動作の制御を行う。
ここで、レンズブロック制御部51は、上述したように、例えば要求に応じて各種情報(例えばフォーカス位置やアイリス値等)QFをカメラブロック制御部52に供給する。また、カメラブロック制御部52から供給されたフォーカス制御信号CTfやウォブリング制御信号CTw等に基づいて、レンズ駆動信号RDf,RDwを生成して、フォーカスレンズ21やウォブリングレンズ22の駆動処理を行う。カメラブロック制御部52は、評価値算出部37で算出された評価値IDやレンズブロック制御部51から読み出した各種情報に基づいて、フォーカスレンズ21を駆動制御するためのフォーカス制御信号CTfや、ウォブリングレンズ22を駆動制御するためのウォブリング制御信号CTwを生成して、レンズブロック制御部51に供給する。
なお、レンズブロック制御部51とカメラブロック制御部52は、一体に構成するものとしてもよく、以下の説明では、レンズブロック制御部51とカメラブロック制御部52をまとめて制御部50として呼ぶものとする。また、制御部50は、マイクロコンピュータやメモリ等を用いて構成し、メモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することによりオートフォーカス動作を行うものとしてもよい。
次に、ビデオカメラ10のオートフォーカス動作について説明する。図7は、オートフォーカス動作のフローチャートを示している。
ステップST1で制御部50は、評価値の算出を開始する。ステップST2で制御部50は、合焦位置方向判別処理を行い、レンズの移動方向が合焦位置となるようにレンズ駆動設定を行う。この合焦位置方向判別処理では、レンズをウォブリングさせて、このときの評価値の変化に基づいて合焦位置方向を判別する。なお、図1に示すように、フォーカスレンズ21とウォブリングレンズ22が設けられているときには、ウォブリングレンズをウォブリングさせる。また、ウォブリングレンズ22が設けられていないときは、フォーカスレンズをウォブリングさせる。
また、制御部50は、コントラストの低い被写体を撮像してウォブリングを行ったとき、方向の判別が容易となるように評価値の変化を大きくするため、ウォブリング開始時の評価値の大きさに応じてウォブリングの振幅を変化させる。さらに、被写体方向と撮像方向との相対角度変化(例えば撮像方向に対して被写体方向がなす角度の変化)が生じても、評価値の変化から方向の判別が容易となるように、相対角度変化に応じてウォブリングの振幅を変化させる。
図8は、合焦位置方向判別処理を示すフローチャートである。ステップST11で制御部50は、評価値IDが小さいか否かを判別する。ここで、被写体のコントラストが低く評価値IDが閾値以下であるときにはステップST12に進む。また、被写体のコントラストが低くないことから評価値IDが閾値以下でないときはステップST13に進む。
このステップST11で用いる評価値IDは、撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の周波数成分を用いて算出されて、被写体のコントラストに応じて値が変化するものである。例えば、上述の評価値ID0や評価値ID6を用いるものとする。
ステップST12で制御部50は、振幅拡大設定を行い、ウォブリングの振幅が標準状態よりも拡大されるように設定を行い、ステップST17に進む。振幅の設定は、予め標準状態の設定と振幅を拡大した設定を記憶させておき、評価値IDが閾値以下であるときには、振幅を拡大した設定を読み出してウォブリング動作に反映させる。また、評価値の値が小さくなるに従い振幅が大きくなるように、評価値に応じて振幅の拡大率を変化させるものとしてもよい。このように評価値に応じて振幅の拡大率を変化させれば、コントラストがあまり低くないときには振幅もあまり大きくならないことから、ウォブリング動作に要する時間が長くなってしまうことを防止できる。
ステップST11からステップST13に進むと、制御部50は、相対角度変化検出を行う。この相対角度変化検出では、被写体と撮像方向の相対角度変化、すなわち被写体の動きやビデオカメラ10の揺れによって生ずる撮像画面上での被写体揺れを検出する。
被写体の揺れは、撮像画枠内に設けた特定領域における輝度成分を用いて算出した評価値を用いて検出することができる。ここで、輝度成分を用いて算出した評価値として例えば輝度積分値を用いるものとし、従来と同様に評価値ID7の正規化差分値から、被写体の揺れを検出できる。なお、評価値ID0が小さくないときは、評価値ID0を用いても被写体の揺れを検出できる。
評価値ID0の正規化差分値〔%〕は、現在フィールドの値e0[0]、その2フィールド前の値e2[0]を用いて、50×|e0[0]−e2[0]|/e0[0]で定義する。同様に、評価値ID7の正規化差分値〔%〕は、現在フィールドでの値e0[7]、その2フィールド前の値e2[7]を用いて、50×|e0[7]−e2[7]|/e0[7]で定義する。
正規化差分値は、1フィールド当たりの評価値の変化の割合を意味している。ここで、現在フィールドの評価値と2フィールド前の評価値とを比較することで、oddまたはevenフィールドのいずれか一方だけで比較が行われることから、oddフィールドとevenフィールドの相違による評価値変動の影響を除去できる。また、百分率であるにかかわらず、50倍しているのも同様の理由による。
また、e0[0],e2[0],e0[7],e2[7]として、3フィールドの移動平均値を用いるものとすれば、例えば室内の蛍光灯が50Hzの商用電力で駆動されており、ビデオカメラ10が60Hzで動作させたとき、蛍光灯のフリッカが20Hzで生じても、この影響を排除することができる。
ここで、揺れ判定期間の12フィールドにわたる評価値ID0を用いて正規化差分値を計算し、各正規化差分値の中で最大値を最大正規化差分値(以下、「ndiff_e[0」とする。)とし、揺れの判定を行う。
しかし、評価値ID0の値が低い場合には、定常的に存在するノイズ変動により被写体に揺れがなくとも「ndiff_e[0]」が大きな値となり、揺れ判定の閾値を越えてしまうことがある。
そこで、評価値ID0の値が低い場合には、評価値ID7を用いて12フィールドの各正規化差分値を計算し、それらの最大値から最大正規化差分値「ndiff_e[7]」を作成し、それを用いて揺れ判定を行う。全ての場合に評価値ID0の最大正規化差分値「ndiff_e[0]」を用いないのは、評価値ID0がある閾値以下であれば、「ndiff_e[7]」の方が被写体の揺れに対応していると考えるからである。
揺れ判定では、例えば以下に示す基準を用いて行う。評価値ID0の平均値(揺れ判定期間12フィールドの平均値)が200以上なら、ndiff_e[0]<3%のとき静止モード、ndiff_e[0]≧3%のときは揺れモード1、ndiff_e[0]≧30%のときは、揺れモード1よりも揺れが大きい状態である揺れモード2とする。また、評価値ID0の平均値が200未満で、ndiff_e[7]<7%のときは静止モード、ndiff_e[7]≧7%のときは揺れモード1、ndiff_e[7]≧12.5%のときは揺れモード2とする。また、ビデオカメラ10に角速度センサを設けて、この角速度センサから制御部50にセンサ信号を供給する。このように、角速度センサを設けるものとすれば、このセンサ信号に基づいてビデオカメラ10の揺れを判別できる。
ステップST14では、相対角度変化が検出されたか否かを判別する。ここで、静止モードと判別されたときには、相対角度変化がないものとしてステップST17に進む。すなわち、相対角度変化がないときには、相対角度変化による評価値の変動がないため、ウォブリングの振幅を拡大する必要がない。また、揺れモード1や揺れモード2と判別されたときは、相対角度変化が検出されたものとしてステップST15に進む。
ステップST15で制御部50は、相対角度変化が大きいか否かを判別する。ここで、相対角度変化が大きくない、すなわち揺れが小さく例えば揺れモード1と判別されたときは、ステップST16に進む。また、相対角度変化が大きい、すなわち揺れが大きく例えば揺れモード2と判別されたときは、ステップST18に進む。
ステップST16で制御部50は、ステップST12と同様に、振幅拡大設定を行いステップST17に進む。
ステップST17で制御部50は、ウォブリング処理を行い、ウォブリングレンズ22を光軸方向にウォブリングさせて、このときの評価値の変化から合焦位置の方向を判別する。
図9〜図11は、ウォブリング処理動作を示している。なお、図9〜図11においては、ウォブリングレンズ22をNear側に移動してからFar側に移動する場合を示しているが、Far側に移動してからNear側に移動するものとしてもよい。
制御部50は、時点t0で上述の14種類の評価値を評価値em0st[i](なお、i=0〜13)として記憶する。次に、ウォブリングレンズ22を例えばNear側に移動して、振幅が最大であるときの各評価値を評価値em1ne[i]として時点t1で記憶する。なお、時点t0から時点t1までの時間は、ウォブリングレンズ22の移動時間と評価値算出部37で評価値を得る際に生じた位相遅れ時間(1フィールド)を足したものである。
次に、ウォブリングレンズ22をFar側に移動して、振幅が最大であるときの各評価値を評価値em2fa[i]として時点t2で記憶する。その後、ウォブリングレンズ22を初期位置の方向に移動して、初期の位置に戻ったときの各評価値を評価値em3nu[i]として時点t3で記憶する。なお、時点t1から時点t2までの時間、および時点t2から時点t3までの時間も、ウォブリングレンズ22の移動時間と評価値算出部37で評価値を得る際に生じた位相遅れ時間(1フィールド)を足したものである。
このようにして記憶した評価値em0st[i],em1ne[i]、em2fa[i],em3nu[i]を用いて、従来と同様な方向判定を行う。例えば評価値差「em0st[i]−em1ne[i]」と評価値差「em3nu[i]−em2fa[i]」を用いた演算処理を行い、演算結果に基づいて合焦位置であるか否かを判別して、合焦位置と判別されたときにはレンズを移動させないものとする。また、合焦位置と判別されないときには、評価値em2fa[i]と評価値em1ne[i]」との差を用いた演算結果に基づいてき、評価値の上昇する方向がNear方向であるかあるいはFar方向であるかを判定して、レンズの移動方向を判別する。さらに方向判別では、最初に、カットオフ周波数の比較的高い使用データ「IIR1」の評価値を用いて第1段階判定を実行して方向判定し、ここで方向が分からなかった場合に、方向判定に寄与する評価値を変更して、カットオフ周波数の比較低い使用データ「IIR4」の評価値を用いて第2段階判定を続行する。
図9は、被写体のコントラストが低くない場合を示しており、ウォブリング処理を行うと、ウォブリングレンズ22の移動に伴い、評価値が大きく変化する。図10はコントラストが低い場合を示しており、コントラストが低い場合には振幅拡大設定が行われてウォブリング振幅が大きくなる。従って、評価値の変化も大きくなる。なお、図10において、破線は振幅拡大設定が行われない場合を示している。図11は、相対角度変化が小さい場合を示しており、相対角度変化が小さい場合には振幅拡大設定が行われてウォブリング振幅が大きくなる。従って、評価値の変化も大きくなる。なお、図11において、破線は振幅拡大設定が行われない場合を示している。
このように、コントラストが低いため評価値が小さくなるときや、揺れや被写体の動きが少なく相対角度変化が小さいときには、ウォブリングの振幅を大きくすることで評価値の変化が顕著となり、合焦位置の方向の判別能力を向上させることができる。
ところで、揺れが大きいときには、図12に示すように、ウォブリングの振幅を大きくしても評価値の変化がフォーカス位置の変動によるものであるか揺れによるものであるか判別が困難である。このため、ステップST15からステップST18に進むと、制御部50は、ウォブリングを行うことなく合焦位置の方向の決定を行う。
撮像レンズでは、被写体までの距離とフォーカス位置が比例しない。例えば、Near端側でフォーカス位置を移動したとき、フォーカスの合う被写***置の距離差は小さい。また、Far端側でフォーカス位置を移動したとき、フォーカスの合う被写***置の距離差は大きい。また、一般的に被写体は数m以上離れていることが多く、接近している被写体を撮像する機会は少ない。従って、合焦位置はNear端側よりもFar端側となる場合が多いことから、ウォブリングを行うことなく合焦位置の方向をFar方向とする。
また、方向の決定では、現在のフォーカス位置に基づいて合焦位置の方向を決定するものとしてもよい。例えば、現在のフォーカス位置がFar端に近い場合は、合焦位置の方向をNear方向とする。
このように、ステップST2の合焦位置方向判別処理により合焦位置の方向を判別したのち、ステップST3で制御部50は、レンズ駆動処理を行う。すなわち、制御部50は、フォーカスレンズ21を合焦位置の方向に移動して従来と同様な山登り制御処理を行う。
山登り制御処理では、評価値算出部37で算出された評価値の増減を検出して評価値が極大となるようにフォーカス位置FPsを移動して合焦位置FPjに追い込む。この評価値を用いた山登り制御処理では、例えば上述の評価値ID0,ID2等が極大となるようにフォーカスレンズ21を移動させる。また、評価値ID8を利用して、輝度の大きい画素が増えたときには、ボケが生ずる方向にフォーカスレンズ21が移動されてしまうことがないように、評価枠サイズW1から評価枠サイズW5に切り替えて評価値の算出を行う。さらに、評価値ID0や他の評価値ID1〜ID7,ID9〜ID13を利用することで、レンズ移動速度の切り替えや揺れの判定、逆送の判定、レンズのNear端やFar端到達の判定等を行い、判定結果に基づいてフォーカス合わせが精度良く行われるようにフォーカスレンズ21の駆動動作を制御する。
ステップST4で制御部50は、合焦位置方向判別処理を再度実施する必要があるか否かを判別する。例えば、フォーカスレンズ21を移動したとき、評価値枠に高輝度エッジが入り込んで評価値が増加してしまう(いわゆる評価値の偽山)と、この高輝度エッジの入り込みに応じたレンズ駆動制御が行われて、被写体にフォーカスを合わせることができない場合が生ずる。このため、偽山判定を行い、偽山と判定されたときにはステップST2に戻り、再度、合焦位置方向判別処理を行う。また、偽山と判定されていないときにはステップST5に進む。
ステップST5で制御部50はレンズ駆動処理を完了するか否かを判別する。ここで、制御部50は、山登り制御処理によってフォーカス位置FPsが合焦位置FPjに移動されたか否かを評価値に基づいて判別し、フォーカス位置FPsが合焦位置FPjの位置に移動されたと判別されないときにはステップST3に戻り、フォーカス位置FPsが合焦位置FPjに移動されたと判別されたときにはレンズ駆動処理を完了してオートフォーカス動作を終了する。
このように、ウォブリングレンズをウォブリングさせたときの評価値の変化に基づいて合焦位置の方向を判別する際に、ウォブリングの振幅を適応型として、ウォブリング開始時の評価値の大きさや被写体方向と撮像方向との相対角度変化の大きさに応じて、ウォブリングの振幅を変化させることで、合焦位置の方向の判別能力を向上させることができる。例えば、被写体のコントラストが低いときや撮像時に揺れを生じたときのように、ウォブリングによる評価値の変化が判別できない場合であっても、ウォブリングの振幅が大きくされてウォブリングによる評価値の変化が顕著とされることから、この評価値の変化によって合焦位置の方向の判別が可能となり、合焦位置の方向の判別能力を向上させることができる。
また、設定されている閾値よりも相対角度変化が大きいとき、すなわち被写体の動きや撮像時の揺れが大きいときには、ウォブリングを行うことなく合焦位置の方向が決定される。このため、被写体の動きや撮像時の揺れによる評価値の変動によって、合焦位置の方向が誤って判別されてしまうことを防止できる。さらに、設定されている閾値よりも相対角度変化が大きいときには、ウォブリングが行われないことから、速やかにレンズ駆動処理を開始できる。また、相対角度変化は、撮像画枠内に設けた特定領域における輝度成分を用いて算出した評価値を利用して検出することから、映像信号を用いるだけで合焦位置の方向の判別を行うことができる。
また、角速度センサを設けるものとすれば、角速度センサからのセンサ信号を利用して撮像時の揺れを精度良く検出できるので、このセンサ信号も用いることで、ウォブリングの振幅を変化させたり、ウォブリングを行わないものとする処理も精度良く行うことができる。
なお、上述の実施の形態では、撮像装置がビデオカメラである場合について説明したが、ディジタルカメラ等の撮像装置にも同様にして適用できる。
10・・・ビデオカメラ、20・・・レンズブロック、21・・・フォーカスレンズ、21a,22a・・・位置検出部、21b,22b・・・レンズ駆動部、22・・・ウォブリングレンズ、23・・・アイリス、23a・・・アイリス位置検出部、23b・・・アイリス駆動部、30・・・カメラブロック、31・・・色分解プリズム、32R,32B,32B・・・撮像素子、33R,33G,33B・・・プリアンプ部、34R,34G,34B・・・A/D変換部、35・・・前処理部、36・・・信号処理部、37・・・評価値算出部、40・・・基準信号生成部、42・・・撮像素子駆動部、51・・・レンズブロック制御部、52・・・カメラブロック制御部、55,56・・・ユーザインタフェース、371・・・輝度信号生成回路、372-ID0〜372-ID13・・・評価値生成回路、373・・・インタフェース回路、381,392・・・高域通過フィルタ、382,393・・・絶対値処理回路、383・・・乗算回路、384・・・ラインピークホールド回路、385・・・水平方向加算回路、386・・・垂直方向積分回路、391・・・水平方向平均値算出フィルタ、394・・・積分回路
Claims (9)
- レンズを駆動するレンズ駆動部と、
撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の周波数成分を用いて評価値を算出する評価値算出部と、
前記評価値に基づいてフォーカス位置を合焦位置に移動させる合焦動作を行う制御部とを有し、
前記制御部は、前記レンズをウォブリングさせたときの前記評価値の変化に基づいて前記合焦位置の方向を判別し、該ウォブリングの振幅を前記評価値の大きさに応じて変化させる
ことを特徴とするオートフォーカス装置。 - レンズを駆動するレンズ駆動部と、
撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の周波数成分を用いて評価値を算出する評価値算出部と、
被写体方向と撮像方向との相対角度変化を検出する相対角度変化検出部と、
前記評価値に基づいてフォーカス位置を合焦位置に移動させる合焦動作を行う制御部とを有し、
前記制御部は、前記レンズをウォブリングさせたときの前記評価値の変化に基づいて前記合焦位置の方向を判別し、該ウォブリングの振幅を前記相対角度変化検出部で検出された相対角度変化の大きさに応じて変化させる
ことを特徴とするオートフォーカス装置。 - 前記評価値算出部では、撮像画枠内に設けた特定領域における輝度成分を用いて評価値を算出し、
前記相対角度変化検出部は、前記輝度成分を用いて算出した評価値を用いて、前記相対角度変化を検出する
ことを特徴とする請求項2記載のオートフォーカス装置。 - 撮像方向の変化を検出する角速度センサを設けるものとし、
前記制御部は、前記ウォブリングの振幅を前記角速度センサの検出結果に応じて変化させる
ことを特徴とする請求項3記載のオートフォーカス装置。 - 前記制御部では、設定されている閾値よりも相対角度変化が大きいとき、前記ウォブリングを行うことなく前記合焦位置の方向を決定する
ことを特徴とする請求項2記載のオートフォーカス装置。 - 撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の周波数成分を用いて評価値の算出を行う評価値算出工程と、
レンズをウォブリングさせたときの前記評価値の変化に基づいて合焦位置の方向を判別し、前記ウォブリングの振幅は該ウォブリング開始時の前記評価値の大きさに応じて変化させる合焦位置方向判別工程と、
前記判別された合焦位置の方向にフォーカス位置の移動を開始して、前記評価値に基づき前記フォーカス位置を前記合焦位置に移動させる合焦動作を行うレンズ駆動処理工程とを有する
ことを特徴とするオートフォーカス方法。 - 撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の周波数成分を用いて評価値の算出を行う評価値算出工程と、
レンズをウォブリングさせたときの前記評価値の変化に基づいて合焦位置の方向を判別し、前記ウォブリングの振幅は被写体方向と撮像方向との相対角度変化に応じて変化させる合焦位置方向判別工程と、
前記判別された合焦位置の方向にフォーカス位置の移動を開始して、前記評価値に基づき前記フォーカス位置を前記合焦位置に移動させる合焦動作を行うレンズ駆動処理工程とを有する
ことを特徴とするオートフォーカス方法。 - コンピュータに、
撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の周波数成分を用いて評価値の算出を行う評価値算出工程と、
レンズをウォブリングさせたときの前記評価値の変化に基づいて合焦位置の方向を判別し、前記ウォブリングの振幅は該ウォブリング開始時の前記評価値の大きさに応じて変化させる合焦位置方向判別工程と、
前記判別された合焦位置の方向にフォーカス位置の移動を開始して、前記評価値に基づき前記フォーカス位置を前記合焦位置に移動させる合焦動作を行うレンズ駆動処理工程とを実行させるプログラム。 - コンピュータに、
撮像画枠内に設けた特定領域における映像信号の周波数成分を用いて評価値の算出を行う評価値算出工程と、
レンズをウォブリングさせたときの前記評価値の変化に基づいて合焦位置の方向を判別し、前記ウォブリングの振幅は被写体方向と撮像方向との相対角度変化に応じて変化させる合焦位置方向判別工程と、
前記判別された合焦位置の方向にフォーカス位置の移動を開始して、前記評価値に基づき前記フォーカス位置を前記合焦位置に移動させる合焦動作を行うレンズ駆動処理工程とを実行させるプログラム。
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