JP2006296136A - リニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍システム - Google Patents

リニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍システム Download PDF

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Abstract

【課題】 可動子のストロークを高い精度で算出し、可動子の他の部位への衝突を防止することが可能なリニアモータ制御システムおよびそれが用いられたスターリング冷凍システムを提供する。
【解決手段】 マイクロコンピュータは、モータ電圧v(t)、モータ電流i(t)、およびリニアモータに生じる誘起電圧のそれぞれが同一の角速度ωを有する正弦波であると仮定し、リニアモータのモータ電圧v(t)を示す電圧信号およびモータ電流i(t)を示す電流信号を用いて、正弦波の一周期における誘起電圧の実効値Eを算出する。その後、誘起電圧の実効値E、角速度ω、および誘起電圧係数(推力係数)αを用いて、前述の一周期における可動子のストロークSTを算出する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、リニアモータを制御するリニアモータ制御システムおよびそれが用いられたスターリング冷凍システムに関するものである。
従来から、交流電圧を印加してリニアモータを駆動するシステムが用いられている。このシステムは、変位センサを用いず、リニアモータに生じる逆起電力すなわち誘起電圧を用いて、ピストンのストロークを算出する。
特開平9−126147号公報 特開2003−339188号公報 特開2003−314919号公報 特開2003−65244号公報
上記従来のリニアモータ制御システムにおいては、可動子のストロークをリニアモータに生じる誘起電圧に基づいて算出する方法を採用している。
たとえば、特開平9−126147号公報に開示されているシステムにおいては、まず、リニアモータの電流の微分値を用いて誘起電圧の瞬時値を算出する。次に、誘起電圧の瞬時値を用いて可動子の速度の瞬時値を算出する。その後、可動子の速度の瞬時値を1周期間積分する。最後に、その積分値の最大値と最小値との差の値を用いて可動子のストロークを算出する。この方法によれば、微分回路および積分回路またはマイクロコンピュータの計算処理でのストロークの算出誤差が大きくなるとともに、それらの制御装置に要するコストが大きくなるという問題がある。
また、特開2003−339188号公報に開示されているシステムにおいては、モータ電流のピーク時の可動子の速度の瞬時値から可動子のストロークを推測する方法を用いているが、モータ電流の位相および誘起電圧の位相のそれぞれが一定でないか、または、モータ電流の位相と誘起電圧の位相とが一致しない場合には、可動子のストロークの算出誤差が大きくなる。
さらに、特開2003−314919号公報に開示されているシステムは、交流量のベクトル表記方法に従った計算を行なっていないため、高い精度でストロークを算出することができないという問題がある。
また、特開2003−65244号公報に開示されている方法においては、誘起電圧の瞬時値(最大値)を用いて、ストロークを算出している。しかしながら、この方法によれば、誘起電圧の瞬時値は、ノイズ等に起因する変動が大きいため、ストロークの算出誤差が大きくなってしまう。
また、リニアモータに生じる負荷が増大すると、磁気飽和の影響により、リニアモータに固有の推力係数すなわち誘起電圧係数が低下する。そのため、一定の誘起電圧係数を使用して可動子のストロークを算出する方法によれば、リニアモータの負荷の増加に応じて、可動子のストロークの算出結果の精度が低下するという問題もある。
以上の問題点により、従来のリニアモータ制御システムにおいては、可動子のストローク値の算出精度が低いために、可動子のストロークを高い精度で制御することはできない。そのため、可動子が限界ストロークよりも大きなストロークで動作し他の部位に衝突してしまうという不具合が生じてしまう。
本発明は、前述の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、可動子の実際のストロークを高い精度で算出することによって、可動子のストローク制御を正確に行なうことができるリニアモータ制御システムおよびそれが用いられたスターリング冷凍システムを提供することである。
本発明の一の局面のリニアモータ制御システムは、可動子が往復運動するリニアモータと、リニアモータに印加されているモータ電圧を検出する電圧検出手段と、リニアモータに流れているモータ電流を検出する電流検出手段と、モータ電圧の瞬時値を特定可能な電圧信号およびモータ電流の瞬時値を特定可能な電流信号を受信するマイクロコンピュータとを備えている。また、マイクロコンピュータは、モータ電圧、モータ電流、および可動子の往復運動によって生じる誘起電圧(逆起電力)のそれぞれが同一の角速度を有する正弦波であると仮定し、電圧信号および電流信号を用いて、正弦波の一周期における誘起電圧の実効値を算出する手段と、誘起電圧の実効値、電圧信号および電流信号の角速度、および誘起電圧係数(推力係数)を用いて、一周期における可動子のストロークを算出する手段とを有する。
上記の構成によれば、誘起電圧の実効値を用いて可動子のストロークを高い精度で算出することができるため、より正確に可動子のストロークを制御することができる。
本発明の他の局面のリニアモータ制御システムは、可動子が往復運動するリニアモータと、リニアモータに印加されているモータ電圧を検出する電圧検出手段と、リニアモータに流れているモータ電流を検出する電流検出手段と、モータ電圧の瞬時値を特定可能な電圧信号およびモータ電流の瞬時値を特定可能な電流信号を受信するマイクロコンピュータとを備えている。また、マイクロコンピュータは、電圧信号および電流信号を用いて、モータ電圧とモータ電流との位相差θ、ならびに、電圧信号および電流信号の角速度ωを算出する手段と、モータ電圧、モータ電流、および可動子の往復運動によって生じる誘起電圧(逆起電力)のそれぞれが同一の角速度ωを有する正弦波であると仮定し、電圧信号および電流信号を用いて、正弦波の一周期におけるモータ電圧の実効値Vおよびモータ電流の実効値Iを算出する手段と、モータ電圧の実効値V、モータ電流の実効値I、位相差θ、リニアモータの巻線抵抗値RおよびリニアモータのインダクタンスL値を次式(1)に代入し、誘起電圧の実効値Eを算出する手段と、
Figure 2006296136
誘起電圧の実効値E、角速度ω、および誘起電圧係数(推力係数)αを次式(2)に代入し、前述の一周期における可動子のストロークSTを算出する手段と、
Figure 2006296136
を有する。
本発明の一の局面または他の局面のリニアモータ制御システムは、直流電源と、直流電源とリニアモータとの間に電気的に接続され、リニアモータを駆動するインバータ回路と、直流電源とインバータ回路との間に接続された抵抗器とをさらに備えており、マイクロコンピュータが、抵抗器の両端の電位差の一周期分の瞬時値を検知することによって、モータ電流の一周期内の最大値および最小値を算出し、最大値および最小値を用いて、モータ電流の実効値Iを算出することが望ましい。
上記の構成によれば、モータ電圧のゼロクロスポイントの近傍のタイミングのPWM(Pulse Width Modulation)のパルスの幅が小さいために、そのタイミングにおけるモータ電流の瞬時値を検出することができない場合であっても、モータ電流の実効値を正確に推測することができる。
本発明のさらに他の局面のリニアモータ制御システムは、可動子が往復運動するリニアモータと、リニアモータに印加されているモータ電圧を検出する電圧検出手段と、リニアモータに流れているモータ電流を検出する電流検出手段と、モータ電圧の瞬時値を特定可能な電圧信号およびモータ電流の瞬時値を特定可能な電流信号を受信するマイクロコンピュータとを備えている。また、マイクロコンピュータは、電圧信号および電流信号を用いて、その角速度、可動子の往復運動によって生じる誘起電圧(逆起電力)、およびリニアモータの磁気回路に生じる総磁束数の実効値を算出する手段と、総磁束数の実効値と誘起電圧係数(推力係数)との関係を特定する近似式またはデータテーブルと、総磁束数の実効値と近似式またはデータテーブルとを用いて、誘起電圧係数を補正する手段と、誘起電圧、角速度、および補正された誘起電圧係数を用いて、可動子のストロークを算出する手段とを有する。
上記の構成によれば、リニアモータの負荷に応じて誘起電圧係数が補正されるため、より正確に可動子のストロークを算出することができる。
本発明のスターリング冷凍システムは、前述の一の局面、他の局面、またはさらに他の局面のリニアモータ制御システムと、前述の可動子としてのピストンの往復運動に従って往復運動するディスプレーサとを備えている。
上記の構成によれば、ピストンのストロークが正確に検知されるため、ピストンとディスプレーサとの衝突を確実に防止することができる。
本発明によれば、可動子の実際のストロークを高い精度で算出することによって、可動子のストローク制御を正確に行なうことができるリニアモータ制御システムおよびそれが用いられたスターリング冷凍システムが得られる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態のリニアモータ制御システムを説明する。
本実施の形態のリニアモータ制御システムにおいては、リニアモータの誘起電圧の瞬時値を用いてリニアモータの可動子のストロークを算出する方法の問題点を解決するために、リニアモータの回路変数(電圧および電流等)がすべて正弦波と見なされ、リニアモータに生じる誘導電圧が1周期間の実効値単位で算出される。この方法によれば、簡単な処理によって、かつ、高い精度で、可動子のストロークを算出することが可能になる。以下、本実施の形態のリニアモータ制御システムを具体的に説明する。
まず、図1〜図3を用いて、本発明のリニアモータ制御システムの構成を説明する。なお、図1は、リニアモータ駆動回路の構成を示している。図1において、i(t)はリニアモータに流れるモータ電流を示す関数であり、v(t)はリニアモータに印加されるモータ電圧を示す関数であり、e(t)は可動子の往復運動によって生じる誘起電圧(逆起電力)を示す関数であり、Rはリニアモータの巻線抵抗値を示す定数であり、Lはリニアモータのインダクタンスを示す定数である。なお、tは時間を示す変数である。
図1に示される回路を一般的な式で示すと、次の式(3)のようになる。
Figure 2006296136
さらに、誘起電圧e(t)は、リニアモータの磁気特性および駆動回路に依存した誘起電圧係数α(推力係数)と可動子(ピストン)の速度vp(t)との関数で表され、次式のようになる。
Figure 2006296136
図2は、リニアモータに実効値Vかつ角速度ωの正弦波のモータ電圧V(t)が印加された場合における、モータ電流i(t)、モータ電圧v(t)、および誘起電圧e(t)のそれぞれの瞬時値の一周期の変化の様子を示している。
図2に示されるように、仮に、リニアモータの可動子が、理想的な正弦波で表わされる運動すなわち単振動をしており、かつ、モータ電圧v(t)の角速度ωと同じ角速度を有しており、また、誘起電圧係数αの値が可動子の位置に関係なく一定値であれば、電流i(t)も、理想的な正弦波であり、モータ電圧v(t)の角速度ωと同じ角速度を有している。
また、モータ電流の実効値がIであり、モータ電圧の実効値がVであり、かつ誘起電圧の実効値がEであるものとすると、モータ電流i(t)、モータ電圧v(t)、および誘起電圧e(t)のそれぞれの瞬時値は、電流i(t)の位相を基準にして、次の式(5)〜式(7)で表わされる。
Figure 2006296136
Figure 2006296136
なお、式(6)において、θは、モータ電流i(t)とモータ電圧v(t)との間の位相差である。
Figure 2006296136
なお、式(7)において、θ2は、モータ電流i(t)と誘起電圧e(t)との間の位相差である。
また、式(3)のコイルの誘導電圧L・di(t)/dtの項は、次の式(8)で表わされる。
Figure 2006296136
前述の事項を、交流量のベクトル表記方法に従って図示すると、図3のようになる。
したがって、モータ電圧の実効値V、角速度ω、モータ電流の実効値I、位相差θを得ることができれば、次の式(9)および式(10)を用いて、誘起電圧の実効値E、および位相差θ2を算出することができる。
Figure 2006296136
Figure 2006296136
なお、モータ電流の実効値Iおよびモータ電圧の実効値Vは、次の式(11)および式(12)で表わされる。
Figure 2006296136
なお、式(11)において、i(1),i(2),…i(n-1),i(n)のそれぞれは、モータ電流i(t)の瞬時値である。nは自然数である。また、モータ電流i(t)の瞬時値のサンプリング周期は、PWMのキャリア周期に一致している。
Figure 2006296136
なお、式(12)において、v(1),v(2),…v(n-1),v(n)のそれぞれは、モータ電圧v(t)の瞬時値である。nは自然数である。また、モータ電圧v(t)の瞬時値のサンプリング周期は、PWMのキャリア周期に一致している。
また、リニアモータの可動子の速度vp(t)は、式(4)に式(7)を代入して、整理すると、
Figure 2006296136
となる。
式(13)の両辺を時間積分すると、可動子の位置Xpが次の式(14)で表される。
Figure 2006296136
なお、式(14)において、Xp0は、可動子の1周期におけるニュートラル位置の値、すなわち、ストロークの中心位置の値である。
したがって、ニュートラル位置Xp0とニュートラル位置Xp0から最も離れた位置との間の距離Xpmaxは、次の式(15)によって表わされる。
Figure 2006296136
なお、距離Xpmaxは、可動子の振幅に相当するため、可動子のストロークSTは、距離Xpmaxの2倍の値、すなわち2Xpmaxである。
以上より、モータ電圧の実効値V、角速度ω、モータ電流の実効値I、モータ電流i(t)とモータ電圧v(t)との位相差θのそれぞれの値が得られれば、前述の計算式を用いて、リニアモータのストロークSTを正確に算出することができる。
次に、前述のリニアモータ駆動回路の変数のそれぞれの取得方法を説明する。
モータ電圧v(t)およびモータ電流i(t)の角速度ωは、マイクロコンピュータがインバータ回路に送信する制御指令に対応しているため、マイクロコンピュータは、常時、角速度ωを把握することは可能である。
また、モータ電流の実効値Iおよびモータ電圧の実効値Vは、次のように検出される。まず、所定のサンプリング周期で、マイクロコンピュータのAD(Analog to Digital)変換機能を利用して、モータ電圧v(t)およびモータ電流i(t)のそれぞれの瞬時値を測定する。次に、前述の式(11)を用いて、1周期におけるモータ電流i(t)の全瞬時値の2乗平均値の平方根すなわちモータ電流の実効値Iを算出する。また、前述の式(12)を用いて、1周期におけるモータ電圧v(t)の全瞬時値の2乗平均値の平方根すなわちモータ電圧の実効値Vを算出する。なお、モータ電流i(t)およびモータ電圧v(t)のそれぞれが正弦波であるという仮定の下に、1周期分のモータ電流i(t)の最大値および最小値、ならびに、1周期分のモータ電圧v(t)の最大値および最小値を取得し、それらの値を用いて、モータ電流の実効値Iおよびモータ電圧の実効値Vを算出すれば、より計算が簡単になる。
また、前述の位相差θの検出においては、まず、モータ電流i(t)およびモータ電圧v(t)のそれぞれの瞬時値を利用して、モータ電流i(t)およびモータ電圧v(t)のそれぞれのゼロクロスポイントの位相を把握する。次に、モータ電流i(t)およびモータ電圧v(t)のゼロクロスポイント同士の位相差を算出する。この位相差をモータ電流i(t)とモータ電圧v(t)との間の位相差θとする。
また、前述の本実施の形態のリニアモータにおいても、従来のリニアモータと同様に、その磁気飽和の影響によって、誘起電圧係数αが低下する。したがって、この問題を解決するために、本実施の形態のリニアモータにおいては、磁気の強さ(1周期間の総磁束数の実効値Φ)を用いて、誘起電圧係数αを補正する処理が実行される。それにより、リニアモータの磁気飽和の影響が除去され、可動子のストロークの算出の精度の低下が防止される。
リニアモータが動作しているときに前述の補正を行なうためには、図4に示すような、磁気の強さ(1周期間の磁束数の実効値Φ)と誘起電圧係数αとの関係を示す相関カーブを示す近似式またはデータテーブルを予め作成しておく必要がある。
そのために、相関カーブを作成するための適切なリニアモータ動作条件(リニアモータへ印加される電圧の大きさおよび周波数、ならびに、負荷条件)で、誘起電圧係数αおよび総磁束数の実効値Φを測定する。
誘起電圧係数αの測定方法は、任意の動作条件(モータ電圧の大きさ、モータ電圧の角速度、および負荷条件)で、外部センサ(レーザ変位計など)により可動子のストロークSTを測定しながら、外部測定器によりモータ電圧の実効値V、モータ電流の実効値Iおよび位相差θを測定する。そして、測定されたストロークST(=2Xpmax)、モータ電圧の実効値V、モータ電流の実効値Iおよび位相差θのそれぞれと、予め把握している巻線抵抗値R、コイルのインダクタンスL、および角速度ωを前述の式(15)に代入し、誘起電圧係数αを算出する。
次に、リニアモータ駆動回路の磁気回路に生じる総磁束数の実効値Φの求め方を説明する。
リニアモータの磁気回路における磁気の強さを表す総磁束数φ(t)の瞬時値は、コイルに電流が流れることによって発生する磁束数φI(t)の瞬時値と、可動子の磁石の往復運動によって発生する磁束数φmagnet(t)の瞬時値との和によって、次の式(16)のように表わされる。
Figure 2006296136
また、磁束数φI(t)の瞬時値は、次式(17)で表わされる。
Figure 2006296136
この式(17)に式(5)を代入すれば、次の式(18)が得られる。
Figure 2006296136
また、磁束数φmagnet(t)の瞬時値は、次式(19)で示される。
Figure 2006296136
磁束数φmagnet(t)の瞬時値のオフセット値が0であると仮定し、式(19)に式(7)を代入すれば、次の式(20)が得られる。
Figure 2006296136
さらに、交流量のベクトル表記方法によって、総磁束数の実効値Φ、磁束数の実効値ΦIおよび実効値φmagnetを図示すると、図5に示すようなものとなる。
なお、図5に示すベクトル図は、図3に示すベクトル図と同様に、モータ電流の位相を基準として描かれている。
図5において、総磁束数の実効値Φは、コイルに電流が流れることによって発生する磁束数の実効値ΦIと可動子の磁石の往復運動によって発生する磁束数の実効値Φmagnetとのベクトル和であるため、1周期間の総磁束数の実効値Φは、次の式(21)で求められることになる。
Figure 2006296136
以上の計算により、ある1つの条件下での誘起電圧係数αおよび総磁束数の実効値Φのデータが得られる。このようにして、様々な条件下で多数の誘起電圧係数αおよび総磁束数の実効値Φのデータをプロットすると、前述の図4に示すような誘起電圧係数αと総磁束数の実効値Φとの関係を示す相関カーブを作成することができる。
この相関カーブを特定するデータテーブルまたは近似式がマイクロコンピュータ内部のメモリに記憶されていれば、リニアモータの動作条件が予め定められた所定の条件の範囲内であれれば、総磁束数の実効値Φを用いて、その動作条件に適した誘起電圧係数αを取得することができる。したがって、本実施の形態のリニアモータ制御システムによれば、リニアモータの磁気飽和の悪影響を排除することによって、高い精度でストロークを算出することができる。
なお、誘起電圧係数αの補正は、前述のような誘起電圧の実効値Eを用いてストロークSTを算出するシステムにおいてのみならず、特開2003−65244号公報に開示されているようなシステム、つまり、誘起電圧の瞬時値(最大値)、誘起電圧係数、および角速度を用いてストロークを算出するシステムにおいても用いることができる。
上述した本実施の形態のリニアモータ制御システムは、具体的には、図6に示すように、往復運動する可動子を有するリニアモータMと、直流電源を構成する交流電源Gおよび平滑回路Pと、前述の直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換し、リニアモータMに交流電力を供給するインバータ回路Tと、インバータ回路TをPWM(Pulse Width Modulation)によって制御するマイクロコンピュータCとを備えている。
また、リニアモータ制御システムは、リニアモータMに印加されているモータ電圧v(t)の瞬時値を検出するためのモータ電圧検出手段Uと、所定のサンプリング周期でリニアモータMに流れているモータ電流の瞬時値i(t)を検出するためのモータ電流検出手段Sとを備えている。
なお、本実施の形態におけるモータ電流検出手段Sは、インバータ回路Tと直流電源との間においてリニアモータMに直列に接続されたシャント抵抗器、およびその両端の電位差を増幅するオペアンプ等を有している。モータ電圧検出手段Uは、リニアモータMの両端のそれぞれに接続された電位測定用の分圧手段としての抵抗器を有している。また、モータ電圧検出手段Uおよびモータ電流検出手段Sは、それぞれ、モータ電圧v(t)の瞬時値を特定可能な電圧信号およびモータ電流i(t)の瞬時値を特定可能な電流信号をマイクロコンピュータCへ送信する。
マイクロコンピュータCは、リニアモータMの可動子の目標とするストロークを出力するストローク指令値出力部101と、ストローク指令値のデータを受けるストローク制御部102と、ストローク制御部102から送信されてきたPWMの変調率指令値に基づいて、インバータ回路TへPWMパルス信号を送信するPWM制御部103とを備えている。
ストローク指令値は、負荷状況に応じて決定されるものであり、可動子と他の部位とが衝突する限界値以下の値である。また、変調率指令はPWMの変調率を特定可能な信号である。また、PWM制御部103は、所定の角速度ωと変調率指令値に基づいて、インバータ回路を構成するスイッチング素子のオン/オフを制御するためのパルス信号を出力する。これにより、所定の交流電圧がリニアモータMに印加される。
また、マイクロコンピュータCは、AD(Analog to Digital)変換器を内蔵しており、電圧信号および電流信号に基づいて可動子の実際のストロークSTを算出するストローク算出部104を有している。算出された実際のストロークSTのデータは、ストローク制御部102へ送信される。
ストローク制御部102は、実際のストロークSTと目標とするストローク指令値との差に応じてPWMの変調率を変更することによって、実際のストロークを目標とするストローク指令値に近づける制御を行なう。たとえば、ストローク制御部102は、実際のストロークSTの値が所定値以上になっている場合には、ストロークを小さくするために現在の変調率指令値よりも低い変調率指令値をPWM制御部103へ送信する。それにより、PWM制御部103は、与えられたPWMの変調率に応じて、PWMの各パルスを出力する。その結果、リニアモータMに印加される正弦波の交流電圧の振幅が小さくなる。したがって、リニアモータMの可動子の実際のストロークSTがストローク指令値に近づくように変化する。また、ストローク指令値を限界値より低い値に設定することにより、ピストンが他の部位に衝突してリニアモータMが損傷するようなことが防止される。
また、ストローク制御部102は、実際のストロークSTと目標とするストローク指令値との差が大きい場合に、その差に応じてPWMの変調率を変更することによって、実際のストロークSTを目標とするストローク指令値に近づける制御を行なう。したがって、可動子のストロークの制御の精度を高めることができる。
また、モータ電圧検出手段Uは、リニアモータMのモータ電圧v(t)の瞬時値を特定可能な電圧信号をマイクロコンピュータCへ送信する。マイクロコンピュータCは、そのAD変換機能を使用して、リニアモータMの両端子間の電位差を特定可能な信号に基づいて、リニアモータMに印加されているモータ電圧v(t)を算出する。
また、モータ電流検出手段Sは、インバータの入力側のDC(Direct Current)ラインに接続されたシャント抵抗器に流れているモータ電流i(t)を検出する。モータ電流i(t)は、PWMのパルスのON期間にのみ、シャント抵抗器へ流れ込む。そのため、モータ電流検出手段Sは、前述のON期間のシャント抵抗器の両端の電位差信号をマイクロコンピュータCへ送信する。マイクロコンピュータCは、その電位差信号をAD機能によって、モータ電流i(t)を特定可能な電流信号に変換する。したがって、モータ電流i(t)のサンプリング周期は、PWMのキャリア周期に一致していることが望ましい。
また、ストローク算出部104は、モータ電圧v(t)の瞬時値を特定可能な電圧信号およびモータ電流i(t)の瞬時値を特定可能な電流信号を受け、正弦波の一周期毎にモータ電圧の実効値V、モータ電流の実効値I、および位相差θを算出する。
モータ電圧の実効値Vおよびモータ電流の実効値Iの算出方法としては、前述のように、所定のサンプリング周期で、1周期におけるモータ電圧v(t)の全瞬時値の2乗平均値の平方根および1周期におけるモータ電流i(t)の全瞬時値の2乗平均値の平方根を用いる方法、または、モータ電圧v(t)およびモータ電流i(t)のそれぞれが正弦波であるという仮定の下で、モータ電圧v(t)およびモータ電流i(t)のそれぞれの最大値および最小値を用いる方法等がある。
なお、本実施の形態においては、モータ電流検出手段Sのシャント抵抗器の両端の電位差を用いてモータ電流i(t)の瞬時値を算出するため、PWMのパルスのON期間が短い場合、つまり、モータ電圧v(t)のゼロクロスポイントに近いタイミングにおいては、モータ電流i(t)の瞬時値を検出することが困難である。したがって、モータ電流i(t)が正弦波であるという仮定の下に、モータ電流i(t)の1周期の間の最大値および最小値ならびに予め記憶されているモータ電流の波形を特定可能なデータを用いて、1周期間のモータ電流i(t)の全瞬時値を推測する方法を用いることが望ましい。この方法では、次のような計算式を用いてモータ電流の実効値Iを算出することになる。
まず、マイクロコンピュータCのメモリには、まず、図7に示すように、モータ電流検出手段Sのシャント抵抗器の両端の電位差信号を用いて算出されたモータ電流i(t)の1周期分の全瞬時値のデータ列を記憶する。次に、マイクロコンピュータCは、そのデータ列からモータ電流i(t)の瞬時値の最大値Imaxおよび最小値Iminを抽出し、次に示す式(22)に、最大値Imaxおよび最小値Iminを代入し、モータ電流の実効値Iを算出する。
Figure 2006296136
前述のような方法によれば、電圧のゼロクロスポイントに近いタイミングのモータ電流i(t)の瞬時値を正確に検出できない場合にも、モータ電流の実効値Iを正確に算出することができる。
モータ電圧とモータ電流との位相差θは、モータ電流i(t)の波形のゼロクロスポイントとモータ電圧v(t)の波形のゼロクロスポイントとの位相差によって検出される。ただし、前述のシャント抵抗器による電流検出の方法においては、位相差θが小さい、つまり、モータ電圧のゼロクロスポイントとモータ電流のゼロクロスポイントとが近い場合、PWMのパルス幅が小さいためにモータ電流のゼロクロスポイントの検出が困難である。この場合には、一周期におけるモータ電流が最大値となるときの位相およびモータ電流が最小値となるときの位相に基づいて、モータ電流のゼロクロスポイントの位相を推測する方法を用いることが望ましい。
前述のような方法によって算出されたモータ電圧の実効値V、モータ電流の実効値Iおよび位相差θ、PWM制御部がPWM制御指令によって特定される正弦波の角速度ω、ならびに、予めメモリに記憶された巻線抵抗値RおよびインダクタンスLを前述の式(15)に代入すれば、その時点での可動子の実際のストロークSTを算出することができる。
また、本実施の形態のマイクロコンピュータCは、リニアモータMの磁気飽和の影響を排除するために、図4に示すような、メモリに誘起電圧係数αと総磁束数の実効値Φとの関係を特定する相関カーブを示す近似式データまたはデータ列が記憶されたデータテーブル105を備えている。なお、前述の相関カーブは、予め実験によって得られたものである。
リニアモータMの実際のストロークSTの算出時には、まず、前述の式(21)を用いて、総磁束数の実効値Φを算出する。次に、メモリに記憶されている相関カーブの近似式またはデータ列が記憶されたデータテーブル105を用いて、誘起電圧係数αを補正する。その後、補正された誘起電圧係数αの値を用いて、リニアモータMの磁気飽和の悪影響が排除されたストロークSTを算出する。
また、他の例としてのリニアモータ制御システムは、図8に示すような構成であってもよい。図8に示す他の例のリニアモータ制御システムを次に簡単に説明する。図8に示すリニアモータ制御システムは、図6に示すリニアモータ制御システムと同様の効果を得ることができるため、互いの異なる点についてのみ説明を行なう。
図8に示す他の例のリニアモータ制御システムにおいては、モータ電圧検出手段Wが、直流電源とインバータ回路Tとの間に設けられている。モータ電圧検出手段Wで検出された直流電力の電圧信号は、マイクロコンピュータC内のモータ電圧推定部106に送信される。モータ電圧推定部106は、直流電力の電圧信号とストローク制御部102からモータ電圧推定部106へ送信される変調率指令値のデータとを用いて、モータ電圧の実効値Vを推定する。そして、推定されたモータ電圧に実効値Vがモータ電圧推定部106からストローク算出部104へ送信される。
一方、モータ電流検出手段Hは、ホール素子を有し、インバータ回路TとリニアモータMとの間に設けられている。また、モータ電流検出手段は、ホール素子によって磁束の変化を検知し、その磁束の変化をモータ電流の電流信号としてマイクロコンピュータC内のストローク算出部104へ送信する。
次に、図9および図10を用いて、マイクロコンピュータCが行なうストローク制御処理を説明する。
ストローク制御処理は、原則として、リニアモータ動作の一周期毎に行なわれる。まず、S1において、1周期分の電圧信号すなわちモータ電圧v(t)[t=1〜n]の瞬時値の受信が行なわれる。また、同時に、S2において、1周期分の電流信号すなわちモータ電流i(t)[t=1〜n]の瞬時値の受信が行なわれる。つまり、S1およびS2において、1周期分の電圧波形および電流波形を特定可能な電圧信号および電流信号が受信される。次に、S3において、1周期分の電圧信号および電流信号を用いて、モータ電流i(t)とモータ電圧v(t)との間の位相差θを算出する。次に、S4において、1周期分の電圧信号または電流信号を用いてモータ電圧v(t)またはモータ電流i(t)の角速度ωを算出する。ただし、角速度ωは、予め定められた固定値であって、メモリに記憶されている値であってもよい。
次に、S5において、モータ電圧の実効値Vおよびモータ電流の実効値Iを算出する。S5の処理においては、図10に示すS52において、v(1),v(2),…,v(n−1),v(n)を順次比較する。次に、S53において、v(1),v(2),…,v(n−1),v(n)の最大値v(max)と最小値v(min)とを決定する。次に、S54において、モータ電圧の実効値V={v(max)−v(min)}/2√2を算出する。次に、S55において、i(1),i(2),…,i(n−1),i(n)を順次比較する。次に、S56において、i(1),i(2),…,i(n−1),i(n−1)の最大値i(max)と最小値i(min)とを決定する。次に、S57において、式(22)を用いて、モータ電流の実効値Iを算出する。
その後、図9のS6の処理が実行される。S6においては、巻線抵抗値RおよびインダクタンスLの値がメモリから読み出される。次に、S7において、モータ電圧の実効値V、モータ電流の実効値I、位相差θ、巻線抵抗値RおよびインダクタンスLを上述の式(1)に代入し、誘起電圧の実効値Eを算出する。
次に、S8において、式(10)にモータ電圧の実効値V、モータ電流の実効値I、誘起電圧の実効値E、位相差θ、および巻線抵抗値Rを代入し、位相差θ2を算出する。また、S9において、誘起電圧の実効値E、モータ電流の実効値I、角速度ω、インダクタンスL、および位相差θ2を式(21)に代入し、総磁束数の実効値Φを算出する。次に、S10において、総磁束数の実効値Φと相関カーブを示す近似式データまたはデータテーブル(図4)を用いて誘起電圧係数(推力係数)αの値が補正される。
次に、S11において、誘起電圧係数α、誘起電圧の実効値E、角速度ωを式(2)に代入し、可動子の実際のストロークSTを算出する。S12においては、実際のストロークSTとストローク指令値との差Dが算出される。次に、S13において、差Dに応じてPWMの変調率を変更し、ストローク指令値に実際のストロークSTの値を近づけるための処理が実行される。その後一周期毎にS1〜S13の処理が繰返される。
次に、前述のリニアモータ制御システムが適用されるスターリング冷凍システムを説明する。
図11は、実施の形態のスターリング冷凍機40を示す断面図である。スターリング冷凍機40においては、2つの部分で構成されている円筒形状のシリンダ3内に、円柱形のピストン1およびディスプレーサ2が嵌め込まれている。ピストン1とディスプレーサ2とは、圧縮空間9を介して設けられ、共通の駆動軸として軸Yを有している。
ディスプレーサ2の先端側に膨張空間10が形成されている。圧縮空間9と膨張空間10とはヘリウム等の作動媒体が流通する媒体流通路11を介して連通している。媒体流通路11内には、再生器12が設けられている。再生器12は、作動媒体の熱を蓄積するとともに、蓄積した熱を作動媒体に供給する。シリンダ3の略中間には鍔部(フランジ)3aが設けられている。鍔部3aにはドーム状の耐圧容器4が取り付けられることによって密閉されたバウンス空間(背圧空間)8が形成されている。
ピストン1は後端側で支持バネ5と一体化されている。ディスプレーサ2はピストン1の中心孔1aを貫通するロッド2aを介して支持バネ6と一体化されている。支持バネ5と支持バネ6とはボルトおよびナット22により連結されている。後述するように、ピストン1が往復運動すると、ディスプレーサ2は、ピストン1に対して所定の位相差を有する状態で往復運動を行なう。
バウンス空間8内のシリンダ3の外周側には内側ヨーク18が嵌め込まれている。内側ヨーク18は隙間19を介して外側ヨーク17に対向している。外側ヨーク17の内側には駆動用コイル16が嵌め込まれている。隙間19には環状の永久磁石15が移動可能に設けられている。永久磁石15はカップ状スリーブ14を介してピストン1と一体化されている。内側ヨーク18、外側ヨーク17、駆動用コイル16、および永久磁石15によって、ピストン1を軸Yに沿って移動させるリニアモータ13が構成されている。このリニアモータが前述のリニアモータ制御システムのリニアモータMとして機能する。また、駆動用コイル16には、リード線20および21が接続され、インバータ回路200およびマイクロコンピュータ1000によってリニアモータ13に駆動電力が供給されるようになっている。
上記構成のスターリング冷凍機40は、リニアモータ13によってピストン1が往復運動すると、ピストン1に対して所定の位相差を有する状態でディスプレーサ2が往復運動する。これにより、圧縮空間9と膨張空間10との間を作動媒体が移動する。その結果、逆スターリングサイクルが形成される。
上述のスターリング冷凍機40は、所定の交流波形の駆動電圧がリニアモータ13に印加されると、ピストン1がその所定の交流波形の駆動電圧に対応した周期及びストロークで往復運動を行なう。従って、リニアモータ13に印加される駆動電圧を制御することにより、ピストン1の往復運動の周期及びストロークを制御できる。
次に、上記フリーピストン型スターリング冷凍機の動作原理をより詳細に説明する。ピストン1が、その位置と時間との関係が正弦波を描くように運動することにより、圧縮空間9内の作動ガスは、その圧力と時間との関係が正弦波を描くように変化し、圧縮空間9から熱を放出し、ディスプレーサ2の周囲に設けられた再生器12で冷却されながら膨張空間10へ流入する。
膨張空間10の作動ガスは、ディスプレーサ2の動きにより膨張し、その温度が低下する。膨張空間10内の作動ガスは、その圧力と時間との関係が正弦波を描くように変化し、ディスプレーサ2をピストン1に対して所定の位相差を有する状態で往復運動させる。
なお、デジタル信号をアナログ信号に変換するときにはPWMが用いられる。つまり、インバータ回路Tから順次出力される複数のパルスは、その幅が正弦波形に対応して変化するように制御され、交流が生成される。この制御のために、前述のリニアモータ制御システムのマイクロコンピュータC、インバータ回路T、ならびに、直流電源を構成する交流電源Gおよび平滑回路Pが用いられる。
上記のような本実施の形態のリニアモータ制御システムが用いられたスターリング冷凍機制御システムによれば、可動子としてのピストン1のストロークSTが大きくなり過ぎて、ピストン1とディスプレーサ2とが衝突することが確実に防止される。また、より厳密にピストンのストロークを制御することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれていることが意図される。
リニアモータ駆動回路の等価回路構成を示す図である。 モータ電圧、モータ電流、および誘起電圧のそれぞれの瞬時値の一周期の変化を示す図である。 リニアモータに生じる誘起電圧の実効値を求めるためのベクトル図である。 総磁束数と誘起電圧係数との相関関係を示すグラフである。 リニアモータの磁気回路に生じる総磁束数を求めるためのベクトル図である。 リニアモータ制御システムの構成を示すブロック図である。 モータ電流の最大値および最小値(ピーク値)を用いてモータ電流の実効値を算出する方法を説明するための図である。 他の例のリニアモータ制御システムの構成を示すブロック図である。 ストローク制御処理を説明するためのフローチャートである。 ストローク制御処理を説明するためのフローチャートである。 リニアモータ制御システムが用いられたスターリング冷凍システムを示す図である。
符号の説明
M リニアモータ、G 交流電源、P 平滑回路、H,S モータ電流検出手段、T インバータ回路、U,W モータ電圧検出手段、C マイクロコンピュータ。

Claims (5)

  1. 可動子が往復運動するリニアモータと、
    前記リニアモータに印加されているモータ電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記リニアモータに流れているモータ電流を検出する電流検出手段と、
    前記モータ電圧の瞬時値を特定可能な電圧信号および前記モータ電流の瞬時値を特定可能な電流信号を受信するマイクロコンピュータとを備え、
    前記マイクロコンピュータは、
    前記モータ電圧、前記モータ電流、および前記可動子の往復運動によって生じる誘起電圧(逆起電力)のそれぞれが同一の角速度を有する正弦波であると仮定し、前記電圧信号および前記電流信号を用いて、前記正弦波の一周期における前記誘起電圧の実効値を算出する手段と、
    前記誘起電圧の実効値、前記電圧信号および前記電流信号の角速度、および誘起電圧係数(推力係数)を用いて、前記一周期における前記可動子のストロークを算出する手段とを有する、リニアモータ制御システム。
  2. 可動子が往復運動するリニアモータと、
    前記リニアモータに印加されているモータ電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記リニアモータに流れているモータ電流を検出する電流検出手段と、
    前記モータ電圧の瞬時値を特定可能な電圧信号および前記モータ電流の瞬時値を特定可能な電流信号を受信するマイクロコンピュータとを備え、
    前記マイクロコンピュータは、
    前記電圧信号および前記電流信号を用いて、前記モータ電圧と前記モータ電流との位相差θ、ならびに、前記電圧信号および前記電流信号の角速度ωを算出する手段と、
    前記モータ電圧、前記モータ電流、および前記可動子の往復運動によって生じる誘起電圧(逆起電力)のそれぞれが同一の角速度ωを有する正弦波であると仮定し、前記電圧信号および前記電流信号を用いて、前記正弦波の一周期における前記モータ電圧の実効値Vおよびモータ電流の実効値Iを算出する手段と、
    前記モータ電圧の実効値V、前記モータ電流の実効値I、前記位相差θ、前記リニアモータの抵抗値R、および前記リニアモータのインダクタンスL値を次式(1)に代入し、前記誘起電圧の実効値Eを算出する手段と、
    Figure 2006296136
    前記誘起電圧の実効値E、前記角速度ω、および誘起電圧係数(推力係数)αを次式(2)に代入し、前記一周期における前記可動子のストロークSTを算出する手段と、
    Figure 2006296136
    を有する、リニアモータ制御システム。
  3. 直流電源と、
    前記直流電源と前記リニアモータとの間に電気的に接続され、前記リニアモータを駆動するインバータ回路と、
    前記直流電源と前記インバータ回路との間に接続された抵抗器とをさらに備え、
    前記マイクロコンピュータは、前記抵抗器の両端の電位差の一周期分の瞬時値を検知することによって、前記モータ電流の一周期内の最大値および最小値を算出し、前記最大値および前記最小値を用いて、前記モータ電流の実効値Iを算出する、請求項2に記載のリニアモータ制御システム。
  4. 可動子が往復運動するリニアモータと、
    前記リニアモータに印加されているモータ電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記リニアモータに流れているモータ電流を検出する電流検出手段と、
    前記モータ電圧の瞬時値を特定可能な電圧信号および前記モータ電流の瞬時値を特定可能な電流信号を受信するマイクロコンピュータとを備え、
    前記マイクロコンピュータは、
    前記電圧信号および前記電流信号を用いて、それらの信号の角速度、前記可動子の往復運動によって生じる誘起電圧(逆起電力)の実効値、および前記リニアモータの磁気回路に生じる総磁束数の実効値を算出する手段と、
    前記総磁束数の実効値と誘起電圧係数(推力係数)との関係を特定する近似式またはデータテーブルと、
    前記総磁束数の実効値と前記近似式またはデータテーブルとを用いて、前記誘起電圧係数を補正する手段と、
    前記誘起電圧、前記角速度、および補正された前記誘起電圧係数を用いて、前記可動子のストロークを算出する手段とを有する、リニアモータ制御システム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のリニアモータ制御システムと、
    前記可動子としてのピストンの往復運動に従って往復運動するディスプレーサとを備えた、スターリング冷凍システム。
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