JP2008005633A - リニアモータ制御システムならびにそれが用いられたスターリング冷凍機制御システムおよびリニア圧縮機制御システム - Google Patents

リニアモータ制御システムならびにそれが用いられたスターリング冷凍機制御システムおよびリニア圧縮機制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】ピストンのストロークを検出することができないことに起因する不具合の発生が抑制されたリニアモータ制御システムを提供する。
【解決手段】ストローク制御部は、リニアモータが起動した後、相対的に低いキャリア周波数の指令値を出力するとともに、予め実験結果から決定された値であってピストンのストロークを算出することができる所定値まで変調率を大きくする。その後、ストローク制御部は、実際のストロークの値がストローク指令値以下の値である場合に、変調率を増加させ、一方、実際のストロークの値がストローク指令値よりも大きい場合に、変調率を減少させる。さらに、ストローク制御部は、変調率が所定値と所定値よりも大きな特定値との間の値である場合に、相対的に低いキャリア周波数の指令値を出力し、一方、変調率が特定値以上である場合に、相対的に高いキャリア周波数の指令値を出力する。
【選択図】図12

Description

本発明は、可動子を往復運動させるリニアモータを備えたリニアモータ制御システムならびにそれが用いられたスターリング冷凍機制御システムおよびリニア圧縮機制御システムに関するものである。
可動子を往復運動させるリニアモータを備えたリニアモータ制御システムが用いられている。リニアモータ制御システムにおいては、リニアモータに印加されている電圧の値およびリニアモータに流れている電流の値を用いて、可動子のストロークを算出する制御が行なわれている。
特開平9−126147号公報 特開2003−339188号公報 特開2003−314919号公報 特開2003−65244号公報
上記従来のリニアモータ制御システムにおいては、PWM(Pulse Width Modulation)制御によってリニアモータに供給される交流電力が生成されている。このPWM制御におけるパルスの幅が小さい場合には、リニアモータに流れている電流の正確な値を測定することが困難になる。たとえば、リニアモータ制御システムが起動した直後等のリニアモータに供給する電力が小さい場合には、PWM制御におけるパルスの幅が小さいため、電流の正確な値を測定することができない。そのため、可動子のストロークを算出することができない。したがって、可動子のストロークが目標とするストロークよりも大きくなり過ぎている場合には、可動子が他の部位に衝突してしまう等の不具合が生じるおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、リニアモータに供給される電力が小さい期間においても、できる限り可動子のストロークの算出を可能にすることにより、可動子のストロークを検出することができないことに起因する不具合の発生が抑制されたリニアモータ制御システムならびにそれが用いられたスターリング冷凍機制御システムおよびリニア圧縮機制御システムを提供することである。
本発明の一の局面のリニアモータ制御システムは、可動子を往復運動させるリニアモータと、直流電源から供給される直流電力を交流電力へ変換して交流電力をリニアモータへ供給するインバータ回路と、インバータ回路をPWM(Pulse Width Modulation)によって制御するマイクロコンピュータとを備えている。また、そのシステムは、リニアモータに印加されている電圧を検出し、電圧の値を特定可能な電圧信号をマイクロコンピュータへ送信する電圧検出器と、リニアモータに流れている電流を検出し、電流の値を特定可能な電流信号をマイクロコンピュータへ送信する電流検出器とを備えている。
マイクロコンピュータは、可動子の目標ストローク指令値を出力するストローク指令値出力部と、電圧信号および電流信号によって特定される電圧の値および電流の値を用いて可動子の実際のストロークの値を算出するストローク算出部と、目標ストローク指令値と実際のストロークとの比較結果に基づいて、PWMの変調率の指令値およびキャリア周波数の指令値を出力するストローク制御部と、PWMの変調率の指令値およびPWMのキャリア周波数の指令値に従って、インバータ回路を制御するPWM制御部と含んでいる。
ストローク制御部は、リニアモータの動作が開始された後、相対的に低いキャリア周波数の指令値を出力するとともに、予め実験結果から決定された値であって可動子のストロークを算出することができる所定値まで変調率を大きくする。その後、ストローク制御部は、実際のストロークの値がストローク指令値以下の値である場合に、変調率を増加させ、一方、実際のストロークの値がストローク指令値よりも大きい場合に、変調率を減少させる。さらに、ストローク制御部は、変調率が所定値と所定値よりも大きな特定値との間の値である場合に、相対的に低いキャリア周波数の指令値を出力し、一方、変調率が特定値以上である場合に、相対的に高いキャリア周波数の指令値を出力する。
上記の構成によれば、変調率が小さい場合には、キャリア周波数が低くなる。そのため、変調率が同一であっても、電流パルスの幅が大きくなる。その結果、変調率が小さな期間においても、電流パルスを適正に検出することが可能になる。したがって、変調率が小さな期間においても、可動子の実際のストロークを算出することができる。その結果、変調率が小さい期間において、可動子の実際のストロークを算出することができなことに起因する不具合の発生が抑制される。
また、マイクロコンピュータは、変調率が特定値以上になった直後に、その時点の変調率を第1所定変調率として記憶するとともに、インバータ回路にリニアモータへの電力の供給を停止させてもよい。その後、マイクロコンピュータは、相対的に高いキャリア周波数のPWMにおいて第1所定変調率まで変調率を大きくしながらインバータ回路にリニアモータへ電力を供給させてもよい。また、マイクロコンピュータは、変調率が特定値以下になった直後に、その時点の変調率を第2所定変調率として記憶するとともに、インバータ回路にリニアモータへの電力の供給を停止させてもよい。その後、マイクロコンピュータは、相対的に低いキャリア周波数のPWMにおいて第2所定変調率まで変調率を大きくしながらインバータ回路にリニアモータへ電力を供給させてもよい。
上記の構成によれば、相対的に高いキャリア周波数のPWMと相対的に低いキャリア周波数のPWMとの切り換えの前に、一旦、可動子の動作が停止し、前述の切り換えの後、可動子の動作が再度開始される。つまり、可動子の動作が停止している間に前述の切り換えが行なわれる。したがって、可動子の動作中に前述の切り換えに起因して可動子の動作が急激に変化することはない。
また、ストローク算出部は、変調率が所定値に以上になった後に実際のストロークの算出を開始することが望ましい。
一般に、変調率が小さいために電流の値を正確に検出することができない場合には、ストローク算出部が算出した実際のストロークの値に含まれる誤差が大きい。この場合に、実際のストロークを算出して、その実際のストロークの値を用いて可動子の動作を制御すると、可動子の動作に不具合が生じることがある。したがって、予め電流値を正確に検出することができないことが分かっている期間においては、ストロークの算出を行なうことにより、前述の不具合の発生が防止される。
本発明の他の局面のリニアモータ制御システムは、可動子を往復運動させるリニアモータと、直流電源から供給される直流電力を交流電力へ変換して交流電力をリニアモータへ供給するインバータ回路と、インバータ回路をPWM(Pulse Width Modulation)によって制御するマイクロコンピュータとを備えている。また、そのシステムは、リニアモータに印加されている電圧を検出し、電圧の値を特定可能な電圧信号をマイクロコンピュータへ送信する電圧検出器と、リニアモータに流れている電流を検出し、電流の値を特定可能な電流信号をマイクロコンピュータへ送信する電流検出器と、直流電力を生成する直流電力生成回路とを備えている。
また、マイクロコンピュータは、可動子の目標ストローク指令値を出力するストローク指令値出力部と、電圧信号および電流信号によって特定される電圧の値および電流の値を用いて可動子の実際のストロークの値を算出するストローク算出部と、ストローク指令値と実際のストロークとの比較結果に基づいて、PWMの変調率の指令値を出力するとともに、直流電力制御回路を制御するストローク制御部と、PWMの変調率の指令値に従って、インバータ回路を制御するPWM制御部と含んでいる。
ストローク制御部は、リニアモータの動作が開始された後、相対的に低い直流電圧がインバータ回路に印加されるように直流電力生成回路を制御するとともに、予め実験結果から決定された値であって可動子のストロークを算出することができる所定値まで変調率を大きくする。その後、ストローク制御部は、実際のストロークの値がストローク指令値以下の値である場合に、変調率を増加させ、一方、実際のストロークの値がストローク指令値よりも大きい場合に、変調率を減少させる。さらに、ストローク制御部は、変調率が所定値と所定値よりも大きな特定値との間の値である場合に、相対的に低い直流電圧がインバータ回路に印加されるように直流電力生成回路を制御(維持)し、一方、変調率が特定値以上である場合に、相対的に高い直流電圧がインバータ回路に印加されるように直流電力生成回路を制御する。
上記の構成によれば、相対的に低い直流電圧がインバータ回路に印加される期間においては、変調率が大きくなっても、リニアモータに印加される交流電圧の最大値はそれほど大きくならない。つまり、この期間においては、可動子のストロークをそれほど大きくすることなく変調率をより大きく、すなわち、電流パルスの幅を大きくすることができる。その結果、リニアモータに印加される交流電圧が小さい期間において、可動子の実際のストロークを算出することができないことに起因する不具合の発生が抑制される。
また、マイクロコンピュータは、変調率が特定値以上になった直後に、その時点の変調率を第1所定変調率として記憶するとともに、インバータ回路にリニアモータへの電力の供給を停止させてもよい。その後、マイクロコンピュータは、相対的に高い直流電圧がインバータ回路に印加されるように直流電力生成回路を制御しながらインバータ回路にリニアモータへ電力を供給させてもよい。
また、マイクロコンピュータは、変調率が特定値以下になった直後に、その時点の変調率を第2所定変調率として記憶するとともに、インバータ回路にリニアモータへの電力の供給を停止させてもよい。その後、マイクロコンピュータは、相対的に低い直流電圧がインバータ回路に印加されるように直流電力生成回路を制御しながらインバータ回路にリニアモータへ電力を供給させてもよい。
上記の構成によれば、相対的に高い直流電圧と相対的に低い直流電圧との切り換えの前に、一旦、可動子の動作が停止し、前述の切り換えの後、可動子の動作が再度開始される。つまり、可動子の動作が停止している間に、前述の切り換えが行なわれる。その結果、可動子の動作中に前述の切り換えに起因して可動子の動作が急激に変化することはない。
また、ストローク算出部は、変調率が所定値に以上になった後に実際のストロークの算出を開始することが望ましい。
一般に、変調率が小さいために電流の値を正確に検出することができない場合には、ストローク算出部が算出した実際のストロークの値に含まれる誤差が大きい。この場合に、実際のストロークを算出して、その実際のストロークの値を用いて可動子の動作を制御すると、可動子の動作に不具合が生じることがある。したがって、予め電流値を正確に検出することができないことが分かっている期間においては、ストロークの算出を行なわないことにより、前述の不具合の発生が防止される。
また、直流電力生成回路は、直流電圧を変更し得る電圧変更回路を含んでいてもよい。この場合、相対的に高い直流電圧は、電圧変更回路のオンによって生成され、相対的に低い直流電圧は、電圧変更回路のオフによって生成される。
上記の構成によれば、簡単な構成で相対的に高い直流電圧と相対的に低い直流電圧との切り換えを実行することができる。
また、本発明のスターリング冷凍システムにおいては、前述のリニアモータ制御システムがスターリング冷凍機の可動子を制御するために用いられている。
上記の構成によれば、可動子のストロークが大きくなり過ぎて、ディスプレーサ等の周辺構造と可動子とが衝突することが防止される。
また、本発明のリニア圧縮システムにおいては、前述のリニアモータ制御システムがリニア圧縮機の可動子を制御するために用いられている。
上記の構成によれば、可動子のストロークが大きくなり過ぎて、圧縮空間を構成する部位等の周辺構造と可動子とが衝突することが防止される。
本発明によれば、リニアモータに供給される電力が小さい期間においても、できる限りピストンのストロークの算出を可能にすることによって、ピストンのストロークを検出することができないことに起因する不具合の発生が抑制される。
(実施の形態1)
まず、実施の形態のリニアモータ制御システムおよびそれが用いられたスターリング冷凍機制御システムを説明する。
まず、図1を用いて、本実施の形態のリニアモータ制御システムによって制御されるスターリング冷凍機を説明する。
図1は、実施の形態のスターリング冷凍機40を示す断面図である。スターリング冷凍機40においては、2つの部分で構成されている円筒形状のシリンダ3内に、円柱形のピストン1およびディスプレーサ2が嵌め込まれている。ピストン1とディスプレーサ2とは、圧縮空間9を介して設けられ、共通の駆動軸として軸Yを有している。
ディスプレーサ2の先端側に膨張空間10が形成されている。圧縮空間9と膨張空間10とはヘリウム等の作動媒体が流通する媒体流通路11を介して連通している。媒体流通路11内には、再生器12が設けられている。再生器12は、作動媒体の熱を蓄積するとともに、蓄積した熱を作動媒体に供給する。シリンダ3の略中間には鍔部(フランジ)3aが設けられている。鍔部3aにはドーム状の耐圧容器4が取り付けられることによって密閉されたバウンス空間(背圧空間)8が形成されている。
ピストン1は後端側で支持バネ5と一体化されている。ディスプレーサ2はピストン1の中心孔1aを貫通するロッド2aを介して支持バネ6と一体化されている。支持バネ5と支持バネ6とはボルトおよびナット22により連結されている。後述するように、ピストン1が往復運動すると、ディスプレーサ2は、ピストン1に対して所定の位相差を有する状態で往復運動を行なう。
バウンス空間8内のシリンダ3の外周側には内側ヨーク18が嵌め込まれている。内側ヨーク18は隙間19を介して外側ヨーク17に対向している。外側ヨーク17の内側には駆動用コイル16が嵌め込まれている。隙間19には環状の永久磁石15が移動可能に設けられている。永久磁石15はカップ状スリーブ14を介してピストン1と一体化されている。内側ヨーク18、外側ヨーク17、駆動用コイル16、および永久磁石15によって、ピストン1を軸Yに沿って移動させるリニアモータ13が構成されている。駆動用コイル16には、リード線20および21が接続され、制御装置30によってリニアモータ13に駆動電力が供給されるようになっている。
上記構成のスターリング冷凍機40は、リニアモータ13によってピストン1が往復運動すると、ピストン1に対して所定の位相差を有する状態でディスプレーサ2が往復運動する。これにより、圧縮空間9と膨張空間10との間を作動媒体が移動する。その結果、逆スターリングサイクルが形成される。
上述の実施の形態のスターリング冷凍機40は、所定の交流波形の駆動電圧がリニアモータ13に印加されると、ピストン1がその所定の交流波形の駆動電圧に対応した周期およびストロークで往復運動を行なう。したがって、リニアモータ13に印加される駆動電圧を制御することにより、ピストン1の往復運動の周期およびストロークを制御することができる。
次に、上記実施の形態のフリーピストン型スターリング冷凍機の動作原理をより詳細に説明する。ピストン1が、その位置と時間との関係が正弦波を描くように運動することにより、圧縮空間9内の作動ガスは、その圧力と時間との関係が正弦波を描くように変化し、圧縮空間9から熱を放出し、ディスプレーサ2の周囲に設けられた再生器12で冷却されながら膨張空間10へ流入する。
膨張空間10の作動ガスは、ディスプレーサ2の動きにより膨張し、その温度が低下する。膨張空間10内の作動ガスは、その圧力と時間との関係が正弦波を描くように変化し、ディスプレーサ2をピストン1に対して所定の位相差を有する状態で往復運動させる。
次に、図2〜図4Aおよび図4Bを用いて、実施の形態の制御装置30内に設けられたIPM(Intelligent Power Module)200およびマイクロコンピュータ1000を説明する。図2に示すように、本実施の形態のリニアモータ13つまり前述のリニアモータ13の駆動電圧の制御においては、IPM200が用いられる。IPM200には、インバータ回路100が内蔵されている。インバータ回路100は、4つのスイッチング素子を有し、図2に示すような態様で、スターリング冷凍機40に内装されたリニアモータ13に接続されている。4つのスイッチング素子は、トランジスタGu、Gx、Gv、およびGyであり、それぞれには、ソース電極とドレイン電極との間にフライホイールダイオードが接続されている。
図2から分かるように、トランジスタGuとトランジスタGxとは直列に接続され、トランジスタGvとトランジスタGyとは直列に接続されている。また、リニアモータ13は、一方の端子がトランジスタGuとトランジスタGxとの間のノードに接続され、他方の端子がトランジスタGvとトランジスタGyとの間のノードに接続されている。
また、インバータ回路100に対して並列にコンデンサCとコンデンサCCとの直列回路が接続されている。この直列回路にダイオード回路Dの出力側が接続され、このダイオード回路Dの入力側に交流電源Gが接続されて、コンデンサCおよびコンデンサCCによる倍電圧回路Bが構成されている。また、コンデンサCおよびコンデンサCCとインバータ回路100との間には、コンデンサCおよびCCに対して並列に抵抗器R1および抵抗器R2が接続され、インバータ回路100の入力端子間電圧を分圧する分圧回路が構成されている。
また、抵抗器R1と抵抗器R2との間のノードの電位を安定させるためのコンデンサCCCが抵抗器R2に対して並列に接続され、抵抗器R1と抵抗器R2との間のノードがマイクロコンピュータ1000の電圧センサポートに接続されている。マイクロコンピュータ1000には、インバータ回路100へ入力される直流電力の電圧を特定する電圧信号が直流電圧センサに入力される。
さらに、リニアモータ13の2つの端子に、電圧計として機能する回路Vの入力端子が1対1の関係で接続され、回路Vで得られた電圧値がマイクロコンピュータ1000のU相電圧センサポート及びV相電圧センサポートのそれぞれへ送信される。また、直流電源とリニアモータ13との間には、電流計として機能する回路Aが設けられ、回路Aで得られた電流値を特定可能な電流信号がマイクロコンピュータ1000の電流センサポートへ送信される。
電圧値および電流値の取得手法は次のようなものである。電圧値の取得は、リニアモータ(M)に印加される電圧が回路Vによって分圧され、その分圧された電圧値がマイクロコンピュータ1000に入力される。マイクロコンピュータ1000は、その電圧値をA/D変換し実際の電圧値を算出する。また、電流値の取得は、シャント抵抗器Sの両端の電位差がオペアンプを含む回路Aによって増幅され、その増幅された電位差の値を特定可能な電圧信号がマイクロコンピュータ1000の電圧センサポートへ送信される。マイクロコンピュータ1000は、その増幅された電位差の値をA/D変換し電流値を算出する。
また、マイクロコンピュータ100は、倍電圧切換スイッチSWのオン/オフを切り換えるためのON/OFF切換信号を倍電圧切換スイッチSWに送信する。つまり、マイクロコンピュータ1000は、インバータ回路100に供給される直流電圧の大きさを大きくしたりし小さくしたりすることができる。ただし、本実施の形態においては、倍電圧切換スイッチSWの切り換えによって、インバータ回路100に供給される電圧は、倍電圧切換スイッチSWがオフのときをVとすると、倍電圧切換スイッチSWがオンのときには2Vとなる。
図3は、PWMインバータ制御用のタイマが1つ(1チャンネル)内蔵されたリニアモータ制御用のマイクロコンピュータ1000の構成を説明するためのブロック図である。
図3に示すように、本実施の形態のマイクロコンピュータ1000は、発振器としてのクロック回路と、演算手段としてのCPU(Central Processing Unit)と、書替え可能な
記憶手段としてのRAM(Random Access Memory)と、読出専用のROM(Read Only Memory)とを備えている。ROMには、4つのスイッチング素子としてのトランジスタを制御するためのプログラムが格納されている。また、RAMは、ROMに格納されたプログラムに従ってCPUで行なわれた演算結果を一時的に記憶するための記憶手段であり、レジスタなどの一時記憶手段も含まれていてもよい。さらに、クロックは、発振器から送信されてきた信号を用いて、後述するタイマを動作させるための基本となるクロックパルスを形成するためのものである。
次に、図4Aおよび図4Bを用いて、U相コントロール回路およびV相コントロール回路のそれぞれに設けられたコンパレータについて説明する。
コンパレータは、図4Aに示すように、2つの入力端子を有している。2つの入力端子関しては、その一方にPWM制御の信号波が入力され、その他方に搬送波が入力される。信号波のデータは、ROM内のデータテーブルに格納されている。また、搬送波は、クロックによって発生した計時信号に基づいて、アップ/ダウンタイマ1によって生成される。
コンパレータに入力される信号波と搬送波との関係は、図4Bの(a)に示されている。コンパレータは、信号波のデータと搬送波のデータとを比較し、信号波のデータが搬送波のデータよりも大きい場合に、PWM制御信号を出力する。交流波形の一周期の前半においては、トランジスタGuおよびGxがオン/オフされ、トランジスタGyはオンされ、Gvがオフされる。一方、交流波形の一周期の後半においては、トランジスタGvおよびGyがオン/オフされ、トランジスタGxはオンされ、Guがオフされる。それにより、図4Bの(b)に示されるようなパルス波形が形成され、リニアモータMには、点線で示すような波形の交流電圧が印加される。すなわち、サインカーブの波形の交流電圧がリニアモータMに印加される。
前述のアップ/ダウンタイマ1の周波数がPWM制御のキャリア周波数となる。キャリア周波数は、1秒間にインバータ回路100から出力される対称三角波パルスの数を示すものであって、PWM制御の搬送波の周波数である。このキャリア周波数を大きくしたり小さくしたりすることによって、リニアモータ13に印加される電圧の実効値を変更することが可能である。なお、キャリア周波数の逆数がキャリア周期となる。つまり、搬送波を構成する対称三角波の1周期がキャリア周期となる。
なお、スターリング冷凍機の制御において、ピストン1とディスプレーサ2とは、所定周波数で駆動しなければ共振しない。つまり、ピストン1の往復運動の周波数が、ピストン1とディスプレーサ2との共振周波数から大きく異なると、スターリング冷凍機40を駆動させることができない。したがって、PWMの信号波を構成する前述の設定値のデータ列と時間との関係は、必ず所定の共振周波数のサインカーブを描くように設定されている必要がある。
次に、リニアモータ(M)のピストン1のストロークXpを検出する方法について説明する。本実施の形態のスターリング冷凍機40においては、次のようにして、ピストン1のストロークXpが検知される。
まず、制御装置30の定常時の駆動状態について図5および図6を用いて説明をする。
図5は、定常時においてリニアモータ(M)に印加される電圧V、リニアモータ(M)のコイル16に流れる電流I、リニアモータ(M)のコイル16に発生する誘起電圧E、および、ピストン1の変位Tの関係を示した図である。図6は、リニアモータ(M)の等価回路図である。また、図6に示すように、誘起電圧Eによって生じる電流Iの流れの方向と、印加電圧Vによって生じる電流の流れの方向とは逆である。
図5に示すように、電流Iはリニアモータ(M)のインダクタンス(図6に示すL)の影響で、印加電圧Vよりもθだけ位相が遅れている。ここで、リニアモータ(M)に作用する推力の大きさは、電流Iの値に推力定数αを乗じた値となる。また、図6に示す等価回路図から分かるように、誘起電圧Eは、次の式(1)で表される。
Figure 2008005633
したがって、モータ巻線抵抗RおよびインダクタンスLが予め分かっていれば、図3に示す回路Vによって取得される電圧Vと図2に示す回路Aによって取得される電流Iとを用いて誘起電圧Eを計算することができる。なお、位相差θは電圧Vがピーク時の位相の値と電流Iがピークの時の位相の値との差を算出することによって得られる。また、推力定数αは予め実験によって算出され、モータ巻き線抵抗RおよびインダクタンスLは、予め測定された値である。
また、ピストンのストロークXpは、次の式(2)によって規定される。
Figure 2008005633
このように、位相差θ、モータ巻線抵抗R、電圧V、電流I、印加周波数f、および推力定数αが分かっていれば、ストロークXpを算出することができる。なお、前述のストロークXpの算出方法は、特開2003−314919号公報および特開2003−65244号公報により詳細に開示されている。
次に、図7を用いて、「現在のストロークXpの算出処理」を説明する。
図8に示す「現在のストロークXpの算出処理」においては、まず、S81において、電流波形のピークの位相と電圧波形のピークの位相との差である位相差θが算出される。次に、S82において、マイクロコンピュータ1000は、図2に示す回路Aから送信されてきた信号を用いてシャント抵抗器Sを流れる電流Iを算出する。その後、S83において、マイクロコンピュータ1000は、図2に示す回路Vから送信されてきた信号を用いてリニアモータ(M)に印加される電圧Vを算出する。次に、S84において、位相差θ、電圧V、電流I、巻線抵抗値R、および前述の式(A)を用いて、誘起電圧Eを算出する。その後、S85においては、ストロークXpを前述の式(B)を用いて算出する。
上述した本実施の形態のリニアモータ制御システムは、具体的には、図8に示すように、往復運動する可動子を有するリニアモータ13と、直流電源を構成する交流電源Gおよび平滑回路P(D,C,CC)と、前述の直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換し、リニアモータ13に交流電力を供給するインバータ回路100と、インバータ回路100をPWM(Pulse Width Modulation)によって制御するマイクロコンピュータ1000とを備えている。
また、リニアモータ制御システムは、所定のサンプリング周期でリニアモータ13に印加されているモータ電圧v(t)の瞬時値を検出するためのモータ電圧検出器Vと、所定のサンプリング周期でリニアモータ13に流れているモータ電流の瞬時値i(t)を検出するためのモータ電流検出器A,Sとを備えている。
なお、本実施の形態におけるモータ電流検出器A,Sは、インバータ回路100と直流電源との間においてリニアモータ13に直列に接続されたシャント抵抗器Sおよびその両端の電位差を増幅するオペアンプ(Operational Amplifier)回路A等を有している。モータ電圧検出器U(V)は、リニアモータ13の両端のそれぞれに接続された電位測定用の分圧器としての抵抗器を有している。また、モータ電圧検出器Vおよびモータ電流検出器A,Sは、それぞれ、モータ電圧v(t)の瞬時値を特定可能な電圧信号およびモータ電流i(t)の瞬時値を特定可能な電流信号をマイクロコンピュータ100へ送信する。
マイクロコンピュータ100は、リニアモータ13の可動子としてのピストン1の目標とするストロークを出力するストローク指令値出力部101と、ストローク指令値のデータを受けるストローク制御部102と、ストローク制御部102から送信されてきたPWMの変調率指令値に基づいて、インバータ回路100へPWMパルス信号を送信するPWM制御部103とを備えている。
ストローク指令値は、負荷状況に応じて決定されるものであり、ピストン1と他の部位とが衝突する限界値よりも小さい値である。また、変調率指令はPWMの変調率を特定可能な信号である。また、PWM制御部103は、所定の角速度ωと変調率指令値に基づいて、インバータ回路100を構成するスイッチング素子Gx,Gy,Gu,Gvのオン/オフを制御するためのパルス信号を出力する。これにより、所定の交流電圧がリニアモータ13に印加される。
また、マイクロコンピュータ1000は、AD(Analog to Digital)変換器を内蔵しており、電圧信号および電流信号に基づいて可動子の実際のストロークXpを算出するストローク算出部104を有している。算出された実際のストロークXpのデータは、ストローク制御部102へ送信される。
ストローク制御部102は、変調率指令値を特定可能な信号とキャリア周波数の指令値を特定可能な信号とをPWM制御部103に送信する。
また、モータ電圧検出器Vは、リニアモータ13のモータ電圧v(t)の瞬時値を特定可能な電圧信号をマイクロコンピュータ1000へ送信する。マイクロコンピュータ1000は、そのAD変換機能を使用して、リニアモータ13の両端子間の電位差を特定可能な信号に基づいて、リニアモータ13に印加されているモータ電圧v(t)を算出する。
また、モータ電流検出器A,Sは、インバータの入力側のDC(Direct Current)ラインに接続されたシャント抵抗器Sに流れているモータ電流i(t)を検出する。モータ電流i(t)は、PWMのパルスのON期間にのみ、シャント抵抗器Sへ流れ込む。そのため、モータ電流検出器A,Sは、前述のON期間のシャント抵抗器Sの両端の電位差信号をマイクロコンピュータ1000へ送信する。マイクロコンピュータ1000は、その電位差信号をAD変換機能によって、モータ電流i(t)を特定可能な電流信号に変換する。したがって、モータ電流i(t)のサンプリング周期は、PWMのキャリア周期に一致していることが望ましい。
また、ストローク算出部104は、モータ電圧v(t)の瞬時値を特定可能な電圧信号およびモータ電流i(t)の瞬時値を特定可能な電流信号を受け、正弦波の一周期毎にモータ電圧の実効値V、モータ電流の実効値I、および位相差θを算出する。
本実施の形態のPWM制御においては、図9に示す標準キャリア周波数のPWM制御および図10に示す低キャリア周波数(標準キャリア数の1/2)のPWM制御のうちいずれか一方が選択的に行なわれる。
本実施の形態においては、インバータ回路100およびマイクロコンピュータ1000における電流の検出のために必要な最低パルス幅は、Ta(sec)であるものとする。このTaは、インバータ回路100およびマイクロコンピュータ100に固有に値である。図9に示される標準キャリア周波数の制御が実行される場合には、つまりキャリア周期がTcである場合には、一周期分のパルスのうち少なくとも1パルスについて、電流値が正確に検出され得るための最低変調率は、Ta/Tc(ピーク電圧Vpeak=Vdc×Ta/Tc(V))である。一方、図10に示される低キャリア周波数の制御によれば、キャリア周期が標準キャリア周波数の制御におけるキャリア周期Tcの2倍(2×Tc)であるため、一周期分のパルスのうちの少なくとも1パルスの電流値が正確に検出され得るための最低変調率は、Ta/Tc/2(ピーク電圧Vpeak=Vdc×Ta/Tc/2(V))であり、標準キャリア周波数の制御に比較して、変調率が1/2であり、ピーク電圧も1/2である。しかしながら、通常、ストロークXpの検知のために必要な電流の実効値の計算においては、一周期部のパルスのうちの1パルスの電流値が検出され得るだけでは不十分であるため、上記の変調率に係数k(k>1)を乗じた値が電流の実効値が算出され得る変調率の下限値、つまりストロークXpの検知を実行し得る変調率の下限値として規定される。係数kおよびストロークXpが検知され得る変調率の下限値は、インバータ回路100およびマイクロコンピュータ100に固有の値であり、経験的に決定されるものである。なお、その決定方法によれば、予めスターリング冷凍機40が駆動している状態で、ピストン1のストロークXpが測定され、ストロークXpが正確に得られるときの変調率の値が、変調率の下限値として規定される。つまり、前述の変調率の下限値は、予め実験によって得られた値であって、パルス電流を正確に検出することが可能な変調率の実質的な最低値である。また、本実施の形態のインバータ回路100およびマイクロコンピュータ1000における標準キャリア周波数の制御が実行されるときのストロークXpが検知され得る変調率の下限値が仮にM(%)であるとすると、低キャリア周波数の制御が実行されるときのストロークXpが検知され得る変調率の下限値は、標準キャリア周波数の制御が実行されるときのストロークXpが検知され得る変調率の下限値の半分の値であるM/2(%)である。したがって、変調率(パルス幅Ta/キャリア周期Tc)が同一であれば、リニアモータ13に印加される交流電圧のピーク電圧Vpeakを小さくすることができる。言い換えれば、ピーク電圧Vpeakが同一であれば、変調率が同一であっても、パルス幅を大きくすることができる。そのため、図10に示す低キャリア周波数の制御によれば、図9に示す標準キャリア周波数の制御に比較して、ピストン1のストロークXpを大きせずに、パルス幅Taを大きくすることができる。したがって、リニアモータ13に印加される電圧が小さい場合にも、ストロークXpの検知を正確に行なうことができる。そのため、ピストン1とディスプレーサ2との衝突を防止することができる確率がより高くなる。
また、本実施の形態においては、図11に示すように、スターリング冷凍機40の負荷が大きいまたは小さいか、すなわち、ストローク指令値出力部101が決定したストローク指令値が、ストローク算出部104が算出した実際のストロークXp以下であるか否かを基準として、PWMの変調率を下げたり上げたりして、すなわち、ピストン1のストロークXpを小さくしたり大きくしたりして、ピストン1とディスプレーサ2との衝突の防止を図っている。
なお、スターリング冷凍機40の負荷が小さいときには、圧縮空間9が低温低圧状態になっており、リニアモータ13に印加される電圧が小さい場合においても、ストロークXpが大きくなりがちである。このような場合には、スターリング冷凍機40の運転が開始された直後に、変調率がストロークXpの検知が実行され得る下限値に達する前に、ピストン1とディスプレーサ2とが衝突するような不具合が発生し易い。
以下、図11を用いて、本実施の形態のキャリア周波数変更制御を説明する。
本実施の形態のキャリア周波数変更制御においては、まず、ステップS1において、マイクロコンピュータ1000に、スターリング冷凍機40を起動するための制御指令が入力されたか否かが判別される。スターリング冷凍機40を起動するための制御指令の入力は、ユーザによって行なわれる。
ステップS1において、スターリング冷凍機40の起動制御指令の入力がなければ、ステップS1を繰返す。一方、ステップS1において、スターリング冷凍機40を起動するための制御指令の入力があれば、S2において、キャリア周波数が標準値の半分の値に設定される。次に、ステップS3において、インバータ制御が開始される。また、インバータ制御が開始された後においては、PWM制御の変調率がゼロからM/2(%)まで除々に増加される。その後、ステップS4において、ストロークXpの検知が開始される。
次に、ストローク算出部104が算出したピストン1の実際のストロークXpがストローク指令値出力部101からストローク制御部102へ出力されてきたストローク指令値以下の値であるか否かが判別される。S5において、実際のストロークXpがストローク指令値以下の値であれば、S6において、変調率の値が増加される。つまり、マイクロコンピュータ1000は、ピストン1の実際のストロークXpが目標ストロークよりも大きくはなっていないため、ピストン1の実際のストロークXpを大きくすることに問題はないと判断している。
一方、S5において、実際のストロークXpがストローク指令値よりも大きければ、ステップS7において、電圧変調率がM/2以下であるか否かが判別される。S7において、電圧変調率がM/2以下であれば、再度、ステップS5のステップが実行される。一方、ステップS7において、電圧変調率がM/2以下でなければ、ステップS8において、電圧変調率が低減される。つまり、マイクロコンピュータ1000は、ピストン1のストロークXpが目標ストロークよりも大きくなっているため、ピストン1のストロークXpを小さくしなければならないと判断している。
また、ステップS6およびS8のいずれかの処理が実行された後には、ステップS9において、電圧変調率がM+α(%)以上であるか否かが判別される。ステップS9において、電圧変調率がM+α(%)以上でなければ、ステップS5の処理が再度実行される。
一方、ステップS9において、電圧変調率がM+α(%)以上であれば、ステップS10において、低キャリア周波数から標準キャリア周波数への切換が行なわれる。
なお、この切換は、低キャリア周波数から標準キャリア周波数へ一気に切り換えるものであってもよいが、低キャリア周波数から標準キャリア周波数へ徐々にキャリア周波数が大きくなるような切換であってもよい。また、αは、前述の切り換えが頻繁に生じないようにするためのヒステリシス幅である。
次に、ステップS11において、ピストン1の実際のストロークXpがストローク指令値以下の値であるか否かが判別される。ステップS11において、ストロークXpがストローク指令値以下の値であれば、ステップS12において、PWMの変調率が増加される。一方、ステップS11において、ストロークXpがストローク指令値以下の値でなければ、ステップS13において、PWMの変調率が低下される。
次に、ステップS12およびS13のいずれが終了した場合にも、ステップS14において、電圧変調率がM(%)以下であるか否かが判別される。ステップS14において、電圧変調率がM(%)以下でなければ、ステップ11の処理が再度実行される。一方、ステップS14において、電圧変調率がM(%)以下の値であれば、S15において、キャリア周波数が、標準キャリア周波数から低キャリア周波数へ切り換えられる。
なお、このキャリア周波数の切換も、標準キャリア周波数から低キャリア周波数へ一気に切り換えるものであっても、また、標準キャリア周波数から低キャリア周波数へ徐々にキャリア周波数が小さくなるような切換であってもよい。
その後、S5の処理が再度行なわれる。なお、S5〜S15までの処理が繰返される間に、スターリング冷凍機40の駆動を停止させる信号の入力があれば、次に、スターリング冷凍機を起動するための信号の入力があるまで、ステップS1の処理が繰返される。
図11に示すキャリア周波数変更制御によれば、図12に示すような出力電圧の実効値とPWMの変調率との関係が得られる。
図12に示すように、スターリング冷凍機40が起動されたときには、変調率はゼロからM/2まで徐々に増加する。このとき、マイクロコンピュータ1000は、変調率がM/2になるまではストロークXpの検知を行なうことができない。
その後、変調率がM/2より大きくなれば、ストロークXpの検知が開始される。
次に、変調率がM/2からMまで増加する。ただし、変調率M/2から変調率Mまでの間で変動するときには、スターリング冷凍機40の負荷の増減およびストロークXpの指令値に応じて、変調率が増加したり低下したりする。
その後、変調率がM+αになれば、低キャリア周波数のPWM制御から標準キャリア周波数のPWM制御への切換のための処理が実行される。その後、変調率がM以上であれば、標準キャリア周波数でのPWM制御が継続される。
しかしながら、スターリング冷凍機40の負荷が大きくなり、すなわち、圧縮空間9の圧力が高くなっている場合には、ストローク検知によって得られた実際のストロークXpがストローク指令値よりも小さくなれば、変調率が徐々に低下するような制御が実行される。変調率が、M以下の値になれば、標準キャリア周波数のPWM制御から低キャリア周波数のPWM制御へ切り換るための処理が実行される。
従来においては、スターリング冷凍機40の負荷が小さくなり、それにより変調率がM以下の値になり、さらにストローク検知によって得られた実際のストロークXpがストローク指令値よりも大きい場合には、ストロークXpを検知することができなくなる。したがって、ピストン1とディスプレーサ2との衝突を防止するためには、スターリング冷凍機40の運転を停止するしかない。
また、スターリング冷凍機40が起動した直後においては、変調率が0からMまで無条件で増加する。このときに、特にスターリング冷凍機40の負荷が小さい場合には、ピストン1とディスプレーサ2とが衝突する危険性がある。
一方、本実施の形態のリニアモータ制御システムによれば、標準キャリア周波数の制御が実行されているときにスターリング冷凍機40の負荷が小さくなり、それにより変調率がM以下の値になった場合には、キャリア周波数を低くすることによって、変調率がM/2まで下げられる。そのため、スターリング冷凍機40を停止しなければならない状態の発生率が低下する。また、スターリング冷凍機40が起動したときに、予めキャリア周波数が低く設定されていれば、無条件で増加させることができる変調率をMからM/2まで減少させることによって、スターリング冷凍機40の負荷が小さい場合におけるピストン1とディスプレーサ2との衝突を防止することができる。
また、本実施の形態のキャリア周波数変更制御は、図13に示すようなキャリア周波数変更制御であってもよい。
図13に示すキャリア周波数変更制御は、図11に示すキャリア周波数変更制御とほぼ同様である。ただし、図13に示すキャリア周波数変更制御においては、ステップS9a〜ステップS10aおよびステップS14a〜ステップS15aの処理が、図11に示すキャリア周波数変更制御の処理とは異なっている。
図13に示すキャリア周波数変更制御においては、ステップ9aにおいて、現在の変調率(m)の値が記憶され、リニアモータ13への電圧の印加が停止される。すなわち、その時点でのPWMの変調率の値が記憶されるとともに、スターリング冷凍機40の運転が一旦停止される。それにより、ピストン1の動作が一旦停止する。次に、S10において、低キャリア周波数から標準キャリア周波数へ制御状態が変更される。その後、S10aにおいて、ピストン1の動作が開始される。つまり、スターリング冷凍機40の運転が開始される。このとき、変調率は、ゼロからmまで除々に増加される。
また、ステップS14aにおいては、現在の変調率(m)の値が記憶され、リニアモータ13への電圧の印加が停止される。すなわち、現在の変調率の値が記憶されるとともに、PWM制御が停止される。それにより、ピストン1の動作が停止する。次に、S15において、低キャリア周波数でスターリング冷凍機の運転が開始される。次に、S15aにおいて、変調率がゼロからmまで増加される。
上記のように、図13に示すキャリア周波数変調制御によれば、キャリア周波数を変更するときに、一旦スターリング冷凍機40が停止される。したがって、標準キャリア周波数のPWM制御と低キャリア周波数のPWM制御との切換のときに、ピストン1の動作に不具合が生じてスターリング冷凍機40が損傷するような事態の発生が防止される。
なお、図13に示すキャリア周波数変更制御における出力電圧の実効値と変調率との関係が図14および図15に示されている。図14は、変調率が増加しているときの、出力電圧の実効値と変調率との関係を示している。図15は、変調率が低下しているときの、出力電圧の実効値と変調率の関係を示している。
図14に示すように、スターリング冷凍機40が起動されたときには、変調率はゼロからM/2まで徐々に増加する。このとき、マイクロコンピュータ1000は、変調率がM/2になるまではストロークXpの検知を行なうことができない。その後、変調率がM/2より大きくなれば、ストロークXpの検知が開始される。
次に、変調率がM/2からMまで増加する。ただし、変調率M/2から変調率Mまでの値においては、スターリング冷凍機40の負荷の増減次第で、変調率が増加したり低下したりする。その後、変調率がM+αになれば、マイクロコンピュータ1000は、変調率mの値を記憶し、スターリング冷凍機40の動作を停止し、低キャリア周波数のPWM制御から標準キャリア周波数のPWM制御への切換のための処理が実行される。その後、スターリング冷凍機40の運転が開始され、変調率がゼロからmまで除々に増加される。その後、ストローク検知によって得られた実際のストロークXpとストローク指令値との比較結果に基づいて、変調率が、増加されたり、低下されたりする。
一方、図15に示すように、マイクロコンピュータ1000は、変調率が低下して、M以下の値になれば、そのときの変調率mの値を記憶し、スターリング冷凍機40の運転を停止させ、変調率をゼロにする。また、マイクロコンピュータ1000は、標準キャリア周波数のPWM制御から低キャリア周波数のPWM制御への切り換えを行なう。その後、マイクロコンピュータ1000は、スターリング冷凍機40の運転を開始し、変調率をゼロからmまで除々に増加させる。その後、ストローク検知によって得られた実際のストロークXpとストローク指令値との比較結果に基づいて、変調率が、増加されたり、低下されたりする。
(実施の形態2)
次に、図16〜図25を用いて実施の形態2のリニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍機制御システムを説明する。
本実施の形態のリニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍機制御システムは、実施の形態1のリニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍機制御システムとほぼ同様であるため、以下においては、本実施の形態のリニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍機制御システムと実施の形態1のリニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍機制御システムとの相違点を主に説明する。
図16に示すように、本実施の形態のスターリング冷凍機制御システムにおいては、図2において説明されたような倍電圧切換スイッチSWが利用される。倍電圧切換スイッチSWは、図2、図17、および図18に示すように、ダイオード回路D(ダイオードD1,D2,D3,D4)のうちのダイオードD3とダイオードD4との間のノードとコンデンサCとコンデンサCCとの間のノードとに接続されている。また、図16に示すように、ストローク制御部102は、倍電圧切換スイッチSWに対してON/OFF切換信号を送信し、倍電圧をインバータ回路100に与えるかまたは倍電圧の半分の電圧をインバータ回路100に与えるかを切り換えることが可能である。
なお、図17および図18においては、それぞれ、倍電圧切換スイッチSWがONの状態および倍電圧切換スイッチSWがOFFの状態が示されている。また、倍電圧切換スイッチがONの状態のPWMのパルス波形および交流電圧波形、ならびに、倍電圧切換スイッチSWがOFFの場合のPWMのパルス波形および交流電圧波形が、それぞれ、図19および図20に示されている。
図19と図20との対比から分かるように、倍電圧切換スイッチSWがオンの状態においてインバータ回路100に供給される直流電圧Vdcは、倍電圧切換スイッチSWがオフの状態においてインバータ回路100に供給される直流電圧1/2Vdcの2倍である。したがって、倍電圧切換スイッチSWがオフの状態においては、変調率が同一であれば、リニアモータ13に印加される電圧は、倍電圧切換スイッチSWがオンの状態においてリニアモータ13に印加されている電圧の半分になる。言い換えれば、倍電圧切換スイッチSWがオフの状態においては、変調率が倍電圧切換スイッチがオンのときの変調率の2倍であれば、リニアモータ13に印加される電圧は、倍電圧切換スイッチがオンのときにリニアモータ13に印加される電圧とほぼ同一であり、倍電圧切換スイッチがオンのときのストロークと同一のストロークでピストン1が往復する運転状態が維持される。
上記の本実施の形態においては、キャリア周波数が変化せず、かつ、前述したストロークXpが検され得る変調率の下限値は、倍電圧切換スイッチSWがオンであるかオフであるかにかかわらず一定値(同一)である。したがって、リニアモータ13に印加される最低電圧に関しては、倍電圧切換スイッチSWがオフであるときにストロークXpの検知のために必要な電圧値は、倍電圧切換スイッチがオンのときにストロークXpの検知のために必要な電圧値の半分である。その結果、リニアモータ13に印加されている電圧が小さい期間においても、適正なストローク検知が行なわれ得る。
次に、図21を用いて、本実施の形態のスターリング冷凍機の制御方法における倍電圧切換制御が説明される。なお、本実施の形態のストロークXpが検され得る変調率の下限値は、実施の形態1のそれと同様に、M(%)であるとされる。Mの決定方法は、前述と同様に、予め実行される実験において、スターリング冷凍機40が駆動されている状態で、ピストン1のストロークXpが測定され、ストロークXpが正確に得られるときの変調率の値として規定される。つまり、変調率の下限値は、予め実験によって得られた値であって、パルス電流を正確に検出することが可能な変調率の実質的な最低値である。
図21に示すように、倍電圧切換制御においては、まず、ステップS101において、スターリング冷凍機40を駆動させるための制御信号がマイクロコンピュータ1000に入力されたか否かが判別される。
ステップS101において、スターリング冷凍機40を起動させるための制御信号がマイクロコンピュータ1000に入力されていなければ、ステップS101の処理を繰返す。一方、ステップS101において、スターリング冷凍機40を起動するための制御信号がマイクロコンピュータ1000に入力されていれば、ステップS102において、倍電圧切換スイッチSWをオフにする制御が実行される。
次に、ステップS103において、インバータ制御が開始され、PWMの変調率がM(%)まで増加される。次に、ステップS104において、ピストン1の実際のストロークXpの検知が開始される。
次に、ステップS105において、ストロークXpがストローク指令値以下の値であるか否かが判別される。ステップS105において、実際のストロークXpがストローク指令値以下の値であれば、ステップS106において、変調率が増加される。一方、ステップS105において、ストロークXpがストローク指令値以下の値でなければ、ステップS107において、変調率がM以下の値か否かが判別される。
ステップS107において、変調率がM以下の値であれば、ステップS105の処理が繰返される。一方、ステップS107において、PWMの変調率がM以上の値であれば、電圧変調率が低下される。
要するに、ステップ105〜ステップ108においては、ピストン1の実際のストロークXpがストローク指令値よりも大きくなってピストン1とディスプレーサ2とが衝突することを防止するために、マイクロコンピュータ1000は、ストローク指令値出力部101が出力しているストローク指令値と実際のストロークXpの値との比較結果から、変調率を増加させたり低下させたりしている。
また、ステップS106およびS108のいずれが終了した後にも、ステップS109の処理が実行される。ステップS109においては、変調率が2M+α(%)以上であるか否かが判別される。ステップS109において、変調率が2M+α(%)以上でなければ、ステップS105の処理が実行される。なお、αは、制御の切り換えが頻繁に生じないためのヒステリシス幅である。
一方、ステップS109において、変調率が2M+α(%)以上であれば、ステップS110において、変調率は、現在の値の1/2の値に変更され、倍電圧切換スイッチSWがオンに設定される。その後、ステップS111の処理が行なわれる。
ステップS111においては、ストロークXpがストローク指令値以下の値であるか否かが判別される。ステップS111において、ストロークXpがストローク指令値以下の値であれば、ステップS112において、変調率が増加される。一方、ステップS111において、ストロークXpがストローク指令値以下の値でなければ、ステップS113において、変調率が低下される。
要するに、ステップ111〜ステップ113においても、ピストン1の実際のストロークXpがストローク指令値よりも大きくなってピストン1とディスプレーサ2とが衝突することを防止するために、マイクロコンピュータ1000は、ストローク指令値出力部101が出力しているストローク指令値と実際のストロークXpの値との比較結果から、変調率を増加させたり低下させたりしている。
ステップS112およびS113のいずれが終了した後においても、ステップS114において、変調率がM(%)以下であるか否かが判別される。ステップS114において、変調率がM(%)以下でなければ、ステップS111の処理が再度行なわれる。ステップS114において、変調率がM(%)以下の値であれば、ステップS115において、変調率は、現在の変調率の2倍の値に変更され、倍電圧切換スイッチSWがオフに設定される。その後、S105の処理が実行される。なお、ステップS105〜S115が実行されているときに、スターリング冷凍機40の停止指令信号がマイクロコンピュータ1000に入力された場合には、スターリング冷凍機40の運転開始指令信号の入力があるまで、ステップS101の処理が繰返される。
図21に示される倍電圧切換制御が実行された場合の出力電圧の実効値と変調率の関係が図22に示されている。図22に示すように、本実施の形態のリニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍機制御システムの制御方法におけるPWM制御においては、まず、変調率がゼロからMまで変更される。
変調率がゼロからMまでの間の期間はストロークXpを検知することができない期間である。その後、変調率がMになると、ストロークXpの検知が開始される。次に、ストローク検知が行なわれている状態で、変調率がMから2M+αまで増加される。ただし、変調率がMから2M+αまでの間においては、スターリング冷凍機40の負荷が大きくなれば変調率は徐々に大きくなるが、スターリング冷凍機40の負荷が小さくなれば変調率は徐々に小さくなる。
その後、変調率が2M+αになれば、倍電圧切換スイッチSWがオンに設定される。これにより、出力電圧の実効値と変調率との関係は、倍電圧切換スイッチ(SW)OFF時の変調率−出力電圧特性で示すラインから倍電圧切換スイッチ(SW)ON時の変調率−出力電圧特性で示すラインへ変化する。また、このとき、倍電圧切換スイッチSWのONとともに、変調率が(2M+α)/2まで下げられる。その後、変調率が(2M+α)/2から徐々に増加される。
前述の状態において、スターリング冷凍機40の負荷が小さくなり、変調率を下げる必要がある場合には、徐々に変調率がMまで低下する。その後、変調率がMに達した場合には、倍電圧切換スイッチSWがOFFに設定される。それとともに、変調率は2Mまで増加される。これにより、出力電圧の実効値と変調率との関係は、倍電圧切換スイッチ(SW)ON時の変調率−出力電圧特性で示すラインから倍電圧切換スイッチ(SW)OFF時の変調率−出力電圧特性で示すラインへ変化する。その後、スターリング冷凍機40の負荷が大きくなれば、変調率が徐々に大きくなり、スターリング冷凍機40の負荷が小さくなれば、変調率は徐々に小さくなる。
上記本実施の形態の倍電圧切換制御によれば、スターリング冷凍機40の負荷が小さく、リニアモータ13に印加されている電圧が小さい期間においては、倍電圧切換スイッチSWがオフに設定されると同時に変調率が2倍に設定される。それにより、リニアモータ13に印加される電圧は、倍電圧切換スイッチSWの切替の前後で、ほぼ同一の値に維持される。したがって、ピストン1のストロークを維持しながら、PWMのパルスの幅を大きくすることができる。その結果、さらにスターリング冷凍機40の負荷が小さくなりかつ変調率が小さくなっても、適正なストローク検知が行なわれ得る。
また、スターリング冷凍機40が起動されるときに無条件で変調率がMまで増加される前に、予め倍電圧切換スイッチSWがオフに設定されれば、無条件で増加させるリニアモータ13に印加される電圧が倍電圧切換スイッチSWがオフのときに無条件で増加させるリニアモータ13に印加される電圧の半分に低減される。そのため、スターリング冷凍機40の負荷が小さい場合において、ピストン1とディスプレーサ2とが衝突してしまうという不具合の発生を回避することができる。
また、本実施の形態のスターリング冷凍機の制御方法における倍電圧切換制御は、図23に示されるようなものであってもよい。図23に示される倍電圧切換制御は、図21に示す倍電圧制御と、ステップS100a〜S110cおよびS115a〜S115cまでの処理において異なっている。
図23に示す倍電圧切換制御においては、ステップ110aにおいて、現在の変調率(m)の値が記憶され、リニアモータ13への電圧の印加が停止される。すなわち、その時点でのPWMの変調率の値が記憶されるとともに、スターリング冷凍機40の運転が一旦停止される。それにより、ピストン1の動作が一旦停止する。次に、S110bにおいて、倍電圧切換スイッチSWがオフの状態から倍電圧切換スイッチSWがオンの状態へ切り換えられる。その後、スターリング冷凍機40の運転が開始された後、変調率は、ゼロからm/2まで除々に増加される。
また、ステップS115aにおいては、現在の変調率(m)の値が記憶され、リニアモータ13への電圧の印加が停止される。すなわち、現在の変調率の値が記憶されるとともに、PWM制御が停止される。それにより、ピストン1の動作が停止する。次に、S115bにおいて、倍電圧切換スイッチSWがオフの状態から倍電圧切換スイッチSWがオンの状態へ切り換えられる。次に、S115cにおいて、スターリング冷凍機40の運転が開始された後、変調率がゼロからm/2まで除々に増加される。
図23に示す倍電圧切換制御によれば、図24および図25に示すような出力電圧の実効値と変調率の関係が得られる。つまり、図23に示す倍電圧切換制御においては、倍電圧切換スイッチSWがONからOFFへおよび倍電圧切換スイッチSWがOFFからONへ切り換えられるときに、スターリング冷凍機40が一旦停止される。そのため、倍電圧切換スイッチSWの切り換えられるときには、一旦変調率がゼロに設定される。
このような図23〜図25に示されるような倍電圧切換制御によれば、倍電圧切換スイッチSWの切換時にスターリング冷凍機40のピストン1の動作が不連続になることが防止される。
なお、図24は、変調率が増加しているときの出力電圧の実効値と変調率の関係を示しており、図25は、変調率が低下しているときの出力電圧の実行値と変調率の関係を示している。
図24に示すように、スターリング冷凍機40が起動されたときには、変調率はゼロからMまで徐々に増加する。このとき、マイクロコンピュータ1000は、変調率がMになるまではストロークXpの検知を行なうことができない。その後、変調率がMより大きくなれば、ストロークXpの検知が開始される。
次に、変調率がMから2M+αまで増加する。ただし、変調率Mから変調率2M+αまでの期間においては、スターリング冷凍機40の負荷の増減に応じて、変調率が増加したり低下したりする。その後、変調率が2M+αになれば、マイクロコンピュータ1000は、変調率mの値を記憶し、スターリング冷凍機40の動作を停止し、倍電圧切換スイッチSWがオフの状態から倍電圧切換スイッチSWがオンの状態への切換のための処理を実行する。その後、スターリング冷凍機40の運転が開始され、変調率がゼロからm/2まで除々に増加される。その後、ストローク検知によって得られた実際のストロークXpとストローク指令値との比較結果に基づいて、変調率が、増加されたり、低下されたりする。
一方、図25に示すように、マイクロコンピュータ1000は、変調率が低下して、M以下の値になれば、そのときの変調率m/2の値を記憶し、スターリング冷凍機40の運転を停止させ、変調率をゼロにする。また、マイクロコンピュータ1000は、倍電圧切換スイッチSWがオンの状態から倍電圧切換スイッチSWがオフの状態への切り換えを行なう。その後、変調率がMから2Mまでの期間においては、マイクロコンピュータ1000は、スターリング冷凍機40の運転を開始し、変調率をゼロからmまで除々に増加させる。その後、ストローク検知によって得られた実際のストロークXpとストローク指令値との比較結果に基づいて、変調率が、増加されたり、低下されたりする。
なお、本実施の形態においては、インバータ回路100に与えられる直流電圧の値を変更し得る電圧変更回路として、倍電圧回路Bが用いられているが、電圧変更回路は、たとえば、PAM(Pulse Amplitude Modulation)回路などいかなる回路であってもよい。要するに、電圧変更回路は、マイクロコンピュータ1000の指令によってインバータ回路100に与える直流電圧の値を変更し得る回路であれば、いかなる回路であってもよい。
(実施の形態3)
次に、図26〜図31を用いて実施の形態3のリニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍機制御システムを説明する。本実施の形態のリニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍機制御システムは、図26に示すように、ストローク制御部102が、倍電圧切換スイッチSWの切換のための制御を実行するとともに、キャリア周波数の変更のための制御を実行する。
つまり、本実施の形態のリニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍システムは、実施の形態1のリニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍システムの特徴と実施の形態2のリニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍機制御システムの特徴とを組合せたものである。
本実施の形態におけるキャリア周波数倍電圧切換制御においては、図27に示すように、まず、ステップS301において、スターリング冷凍機40を起動するための入力があったか否かが判別される。S301において、スターリング冷凍機40を起動するための制御信号がマイクロコンピュータ1000に入力されていなければ、ステップS301のステップが繰返される。一方、ステップS301において、スターリング冷凍機40を起動するための指令の入力があれば、ステップS302において、標準キャリア周波数の制御から低キャリア周波数の制御へ制御状態を変更するための制御が実行されるとともに、倍電圧切換スイッチをオフに設定するための制御が実行される。
次に、ステップS303において、インバータ制御が開始され、PWMの変調率がM/2(%)まで増加される。次に、ステップS304において、ストロークXpの検知が開始される。その後、ステップS305において、ストロークXpがストローク指令値以下の値であるか否かが判別される。S305において、ストロークXpがストローク指令値よりも小さければ、ステップS306において、変調率が増加される。
一方、ステップS305において、ストロークXpがストローク指令値以下の値でなければ、ステップS307において、変調率がM/2以下であるか否かが判別される。ステップS307において、電圧変調率がM/2以下であれば、ステップS305の処理が再度行なわれる。
一方、S307において、電圧変調率がM/2以下でなければ、ステップS308において、PWMの変調率が低下される。ステップS306および308のいずれが終了した後においても、ステップS309が実行される。
ステップS309においては、変調率が2M+α(%)以上であるか否かが判別される。ステップS309において、変調率が2M+α(%)以上でなければ、ステップS305の処理が実行される。一方、S309において、電圧変調率が2M+α(%)以上であれば、ステップS310において、低キャリア周波数かつ倍電圧切換スイッチ(SW)OFFの状態から標準キャリア周波数かつ倍電圧切換スイッチ(SW)ONの状態へ制御状態が切り換えられる。このとき、倍電圧切換スイッチSWのオンとともに、変調率が(2M+α)/2まで下げられる。
その後、ステップS311の処理が行なわれる。ステップS311においては、ストロークXpがストローク指令値以下であるか否かが判別される。ステップS311において、ストロークXpがストローク指令値以下の値であれば、ステップS312において、変調率が増加される。一方、ステップS311において、ストロークXpがストローク指令値以下の値でなければ、ステップS313において、変調率が低下される。ステップS312およびステップS313のいずれが終了した後においても、ステップS314において、変調率がM(%)以下の値であるか否かが判別される。
ステップS314において、電圧変調率がM(%)以下でなければ、ステップS311の処理が行なわれる。一方、ステップS314において、変調率がM(%)以下であれば、ステップS315において、標準キャリア周波数かつ倍電圧切換スイッチ(SW)ONの状態から低キャリア周波数かつ倍電圧切換スイッチ(SW)OFFの状態へ制御状態が切り換えられる。このとき、倍電圧切換スイッチSWのOFFとともに、変調率が2Mまで増加される。
なお、図28に示すキャリア周波数倍電圧切換制御が行なわれた場合には、図28に示すような出力電圧の実効値と変調率の関係が得られる。
図28に示すように、変調率がゼロからM/2までの期間は、ストローク検知を適正に行なうことができない。したがって、変調率がゼロからM/2まで増加された後、ストロークXpの検知が開始される。このとき、マイクロコンピュータ1000は、低キャリア周波数かつ倍電圧切換スイッチ(SW)OFFの制御を実行している。
その後、さらに、変調率が増加して2M+αを超えれば、マイクロコンピュータ1000は、標準キャリア周波数かつ倍電圧切換スイッチ(SW)ONの制御を実行する。このとき、倍電圧切換スイッチSWがオンとともに、変調率が(2M+α)/2まで下げられる。これにより、出力電圧の実効値と変調率との関係は、倍電圧切換スイッチ(SW)OFF時の変調率−出力電圧特性で示すラインから倍電圧切換スイッチ(SW)ON時の変調率−出力電圧特性で示すラインへ変化する。
一方、標準キャリア周波数かつ倍電圧切換スイッチ(SW)ONの状態において、変調率がMまで減少すると、マイクロコンピュータ1000は、低キャリア周波数かつ倍電圧切換スイッチ(SW)OFFの制御を実行する。また、倍電圧切換スイッチSWがOFFされるとともに、変調率が2Mまで増加される。これにより、出力電圧の実効値と変調率との関係は、倍電圧切換スイッチ(SW)ON時の変調率−出力電圧特性で示すラインから倍電圧切換スイッチ(SW)OFF時の変調率−出力電圧特性で示すラインへ変化する。
なお、本実施の形態においても、実施の形態1および2と同様に、ストローク検知が実行されている期間においては、ストローク検知によって得られた実際のストロークXpとストローク指令値との比較結果に基づいて、変調率が、増加されたり、低下されたりする。
また、本実施の形態のキャリア周波数倍電圧切換制御は、図29に示すようなものであってもよい。図29に示すキャリア周波数倍電圧切換制御においては、ステップS309a〜ステップS310aまでの処理およびステップS314a〜ステップS315aの処理が図27に示すキャリア周波数倍電圧切換制御と異なっている。
ステップS309aにおいては、現在の変調率(m)が記録されるとともに、電圧の印加が停止される、すなわち、スターリング冷凍機40が停止される。次に、ステップS310において、低キャリア周波数かつ倍電圧切換スイッチ(SW)OFFの状態から標準キャリア数かつ倍電圧切換スイッチ(SW)ONの状態への切換が実行される。その後、ステップS310aにおいて、スターリング冷凍機40の運転が開始されるとともに、変調率がm/2まで増加される。その後、ステップS311の処理が実行される。
また、ステップS314aにおいて、現在の変調率mが記憶され、電圧印加が停止される。すなわち、スターリング冷凍機40が停止される。その後、ステップ315において、標準キャリア数かつ倍電圧切換スイッチ(SW)ONの状態から低キャリア周波数かつ倍電圧切換スイッチ(SW)OFFの状態へ制御状態が切り換えられる。その後、S315aにおいて、スターリング冷凍機40の運転が開始された後、変調率が2×mまで増加される。その後、ステップS305の処理が実行される。図29に示すキャリア周波数倍電圧切換制御が実行された場合には、図30に示すような出力電圧の実効値と変調率の関係になる。なお、変調率が低下するときには、図31に示すような出力電圧の実効値と変調率の関係が得られる。
(実施の形態4)
次に、図32〜図41を用いて、本発明の実施の形態のリニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍機制御システムを説明する。本実施の形態のリニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍機制御システムは、実施の形態1〜3のリニアモータ制御システムおよびスターリング冷凍機制御システムと次に説明するストローク検知の手法のみが異なる。
本実施の形態のリニアモータ制御システムにおいては、リニアモータの回路変数(電圧および電流等)がすべて正弦波と見なされ、リニアモータに生じる誘導電圧が1周期間の実効値単位で算出される。この方法によれば、簡単な処理によって、かつ、高い精度で、可動子のストロークを算出することが可能になる。以下、本実施の形態のリニアモータ制御システムを具体的に説明する。
まず、図32〜図34を用いて、本発明のリニアモータ制御システムの構成を説明する。なお、図32は、リニアモータ駆動回路の構成を示している。図32において、i(t)はリニアモータに流れるモータ電流を示す関数であり、v(t)はリニアモータに印加されるモータ電圧を示す関数であり、e(t)は可動子の往復運動によって生じる誘起電圧(逆起電力)を示す関数であり、Rはリニアモータの巻線抵抗値を示す定数であり、Lはリニアモータのインダクタンスを示す定数である。なお、tは時間を示す変数である。
図32に示される回路を一般的な式で示すと、次の式(3)のようになる。
Figure 2008005633
さらに、誘起電圧e(t)は、リニアモータの磁気特性および駆動回路に依存した誘起電圧係数α(推力係数)と可動子(ピストン)の速度vp(t)との関数で表され、次の式(4)のようになる。
Figure 2008005633
図33は、リニアモータに実効値Vかつ角速度ωの正弦波のモータ電圧V(t)が印加された場合における、モータ電流i(t)、モータ電圧v(t)、および誘起電圧e(t)のそれぞれの瞬時値の一周期の変化の様子を示している。
図33に示されるように、仮に、リニアモータの可動子が、理想的な正弦波で表わされる運動すなわち単振動をしており、かつ、モータ電圧v(t)の角速度ωと同じ角速度を有しており、また、誘起電圧係数αの値が可動子の位置に関係なく一定値であれば、電流i(t)も、理想的な正弦波であり、モータ電圧v(t)の角速度ωと同じ角速度を有している。
また、モータ電流の実効値がIであり、モータ電圧の実効値がVであり、かつ誘起電圧の実効値がEであるものとすると、モータ電流i(t)、モータ電圧v(t)、および誘起電圧e(t)のそれぞれの瞬時値は、電流i(t)の位相を基準にして、次の式(5)〜式(7)で表わされる。
Figure 2008005633
Figure 2008005633
なお、式(6)において、θは、モータ電流i(t)とモータ電圧v(t)との間の位相差である。
Figure 2008005633
なお、式(7)において、θ2は、モータ電流i(t)と誘起電圧e(t)との間の位
相差である。
また、式(3)のコイルの誘導電圧L・di(t)/dtの項は、次の式(8)で表わされる。
Figure 2008005633
前述の事項を、交流量のベクトル表記方法に従って図示すると、図34のようになる。
したがって、モータ電圧の実効値V、角速度ω、モータ電流の実効値I、位相差θを得ることができれば、次の式(9)および式(10)を用いて、誘起電圧の実効値E、および位相差θ2を算出することができる。
Figure 2008005633
Figure 2008005633
なお、モータ電流の実効値Iおよびモータ電圧の実効値Vは、次の式(11)および式(12)で表わされる。
Figure 2008005633
なお、式(11)において、i(1),i(2),…i(n-1),i(n)のそれぞ
れは、モータ電流i(t)の瞬時値である。nは自然数である。また、モータ電流i(t)の瞬時値のサンプリング周期は、PWMのキャリア周期に一致している。
Figure 2008005633
なお、式(12)において、v(1),v(2),…v(n-1),v(n)のそれぞ
れは、モータ電圧v(t)の瞬時値である。nは自然数である。また、モータ電圧v(t)の瞬時値のサンプリング周期は、PWMのキャリア周期に一致している。
また、リニアモータの可動子の速度vp(t)は、式(4)に式(7)を代入して、整理すると、
Figure 2008005633
となる。
式(13)の両辺を時間積分すると、可動子の位置Xpが次の式(14)で表される。
Figure 2008005633
なお、式(14)において、Xp0は、可動子の1周期におけるニュートラル位置の値、すなわち、ストロークの中心位置の値である。
したがって、ニュートラル位置Xp0とニュートラル位置Xp0から最も離れた位置との間の距離Xpmaxは、次の式(15)によって表わされる。
Figure 2008005633
なお、距離Xpmaxは、可動子の振幅に相当するため、可動子のストロークSTは、距離Xpmaxの2倍の値、すなわち2Xpmaxである。
以上より、モータ電圧の実効値V、角速度ω、モータ電流の実効値I、モータ電流i(t)とモータ電圧v(t)との位相差θのそれぞれの値が得られれば、前述の計算式を用いて、リニアモータのストロークSTを正確に算出することができる。
次に、前述のリニアモータ駆動回路の変数のそれぞれの取得方法を説明する。
モータ電圧v(t)およびモータ電流i(t)の角速度ωは、マイクロコンピュータがインバータ回路に送信する制御指令に対応しているため、マイクロコンピュータは、常時、角速度ωを把握することは可能である。
また、モータ電流の実効値Iおよびモータ電圧の実効値Vは、次のように検出される。まず、所定のサンプリング周期で、マイクロコンピュータのAD(Analog to Digital)
変換機能を利用して、モータ電圧v(t)およびモータ電流i(t)のそれぞれの瞬時値を測定する。次に、前述の式(11)を用いて、1周期におけるモータ電流i(t)の全
瞬時値の2乗平均値の平方根すなわちモータ電流の実効値Iを算出する。また、前述の式(12)を用いて、1周期におけるモータ電圧v(t)の全瞬時値の2乗平均値の平方根すなわちモータ電圧の実効値Vを算出する。なお、モータ電流i(t)およびモータ電圧v(t)のそれぞれが正弦波であるという仮定の下に、1周期分のモータ電流i(t)の最大値および最小値、ならびに、1周期分のモータ電圧v(t)の最大値および最小値を取得し、それらの値を用いて、モータ電流の実効値Iおよびモータ電圧の実効値Vを算出すれば、より計算が簡単になる。
また、前述の位相差θの検出においては、まず、モータ電流i(t)およびモータ電圧v(t)のそれぞれの瞬時値を利用して、モータ電流i(t)およびモータ電圧v(t)のそれぞれのゼロクロスポイントの位相を把握する。次に、モータ電流i(t)およびモータ電圧v(t)のゼロクロスポイント同士の位相差を算出する。この位相差をモータ電流i(t)とモータ電圧v(t)との間の位相差θとする。
また、前述の本実施の形態のリニアモータにおいても、従来のリニアモータと同様に、その磁気飽和の影響によって、誘起電圧係数αが低下する。したがって、この問題を解決するために、本実施の形態のリニアモータにおいては、磁気の強さ(1周期間の総磁束数の実効値Φ)を用いて、誘起電圧係数αを補正する処理が実行される。それにより、リニアモータの磁気飽和の影響が除去され、可動子のストロークの算出の精度の低下が防止される。
リニアモータが動作しているときに前述の補正を行なうためには、図35に示すような、磁気の強さ(1周期間の磁束数の実効値Φ)と誘起電圧係数αとの関係を示す相関カーブを示す近似式またはデータテーブルを予め作成しておく必要がある。
そのために、相関カーブを作成するための適切なリニアモータ動作条件(リニアモータへ印加される電圧の大きさおよび周波数、ならびに、負荷条件)で、誘起電圧係数αおよび総磁束数の実効値Φを測定する。
誘起電圧係数αの測定方法は、任意の動作条件(モータ電圧の大きさ、モータ電圧の角速度、および負荷条件)で、外部センサ(レーザ変位計など)により可動子のストロークSTを測定しながら、外部測定器によりモータ電圧の実効値V、モータ電流の実効値Iおよび位相差θを測定する。そして、測定されたストロークST(=2Xpmax)、モータ電圧の実効値V、モータ電流の実効値Iおよび位相差θのそれぞれと、予め把握している巻線抵抗値R、コイルのインダクタンスL、および角速度ωを前述の式(15)に代入し、誘起電圧係数αを算出する。
次に、リニアモータ駆動回路の磁気回路に生じる総磁束数の実効値Φの求め方を説明する。
リニアモータの磁気回路における磁気の強さを表す総磁束数φ(t)の瞬時値は、コイルに電流が流れることによって発生する磁束数φI(t)の瞬時値と、可動子の磁石の往
復運動によって発生する磁束数φmagnet(t)の瞬時値との和によって、次の式(16)のように表わされる。
Figure 2008005633
また、磁束数φI(t)の瞬時値は、次式(17)で表わされる。
Figure 2008005633
この式(17)に式(5)を代入すれば、次の式(18)が得られる。
Figure 2008005633
また、磁束数φmagnet(t)の瞬時値は、次式(19)で示される。
Figure 2008005633
磁束数φmagnet(t)の瞬時値のオフセット値が0であると仮定し、式(19)に式(7)を代入すれば、次の式(20)が得られる。
Figure 2008005633
さらに、交流量のベクトル表記方法によって、総磁束数の実効値Φ、磁束数の実効値ΦIおよび実効値φmagnetを図示すると、図36に示すようなものとなる。
なお、図36に示すベクトル図は、図34に示すベクトル図と同様に、モータ電流の位相を基準として描かれている。
図36において、総磁束数の実効値Φは、コイルに電流が流れることによって発生する磁束数の実効値ΦIと可動子の磁石の往復運動によって発生する磁束数の実効値Φmagnetとのベクトル和であるため、1周期間の総磁束数の実効値Φは、次の式(21)で求められることになる。
Figure 2008005633
以上の計算により、ある1つの条件下での誘起電圧係数αおよび総磁束数の実効値Φのデータが得られる。このようにして、様々な条件下で多数の誘起電圧係数αおよび総磁束数の実効値Φのデータをプロットすると、前述の図35に示すような誘起電圧係数αと総磁束数の実効値Φとの関係を示す相関カーブを作成することができる。
この相関カーブを特定するデータテーブルまたは近似式がマイクロコンピュータ内部のメモリに記憶されていれば、リニアモータの動作条件が予め定められた所定の条件の範囲
内であれれば、総磁束数の実効値Φを用いて、その動作条件に適した誘起電圧係数αを取得することができる。したがって、本実施の形態のリニアモータ制御システムによれば、リニアモータの磁気飽和の悪影響を排除することによって、高い精度でストロークを算出することができる。
なお、誘起電圧係数αの補正は、前述のような誘起電圧の実効値Eを用いてストロークSTを算出するシステムにおいてのみならず、特開2003−65244号公報に開示されているようなシステム、つまり、誘起電圧の瞬時値(最大値)、誘起電圧係数、および角速度を用いてストロークを算出するシステムにおいても用いることができる。
上述した本実施の形態のリニアモータ制御システムは、具体的には、図37に示すように、往復運動する可動子を有するリニアモータ13と、直流電源を構成する交流電源Gおよび平滑回路Pと、前述の直流電源から供給される直流電力を交流電力に変換し、リニアモータ13に交流電力を供給するインバータ回路100と、インバータ回路100をPWM(Pulse Width Modulation)によって制御するマイクロコンピュータ1000とを備えている。
また、ストローク制御部102は、実際のストロークXpと目標とするストローク指令値との差が大きい場合に、その差に応じてPWMの変調率を変更することによって、実際のストロークXpを目標とするストローク指令値に近づける制御を行なう。したがって、可動子のストロークの制御の精度を高めることができる。
また、モータ電圧検出器Vは、リニアモータ13のモータ電圧v(t)の瞬時値を特定可能な電圧信号をマイクロコンピュータ1000へ送信する。マイクロコンピュータ1000は、そのAD変換機能を使用して、リニアモータ13の両端子間の電位差を特定可能な信号に基づいて、リニアモータ13に印加されているモータ電圧v(t)を算出する。
また、モータ電流検出器A,Sは、インバータ回路100の入力側のDC(Direct Current)ラインに接続されたシャント抵抗器Sに流れているモータ電流i(t)を検出する。モータ電流i(t)は、PWMのパルスのON期間にのみ、シャント抵抗器Sへ流れ込む。そのため、モータ電流検出器A,Sは、前述のON期間のシャント抵抗器Sの両端の電位差信号をマイクロコンピュータ1000へ送信する。マイクロコンピュータ1000は、その電位差信号をAD機能によって、モータ電流i(t)を特定可能な電流信号に変換する。したがって、モータ電流i(t)のサンプリング周期は、PWMのキャリア周期に一致していることが望ましい。
また、ストローク算出部104は、モータ電圧v(t)の瞬時値を特定可能な電圧信号およびモータ電流i(t)の瞬時値を特定可能な電流信号を受け、正弦波の一周期毎にモータ電圧の実効値V、モータ電流の実効値I、および位相差θを算出する。
モータ電圧の実効値Vおよびモータ電流の実効値Iの算出方法としては、前述のように、所定のサンプリング周期で、1周期におけるモータ電圧v(t)の全瞬時値の2乗平均値の平方根および1周期におけるモータ電流i(t)の全瞬時値の2乗平均値の平方根を用いる方法、または、モータ電圧v(t)およびモータ電流i(t)のそれぞれが正弦波であるという仮定の下で、モータ電圧v(t)およびモータ電流i(t)のそれぞれの最大値および最小値を用いる方法等がある。
なお、本実施の形態においては、モータ電流検出器A,Sのシャント抵抗器Sの両端の電位差を用いてモータ電流i(t)の瞬時値を算出するため、PWMのパルスのON期間が短い場合、つまり、モータ電圧v(t)のゼロクロスポイントに近いタイミングにおいては、モータ電流i(t)の瞬時値を検出することが困難である。したがって、モータ電流i(t)が正弦波であるという仮定の下に、モータ電流i(t)の1周期の間の最大値および最小値ならびに予め記憶されているモータ電流の波形を特定可能なデータを用いて、1周期間のモータ電流i(t)の全瞬時値を推測する方法を用いることが望ましい。この方法では、次のような計算式を用いてモータ電流の実効値Iを算出することになる。
まず、マイクロコンピュータ1000のメモリには、まず、図38に示すように、モータ電流検出器A,Sのシャント抵抗器Sの両端の電位差信号を用いて算出されたモータ電流i(t)の1周期分の全瞬時値のデータ列を記憶する。次に、マイクロコンピュータ1000は、そのデータ列からモータ電流i(t)の瞬時値の最大値Imaxおよび最小値Iminを抽出し、次に示す式(22)に、最大値Imaxおよび最小値Iminを代入し、モータ電流の実効値Iを算出する。
Figure 2008005633
前述のような方法によれば、電圧のゼロクロスポイントに近いタイミングのモータ電流i(t)の瞬時値を正確に検出できない場合にも、モータ電流の実効値Iを正確に算出することができる。
モータ電圧とモータ電流との位相差θは、モータ電流i(t)の波形のゼロクロスポイントとモータ電圧v(t)の波形のゼロクロスポイントとの位相差によって検出される。ただし、前述のシャント抵抗器による電流検出の方法においては、位相差θが小さい、つまり、モータ電圧のゼロクロスポイントとモータ電流のゼロクロスポイントとが近い場合、PWMのパルス幅が小さいためにモータ電流のゼロクロスポイントの検出が困難である。この場合には、一周期におけるモータ電流が最大値となるときの位相およびモータ電流が最小値となるときの位相に基づいて、モータ電流のゼロクロスポイントの位相を推測する方法を用いることが望ましい。
前述のような方法によって算出されたモータ電圧の実効値V、モータ電流の実効値Iおよび位相差θ、PWM制御部がPWM制御指令によって特定される正弦波の角速度ω、ならびに、予めメモリに記憶された巻線抵抗値RおよびインダクタンスLを前述の式(15)に代入すれば、その時点での可動子の実際のストロークSTを算出することができる。
また、本実施の形態のマイクロコンピュータ1000は、リニアモータ13の磁気飽和の影響を排除するために、図35に示すような、メモリに誘起電圧係数αと総磁束数の実効値Φとの関係を特定する相関カーブを示す近似式データまたはデータ列が記憶されたデータテーブル105を備えている。なお、前述の相関カーブは、予め実験によって得られたものである。
リニアモータ13の実際のストロークSTの算出時には、まず、前述の式(21)を用いて、総磁束数の実効値Φを算出する。次に、メモリに記憶されている相関カーブの近似式またはデータ列が記憶されたデータテーブル105を用いて、誘起電圧係数αを補正する。その後、補正された誘起電圧係数αの値を用いて、リニアモータ13の磁気飽和の悪影響が排除されたストロークSTを算出する。
また、他の例としてのリニアモータ制御システムは、図39に示すような構成であってもよい。図39に示す他の例のリニアモータ制御システムを次に簡単に説明する。図39に示すリニアモータ制御システムは、図37に示すリニアモータ制御システムと同様の効果を得ることができるため、互いの異なる点についてのみ説明を行なう。
図39に示す他の例のリニアモータ制御システムにおいては、モータ電圧検出器Wが、直流電源とインバータ回路100との間に設けられている。モータ電圧検出器Wで検出された直流電力の電圧信号は、マイクロコンピュータC内のモータ電圧推定部106に送信される。モータ電圧推定部106は、直流電力の電圧信号とストローク制御部102からモータ電圧推定部106へ送信される変調率指令値のデータとを用いて、モータ電圧の実効値Vを推定する。そして、推定されたモータ電圧に実効値Vがモータ電圧推定部106からストローク算出部104へ送信される。
一方、モータ電流検出器Hは、ホール素子を有し、インバータ回路100とリニアモータ13との間に設けられている。また、モータ電流検出器Hは、ホール素子によって磁束の変化を検知し、その磁束の変化をモータ電流の電流信号としてマイクロコンピュータ100内のストローク算出部104へ送信する。
次に、図40および図41を用いて、マイクロコンピュータ1000が行なうストローク制御処理を説明する。
ストローク制御処理は、原則として、リニアモータ動作の一周期毎に行なわれる。まず、S1において、1周期分の電圧信号すなわちモータ電圧v(t)[t=1〜n]の瞬時値の受信が行なわれる。また、同時に、S2において、1周期分の電流信号すなわちモータ電流i(t)[t=1〜n]の瞬時値の受信が行なわれる。つまり、S1およびS2において、1周期分の電圧波形および電流波形を特定可能な電圧信号および電流信号が受信される。次に、S3において、1周期分の電圧信号および電流信号を用いて、モータ電流i(t)とモータ電圧v(t)との間の位相差θを算出する。次に、S4において、1周期分の電圧信号または電流信号を用いてモータ電圧v(t)またはモータ電流i(t)の角速度ωを算出する。ただし、角速度ωは、予め定められた固定値であって、メモリに記憶されている値であってもよい。
次に、S5において、モータ電圧の実効値Vおよびモータ電流の実効値Iを算出する。S5の処理においては、図41に示すS52において、v(1),v(2),…,v(n−1),v(n)を順次比較する。次に、S53において、v(1),v(2),…,v(n−1),v(n)の最大値v(max)と最小値v(min)とを決定する。次に、S54において、モータ電圧の実効値V={v(max)−v(min)}/2√2を算出する。次に、S55において、i(1),i(2),…,i(n−1),i(n)を順次比較する。次に、S56において、i(1),i(2),…,i(n−1),i(n−1)の最大値i(max)と最小値i(min)とを決定する。次に、S57において、式(22)を用いて、モータ電流の実効値Iを算出する。
その後、図41のS6の処理が実行される。S6においては、巻線抵抗値RおよびインダクタンスLの値がメモリから読み出される。次に、S7において、モータ電圧の実効値V、モータ電流の実効値I、位相差θ、巻線抵抗値RおよびインダクタンスLを上述の式(1)に代入し、誘起電圧の実効値Eを算出する。
次に、S8において、式(10)にモータ電圧の実効値V、モータ電流の実効値I、誘起電圧の実効値E、位相差θ、および巻線抵抗値Rを代入し、位相差θ2を算出する。ま
た、S9において、誘起電圧の実効値E、モータ電流の実効値I、角速度ω、インダクタンスL、および位相差θ2を式(21)に代入し、総磁束数の実効値Φを算出する。次に、S10において、総磁束数の実効値Φと相関カーブを示す近似式データまたはデータテーブル(図35)を用いて誘起電圧係数(推力係数)αの値が補正される。
次に、S11において、誘起電圧係数α、誘起電圧の実効値E、角速度ωを式(2)に代入し、可動子の実際のストロークSTを算出する。その後、一周期毎にS1〜S11の処理が繰返される。
前述の実施の形態1および2においては、前述の電圧信号および電流信号を用いてピストン1の実際のストロークを算出するが、その算出の方法は、前述の実施の形態1および2において説明された方法に限定されない。つまり、本発明のリニアモータ制御システムにおいては、リニアモータ13に印加されている電流の値およびリニアモータ13に流れている電流の値を用いてピストン1の実際のストロークを特定することができる方法であれば、いかなる方法が用いられてもよい。
(実施の形態5)
次に、図42を用いて、本発明の実施の形態のリニア圧縮機制御システムを説明する。本実施の形態のリニア圧縮機540のリニアモータ制御システムとしては、実施の形態1〜4において説明されたリニアモータ制御システムが用いられている。
図42に示すように、リニア圧縮機540は、ケーシング541内に設置されたシリンダ542と、該シリンダ542内で往復動するピストン543と、シリンダ542の外周部に設置されピストン543を駆動するリニアモータ501と、ピストン543を付勢するピストンスプリング(板バネ)546と、シリンダを支持する支持機構部とを備える。
リニアモータ501は、シリンダ542の外周部に設置されたインナーヨーク530と、該インナーヨーク530の外側に配置されるアウターヨーク504と、インナーヨーク530とアウターヨーク504との間に配置されたコイル508およびカップ状スリーブ532と、アウターヨーク504を挟持する第1および第2クランプリング502および503と、第1および第2クランプリング502および503との間を所定間隔おいて連結するスペーサ(図示せず)と、ピストンスプリング546を支持する支持部516とを有する。
インナーヨーク530は、シリンダ542の外周を取り囲むように設けられ、該インナーヨーク530を取り囲むように円筒状のカップ状スリーブ532が配置されている。カップ状スリーブ532は、ピストン543と接続され、先端に永久磁石531を構成する複数の磁石片を有する。複数の磁石片のそれぞれはインナーヨーク530とアウターヨーク504との間に配置されている。また、カップ状スリーブ532の永久磁石531が設けられていない内周面には円筒状の補助リング500が設けられている。
第1クランプリング502は、ピストンスプリング546を支持する支持部516を有する。該支持部516に取付けられた支持部材を介してピストンスプリング546が支持部516と接続される。
また、リニア圧縮機540においては、シリンダ542、ピストン543、および対向面(547)によって圧縮空間544が構成されている。シリンダ542は、ケーシング541内で支持機構部により支持されるが、該支持機構部は、図42の例では、ケーシング541の内部に固定される支持板549と、該支持板549上に搭載されシリンダ542を支持するコイルスプリング548とで構成される。
また、シリンダ542の一端側にプレート547を介してヘッドカバー545を固定する。圧縮空間544内では、該ヘッドカバー545とピストン543の頭部とによって冷媒が圧縮される。
次に、上記の構造のリニア圧縮機の動作について説明する。まず、コイル508に通電すると、カップ状スリーブ532の永久磁石531との間に推力が発生し、この推力によりカップ状スリーブ532がシリンダ542の軸方向に沿って移動する。このときカップ状スリーブ532はピストン543と接続されているので、カップ状スリーブ532とともにピストン543も、シリンダ542の軸方向に移動する。
冷媒は、図示しない吸入管からケーシング541内に導入され、ヘッドカバー545およびプレート547内の通路を通過して圧縮空間544内に入る。この圧縮空間544内で、冷媒はピストン543により圧縮され、その後、図示しない吐出管を通って外部に吐出される。
本実施の形態のリニア圧縮機540に実施の形態1〜4のいずれかのリニアモータ制御システムが用いられれば、ピストン543と他の部位との衝突を防止することが可能になる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれていることが意図される。
実施の形態のスターリング冷凍機の構造を示す断面図である。 実施の形態のリニアモータ制御システムの構成を説明するための図である。 実施の形態のマイクロコンピュータの構成図である。 実施の形態のマイクロコンピュータ内のコンパレータを説明するための図である。 PWMの信号波、搬送波、パルス、および交流波形の関係を示す図である。 リニアモータの電流の位相、電圧の位相、およびピストンの位相の関係を説明するための参考図である。 定常時のリニアモータの等価回路図である。 実施の形態の冷却庫の現在のストローク算出処理を説明するためのフローチャートである。 リニアモータ制御システムの構成を示すブロック図である。 標準キャリア周波数を説明するための図である。 低キャリア周波数を説明するための図である。 実施の形態1のキャリア周波数変更制御を説明するための図である。 実施の形態1のキャリア周波数変更制御における出力電圧の実効値と変調率との関係を示す図である。 実施の形態1のキャリア周波数変更制御の変形例を説明するための図である。 実施の形態1のキャリア周波数変更制御の変形例における出力電圧の実効値と変調率の関係を示す図である。 実施の形態1のキャリア周波数変更制御の変形例における出力電圧の実効値と変調率の関係を示す図である。 実施の形態2のスターリング冷凍機制御システムの概略構成を示すブロック図である。 倍電圧切換スイッチがONの状態を説明するための図である。 倍電圧切換スイッチがOFFの状態を説明するための図である。 倍電圧切換スイッチがONのときのパルス波形および交流電圧波形を説明するための図である。 倍電圧切換スイッチがOFFのときのパルス波形および交流電圧波形を説明するための図である。 実施の形態2の倍電圧切換制御を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2の倍電圧切換制御における出力電圧の実効値と変調率との関係を説明するための図である。 実施の形態2の倍電圧切換制御の変形例を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2の倍電圧切換制御における出力電圧の実効値と変調率の関係を示すグラフである。 実施の形態2の倍電圧切換制御における出力電圧の実効値と変調率の関係を示すグラフである。 実施の形態3のスターリング冷凍制御システムの概略構成を示すブロック図である。 実施の形態3のキャリア周波数倍電圧切換制御を説明するためのフローチャートである。 実施の形態3のキャリア周波数倍電圧切換制御における出力電圧の実効値と変調率との関係を説明するための図である。 実施の形態3のキャリア周波数倍電圧切換制御の変形例を説明するためのフローチャートである。 実施の形態3のキャリア周波数倍電圧切換制御における出力電圧の実効値と変調率との関係を説明するための図である。 実施の形態3のキャリア周波数倍電圧切換制御における出力電圧の実効値と変調率との関係を示すグラフである。 リニアモータ駆動回路の等価回路構成を示す図である。 モータ電圧、モータ電流、および誘起電圧のそれぞれの瞬時値の一周期の変化を示す図である。 リニアモータに生じる誘起電圧の実効値を求めるためのベクトル図である。 総磁束数と誘起電圧係数との相関関係を示すグラフである。 リニアモータの磁気回路に生じる総磁束数を求めるためのベクトル図である。 実施の形態4のリニアモータ制御システムの構成を示すブロック図である。 モータ電流の最大値および最小値(ピーク値)を用いてモータ電流の実効値を算出する方法を説明するための図である。 実施の形態4の他の例のリニアモータ制御システムの構成を示すブロック図である。 実施の形態4のストローク制御処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態4のストローク制御処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態5のリニアモータ制御システムが用いられたリニア圧縮機制御システムの構造を示す図である。
符号の説明
1 ピストン、13 リニアモータ、40 スターリング冷凍機、1000 マイクロコンピュータ、B 倍電圧回路。

Claims (9)

  1. 可動子を往復運動させるリニアモータと、
    直流電源から供給される直流電力を交流電力へ変換して該交流電力を前記リニアモータへ供給するインバータ回路と、
    前記インバータ回路をPWM(Pulse Width Modulation)によって制御するマイクロコンピュータと、
    前記リニアモータに印加されている電圧を検出し、前記電圧の値を特定可能な電圧信号を前記マイクロコンピュータへ送信する電圧検出器と、
    前記リニアモータに流れている電流を検出し、前記電流の値を特定可能な電流信号を前記マイクロコンピュータへ送信する電流検出器とを備え、
    前記マイクロコンピュータは、
    前記可動子の目標ストローク指令値を出力するストローク指令値出力部と、
    前記電圧信号および前記電流信号によって特定される電圧の値および電流の値を用いて前記可動子の実際のストロークの値を算出するストローク算出部と、
    前記目標ストローク指令値と前記実際のストロークとの比較結果に基づいて、前記PWMの変調率の指令値およびキャリア周波数の指令値を出力するストローク制御部と、
    前記PWMの変調率の指令値および前記PWMのキャリア周波数の指令値に従って、前記インバータ回路を制御するPWM制御部と含み、
    前記ストローク制御部は、
    前記リニアモータの動作が開始された後、相対的に低いキャリア周波数の指令値を出力するとともに、予め実験結果から決定された値であって可動子のストロークを算出することができる所定値まで前記変調率を大きくし、その後、
    前記実際のストロークの値が前記ストローク指令値以下の値である場合に、前記変調率を増加させ、一方、前記実際のストロークの値が前記ストローク指令値よりも大きい場合に、前記変調率を減少させ、さらに、
    前記変調率が前記所定値と前記所定値よりも大きな特定値との間の値である場合に、相対的に低いキャリア周波数の指令値を出力し、一方、前記変調率が前記特定値以上である場合に、相対的に高いキャリア周波数の指令値を出力する、リニアモータ制御システム。
  2. 前記マイクロコンピュータは、
    前記変調率が特定値以上になった直後に、その時点の変調率を第1所定変調率として記憶するとともに、前記インバータ回路に前記リニアモータへの電力の供給を停止させ、その後、前記相対的に高いキャリア周波数のPWMにおいて前記第1所定変調率まで変調率を大きくしながら前記インバータ回路に前記リニアモータへ電力を供給させ、
    前記変調率が特定値以下になった直後に、その時点の変調率を第2所定変調率として記憶するとともに、前記インバータ回路に前記リニアモータへの電力の供給を停止させ、その後、前記相対的に低いキャリア周波数のPWMにおいて前記第2所定変調率まで変調率を大きくしながら前記インバータ回路に前記リニアモータへ電力を供給させる、請求項1に記載のリニアモータ制御システム。
  3. 前記ストローク算出部は、前記変調率が前記所定値に以上になった後に前記実際のストロークの算出を開始する、請求項1に記載のリニアモータ制御システム。
  4. 可動子を往復運動させるリニアモータと、
    直流電源から供給される直流電力を交流電力へ変換して該交流電力を前記リニアモータへ供給するインバータ回路と、
    前記インバータ回路をPWM(Pulse Width Modulation)によって制御するマイクロコンピュータと、
    前記リニアモータに印加されている電圧を検出し、前記電圧の値を特定可能な電圧信号を前記マイクロコンピュータへ送信する電圧検出器と、
    前記リニアモータに流れている電流を検出し、前記電流の値を特定可能な電流信号を前記マイクロコンピュータへ送信する電流検出器と、
    前記直流電力を生成する直流電力生成回路とを備え、
    前記マイクロコンピュータは、
    前記可動子の目標ストローク指令値を出力するストローク指令値出力部と、
    前記電圧信号および前記電流信号によって特定される電圧の値および電流の値を用いて前記可動子の実際のストロークの値を算出するストローク算出部と、
    前記ストローク指令値と前記実際のストロークとの比較結果に基づいて、前記PWMの変調率の指令値を出力するとともに、前記直流電力制御回路を制御するストローク制御部と、
    前記PWMの変調率の指令値に従って、前記インバータ回路を制御するPWM制御部と含み、
    前記ストローク制御部は、
    前記リニアモータの動作が開始された後、相対的に低い直流電圧が前記インバータ回路に印加されるように前記直流電力生成回路を制御するとともに、予め実験結果から決定された値であって可動子のストロークを算出することができる所定値まで前記変調率を大きくし、その後、
    前記実際のストロークの値が前記ストローク指令値以下の値である場合に、前記変調率を増加させ、一方、前記実際のストロークの値が前記ストローク指令値よりも大きい場合に、前記変調率を減少させ、さらに、
    前記変調率が前記所定値と前記所定値よりも大きな特定値との間の値である場合に、前記相対的に低い直流電圧が前記インバータ回路に印加されるように前記直流電力生成回路を制御し、一方、前記変調率が前記特定値以上である場合に、相対的に高い直流電圧が前記インバータ回路に印加されるように前記直流電力生成回路を制御する、リニアモータ制御システム。
  5. 前記マイクロコンピュータは、
    前記変調率が特定値以上になった直後に、その時点の変調率を第1所定変調率として記憶するとともに、前記インバータ回路に前記リニアモータへの電力の供給を停止させ、その後、前記相対的に高い直流電圧が前記インバータ回路に印加されるように前記直流電力生成回路を制御しながら前記インバータ回路に前記リニアモータへ電力を供給させ、
    前記変調率が特定値以下になった直後に、その時点の変調率を第2所定変調率として記憶するとともに、前記インバータ回路に前記リニアモータへの電力の供給を停止させ、その後、前記相対的に低い直流電圧が前記インバータ回路に印加されるように前記直流電力生成回路を制御しながら前記インバータ回路から前記リニアモータへ電力を供給させる、請求項1に記載のリニアモータ制御システム。
  6. 前記ストローク算出部は、前記変調率が前記所定値に以上になった後に前記実際のストロークの算出を開始する、請求項4に記載のリニアモータ制御システム。
  7. 前記直流電力生成回路は、前記直流電圧の値を変更し得る電圧変更回路を含み、
    前記相対的に高い直流電圧は、前記電圧変更回路のオンによって生成され、
    前記相対的に低い直流電圧は、前記電圧回路のオフによって生成される、請求項4に記載のリニアモータ制御システム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のリニアモータ制御システムがスターリング冷凍機の可動子を制御するために用いられた、スターリング冷凍機制御システム。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載のリニアモータ制御システムがリニア圧縮機の可動子を制御するために用いられた、リニア圧縮機制御システム。
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